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検索対象: ニューズウィーク日本版 2017年5月23日号
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1. ニューズウィーク日本版 2017年5月23日号

MYANMAR CHINA 中国が進める「属国」の和平 一一民主化により自立した隣国で続く少数民族との内戦ー ー」」」」〔「 ' ' ー経済的利益を狙い中国は仲介役に回り始めた From Foreign Policy Magazine 月、ミャンマ ( ビルマ ) 政府が 少数民族武装勢力 との和平交渉再開 に向けた話し合いに乗り出した。 ミャンマ 1 北部では、カチンな どの少数民族と政府軍との間に 内戦が続いている。今回の話し 合いは、ミャンマーの内戦地帯 と国境を接する中国の仲介で実 現した。 約 100 万の人口を持っカチ ンは、ミャンマ 1 北部のカチン 州を中心とする地域に先祖代々 暮らしている。年のク 1 デタ 1 により、多数派のビルマ民族 主導の軍事政権が誕生して以降、 カチンは独立を求めて政府軍と 戦い続けてきた。この戦いは、 「世界で最も長く続いている内齢 カチンの武装ゲリラであるカ ・・、しチン独立軍 (**<) は約 1 万 人の戦闘員を擁し、ミャンマー と中国の国境地帯の多くを支配 している。と政府軍の戦 いは熾烈を極めてきた。政府軍 ノは司法手続きを経ない殺害、レ イプ、拷問などの人権蹂躙にも 手を染めている 内戦で住む場所を失った人は、 この 6 年間で川万人以上。中国 にも大量の難民が流入している。 中国政府が和平を呼び掛ける理

2. ニューズウィーク日本版 2017年5月23日号

0 0 0 0 思・つ」てもみない成果だた 何十年も抗議活動を続けてい るナワリヌイだが、その名が知 られだしたのは年肥月のロシ ア下院選挙後、不正に抗議する 反政府デモが巻き起こったとき から。ナワリヌイは後にモスク ワ市長選に立候補し、敗れたも のの % 近い票を得た。 若者世代がデモの主役に 反政府運動のために、彼は何 度も短期の身柄拘東を経験して いる。年には横領罪で有罪判 決を受けながらも翌日に保釈さ れ、後の抗告審判で執行猶予付 きに減刑。年には弟のオレク 一だが汚職で有罪判決を受けた。 存時間は要したがナワリヌイの 畍主張は確実に浸透してきた。 3 っ月のデモは、政府にとっても想 定外だったようだ。肥年の ンデモはモスクワに限定され、年 配の中流層が主な担い手だった。 プ だが今回は各地でデモが巻き起 ワこり、プーチン政権しか知らな い若者世代が広く共鳴した。 以「大人たちとは違い、私たちは で誰もが検閲済みと分かっている 辭国営テレビではなくインタ 1 ネ 剩ットから情報を得ている」と、 サンクトペテルプルクの絽歳の 人学生エレナは言う。「大人の多 危くは変化を諦めているか、私た APZAFLO Newsweek 5 ー 2017 / 05 / 23

