のロ評 いただいた命に感謝して・・ 末宗嘉子 本書は、いろいろな国の食の原点が写真で紹介されていま す。特別なものではなく、日常の生活を切り取ったものです。 社会背景や、文化の違いをまざまざと写し出しています。 「命をいただいて私たちは生きている」ということを書い た絵本や本は、これまでもたくさん出版されていますが、こ の写真集ほどはっきり伝えているものは、今まで出会ったこ とはありません。写真というものは、私たちか見たい、見た くないに関わらず、事実を伝えるのだとあらためて思います。 もちろん、それはその土地の食文化であり、歴史を伝えるも のです。世界中で違いはありますが、上下はありません。 文明が進化し、便利なものが増えてきている昨今、私たち の生活、特に食の原点が見えにくくなっています。電話一本 で美味しい食材が家庭に届き、メール一つですでに料理され たものがテープルに並ぶ時代です。だからこそ、本書との出 の も 会いを大切にして、私たちは今一度、食の原点を見直してみ き る必要があります。 生 では、ここでいう食の原点とは何でしよう。写真に写し出 の写 る されているのは、スー ーマーケットやコンビニエンススト 、文 10 円 し店 14 0 0 アなどがない国や、地域です。モンゴルの広い草原に住む人 て士書年 / 3 べ卓館 4 E たちは、羊やャギ、牛や馬を飼って、肉や羊のウールを売っ 食枝音体 森福 22 本て生計を立てています。これらの動物は、人間の心を癒して
ちしきのポケット しもばしら※ 細島雅代写真 伊地知英信文 岩崎書店 2014 年粍月 本体 r-L-ooo 円 月一素ー・ Q 一づ 描かれたタンポポの絵の美しさは秀逸である。柔らかな色 寒い冬の朝、学校へ向かう道の途中の畑に入り込んでは、 彩と葉脈まで描かれた細やかさ。綿毛の一本一本まで、精密 ざくざくという音と踏んだときの感触が楽しくて、あちらこ に表現されている。どのペ 1 ジを見ても、その精密さは失わ ちらを寄り道しながら登校したことを思い出します。身近だ ったしもばしらですが、アスファルト道路が増えた今、限られす、どんな植物なのかということがよく分かる。そして、一 こんなにも美しい花だったのかと改めて気づくのである れたところでしか見かけなくなってしまった気がします。 前作の『ひまわり』同様、植物を描いた絵本として、おも この本の写真を見ていると、こんなに近くで、じっくりと しもばしらを見たことがなか 0 たことに気づかされます。ししろい本である。例えば、花が開く様子も、時間を追って描 かれている。絵の側に文があり、絵をたどりながら、成長の もばしらって、何なのでしようか ? また、しもばしらはなぜ、 地面の上に長くのびるのでしようか ? どうや 0 てできるので過程をくわしく知ることができる。タンポポの一生を知るこ とで、生命の営みを感じることができた。 しよ、つか ? しもばしらか、よく見られるところは、どんなと また、小さな花の集合体であるタンポポの花や綿毛全てを、 ころでしようか ? 細い氷の柱が地面の土をまっすぐにもち上 一つ一つ描いて緻密に表している。肉眼でははっきり見るこ げるようのびるのもあれば、地面から右に左へと自由に曲が とができない細かい部分も分かり、驚いてしまう。花や葉の りながらのびるしもばしら、ごっごっとしたしもばしらなど、 いろいろなすがたをしたものがあることもわかります。本を断面図も描かれているが、より科学的でありながらも、面白 い着眼点だなと感心してしまった。 見た後はみなさんも、きっとしもばしらのひみつを、確かめ 道ばたのタンポポに、そんな世界があったのかという新た に出かけたくなると思います。 ( 後藤三加子 ) な発見と驚きのある絵本になっている 32P / 23X27Cm 32P / 25X22Cm たんぽぽ※ 荒井真紀文・絵 金の星社 2015 年 3 月 本体 1200 円 小学初級から ( 柴田陵子 )
