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検索対象: 信者一億人法輪功の正体 : 最高指導者・李洪志直撃インタビュー
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1. 信者一億人法輪功の正体 : 最高指導者・李洪志直撃インタビュー

おおやけ にして正統な国家権力の継承者」として公に認知されるわけではない。しかし、中国 4000 年の歴史を見るかぎり、被支配者 ( 国民 ) が新しい支配者 ( 最高権力者 ) を 認めるか否かの基準は極めてはっきりしており、いかなる出自の者であれ、また権力 掌握の過程がどうであれ、ある一定の判断基準を満たしてさえいれば、意外なほどス ムーズに権力や権威の移行が行われてきている。もし、日本で天皇 ( かっては″天子〃 嵐と呼ばれていた ) の権威を脅かす勢力が台頭してきたら ? という問題一つを考えて みても、中国のそれには、まさに驚異的としか言いようもない独特の思想がっきまと 命 生っている。それは、何か ? 易 る え 「徳」なき為政者は殺せー 脅 「易姓革命」の思想 民 沢 江 ズバリと言い切ってしまえば、「易姓革命」の一語に尽きる。「姓ーとは時の権力者 章 うじな の氏名 ( 名字 ) のことであり、「命」とは天からの命令すなわち神の意思である。ど 第 かれんちゅうきゅう んなに強力な支配者や絶対権力者といえども、悪政を続け民を苛斂誅求して困苦に追 いやれば、天は " 徳〃を失ったものとして「姓を易えよ」という命令を下す。なぜな

2. 信者一億人法輪功の正体 : 最高指導者・李洪志直撃インタビュー

果たして正統性はあるのか ? 現在、「中華人民共和国ーの権力を一手に握り、国際的にも「 1 つの中国」を完全 に認知させ、国際連合のビッグ 5 ( 安全保障理事会の 5 常任理事国の一員として拒否 権を行使し得るスーパー パワー ) として絶大な権限を振るっている、一党独裁の共 産主義国家の最高指導者″江沢民〃は、なぜ億もの中国人民および世界に散らばっ ている華僑たちから、曲がりなりにも「正当な権力継承者」としてのレジティマシー あんど ( 正統性 ) を安堵されているのか ? さまざまの理由付けはあろうが、世界最大の「人民の海ー ( 地球の総人口の 4 人に えきせい 1 人が中国人 ! ) を文句なく納得させ得る最大の理由はただ一つ、中国古来の「易姓 かくめい 革命」の思想が大きな役割を果たしているからにほかならない。いまでも、世界中で 数え切れないくらいの内戦や内乱が続発しており、一見国内を完全制圧したかに見え る支配的な勢力が内外にレジティマシーを一方的に宣言することが少なくない。しか し、いかに強力な軍事力や政治力を誇示しようとも、必ずしも彼らのすべてが「正当 「共産党一党独裁」に

3. 信者一億人法輪功の正体 : 最高指導者・李洪志直撃インタビュー

238 闘いを挑んだものであり、結果的には、彼らの働きがあったからこそ鄧小平は見事に 「 3 度目の奇跡の復活」を果たすことができ、その後の盤石の権力基盤が確立できた、 とも言えるのである。 にもかかわらず、 1989 年の 6 月 4 日に起きた「第 2 次天安門事件に際しては、 時の最高実力者・鄧小平は、徹底的に自己権力の温存をはかる「第一の顔」の超保守 主義者に立ち返り、自分の一声で自由自在に動かせるものと信じて疑わなかった「人 民解放軍」に罪なき大衆を圧殺させてしまった。 かっ そして、陰に陽に、その片棒を担いで、まんまと「ポスト鄧」時代の最高権力者へ の特急切符を手に入れたのが、誰あろう「江沢民」その人だったのである。 ます、「第 2 次天安門事件」 ( 以下、「天安門事件ーと呼ぶ ) 前後の鄧小平と江沢民 の動きを、もう一度簡単に振り返って見よう 1977 年以来、中国の実質上の最高実力者となった鄧小平 ( 地位そのものは「共 産党中央顧問委員会主任」というものでしかなかったが ) は、華国鋒国家主席体制を 崩した後、趙紫陽首相 ( 国家 ) と胡耀邦総書記 ( 共産党 ) を車の両輪として、着々と 「改革開放。の経済政策を推し進めていった。

