戦後 - みる会図書館


検索対象: 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年10月号
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1. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年10月号

では、高校生へのライプをお楽しみ下さい 戦後 R 年の ><ZO< が問うー高校生向けブックガイドー ☆ 学校司書大江輝行 今回はみんなに漫画を紹介します。本日は、大日本帝国が 最後の戦争をして、大量殺人と瓦礫と廃墟の地から平和な日 この度、戦後 E 年でのブックガイドであえて漫画を取り上本国 ( 憲法 ) 社会を築いてきた「戦後兀年」という長い時の げさせて頂きました。何故か「子どもの本ーの戦後史で、中・厚みから産み出された漫画を、あの人のあの作品にはこの人 高校司書の私にとって鮮やかに映るのは日本 >*< 文学の登場のこの作品というように、コンビで紹介していきます。 でした。では、何故、 >«< 文学のガイドではなく漫画なのか それは、私には、同じく戦後間年で、 *< がモノを感じモノ① < 手塚治虫『鉄腕アトム・地上最大のロボット を想うテクストとして、戦後日本漫画にこそより顕著な達成 ↓ cn 浦沢直樹 L--DI--O ( プルートウ ) 』 かあると考えられ、また、その漫画を鏡とする事により、同 < 面、この顔はこ存知「鉄腕アトム」。では co 面、はい、 様に大切な日本 *< 文学に対する私の期待が照らし出される この少年は誰でしよう ? そー、これもアトム。えー、人間 と考えたからです。つまり、読者には、本文の 154 を読み、じゃん。そーなんだ、特にの浦沢版アトムは震えが来る程 それに該当する >*< 作品も思い浮かべて頂ければ、重ねてあ繊細な感性の持ち主として描かれてるよ。 りがたいです。 < は、先の東京オリンピック開催年からやがて経済大国へ 次に、何故、このブックガイドは「高校生向けなのか と上りつめて行く、日本の高度経済成長中期に描かれました。 戦後の歴史と社会を背景に選択した漫画を咀嚼するには、私 は、アメリカの主導した、イラクの「大量破壊兵器の保有」 は中学生より高校生の方が年齢的に相応しいと考え、同時に、を攻撃大義とするイラク戦争を背景としています。 < では、 戦後間年の節目に着目すれば、改憲反対の「若者憲法集会」プルートウは、アトムを含む世界最高峰の 7 体のロボット ( 以 へ向かう高校生、間年ぶりの〈公選法〉の改正「歳選挙権下、ロボ ) を倒す事で自分こそが世界最強であると証明する の成立」に直面する高校生と、今、「主権者としての高校生」ようにと主人の命令を受けたロボです。個性的なロボ達との へ、時代のスポットが照射されて来たと思えるからです。 糸な闘い、そしてその悲劇的な最期、無意味な闘争の皮肉

2. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年10月号

版の経緯を 2 4 り 』レン たる丿一訳説 o 簡単に説明 も知ェイ著子解 2 高田ゆみ子 しておこう 子トフヴ乃み也房 ' ゅ哲書 い・村 実に注目に 伝プ < 中田橋す 高高す み fiÆ 私は、戦後十一年目の一九五六年生まれである。この年齢値するもの だからだ。 になってみれば、十一年なんてあっという間ついこのあい だ戦争が終わったばかりという頃だったのだ。それでも、私 一九九〇年代前半、ナチスによるホロコ 1 ストで六百万人 にとって戦争は遠い昔の話であり、「れつきとした戦後生ま ものユダヤ人が殺害されたことを知るのは、スウェーデン国 れ」として今まで過ごしてきたように思う。正直なところ、民の六六 % にすぎないという調査報告があった。衝撃を受け 自分が先の戦争について文章を書くことなど、予想もしなか た当時のペールソン首相は、歴史を知らない若者たちが人種・ った。そんな私がいったい、戦後七十年を語ってよいのだろ民族差別思想やその宣伝に対して無防備であってはならない 、つカ ? しばらく考えた。結果、 いいのだと思った。もはやと考えた。民主主義の価値と人間のモラルについて伝える必一 「戦後生まれーがマジョリティとなった現在、戦争体験者は要がある。そこで、子どもたちに現代史の悲劇をわかりやす 確実にこの世から去りつつある。語り手は移り代わる。むし く叙述する本の執筆を、二人の歴史学者に依頼したのが本書 ろ、代わらなくてはならないそういう意味では、私のよう の生い立ちだ。そのためには、自国の歴史の「負の部分ー な立場の者にも役目がある。それは「つなぎ、語り伝える」も目を閉ざしてはならなかった。たとえば、スウェーデンが ための橋渡しの役である ナチス政権下のドイツに対して鉄鋼などの輸出を続け、ドイ ツの戦時経済を支えたことも明記している。どこかの国では、 『語り伝えよ、子どもたちに』は、私が二〇〇二年 ( ほら、 もう十三年たっている ! ) に翻訳出版した、ホロコ 1 スト史それを「自虐史観的内容」と評する人がいるかもしれないが のタイトルである。スウェーデン政府による公共歴史プロジ 今日、ドイツ以外のヨ】ロッパの国々も、当時の自分たち ェクト「生きている歴史」の一環として書かれたもので、私 が全くナチスに加担していなかったとは言えなくなってい が底本としたのはそのドイツ語版である。ますは、本書の出る。本書は、誇らしき中立国スウェーデンが、人ごとのよう 語り伝えよ、子どもたちに 上ルえ′ド議ーウぃ - ン 語リ伝えよ : 子どもたらに すず書房

3. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年10月号

特集 戦後 70 年、被爆 70 年 時の記憶未来への選択 戦後 70 年、被爆 70 年という大きな節目に立っています。 直接戦争を体験した人々が少なくなっていく中で、時代の目撃 者として子どもたちに何をどう伝えていくのか。子どもたちを取 り巻く状況が大きく変化してきている今、確かな未来を手渡すた めの私たち一人ひとりの選択が問われています。 米ワシントンのアメリカン大学美術館「原爆の図ー展」初日会場にて 「原爆の図」に見入る来館者 20 ] 5.6.13 ( 丸木美術館提供 ) ー 18 ー

4. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年10月号

那須正幹さん一 全国大会で講演される那須正幹さんの作品を紹介します。 「折り鶴の子どもたち 広島の原爆』 ー原爆症とたたかった 佐々木禎子と級友たち 那須正幹文 も鶴 - 那須正幹作 西村繁男絵 たの 高田三郎絵 も ・福音館書店 / ] 995 PHP 研究所 / ] 984 ヒロシマ ヒロシマ ヒロシマ 1960 1949 1977 歩すレ本日一学 ? , を 3 第を = プ那須正鉾 那須正を、 ねんとい - 原爆が投下される前の広島の暮らしからその後 まで、俯瞰的に細部まで描いた絵とデーターとで わかりやすく解説した絵本。 市内全体の被爆状況や、原爆の原理、開発や投 下にいたる歴史的経緯、被爆以後の実情がわかる。 広島の「原爆の子の像」を題材としたノンフィ クション。 12 歳の少女佐々木禎子が白血病で亡く なるまでと、禎子をモデルにした原爆の像の建立 までのいきさつが二部構成で描かれる。 『ヒロシマ 1949 歩きだした日』 『ヒロシマ 1 960 様々な予感』 『ヒロシマ 1 977 めぐりくる夏』 那須正幹作 ボブラ社 / 201 5 戦後の広島を舞台に、お好み焼き屋を切り盛 りしながら生き抜く三代の親子の姿を通して描 くヒロシマ三部作。原爆を経験した著者が描く、 広島に生きる人々の戦後史。 『屋根裏の遠い旅』 那須正幹作 偕成社 / ] 999 学校の屋根裏から、二人の 少年が日本が太平洋戦争に勝 った世界パラレルワールド ) にスリップしてしまう物語。 独自の視点から現代日本を描く、インパクトの ある作品。 靨 ねんどの神さま』 那須正 那須正幹作 童話集 0 武田美穂絵 ねんどの神さま ボブラ社 / 2014 表題作「ねんどの神さま」はじめ、戦争、平和 についての作者の深い思いを伝える、「八月の髪 かざり」「 The End of the World 」を収録。 『ねんどの神さま』 那須正幹作 武田美穂絵 ボブラ社 / 1 992 めぐりく 那須正幹 屋根裏の 神さま = 背を 1946 年、山奥の学校で一人の 少年が平和を願って作った「ねんどの神さま」は、 50 年後に巨大な怪物となり東京をめざすが・・・。現 代の日本社会に根源的な問いをなげかける作品。 『八月の髪かざり』 那須正幹作 片岡まみこ絵 佼成出版社 / 2006 『那須正幹童話集 5 1945 年 8 月 6 日、「いってま いります」といって出かけた まま帰ってこなかったキョ姉ちゃん。姉の遺品の ひまわりの髪飾りが忘れることのできないあの日 を静かに語るおばあちゃん、久江さんの物語 ー 43 ー

5. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年10月号

子どもの本棚 2015 年 8 月号 主語は誰なのか / 朽木祥 新刊紹介 も く 1 2 9 1 0 1 4 1 6 18 22 25 28 31 34 38 40 43 44 45 46 47 48 こにとりあげている図書は、いずれもく日本子どもの本研究会選定図書〉に選ばれたも のです。但し、図書内容の評価については、それぞれの執筆者の責任において執筆されて いることをおことわりしておきます。なお※印は、ノンフィクションの本です。 今月の書評 2 「蛙となれよ冷し瓜』 / 飯村和子 今月の書評 1 「きせきの海をうめたてないで ! 』 / 藤野八洲子 選定リスト 2015 年 6 月選定図書 / 選定委員会 選定付記 / 小池淑子 戦後 70 年の MANGA が問う一高校生向けブックガイドー / 大江輝行 ともに社会を学ぶことそれはともに社会をつくること / 菅間正道 語り伝えよ、子どもたちに / 高田ゆみ子 戦争の愚かしさを未来にどう伝えるか / きどのりこ ロロい り継かれるく被曝の物語〉 / 岡崎弥保 子どもの本から「記憶」の描かれ方を考える / 広瀬恒子 特集戦後 70 年、被爆 70 年時の記憶未来への選択 編集後記 スケジュール / 今月の研究会 事務局より / 全国大会お知らせ 情報コーナー まんが時間『僕だけがいない街』『逢沢りく』 / 清尾知栄子 那須正幹作品紹介 複眼書評『こわれる森八チドリのがい』 / 中川良孝・田中香織 わたしのよむ「夏の朝』 / 杉田秀子 表紙絵 . 降矢ななイラスト . 福本舂子

6. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年10月号

特集戦後 70 年、被爆 70 年時の記憶未来への選択 にナチス・ドイツの犯罪を非難するといった単純なものでは 目下、私はドイツの作家グードルン・パウゼヴァング百冊 、。ペ 1 ルソン首相は、二〇〇〇年にスウェ 1 デンのナチ目の作品と取り組んでいる。舞台は戦争末期から終戦直後の ス協力を初めて公式に認め、「道義的・政治的責任ーを語っ ドイツ。十七歳から十八歳になるひとりの少年の運命をめぐ た人物であることも付け加えたい。 る物語だ。美しく、しかし強烈なメッセージを持っ作品であ 本書の特徴はなんといっても、「子どもたち」にホロコ 1 る。パウゼヴァングは、第二次世界大戦の目撃者はまもなく ストの記録と記憶を伝えるための努力と工夫がなされている いなくなるが、後の世代に言い置いておくべきことが、自分 点である。加害者・被害者双方の証言や回想録、日記、詩な にはまだたくさんあると考えている。だからこそ、八十七歳 どの文学作品、年表、当時の法令などの資料をもとに多角的 になった今も創作の手をゆるめていないその彼女が、戦後 に光をあて、ホロコーストが現実化していく経緯がわかりや七十年目に私たちに何を伝えようとしているのか訳書の完 すく浮き彫りになっていく。それは歴史を直視し、目を背け成までしばらく時間がかかりそうだが、作品のことばをしつ すに、「語り伝える」ことにほかならない かりと受け止め、伝えなくてはならないと肝に銘じつつ、翻 スウェーデン語版にもドイツ語版にも、冒頭に聖書のこと訳を進める毎日だ。 ばが記されている 私はこれまでに、三冊のパウゼヴァング作品翻訳に携わっ てきた。東西冷戦時代、一九八四年の『最後の子どもたち』は、 老人たちょ、これを聞け。すべてこの地に住むものひとりの子どもが核戦争後を語るという近未来小説だった。 よ、耳を傾けよ これに関しては、実際に被爆者という「語り部」のいる日本 あなた方の世、またはあなたがたの先祖の世にこので、どれほど伝わるだろうかという危惧はあった。しかし、 よ、つなことが起こったか ? 違う時代に、違う視点から、広島・長崎とは異なるかたちで これをあなたがたの子たちに語り、 核戦争を語り伝えることができるのではないかと思った。 子たちはまたその子たちに語り、 一九八七年の『みえない雲』は、チェルノブイリ事故とい その子たちはまたこれを後の代に語り伝えよ う実際のできごとを契機に、原発事故が人々に何をもたらす 旧約聖書ョエル書第 1 章 1 ー 3 節 かを、子どもたちも知るべきであるとい、つ思いから書かれた。

7. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年10月号

文絵 インの軍事独裁政権下、 を与えた」と述べている教科書もあり、大人の責任がかかっ タノ サッカー好きの少年ペド 文駆一ています。 乍加ワ訳 口が通う小学校に軍人が また、学校図書館に新聞をおくことの予算がついたのは良 来てク我が家の夜の過ご ロ・和館しとしても、一紙分のみの予算では、どの新聞を購入するか、 宇」 し方という題の作文を せめて比べ読みできる 2 紙分が求められます。 『トファ ンル 書かせます。両親は毎夜、 海外放送を聞いていて 戦後年、いまも地球上から戦争の火は決して消えていま 「独裁反対」の立場でした。ペドロは作文になんと書いたか ? せん。日本では新基地建設が沖縄の人々を苦しめています。 ドキドキさせられる絵本でしたが、ここには子どもの目に時 代の暗雲が意識されていてペドロの機転というか、知恵とい 『光の、つつしえ廣島ヒロシマ広島』 ( 朽木祥作、講談社 ) うか、両親を守った行為に熱くさせられます の中で肥歳の希未たちに入市被爆した美術の吉岡先生が、「君 たちはど、つかこの 選「争は大人だけでなく、子どもも荷を背負うことになりま まま加害者にも被 へす従って、子どもの目や気持ち、行為を丹念に掘り下げ、 え広 3 害者にもならない 未そこから共有できる記憶を見出していける作品を期待してい し乍 1 っ シ祥 2 己きたいものです。 で生きていってほ の のヒ朽談 時 いま、各教育委員会は 2016 年度から中学で使う教科書しい。そして、決 光講 年の採択をはじめています。ある教科書では、太平洋戦争の開 して傍観者にはな 廣 爆始を「石汕やゴムなどの資源を獲得することを目的に東南アらすにあの戦争で ジアに武力で南進し」「日本の侵略的な行動をとる中で日米起きたことを、廣島で起きたことを伝えていってほしいと 年 関係は悪化していきました」と記述しているのに対し、「欧訴えています 米による植民地支配からアジアの国々を解放することを戦争 特の目的ーとし、「東南アジアやインドの人々に独立への希望 傍観者にならない自分の一歩を、と思う今です。 一三ロ ペドロの作文 日 光のうつしえ 島 : 。マ広 朽本祥

8. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年10月号

事務局より 第絽期第回理事会を 6 月肥日リサイクルセンターにて開 催。出席川名。 【報告事項】 〇全国大会〕参加申込受付中。引き続き宣伝をよろしく 〇図書管理【選定済み本の取り扱い、今年は前年通りだが、 次年度に向け検討課題とする。 〇機関誌【 8 月号特集は「戦後年」。 〇みなと校〕あと 2 回を残す。 〇多摩校〕多摩市の後援が得られた 〇学校図書館のつど、 し〕Ⅱ月日 ( 土 ) 専修大学ラーニング コモンズで開催。チラシ完成。 〇渉外〕国際子ども図書館を考える会総会あり。その会報に 被災地支援として本会の昨年の集会に関する記事が載る 〇普及〕全国大会での普及につとめる 〇〕多摩校・つどいなどをアップする 〇会員研修〕内容および講師について提案あり。 ◇総会での分担などを協議。 ◇決算および予算案について協議、決定。 ◇事務所運営についての検討。 〈入会〉井上優理 〈退会〉中村眞理子 【協議事項】 〈予告〉 第回日本子どもの本研究会 全国大会 ( 2016 年 ) 開催のお知らせ 日時 2016 年 8 月四日 ( 全 ) ・日 ( 土 ) 会場国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟・センター棟 実行委員会を川月頃に立ち上げ、プログラム・内容についての検 討に入ります。ぜひとも多くのみなさまが今年の全国大会にご参 加され、その反省や感想も含めて新しい企画などのご提案を下さ いますよう、ご意見をお待ちしております。また一緒に実行委員 をしてくださる方もあわせて募集いたします。どうぞ奮ってご参 . 加くたさい 第期定期総会終了 6 月日 ( 日 ) 午後 1 時半より 4 時半まで、子どもの文化 研究所にて開催。委任状・出席者合計 356 名により成立。 全国大会のあり方などについての積極的な討議が行われた のち、議案はすべて採択され、無事終了した。

9. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年10月号

◆今号の特集のなかで、「子どもの伝えることがむずかしくなってい書通帳」が載った。図書館で本を借 戦争責任」という言葉が重く心に残る。『語り伝えよ、子どもたちに』 ( みりたとき、預金通帳に似た通帳を、 った。そのような責任を子どもに負すず書房 ) をあらためて読み直した。銀行のに似た専用機に入れる わせてしまう社会。そんな社会にし多数の体験者たちの具体的な言葉、と、借りた日や書名などが印字され てしまうおとなの責任は、はかりし数多くの写真が示すその事実の重みる。開発した会社によると既にⅡ市 れないほどに重い。九条を掲げ E 年に加え、なによりも伝えたかったの町村が機械を導入。埼玉県では妊婦 間守ってきたものを手放してしまうは、結果的にホロコーストを傍観 ( 肯向けの読書通帳も作成され、母子手 責任の重さ、いや愚かさは考えるだ定 ) し、戦争に協力 ( 加担 ) したの帳の図書館版の趣もある。いすれも けでも恐ろしい。しかし、いま考えは善良な「普通の市民」であったこ好評で、さまざまなメリットが強調 なければいけないのはそんなことでと、それを子どもたちに伝えることされている はなくて、そうはさせない責任を全が本書の最大の目的だ。翻って、日現在、多くの図書館で図書の貸し 己うすることだ。自分の中に散在した本では戦争中に東アジアで行ったこ出し履歴が残らないように配慮され : 0 ままのいろいろな思いを整理し、自とに向き合い、子どもたちに伝えてているが、そ、つなるまでの経緯がど 分の進む道を考えている いるだろ、つか ( 福 ) れほど図書館利用者に理解されてい るのか疑問が残る。 も久 ◆庭の被爆アオギリが黄色い花をつ ◆ 8 ・引まで開催の「ニッポンのマ けている。中高生への証一一一一口活動を続ンガ * アニメ * ゲーム展』 ( 国立新 けていた沼田鈴子さんから頂いた種美術館 ) が凄いです。今号の「高校 む が、今ではがっしりと根を下ろして生向けブックガイド」で扱っている で含 葉を広げ、大木になっている。アオ戦後日本漫画作品以降 ( この四半世 だ 2 を 2 い 6 料 2 さ いみく 一榻・ギリを仰ぎ見ながら、改めて「記憶」紀の ) 現代日本漫画の世界も一望で 3 送 6 だ を伝えることとはど、つい、つことか考きます。それにしても、 8 テーマ中、 さ込劼入 0 える。直接体験してなくても、描か漫画が主役のコーナーは唯一という く申電 9 冊入 一三ロ れたことばへの想像力をとおして、現状も、また、それが「現実とのリ ひとは自分の「記憶」とすることがンク」という括りで展一小されている できる。「ピカは、ひとがおとさに点も、考えさせられるものがありま やおちてこん」 ( 『ひろしまのピカ』した。 お本本ず x 0 より ) は、忘れられないことばの一 図版『ニッポンのマンガ * アニメ にのの必 8 号 軽もも LL 4 番数 つだが、自分はどこに立ち、何を伝 * ゲーム 1989 』 ( 国書気 えるのかという真実が描かれている刊行会 ) も充実した内容で、楽しめ からだろ、つか ( 寺 ) ます。 本 x 購振鯑 日 年 体験者が高齢化し、戦争の実態を◆購読紙の「子どもの本棚」欄に「読 0 0 ◆ ( 若 ) ( 輝 ) ( 純 ) 月刊書評誌 子どもの本棚 2015 年 8 月号 No. 562 編集・発行日本子どもの本研究会 (JASCL/ ジャスクル ) 〒 176-0012 東京都練馬区豊玉北 4-4-18-105 TEL 03 ( 3992 ) 0362 / 03 ( 3994 ) 3961 発売元子どもの本棚社 〒 176-0012 東京都練馬区豊玉北 4 -4-18-107 TEL ・連絡先 03 ( 3992 ) 0362 印刷所大村印刷株式会社 《編集委員》富山純子 ( 編集長 ) 大江輝行 小寺美和福田晴代若菜千佳子 吉田真知子 ( 選定委員 ) 《発行者》野口武悟 定価 : ( 本体 370 円 + 税 ) 年間購読料 : 4 , 8 開円 ( 12 冊分・送料を含む ) 購読申込先 : 日本子どもの本研究会 http://homepage3.n i fty.com/kodomonohonken/

10. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年10月号

2 今回思いがけず、 私は翻訳しながら ちク わ、ア訳 O た訳 4 も、こんなことは実 △ロヴ子 2 。の子田戦後と自分の仕事と 居ゼ ′とウみ 1 まけみ房 の関わりについて考 際に起こりえないと 子バゅ館 引ノゅ書 のン田学 僕Å田す える機会を与えてい 考えていた。しかし、 " ( ( 後ル高小 そ一み 一『。石ノ たたいた振り返っ この本に書かれたこ てみれば案外、一貫 とが日本で現実とな した仕事をしてきたのかもしれない。それは、世代と世代を ってしまったのは実 、ウ子 0 しわ」 2 つなぎ、ドイツと日本をつなぎ、語り伝える仕事の一端を担 に悔しい よ 9 み 、つとい、つことである そして二〇一二年 ン 先日、朝日新聞朝刊に連載中の鷲田清一選「折々のことば」 の『そこに僕らは居 ノ の、こんな一節に目が留まった。 合わせた』は、ナチ 「いっそ〈記憶〉は過去ではなく、未来に属していると考 ス政権下の一般ドイツ人、つまり加害者側の十代の目線から、 当時の市民の姿を語ったものだ。ここには、戦後数十年のあえたらどうだろう。そう考えなければ、シャッターを切る指 いだ重荷を抱えてきた作者が、どうしても書いておかなけれ先にいつも希望が込められてしまうことの理由がわからなく なる」 ばいけないという積年の思いかあった。 写真家の畠山直哉さんという方のことばである。それは、 ハウゼヴァングと私の母は、ほば同世代である。母もよく 戦時中のことを語る。ただし「あんたにはわからないだろう過去から学び、過去を知ったうえでこそ新しい未来が構築で きるとい、つパウゼヴァングのことばを想起させるとともに、 けど」という枕詞つきで。確かに、わからないかもしれない 体験していないんだもの。だからといって不可能なわけでは微力ながらも「語り伝える」仕事にかかわる私の心に強く響 ない想像力を働かせ、当時の状況やできごとを理解する努 力をし、人々に思いを寄せ、それを語り継いでいくことはで き ) るよ、つに田 5 、つ グードルン・パウゼグアング そこに僕らは居合わゼた 第り伝えも . ナス・ドイツ下の紀を 画第物ス第第