お兄ちゃん - みる会図書館


検索対象: 古代オリンピックの奇跡
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1. 古代オリンピックの奇跡

「あっ、あぶない ! 」 あたま おも ジャックは、思わず頭をかかえた。 「お兄ちゃん、ロ 1 プよ ! 」 かお み ジャックが顔をあげて見ると、太いロープが一本、石だんに沿ってたれさが っている 「なんだろう、これは」 「きっとだれかが、これにつかまってのばりなさい、って、投げてくれたのよ さっきのモ 1 ガンみたいに」 「いったい、だれが ? 」 「のばってみれば、わかるわ」 「ふたりでのばっても、だいじようぶかな」 さき あいず 「じゃあ、わたしが先に行くわ。上についたら合図するから。そしたら、お兄 ちゃん、のばってきて」 うえ ふと いつほん ・・・北欧の海賊バイキング

2. 古代オリンピックの奇跡

もしかして、最後の冒険 ? 「お兄ちゃん ! 」 くらやみ こ、ん 暗闇のなかで、アニーのささやく声がした。 を」よ、つ まえ 「起きて。今日は、古代ギリシャへ行く日よ夜が明ける前に行くんでしょ ? 」 「ばくだったら、すぐに行けるよ」 ・も、つふ 毛布をはねのけ、べッドからとび起きたジャックは、すでに、 e シャッとジ ンズという服そうだった。 「お兄ちゃん、そのかっこうで、寝てたの ? 」 じかん 「着がえる時間が、もったいないからね」 ジャックはそ、つ言って、ゆ、つべのうちに用意してあったリュックを背おった。 アニーは、ブッと吹きだした。 ば、つけ・ん ト、つし

3. 古代オリンピックの奇跡

「本物のバイキングになったみたい ! お兄ちゃんもかぶってみて ! 」 ひと アニーが、もう一つのヘルメットを、ジャックに手わたした。 きぶんか はたして、ヘルメットをかぶってみると、たしかに、気分か変わった。 ふなの 「ね ? 腕のいし月 啗乗りに、なったみたいでしょ ? 」 「うん、まあね」 ゅ、つ」 「わたし、なんだか勇気が出てきたわ ! 」 かおみ それを聞いて、ジャックは、アニ 1 の顔を見つめた。 ゅ、つ去、 いままでだって、じゅうぶんゅうかんだったのに、まだ勇気をだしてなかっ たの ? 「じゃあ、一回だけ、ちょうせんしてみよう」 あな ふな ふたりは力をあわせて、オールを船べりの穴にさしこんだ。 「お兄ちゃん、用意はいい 「よし、オ 1 ケ 1 だ」 ほんもの うで ちから いっ力い よ、つ で て 4

4. 古代オリンピックの奇跡

うえみあ ハイキングたちは、崖の上を見上げながら、なにか言いあっている みち 「あの人たち、崖をのばる道を、さがしてるんじゃない ? アニ 1 がささやいた。 「じゃあ、こっちに来るかもしれないぞ。どこかにかくれないと : : : 」 ジャックは、あたりを見まわした。しかし、かくれる場所などどこにもない。 「お兄ちゃん、さっきのの中は ? ふねなか 「そうかー 船の中なら見つからない」 いわば せん ふたりは、ヾ ノイキング船がつながれている岩場へ、いそいでもどった。 ふね おルごじゅうす、つ 船をつないでいるロープは、沖に十数メートルも伸びていて、力いつばいリ ふねひ つばっても、船を引きよせられなかった。 うみなかある あさせ しかし、これくらいの浅瀬なら、海の中を歩いていっても、なんとか乗りこ めそうだ。 「お兄ちゃん、先に行って」 , ーし ひと さき か み の ちから の ひ

5. 古代オリンピックの奇跡

ハイキングがあらわれた ! ハイキングがあらわれたっ ! 」 たいへんだー かおだ アニ 1 か、ツリ 1 ハウスの窓から顔を出した。 「なんですってに」 む 「こっちに向かってくる ! 」 とっしん それだけ一言うと、ジャックは、石だんのほうへ突進した。 「お兄ちゃん、どこへ行くの ? 」 「プラザ 1 たちに、知らせなくちゃ ! 」 「わたしも行く ! 」 アニーは、スカートを持ちあげて外へ出ると、ジャックのあとを追った。 きゅう ジャックは、ロープをつかむのもわすれて、急な石だんを、四つんばいでか けあがった。 そとで 4

