きようを」 しゆるい こじんきようぎ いっかかんおこな 十三種類の競技が、五日間で行われました。すべて個人競技で、ポ 1 ルを使っ きよう」 だんたいきようぎ た競技や、団体競技はありませんでした。 ねんご 最後の古代オリンピックから千五百年後の一八九六年、フランスのクーベル にんしやく きんだい かいきようぎたいかい タン男爵の呼びかけで、近代オリンピック第一回競技大会が、ギリシャのアテ ひら 力し当、 こ、っせ力しカくち じよせい ネで開かれ、それ以降、世界各地で開催されるようになりました。女性がはじ さんか 学′し、刀し ねん めて参加したのは、第二回のパリ大会 ( 一九〇〇年 ) からです。また、日本は、 、刀し 学 / し・カし ねん さんか 第五回のストックホルム大会 ( 一九一二年 ) に、はじめて参加しました。 星座 なら どうぶつ かたちさいしよおも おおむかし 星の並びかたから、動物などの形を最初に思いついたのは、大昔のイラクの じんてんもんがくしゃ かんが 羊飼いでした。ギリシャ人の天文学者プトレマイオスは、その考えをもとに、 み そら しんわ で せいざ かみがみ ギリシャで見える空の星を、四十八の星座にまとめ、神話に出てくる神々や、 どうぶつどうぐ げんざい 動物、道具などの名まえをつけました。現在では、そのほかの星もくわえて、 そら せいざ 空ぜんたいを八十八の星座にわけています。 ひつじか よ ・刀し ねん につほん つか 155
お話のふろくーーー古代オリンピックの奇跡 古代オリンピック ぜんのう 古代オリンピックは、古代ギリシャのオリンピアで、全能の神ゼウスにささ よ さいてん おこな げる祭典として、行われていました ( オリンピックの呼び名は、この町の名ま ねん ねん ゆらい きろくのこ ー刀し きげんせん えに由来します ) 。記録に残っている第一回は、紀元前七七六年で、四年ごとに、 ねんだい ーカし せんねんいじよう せいれき 西暦三九三年の第二九三回まで、千年以上ものあいだつづけられました。 あんしん たび 十 / し・カし あっ せんしゅ ギリシャじゅうから集まる選手や観客が、安心して旅ができるように、大会 き一 十 / し、刀し でんれい ぜんご の日程が決まると、伝令が国じゅうを走りまわって、大会の前後一 5 三か月は、 せんそうちゅうし すべての戦争が中止されました。 きよう」じよう にん」よ . り・きよう あしびやっこぶんやく ちょうほ、つ、け・い 競技場は長方形で、ゼウスの足六百個分 ( 約一九二メートル ) が、短距離競 を」よーり・ たんい 走の距離の単位でした。この長さを、ギリシャでは「スタディオン」と呼んで きようを」じよう げんざい いました。現在、競技場を「スタジアム」と呼ぶのは、そこから来ています。 たんよ , り・きよう " て、つ さか さいしょ いちばん盛んだったときは、 最初のころは、この短距離競走だけでしたが、 はなし そう 一」学にし 、かんきやく きせき よ かみ まち よ 154
ひかりみ りもすばらしい光に見えた。 でんせっしんわしゅじんこう しつも、わたくしたちのすぐそばにいるのです』 『伝説や神話の主人公は、、 ジャックの心のなかに、モ 1 ガンのことばがよみがえった。 そらしら いつの間にか、空が白みはじめていた。 さっきまで、ふるようにかがやいていた星は、すこしずつ光をうしない、 ひと 一つ、また一つと、消えはじめた。 おおぞら とお しかし、ジャックには、どこか遠くで、大空をゆうゆうと飛ぶべガサスの翼 おと の音が、聞こえてくるような気がした。 ひと こころ ひかり つばさ
「あなたがたの助けが必要になったときに、メッセージを送ります 「わかりました」ジャックが言った。 「早く、もどってきてね」アニーも言った。 「ごきげんよ、つ、 ) ンヤック、アニ かせ モーガンが、言いおわるかおわらないかのうちに、風がまきおこり、木の葉 ひかりてんむ がざわざわと鳴りはじめた。やがて、ひとすじの光が天に向かって伸び、モー ガン・ルー ・フェイは、マジック・ツリ 1 ハウスとともに、行ってしまった。 ーも、り・ しす 森は、ふたたび静まりかえった。 かえ 「帰る ? 」アニ 1 が言った。 か、ん 「帰ろ、つ」ジャックがこたえた。 、もーり・ くら ある いえむ ふたりは、まっ暗なフロッグクリークの森を、家に向かって歩きはじめた。 かいちゅうでんとう アニ 1 は、懐中電灯を持っていたが、スイッチを入れようとはしなかった。 ほしひかり あ ふたりには、それがなによ 明かりといえば、わずかな星の光だけだったが、 はや たす ひつよう く の ・・古代オリンピックの奇跡 151
「見えたわ ! ホワイティに、また会えたわ ! 」 アニ 1 がかん声をあげた。 よぞら ふたりが、息をつめて見まもるうちに、夜空はまた、もとの見なれた、小さ ほしひろば な星の広場にもどっていった。 ・ライプラリアンとして、みごとなはたらきをして 「あなたがたは、マスタ 1 くれました。これからも、よろしくおねがいしますね」 よ、つ さいこ 「 : : : ということは、今日が最後じゃないんですね ? また、マジック・ツリ たびで ハウスの旅に出られるんですね ? 」 「もちろんです。ふたりには、これからも、いろいろな時代、いろいろな場所 おも へ行ってほしいと思っています。行ってくれますか ? 」 「はい ! 」 おも ジャックはほっとして、思わず、アニーと顔を見あわせた。 「こんどは、いっ ? 」アニーが聞いた。 かおみ じだい 150