4. 信者一億人法輪功の正体 : 最高指導者・李洪志直撃インタビュー

106 結局、この事件の責任を取る形で、鄧小平は、最後まで手放さなかった「共産党中 央軍事委員会主席」の座からも身を引いた。しかし、その後も隠然たる権力を保ち続 けた事実から見ても、天安門弾圧の張本人が彼自身であることは誰の目にも明らかで あった。しかし、彼は今度もその全責任を趙紫陽に押しつけて首をはね、代わりに上 海時代からの子飼いの子分である江沢民 ( 当時、上海市共産党委員会書記 ) を大抜擢 して総書記の座に据えて、自分は黒幕として権力を振るい続けるという、実に巧妙な 道を選んだのだ。 鄧小平は本当に「信教の自由」 を認めていたのだろうか ? 「天安門事件ー一つを見ても、ポスト毛沢東時代の最高実力者・鄧小平が中国の民主 化をいったいどこまで本気で推し進めようとしていたのか、甚だ疑問であるとしか言 いよ、つかないのだ。 その最たるものが、 1982 年に改正された『新憲法』の中に盛り込まれた、「正 常な宗教活動は国家として保護する」という条文である。その後、明るみに出た「内

5. 信者一億人法輪功の正体 : 最高指導者・李洪志直撃インタビュー

遅浩田 ( ち・こうでん ) 3 ・同 4 ・同 胡錦濤 ( こ・きんとう ) 傅全有 ( ふ・ぜんゅう ) 5 ・同「委員」 6 ・同 于永波 ( う・えいは ) 7 ・同 王克 ( おう・こく ) 8 ・同 王瑞林 ( おう・ずいりん ) 9 ・同 曹剛川 ( そう・ごうせん ) 一口 徐才厚 ( じよ・さいこう ) 一口 郭伯雄 ( かく・はくゆう ) 以上が、現在の「中華人民共和国ーの権力の三本柱であるが、いちおう江沢民はこ の三つの最高権力源のトップにすべて名を連ねている。しかし、たとえば「軍」にお いては、かっての毛沢東や鄧小平のような実戦経験も軍務歴もない完全なテクノクラ ートにしか過ぎない彼が、百戦錬磨の将軍たちを抑え込んで、名実ともに「革命軍の 最高司令官ーとしての威令を保っていくには、どうしても弱いところがあるのだ。そ のため、 1944 年に解放軍に入隊、朝鮮戦争などでも最前線で大活躍、参謀総長な ちこうでん どを歴任してきた筋金入りの軍人である国防相・遅浩田上将の協力はどうしても不可

6. 信者一億人法輪功の正体 : 最高指導者・李洪志直撃インタビュー

首を絞めるようなものではないだろうか。 白蓮教の始まりはかなり古く、 900 年以上も前の「南宋」 ( ほ、つしげん せっしよう 年 ) の昔までさかのばる。蘇州の僧侶・茅子元が創始した「不殺生戒ーを厳しく守る 教派で、茅子元は自ら「白蓮導師」と名乗り、信徒を「白蓮菜ーと呼んだ。信徒たち が不殺生戒を厳しく守って野菜ばかり食べたからである。 たかね 黠貧しい民衆にとっては、肉類など食べたくても食べられない高嶺の花であったから、 いかえって共鳴するところが大きかったのであろう。あれよあれよと思う間に「白蓮菜ー の数は幾何級数的に増えて行き、権力者たちにしてみれば油断のならない新興勢力に 蜂思えたに違いない。またもや、お決まりの大弾圧が始まり、茅子元は流罪の刑に処せ 農られてしまった。そして、この「白蓮菜ーとともに、マニ教を信ずる者や白雲宗を信 ずる者 ( 白雲菜 ) たちも「邪教・異端ーの輩として激しく迫害された。 明や清の時代になっても、深く民衆と結びついた白蓮宗は、危険極まりないカルト 集団として厳しく弾圧された。そのため、かえって信徒たちの権力や体制に対する姿 勢は反抗的な色彩を強め、ことあるごとに叛乱や蜂起を繰り返した。当然、活動もア ンダ 1 グラウンド的になり、「秘密結社」として見えにくい部分が多くなっていく。 しまだにこの「白蓮宗」 近代から現代にかけての中国におけるアングラ組織の大半は、、 そしゅう

