手つだい - みる会図書館


検索対象: [拡大写本]ダ・ヴィンチ空を飛ぶ 第1分冊
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1. [拡大写本]ダ・ヴィンチ空を飛ぶ 第1分冊

かつやく 「この本には、レオナルド・ダ・ヴィンチが、フィレンツェで活躍していたこ やく ろのことか書いてある。持っていけば、きっと役に立つよ」と、テディ。 てがみ 「そして、これは、モ 1 ガン先生からあずかった手紙よ」 キャスリ ーンが、折りたたんだ羊皮紙を、さし出した。 アニーか受けとり、それを読みあげた。 フロッグクリークのジャックとアニーへ かんたんに得られるこたえに、まどわされてはなりません。 てんさい かの天才に一日しゅうつきそい、 かれて 彼の手つだいをすれば、 夜鳴き鳥が鳴きはしめるまでに 求める〈こたえ〉が、得られるでしよう。 ほん 、もレ」 よな いちにち せんせい よ、つひし

2. [拡大写本]ダ・ヴィンチ空を飛ぶ 第1分冊

そして、決心したようにうなずいて、つつけた。 みなら きよういちにち 「うむ。きみたち、今日一日、わしの見習いになってくれるか」 げんき 「ええ、もちろん ! と、アニ 1 が元気よくこたえた。 「あ、ありかとうございます ! 」ジャックもいそいで言った。 みなら 「ところで、見習いって、どんなことをするんですか ? い」、つハ、 さいしょ たいしたことじゃない。 最初は、道具をそろえたり、材料を運ん 「いやなに、 ざっよう だりといった雑用だが、いいかね」 「も、もちろんです。レオナルドさんのお手つだいができれば : : : 」 と、ジャック 「では、ついてきなさい」 ある ダ・ヴィンチはそう言って、ずんずん歩きはじめた。 ジャックとアニーは、、つれしくて飛びはねながら、ダ・ヴィンチのあとをつ いていった。 けっしん いりよう

3. [拡大写本]ダ・ヴィンチ空を飛ぶ 第1分冊

んだ ? ) するとアニ 1 が、ダ・ヴィンチを呼びとめた。 「待って ! レオナルド・ダ・ヴィンチさんー ダ・ヴィンチがふり返った。 「なんだね」 を」よ、つい十つに十っ 「今日一日、お兄ちゃんとわたしで、レオナルドさんのお手つだいをしたいん です。いっしょに行ってもいいですか」 ジャックは、びつくりし、おろおろした。いきなりそんなことを切りだして、 おも すうす、つしいと思われたらどうするんだ : ゅび ダ・ヴィンチは、ふたりをじっと見つめ、ほおを指でつつきながら、しばら 、 : つぶやくよ、つに言った。 く考えてしたか、 しごと おお 。じつはいま、大きな仕事に取りかかっているので、人手はあ 「そうだな : ったほうかいいのだが : : : 」 かんか かえ ひとで 4 ・・・・ダ・ヴィンチ空を飛ぶ

4. [拡大写本]ダ・ヴィンチ空を飛ぶ 第1分冊

いちにち 「わたしたち、ダ・ヴィンチーーーじゃなくて、レオナルドさんに一日じゅうつき そって、お手つだいをしなくちゃいけないのに : 。お兄ちゃん、どうする ? 」 「そうだね。どうすればいいのかな : いちばひと ふたりは途方に暮れ、市場の人ごみを見つめていたが、アニ 1 が、はっと気 かついて言った。 「そうだわ、お兄ちゃん。いまこそ、ディアントスの杖を使うときじゃない ? たす レオナルドさんをさがすのは、マ 1 リンを助けるためだから、第一のルールは クリアよ。それに、ここまでやれるだけのことをやったのだから、第二のル 1 もんだい ルも問題ないわ」 「なるほど。たしかにそうだ ! 」 ジャックは、バッグからディアントスの杖を取りだし、アニ 1 にわたしなが ねんお ら、念を押した。 たいさん いちどくちだ じゅもん 「アニ 1 、第三のルールをわすれちゃだめだぞ。一度口に出した呪文のことば て み っえと つか だいいち 2

5. [拡大写本]ダ・ヴィンチ空を飛ぶ 第1分冊

をふり返った。 きよ、ついちにち 「ああ、そうだな : 今日一日、わしを助けてくれてありがとう。ぜひ、ま た、手つだいに来ておくれ 「こちらこそ、いろいろ教えていただいて、ありがとうございました」 と、ジャックも、礼を一一一口った。 「さよ、つなら、リザ」と、アニー こご、ん リザは、目だけをふたりに向けて、小声でこたえた。 「さよ、つなら、ジャック、アニ 1 」 、んが ダ・ヴィンチは、ふたたび絵に向かい、 もくもくとリサのロもとを描きつづ けている ジャックとアニーは、そっとダ・ヴィンチの屋敷をあとにした。 ごえ ナイチンゲ 1 ルの美しい鳴き声が、しだいに大きくなり、まるでフィレンツ 工じゅうにひびきわたるかのように聞こえた。 かえ うつく おし たす おお やしき くち 143 ・・・・ダ・ヴィンチ空を飛ぶ

