190 ん。なぜなら、私は、国のため国民のために良かれと思って法輪功を創設し、 懸命に法を説いているのですから。 すべての人々が道徳的に生きようとし、その結果、健康状態も絶好調になる ことは善いことでしよう ? 絶対に社会秩序を破壊していることにはならない はずですよ。 中国の政府当局による「李洪志」攻撃のもう一つの特徴は、「みんな私の言うこと だけを聞いていれはよいといったマスター・リ ーの独裁性や独善性を集中的に 突き、「邪教の教祖への危険な妄信的追従から解放してやる」という戦術のよう です。 たとえば、あなたは、修煉中の弟子に対して、「たとえ持病があっても、絶対 に薬を服用してはならない」というような指導をしたことがあるのですか ? 李洪志政府当局は、「マスタ が信徒たちに薬を服用することを禁じたため、 2 人が病気で死亡した」などということを盛んに宣伝して、何が何でも私が迷 信を振りまいているかのように、みんなに信じ込ませようとしているようです。 しかし、私は、著書の中でも、録音やビデオの教材テープの中でも、また
「マスター・リーを拉致・奪還せよ ! 」 刻々と忍び寄る中国諜報機関の魔手 いきりたっ 1 億人の信徒たちの怒 ことここに至っては、もはや滞米中の李洪志も、 りを一方的に抑え込むことは全く不可能な状況に追い込まれてきた。 もともと法輪功は、「自発的に修煉を積むーことを最大の目的にした極めて自立的 な気功集団であり、世界各地に散在する数万か所の修煉場もそれぞれ自然発生的に生 まれたもので、運営は一切現地のボランティア ( 積極的な修煉参加者 ) たちにまかさ れていて、当然その活動に必要な経費は自分たちでまかなう、という徹底的な「独立 採算制 , が大原則となっている。したがって、いかにカリスマ的な始祖であるとはい え、李洪志が直接指導にあたったり、指示を出したりすることは全くあり得ない。あ くまでも、マスター・リーは 1 億人の修煉者たちの「精神的な師」すなわち「幻のカ リスマ」でしかないのだ。 にもかかわらず、江沢民は、 「元凶である李洪志を捕らえさえすれば、あとはどうにでもなる」
かったのだ。 そして、独占インタビューのその日、いや、その場になっても、「マスター ( 李洪志師 ) その人にいきなり会えるとは、夢にも思ってはいなかった。ただ、よう やく彼本人につながっているに違いないと確信できるある人物 ( 驚くべきことに、中 の 国系アメリカ人ではなく純粋のと思われる白人女性であった ! ) とようやく る あ 電話連絡を取ることに成功、 田 「とにかく一度お会いして、じっくりと話し合ってみようではありませんかー と、マンハッタンのミッドタウンのある高級ホテルの名前を教えられたのだ。長年 の 誌の経験から、私は直感的に、「インタビュアーの背後関係を徹底的に洗った後、最後 李 の関門として本人面接の機会を設けたのだな」と思った。つまり、これがゴールなの 導ではなく、ようやく最終目標にたどりつく前のラスト・スパ 1 トの始まりなのだな、 高ぐらいにしかとらえられなかった。そこで、私は、ごく軽い気持ちで、やはり法輪功 最 を必死で追い続けていたニュ 1 ヨーク在住の女性ジャーナリストの名前を出して、 章 「私の長年のコウリーグ ( 同僚 ) も連れていっていいですか ? 第 ーの側近とおばしき相手は、、 と聞いてみた。するとどうだろう、マスター・丿 なり態度をガラリと変えて、
が、 2 年前の 1997 年に法輪功の門を叩いて修煉を始めてみたところ、わずか 3 か の教えの最も熱心な信奉者に 月たらずで完全に治り、それ以来、「マスタ なった、という そして、ひとり王冶坪夫人ばかりではなく、中南海の要人たちの家族の中には、朱 こきんとう ー刀 鎔基首相夫人や胡錦濤国家副主席夫人など、そうそうたる権力者たちの妻子や親たち る が沢山含まれている、といわれている。 て っ また、政府首脳ばかりではなく、中国の実権を一手に握っている共産党や人民解放 黙 剃軍の幹部たち ( 退役のみならず現役も含む ) が多数「法輪功」の修煉を積んでいる、 とも伝えられている 億 今回の大弾圧に際しては、江沢民は、「不用意に中南海デモ隊の代表者の面会申し p' 入れに応じた」という理由で朱鎔基だけに責任を押しつけた格好になっている。しか 1 ) たし、 果 「それこそ江沢民がここまでのしあがってきた権謀術数のいやらしさを象徴的に物語 章 8 っているものだ」 という批判の声は、中南海の深奥部からも洩れてきている。 ー・リーのカリスマ的権威のほうが上 ひょっとすると、既に国家主席よりもマスタ
214 目下のところ、アメリカ国民の大多数は、いかなる不当な迫害を受けても毅然とし て「無抵抗主義を貫き通すーと明言し続けているマスタ のことを極めて好意 的な眼差しで見つめており、「新しいガンジーだ」と呼ぶ向きも多い。 しよくざい しかし、中国の共産党指導者たちは、、 しまだに「天安門事件の贖罪すらしておら ず、依然としてその犠牲者たちを、夏は猛暑、冬は酷寒の牢獄につないだままである。 そして、いままた、同じような形で罪なき大衆が続々と拘引・拉致され拷問や洗脳を 受け続けており、まかり間違えば「国家反逆罪」の汚名を着せられて処刑されかねな い状況に追い込まれているのだ。 折から、 2000 年Ⅱ月の大統領選挙を控えて、アメリカの世論は、いつまでたっ ても自由化・民主化しない社会主義中国に対して、実に厳しい批判の目を向け始めて いる。当然 、リべラル派の政府高官たちの「マスター ー」に対する期待度も高ま って行く一方であろうが、もし彼が弟子たちの苦境をよそに、アメリカ生活の自由さ や豊かさだけに埋没して、いつまでたっても具体的な救済活動に立ち上がろうとはし なかった場合、アメリカの好意的な空気も一挙に冷え込むのではあるまいか 〈 7 〉キャピトル・ヒル ( 連邦議会 ) から「反中国 ! 」を叫ぶ有力議員たち