6. 古代オリンピックの奇跡

女の人がひとりもいない ハウスの中に、あたたかい日ざしが、さしこんでいた。 み 「お兄ちゃん、見て ! ポンペイへ行ったときの服とそっくり たしかにそうだった。足にはサンダルをはき、アニ 1 は、ゆったりとしたワ ンピ 1 ス、ジャックは、長いプラウスを腰のところでたくしあげて、ベルトを しめている。さらにジャックは、リュックのかわりに、革のふくろを持ってい こ 0 かいてん 回転がどんどんはやくなる しす やがてなにもかもが止まり、静かになった。 なにも聞こえない。 おんな ひと なか あ し なが かわ ・・古代オリンピックの奇跡

7. 古代オリンピックの奇跡

ジャックは、あたりをうかかってから、大きくため息をついた。 こえ 「いまの声、バイキングに聞こえなかったかな : : : 」 「まだ、島についていないわよ」 ある ジャックは、また歩きはじめた。アニーも、スカートをたくしあげて、一歩 ずつ、しんちょうにくだっていく なみ ・刀い、刀′ル やがて、ふたりはようやく、波がうちよせる、岩だらけの海岸についた 「ここは、島のどのへんなのかな」 こ、ん ジャックが、小さな声でつぶやいた。 「お兄ちゃん、あっ、あれリ」 ゅび とっぜん、アニ 1 が、海のほうを指さしてさけんだ。 りゅう 、つ かお 見ると、霧の中に、おそろしい竜の顔が、こっちを向いて浮かんでいるー 「か、かいぶつ : ふたりは、その場にこおりついてしまった。 なか うみ おお ・・・北欧の海賊バイキング

8. 古代オリンピックの奇跡

「お兄ちゃん、なにしてるの ? 」 さきある 先を歩いていたアニーが、ふりかえって、ジャックを呼んだ。 「いま、行くよ ! 」 みち ジャックは、えんびっとノ 1 トをバッグに入れ、さっき来たでこばこ道を、 崖のふちに向かって走った。 うみうえ 海の上では、たくさんのカモメが、 にぎやかに鳴きながら、飛びまわってい る。その鳴きかたは、どこかあわてているようだった。 へん 「アニー。あのカモメたち、鳴きかたが変じゃないか ? 」 あさお げんき 「きっと、朝起きたばかりだから、元気いつばいなのよ」 アニ 1 はそう一一一一口うと、ロープにつかまって、石だんをおりはじめた。 つづいて、ジャックも、ロ 1 プをつかんでおりていった。 カモメは、あいかわらす、はげしく鳴いている。まるで、ふたりになにかを 警告しようとしているかのようだ。

9. 古代オリンピックの奇跡

きよう」 「さあ、もうすぐ、オリンピックの競技がはじまる。行こう」 っ おんなひと ふたりは、プラトンに連れられて、女の人のやしきを出た。 かっこ、つ ものかたり 、カ ふたい 「ここでは、女は、学校にも行けないし、物語も書けないし、舞台にも立てな はやかえ こんな国、わたし大つきらい お兄ちゃん、早く帰りましょ ! 」 アニ 1 か、おこって一一一一口、つと、ジャックか聞いた。 み 「でも、オリンピックはどうするんだよ。見て行かないのかい ? 」 たの 「あっ、すっかりわすれてたわ ! わたし、それを楽しみにして来たのに」 すると、プラトンが一言った。 しようたい 「それなんだが : ・ わたしとしては、ふたりともオリンピックに招待したい。 しかし : : : 」 アニーは、ドキッとした。 「もしかして、女は、オリンピックを見ることもできないの ? 」 きん 「申しわけないが、 そのとおりだ。もし禁をやぶれば、たいへんなことになる」 ーも、つ 0 おんな おんな 0 み で 1 10

10. 古代オリンピックの奇跡

「わからないことがあったときや、こまったときには、本で調べる」 ジャックがつづけた。 ふるしよもっ 「すべての道が閉ざされたときには、古い書物が、行くべき道を教えてくれる」 まえ ふるしよもつみ 「お兄ちゃん。その前に、古い書物を見つける、でしよう ? 」 ・ライプラリアンのカ 「そのとおりよ、ジャック、アニ 1 。そして、マスタ 1 しんらい 1 ドは、ほんとうに信頼できる人に、見せるのですよ」 「だいじようぶよ、モーガン。じゃあ、行ってきます ! 」 ほんうえゅび アニ 1 が一一一一口うと同時に、ジャックは、古代ギリシャの本の上に指をおいた。 こうふんのあまり、からだがふるえた。 「ここへ行きたい ! 」 「もっと、もっと、いろんなところへ、行きたい ! 」 アニーがつけくわえた。 かせふ 風が吹きはじめ、ツリーハウスがまわりはじめた。 みち ど、つじ ひと ほんしら みちおし