6. [拡大写本]ダ・ヴィンチ空を飛ぶ 第1分冊

よ、つひし 「ということはーーー」ジャックが、羊皮紙を見つめながら言った。 かれて 「ばくたちは、レオナルド・ダ・ヴィンチに一日じゅうつきそって、彼の手つ だいをすれば、夜までに〈幸せのひけっ〉を見つけられるんだね ? 」 「ええ、きっと、そ、つね」と、キャスリ 1 ンか、つなずいた。 かお ふあん 「でも : : : 」アニ 1 が、不安そうな顔でつぶやく こんかい ンは、今回もいっしょに行かれないんでしよう ? 」 「テディとキャスリ あたま テディが、頭をかきなから言った。 「うん。ばくたちは、まだ、モ 1 ガン先生の手つだいでいそがしいんだ」 キャスリーンか、はげますよ、つに一一一口、つ 「アニー、わたしたちがいなくても、だいじようぶよ。あなたたちにはディア ントスの杖があるじゃない」 かお それを聞いて、アニ 1 がはっと顔をあげた。 っえも 「あ、お兄ちゃん、杖を持ってきたに」 っえ よる しあわ せんせい み み て いちにち ダ・ヴィンチ空を飛ぶ

7. [拡大写本]ダ・ヴィンチ空を飛ぶ 第1分冊

たいよう 、か / 、にん かくど み あたりを見まわして、太陽の角度を確認すると、 ちこく かえ 「すぐに帰らなければ ! 遅刻してしまう ! 」 ひこうきざん そう言って、こわれた飛行機の残がいをハタバタと集めだした。 ちこく やくそく : 、だいじな約東でも ? 」 「遅刻って : て ジャックとアニ 1 が、かたづけを手つだいながら、たすねた。 やしき ・ : たのまれて 「わしの屋敷に、絵のモデルが来ることになっているのだー しよう第、、つ、刀 、カ 描きはじめた肖像画なのだが、いまや、わしにとっては、なによりもだいじな 絵なのだよ」 ひこうきざん ダ・ヴィンチ、ジャック、アニ 1 の三人は、飛行機の残がいを馬車に積みこ なら しゆっはっ ぎよしやだい み、御者台に並んですわると、すぐに出発した。 みち 馬車は、でこばこ道をガタガタとゆれながら、フィレンツェの城門めざして 走っていった。 え え さんにん あっ じようもん っ 1 23 ・・・・ダ・ヴィンチ空を飛ふ

8. [拡大写本]ダ・ヴィンチ空を飛ぶ 第1分冊

ひろま それはまるで、広間の中が戦場になったかのようだった。 あしば でし 弟子たちは、足場の上で大さわぎをしている こ、ん みず なかにわふんすい ! 」ダ・ヴィンチの声がひびく 「水だ、水 ! 中庭の噴水で水をくんでこい 「火を消すんだー ひろま あしば ダ・ヴィンチは、みずから足場の下にあった手おけを取ると、広間をとび出 あしば していった〇弟子たちも、足場をおりてあとを追う 「アニ 1 、ばくたちも手つだおう ! 」 なかにわむ ジャックとアニーは、手おけを持って、噴水のある中庭へ向かった。 かいだんとちゅう 階段の途中で、ダ・ヴィンチとすれちがった。 ノ、ちばし かおま 顔を真っ赤にし、ひげをふるわせながら、ロ走っている なが 、流れてしまう ! わしの一世一代の大傑作が : 「あああ : みず 大失敗 みす しつばい うえおお なかせんじよう いっせいちだい ふんすい ・・・・ダ・ヴィンチ空を飛ぶ

9. [拡大写本]ダ・ヴィンチ空を飛ぶ 第1分冊

わとり おおぞら つばさゆうがひろ 翼を優雅に広げ、大空を飛ぶ鳥の姿が見たくて、マルコからなん羽も鳥を買い はなしてやっている。わしらは、似たものどうしだな」 わら 「そうね ! 」アニーは、うれしそうに笑った。 ジャックは、このやりとりを聞きなから、ひとり考えていた ( ようやくレオナルド・ダ・ヴィンチに会えたぞ。なんだかとても変わった人 、ちにち これから、ばくたちは、一日じゅ、つこの人につきそい、こ みたいだけど : ひとて の人の手つだいをしなければいけないんだ。それには、まず気に入ってもらわ ないと : : : ) えカお そこで、ジャックも、にこにこと笑顔をつくって自己紹介した。 「助けていただいて、ありかとうございます。ばくは、ジャックといいます こっちは妹のアニ 1 で、じつは、小鳥をはなしたのは : : : 」 しかし、ダ・ヴィンチは、ジャックをさ、んぎって、話しつづけた。 にんげん ものきようみ じっさい 「いや実際、わしは、生き物という生き物に興味がある。人間はもちろん、鳥、 たす いもうと もの とりすがたみ かんが じこしようかし ひと ひと ・・・・ダ・ヴィンチ空を飛ぶ