マジック・ツリーハウス 8 もくし ほくおうのかいぞくバイキング 〔第 1 話〕北欧の海賊バイキング ジャックの不安・ 断崖のツリーハウス・ 修道士パトリック : すばらしい書物 運命の夜明け ハイキングがあらわれた ! 霧の中で・ 茴示流 海のモンスター でんせつ 大蛇サーフの伝説 : お話のふろく・ うんめい だんがい ひょうリゅう うみ しゅうどうし だいしゃ はなし なか しよもっ ふあん 80 74 67 59 52 46 39 33 26 1 7 1 0
しゅうど、つし かのこ じぶん くにふる でんせっし 修道士は、自分たちの国に古くからったわる伝説や詩を書き残す仕事にも、 取りくみました。そのころ、文字や絵は、すべて手で書くしか方法がなく、 ねん いっさつほん 一冊の本ができあがるのに、なん年もかかりました。 ハイキング げんざい スウェーデンに住んでい 〈バイキング〉は、現在のデンマーク、ノルウェー ひとびと えんがんむらしゅうどういん せいき た人々で、八世紀ごろから、イギリスやアイルランドの沿岸の村や修道院を ・かい第、 / 、 おそい、海賊としておそれられていました。 めいじん ふなの ふね ハイキングは、船づくりの名人であり、ゆうかんな船乗りでした。バイキ かわ ふね あさせ こ、つぞ、つ ングの船は、浅瀬でも航行できる構造だったので、川をさかのばって、ヨー たいりくおくふか ロッパ大陸の奥深くまで、はいっていくこともありました。 しんりやく とち せいき やがて、侵略した土地に住みつくようになり、十一世紀の終わりになると、 ハイキングのしゅう来はなくなります ま、つ 4 、、つ しごと
おも しろ あたま 大蛇は、大きく首をくねらせたかと思うと、まっ白いしぶきをあげて、頭か どうたい えが ら水にもぐった。海面に見えていた胴体も、ゆるやかなカ 1 プを描きながら、 うみ するすると海にはいっていき、やがて、まったく見えなくなった。 ジャックとアニーは、ツリ 1 ハウスのある崖の下へいそいだ。 「お兄ちゃん、たいへん ! 」 うえゅび とっぜん、アニ 1 がたち止まって、崖の上を指さした。 ふたりのバイキングが、こちらを見おろしているではないかー とっしん ふたりは、ツリ 1 ハウスめがけて、崖の石だんに突進した。 バイキングたちも、崖の上から、石だんをおりはじめた。 まえ ハイキングにつかまる月。 ハウスにたどりつかなければ ぬれて、すべりやすくなった石だんを、アニーは、スカートをたくしあげ、 ひっし ジャックはバッグをかか、んて、必死によじのばった。 だいじゃ みず , ーし おお くび かいめんみ 、つ、ん
ジャックとアニーは、ヾ ノイキン はや グよりわず一かに早く、ツリ 1 まど なか スにとう達し、窓から、中へころ かりこんだ。 ジャックは、すぐにペンシルべ ニア州のガイドブックをつかんだ。 「あなたたち、らんばうをやめて、 かえ じぶん 自分たちの国へ帰って ! 」 まど アニ 1 か、窓から、バイキング に向かって、さけんでいる ハイキングが持っていた大きな けん 剣か、キラリと療 0 たように見え しゅう おお し 7 一三
きた。どうするにしても、早く手をうたなければ、助かるみこみはなくなって しま、つ 「ほんとうに、それしか方法がないのかなあ : : : 」 医」ばこ ジャックは、ぶつぶつ言いながら、木箱の上にすわりこんだ。 おも に、もっ そのとき、この箱が、バイキングの荷物入れになっていることを思いだした。 み 「見て ! 」 あ じぶん アニ 1 が、自分のすわっている箱のふたを開けて、かん声をあげた。 「バイキングのヘルメットよ。子ども用みたい。ちゃんと、二つあるわ」 アニ 1 か、小さいへルメットを二つ、とり出した。 の ふねこ 、船に子どもを乗せるときに、使うんだわ」 「きっと イキングもふつうのお父さんで、 それを聞いて、ジャックは、ふと考えた。バ かぞく えかえ 家に帰れば家族がいるんだ : あたま 頁こへルメットをかぶって一一一口った。 アニ 1 カ豆 ( 0 ほ、つほ、つ はやて 0 ふた かんカ よ、つ つか 、つ、ん たす ふた A.J 、つ ・・北欧の海賊バイキング
