あの人はほんとうにアーサ 1 王で、ばくたちは、ほんとうに、ア 1 サー王の 役に立ったのかもしれない。 としよかん ひ そしていつの日か、アニーとふたりで、また、モーガンの図書館をたずねる のだ : ジャックは、急に、つれしくなってきた〇 まえ ノとママが起きる前に、 「お兄ちゃーん、早くうー アニーが、ふりかえってさけんでいる 「いま、行くよ ! 」 お ジャックは、アニ 1 に追いっこうと、朝の光の中を走りだした。 ひと きゅう はや おう あさ お ひかり かえ 帰らないと ! 」 おう 155 ・・夜明けの巨大地震
しやしん しんぶん 「あの路地でとった写真を、べティが新聞にのせたんだわ ! 」 おおわら ジャックも、ゆかいになって大笑いした。 それにしても、ふしぎな気もちだった。サンフランシスコで持ちあるいてい しやしん た本に、あのときの写真がのっていたなんて : そのとき、アニーが、本をパタンと閉じて言った。 ゅうかんこ 「さっきは、ア 1 サー王にも、『勇敢な子どもたち』って言われたわ。これで、 二回めね ! 」 おう 「ア 1 サー王 ? 」 「そ、つよ」 ジャックには、アニーかなにを一言っているのか、さつばりわからなかった。 しかしアニーは、そんなことにはおかまいなしに、しゃべりつづけた。 てがみ 「これで、モーガンの手紙のなぞが、やっと解けたわ。四つの〈書かれたもの〉 あっ おう おう ゅ、つご *IJ ば、つ を集めたのは、アーサ 1 王のためだったのよアーサ 1 王が、勇気と希望を取 , 刀し ほん おう ほん 152
々、ら ふたりは、うす暗い、大きな部屋のまん中に立っていた 古い本のにおいと、薪の燃えるにおいがする 士小き だんろ へや 見ると、部屋のすみに、大きな石づくりの暖炉があり、薪が、パチパチと燃 ほんだな かべ えていた。そのまわりの壁には、天井までとどくりつばな本棚が並び、どの棚 ほん にも、本がぎっしりとつまっている こ、ん しす モーガンか、静かな、しかし、よくひびく声で言った。 としよかん 「ここは、キャメロットです。ふたりとも、わたくしの図書館へ、ようこそ」 へや ジャックは、ロをほかんと開けて、その大きな部屋を見まわした。 モーガンが、つづけて言った。 「あなたがたをここへ呼んだのは、ある人に、会ってもらうためです〇わたく ししゃ ひとやく しの使者として、その人の役に立ってほしいのです」 「その人は、どこにいるの ? 」アニ 1 か聞いた へやおくゆび モーガンは、だまって、部屋の奥を指さした。 ふるほん ひと くち おお おお へや てんじよう ひと なか おお なら たな 140
モ 1 ガンの手紙が、きのうとおなじところに、おかれていた ジャックとアニーへ わたくしの弟、アーサーがおさめるキャメロット王国に、いま、たい へんな危機がせまっています。 て よっ おうこくすく 王国を救うために、つきの四つのものを、手に入れてほしいのてす。 しつこう 実行するために書かれたもの おく 送るために書かれたもの か まな 学ふために書かれたもの か 貸すために書かれたもの かんしゃ ゅうしようゆうき ふたりの変わらぬ友情と勇気に、感謝します。 てがみ おとうと おうこく モーガン 4 8
アニーも、『看護のこころえ』と手紙をさし出した。 わら モーガンは、につこり笑って受けとった。 やくだ としよかん / 、ひと 「これらの知恵は、わたくしの図書館に来る人びとにも、役立っことでしよう」 ふたりとも、それを聞いてうれしくなった。 それから、モ 1 ガンがおもむろに言った。 か、ん じかん フロッグクリークに帰る時間がきました」 「あなたがたが、 としょ へやなかみ ジャックは、あわてて、部屋の中を見まわした。せつかく、モ 1 ガンの図書 かんき 館に来たのに、まだ、ほとんどなにも見ていない : よ すると、モ 1 ガンが、ジャックの心を読みとって、やさしく言った。 「だいじようぶですよここへは、かならずもどってこられます。あなたがた お、つこノ、、 おんじん は、キャメロット王国を救った恩人なのですからー あ それでは、ジャック、アニ 1 、またお会いしましよう」 め ふたたび、あの目もくらむようなせん光が走った。 かんご てがみ こころ み 0 148