3. ニューズウィーク日本版 2017年5月23日号

MYANMAR CHINA スン・ユン に生き延びていけるだろうか 年、 8 つの少数民族武装勢ンターの孫韻上級研究員は、中 ダウ力は、和平交渉でカチンに 力がミャンマ 1 政府と全国規模国は隣国の「内戦に引きずり込 大幅な自治権が認められるとい の停戦合意 (ZO<) に署名。まれることを恐れている」と指 う前提で次のように語る。 昨年 8 月には全面的な和平を目摘する。 「ミャンマーの政治制度が安定 指す「幻世紀パンロン会議」が「 ( 中国は ) 国境地域の平和と すれば、私たちは国境を開いて 開催され、の武装勢力が参加自由な貿易を望んでおり、ミャ 関税をかけることができる。イ したが、今年 2 月末に予定されンマ 1 に影響力を振るい続け、 ンドから中国まで、ミャンマー ていた 2 回目の会合は 5 月下旬欧米諸国を遠ざけたいと思って を横断すればトラックでわずか いるが、自分たちは和平協定に に延期されている 属 1 日だ。政治的な条件が整えば、 中国は、欧米からたびたび求署名したくない。和平を維持で 1 私たちは 1 年で大きな道路を開 められる「責任ある大国」の役きる保証はないし、ミャンマ 1 通させられる」 割を履行していると主張する。との経済関係を損ないかねない ただし、政府はさまざまな条 昨年肥月にも中国国内で 4 つのからだ」 る件を拒んできたとも、ダウ力は 武装勢力とミャンマ 1 政府高官 シルクロード構想の要 0 言っ。カチン州を半自治地域と を引き合わせたが、協議は早々 に決裂した。さらに、と中国は、小さな隣国との貿易 輸して統治するというの要 求もはねつけられている の和平交渉の資金として 300 よりはるかに大きな青写真を描 万トルを提供したが、今のところいている。中国政府が掲げる海 中国は、自分たちの壮大な野 は停戦に応じていない と陸のシルクロ 1 ド経済圏構想 資望がカチンの経済的ニ 1 ズにも 天かな、つとを説得できれば、 国境付近の有力な武装勢力に「一帯一路」は、ヒマラヤ山脈 対し、中国が圧力を強めているを越えるルートとして、カチン 国境付近の安定を実現できるか 力もしれない。もっとも、そのた ことは確かなようだ。 3 月に中州を通る旧レド公路を想定して 取めには、過去から教訓を学んで 国が仲介した話し合いで、ミャ いる。第一一次大戦中に英米が中 いるという姿勢を示す必要があ ンマ 1 政府、、有力な武国に軍需物資を供給するために 装組織であるワ州連合軍 ()> 建設されたレド公路は、中国南益を考えれば停戦が最善だと理害が及び、ますます多くの難民るだろう。 中国はカチン州の 2 つの川で が中国領内に逃れている (<) は、新たな和平交渉を目部とインドを結ぶ最短ルートで解する可能性も十分にある。 もある。 指す意向を表明した。 政府軍は数でも兵器でも優勢「ヒスイも木材もあらかたなく新たに 8 カ所のダム建設を計画 約 3 万人の戦闘員を擁する つまり、ミャンマ 1 の和平はで、武装勢力はヘリコプタ 1 ゃなった」と、のダウカ報しており、 3 月中旬に地元住民 は、中国との国境沿いで中国にとって、ミャンマー市場戦闘機にほとんど太刀打ちでき道官は一一一口う。カチンと中国とミ約 2000 人が抗議デモを行っ ベルギ 1 ほどの広さの地域を支へのアクセス以上に、インドとない。特にここ数カ月は、ャンマ 1 による長年の伐採で、た。過去の火種を蒸し返す振る 配。中国の強い影響下にあり、中国という 2 大経済圏を結ぶ陸の重要な前哨基地が立て続け原生林は裸同然。カチン州バカ舞いは、中国が必要としている 人民解放軍から武器を供与され路を確保する重要な機会なのだ。 に制圧され、中国との国境沿いンの主要なヒスイ鉱山も枯渇の安定を遠ざけるだけだ。 ているとみられている。 一方、は中国の介入ににある本拠地に迫られている。危機に瀕している ダグ・ボック・クラーク コーレイ・バテイソン ただし、米ステイムソン・セ反発しているが、自分たちの利長年の戦闘で住民にも大きな被資源なしでカチンはどのよ、つ 4 CDIC—REUTERS Newsweek 48 2017 / 05 / 23

