教育改革 - みる会図書館


検索対象: 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号
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1. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

2006 年に教育基本法の全面改正により教育目標に「愛ダ 1 シップ強化や職階 ( 職制 ) の拡充が進み、学校内におけ る民主主義の後退や教職員間の同僚性崩壊といった状況に陥 国心」「公共心」が設定され ( ↓人間の内面に踏み込むこと っている。また、経済の論理がまかり通るようになったこと の問題 ) 教育に対する国家行政の権限が拡大 ( ↓地方分権に ' クロ 1 バル人材の育成と称し、経済競争で、公教育に学習塾との連携が取り入れられ、教職員数削減 逆行 ) した。また、。 に勝つ人材教育や研究体制の構築 ( ↓エリ 1 ト以外の切り捨 ( 教職員の非正規化・外部委託も含み ) による財政効果が謳 われるなど、成果主義の名のもとに教師も子どもも追い詰め て。教育が経済や国家に従属的になってくることの問題 ) 、 られるという結果がもたらされた。目に見えない教育の効果 そして大学改革 ( ↓文科省の進める施策に沿わないと予算が 付かない ) である。第二次内閣では道徳教育の教科化や教科を、目に見える数字で示さなければならないというプレッシ ャ 1 で、精神疾患に苦しむ先生方の数は確実に増えている 書の内容への政治的介入、教育委員会制度の改変 ( 2014 多くの教育改革施策が現場にとって招かれざるものである 年地方教育行政法改正 ) による首長の権限の拡大など、「政 にもかかわらず、 2001 年の「子どもの読書活動推進法制 治主導」という名のあからさまな教育への介入が進んでいる 特に「総合教育会議」が設置され、教育委員会制度の基本定」以降、「読書活動」の推進を国が進めてきたことをど、つ一 理念 ( 教育行政は一般行政から独立、地方分権、住民自治 ) 考えるか そもそも近代国家においては教育の自立性が保証され、憲 が形骸化することは、まさしく私たちの身に降りかかる問題 法や教育基本法によってもそれは守られている。国家は国民 であり、無関心でいてはならないと気付かされた。 大学への国旗・国歌の強制は、教員養成系への締め付けで ( 人間 ) の内面に対してニュートラルであるべきなのに、「読 もあるとの指摘もあった。後日、国立大学の学長会議に対し書活動ーについて国が何かを定めるということへの違和感は 文部科学大臣が「国旗・国歌ーを要請したとのニュ 1 スを知ある。しかし 1990 年代以降、型学力テストの成 ーバル人材に求められる学力を向上 ったが、 山口氏の「大学の自治は何処へ行くのか、思想信条績が取りざたされ、グロ させる取り組みとして「学校図書館」に関わる市民運動に拍 の自由はどうなるのか」との言葉が思い起こされる 車がかかり、それにこたえる形で地方自治体が独自の取り組 さて話はいよいよ学校現場に移る みを始めたことが、読書推進活動が大きく動くことにつなが 前段のような「教育改革」の結果、学校現場は校長のリ

2. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

第 19 回ひらこう ! 学校図書館報告 学校図書館を考える全国連絡会主催 6 月 6 日、学校図書館を考える全国連絡会主催による「第 ] 9 回ひらこう ! 学校図書館」が開催された。全国から約 ] OO 名が 集い、意見交流をし、アピール文を採択した。 今教育の現場で進められている様々な教育改革や行政改革の中 で、子どもたちの豊かで主体的な学びをどう守っていくのか。 201 5 年 4 月から改正学校図書館法が施行される中で、学校図書 館の未来をどう描けばいいのか。山口氏の講演と永井氏の問題提 起を受けた有意義な一日となった。 山口源治郎氏講演 現代教育改革の中の学校図書館 八王子子ども文庫連絡協議会大橋道代 学校図書館を考える全国連絡会にはかれこれ川年近く参加 し続けている。今回は、 4 月に施行された「改正学校図書館 法」を受けて、学校司書の法制化が私たちの願いや活動とど う関わってくるのかを知るために参加した次第である 山口氏の講演は、教育現場 ( 学校や教員養成 ) が「改革ー の名のもとに振り回されているという現状についての解説か ら始まった。改革の自己目的化、すなわち、成果の検証もな く次々と「改革」が進行するという事態に対し、今こそ基本 に立ちかえった思考と行動が求められているという問題提起 がある 続いて、本講演のタイトルにもある「現代教育改革」につ いて本題に入る ここでは安倍晋三氏の強い意欲にもとづく「教育改革」が、 第一次内閣からどのように進められて来たかが項目ごと列挙 された。

3. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

体を支える動きがより推進されようとしている」という記述 ・教材研究を ”師望 ~ 行、つ際、学 である。こういう動きも押さえておく必要かある = 暾晞 校司書に相 践難 談すること 実困 2 ・学校教育の現状と課題から学校図書館の役割を考える 育の かタタい日 〇教育観と学習方法の転換 2000 年、佐藤学氏らが日本の子どもの危機を分析し、 常的に様々 危機から脱するためには「教え」から「学び」への授業観の な本や資料 ( 注 4 ) 転換が必要だと提起した。さらに近年、佐藤隆氏は「人間存 を紹介してもらうと触発され、授業づくりにもつながる 等である。 在の根幹に関わる『問い 』とていねいに響きあう以外に教育 ( 注 5 ) 実践を構想することは不可能だ : ・」と著作の中で述べている。〇 3 学校図書館の役割と課題 注目すべきである そもそも、学校図書館は資料提供を通して知的自由を保障 授業構築は教師の専門領域だが、学校図書館を活用した授する機関である ( 日常活動でも、教育課程の展開上でも ) 。 業は教師と学校司書の両者が関わらなければ成立しない 学しかしながら、今、提示されている探究学習や情報リテラシ 校司書も学習方法等を学ぶ必要がある ーの文献等には、教科の内容を深めるという観点が大変薄い ②教師へのインタビューから ( 2014 年夏 52014 年貶月 ) という弱点がある。私は、「学校図書館を活用した豊かな授業」 より豊かな「授業との連携」をめざして岡山で、教師への には、三つのポイントかあると考える。 < 教師がどのような インタビュ 1 を実施した。教師から語られたのは、 目的を持って、どの分野・領域で何をテーマにした調べ学習 ・教科書や指導書だけでは面白い授業はできない。様々な等を行うか子どもたちがどのようなプロセスを経て、テ 資料を活用し、調べることで、子どもたちは視野を広げ、 1 マを深める学習活動を行うと共に、学び方も学ぶことがで 思考力を高めることができる。また、学校司書と連携し、 きるか 0 学校図書館が図書館サービスを通して、子どもた 学校図書館を活用することで、子どもたちは学び方も学ちと教師をどれだけ支援できるか ぶことができる 探究学習は、子どもたちが探究活動のプロセスに主体的に 教育科学研究会 60 周年記念出版 そこに子どもたちがいる そのこと自身が望 ス第物はい、 く講座教育実践と教育学の再生 2 〉 「教育実践と教師その困難と希望」 教育科学研究会 / 編 かもがわ出版 201 3.6

4. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

ったのではないか。 の間に「考え、探求する力を培う」ことがますます重要にな るだろ、つ。 最後に学校図書館の課題についてまとめられた。 ・「型学力」や「新しい学力」への批判的視点を 私たちは子どもたちのために「学校図書館に専門・専任・ 忘れず、「基礎学力・知識」も必要であると知ること。 正規の人を」との理想を掲げ、運動を展開してきたが、山口 ・学校図書館は多様な思想・表現へのアクセスを保障する氏の提起された「改革の自己目的化に陥らぬ、基本は何かを 場であり、子どもたち自身の中に「考え、探求する力を見据えた思考と行動ーのために、今一度視野を広げ、学校図 培う」ことが重要であること。 書館の基本的機能や役割を考えていきたい。 ・学校司書の専門性形成と、その実践の創造 ( 司書の仕事 をサービス業としないこと ) 山口源治郎 ( やまぐちげんじろう ) 氏 1954 年石川県生まれ。東京学芸大学教授。専門領域は公共図書 ・校内の連携においてはそれぞれの担当者が提案・主張し 館史、図書館法制論、図書館政策論、市民参加論など市民との図書一 あうより、互いのことを「聞きあう」ことが大切である 館勉強会を幻年以上続けている。主な著作として、『新図書館法と こと。これらのために市町村レベルで学校図書館専門職 現代の図書館』 ( 編著、日本図書館協会 ) 、『図書館史〕近代日本篇』 ( 編 員 ( 司書教諭・学校司書 ) の学びの組織を確立すること。 著、教育史料出版会 ) 、など。 ・学校図書館の役割を「学校づくりーのなかに位置づける こと さて現在、学校図書館政策が進む一方、公立図書館の委託 化や指定管理化なども進行している。また法改正で「学校司 書」という名称は明文化されたが、その身分は相変わらす不 安定なままである。今年は中学校教科書の採択の年にあたり、 政権による介入も気がかりだ。さらに、公職選挙法の改正に より才参政権が認められたということは、中学校から高校

5. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

参加することを通して、教科の内容を深めると共に、学び方 も習得すること。研修が保障されていること。 も学ぶ学習である。また、子どもたちに探究的に分かってい⑤継続してフルタイムで、仕事ができる正規職員であること。 きたいという探究心が強くなければ、調べ学習は組織できな 。子どもの問いや興味関心を触発する教師の「ひっくり返 4 ・学校司書と教師との協働 し」や図書館サ 1 ビス等がぜひ必要である。 学校司書と教職員との協働を考える上で、一一つの課題があ る。一つは、教員だけでなく、全ての教職員がその専門性を 活かしてカリキュラム編成に関わること。また、二つめは図 3 ・学校司書の役割と専門性 以上述べてきたことを踏まえて、学校司書の役割と専門性書館の自由と教育の自由を統一的に捉えることである を提起する ( ① 5 ③ ) 。 ( 注 1 ) 上居陽子「司書と司書教諭の専門性」 ①学校司書は、学校図書館に常駐し、図書館のコレクション 『ばっちわーく』 2002 年川月号他 を形成し、子どもたち・教職員に図書館サービス ( 資料提 ( 注 2 ) 『ばっちわーく』 2014 年 5 月号、 6 月号 供と潜在的ニーズの掘り起し等 ) を提供する ( 注 3 ) 木村元 ②同時に学校司書は、資料と資料提供の専門家として、教師 『学校の戦後史』 ( 岩波新書赤版 ) 岩波書店 2015 年 の授業づくりをサポートし、利用教育にも関わる専門職員 である 『学びから逃走する子どもたち』 ③また、学校司書は、教職員集団の一員として、子どもの最 岩波書店 2000 年 善の利益のために、他の教職員と協働することが求められ 『子どもの危機をどう見るか」 る。職員会議や職員研修等に参加し、お互いの専門性を認 岩波書店 2000 年 め合い、協力できる体制の確立が不可欠である ( 注 5 ) 教育科学研究会編『教育実践と教師そ さらに、①②③の役割と専門性を保障するためには、次の の困難と希望』 ( 『講座教育実践と教 ④⑤が必須である 育学の再生』 2 巻 ) かもがわ出版 2013 年 ④養成課程において、図書館情報学を中心に、必要な教育学 ( 注 4 ) 佐藤学 尾木直樹 全国の学校図書館に人を ! の夢と運動をフなく情報交 http://homepage3.nifty.com/patchwork/

6. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

学校図書館を考える全国連絡会 2015 アピール すべての学校図書館に 専任・専門・正規の学校司書の配置を 学校図書館は、一人ひとりの子どもの豊かな育ちと学びを支援する機関です。 2014 年 6 月に国会にて学校図書館法の一部を改正する法律が成立し、 2015 年 4 月 より施行されました。この法改正ではじめて「学校司書」が明記され、自治体の努 カ義務とはいえ「・・・司書教諭のほか、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児 童乂は生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校 図書館の職務に従事する職員 ( 次項において「学校司書」という。 ) を置くよう努 めなければならない。」と定められました。またこの法改正に先立って文部科学省 では 2013 年 8 月から翌 2 月にかけて「学校図書館担当職員の役割及びその資質の向 上に関する調査研究協力者会議」を開催し、そのまとめを「これからの学校図書館 担当職員に求められる役割・職務及びその資質能力の向上方策等について ( 報告 ) 」 として公表しています。こでは、到底非常勤や無資格では担いきれない専門性を 持つ「学校司書」が想定されています。 しかし、公立小中学校に学校司書が配置されている自治体は未だ約半数に過ぎす ( H27 年度文部科学省公表 ) 、しかもその 9 割近くが非常勤という不安定な身分です。 また専門性が問われない、複数校兼務が多いなど、いくつもの問題を抱えています。 さらに近年、外部委託などの形態による学校図書館職員配置が広がりつつあること が、一層事態を深刻にしています。これらの事実に鑑みると、私たちは依然として、 学校図書館の未来に大きな危惧を抱かざるを得ません。学校図書館のあるべき姿と 学校司書の役割の重要性を前に、これから国及び地方自治体がどのような施策をと り、どのように法の主旨の徹底を図るのか、大変重要な局面にあると言えます。 私たちはあらゆる地域での、教育の中枢として機能する学校図書館実現のために、 先ずもって「専任・専門・正規」の学校司書配置が必要であると確信しています。 ーこに、国および自治体が、学校図書館に関する施策を一層押し進めることを求め て、以下のように要望いたします。 ・国および自治体は「専任・専門・正規」の学校司書配置のために、さらなる予算 措置も含め、あらゆる有効な対策を講ずること。 ・文部科学省は学校司書の資格要件・養成についての調査研究を進めるに際し、実 態を明らかにするとともに、附則・附帯決議を尊重し、専門職としての「学校司 書」誕生に向けて、これまで現場で蓄積された実践および市民の声を十分に反映 しつつ検討を重ねること。 学校図書館を考える全国連絡会 ー 38 ー 2015 年 6 月 6 日 第 19 回集会参加者一同

7. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

書を配置する努力義務が明記された。しかし、必置ではなく、 問題提起学校司書の専門性とは何か 専門性も担保されておらず、課題は多い。併せて、文部科学 省の「これからの学校図書館担当職員に求められる役割・職 ( 注 2 ) 山陽学園大学永井悦重 務及び資質能力の向上方策等について」の分析も必要だ。ま た、非常勤職員配置校と、専任・専門・フルタイムの司書が 配置された学校図書館との中身の違いが対比的に検討される 以下の文章は、 2015 年 6 月 6 日の問題提起をもとに、 必要がある 加筆したものです。 個人的な経験から ② 私は、教師経験を経て、学校司書になった。資格・免許の 〇はじめに学校司書の専門性はこれまでどう考えられ 類から一一一口うと、司書資格と教員免許を持っている。しかし教 てきたか 学校司書の専門性は、資料提供と、子どもたちの潜在的な免を持っていることより、職員会議や職員研修に積極的に参 ニーズの掘り起しを主要な柱にして考えられることが多かっ 加したこと、しつかり教師と話をしたことが重要であったと一 考える 3 教育書の中の学校司書 しかし、学校図書館の機能や「資料提供」についての認識〇 ( 注 3 ) 『学校の戦後史』の中で、学校司書について触れられている が今日に至るまで必ずしも一致しておらず、「知る自由を保 「栄養教諭制度の創設や学校司書の法制化など、外部から資 障する学校図書館」についても十分論議されているとは言い 格を持っ専門スタッフ 難い。それらを曖昧にしたままで、学校司書の専門性につい て云々するのは、大変問題が多いのではないか。 か積極的に学校に配置 3 5 史 されるよ、つになってき 元 2 ており、多様な専門性 学校司書の専門性を考えるための三つの視点 と連携し、『チ 1 ム学 ①学校図書館の現況 校木書 学波 岩 2014 年 6 月に学校図書館法の一部が改正され、学校司校』として学校組織全 減新当

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子どもの本棚 2015 年 9 月号 イチレッランバン / 杉みき子 新刊紹介 も く 1 2 9 1 0 1 4 16 18 1 9 22 24 26 29 32 35 38 39 42 44 45 46 47 48 こにとりあげている図書は、いずれもく日本子どもの本研究会選定図書〉に選ばれたも のです。但し、図書内容の評価については、それぞれの執筆者の責任において執筆されて 山口源治郎氏講演「現代教育改革の中の学校図書館」 / 大橋道代 ひらこう ! 学校図書館報告 研究会とあゆむ / 山内淳子 福岡支部四十年 / 鈴木研 子どもに読書のよろこびを / 小川範子 きめ細やかな絆こそ / 勝尾外美子 山梨の子どもに本を手渡し続けて 40 年 / 浅川玲子 特集各地からの発信 今月の書評 2 『プロード街の 12 日間』 / 篠田勝夫 今月の書評 1 喰べているのは生きものだ』 / 末宗嘉子 選定リスト 201 5 年 7 月選定図書 / 選定委員会 選定付記 / 加藤絹子 いることをおことわりしておきます。なお※印は、ノンフィクションの本です。 襯地連がすすめる読みきかせ絵本 250 : 高学年向・ 2004 ~ 2014 』 / 朝日仁美 『学校図書館はじめの一歩』 / 矢野潤子 『子ども文化の現代史』 / 横内弥生 資料案内『アンダンテ 2 』 / 大塚佳苗 複眼書評日まろイスのボス』 / 川口弘美・米田久美江 アピール 問題提起・学校司書の専門性とは何か / 永井悦重 第 20 回学校図書館のつどいお知らせ 情報コーナー 事務局より スケジュール / 今月の研究会 編集後記 表紙絵 降矢ななイラスト : 福本春子