NO. 2 ・たびにでたファルガさん ・ダヤンとうさきの赤ちゃん ・ちいさな刈ーゴーランド ・ちびのミイのおひっこし ? ( ミイのおはなしえほん 2 ) ・月夜とめが稻 ・とりはだはどうやったらっくれる ? ( 1 ねんおもしろたんていだん 2 ) ☆どんなきもち ? 級・名古屋うみやあもんのうた ・にちょうびの森 か ☆べツツィ・メイとにんぎよう ら ・豆わたし ・みんなからみえないプライアン ・もういいよったらもういいよ にどものくに傑作絵本 ) ・やさいべたべたかくれんほ ・ルーイの旅立ち大空へ ・ワこくんとバーティにいったんだ ・ウミガメいのちをつなぐ岬 ・おこりんまオバケ 5 つのお話 ( そくそく☆びつくり箱 4 ) ・おばけ、さがさないでください ーおたすけ屋助太のぼうけん一 ☆かき氷ー天然氷をつくる一 ( ちしきのぼけっと ) ※細島雅代写真伊地知英信文 ・くろねこのロク空をとぶ 中☆ぜんぶわかる ! アサガオ 2000 26X22 1300 22X16 1300 22X16 著・訳・編者・画家名 チトラ・サウンダー文 カこカ・ナイル絵長谷川義史訳 池田あきこ著 マーシャ・方ウン作こみやゆう訳 トウべ・ヤンソン原作リーナ & サミ カーラ文・絵もりしたけいこ訳 小川未明作高橋和枝絵 川北亮司作羽尻利門絵 ミース・ファン・ハウトさく ほんまちひろやく 長谷川義史著 はたこうしろう著 ィーニッド・方イトン作 ジョン・ G ・トーマス絵小宮由訳 常夫原案岡田潤構成・絵 おおたにみねこ文 トルーディ・ラドウィッグ作 光村教育出版 1200 21 X24 1000 1400 あすなろ書房 1500 21 X24 新日本出版社 1200 22X16 出版 佼成出版社 ハッピー オウル社 岩波書店 岩崎書店 くもん出版 ほるぶ出版 瑞雲社 徳諮店 西村書店 本体鏘形体 cm 頁数発行 1 300 25X22 1300 25X19 1200 20X14 1 300 27X27 14C0 27X22 19X14 26X21 1500 25X25 1300 21 X27 バトリス・バートン絵さくまゆみこ訳 トビイ・モリソン作佐々木賀世子訳 松田奈那子作 香山美子作あんびるやすこ絵 金の星社 アリス館 ジュディス・カー作・絵こだまともこ訳徳間書店 級 か ら 櫻井季己著 日本児童文学者協会編 あんすゆき作三木謙次絵 インガ・ムーア作・絵なかがわちひろ訳 渡邉弘晴著 藤原幸一著 横塚眞己人写真・文 田中成和作原ゆたか絵 クこトシロウ作・画 べツツィ・バイアーズ作 もりうちすみこ訳降矢なな絵 魔女のテストでカバだらけはプラボケット文庫 ) ・ 2inl 名門フライドチキン小学校 ・太陽の花 ( ふしきびつくり顎えほん ) ※ ・空飛ぶのらネコ探険隊ーアフリカゾウ大ピンチー大原興三郎作こぐれけんじろう絵 ・ぞうのなみだひとのなみだ ( しぜんのひみつ写真館 4 ) ※ ー歴史マンガ「稲むらの火」一※ ・津波からふるさとを守った浜口梧陵 少年顎新聞社 1400 文溪堂 岩崎書店 徳間書店 ボブラ社 アリス館 文渓堂 ポプラ社 文渓堂 学研 佼成出版社 1 5 1 4 900 フレーベル館 1200 21X16 1 700 フレーベル館 1400 23X28 620 1200 21X28 1100 20X20 27X22 29X23 19X27 1 9 x 1 3 1600 29X22 22X16 1400 30X22 1300 22X16 1 8 x 1 2 1300 22X16 ☆トルネード ! ーたつまきとともに来た犬ー ☆なかよしヤギー家の ECO プロジェクト ( はじめてのノンフィクションシリーズ ) ※ 《注》書名の後の※はノンフィクション、科学、知識の本 深山さくら著 32 32 126 32 32 27 40 32 24 40 62 48 96 84 143 214 34 159 36 68 63 36 Ⅱ 2 142 45 32 33 24 24 5 5 5 4 6 6 5 6 5 5 5 6 5 5 2 5 3 6 5 5 5 5 3 1 1 6 5 2 5 5 [ 改 ] は改訂、 [ 再 ] は再刊、 [ 復 ] は復刊、 [ 新 ] は新装を示す。 ー 12 ー