「そして、アイルランドの人々は、この天の川が、 だいじゃ 大蛇サ 1 フだと考えました」 おおぞら なが ジャックとアニーは、大空のまん中を流れる天 がわ の川が、あの大蛇のすがたとなって、からだをく ねらせたのを見た。 モーガンがつづけた。 ひとびと 「ベガサスは、古代ギリシャの人々が名づけた星 つばさした そら 座です。秋になると、翼を下にして、逆さに空を 飛ぶすがたが見られます」 そのしゅんかん、大きな翼をつけた白馬が、ど てんくう こからともなくあらわれ、天空をかけ抜けて、す かたを消した。 あき 、こ、じゃ かんカ おお ひとびと つばさ なか さか あまがわ あま
み ジャックには、モ 1 ガンのことばの意味が、わからなかった。 そらみあ よぞら 「空を見上げてごらんなさい。夜空にまたたく星を : : : 」 「星 ? 」 むすうほしめ ジャックは、頭の上の、無数の星に目をやった。 み せいざ 「ふたりとも、よく、見ていてくださいね ヘラクレスは、星座になって、 ひとびと ゅ、つしゃ いまも生きています。古代ローマの人々は、こん棒をふりあげる勇者、ヘラク レスのすがたを、星でかたどりました」 ジャックは、いっしゅん、ポンペイでふたりを助けてくれた、あのヘラクレ 、つ よぞら み スのすがたが、 夜空に浮かびあがるのを見た。 しよくド ) よ けんぎゅう ふた こだいちゅうごくひと あま 「牽牛と織女は、二つの星です。古代中国の人は、天の川でヘだてられた、あ ふた ほしみ けんぎゅ、つしよくじよでんせつ の二つの星を見て、牽牛・織女の伝説になぞらえました」 こだいちゅうごくであ はたお むすめうしか せいねん そのとき、古代中国で出会った、機織りの娘と牛飼いの青年のすがたが、天 の川の上に、浮かんで消えた。 カわうえ あたまうえ 0 たす がわ あま ・・・古代オリンピックの奇跡 147
「ホワイティー、ベガサスウ、どこにいるの ? 」 「アニ 1 、明かりを消してごらんなさい」 こ、ん ハウスから、モーガンの声がした。 しゅじんこ、つ にんむ ものがたり 。その主人公 「この四回の任務で、あなたがたが救いだした、四つの物語 たちはすべて、夜になると、あらわれるのです。ヘラクレス、牽牛と織女、大 じゃ 蛇のサ 1 フ、そして、ベガサスも」 やみめ ジャックは、めがねをかけなおして、闇に目をこらした。 アニーは、こらえきれすに聞いた。 「どこにいるの ? 早く、ベガサスのホワイティに会いたいわ ! 」 「もっと、よく、見てごらんなさい」 「見てるけど、見えないの」 でんせっしんわしゅじんこう 「見えますよ。伝説や神話の主人公は、いつも、わたくしたちのすぐそばにい るのです」 よんかい よる はや すく よっ け・んぎゅうしよくじよ 146
さくひん の作品をくわえることができて、ほんとうにうれしいわ」 せわ てつがくしゃ 「哲学者のプラトンさんにも、お世話になりました」ジャックが言った。 かれかんが せかい 「じつは、わたくしたちは、親友なのですよ。彼の考えは、世界じゅうに、大 し学 / し 、んいきよう きな影響をあたえました。ほんとうに偉大な人です」 「わたしは、白馬のホワイティ : : : じゃなくて、ベガサスがわすれられないわ。 いちどあ もう一度会いたい : ふか アニ 1 はそう言って、深いため息をついた。 すると、モ 1 ガンがやさしく言った。 「会えますよ。すぐ、そこでね」 「えつ、ほんと ? 」 「下へ、おりてごらんなさい」 アニ 1 とジャックは、いそいでなわばしごをおりた。 かいちゅうでんと、つ じめん 地面におりると、アニ 1 は懐中電灯であたりを照らして、白馬をさがした。 しんゅう ひと おお 145 ・・・古代オリンピックの奇跡
げんき アニ 1 は、できるだけ、元気な声を出そうとしているようだった。 ものがたり 「こんども、りつばに任務をはたしてくれましたね。『ベガサスの物語』を持 かえ ち帰ってくれて、どうもありがとう」 ものかたり 「え ? なんの物語ですって ? 」と、ジャック。 しんわと、つじよう つはさ 「ベガサスーーギリシャ神話に登場する、翼をもった白馬のことです」 もの ものかたり 「あっ、そうか ! あの巻き物は、ベガサスの物語だったんですね ! そして、 あの白馬こそ、ベガサスだったんだ ! 」 ジャックは、そう言いなから、リュックの中から手さぐりで巻き物をとり出 し、モ 1 ガンのほうへさし出した。 ま もの さノ、しゃふしよう 「でも、その巻き物は、〈作者不詳〉なのよ」 アニーかつけくわえた。 むかし さいの、つ さつか 「ええ。昔は、才能があっても、名まえを出せない作家か、たくさんいました。 じだい こんかい としよかん かのじよ とくに、あの時代の女性はね : 。でも今回、キャメロットの図書館に、彼女 じよせい にんむ ま なか て はノ、ば もの 144