「いや、まだなにか、方法があるかもしれない。本を調べてみ よ、つ」 ジャックは、リュックから本を出して、ページをめくった。 てつド ) ふね ハイキングの船は、とてもスピードが出る、当時では、世 ふね かぜ 界一すぐれた船だった。風があるときは帆をはり、風がな すす いときは、オ 1 ルでこいで進んだ。 ふねょにんおお ふね いちばん小さい船で四人、大きい船では三十二人以上のこ じぶんも 、つえ ぎ手がいた。こぎ手たちは、自分の持ち物を入れた箱の上 ふな あな ぜんいんちょうし にすわり、船べりの穴にオ 1 ルをさしこみ、全員で調子を ぜんりよく ふねたいせいよう 合わせて、全力でこいだ。この船で大西洋をわたり、アメ リカ大陸まで出かけたバイキングもいた。 、刀しい十っ し、 ) ま、つに、つ ほんだ さんじゅうににんいじよう ほんしら
かぜ むな ジャックは、胸さわぎがして、あたりを見まわした。 さき なか 先におりていったアニーは、もうツリーハウスの中にはいっている 「お兄ちゃん、早くう ! 」 ジャックは、ようやく口 1 プから手をはなし、も、つ一度、海のほうをふりか 、んった。 しんぞう ジャックの心臓が、どくんと鳴った。 、つ ふね 水平線の上に、船のようなかげが浮かんでいる め み みつ あか ふね じっと目をこらして見ていると、船のかげが三つになった。明るい色の帆を、 ちか 風でいつばいにふくらませ、ぐんぐんこちらへ近づいてくる あさひはん ふね ひか 朝日を反しやして、船のヘさきが、きらっと光ったような気がした。 りゆ、つあたま あれは : : : 竜の頭ー 「た、たいへんだー すいへいせんうえ ーーし はや ふね ハイキングの船だー て み いちど うみ ・・・・北欧の海賊バイキング 4
かれ 「もちろん、バイキングもです。ヨーロッパじゅうをふるえあがらせた彼らは、 ば、つけ・ん ふなの イキングの冒険は、 ゅうかんな船乗りであり、すぐれた商人でもありました。バ AJ 、つド ) ノイキングは、やがて、 当時、だれにもまねのできないものだったのですよ す しゅう撃をやめ、イギリスやフランスに、つつり住むよ、つになります。世の中か ひとびと が / 、もんげ・いじゅっ 平和になると、人々はまた、学問や芸術にうちこむようになるのです」 が′ \ もんげいじゅっま , も 「学問や芸術を守るって、たいへんなことなのね」アニ 1 が言った。 しゅうど、つし あんこく じだい まさしく、アイルランドの修道士たちは、暗黒の時代にさした、 「ええ ひとすじの″光〃でしたね」 ひともじ あ ジャックは、プラザ 1 ・マイケルたちが、ろうそくの明かりの下で、一文字 こ、つけい おも ひともじ てが 一文字、ていねいに手書きしながら、本を作っていた光景を思いだした。 かんしゃ ゅ、つ」 「ジャック、アニー。ふたりの勇気に、あらためて感謝します。あなたたちこ えいゅう そ、りつばな英雄ですよ」 て ジャックは、ちょっと、照れくさかった。 0 ひかり しようにん ほんつく 0 ヾ、 した よ なか ・・・・北欧の海賊バイキング
ハイキングがあらわれた ! ハイキングがあらわれたっ ! 」 たいへんだー かおだ アニ 1 か、ツリ 1 ハウスの窓から顔を出した。 「なんですってに」 む 「こっちに向かってくる ! 」 とっしん それだけ一言うと、ジャックは、石だんのほうへ突進した。 「お兄ちゃん、どこへ行くの ? 」 「プラザ 1 たちに、知らせなくちゃ ! 」 「わたしも行く ! 」 アニーは、スカートを持ちあげて外へ出ると、ジャックのあとを追った。 きゅう ジャックは、ロープをつかむのもわすれて、急な石だんを、四つんばいでか けあがった。 そとで 4
それを見て、プラザ 1 、トリックか一言った。 あ 「だいじようぶ。バイキングは、夜が明けるまでは島に近づけません。いくら かれ ふなの 彼らかすぐれた船乗りでも、だれかさんほどじゃありませんからね」 プラザー 、トリックは、アニーにウインクをして見せた。 「それにしても、あなたたちは、なんのために、この島に来たのですか ? 」 「あっ、そうそう、そ、つでした ! 」 ジャックは、あわててバッグに手をつつこみ、モ 1 ガンがくれた紙きれをと り出した。 %e 「 pens Magna 「ばくたち、この本をさがしに来たのです」 かみ プラサー ハトリックは、その紙をながめてから、ふたりをじっと見つめた。 み ほん て しまちか み かみ み ・・・・北欧の海賊バイキング