4. ニューズウィーク日本版 2017年5月23日号

反移民感情はゞトランプの米大 領は間違いなくルペン」だ。 ルペンの政治キャリアは、国 統領選勝利やプレグジットの原 動力になった。 民戦線の「脱悪魔化」、すなわ 今や欧米の多くの国で、労働 ち従来の差別主義的主張と距離 を置くことに費やされてきた。 者層は移民や製造拠点の国外移 転により職を失う恐怖に法え、 そのために、問題発言を繰り返 中間層は金融機関救済に憤る す父親を党から追放することも 辞さなかった。 加えて、暴力的な過激主義や難 民・移民の大量流入が原因で、 その試みはほとんど成功し、 社会・文化的に同化しない少数 かっては国民戦線に警戒心を抱 派のイスラム教徒に対する不満 いていた同性愛者やユダヤ人、 か沸点に達している カトリック教徒を支持者として 例えば、反・反移民を掲 取り込んできた。社会の周縁に げるハンガリーのオルバン政権 追いやられていると感じる人々、 は移民の流入を阻止するべく、 なかでも伝統的に社会党支持者 対セルビア国境でフェンス建設ランスは自由の兵士であり、常身が大統領に就任したら、フラオルト ( 債務不行 ) が懸念さだった労働者層を引き付けるこ を進めている。オランダで 3 月に理想のための兵士であり続けンスのユーロ圏離脱の是非を間れるなか、ユーロ危機が再度勃とにもほば成功した。 に行われた下院選では、ヘ 1 ルる」という、かのジョルジュ・ う国民投票を実施するとの公約発することがあればマクロンは フランスで旧来の政党政治が ト・ウイルダ 1 ス率いる反イスクレマンソーの言葉を引用した。は維持。ュ 1 ロ圏 2 位の経済大公約を実現できす、その親終焉を迎えたことは、「右でも ラムで極右の自由党が第 2 党に ルペンは多文化主義の流れを国であるフランスがもし離脱を姿勢に有権者の不信の目が向け左でもない」と訴えたマクロン 躍進した。 止めると語り、移民の受け入れ選択していたら、ユ】ロに死がられることになるだろう。 も理解している。だがそうした トランプと同様、ルペンは恐数を 8 割削減して年間 1 万人に訪れたに違いない。 ナショナリズムとの戦いは終地殻変動は、今後もマクロンに 怖と国家のプライドを選挙戦のとどめると公約した。大統領選 わりに近づいてさえもいない。 味方するのか 次こそルペンが当選 ? 中核に据え、前面に押し出した。候補者のテレビ討論会では、マ フランスでは、大統領と行政今回、フランスの有権者はル 強硬なテロ対策を掲げ、警安飛呂クロンが大統領になればフラン ルペンの健闘を後押ししたの権を分かち合う首相には通例、ペンの暗い世界観を拒絶し、中 の大幅増員や刑務所の収容能力スはドイツの経済力に屈し、ドは国民が抱く不満だ。フランス議会多数派を占める政党の指導道派が取りあえす持ちこたえた。 拡大も公約。は時代遅ィッ政府の前に「ひれ伏すこととヨ 1 ロッパにとっての問題は、者が任命される。来月中旬に控それでも、世界規模での「持た れだというトランプの主張に同になる」と警告してみせた。こそうした不満がすぐには消えそえる国民議会 ( 下院 ) 選挙でマざる者」の台頭に終止符が打た 意すると語ったこともある。 うした言説は、国家間の対立に うもないこと。それどころか、クロン率いる政党「前進する共れたわけではない。プレグジッ だがヨーロッパ各国が最も懸よって引き裂かれていたかって労働市場改革や政府支出削減、和国 (xe>) 」が過半数議席トや移民間題、じわじわと進行 念したのは、フランスの歴史的のヨーロッパを彷彿させる。 ューロ圏強化に向けたドイツとを獲得できなければ、マクロンするユーロ危機はの存続自 な偉大さを唱える姿勢だ。決選ルペンは単一通貨ューロも、の協調というマクロンの公約はは身動きできなくなるのも同然。体を脅かす材料であり続ける ジャ 1 ナリストのアン・シンク 投票の数日前の演説では、中道「銀行家のための通貨」だと攻さらなる問題を招くだろう。 ルペンと反リべラルの波は押 右派・共和党の候補だったフィ撃した。選挙戦の最終盤では批フランス経済は既に停滞状態レアが指摘したように、マクロしとどめられた。だが、彼らは ョン元首相のまねをして、「フ判的な主張は控えたものの、自にある。イタリアの銀行のデフン政権が失敗したら「次の大統まだ敗れ去ってはいない。 決選投票でのルペンの 得票率は 02 年の父親の それの約 2 倍に達した Newsweek ー 3 2017 / 05 / 23