・日本子どもの本研究会選定図書 ( 2015 年 7 月 ) 選定委員会 NO. 3 出版社 著・訳・編者・画家名 本体価格形体 cm 頁数発行月 ・ピッピ、お買い物にいく アストリッド・リンドグレーン作イング 徳間書店 1500 29X22 24 6 リッド・こイマン絵いしいとしこ訳 ☆ぼくは、チューズデー ルイス・カルロス・モンタルバン文 ほるぶ出版 1400 23X23 40 5 ー介助犬チュースデーの一日一※ プレット・ウィッター共著 ダン・ディオン写真おびかゆうこ訳 ・北極・いのちの物語※ 寺沢孝毅写真文 偕成社 1500 26X21 40 6 ・ボルネオでオランウータンに会う たかはしあきら文おおともやすおえ 福音館書店 1 6 31X23 40 5 ーケンタのジャングル体験ー ・まほうのくつ ( ジュこアポエムシリーズ ) 土屋律子著高瀬のぶえ絵 ☆魔法のレシビでスイーツ・フェアリー 堀直子作木村けい子画 ・まぼろし写真館 ( キッズ文学館 ) 福明子作小泉るみこ絵 ・みんなの防災事典ー災害へのそなえから避難生活山村武彦監修 まで ( 楽しい調べ学習シリーズ ) ※ ・妖怪博士の特別授業 ( 怪談オウマガドキ学園 1 3 ) 怪談オウマガドキ学園編集委員会責任編集・ 常光徹村田桃花かとうくみこ山崎克己絵 ・リトル・ババ バット・ムーン作もりうちすみこ訳 タカタカヲリ絵 ・ロンと海からきた漁師 チェン・ジャンホン作・絵平岡敦訳 ・わらうオバケ 5 つのお話 ( ぞくぞく☆びつくり箱 5 ) 日本児童文学者協会編 ・色のまなび事典 1 色のひみつ※ 茂木ー司 / 手塚千尋編 夏目奈央子イラスト ・色のまなび事典 2 色でふしき※ 茂木ー司 / 手塚千尋編 夏目奈央子イラスト ・色のまなび事典 3 色であそぶ※ 茂木ー司 / 手塚千尋編 夏目奈央子イラスト ☆ウソつきとスパイ (sunnyside books) レベッカ・ステッド作齷正人訳 ☆ガト戦争しか知らないこどもたち一※ 清田明宏著 ・からだのふしきたんけんえほん※ 阿部和厚監修 ・希望のダンスーエイズで親をなくしたウガンダの渋谷敦志顎文 子どもたち子どもたちのまなざし与真絵本一 英文併記※ ・空母せたたま小学校、発進 ! ( ホップステップキッズ ) 芝田勝茂作倉馬奈未 x ハイロン絵 ゕ ・子どもに伝えたい和の技術 2 和紙※ 和の技術を知る会 ・子どもに伝えたい和の技術 3 花火※ 和の技術を知る会著 ・小学生からの知っておきたい「お金」のすべて 1 荻原博子監修 お金ってなんだろう ? ー電子マネー・ポイント ら カード・バーチャルマネー※ ・小学生からの知っておきたい「お釗のすべて 2 荻原博子監修 ものの値段の決まりかた一 100 円ショップはなせ 安い ? ー※ ・小学生からの知っておきたい「お金」のすべて 3 荻原博子監修 景気と税のしくみーなせ消費税はアップする ? ー ・小学生からの知っておきたい「お金」のすべて 4 荻原博子監修 テーターでわかる日本のお金一私たちの年金どう なるの ? ー※ 《注》☆太字の本は 10 月号以降に「新刊紹介」「今月の書評」「複眼書評」などに掲載する予定です。 中 級 銀の鈴社 1600 22X16 88 6 あかね書房 1 100 21 x 1 6 157 5 学研教育出版 1 300 23X 1 9 47 5 PH P 研究所 3000 29X22 63 6 童心社 680 1 8 x 1 2 1 60 6 か ら 文研出版 1 28 1200 22X16 5 第書店 2000 29X3C 34 6 文溪堂 900 1 9 x 1 3 142 星の環会 2800 29X22 63 4 星の環会 2800 29X22 63 6 星の環会 2800 29X22 63 6 小懿店 1500 20X14 278 5 ボブラ社 1500 27 x 22 55 5 PHP 研究所 1600 29X22 47 6 学研教育出版 1500 27X22 63 6 上 級 LO っしつ ) CY) C&J ( / 」 CO CXJ Q 」 C ′」 X X 冖入 ) 八 C) (Z) O CZ) ( / 」 (Y) っしっし CD (Z) C し ( 凵 ) 、つ宀乂人 - 立人 文渓堂 2900 30X22 48 3 文渓堂 2900 30X22 48 3 48 文渓堂 2900 30X22 3