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した研究会のメンバーは実に個性豊かで、その個性を尊重し、務委託等行政との事業を受託運営している。繁多川図書館の 見事なまで伸ばしてくれたのはスタッフのチームワークの良運営受託は、当初、反対の意見もあったが「本研の専門性を さなのだろう。沖縄県子どもの本研究会があるかぎり、沖縄活かし、子どもの本研究会ならではの運営を心がける」とし の読書環境は決して悪くならないと信じている』発足当時かて応募、受託して 5 年目を迎えた。読み聞かせコ 1 ナ 1 の設 らの中心メンバーである会員の思いが今日まで会を継続する置、ブックスタートとの関連事業として定例の「びよびよお 大きな原動力になったのではないだろうか研究会での学びはなし会」や小中学校への出前読み聞かせやブックトーク等、 が会員の力となり、それぞれの活動の場で子どもたちに届け子どもの本研究会の運営する繁多川図書館として認知される られ、子どもたちと共に楽しみ、感動体験を広げている。会ようになった。 の活動は「子どもの本の学校ー「児童文化講座」を柱に活動 してきたが、 受講者の減少で「本の学校」を継続していける 近年保育士、読書ボランティア、司書などの受講者が増え のかと議論したこともあった。そのたびに講座の継続を求めたこともあり、これまで講話形式が主だった「子どもの本の る声がでて、今日に至る。危機を乗り越え、長く頑張ってき学校」の第 1 講に翌年の干支をテーマにしたブックトークの たからこそ、得たものも大きいと思う 実演と小物作りを取り入れるようになった。 年余の活動の中で多くの人材が育ち、どの事業にも対応 % 年度は「来年はひつじ年 5 ブックト 1 クと読み聞かせ・ できる研究会として読書活動に携わる人々に周知され、県や人形作り 市町村行事への協力、「子どもの本や読み聞かせ」「ブックス 講師沖縄県子どもの本研究会島尻千賀子・仲宗根祥子 タート事業の学習会」「昔話・語り」の講師依頼も多くなった。 「しなやかな心を育む読書教育ー 5 読み聞かせ活動を中 博物館美術館や新聞社のイベントへの読み聞かせの依頼等も 心として 増えている。長年の活動が認められ、 2004 年に那覇市プ 読書教育を学級作りの基本に置いた小学校教諭の島尻千賀 ックスタートの事業の運営、那覇市認可外保育園への絵本支子さんの実践と元保育士で布絵本の製作・指導等で活動して 給事業の受託、 2011 年には、那覇市立繁多川図書館の業 いる仲宗根祥子さん考案のひつじバッジ作りの講座を行っ 0

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もの本研究会にも入会した会員が多かったので、山梨子ども の本研究会は本会の山梨支部を兼ねて活動が始まりました。 会員は例会で学習 しながら、地域の はじめに 人たちに子どもの 1970 年代の山梨は、子どものために本を読んであげた本・読書について いと考えていた人は、個人的に自分の身近の子どもたちに働学んでもらうため きかけるだけで、大きな動きはありませんでした。 」」、 19 、 / -4 年第 その頃、子どもにすぐれた本に出会わせたいという思いを 1 回子どもの本の 持った県内の小学校教師の横森サチ子さんと甲府で子ども文学校を開催しまし 庫をはじめて間もない楠祐子さんと、山梨県立図書館司書のた。講師は本会か 浅川の 3 人がようやく、県立図書館の子ども室で出会ったのら作家や会員を派 か 1971 年でした。 遣していただき、 1972 年、 2 月全国教育研究集会が甲府市を会場に開催一般の参加者と一 されたので、 3 人は分科会「マスコミ文化と教育」に参加し、緒に会員全員が夢 全国各地の読書活動の動きを初めて知って驚きました。 中で学びました。 信 19 81 年の第 3 この時に 1967 年に発足した「日本子どもの本研究会」 発 の の横谷輝会長と代田昇事務局長が参加されていて、初対面の回は、会員が講師 で開催することが 私たちに本会の山梨支部を作ることをすすめられました。 各 この年の 7 月、横森、楠、浅川が発起人になり、川人の会出来ました。 特員で山梨子どもの本研究会が発足しました。当時は日本子ど 山梨の子どもに本を手渡し続けて如年 山梨子どもの本研究会戌川玲子 ミ第第言をン 今森光彦と遊ぶ昆虫ワールド ( 2015.5.10) ー 19 ー