か てがみか 「ばくたち、あなたの手紙に書いてあった、四つの〈書かれたもの〉を手に入 れました ! 」 ジャックかし 、きおいこんで言った。 せきばん かんご それから、アニーが『看護のこころえ』と隊長の手紙を、ジャックが石盤と 板きれを、モーガンにさし出した。 しかし、モ 1 ガンは、それを受けとろうとしなかった。 「ふたりとも、ほんと、つにありかとう。でも : : : じつは、これを必要としてい る人は、ほかのところにいるのです」 ハウスを走りぬけた。 そのとき、ふたたび、まぶしい光がツリ 1 しす おと ッという音かひびきわたり、やがて、静かになっ と同時に、ゴオオオ あ め ジャックとアニ 1 は、そっと目を開けた。 そこは、マジック・ツリ 1 ハウスの中ではなかった。 ひと レ」、ついし ひかり なか たいちょうてがみ ひつよう て ・夜明けの巨大地震 139
ふか 大きなひじかけいすに、ひとりの男の人が、うなだれてすわっていた。深い しらが くち こんいろふく 紺色の服を着て、りつばな口ひげをたくわえていたが、冠をのせた髪には白髪 いってん がまじり、目は、カなく一点を見つめている ・ : 」アニ 1 がつぶやくと、モーガン 「なんだか、ひどくつかれているみたい : こ、ん しす か、静かな声で言った。 かれ お、つこ / 、 かれ 「彼は、この王国を守るために、彼をしたう騎士たちとともに戦ってきました。 オオカ しかし、いま、戦いにやぶれ、希望を失っています」 「わたしたちは、なにをしてあげればいいの ? 」と、アニー しせん モ 1 ガンは、ジャックとアニ 1 が持つ、四つの〈書かれたもの〉に、視線を 落とした。 ジャックか、わかった、とい、つよ、つに一言った。 ひと 「あの人に、これを見せればいいんですね」 モ 1 ガンか、につこり笑って、うなずいた おお ちから わら おとこひと うしな よっ かんむり たオカ かみ 141 ・・夜明けの巨大地震
かえ おおじしん ジャックは最後に、大地震におそわれたサンフランシスコから持ち帰ったば かりの、あの板きれを見せた おおじしん 「これは、大地震で家をなくした男の子が、落ちていた板きれに書いてくれた ものです。 きほう なにもかもなくなっても、まだ、希望があるーーと書いてあります」 ひとひと 男の人は、〈書かれたもの〉の一つ一つに、じっと見入っていたが、やがて、 かな 目をあげて、ふたりを見た。その目から、さっきまでの悲しみの表情は消えて 「どれも、すばらしい知恵だ : よく、見つけて、持ってきてくれた。さっ ししゃ まほ、つつカ き、モ 1 ガンの使者と言っていたが、きみたちは、魔法使いかね」 え」と、アニーがこたえた。 亠よほ、つつか 「モーガンはりつばな魔法使いだけど、わたしたちは、ふつうの子どもよ ! 」 しず じぶん 男の人は、静、にほほえみ、そして、自分に言いきかせるように、力をこめ おとこひと おとこひと おとこ ひょうじよう ちから 146
ジャックとアニーへ わたくしの弟、アーサーがおさめるキャメロット王国に、いま、たい きき へんな危機がせまっています。 て おうこくすく 王国を救うために、つぎの四つのものを、手に入れてほしいのです。 しつこう か 実行するために書かれたもの か おく 送るために書かれたもの か まな 学ふために書かれたもの か 貸すために書かれたもの かんしゃ ゅうしようゆうき ・カ ふたりの変わらぬ友情と勇気に、感謝します。 いつつうてがみ ハウスの中にはいると、床の上に、一通の手紙がおいてある おとうと なか ゆか よっ 、つえ おうこく モーガン 0
ーも。り・ 丿ークの森の、ツリ 1 気がつくと、ふたりは、また、フロッグク 1 としよかん 「わたしたち、ほんとうに、モーガンの図書館へ行ってきたのよね ! 」 わら アニーのことばに、ジャックは、笑ってうなすいた。 ゅめ 「まだ、夢みたいな気がするわ ! 」 「うん。ばくもだ」 まど ゆか そのとき、ツリー ハウスの窓から風が吹きこみ、床の上にあったサンフラン ラバラとめくれた。 シスコの本のペ 1 ジが、パ こ、ん て 本に手をのばしたアニ 1 が、おどろいて声をあげた。 ほん 希望の詩 ほん し かせふ うえ ハウスの中 なか ・・・夜明けの巨大地震 149