えた 「ワン、ワン ! 」テデイか、ジャックにさいそくしている 「わかった、わかった。いま行くよ」 ジャックは、本とノ 1 トをリュックにしまい、つぎにテディを入れて背お、つ と、なわばしごをおりた。 じめん そして、地面におり立っとすぐに、テディをリュックから出してやった。 もりお / 、 そこへカ 1 がやってきて、ジャックの手を取り、森の奥へと引っぱっていく。 コーも、アニ 1 の手を引いて、ついてきた。そのあとに、テディがつづく。 ちか しばらく歩くと、サルたちはふたりの手をはなし、近くの木によじのばって、 枝から枝へと飛びうつりはじめた。 「待って ! 」 サルたちのあとを追って、アニーとテディが走りだした。 それを見て、ジャックがさけんだ。 きけん 「走っちゃだめだー どんな危険があるか、わからないんだから ! 」 えだ あ ほん
「ちょっと来て ! 」 「どうしたんだ」 「とにかく、来て ! どうしたらいいのか、わからないわ ! 」 1 は、いまにも泣きだしそ、つだ。 密猟者のわな ジャックは、本やノ 1 トをリュックにほ、つりこむと、アニーのあとについて、 ーもり・ 森の中へ走っていった。 テディと二ひきのサルも、ジャックのあとを走っていく。 じめんよこ しげみをかきわけると、とっぜん、地面に横たわるトラの巨体が目にとびこ んできた。 なか みつりよ、つしゃ ほん きょたい め ・・・ジャングルの掟
いえむ ある ジャックとアニ 1 は、家に向かって歩きはじめた。 かえ 、つ、んはし 鳥たちが、ねぐらに帰っていく。リスが、枝の上を走りまわっている おも フロッグクリ 1 クの森は、なんてのどかなんだろう、とジャックは田 5 った。 ある きゅう ハ、ら さいごひと ひかり 歩いているうちに、最後の一すじの光が消え、あたりは急にうす暗くなった。 げんかんかいだん よる 家についたふたりは、しばらく玄関の階段にすわって、夜のとばりかおりる ようすを見つめていた くちひら ジャックか、ロを開いた 「まだ、わからないことがある。あの老人は、目か見えないのに、どうしてッ リーハウスの場所がわかったんだろう。それから、ばくたちが、ゾウの背中に もりある 乗ってひと晩じゅう森を歩きまわったことを、どうして知ってたんだろう ? 」 ーもーり・ こ、ん おし 「おじいさんは、〈森の声〉がなんでも教えてくれるって、言ってたわ」 こ、ん 「〈森の声〉ねえ : おとみみ ジャックは目をつぶり、しばらく、聞こえてくる音に耳をかたむけてみた。 ばん ろうじん えだ せなか
「行ってみない ? 」 「、つん、行ってみよう」 ジャックは、ノ 1 トと、オ 1 ストラリアの本を、リュックにしまった。 「テデイも、リュックに入れていって」 「いいよ。テディ、おいで ! 」 ジャックは、テディをリュックに入れると、アニーのあとについて、なわば しごをおりた。 あっかぜふ じめん 地面におりると、とっぜん熱い風が吹きつけ、土ばこりが舞いあがった。 わ ひょうめん 土かかさかさにかわき、表面がひび割れている。そこを、見たこともないよ うな大きなトカゲが、チョロチョロと走りぬけていった。 ある ふたりは、煙をめざして歩きはじめた。 「ウ 1 ツ、ワン、ワン ! 」 せなか ジャックの背中で、とっぜん、テディがほえだした。 っち おお けむり ほん っち み ・・カンガルー救出作戦
最後の〈贈り物〉をもとめて げんかんまえ あたたかいタぐれどき、ジャックは、玄関前のポーチに腰をおろして、本を ひろ 広げていた はも . り・ みち アニ 1 は、となりにすわって、森へつづく道をながめている と、アニ 1 が、とっぜん立ちあがってさけんだ。 「お兄ちゃん ! 聞こえるわ ! 」 、もーり かお ジャックは顔をあげた。アニーが、森の方角を、じっと見つめている。 「ほら、大の鳴き声 ! テディが、わたしたちを呼んでるのよ」 こ、ん ジャックは、耳をすましてみたが、それらしい声はまったく聞こえない。 「なにも聞こえないよ。そら耳じゃないのかい ? 」 「ほんとに聞こえたのよー : あっ、ほら、また鳴いてる ! 」 , もり ジャックは、森の方角に、もういちど耳をかたむけた。 ゅう みみ ごえ ほ、つか′、 おく みみ もの みみ ほん 8
