ジャックが一一一口、つと、 「ワンワン ! 」 当、き ある テデイか、先に立って歩きはじめた。 、も . り , ふたりは、まだ、あちこちで煙がくすぶっている森の中を、テディのあとに ある ついて歩いていった。 はたして、ツリーハウスがのっている木は、燃えずに残っていた ハウスは無事よ ! 」 「よかったー アニーは、さっそくなわばしごをつかんで、のばっていった。 ジャックは、テディをリュックに入れて、あとにつづいた。 なか ハウスの中にはいり、テディをリュックから出してやると、テディは、 まえあし ペンシルべニア州のガイドブックのところへ走っていって、前足をおいた 「ワンワンー はやかえ 「待ちきれないんだね。よし、早く帰ろう ! 」 しゅう けむり なか 142
みつ おく もの 「これで、三つの贈り物が、集まったわ」 ぎんどけい はねよこ アニーが、銀時計とワシの羽根の横に、インドの老人がくれたハスの花を、 そっとおいた。 そして、テディに向かって言った。 ひと ひと おく もの 「あと一つ ! あと一つ、贈り物をもらえば、あなたの魔法がとけるのよ」 あたま ぎもんうず しかし、ジャックの頭のなかには、たくさんの疑問が渦まいていた。 「アニ 1 。トラにおそわれそうになったとき、テディが『逃げろ』って言った って、たしか、そう言っただろう ? どうしてわかったんだい ? 」 くひ アニ 1 は、首をすくめた。 おも 「なんとなく、そう思ったの。テディの目が、そう言ってたのよ」 ごえ 「ふーん : それから、テデイかトラを追いはらったときのうなり ~ どう こ、んた して、あんな声が出せたんだ ? 」 ジャックは、テディをふりかえって、その目をじっと見つめた。 あっ ろ、つじん
えた 「ワン、ワン ! 」テデイか、ジャックにさいそくしている 「わかった、わかった。いま行くよ」 ジャックは、本とノ 1 トをリュックにしまい、つぎにテディを入れて背お、つ と、なわばしごをおりた。 じめん そして、地面におり立っとすぐに、テディをリュックから出してやった。 もりお / 、 そこへカ 1 がやってきて、ジャックの手を取り、森の奥へと引っぱっていく。 コーも、アニ 1 の手を引いて、ついてきた。そのあとに、テディがつづく。 ちか しばらく歩くと、サルたちはふたりの手をはなし、近くの木によじのばって、 枝から枝へと飛びうつりはじめた。 「待って ! 」 サルたちのあとを追って、アニーとテディが走りだした。 それを見て、ジャックがさけんだ。 きけん 「走っちゃだめだー どんな危険があるか、わからないんだから ! 」 えだ あ ほん
、もーり・ 子大は、森でいちばん高いカシの木のところまで来ると、そこでたち止まり、 ふたりをふりかえった。ハッハッと息をはずませている なが カシの木の上から、長いなわばしごがたれさがっている。マジック・ツリ 1 つう ハウスに通じるなわばしごだ。 こいぬ ふたりか追いつくと、子大は、うれしそうにしつほをふった。 アニーか、テディを抱きあげて、ほおすりした。 「テディ、会いたかったわ ! 」 かお ジャックも、テディに顔をよせた。 げんき 「元気だったかい ? 」 かお テディが、ふたりの顔を、ペロペロとなめる みあ ハウスを見上げて言った。 アニ 1 が、木の上のツリ 1 みつ しよいよ、三つめの冒険に出かけるのね」 「テデイかあらわれたということは、、 すると、子大は「ワン ! 」とこたえて、しつほをくるくるまわした。 、つえ うえ ばうけんで ・・・ジャングルの掟
「行ってみない ? 」 「、つん、行ってみよう」 ジャックは、ノ 1 トと、オ 1 ストラリアの本を、リュックにしまった。 「テデイも、リュックに入れていって」 「いいよ。テディ、おいで ! 」 ジャックは、テディをリュックに入れると、アニーのあとについて、なわば しごをおりた。 あっかぜふ じめん 地面におりると、とっぜん熱い風が吹きつけ、土ばこりが舞いあがった。 わ ひょうめん 土かかさかさにかわき、表面がひび割れている。そこを、見たこともないよ うな大きなトカゲが、チョロチョロと走りぬけていった。 ある ふたりは、煙をめざして歩きはじめた。 「ウ 1 ツ、ワン、ワン ! 」 せなか ジャックの背中で、とっぜん、テディがほえだした。 っち おお けむり ほん っち み ・・カンガルー救出作戦