5. ニューズウィーク日本版 2017年5月23日号

古臭い論争 大統領選の候補者たち ( 右ページ ) は北朝鮮をめ ぐる新戦略を打ち出せず DAMIR SAGOLJ—REUTERS という印象をつくることに血道を上 ! 米政府に対しては「 ( 一一左派政権の誕生。。 ただけだった。 ーによっても米韓同盟は損なわれないと 文は、北朝鮮を韓国にとって最大の保証し、中国政府に対しては、韓国が 脅威と位置付けるのか。盧政権で大統アメリカの対中封じ込めの一翼を担う 領秘書室長を務めていた年、北朝鮮わけではないと安心させる必要がある の人権問題を非難する国連決議案への国民に対しては、韓国の未来は韓国国 対応を決めるに当たり、北朝鮮の意見民が決めると約東し、北朝鮮指導部に を求めていたのではないか ( このとき、対しては、金正恩体制が存続するため 韓国は採決を棄権している ) には非核化以外に道がないときつばり イバル候補たちは、こうした点ばかりと伝えなくてはならない。 簡単な課題とは言い難いが、大戦略 を明確に示し、課題に正面から取り組 地政学的には絶好の立場だが む以外に、前に進む方法はない。 もちろん、韓国がその気になっても、文は朝鮮半島情勢のさまざまなシナ 独力で問題を解決できるわけではない。 リオを想定し、それに対してどのよう しかし、最大の当事者である以上、問 に対処するつもりかをはっきりさせる 題解決の主導権を握らなければ、他国べきだ。どのよ、つな条件が整えば、北 に翻弄されることになる。 朝鮮政府と直接話し合うのか。その話 地政学的状況を見れば、韓国が主導し合いは、どのような形になるのか 的な役割を担うことは不可能ではない。北朝鮮が崩壊したり、朝鮮半島で戦争 ~ ミドルパワ 1 である韓国は、米中のい が起きた場合、アメリカと中国にどの ずれにとっても戦略上の脅威にならなような役割を期待するのか。どの国の 中国とは、文化と貿易で密接な結部隊がどこで活動することを認めるの び付きがあり、アメリカとは、強力なか南北統一が実現した場合、米中と 同盟関係と共通の価値観によって結ばどのような関係を築くのか れている。こうした絶好の立場を生か文政権がこれらの問いに対して自分 すには、明確な大戦略を打ち出さなく なりの答えを見いだし、米中やその他 てはならない の近隣諸国の同意を取り付けられれば、 文は今すぐにでも、未来の朝鮮半島朝鮮半島の状況は大幅に改善するだろ をどうするかという構想を示すべきだ。 う。しかし、具体性を欠く政治的レト その構想の下で自国の根本的な利益が リックを並べ立てるだけに終始すれば、 脅かされることはないと、北朝鮮と米韓国は北朝鮮問題の傍観者に甘んじ、 中、それに韓国国民を安心させなくて大国によって決められた運命を受け入 はならない。 れるしかなくなる。 ミ一ミ一 キム・ジョンウン