ごえ おと い」、つろ はしくるまおと 道路を走る車の音、キツッキが木をたたく音、コオロギの鳴き声。 ひらおと げんかん それから、玄関のドアが開く音がして こ、えき ママの声が聞こえた。 「ふたりとも、そこにいたのね。さあ、タごはんよ」 こ、ん ジャックは、とっぜん、それらが一つの〈声〉であることに気づいた。 こ、ん まち 「そうかー これがぜんぶ、ばくの町〈フロッグクリ 1 クの声〉なんだー ひと ゅう
みずか 照りがつづいて、かんばっ ( 水が枯れてしまうこと ) になることもある。 つほ、つ 月力あ その一方で、とっせん大雨がふることもあり、そのようなときは ふれて洪水になってしまう。 ジャックは、ノ 1 トを取りだして、書きとめた オーストラリア " いちはん小さい大陸 かんそうしている 1 ベキュ 1 をやってるみたいよ」 「お兄ちゃん。どこかで、 アニーが、キョロキョロしながら言った。 そういえば、薪を燃やすようなにおいがする 、つ、ん とお まどそとみ 窓の外を見ると、遠くの木の上から、ひとすじの煙が立ちのばっている 「あそこだ。きっと、キャンプをしている人がいるんだ」 こ、つずい おおあめ レ」 ひと 0 く けむり かわ 0 ・・・カンガルー救出作戦
決死の空中プランコ めまえ アニ 1 は、目の前にぶらさがった、つるをつかんだ。 ジャックは、いそいでふりかえった。ニシキヘビは、ジリジリとはいあがっ あたま 。いまにもとどきそ、つだ。 てくる。その頭は、ふたりかいる枝こ、 まよっているひまはない。。 シャックも意を決して、つるをつかんだ。 「カーとコ 1 は、こうやって、からだを後ろにそらせてたわー りようあし おも ふたりは、つるをにぎりしめ、両足をふんばって、思いきりのけぞった。 「いち、にの、さん ! それつー ごえ く、っちゅう アニーのかけ声とともに、ふたりは、枝をけって空中にとび出した。 、つ ちゅう ふたりのからだが、 宙に孚、こ。 ないぞう した かん ジャックは、内臓が、下のほ、つに引っぱられるよ、つに感じた。 かお あ ( そしオカ、からだや顔にビシビシと当たる けっし えだ ′ v' 、つ亠りゆ、つ えだ えだ 0
えだ 「きっと、そうだよ。ああ、なんとかしなくちゃ : 、刀↓た そのとき、カーとコ 1 が、ジャックの肩をつついた。 「キー、コーコ 1 ! 「ごめんよ。きみたちの相手をしてるひまはないんだ。どうしたらいいか、一 刻も早く考えなくちゃ : ・・ : 」 そう言いながら、ジャックは、本のページをバサバサとめくった。 すると、サルたちは、たれさがったつるをつかみ、からだをのけぞらせると、 ノ、、っちゅう 枝をけって、ばっと空中にとび出した。 く、っちゅう ちゅう 二ひきは、まるで空中プランコに乗っているように、宙を飛んだ。しげみを ′、さ、つ、ん まちい せなか 越え、草の上をかすめて、その背中が、あっという間に小さくなっていく ちゃくち それから、すこしはなれた木の枝に、ストンと着地すると、こちらを向き、 キーキ 1 さけびながら手まねきしている 「わたしたちにも、わたっておいで、だってー はやかんが あいて ほん えた ・・ジャングルの掟
ふり向いたジャックは、おどろいてとびあがった。 A 一」り・ せたか なか ジャックより背の高い、巨大な鳥が、しげみの中からあらわれたのだ。 そうげんはし まるまるとしたからだに、ほそ長い首と足。アフリカの草原を走る、ダチョ ウに似ている アニーは、さっそく、このきみような鳥に話しかけに行った。 「こんにちは。あなたは、なんていう鳥 ? とりしやしん ジャックは、リュックからオーストラリアの本を取りだして、この鳥の写真 ひら がのっているべ 1 ジを開いた。 「ああ、これは、エミューっていう鳥だ」 エミューは、鳥のなかで、ダチョウのつぎに大きい そら じそくよんじゅう 空を飛べないかわりに、時速四〇 5 五〇キロメートルで走ることができる。 A トり・ きょだい なが くびあし おお ほんと