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検索対象: 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年12月号
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1. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年12月号

こどもたちである。この地域では、 19 4 8 年からすっと戦紀に限っても 2 0 0 6 年、 2 0 0 8 年 5 2 0 0 9 年、 争が続いている。幻世紀に限ってみても 4 回も戦争が起きて " 2012 年、 2014 年と 4 回も戦争が起きている。だから、 いる。 4 回目は去年の 7 月 8 日、イスラエルとガザとの戦争。【 6 歳以上の子どもは、 3 回以上の戦争を経験していることに 攻撃は 8 月日の無期限停戦の調印までつづき、多くの命が なる。まさに表題の通り、ガザに住んでいる子どもたちは、「戦 奪われた。市民 1600 人が死亡し、そのうちの 500 人は・争しか知らないこどもたちーということになるのだ。 こどもだった。 この本は、著者が、国連パレスチナ難民救済事業機関 ウンルワ 表紙の少女は、イマン、歳。 2 0 0 6 年、 2 0 0 8 年 5 ( DZ%< ) の職員として 2014 年の戦争中と停戦後のガ 9 年、 2012 年、そして今回と、 7 歳から数えて戦争は 4 【ザを訪問した記録である。 2014 年の戦争では、 1600 回目。家は大破し、残った部屋で家族 7 人と住んでいる。イ】人の市民が死亡し、そのうち 500 人は子どもだったそう マンは言う、「今回の戦争がいちばんひどかった。だけど、 だ。被害にあっているのは、一般市民そして子ども達なのだ。 いままでの戦争もよく覚えている」と。そして、「このまま 表紙に写っている壁の無い部屋に立っ少女はイマン、燔歳。 ならガザを出てほかのところで勉強したいー と一一一口、つ。 ここが彼女の家。今回の戦争で家が大破し、残った部屋で家 歳のモハメドは、心に大きな傷を負ったこどものための " 族 7 人が住んでいる。イマンは、 7 歳から戦争を体験し、今 グル 1 プカウンセリングを受けている。家は爆撃で崩壊。「逃・回で 4 回目の戦争だそうだ。 げる途中、いくつもの死体を見た」と言った。 ナダは、肥歳。今回の戦争は、 3 回目。初めての戦争を経 ガザに暮らす 6 歳以上のこどもはみな、 3 回以上の戦争を・験した時は、 6 歳だったナダ。学校から帰る途中に爆撃が始 体験している。人間にとって最も守られるべき大切なこども まった。姉と二人どうにか家に帰りついたが、両親が帰って 時代に、爆撃におびえ、戦禍に巻き込まれ、生死をさまよう くるまで、姉と二人で爆撃におびえて過ごしていたそうだ。 とは。壊れた家や瓦礫の中で、こどもはどんな未来を夢見れ ~ 二人とも、平和な日本では、想像もっかない経験をしている。 ばいいのだろう。写真のこどもたちは、笑顔を見せている。 二人だけではなく、ガザに住んでいる子どもたちが、すべて しかし心の奥は、計り知れない深い傷をおっているだろう。 このような経験をしているのである ウンルワ 戦争中も毎日出勤し、医療に携わっていた人々は、絶望的 1 セントがパレスチナ難民だそ Z < の職員は、的パ

2. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年12月号

特集子どもの多様な育ちにこたえる 行ったり、録音図書を製作するなどの個別対応をできる範囲注 から新たに取り組んでいきたい。 丿ー化を進めたり、さわる 同時に、施設・設備のバリアフ 1 絵本や布の絵本、拡大文字の本、ブック、マルチメディ アディジーなどを意識的に収集するなどの「基礎的環境整備」 一三卩 も進めたい。障害のある子どもなど、学校図書館の利用や売 書への困難が大きくなりがちな子どものニ 1 ズに適うように 環境整備を進めることは、学校図書館環境全体の底上げにも 資するものであり、ひいては誰もが利用しやすいユニバ 1 サ ルな学校図書館の実現につながるものである 以上のことは、学校図書館に限らず、公共図書館の児童サ ービスや各地の文庫活動などにおいても有効な視点である。 「合理的配慮ーという視点から、いま一度、各々の現状を見 つめ直してみたい。 野口気蜘第ー第 0 : 多様性と 出会う 学校図書館 一人ひとワの 0 立を支える 合的記慮への アプ 0 ーチ 「多様性と出会う学校図書館 一人ひとりの自立を支える 合理的配慮へのアプローチ』 野口武悟・成松一郎編著 読書工房 / 201 5 年 7 月 野口武悟・成松一郎編著『多様性と出会う学校図書館二人ひと りの自立を支える合理的配慮へのアプローチ』読書工房、 2015 年、 3 頁。 2 読み書き困難。学習障害の子どもの中心的な症状の 1 つである。 3 著作権法第条第 3 項の規定により、すべての学校図書館では、 特別支援教育を受けている子どもに対して、著作権者の許諾なく、 原本を音声化するなど「必要な方式」により複製または自動公衆 送信することができる。全国学校図書館協議会など図書館関係 5 団体によってガイドライン (http:.、、、、 www.jla.or.jp.、 portals 、、 0 、、 htmL 、 20100218. htm 一 ) も策定されているので、参照されたい。 4 —-Äブックの»-a とはスウェ 1 デン語の Lättläst ( やさしく読みや すい ) の略である。日本語を母語としない人や知的障害のある人 などのために、ピクトグラム ( 絵記号 ) などを交えながらやさし く分かりやすい日本語で書かれた本である。 5 ディジ 1 は、デジタル録音図書の国際標準規格である。音声だけ でなく、文字や画像も同時に再生できるようにしたものがマルチ メディアディジ 1 であり、電子書籍の一種といえる。ディスレク シアのある人、知的障害のある人などの読書に有効であることが 国際的に知られている

3. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年12月号

のロ評 岡第ひてたか外第第三第 地を初めて めぐった日本人 幕府の中枢で 民主主義を唱えた男 戸村雅子 読み終わった時「あの時代に、よくやったね。万次郎さん」 と心の中で賛辞を送った。 「あの時代 . とは、万次郎の生まれた一八二七年から、亡 くなった一八九八 ( 明治三十一 ) 年を指す。歴史的には、江 戸時代、封建社会が崩壊し、一八六八年の明治維新を経て新 しい近代国家へと変わった時代である。この本に添っていえ ば、主人公の万次郎を苦しめた身分制度がなくなり、切望し た開国が始まった時代だ。 「よくやったね」とは、江戸から明治へという歴史の大転 換の中で、貧しい漁師出身でありながら歴史を動かす一人と して力を出しきり、精いつばい生きたこと、しかも苗字帯刀 人 を許されながら、あくまでも庶民の立場で生き通した万次郎 本 日 に対する心からのパチパチであった。 た っ 万次郎は土佐の国に生まれる。父を早く亡くし、母は一人 ぐ め で五人の子どもを育てていた て 万次郎は一四歳の時、船で大人たちと漁に出る。 め 初 ある日、大しけに遇い遭難し、アメリカの捕鯨船の船長ホ 球作 ィットフィ 1 ルドに助けられアメリカへ渡る。その間の冒険 の一地か 0 社月 9 円 第 ? 6 た紜版 110 物語は、一読の価値あり。アメリカは驚きの国、夢のような 、良で朗出年 5 次ひ三本 5 E 1 国だった。対等平等な人間関係、快適な生活、機械文明の発 万崎崎日 68 体 岡篠新 2 2 本達、文化のレベルの高さ、利発で好奇心の強い万次郎は英語

4. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年12月号

冨山さん、寂しいです。本箱に貴方のお便りを見つけました。 冨山さん、余りに急いで去っていかれましたね 夫さんの仕事で福岡に住まわれ、一人息子さんと「子どもの丸木美術館での出会いが強烈によみがえりました。筆まめな便 りにはいつも大きな力を与えられました。事象を言葉に変えて 本の世界」を歩いていた日々、私たちとめぐりあいましたよね。 伝える手立ては多くの人の中に共に生きる力強さを拡げまし 読書啓蒙さかんな時期、ともに支部活動をやっていたこと想い た。又抜群の記憶力には今も驚きを禁じ得ません。たくさんの 出しています。当時、炭鉱の町、田川地区に会員不在のため、 ( 会員市川幸子 ) 感動をありがとうございました。 新開地を目指し、講演会を企画。「図書館 , を訪問し協力要請 をした共有の想い出を : ・いま、独り頁をめくっています。あの 時は那須正幹さんを講師に迎えましたね。お互いあの時はまだ エネルギーをいつばい胸に秘めて、日本子どもの本研究会・福 岡支部会員の一人と自負して口角泡を飛ばして語り合ったこと ・ : 。編集長のあなたにあらためて敬意を表します。そして代田 さんや増村さんとゆっくり語らいを凵 牛山恵 ( 浦年来の友人都留文科大学 ) 純子さんとは学生時代女子寮で同室でした。私達は寝ないで 映画や本について話し合うことも多く、驚異的な記憶力で詳細 インターネットもメールも携帯電話・ファクスさえもなく、 に語る彼女の話に惹かれました。以来、私にも友人にも、その 人に合った本を紹介し続けて来られました。『荷抜け』を紹介固定電話のみで 9 年間編集長を務めた。それらをカバーして余 りある驚くべき記憶力、そして何より本が好きで、たくさんの され、寮時代の仲間と塩の道を歩いたこともあります。たくさ 本を読み、その蓄積から自らの判断で評価を下した。話し出し んの本をありがとう ( 会員横内弥生 ) たら止まらなかった。こんなに突然の別れになるとは思っても みなかった。たくさんの思い出をありがとう。でももっと話が したかった。 ( 元福岡支部千竃八重子 ) 『辻征夫詩集』、それが純子さんから届いた最後の本になりま した。初めの頃、谷内こうたの絵本が届きました。 以来どのくらいの本をいただいたでしようかもうわからな いくらい私の血や肉になっています。 ありがとう。たくさんの本、たくさんの手紙。高校生の一学 期だけ一緒だった同級生なのに、生涯の友になりました。 ( 編集長代行福田晴代 )

5. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年12月号

三十数年前、日本子どもの本研究会の文化講座は、「全ての子どもに読書の喜びを」というテーマ 「本 " ~ いハで開催された。講座が終わった後、私はガックリしてボヤいていた。「私の学校の生徒たちは、全て ~ 一のー「一の子どもの範疇に入れてもらえないんだわ」と。このころの私は、親に遺棄されたり、虐待されたり して家庭に居られず、施設で暮らさざるを得ない知的障害児たちの養護学校の教師をしていたのであ る。ボヤきながらも私は凝りもせず、彼らのことを一人でも多くの人に理解してもらいたくて、声を あげていた。 翌年の文化講座から「障害に関する分科会」が設けられた。更に、本会とは別に社会一般の人々と 共に学び合う「障害と本の研究会」を創設することもできた。この一一つの学ひの会は、呼称や所属を 、て】 ' 子 , 変えながらも、現在も継続している。毎年発行の『障害に関することを描いた子どもの本のリスト』 」、し〉 ~ 〈では、百十一一年間 ( 一九〇 = 了一一〇一五年 ) に書かれた千冊近くを紹介してきた。このリストを改め て振り返ると、過去の歴史書には見られなかった弱者の生活を視点とした歴史が見えてくる。戦争は 勿論、病気や医療や福祉に関する法律等が、庶民の生活を左右してきた歴史が見えるのである。 では障害を「機能の障害・能力の障害・社会的不利の障害」と定義しているが、これは、今 を生きる私たち自身の障害者理解こそが大切な課題なのだ。近年はユ一一バーサルデサインの絵本や障 ~ 様第【一 ( 害のことを子ども向けに書く人はプロ作家だけでなく、医師や教師や心理士や保護者などが多くなっ てきた。一一十一世紀に入ると、障害者自身の著作も急激に増えてきている。 障害のことを、次の世代を生きる子どもたちにどう伝えていくかということは、日本のノーマライ ゼーション社会の礎に関わる問題である。

6. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年12月号

子ども一人ひとりのニーズに寄り添う学校図書館必要とされるものであり、かっ、均衡を失した又は過度の負 担を課さないものをいう」 ( 第 2 条 ) と定義している。学校 「合理的配慮」という視点からのアプローチー という場面を例にして分かりやすくいうならば、一人ひとり 専修大学文学部教授野口武悟 のニーズをもとに状況に応じた変更や調整を校内体制や費用 などの負担がかかりすぎない範囲 ( Ⅱ合理的な範囲 ) におい て行、つことといえる 義務化される「合理的配慮」 2016 年 4 月に「障害を理由とする差別の解消の推進に 「合理的配慮」を的確に提供できるようにするためには、「基 関する法律ー ( 障害者差別解消法。以下、法律 ) が施行される。礎的環境整備」が欠かせない。法律では、「自ら設置する施 この法律は、 2006 年に国連総会で採択された「障害者の 設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その 権利に関する条約」 ( 以下、条約 ) の批准に向けた国内法整他の必要な環境の整備に努めなければならない」 ( 第 5 条 ) 備の一環として、 2013 年 6 月に制定されたものである ( 条としている。「合理的配慮」と「基礎的環境整備」はセット 約は 2014 年 1 月に批准済み ) 。 であり、学校図書館にあっては「基礎的環境整備」は間接サ この法律では、行政機関等に、障害者に対する差別的取扱 ービス、「合理的配慮ーは直接サービスと捉えると分かりや すいだろう いを禁じるとともに、「合理的配慮ーの提供を義務づけてい える ( 第 7 条 ) 。ここでいう行政機関等のなかには、役所の窓 こ びロだけでなく、公立学校や図書館なども含まれる。私立学校 2 ・多様化する子どものニーズと学校図書館 引や図書館にあっては、「合理的配慮」の提供は努力義務とさ 2014 年 5 月の時点で、義務教育 ( 小学校・中学校 ) 段 なれる ( 第 8 条 ) 。 階にある子どもは 1019 万人である。このうち、特別支援 多 では、「合理的配慮ーとは何であろうか。先に述べた条約教育を受けている障害のある子どもは引万人 ( 3 ・ 芻 % ) と の も では、「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及なっている。引万人のうち・ 1 万人は特別支援学校ではな ど 子 び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するためのく月、 、学校・中学校 ( 特別支援学級や通級指導 ) に学んでおり、 特必要かっ適当な変更及び調整であって、特定の場合において いまや小学校・中学校が特別支援教育の主要な場となってい

7. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年12月号

ったりできます。また、同じことを根気よく続けて、最終的回りました。そして、進路を決めたのは娘の一言でした。「こ に一つの作品が出来上がる : ・という作業が好きです。これはの学校しか行きたくない。 来年の春から、娘は午前は服飾の基礎や製図を学び、午後 ュニット折り紙 ( 何枚もの紙を同じ形に折って、それらを組 はパソコンを使って動画の授業を受けることのできる学校に み合わせ、一つの作品 進学します。 を作りあげる折り紙作 先のことはわかりません。でも少なくても今、この時点で 品 ) や、パズル、刺繍ーー は、娘にとってベストな選択をすることができたと思ってい などが当てはまりま ます。娘が得意なことをもっと得意だと思えるよう、そして す。手芸や工作をする 高校生活を楽しく過ごせるように、今後もサポートしていき ために知りたいことが たいと思います。 あれば自分で本を探し ます。本には文字だけ でなくたくさんの情報 が詰まっているからで す。 る 学校でも家でも練習するう え こちに、クロスステッチやスウ「当 引ーデン刺繍は母親の私から一 育 なみても素晴らしいほど上達し一一キ受一一 多ています。そんな娘が中学校第一 も ど を卒業したあと、一番楽しく一一 ( 子 ワ 3 過ごせる場所はどこか 特人で、たくさんの場所を見て ま忙 E 「調布ディジー」 調布ディジーは「読み書き」に困難のある人のために、 Q< ー図書の製作と普及を目的として、調布市内を中 心に活動している団体。また、ディスレクシアの周知のた めの講演なども行っている。 詳しくは、調市ディジーホームページ〕 http://www.chofu-daisy.0 「 g/ お問い合わせは chofudaisy@gmail.com まで。

8. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年12月号

冨山さんが逝って 2 か月近く : の言葉をキラリと光らせるんだと思が妙になっかしい。歯に衣着せぬ物 彼女がいまも愛してやまない風だつうにつけ、私も少しあやかりたいと。言いで誤解を招くこともあったと思 た「きいちのぬりえ」。きいちの描今月号の特集は、子どもの多様なうが、うわべのお世辞は言えない人 く少女の面差しは冨山さんにちょっ育ちにこたえる読書のあり方を問、つだった。追悼を読んで、誠実で愛情 と似ていたかもなあ、と思う今日こもの。書評 ( ー こよ心待ちにしていた『万深い人柄に惹かれる人が少なくなか の頃だ。楽しそうな笑顔も少し沈ん次郎地球を初めてめぐった日本ったことをあらためて感じた。心の だような表情も、声とともに鮮明に人』が並ぶ。読書を愛した冨山さんこもった文章を寄せて下さったみな 思い出される が、赤ペンを持ちながら、どんなふさまに感謝します。 並外れた読書量や記憶力とともうに読んだのか聞いてみたい。 ( 寺 ) に、人間味あふれる強烈な個性の持 己ち主として、冨山さんは私の交友関◆僕は本年一月号から編集に加わ き -0 係のなかで異彩を放っていた。早すり、その席で初めて冨山さんの謦咳 ぎる人生の幕引きだったけれど、現に接しました。それが : も久役のまま、多岐にわたる仕事や趣味会議室の扉を叩くとそこには必ず にかける情熱を携えて旅立ったとい冨山さんがいらして歓待して下さい うことだろう。テンボの速いしゃべました。他のメンバーが来られるま む り口さながらの、「冨山純子流人生での僅かな時、そして会議中、僕は 、で含 集 のしまいかた」だったのかもしれな冨山さんの語られるスピ 1 ド感溢れ はだ 2 を 2 い 6 料 2 さ いみ平く い。編集作業のなかで彼女の不在をる言葉の一言一句に、深く魅了され さ込劼入送 6 だ 言物感じては、しゅんと淋しい気持ちにました。何しろ、冨山さんは「感嘆だし = = 。己 - 分 7 く なっている。 く申電冊入 ( 若 ) 措く能わすの全身書評家」でした。 一三ロ 冨山さん、僕は今、つのる哀惜の 「筆まめね」と言ったら、「あら、中、少しでもあなたに応える言動を い」幵絡円 0 数 問棚石連 0 もうそれ死語よ」と言われて笑いあと、希求してます。合掌。 お本本す x 0 ったことが懐かしい。冨山さんから の葉書は電話より早く届くとよく思◆急遽、編集長代行となってあらた ったものだ。出先で手にし、渡しそめて冨山さんの存在が柱だったと認 ど舫ロ望 びれた葉書が積もる。なんとも遅す識した。編集委員会では気のおけな ぎるが、冨山さんに伝えたい。あのい仲間の一人として、憎まれ口をき 年 抜群の記憶力と読み込んだ本の数々いたりきかれたりしたことも一度や が、映画や演劇の鑑賞が、冨山さん二度ではない。いまとなってはそれ ◆ ◆ ( 輝 ) ( 福 ) 月刊書評誌 子どもの本棚 2015 年 12 月号 No. 566 編集・発行日本子どもの本研究会 (JASCL/ ジャスクル ) 〒 176-0012 東京都練馬区豊玉北 4 ー 4-18-105 TEL 03 ( 3992 ) 0362 / 03 ( 3994 ) 3961 発売元子どもの本棚社 〒 176-0012 東京都練馬区豊玉北 4-4-18-107 TEL ・連絡先 03 ( 3992 ) 0362 印刷所大村印刷株式会社 《編集委員》福田晴代 ( 編集長代行 ) 大江輝行 小寺美和若菜千佳子 吉田真知子 ( 選定委員 ) 《発行者》野口武悟 定価 : ( 本体 370 円 + 税 ) 年間購読料 : 4 , 800 円 ( 12 冊分・送料を含む ) 購読申込先 : 日本子どもの本研究会 http://homepage3.nifty.com/kodomonohonken/

9. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年12月号

2015 年掲載書籍索引 No. 7 名 にの地球を生きる子どもたち ) わたしの心のなか わたしちゃん わたしたちの島で ( たくさんのふしき傑作集 ) わたしが外人だったころ 【わ】 ロンと海からきた漁師 ロバのジョジョとおひめさま 六千人の命を救え ! 外交官・杉原千畝※ ー秘密の往復書簡ー※ リンドグレーンと少女サラ リフカの旅 ラオス山の村に図書館ができた※ ライオンのひみつ 【ら】 よみがえる二百年前のピアノ よくばりなカササギ ゆらゆらチンアナゴほるぶ水族館えほん※ ユキとヨンホー白磁にみせられて一 ゆきがくれたおくりもの 【や】 もどれっ ! ルイ モーモー村のおくりもの 被災犬「じゃがいも」の挑戦※ めざせ ! 災害救助犬 昔の道具うつりかわり事典※ ほくと路上の 4 億人の子どもたち※ みんなのチャンス ミルクが、にゆういんしたって ? ! 水俣を忘れない ( 写真で読む ) ※ 著・訳・編者・画家名 桑原史成写真・文 野村一秋作ももろ絵 石井光太著 三浦基弘監修 山口常夫文 堀米薫作岡本順絵 矢部美智代作陣崎草子絵 リチャード・カーティス文 レベッカ・コップ絵ふしみみさを訳 l. C. スプリングマン文 江口絵里ぶん横塚眞己人しやしん 中川なをみ作舟橋全二絵 プライアン・リーズ絵どいあきふみ訳 佐和みずえ著 マーガレット・ワイルド文 リトパ・ボウテイラ絵木坂涼訳 安井清子著 カレン・ヘス作伊藤比呂美 / 西更訳 アストリッド・リンドグレーン / サラ・シ岩波書店 ュワルト著石井登志子訳 白石仁章著 マイケル・モーノ←ゴ文 出版社 草土文化 くもん出版 少年写真新聞社 小峰書店 岩崎書店 文研出版 国土社 ボブラ社 徳間書店 ほるぶ出版 新日本出版社 徳間書店 PHP 研究所 理論社 福音館書店 国土社 くもん出版 ヘレン・スティーウンズ絵おびかゆうこ訳 ー 41 ー 横山和江訳 シャロン・ M ・ドレイノ←作 石井睦美作平澤朋子絵 尾崎義訳 アストリッド・リンドグレーン作 鶴見俊輔文佐々木マキ絵 チェンジャンホン作・絵平岡敦訳 徳間書店 福音館書店 1 レわたし 岩波書店 小峰書店 鈴木出版 掲載号 2 / 新刊 1 0 / 新刊 5 / 書評 8 / 新刊 9 / 新刊 7 / 新刊 3 / 新刊 5 / 新刊 3 / 新刊 7 / 新刊 3 / 新刊 4 / 新刊 3 / 新刊 1 / 新刊 1 レ複眼 7 / 新刊 4 / 新刊 1 0 / 新刊 1 1 / 書評 9 / 新刊 ] レ新刊 レ新刊 4 / 書評

10. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年12月号

の物語。十五歳のハーヴェイの若者らし 9 月は冊について検討し、肥冊を新岩手在住の作者が東日本大震災をモチー い口調で語られる。いずれも上級向けだ。 フに遠野の民話の世界を織り交ぜた物 刊紹介とした。選定冊数は少なかったが、 〈ノンフィクション〉『被爆者続』は『被 フィクション、ノンフィクションともに、 語。ファンタジーであるとともに、被災 爆者ー年目のことば』の続編。前回か した人たちの実際が描かれ興味深い 社会的な視野を広げる作品が目立った。 ら一〇年を経た方々に加え、被爆体験を 外国文学五作。『ルイージといじわる 〈絵本〉『タケノコごはん』は、映画監 絵として残すプロジェクトに参加した高 督であった大島渚が、わが子の宿題「親なへいたいさん』は権威を振りかざすい 校生、新たに生まれた福島の放射線被害 じわるな兵隊をやつつける痛快な初級向 の子ども時代の話」として書いた作品。 け物語。『大きなたまご』は一九六八年を取り上げ「被爆 , の課題を今につなげ 戦争が激化していく頃の小学生「ばく ている。『ぬちどうたから』は一九九一 に邦訳出版され、今回岩波書店から再刊 は、強くてほがらかだったさかいくんが 年出版の作品を挿絵も新しく改定復刊し 変わっていく様子をそばで見ながら戦争された。卵から恐竜が生まれる話だが、 たものだ。沖縄戦で起きた悲劇を描きな に疑問を持ち始める。伊藤秀男の絵が子周囲の動きにリアリティがあり物語に引 がら、今なお沖縄の苦しみは続いている どもの表情を豊かに描いている。『おねき込まれる。恐竜を守るため議会を動か ことを作者は伝えている。二作とも、今、 えちゃんにあった夜』「ばく」が生まれす少年ネイトに拍手を送りたい。『走れ、 る前に死んでしまったお姉ちゃんが現れ風のように』はグレイハウンド大が三人手にとってほしい作品だ。 〈科学〉『もぐもぐどうぶつえん』動 一晩自転車で一緒に出掛けることで、知の飼い主に出会い、信頼し困難を乗り越 える物語。管理的な学校、大への虐待、物園の動物たちの食事の内容と様子を写 らなかったお姉ちゃんとの絆が生まれ る。実際に作者の村を取材したという美老人施設廃止に反対する運動など社会的真で紹介。パンダが固い竹をどう食べる テーマが織り込まれている。『夢見る犬か、ペンギンがたくさんいてもそれぞれ しい絵とともに「死」について子どもに たち』は動物愛護センターに長期保護さ魚をもらえる工夫等わかりやすく説明し = 一口りかける乍ロ叩である ている 〈文学 ) 日本文学二作。『グッドジョブれる、悲しい過去を持つ大たちのことが その他『ともに学ぶ人間の歴史』は、 主人公の大ラルフの視点で語られ、動物 ガールズ』六年生の女子三人は「親友」 「子どもの問いを生みだす」注目の検定 の命の大切さが真っすぐに伝わってく ではなく、本音を隠して距離を置く「悪 る。『おいぼれミック』は、人種差別の教科書として話題にのばった。 友」と呼び合う。実はそれぞれに深い悩 ( 石井啓子 ) みを持ち、周囲の大人の親友関係に触れ発言をする意地悪なミックと、彼を隣人 として受け入れるインド系移民シン一家 考えを変化させる。『岬のマヨイガ』は、