7. 信者一億人法輪功の正体 : 最高指導者・李洪志直撃インタビュー

261 エピローグ 1999 年 9 月Ⅱ日、江沢民国家主席は、 ( アジア太平洋経済 協力会議 ) の首脳会議に出席するためニュージ 1 ランドのオークランドを 訪れたのを機に、久しぶりにアメリカのクリントン大統領との間で「米中 首脳会談」を持った。 蔔年 ( 1998 年 ) の 6 月、クリントンがわざわざ中国を訪問して、よ うやく独裁的な権力基盤を固めることに成功したばかりの江沢民に対して 最大限の礼をつくしたにもかかわらず、米中関係は「史上最悪」の状況下 にあった。その原因のほとんどが、中国側、いや江沢民個人の性格や資質 にあることは誰の目にも明らかであった。 「中国の人民の対米感情を悪化させることが、社会主義中国の一党独裁制 度の正しさを証明するうえで最も有効な手段だ」 エピローグ

8. 信者一億人法輪功の正体 : 最高指導者・李洪志直撃インタビュー

次 ハイソサエティーを抱き込んだ秘密結社なのか ? 〈 1 〉共産党一党独裁の「権力中枢」に深く食い込んだ華麗なる人脈 〈 2 〉改革開放政策の歪みを受けて貧困に喘ぐ「不平・不満」分子 〈 3 〉香港にたむろする「反北京政府 , の体制内変革者たち 〈 4 〉海外に逃避した「留学生」や「知識人」たち駟 〈 5 〉世界に広がる「華僑」の巨大ネットワーク 〈 6 〉アメリカ政府内部の「人権派」高級幹部たち 〈 7 〉キャピトル・ヒルから「反中国 ! 」を叫ぶ有力議員たち 〈 8 〉中国の軍事力増強政策に苛立つ「ペンタゴンの将軍たち 〈 9 〉中国の「人権抑圧」政策に抗議する世界の「文化人」や「知識層」 勢力を拡大するあまたの「秘密結社」や「中国マフィア」 「五族」の不満と頻発する反政府テロ 「天安門事件ーの学生指導者・ウーアルカイシは叫ぶ ! 225 214 218

9. 信者一億人法輪功の正体 : 最高指導者・李洪志直撃インタビュー

9 7 8 4 0 9 4 0 5 6 9 1 6 I S B N 4 ー 0 9 ー 4 0 5 6 9 1 ー 1 C 0 1 9 5 \ 5 5 3 E 定価本体 533 円 + 税 発足わずか八年足らずで、 中国では七千万人、全世界で は一億人を超えるといわれる 信者を獲得した気功集団「法 輪功」。その勢力に恐れをな した北京の権力者たちは、活 動禁止にし、出版物を燃やし、 最高指導者・李洪志氏を指名 手配にした。はたして、法輪 功は本当に中国共産党を脅か す力を持っているのか。北京 で香港でアメリカで、弾圧に 0 抗議し、静かなるデモンスト レーションを敢行した不気味 な組織力はいったいどこから 0 生まれるのか国際ジャーナ リストの著者が、ニューヨー クで李洪志氏の直撃インタビ ューに成功。謎の気功集団の 9 正体がいま明かされる リサイクル資料ー ( 再活用図書 ) 除籍済

10. 信者一億人法輪功の正体 : 最高指導者・李洪志直撃インタビュー

108 江沢民政権の発足直後から 要するに「宗教は人民の阿片である」というカール・マルクスの『へ 1 ゲル法哲学 批判序説』のごく一部だけを都合のいいように援用した毛沢東の革命理論は依然とし て健在であり、 1986 年 5 月の『紅旗』紙でも、統一戦線部の江平副部長の名前で、 「宗教は阿片であるとの規定は、マルクス主義の基石であって、絶対に揺るがすこと はできないのだ」 という公式見解が、改めて明確に提示されている 鄧小平ですらこのような考え方から脱却できていなかったのだから、ましてや彼よ りもはるかにカリスマ性の薄い江沢民・新国家主席が、まかり間違えば自分の権威を 損ない独裁的な権力を失墜させる原因にもなりかねない宗教結社やそれに類した精 神修養団体の勢力をどんなに強く警戒していたか、想像に難くない。 事実、江沢民が趙紫陽の後を襲って総書記の座に就いた 1989 年頃から、中国で は急激な「宗教プームーがほとんど反動的な勢いで燃え上がり、離陸したばかりの 「法輪功」弾圧政策は