「とってもりこうだけど、おもしろいし : ・・ : 」 おも 「いないと思ったら、とっぜん、あらわれる : : : 」 「あっ ! お兄ちゃん ! うわさをすれば : : : 」 「え ? 」 アニーのことばに、ジャックは、あたりをキョロキョロと見まわした。 ゅび 「ほらつ、あそこ ! 」アニ 1 が、森のほうを指さした。 こいぬかお しげみのかげから、茶色い子大の顔が、ちょこんとのぞいている 「ワン、ワン ! 」 ほんとにテデイだ ! 」 「テディー ふたりかかけよろうとすると、子大は、くるりと向きを変えて走りだした。 「追いかけるのよ ! 」 ーも . り・ テディを追って、ジャックとアニ 1 も、森の中へ走りこんだ。 きぎ ゅうひ 夕日がななめにさしこむ木々のあいだを、子大は、奥へ奥へとかけていく ちゃいろ なか おくおく ・・・ジャングルの掟
としよかん 「ばく、図書館で、めずらしい本を見つけたんだ。そこにのっていた新しい魔 じぶん いぬか ほ、つれんしゅう 法を練習しようとして、まちがって、自分を大に変えてしまったんだよ」 ジャックとアニ 1 は、ロをほかんと開けたまま、立ちつくしていた。 じじよう わら おも よ、つやく事情がわかり、アニーは、思わず笑いだしてしまった。 そうだったのに」 ば、つはロん たの 「でも、おかげで、楽しい冒険ができたけどね ! 」 「わたしたち、あなたを、勝手にテディって呼んでたけど、ほんとうの名まえ は、なんていうの ? 」 、いけど、ばくのほんとうの名まえは、 「テデイかいいなら、ずっとテディでもし テッドっていうんだ」 「テッドね ? わかったわ ! 」 こえで こんらん ジャックは、まだ混乱していて、声も出ない。 わら せつめい にこにこ笑いなから説明した。 モ 1 ガンか、 くち かって ほん あたら ・・カンガルー救出作戦
あし ーし力いしん ドン、ドンと、足をふみならしはじめた。警戒心をむき出しにして、アニ 1 の ほ、つをにらみつけている アニーは、わけがわからなかった。 「ど、どうしたっていうの ? ねえ、落ちついて」 「ウウウーツ ! 」 せなか ジャックの背中で、テデイかうなる おと と、ジャックとアニーの背後で、ガサガサと音がした。 なか ふりかえると、しげみの中から、三びきの大が、姿をあらわした。 さんか′、 みみ 三角の耳をピンと立て、するどい目で、こちらをうかがっている おも ジャックは、思わず、あとずさりした。 「ウウウ 1 ツー ワンワンワンツ」テデイか、 はげしくほえたてる みむ たか、三びきの大は、テディには見向きもせず、カンガルーのほうへ、にじ りよっていく さん さん すがた 108
こ、ん きようふ 「な、な、なんだ、あれは ! 」ジャックの声が、恐怖でひきつった。 おと : もしかしたら、かみなりの音じゃない ? 」と、アニ 1 「あれは : 「ワン、ワンツ ! 」 テデイか、また走りだした。 「テデイか、もどろう、だってー きみち しま来た道を、 アニ 1 が、ふるえているジャックの手を取った。ふたりは、、 また手さぐりでもどりはじめた。 「ワン、ワン ! 」 こ、ん ある テディの声をたよりに歩いていくと、どうくつの入り口が見えてきた。 そして、いなずまー ゅうだち ひか 「光った ! やつばりかみなりよ ! タ立がきたんだわ ! やったあ ! 」 アニ 1 は、ジャックの手を引っぱって、どうくつの外へ走りでた。 あめ ふたりは、どしゃぶりの雨のなかに立っていた。 そと ぐちみ ・・カンガルー救出作戦 127
おく はねみつ かえ ら贈られたワシの羽根三つめは、インドの森からもち帰ったハスの花だ。 おく もの 「あとは〈カンガル 1 からの贈り物〉をもらえば、テディの魔法がとけるのね」 どうぶつ 「カンガル 1 は、オーストラリアにすんでいる動物だ。ばくたちのこんどの冒 けん 険は、きっと、オーストラリアに行くんだよ」 かお 「えつ、ほんと ? アニーの顔が、ばっと輝いた 「クウン、クウン ! 」 み ま、んあし 見ると、テデイか、小屋のすみにある一冊の本に、前足をかけている ひょうし ジャックが、その本を取りあげて、表紙をアニーに見せた おも 「ほおら、思ったとおりだ ! 」 だいしぜん だいめい その本には、『オーストラリアの大自然』という題名がついていた。 「テディ ! わたしたち、カンガル 1 に会し 、に行くのよ ! 用意はいい 「ワン、ワン ! 」 ほんひら だいちしやしん ジャックは本を開いた。。 ヘージいつばいに、広大な大地の写真がのっている ほん ほんと こや いっさつほん かがや こうだい 0 0 2