6. ニューズウィーク日本版 2017年5月23日号

「 " 」の・広報ギ・ヤ〔ン「べ「しン〔を・開始 カチンのリ 1 ダ 1 たちを中国に 招いて水力発電ダムを見学させ たり、地元の学校や市民団体に 寄付したりもしている。 突然、和平の仲介に力を入れ るようにもなった。ただし、中 国の行動原理そのものは変わっ ていないよ、つだ。 「中国は内戦の激化を望んでは いないが、欧米主導の和平によ って自国の国境近くに国際監視 異変が起きたのは、Ⅱ年 9 月情勢の歪女定化により、中国団や ZCO が入ってくることも のことだった。民政移管後のミとミャンマ 1 の国境がしばしばまた避けたがっている」と、ミ ャンマー政府がミッソン水力発閉鎖されている結果、木材やヒャンマ 1 の高名な歴史学者タン 電ダムの建設凍結を決定し、建スイの密貿易による中国側のビミンウ 1 は言う。「停戦合意と 設作業は途中で止まっている。 ジネス上の利害も脅かされていセットで新しい経済計画を導入 しかも、ミャンマ 1 の民主化 る。環境 ZOO のグロ 1 バル・して、ミャンマ 1 と中国奥地の はさらに前進し、年Ⅱ月の総ウィットネスの調べによれば、経済的な結び付きをさらに強化 選挙では民主活動家のアウンサⅡ年のヒスイの密貿易の規模はしたいと考えている」 由の 1 つはここにある。 ( 工 1 ャワディー川 ) のミッソンス 1 チ 1 率いる国民民主連盟 310 億ドルに達した可能性があの政治組織であるカチ 中国がずっと和平に熱心だっン水力発電ダム建設計画は、そ (zæ=) が圧勝。政権交代がる。これは、ミャンマーの正規ン独立組織 (*—o) のダウカ たわけではない。軍事政権がミの明らかな例だ。 実現した。 経済のの半分近くに匹敵報道官は、年の和平交渉につ ャンマ 1 を統治していた年間、中国は、約肪億ドルを投じて世 する金額だ。密貿易されるヒス いてこう振り返る。「中国はか 英米や国連を排除したい 中国はこの隣国を属国扱いして界有数の水力発電ダムを造るこ イの大半は、カチン州東部の鉱なり強硬に、交渉への参加を求 きた。人権問題などで国際的にとを計画。主に雲南省の都市に中国がミャンマ 1 を属国扱い山で採掘されている。 めてきた・ : ・ : 英米や国連を介入 孤立していたミャンマ 1 には、電力を供給することが目的だつできる時代は終わった。新政権中国が被っているダメ 1 ジは、させないようにと、クギを刺さ ほかに頼れる国がないと分かった ( ミャンマ 1 側に供給されるは、ほかの大国の力を利用してそれだけではない。多くのカチれた。全て自国の監督下で和平 ていたからだ。最近数十年は、電力は川 % 程度 ) 。この計画は中国の影響力を弱めようとし始ンの難民が国境を越えて、中国を進めよ、つとしていた」 カチン州から大量の木材、金、両国政府が共同で推進してきた。めている。 の都市に流れ込んでいる。 これに対し、中国の影響力を ヒスイなどの天然資源を獲得しミャンマ 1 政府は、地元住民の中国はミッソン水力発電ダム強圧的なやり方を続けられな警戒するカチンは和平交渉に欧 てきた。その多くは密貿易だ。 ニ 1 ズよ中国の要求 ( と中の建設を再開したい意向だが、くなった中国は、これまでとは米諸国も加えるべきだと主張し しかし、中国の思いどおりに国マネ 1 の獲得 ) を優先させてと政府軍の戦いがそれを違う行動を取り始めた。カチンており、思うように進展してい は運ばなくなった。イラワジ日 いたのだ。 邪魔している。 にダムの利点を理解させるためない ングファンユ カチン州に ミッソン水力発電ダも 工ーヤワディー月 ミャンマー ネビドー ャンゴン 深い満 工事が中断しているミッソ、 水力発電ダムの建設現場。中 国は早期再開を求めているが QUINN RYAN MATTINGLY FOR T 工 E WAS 工 INGTON POST/GETTY IMAGES Newsweek 47 2017 / 05 / 23