資料案内 『親地連がすすめる読みきかせ絵本 250 : 高学年向・ 2004 ~ 2014 』 親子読書地域文庫全国連絡会編 絵本塾出版 201 5 年 5 月 みの会 / 編 2 1 cm/87p 201 5 年 6 月 1 300 円 30cm/54p この本の「はじめに」には、「紹介した内容は、 この 1 0 年間に出版された絵本の中から、高 はじめて学校に身をおくことになった人が始 学年の子ども達に読み届けたい 250 冊を紹介 められるこくこく小さなことです。」とある。 した本です。絵本を紹介する本は今までも多 作成者の念頭にあるのは、 20 ] 4 年 6 月に改正 数出版されていますが、この本の凄いところ は、全ページカラーで表紙画像つきなので、 された学校図書館法に基づき、職名としては じめて明記された「学校司書」だろう。この 視覚からも本を知ることができることです。 本は、実際に学校図書館で活動している 4 人の 絵から訴える力強いものを感じ、読み聞かせ に使うこともあるでしよう。美しい絵や写真 メンバーが中心になって、作ったもので、司 で作られた本で多くの人たちを魅了すること 書が取り組む「小さなことの積み重ね」が、 学校図書館を生まれ変わらせる事を教えてく もあるでしよう。この本は、実際に書店や図 書館で手に取りながら選書をしているかのよ れる。 その小さな積み重をどこからスタートす うに、紹介された本を想像できるのです。 また「いのち」「友だち」「平相」「ふしき」「昔 るか、どうやって進めていくか、ということが、 実に具体的に、親切に書かれていて、「学校図 話」「社会」「科学」「ことば」の 8 つのテーマ に沿って、より読み聞かせに向く本を選び抜 書館をよくしたい」「子どもたちにもっと読書 の喜びを知ってもらいたい」という熱い思い いています。これは聴き手の子ども達に多種 多様なジャンルの話題の提供にもなります。 が伝わってくる。 第 1 章の 1 に、「コミュニケーションをとる」 そして、そこからの知識の広がりは、子ども の新たなる好奇心へと導くきっかけになるこ とあるのが特徴的だ。一人で活動することの 多い司書が、学校という閉鎖的になりがちな とでしよう。 組織でどうやって仕事を進めていくか、大変 読み聞かせの成功を考えた時、要因のひと つに本選びがあがります。誰にどこで読むの 参考になるのではないか。 工夫され、行き届いた章立て、豊富な具体例、 か、どんな目的で読みに出向いているのかを しつかり把握したうえで、本を選ぶことが何 読ませるコラム、写真、板書例まであり、こ の本さえ読めば、誰でも学校図書館の運営が より重要なことだと、私は思います。最高の 一冊を探し当てるためには、自分の中の本棚 できる。いわば学校図書館の取扱説明書だ。 に新旧取り混ぜた絵本の知識が必要かとも思 本というよりは、冊子に近いような体裁で、 手書きのイラストなど、手作り感あふれて親 います。まずはこの本で自分の読みたい本と 出会い、思う存分読んでみてはいかがでしよ しみやすい。廉価であるので、司書研修のテ うか ? そして、そこから得た新たな知識や喜 キストとして活用できるだろう。 ( 矢野潤子 ) びや悲しみの感情を今度は多くの子ども達に 問合せ先 ( みの会 aimi-o@u-gakugei.ac.jp) 読み伝えてあけて欲しいです。 ( 朝日仁美 ) 『学校図書館はじめの一歩』 学校図書館 はしめの一歩 みの会 ー 43 ー
