・メモランダム 〇五年は、カトリーヌ、リ 夕、ウイルマはかりでなく、 合計一四個のハリケーンが発 生した。ふつうの台風の規模 のトロピカルーストームを合 ・ / ) 、月の終わりにアメリカ南部を襲 0 た ( リケーン「カ トリーナ」が、雑誌「タイム」の〇五年の「今年の 顔 , の候補になった。結局選ばれたのは、マイクロソフト のビル・ゲイツ夫妻とロックバンド「 2 」のポノだった。 ケ 私がけちをつけても始まらないが、この人選は、ぜひ〇五 年でなければという感じはあまりしない「カトリ 1 ナと 母なる自然」を候補にあげたのは、六人いる選考メンバー の一人であるニュース・キャスターだったそうだ。「母な る自然」のなかには、〇四年末のスマトラ沖の津波、カト 1 ナだけではなかったハリケーンの襲来、一〇月のパキ スタン地震など度重なる自然災害を含んでおり、この母は、 最近はやさしい母では、どうもない カトリ 1 ナは、様々なことを考えさせると選考メンバー のニュ 1 ス・キャスターはいっている。ブッシュ大統領の 政策、石油問題、人種問題、イラク戦争。 巨大な自然害は、社会的弱者にい 0 そう苛酷な影響を 及ばすのは、との国でも同じだが、カトリーナはそれを露 骨に示した。ニューオーリンズでは、改修されたしつかり 142
わせると一一六個にものぼリ、 これは観測史上最多の記録だ った。そういえば、前の年の 〇四年には、日本にやたらに 台風が上陸したのだった ( 一 〇個 ) 。 一一一月にも一つ発生したが、 そんな時期にハリケーンが発 生したのは、過去一一一〇年の あいだで五度目のことだった そうだ。 こういう極端な数字を見る と、地球がどうかなっている のではないかと不安になるが、 米海洋大気局は、地球温暖化 との関係に対し消極的な見解 を示しているのだそうだ。ほ んまかいな。ちなみに同局は、 〇六年もたくさん発生するだ ろうと不吉な予測をしている。 した堤防があれば、あれほど壊減的な高潮被害を受けるこ とはなかっただろうといわれた。ここでひどい目にあった のは、大抵は貧しい黒人たちだった。 ガルプレイスは、アメリカには「満足した階層 . があり、 自分たちの満足を侵すものに反対するのだといっている 彼らは、増税を憎み、公共政策への支出を敵視するのだそ うだ。堤防の改修費用も、そういう次第で出し惜しみされ たわけだろう。 そういう満足した人々に選ばれた二期目の大統領は、よ うやく五日目に被災地を訪れた。依然として水の引かない ニューオーリンズを、ヘリコプターに乗って上空から視察 し、「想像以上にひどい」と想像力のなさを示すコメント をした。 イラクでは、すみやかに戦争につつこんだ米大統領は、 国内の救援活動ではずいぶんもたついた。そのために動員 すべき州兵の一部がイラクに行っていて、員数が不足して いたと指摘する人もいた。この直後におこなわれたある世 論調査によると、黒人の大統領支持率は二 % だった。 1 43