7. ニューズウィーク日本版 2017年5月23日号

TERROR AL-QAEDA 艦船やインド軍の艦船に攻撃を 米国務省は 1 月、彼を「国際テりするパキスタンの言い訳をも 加える」というものだ。 はや受け入れるべきではない」 ロリスト」に指定した。 これまで米政府は、パキスタ トランプ政権がパキスタンへ もし爆発物 ( または核兵器 ) を満載したパキスタン軍のフリ ンがアルカイダやビンラディンの態度を変えるとすれば、その だ 難 ゲ 1 ト艦が「米空母を沈めた 第 1 弾として考えられるのは軍 族、アフガニスタンのタリバ 困 調ら」どうなるか。「世界の歴史 ンを庇護下に置いているのをあ事援助のさらなる凍結だ。カ 1 のが変わるかもしれない」とライ えて大目に見てきた。それはパチスらは論文で、テロ組織への 米 デルは一一口う。サワヒリやハムザ キスタンのことを「世界的な対取り締まりが進んでいないこと テロ戦争」における同盟国としを理由にオバマ政権が年に軍 はそこまで大それたことは考え 戒ていないかもしれない。それで 事支援 3 億トルを凍結したことを て位置付けていたからだ。 だがパキスタンがアルカイダ挙げ、米政府はさらなる厳しい 引もこの計画は「野望の大きさを ラ カ示している」とライデルは一一一口う の好き勝手を許し、遠慮もなく対応をためらうべきではないと 都 「この作戦は、 9 ・Ⅱのように 核兵器を製造し、が支援説いている。 湾 米政府には、パキスタンを を地政学的な影響をもたらすこと する過激派組織を使ってアメリ 力の友好国であるインドを攻撃「テロ支援国家」に指定すると を意図したものだ」と、ある欧 る米の外交官は語る。この人物に するなかで、両国関係にはほこいう選択肢もある。米下院は 4 ろびが生じてきた。トランプ政月、パキスタンをテロ支援国家 よればアルカイダは今も「旅客 0 4 に再指定するよう政権に求める 権発足後は特にその傾向が強い 漑機がらみの」攻撃に関心を持っ ているとい、つ 2 月の論文においてカ 1 チス法案を可決した。 ヒ ワ は、パキスタンが反米的なテロ ザ 前出の武装勢力指揮官によれ 軍艦を乗っ取る計画まで 地 組織を保護する一方でアメリカ ば、部族地域で会ったときにザ の ライデルに言わせれば、ザワ から多額の補助金を受け取り、 住ワヒリは、生きて捕まるつもり 同盟国に近い扱いを享受するのヒリに関するパキスタン政府の はないと述べたそうだ。「自分 をこれ以上認めてはならないと態度は : ヒンラディンに対して カ 1 チスや政権内の元米軍幹ないと指摘する。なせならアルの目の黒いうちに」何とかして 主張した。 取っていた姿勢とまるで同じだ。部の影響の下、トランプはパキカイダは今もかなりの勢力を維アメリカへの大規模な攻撃を見 「あまりにも長きにわたってア「『そんな人物のことなど知らなスタンに対して「アメリカはも持しており、アメリカに対するたい、それがザワヒリの「人生 メリカは、パキスタンか国内に し彼かここに来たことはない はや、テロ組織の隠れ家を野放大規模な攻撃を行う意志も能力最後の望み」なのだという。 拠点を持つ一部のテロ組織を支し、今後も入国させるつもりはしにするつもりはない。つまり、も持っているからだ。 今後トランプがどうやって、 援することを黙認してきた。パ ない』とかいったものだ。『ウアメリカ単独で攻撃する用意が ライデルはその一例として、パキスタンを動かすつもりなの キスタンはそれら組織の一部をサマ・ビンラディンがパキスタある」と通告する可能性は高い年にパキスタンの治安当局にかは分からない。だがカ 1 チス インドへの攻撃に利用してきンに滞在したことはない。それとライデルは一口う よって阻止されたアルカイダのが政権入りした以上、ザワヒリ ライデルらは、アルカイダに た」と論文には書かれている。に彼はもう死んでいる』という テロ計画を挙げた。これはパキをかくまったことへの代償は間 「アメリカはこうしたテロ集団のか、Ⅱ年 5 月までのパキスタ対してはドローン攻撃よりももスタン軍のフリゲ 1 ト艦を乗っ違いなく、高くなるはずだ。 ジェフ・スタイン への徹底した取り締まりを先送ンの公式な立場だった」 っと実効性の高い対策が欠かせ取り、「インド洋上の米海軍の 0 AP/AFLO