白いバラの女の子』も個性的で魅力的な 4 人が「お菓子作りのライプ」で救う 今月は 115 冊を検討し、片冊が新刊 作品。以下続刊 心まで元気をもらう物語。上級向き『そ 紹介に選ばれました。 〈科学〉中級向き 2 冊。埼玉県長瀞の山 〈絵本〉『ぼうし』は『しつほ』と同時にれぞれの名前』は、誰でも名前をまちが 間地の氷池でつくられる天然氷の貴重な われるとあわててしまう。 6 人のみんな 新装、復刊された長新太の赤ちゃん絵本。 初級向き 2 冊『あいっとほく』は、自分気になる名前の話。中学生向き『うたう技術を伝える『かき氷天然氷をつく 勝手なあいつは好きになれないばく。運とは小さないのちひろいあげ』では、桃る』。アサガオの開花や自家受粉の様子、 江戸時代から続く変化アサガオなど写真 動会の二人三脚で組むことに。練習を通子は高校一年生。親友の不登校に悩みつ で追う『ぜんぷわかる ! アサガオ』。上 つも「うた部」 ( 短歌部 ) に入部するは して近づいていく微妙な距離感を描く。 いろいろな感情のことばを魚の表情で表めになる。短歌の奥深さや言葉の美しさ級向き『天井からジネズミ』は、モグラ の仲間で成長しても親指大のジネズミの に気づき、自分探しの青春物語 しておりューモラスで楽しい『どんなき もち ? 』。中級向き『ぼくは、チューズ〈外国文学〉初級向き『べツツイ・メイ赤ちゃんを丁寧に育てた実践記録 〈ノンフィクション〉中級向き『なかよ 』とにんぎよう』はちょっぴり背伸びした デー介助犬チューズデーのいちにち しャギ一家の 0 0 プロジェクト』は、 い時期の子どもの日常がいきいきと描か は、イラク戦争で心的外傷ストレス障害 を負ったルイスにつきそい生活を支えるれた 9 話からなる。この本は原書を 2 分ャギに草刈りをやってもらおうとする西 武池袋線武蔵横手駅の所員さんの奮闘ぶ 介助大の仕事と人との絆を描く写真絵冊にしてあり、もう一冊は『べツツイ・ りを紹介。上級向き 2 冊。ガザの崩壊し メイとこいぬ』。上級向きの『ウソつき 本。上級向き『希望のダンス』は、エイ 引っ越したマンションでた社会、戦禍で苦しむ子どもたちの現状 とスパイ』は、 ズで親を亡くし困窮するウガンダの子ど もたちの日常生活を伝える。日本の支援ジョージはスパイと名のる少年と出会を伝える『ガサ戦争しか知らないこど もたち』。被爆樹木は原爆を生き延び、 上階にすむミスターの行動を探る で「あしながウガンダレインポーハウス」 : 。読み応えがあります。中学生向広島市が認定する約 170 本の木。これ がつくられ、ダンスをきっかけに成長し きの『サキ森の少年』はプラックな味らの木々の命を次世代へ守り続けようと ていく子どもたちの姿を追う。 する人々を描く『広島の木に会いにい 〈日本文学〉中級向き『魔法のレシピでわいのあるの短編が収められている。 く』。 スイーツ・フェアリー』では、存続の危古くて新しいするどい感覚は 100 年前 ( 加藤絹子 ) の作品と思えないほど。『モンゴメリ 機にあった調理同好会をバラバラだった ー三 -0
資料案内 : とも文み ティア・サプカルチャ・”第 ・現代史 ' 。どーをは、京都家庭文庫地域文庫連絡会 ( 京子連 ) 40 周年記念事業実行委員会編集・発行 大月書店 2014 年 1 0 月 201 5 年 3 月 ー、をゞ 26cm / 1 19p 19cm / 254P 本体 800 円 本体 2000 円 「子ども達の身近によい本とよい文化環境 「子ども文化」とは、大人が作って子ども を」と活動してきた「京子連」は、 20 周年 に提供するいわゆる「児童文化」ばかりでな く、時代の状況を反映させながら遊びの世界 に記念誌『アンダンテ』を発行し、今回は 40 周年で 2 冊目の記念誌である。この 40 年 に取込まれ子どもたち自身によって作りださ の間に、一時は 230 余りの文庫があったと れた有形無形の文化を含むものであると著者 いうことだが、それでも現在 44 ほどの文庫 は定義している。 を抱え、その連絡会は、京都市子ども文庫連 第 ] 章では敗戦と復興期の子どもの状況と 絡会 ( 25 団体 ) ・宇治子ども文庫連絡会 ( 8 文化が紹介される。文化の中心はラジオ番組 団体 ) ・京田辺子ども文庫連絡会 ( 3 団体 ) ・ であり、「鐘の鳴る丘」「三太物語」などが人 個文庫 ( 8 団体 ) となっている。 