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1. そうか、わかった!いまどき日本経済 : エコノ探偵団デフレの街を行く

人は「横浜カレーミュージアム」に向かった。有名レストランが出店、二〇〇一年一 月の開館以来、盛況が続いている。 ーのテー 「どうしてこんなに混んでるの」。尋ねる二人に、同館を経営するマタハリ マパーク営業部長、佐藤好正さん ( ) が答えた。 「比較的安く種類が多いカレーは、不況に強い。それがインド料理人気につながって いるのかもしれません」 「不況に強いというのは分かる気もするけど、そう単純かな。どうも、はっきりしな いね」。東京に戻った探偵二人は、夕食もインド料理店でとって考え込んだ。 「先輩、周りをみて」。明日香が低い声で指摘すると、孝造も気が付いた。 「あれつ、随分外国人客が多いな」 りそこに、レストランのオーナー、アナンダ・ムールティさん ( 町 ) が近づいてき れ 「ここ数年、インド人の客が増えているんです」 嶂「昼の店でもインド人らしい客が目立ったわ」 第 一見当たり前のような明日香の言葉に、孝造はハッとした。「カギはインドの人た ちだ ! どんな人たちなんですか ? 」。孝造はムールティさんに聞いた。

2. そうか、わかった!いまどき日本経済 : エコノ探偵団デフレの街を行く

247 17 0 0 万人ーーー・・ー花粉症の患者数 ( 推計 ) 「大気汚染」「食生活の変化」など患者増加の原因に諸説 目がかゆい、くしやみが止まらず鼻はぐしゅぐしゅーー。春先のスギやヒノキの花粉 日本アレルギー協会会長の奥田稔・日本 による「花粉症」に悩まされている人は多い。 医科大学名誉教授が二〇〇一年に実施した調査によると、現在、日本での花粉症の患者 数は約千七百十三万人と推計される。 調査は、全国の約一万人を対象に昨年四月から七月にかけて実施した。この結果、花 粉症と診断できる人は全体の一三・五 % と推定した。これに二〇〇〇年十月の国勢調査 時点での日本の人口一億二千六百九十二万人をかけ、推計患者数を算出した。日本人の ほば七人に一人が花粉症という計算になる。一九九八年に昭和大学医学部の川口毅教授 が実施した調査では、千三百九万人と推計。神奈川県のある町の国民健康保険加入者の 診療実績や品川区の薬局での聞き取りなどから算出したもので、二つの数字を比べて単 純に「花粉症患者が急増している」とは判断できない。 だが、二十年ほど前まではあまり知られていなかった花粉症患者が増えているのは確 かで、やっかいな病気として認知されている。増えた理由として「戦争で失われた森林

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「最近は、情報技術 (—e) 産業に携わる人が多いんですよ。ほら、お隣もそうです 隣卓に座っていたシュリーダラ・シェティーさん ( 肥 ) は、インド大手ソフトウェ ア開発会社ウイプロの日本法人社長だった。日本の顧客と商談中で、部下の人たちも 「インド料理は、やはりわれわれのカの源です」と流ちょうな日本語で答えた。明日 香がにつこりした。 「ナゾを解くカギは、。 とうやら—e 産業にありそうね」 翌日、二人はインドのソフト会社を紹介するジェネシス ( 東京・港 ) の社長、西山 征夫さん ( ) に会った。 「理数教育が充実したインドは、技術者の宝庫なのです。需要の多い日本への流入が 急増しています」。インド大使館によると、日本に拠点をもつインドの企業は、 約四十社。この一年で十社以上増えた。法務省の統計では、一九九九年末の在留イン ド人は、九千六十七人で九五年末から六五 % 増え、うち技術者は一一・四倍になった。 その後も、来日は相次ぎ、短期滞在も含めれば、技術者は二千人を超えたともいわ れる。しかも、大半は顧客企業の多い東京に集中している。 「だから、都心でインド料理店の増加が目立つんだわ」。明日香は納得した。

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を許可する際の条件を緩和したんです」 「するとインド料理店、いや技術者はさらに増えるんですね」 インドのソフト会社に発注している ZQO などに尋ねても、いまや家電でもソフト 開発は不可欠だという。 経済産業省によると、日本のソフト市場規模は、九九年度 ( 九八年十一月ー九九年 十月 ) で六兆四千億円と、九五年度より七三 % も増えた。 半面、国内の技術者は不足気味だ。少子化が進めば、もっと深刻になりそうで、政 府は今後五年間に三万人の外国人技術者を招く計画だ。インドに続き中国、フィ リピンなどの技術者の入国・就労条件の緩和も検討している。人材派遣業界でも パソナが近くインド人技術者の国内派遣を始めるなど動きは急だ。 の明日香が帰国、孝造と事務所で報告した。 「米国のインド系技術者は、約二十万人ともいわれますが、景気減速で解雇され、帰 れ 国する人も目立ち始めており、今後、来日者数はさらに膨らみそうです」 嶂「なるほど。今後は世界的に技術者の供給が増え、人材の大移動が加速する。—e は 第 国境をさらに突き崩すか」。所長がうなずいていると、夫人の円子が呼びにきた。 「タ食はカレーよ。二人とも食べてって」