8. ニューズウィーク日本版 2017年5月23日号

プーチンをかす 満身創痍の男 RUSSIA POLITICS The K 「 em 龍 s Kryptonite? ロシア近年最大規模の抗議行動を主導し 政権を動揺させる活動家ナワリヌイ だが大統領選出馬へのハードルは高い q 師月 no 月 LI 日月 スクワ北部、どんる。そして、 2018 年の大統でいた市民を憤らせた。 よりとした雲に覆領選挙でウラジ 1 ミル・プ 1 チ ロシアでは人口の約 % に当 われた 4 月川日のンを追い落とす可能性を持っ唯たる 2300 万人ほどが貧困ラ こと。この日、刑一の人物だと、当局が暗に認めイン以下で生活しており、モス 期を終えようとしていたロシアている証拠でもあるという。 クワ経済高等学院の最近の報告 反政府運動指導者のアレクセプ 1 チンと取り巻きたちが動によると十分な食料や衣服を確 イ・ナワリヌイ ( ) のいる刑揺するのには理由がある。 3 月保できない層はれ % に及ぶ 務所外には、大勢の群衆が詰め末、ナワリヌイはここ数年で最ロシア政府はナワリヌイの主 掛けていた。彼らの大半が反政大規模の反政府デモを主導し、張に対してコメントしていない 府運動家やジャ 1 ナリストたち。国内 100 都市近くで数十万人が、議会は調査要請を拒否して 皆、ナワリヌイの熱い演説が聴を動員した。警察は厳しい取り いる。騒動から何週間も沈黙を けるものと期待していた。 締まりを行い、モスクワだけで通した後に、メドベージェフ本 だがその日、演説は行われな 1000 人以上の活動家を拘東。人は疑惑を否定。ナワリヌイの かった。ナワリヌイがメディアナワリヌイも逮捕され、日間名を口にするのさえ避けた。 の前で語るのを妨害しようと、の拘留を言い渡された。 だがナワリヌイはこれで終わ 当局が彼を秘密裏に数十キロ離れデモ参加者たちは、ドミトリ りではない。「メドベ 1 ジェフ た別の刑務所に移送し、そこで ー・メドベ 1 ジェフ首相が資産を標的にしたことで、ナワリヌ 0 -0 釈放したのだ。彼はたった 1 人家たちから不動産や高級品などイは腐敗に立ち向かう闘士とし で地下鉄に乗って帰宅しなけれの賄賂を受けていたとの訴えにての評判を全国的に高めること ばならなかった。 怒りを爆発させた。ナワリヌイ になった」と、モスクワの著名齢 支持者たちにとって今回の当がこの問題を告発した動画はな政治アナリスト、ドミトリ 局の姑息なやり方は、ナワリヌ。で 1700 万回以 ・オレシュキンは一言う。 イの知名度が全国レベルで急上上再生。欧米からの経済制裁や効果は既に表れている。世論 昇していることの裏返しでもあ原油安のため経済停滞に苦しん調査機関レバダセンタ 1 による と、国民の % がデモを支持し、 % が高官の汚職はプ 1 チン個 人に責任があると考えている さらに注目すべきは、川 % が来 年の大統領選でナワリヌイに投 票するつもりだと答えている点 だ。国営メディアでその名が紹 介されるのは信用ならない外国 の手先と非難されるときだけと いう一活動家にとって、これは 0

9. ニューズウィーク日本版 2017年5月23日号

e 「れ酣。れ / 射 RI S C ( ) 射 EUROPEAN UNION ー透た世界は終わらなかった。プレを持った理由は容易に理解できだと、ルペンは非難していた。父親ジャンマリが、年大統領 支グジット ( イギリスの離る。と単一通貨ューロに懐マクロンは前政権で経済相を選で決選投票に進出した際の得 まカワ ク脱 ) とトランプの米大統領就任疑的で反移民のルペンが勝利し務めたものの政治的知名度は比票率はわずか・ 8 % 。それか 弖こモを現実にしたポピュリズムの波ていたら、の崩壊が始まり、較的低かった。だが中道派の独ら年間で、ナショナリストの っズは引き、フランス国民は現実主国境を越えた自由な移動とい、っ立系候補として出馬し、大統領大統領候補に票を投じる国民の らま 仏大統領選壮大な実験は終わりに近づいたの座を手にした。決選投票での数がほば倍増したのだ。 義を選択したー 1 ムロュ シ ・ 1 % だった。 大統領選に敗れたとはいえ、 でのマクロンの勝利を、少なくはすだ。 得票率は わ丿 さらに自由貿易や大規模な人それでも、本部や欧州各ルペンは既にフランス政治の再 ュ動とも欧州のエスタブリッシュメ ゼノョン国政府に広がる安堵感とは裏腹編成を実現させている。 ント ( 体制派 ) はそう解釈した。の移動、グロ 1 バリ」、 ホ殻←対立候補だ 0 た極右政党・国に基づく世界秩序は深刻な危機に、ル〈ンとの得票率の差は到「民主主義をアイデンティティ か地 民戦線のルペン党首の敗北が、 に陥っただろう。そうした在り底安心できるものではない。国 1 の問題に変えることがルペン ま たの れ台 欧米の未来にとって重大な意味方こそがフランスの問題の元凶民戦線の創始者であるルペンのの計画だ」と、国民戦線に詳し い社会学者シルバン・クレポン はリべラシオン紙の記事で指摘 する。「そのために必要なのは、 フランス国民としてのアイデン ティティ 1 にこだわる者 ( ナシ ョナリストや愛国主義者 ) と、 仏 その破壊を目指す者 ( グロ 1 で 反 リストや親派 ) を分断する ことだ」 今回の大統領選では、主要政 党の候補者はいずれも第 1 回投 票で敗退した。ルペンが、階級 意識などに基づく「時代遅れの ン はずの右派と左派の分断」に替 わるものを提示できれば、グロ ーヾルヒというシステムに替わ る「唯一の選択肢として国民戦 線を位置付けることが可能にな る」と、クレポンは分析する。 ルペンの大統領選出馬が世界 の懸念を呼んだのは、グロ 1 ル化や移民に対して強硬な人物 だからだ。反グロ 1 バリズムや 0 PASCAL ROSSIGNOL—REUTERS Newsweek ー 2 2017 / 05 / 23