気を博した。 50 年代末ころには多くの雑誌 記念誌には、文庫のイベント、実技交流ム、 が創刊され、付録をつけて読者を奪い合った。 講演会などの写真のほか、文庫連だよりや新 第 2 章では 60 年前後から 80 年代にかけての メディアの拡大が取り上けられる。テレビの 聞記事、カット、冊子や本の表紙も写真入り で掲載されているので興味深く読めるだけで 普及からテレビアニメへ。少年週刊誌の創刊、 なく、活動への意識や思いが感じられ、多彩 そしてテレビ雑誌が登場してメディアミック な活動がまさに歩く速さ ( アンダンテ ) " で、 スした子ども文化が大きな流れとなる。第 3 地道な力強さがあることに、感服させられた。 章では 90 年前後から 2 ] 世紀まで、マルチメ また、記念誌の前半では「図書館運動と行 ディア時代の子ども文化が語られる。ドラク 政の動き」に ] ] 頁、巻末では「京都家庭文 工からハリボタ、ポケモンブーム、妖怪ブー ムまでが取り上げられている。巻末に詳細な 庫地域文庫連絡会の活動と社会の動き」に 現代子ども文化史年表が付いていて、子ども 37 頁を割いて年表にして収められているの で、資料としても責重な記録ということがで 文化の事典としても資料価値が高い。 きる。特に後者は、活動内容が一目で分かる 著者は長く小学館の学年誌の編集に携わっ ので、全国の、・文庫連 " で活動する人の参考 ており、子ども文化の創造と伝達の当事者で あった。本書はその立場から論考する奥行の になるだろう。 深いサブカルチャー論ともなっている。怪獣 子ども文庫白書や、文庫を知ってもらうた 事典などを通じて文化を生み出すオタクが誕 めのリーフレット作りの他、赤ちゃん絵本の 読書会から生まれた「赤ちゃんに絵本を読む 生したことなど興味深い。子ども文化の受け ということ』 ( 連合出版 ) や、戦争と平和を 手が作り手に変容し、子ども文化力ともいえ 考えるブックリスト『きみには関係ないこと る力が連綿と続き、世界に発信・拡大してい か』 ( かもがわ出版 ) など京子連からの出版 ることが頼もしい。 物も多い。 ( 大塚佳苗 ) ー子ども文化の現代史 遊び・メディア・サプカルチャーの奔流」 ランルテ ( 横内弥生 ) ー 42 ー
いるものの命を断って、私たちのロの中に入り、生きる力に くれるためのペットではなく、必要な時には、肉になるので なってくれています。 す。羊の食べる草が少なくなって、たくさんの羊を飼えなく 本書の帯にこんな言葉があります。「命をいただいている なる冬や、大切なお客さんが来たときなどは、肉にします。 おじいさんが、羊のおなかにナイフを入れ、中に手を入れ、実感がありますか ? 私たちの生きる力は、私たちの血や肉と 太い血管を指で切っているところの写真があります。羊のおなった、たくさんの命に支えられているということを、今一 腹の中にたまった血は、きれいに洗った胃袋や腸に詰めて煮度振り返ってみませんか ? ーまた、あとがきには、「生き物 を殺すということ、食べるということについてどう考えれば ます。これは、彼らの生活そのものです。 しいのでしよう ? と読者に問いかけています。 また、ラオスでは、町から 354 時間ほど山奥に入ると、 「命」が、食べものになる工程を私たちは、ほとんど目に 電気もガスもない村があります。そこでは、畑にしかけた罠 にかかったネズミを焼いて、朝ごはんのおかずにしたり、ミすることはありません。食べるときは、深く考えることもな く口に運んでいるように思います。しかし、本書に出会えた ズオオトカゲは、頭を叩いて殺してから、火にかけて、ウロ ことで、あらためて命の大切さを振り返ることができます。 コを落とし、それから料理をします。また、虫も大切なタン これまでいただいた命に感謝することで、自分の命を大切に ハク源です。彼らは、子どもの時から、生きているものを、 肉にして命をいただくまでの流れを、学校で教えられるまでしなければならないことに気づきます。