210 あり、マスタ が家族を連れてニュ 1 ヨークに脱出する決意を固めたのも、そ のような受け皿があったからにほかならない これまでに海外暮らしを経験したことのない李洪志のことであるから、いかに「修 煉上の師」であるとはいえ、彼ら取り巻き組の高学歴者たちからの有形無形の影響力 を強く受けないわけにはいかないだろう。ましてや、想像だにしなかった「大弾圧」 という名の「法難」を被っては、、、 し力に「現状を変えることに興味はない」と明言し 続けている李洪志といえども、早晩、彼ら血気盛んな民主化運動家や人権擁護主義者 たちの動向を無視するわナこよ、、 し ( ( し力なくなるに違いない。 そして、万が一にも、マスター・リ ーがあくまでも「社会主義中国」の諸矛盾に気 付きながら反抗運動を起こそうとはしない場合、これまでの中国の宗教団体や秘密結 社の前例が明確に示唆しているように、組織そのものが四分五裂して、彼のコントロ ールがほとんど利かなくなる可能性も非常に強い。 要するに、李洪志が中国本土で、各地を回って直接教えを説いていたときと、アメ リカ移住後の今日とでは、法輪功の国際的な存在意義や環境 ( 中国の気功集団から地 球規模の精神運動体へ ) も、膨大な弟子たちの質 ( 農民・労働者・中高年齢層から学 生・知識人らの若者世代へ ) も、何もかもが大幅に様変わりしてしまっているのだ。
次 目 第 1 章 プロローグ 現代の「焚書坑儒」始まるー 本性を現した地上最後の「赤い帝国」 大世紀末、冷血の見せしめ ! 「江沢民の焚書坑儒」の衝撃 「沈黙のデモ隊」無慮数万人、要人たちの聖域「中南海」を完全占拠 ! 片 江沢民秘密指令第 1 号〈「獅子身中の虫」を徹底的に摘発・洗脳せよ ! 〉 中国全土を席巻する逮捕・拘禁・拷問の狂乱 ! 脅迫された転向者たちからの中傷・誹謗 「マスター・リ 1 を拉致・奪還せよ ! 」刻々と忍び寄る中国諜報機関の魔手 目次
185 第 7 章最高指導者・李洪志の「丹田」にあるもの ぜん 然と、そして自信と自負をもって突き 進んでいきたいと考えております。 「 1 億人の弟子」たちが 暴走し始めたら ? そうは言っても、現実に、マスター・リ ーが最も大切にしている『法輪大法』を 説いた書物やテープがブルドーザーで無 惨に踏み潰されたり、 何の罪もない弟子 たちが何千人何万人と逮捕・勾留され、 いまも鉄格子の彼方で拷問されたり洗脳 されたりしていると思えは、やはりび急 やかではないでしよう ? 李洪志実に悲しく、残念なことです。不当 に逮捕された弟子たちのほとんどは、 し 同 通 者 著 る す を一 質 英 氏 李 す = = ロ で 京た 々が 火火ら 始弟 終高
想像以上に温和で若々しく紳士的な 「邪教」の始祖「マスター・リ の しかし、私のほうも、無駄足を踏まされてキリキリ舞いさせられても困るので、 る あ ちおう念のために指定されたホテルのフロント・マネージャーに電話を入れて、 田 「ミズ〇〇というゲストは滞在していますか ? と聞いてみた。するとどうだろう、 の 誌「そんな方は泊まっていません」 ろ、つばい 李 と、全くけんもほろろの返事が返ってきたではないか ! すっかり狼狽した私は、 ・ : などなど、関連 導今度は「 Li Hongzhi 」だとか「 Falun Dafa 」とか「 Falun Gong 」・ 高があると思われる固有名詞を片っ端から並べ立ててみたが、その都度、 最 「そのような名前は見当たりません」 章 と言われ続け、挙げ句の果てにはガチャンと電話を切られてしまった。致し方なく、 第 私たち 2 人は問題のホテルに指定された時間の分も前から行き、指定されたロビー のとある場所でハラハラしながら待ち続けた。すると、約束の時間をかなり過ぎた頃、
という絶大なる信頼 ( 信仰 ? ) であるが、今のところ、最高指導者の李洪志が何ら かの具体的な救済行動に打って出る気配は見受けられない アメリカ政府からも、李洪志に対して厳重に「過激な行動を慎むように」と暗黙の 要請がなされているようであるが、このような流れの中で、 「最近、イギリスの修煉者 ( プラクティショナー ) の数が猛烈な勢いで増えており、 ほとんどかアッヾ ノー・ミドル ( 中流の上 ) 階級以上の社会的地位の高い白人たちだか ら、マスター・丿 1 の身の安全上も、この際いっそのこと、 " 北京政府系〃の中国人 秘密結社やマフィア組織も沢山とぐろを巻いているアメリカのような複雑な混合社会 から抜け出して、本格的な『ポリティカル・アサイラム』 ( 政治的亡命者 ) として、 ロンドンあたりに再移住したほうが良いのではないか」 いよいよグロ という声も、高弟たちの間で高まってきている。法輪功も、 ( 地球規模 ) 組織としての新しい正念場に差し掛かってきているようだ。