10. ニューズウィーク日本版 2017年5月23日号

SOUTH KOREA NORTH KOREA 0 From Foreign POlicy Magazine 朝鮮半島情勢が緊迫し、世界中が北もどのよ、つな未来を目指すのかがはっ 朝鮮やアメリカ、中国の発する言葉にきりしないようでは、韓国が主役にな 耳をそばだてていたこの数週間、あるることなど不可能だ。 国の政府からはメッセ 1 ジらしいメッ 北朝鮓問題は大統領選の主要テ 1 マ セージが聞こえてこなか 0 た。それは、ではあったが、候補者同士の論争はお を最大の当事者のはずの韓国政府だ。 おむね中身のないものだった。画期的 そんな状況は今後変わるだろう、となアイデアや具体的な方策を有権者に 思うかもしれない。先週の韓国大統領提案するのではなく、古くさくて視野 選で文在寅が当選し、「大統領不在」の狭い論争を繰り返していた。 の状態が解消されたからだ。就任演説最も大きな争点になったのは、現在 の事態を招いた責任が過去のどの政権 にあるか、という点だった。保守派の 具まに キム・デジュン ノ・ムヒョン 候補は、左派の金大中と盧武鉉による 道く命 究 研 「太陽政策」が北朝鮮に核開発の資金 のなけ運 学 はなる 大 を与えてしまったと批判した。一方、 ン 攵でせれ 左派の候補は、李明博と朴槿恵という 瑯の示さ ~ 直近 2 代の保守派大統領が急速な核武 6 ワ一 カ整備を阻止できなかったことを問題 ム を キ 用ョに にした。 利ジ国 選挙戦では当然、ライバル候補が文 てビ大シ の北朝鮮政策を問いただした。それに 角しなま 2 対する文の答えは、アメリカ、中国、 朝ときバ 北朝鮮の首脳と話し合うことにより、 大韓 ョ 問題解決を図るというものだった。そ で文は、北朝鮮危機を解消し、地域にして将来的には、北朝鮮との経済統合、 物物平和をもたらすために全力を尽くすこさらには南北統一を目指したと述 とを約東した。 た。これは、誰も反対しない無難な目 しかし、選挙戦を通じて、文は明確標だ。実際、韓国の歴代政権は全て同 な戦略的ピジョンを持っていないことじことを言ってきた。 を露呈してしまった。北朝鮮が挑発を要するに、文は明確な大戦略を描け 』やめず、大国がいがみ合う状況に、韓ていないのだろう。も 0 とも、その点 国はどのように対処するのか韓国がではライバル候補たちも大差はなかっ、 朝鮮半島の未来を形作る主役になるべた。文に明確な政策を示すよう迫るの きだと、文は主張する。だが、そもそではなく、左派の文が北朝鮮に弱腰だ A 工 N YOUNG ・ JOON—POOL-REUTERS 7 NEEDED: A STRATEGIC V ー 0 外交戦躡 イ・ミョンパク