そうすることで、家 族や友だち、周りの人の命も大切に出来るようになります。 もなく、日常生活の中から学んでいます。 たとえば、『いただきまーす ! 』 ( 二宮由紀子文、荒井良また、この地球上の生きとし生きるものの命も、大切にする 二絵、解放出版社 ) や、『いのちをいただく』 ( 内田美智子文、ことができます。このことを、子どもたちに伝えていくのは 私たち大人の役目です。現代の子どもたちを取り巻く様々な 諸江和美絵、佐藤剛史監修、西日本新聞社 ) にも、命をい ただノ v' とい、つことは、ど、つい、つことカ A 」い、つことか圭日かれて 問題を考えるときの原点です。本書が伝えてくれたことを心 に刻み、未来に羽ばたいていく子どもたちをしつかり育てて います。命をいただくとい、つことは、肉にしろ、魚にしろ、 いかなければなりません 野菜にしろ、その他のものにしろ、塩以外は、すべて生きて
きずなを結ぶ震災学習列車・ 赤いペン 三陸鉄道、未来へ 澤井美穂作 堀米薫文 中島梨絵絵 佼成出版社 フレーベル館 2015 年 2 月 2015 年 2 月 本体 1500 円 本体 1400 円 小学中級から 小学上級から 東日本大震災後三年目の二〇一四年三月一一日、三陸鉄道 夏野は、人と話すのが苦手な中学一一年の女の子。文学館で の「震災学習列車」に乗車した体験記から始まっています。企画した『街の百物語』という幽霊や不思議なお話にまつわ 震災学習列車というのは、ガイドさんの説明によって、被害る展示をきっかけに、町でささやかれる都市伝説のような「赤 の跡や、復興の様子を見ることができるばかりでなく、被災 いペン」の不思議なうわさ話を集め始める した人たちの思いや願いを直接聞くことができるのです。 夏野の心のなかには、気になることかあった。祖母からも 三陸鉄道が「おらが鉄道ーとよばれ、如何に地域の人々に らった形見のノートに、幼いころ祖母が語った赤いペンの物 頼りにされているか、なぜいち早く運転を再開できたかが、 = 諞か書かれていること。夏野が幼い時にみた記憶の中の赤い 細かく丁寧な取材とやさしい言葉、多様な写真によって、子ペンが、行方しれすになっていることだ。夏野は、協力して どもたちに分かり易く読み易いものになっています くれる人たちと、不思議な体験をした人の話を積極的に聞く 特に「震災を目のあたりにした人間として風化させてはな 人から人へ渡り歩くというべンの謎めいた五編の話は、読 らないと考えた社員の一人が、悩みつつ社内の会議に震災者を目に見えない不思議な世界に引きこんでいく。夏野は、 学習列車の運行を提案し「被災地の今を知りたくても遠慮し赤いペンに導かれ、祖母が物語をつむぐ片桐筆という有名な て来られない人もいるのではないか」と話し合いを続けたこ 作家であることにたどりつく偶然に赤いペンが見つかるの とや、ガイドする人も、テープを流したりせす、自分の思い は、祖母の霊魂が宿るノートに呼ばれたせいだろうか を心をこめて語ることを大切にしていることなど、震災学習 不思議な話が好きな人にすすめたい。第回ちゅうでん児 列車に携わる人々の熱い思いが伝わってくるものになってお童文学賞の大賞受賞作品である り、いに残 , り・ました。 ( 須長和子 ) 新実学習引 三陸鉄道、未来へ 1 27P / 22X 16cm ( 杉田るみ子 ) 物 1 当姿響、中製を 197P / 20x 14cm
・日本子どもの本研究会選定図書 ( 2015 年 7 月 ) 選定委員会 1200 22X18 1200 24X2 ] 1000 22X15 1 300 28X22 1400 26X19 1 500 27X22 1300 20 x 26 1300 22X19 1 300 23X25 NO. 1 本体価格形体 cm 頁数発行月 幼 旧 か ら ら か 級 著・訳・編者・画家名 小野寺悦子ぶん堀川理万子え たかいよしかすさく・え ジム・べントン作中井はるの訳 まつあきのり作・絵 哲也文劉貞秀絵陳馨茹訳 マリー ・モンティー 長新太さく かわむらおさむさく 