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紙幣発行や通帳記入式など地域によって方式は様々だ。例えば、パソコン指導、庭 の草むしり、留守番、買い物代行などのサービスを受けた人が、その対価として提供 者に支払う。同様に、受け取った人は、他の人から様々なサービスを受けた際に、こ れを使用する。そこで、次々にサービスの交換が起きる仕組みだ。 ふつうのお金と違って、銀行に預けたりできないので、利息はつかず、期限付きの ・ものが多一いとい , つ。 明日香がうなずいた。 「昔、お父さんにあげた肩タタキ券と似てるわね」 日本では一九九九年から本格的に導入が始まった。導入または実験中の地域は、百 以上、検討中を含めると二百を超すという。 印「そんなに ! 」。二人は驚いた。「でも、なぜ導入するんだろう ? 」。疑問を深めた孝 造は、兵庫県宝塚市に向かった。同市では、地域通貨の活動に約五百人が参加してい デる。事務局である宝塚センター理事の山本麗子さん ( ) が答えてくれた。 嶂「阪神大震災がきっかけです」 第 「大震災」 目を丸くした孝造に山本さんが言った。

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出した。「あなたが薦めるから買ったのよ、とよくリスナーにいわれるんで、商品選 びには真剣になります、と那須さんは話していたわ」。 次の瞬間、孝造が声を上げた。 「放送通販では、局と視聴者の双方向の対話が大切だが、歴史が古く地味なラジオ通 販に、その原型があったんだ ! 」 満足した二人は事務所に帰る途中、通販協会の柿尾さんを訪ねた。柿尾さんは「大 事なことをいい忘れました」という。 「世の中にはモノがあふれ、その情報の大洪水が消費者を押し流そうとしている面が あります」 二人は同時に聞いた。 郎「それとラジオ通販にはどんな関係がありますか ? 」 「選択肢が多すぎ、絞れずに悩む。信頼できる人が教えてくれたり、選んでくれたも デのを買ってはじめて安心できる。そういう人が増えてきた。ラジオの聴き手とバーソ 嶂ナリティーとの関係に、そうした構図が読み取れます。情報化が進むほど、モノやサ 第 ービスの選択に迷いやすくなる。消費などの面で、信頼づくりがさらに重要になりま す」。柿尾さんの言葉に二人はうなずいた。

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都心にインド料理店がなぜ増える ? 東京に集まるインド人技術者の″力の源 「フー、暑いわ」。探偵、深津明日香が汗だくで帰ってきた。「 そんなに暑いの か」。先輩の加江田孝造が尋ねると、「いえ、近所にできたインド料理店のカレー が辛くて」と水を飲んだ。すると、所長がソフアからガバッと起きあがり、ニ人 に調査を命じた。「そういえば、都心でインド料理店が増えていると聞いた。き っと何かあるぞ」。 在留インド人技術者数は 2000 人を超える 孝造と明日香は、聞き込みで知ったインド料理店協会の理事長、サトバーグ・シン さん ( ) から情報を得た。 「インド料理店は東京だけで約三百五十店。十年前の二倍以上ですね」 都心での増加が目立つようだ。 「なるほど。カレーを食べて現場調査とするかあ」。うれしそうな孝造の一言で、二

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87 第 2 章 豪州と これがいまの世間のジョーシキ インドのソフトウェアの輸出先別シェア (NASSCOM 資料 ) ニューシーランド 1 .5 東南アジア 3.5 日本 3.5 23.5 99 年度 40 億ドル 西アジア 1 .5 その他 4.5 北米 ( 米国とカナダ ) 62 ℃ % 8 6 92 年末 0 人 千 2 4 ( 211 人 ) 在留インド人数 ( 法務省資料 ) ( 注 ) カッコ内は技術者として在留資格を持つ人 ( 728 ) ( 709 ) ( 532 ) ( 253 ) ( 303 ) ( 383 ) ( 228 ) 全在留者 93 94 95 96 97 98 99

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平日の場合、全就業者のうち一日十時間を超えて働く人の割合は、昨年で二一 と、九五年よりも四ポイント上昇した。午後四時半ー九時半に働く人の割合が高ま り、オフ ( 自由 ) 時間の始まりが遅くなっていることもわかった。 ・、 , レヒの・ 「不況で企業が人員を抑制し一人当たりの仕事量が増え気味なうえ、グロー 影響で、遅くまで会社に残る人が増加しているのです」 九五年に比べ、二〇〇〇年の国民一人当たりの平日のテレビ視聴時間は、六分増 え、逆に、睡眠時間は四分減った。それを聞いて孝造も、市場調査会社のビデオリサ ーチで入手した資料を出した。関東地区では、午前零時ー二時にテレビをつけている 世帯の割合は九〇年には週平均一五 % だったが、二〇〇〇年には二四 % と大幅に上 昇、オフ時間のずれ込みなどをうかがわせた。 印三矢さんは続けた。 「夜型人間の需要を当て込んだ深夜営業店の増加などにより、大都市では、深夜に活 デ動することの不便さが消えました。それに、による夜間の通信や深夜番組の充実 璋などが加わって、夜型人間がさらに増えているのです。 " 二十四時間経済。の本格化 第 を感じます」 孝造と明日香は、叫んだ。

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なせ′金の卵 / に ? “薬剤師が足りないー 医薬分業進まず、受け皿不足も原因 " 金の卵。のナゾ、調べてください」。近所の主婦が探偵、深津明日香を訪ねて きた。「 ? 」「薬局の薬剤師のことよ」。失業増に悩む世間とは逆に、人手不足が 薬剤師不足で必要な薬が 深刻化、引く手あまたで賃金も高騰しているらしい。「 手に入らなければ、重大問題ね」。明日香は早速調査に乗り出した。 資格持つ人は過剰、現場は人手不足 「月給に十万円程度上乗せするのが一般的。無料で住宅まで提供するところもあるよ うです」 明日香が訪ねたのは、茨城県が地盤のドラッグストア、寺島薬局。人事部マネジャ ーの内村和夫さん ( ) によると、二〇〇一年春は新卒採用二十人を目指したが、結 果は七人。「採用競争が激しく、人が採れないと事業拡大も難しい」。 薬剤師派遣大手のウイングメディカル ( 東京・港 ) によると、薬剤師の時給は、二