新井弘行作・絵 かんのゆきこ作 いもとようこ文・絵 なかえよしを作上野紀子絵 とよだかずひこさく・え はせがわさとみ作 長新太さく ママダミネコ作・絵 わかやましすこさく 辻村ノリアキ作羽尻利門絵 いとうまことぶんたるいしまこえ マクシーン・トロティエ文 イザベル・アルスノー絵浜崎絵梨訳 さくらせかいさく ポーラ・メトカーフ文 スザンヌ・バートン絵福本躾子訳 しまだともみ作 三木卓さく高畠純え 野口員監修 いとうみく作っじむらあゆこ絵 はやしますみ作・絵 ・はなちゃんすべりだい ( おとうさんといっしょ ) [ 新 ] 中川ひろたか文長新太絵 ・はなちゃんおふろ ( おとうさんといっしよ ) [ 新 ] 中川ひろたか文長新太絵 ・はなちゃんおさんぽ ( おとうさんといっしょ ) [ 新 ] 中川ひろたか文長新太絵 ・のはらでまたね ・とうもろこしくんがね・・ ( おいしいともだち ) ・ちっちゃなすみくん ( ねすみくんの絵本 32 ) ・たなばたさま ( 日本むかしばなし ) ( あかちゃん・かどまるえほん ) ・だいすきほっとけーき ・しろとくろ ( すこやかあかちゃんえほん③ ) ・しましましまうま ( とことこえほん ) ・しっぽ ( どうぶつあかちゃんえほん ) [ 新 ] ・こうえんのバックンおばけちゃん ( すすのねえほん ) しらたにあけみ作かわむらすすみ絵 ・くまちゃんせんせい ・きようはだいじゅうたい ・かくれんほのぶ ( ぶうちゃんのえほん ) ・お ~ しまい ! ・・・かな ? ・あおぞらくろくま ( おはなし・くろくま ) ( 幼児絵本ふしきなたシリーズ ) ・あーといってよあー ☆あいっとぼく ( わたしのえほん ) ・まるまるだ一れ ? ( えほん・いっしょによんで ) ・ぼくのたいせつなひ ☆ほうし ( どうぶつあかちゃんえほん ) 噺 ] ・たなからぼたもち ( すこやかな心をはぐくむ絵本 ) くすのきしけのり作澤野秋文絵 ・ことりのみすあび ( えほんのほうけん ) ・くんくんくんこれはどなたのわすれもの ? ( おはなしトントン ) ・おねえちゃんて、ほーんとつらい ! ( しぜんにタッチ ! ) ※ ・おどろきいっぱい ! トマト ・えいつ ・イーラちゃんとあめふりピアノ ・いもうとガイドブック ・いしやがよい ( 幼児絵本シリーズ ) ・アンナとわたりどり ・あなたこそたからもの一けんぼうのえほん一※ 8 少年写真新聞社 1 5 28 x 25 廣済堂あかっき 1 600 26X22 800 800 800 1 000 1000 850 750 1500 1300 1 000 850 880 880 880 1000 1 2 開 800 福音館書店 偕成社 理論社 ひさかた チャイルド 岩崎書店 岩崎書店 出版社 福音館書店 くもん出版 岩崎書店 ボ方社 金の星社 小峰書店 銀の鈴社 のら書店 童心社 岩崎書店 岩崎書店 金の星社 ボブラ社 童心社 文渓堂 主婦の友社 主婦の友社 主婦の友社 のら書店 ひさかた チャイルド 童心社 PHP 研究所 大月書店 西村書店 22X21 1300 21X24 21X23 16X21 1 200 29X22 1 7 x 1 7 1400 22X30 1 8 x 1 8 1 7 x 1 8 19X21 1 5x 1 5 1 8 x 1 8 29X23 25X22 19X21 20X19 20X19 20X19 17x 1 8 25X22 1 8 x 1 8 24 26 40 24 30 79 32 32 32 24 24 33 24 36 24 32 24 24 47 24 32 32 24 32 22 22 22 24 32 24 32 36 40 5 6 6 5 5 5 5 5 6 5 6 5 5 6 5 5 6 5 5 4 5 5 5 6 6 6 6 5 5 6 5 6 マリサビーナ・ルッソ作なかがわちひろ訳あすなろ書房 1500 28X24 ー 13 ー 《注》☆太字の本は 10 月号以降に「新刊紹介」「今月の書評」「複眼書評」などに掲載する予定です。