2014 - みる会図書館


検索対象: 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号
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1. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

学校図書館を考える全国連絡会 2015 アピール すべての学校図書館に 専任・専門・正規の学校司書の配置を 学校図書館は、一人ひとりの子どもの豊かな育ちと学びを支援する機関です。 2014 年 6 月に国会にて学校図書館法の一部を改正する法律が成立し、 2015 年 4 月 より施行されました。この法改正ではじめて「学校司書」が明記され、自治体の努 カ義務とはいえ「・・・司書教諭のほか、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児 童乂は生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校 図書館の職務に従事する職員 ( 次項において「学校司書」という。 ) を置くよう努 めなければならない。」と定められました。またこの法改正に先立って文部科学省 では 2013 年 8 月から翌 2 月にかけて「学校図書館担当職員の役割及びその資質の向 上に関する調査研究協力者会議」を開催し、そのまとめを「これからの学校図書館 担当職員に求められる役割・職務及びその資質能力の向上方策等について ( 報告 ) 」 として公表しています。こでは、到底非常勤や無資格では担いきれない専門性を 持つ「学校司書」が想定されています。 しかし、公立小中学校に学校司書が配置されている自治体は未だ約半数に過ぎす ( H27 年度文部科学省公表 ) 、しかもその 9 割近くが非常勤という不安定な身分です。 また専門性が問われない、複数校兼務が多いなど、いくつもの問題を抱えています。 さらに近年、外部委託などの形態による学校図書館職員配置が広がりつつあること が、一層事態を深刻にしています。これらの事実に鑑みると、私たちは依然として、 学校図書館の未来に大きな危惧を抱かざるを得ません。学校図書館のあるべき姿と 学校司書の役割の重要性を前に、これから国及び地方自治体がどのような施策をと り、どのように法の主旨の徹底を図るのか、大変重要な局面にあると言えます。 私たちはあらゆる地域での、教育の中枢として機能する学校図書館実現のために、 先ずもって「専任・専門・正規」の学校司書配置が必要であると確信しています。 ーこに、国および自治体が、学校図書館に関する施策を一層押し進めることを求め て、以下のように要望いたします。 ・国および自治体は「専任・専門・正規」の学校司書配置のために、さらなる予算 措置も含め、あらゆる有効な対策を講ずること。 ・文部科学省は学校司書の資格要件・養成についての調査研究を進めるに際し、実 態を明らかにするとともに、附則・附帯決議を尊重し、専門職としての「学校司 書」誕生に向けて、これまで現場で蓄積された実践および市民の声を十分に反映 しつつ検討を重ねること。 学校図書館を考える全国連絡会 ー 38 ー 2015 年 6 月 6 日 第 19 回集会参加者一同

2. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

参加することを通して、教科の内容を深めると共に、学び方 も習得すること。研修が保障されていること。 も学ぶ学習である。また、子どもたちに探究的に分かってい⑤継続してフルタイムで、仕事ができる正規職員であること。 きたいという探究心が強くなければ、調べ学習は組織できな 。子どもの問いや興味関心を触発する教師の「ひっくり返 4 ・学校司書と教師との協働 し」や図書館サ 1 ビス等がぜひ必要である。 学校司書と教職員との協働を考える上で、一一つの課題があ る。一つは、教員だけでなく、全ての教職員がその専門性を 活かしてカリキュラム編成に関わること。また、二つめは図 3 ・学校司書の役割と専門性 以上述べてきたことを踏まえて、学校司書の役割と専門性書館の自由と教育の自由を統一的に捉えることである を提起する ( ① 5 ③ ) 。 ( 注 1 ) 上居陽子「司書と司書教諭の専門性」 ①学校司書は、学校図書館に常駐し、図書館のコレクション 『ばっちわーく』 2002 年川月号他 を形成し、子どもたち・教職員に図書館サービス ( 資料提 ( 注 2 ) 『ばっちわーく』 2014 年 5 月号、 6 月号 供と潜在的ニーズの掘り起し等 ) を提供する ( 注 3 ) 木村元 ②同時に学校司書は、資料と資料提供の専門家として、教師 『学校の戦後史』 ( 岩波新書赤版 ) 岩波書店 2015 年 の授業づくりをサポートし、利用教育にも関わる専門職員 である 『学びから逃走する子どもたち』 ③また、学校司書は、教職員集団の一員として、子どもの最 岩波書店 2000 年 善の利益のために、他の教職員と協働することが求められ 『子どもの危機をどう見るか」 る。職員会議や職員研修等に参加し、お互いの専門性を認 岩波書店 2000 年 め合い、協力できる体制の確立が不可欠である ( 注 5 ) 教育科学研究会編『教育実践と教師そ さらに、①②③の役割と専門性を保障するためには、次の の困難と希望』 ( 『講座教育実践と教 ④⑤が必須である 育学の再生』 2 巻 ) かもがわ出版 2013 年 ④養成課程において、図書館情報学を中心に、必要な教育学 ( 注 4 ) 佐藤学 尾木直樹 全国の学校図書館に人を ! の夢と運動をフなく情報交 http://homepage3.nifty.com/patchwork/

3. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

きずなを結ぶ震災学習列車・ 赤いペン 三陸鉄道、未来へ 澤井美穂作 堀米薫文 中島梨絵絵 佼成出版社 フレーベル館 2015 年 2 月 2015 年 2 月 本体 1500 円 本体 1400 円 小学中級から 小学上級から 東日本大震災後三年目の二〇一四年三月一一日、三陸鉄道 夏野は、人と話すのが苦手な中学一一年の女の子。文学館で の「震災学習列車」に乗車した体験記から始まっています。企画した『街の百物語』という幽霊や不思議なお話にまつわ 震災学習列車というのは、ガイドさんの説明によって、被害る展示をきっかけに、町でささやかれる都市伝説のような「赤 の跡や、復興の様子を見ることができるばかりでなく、被災 いペン」の不思議なうわさ話を集め始める した人たちの思いや願いを直接聞くことができるのです。 夏野の心のなかには、気になることかあった。祖母からも 三陸鉄道が「おらが鉄道ーとよばれ、如何に地域の人々に らった形見のノートに、幼いころ祖母が語った赤いペンの物 頼りにされているか、なぜいち早く運転を再開できたかが、 = 諞か書かれていること。夏野が幼い時にみた記憶の中の赤い 細かく丁寧な取材とやさしい言葉、多様な写真によって、子ペンが、行方しれすになっていることだ。夏野は、協力して どもたちに分かり易く読み易いものになっています くれる人たちと、不思議な体験をした人の話を積極的に聞く 特に「震災を目のあたりにした人間として風化させてはな 人から人へ渡り歩くというべンの謎めいた五編の話は、読 らないと考えた社員の一人が、悩みつつ社内の会議に震災者を目に見えない不思議な世界に引きこんでいく。夏野は、 学習列車の運行を提案し「被災地の今を知りたくても遠慮し赤いペンに導かれ、祖母が物語をつむぐ片桐筆という有名な て来られない人もいるのではないか」と話し合いを続けたこ 作家であることにたどりつく偶然に赤いペンが見つかるの とや、ガイドする人も、テープを流したりせす、自分の思い は、祖母の霊魂が宿るノートに呼ばれたせいだろうか を心をこめて語ることを大切にしていることなど、震災学習 不思議な話が好きな人にすすめたい。第回ちゅうでん児 列車に携わる人々の熱い思いが伝わってくるものになってお童文学賞の大賞受賞作品である り、いに残 , り・ました。 ( 須長和子 ) 新実学習引 三陸鉄道、未来へ 1 27P / 22X 16cm ( 杉田るみ子 ) 物 1 当姿響、中製を 197P / 20x 14cm

4. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

書を配置する努力義務が明記された。しかし、必置ではなく、 問題提起学校司書の専門性とは何か 専門性も担保されておらず、課題は多い。併せて、文部科学 省の「これからの学校図書館担当職員に求められる役割・職 ( 注 2 ) 山陽学園大学永井悦重 務及び資質能力の向上方策等について」の分析も必要だ。ま た、非常勤職員配置校と、専任・専門・フルタイムの司書が 配置された学校図書館との中身の違いが対比的に検討される 以下の文章は、 2015 年 6 月 6 日の問題提起をもとに、 必要がある 加筆したものです。 個人的な経験から ② 私は、教師経験を経て、学校司書になった。資格・免許の 〇はじめに学校司書の専門性はこれまでどう考えられ 類から一一一口うと、司書資格と教員免許を持っている。しかし教 てきたか 学校司書の専門性は、資料提供と、子どもたちの潜在的な免を持っていることより、職員会議や職員研修に積極的に参 ニーズの掘り起しを主要な柱にして考えられることが多かっ 加したこと、しつかり教師と話をしたことが重要であったと一 考える 3 教育書の中の学校司書 しかし、学校図書館の機能や「資料提供」についての認識〇 ( 注 3 ) 『学校の戦後史』の中で、学校司書について触れられている が今日に至るまで必ずしも一致しておらず、「知る自由を保 「栄養教諭制度の創設や学校司書の法制化など、外部から資 障する学校図書館」についても十分論議されているとは言い 格を持っ専門スタッフ 難い。それらを曖昧にしたままで、学校司書の専門性につい て云々するのは、大変問題が多いのではないか。 か積極的に学校に配置 3 5 史 されるよ、つになってき 元 2 ており、多様な専門性 学校司書の専門性を考えるための三つの視点 と連携し、『チ 1 ム学 ①学校図書館の現況 校木書 学波 岩 2014 年 6 月に学校図書館法の一部が改正され、学校司校』として学校組織全 減新当

5. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

ちしきのポケット しもばしら※ 細島雅代写真 伊地知英信文 岩崎書店 2014 年粍月 本体 r-L-ooo 円 月一素ー・ Q 一づ 描かれたタンポポの絵の美しさは秀逸である。柔らかな色 寒い冬の朝、学校へ向かう道の途中の畑に入り込んでは、 彩と葉脈まで描かれた細やかさ。綿毛の一本一本まで、精密 ざくざくという音と踏んだときの感触が楽しくて、あちらこ に表現されている。どのペ 1 ジを見ても、その精密さは失わ ちらを寄り道しながら登校したことを思い出します。身近だ ったしもばしらですが、アスファルト道路が増えた今、限られす、どんな植物なのかということがよく分かる。そして、一 こんなにも美しい花だったのかと改めて気づくのである れたところでしか見かけなくなってしまった気がします。 前作の『ひまわり』同様、植物を描いた絵本として、おも この本の写真を見ていると、こんなに近くで、じっくりと しもばしらを見たことがなか 0 たことに気づかされます。ししろい本である。例えば、花が開く様子も、時間を追って描 かれている。絵の側に文があり、絵をたどりながら、成長の もばしらって、何なのでしようか ? また、しもばしらはなぜ、 地面の上に長くのびるのでしようか ? どうや 0 てできるので過程をくわしく知ることができる。タンポポの一生を知るこ とで、生命の営みを感じることができた。 しよ、つか ? しもばしらか、よく見られるところは、どんなと また、小さな花の集合体であるタンポポの花や綿毛全てを、 ころでしようか ? 細い氷の柱が地面の土をまっすぐにもち上 一つ一つ描いて緻密に表している。肉眼でははっきり見るこ げるようのびるのもあれば、地面から右に左へと自由に曲が とができない細かい部分も分かり、驚いてしまう。花や葉の りながらのびるしもばしら、ごっごっとしたしもばしらなど、 いろいろなすがたをしたものがあることもわかります。本を断面図も描かれているが、より科学的でありながらも、面白 い着眼点だなと感心してしまった。 見た後はみなさんも、きっとしもばしらのひみつを、確かめ 道ばたのタンポポに、そんな世界があったのかという新た に出かけたくなると思います。 ( 後藤三加子 ) な発見と驚きのある絵本になっている 32P / 23X27Cm 32P / 25X22Cm たんぽぽ※ 荒井真紀文・絵 金の星社 2015 年 3 月 本体 1200 円 小学初級から ( 柴田陵子 )

6. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

受講生からは、「毎回、よくこれだけの先生方がおいでくアピールする活動もしております。 また、会員相互の情報交換の場として、ホームページの活 ださいますねーと言っていただきますが、それは本当にそう だと思います。毎年、回ごとに担当者を決め、そのチーフが用もしております。 「十ど、もに机圭日 活動の原動力というものがあるとすれば、ク コンタクトをとっておりますが、出版社にお願いしたり、大 学宛に連絡を入れさせていただいたりと、連絡方法もまちまのよろこびを。届けたいという思いだけかもしれません ちです。しかも、参加者からいただく受講料が元手なので、 潤沢な講師料を準備できるわけもなく、「子どもに本を届け たいと願う大人が、子どもの本に対して、きちんと学んだ上 で届けたい」という一念だけで、お願いしています。私たち の一念を受け取ってご承知くださった先生方の度量の深さに 支えられているといっても過言ではないと思っております。 ありがたいことに、先生たちの間でこの講座のことが話題に なることがあるようで、央くお引き受けくださる先生か多い ことを嬉しく思っております。 今年 2015 は、 6 年目にして最高の申し込みをいただき、 締切日の一ヶ月前にお断りせざるを得ない状態になりまし 信 た。受講することの叶わなかった皆様には申し訳なく思って 発 の おります か また、弊会では、この連続講座と並行して、学校図書館を 地 各 考えるプロジェクトを立ち上げ、学校図書館を考えるリーフ 特レットを作成し、学校図書館に人を配置することの大切さを 2013 年栃木子供の本連続講座「ロシアの子どもの本」より松谷さやか氏 2015 栃木子どもの本連絡会連続講座 子どもに読書のよろこびを一アメリカの子どもの本一プログラム 日時午前の部 ( 10 : ~ 12 : ⑩午後の部 13 : ~ 15 : ⑩ 第 I 回アメリカ子どもの本の黄金期現代絵本の始まり・始まりの絵本 講師吉田新一 講師吉田新一 6 月 7 日 ( 日 ) " 無名 " を意思するということ " 異邦人 " を生きるということ 第 2 回 カニグズバーグの文学を考える ル・グインの文学を考える 7 月 4 日出 講師清水眞砂子 講師清水眞砂子 YA を通して、アメリカの歴史や時代の流れ最近の YA 作品について 第 3 回 YA の歴史や時代の流れ、特徴などを解説日本やアメリカの作品を通して 8 月 22 日上 講師金原瑞人 講師金原瑞人 アメリカ絵本の多様性 アメリカ絵本の源流 第 4 回 アイデンティティーを求めて私が出会った絵本作家たち 9 月 12 日上 講師福本友美子 講師福本友美子

7. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

資料案内 : とも文み ティア・サプカルチャ・”第 ・現代史 ' 。どーをは、京都家庭文庫地域文庫連絡会 ( 京子連 ) 40 周年記念事業実行委員会編集・発行 大月書店 2014 年 1 0 月 201 5 年 3 月 ー、をゞ 26cm / 1 19p 19cm / 254P 本体 800 円 本体 2000 円 「子ども達の身近によい本とよい文化環境 「子ども文化」とは、大人が作って子ども を」と活動してきた「京子連」は、 20 周年 に提供するいわゆる「児童文化」ばかりでな く、時代の状況を反映させながら遊びの世界 に記念誌『アンダンテ』を発行し、今回は 40 周年で 2 冊目の記念誌である。この 40 年 に取込まれ子どもたち自身によって作りださ の間に、一時は 230 余りの文庫があったと れた有形無形の文化を含むものであると著者 いうことだが、それでも現在 44 ほどの文庫 は定義している。 を抱え、その連絡会は、京都市子ども文庫連 第 ] 章では敗戦と復興期の子どもの状況と 絡会 ( 25 団体 ) ・宇治子ども文庫連絡会 ( 8 文化が紹介される。文化の中心はラジオ番組 団体 ) ・京田辺子ども文庫連絡会 ( 3 団体 ) ・ であり、「鐘の鳴る丘」「三太物語」などが人 個文庫 ( 8 団体 ) となっている。 気を博した。 50 年代末ころには多くの雑誌 記念誌には、文庫のイベント、実技交流ム、 が創刊され、付録をつけて読者を奪い合った。 講演会などの写真のほか、文庫連だよりや新 第 2 章では 60 年前後から 80 年代にかけての メディアの拡大が取り上けられる。テレビの 聞記事、カット、冊子や本の表紙も写真入り で掲載されているので興味深く読めるだけで 普及からテレビアニメへ。少年週刊誌の創刊、 なく、活動への意識や思いが感じられ、多彩 そしてテレビ雑誌が登場してメディアミック な活動がまさに歩く速さ ( アンダンテ ) " で、 スした子ども文化が大きな流れとなる。第 3 地道な力強さがあることに、感服させられた。 章では 90 年前後から 2 ] 世紀まで、マルチメ また、記念誌の前半では「図書館運動と行 ディア時代の子ども文化が語られる。ドラク 政の動き」に ] ] 頁、巻末では「京都家庭文 工からハリボタ、ポケモンブーム、妖怪ブー ムまでが取り上げられている。巻末に詳細な 庫地域文庫連絡会の活動と社会の動き」に 現代子ども文化史年表が付いていて、子ども 37 頁を割いて年表にして収められているの で、資料としても責重な記録ということがで 文化の事典としても資料価値が高い。 きる。特に後者は、活動内容が一目で分かる 著者は長く小学館の学年誌の編集に携わっ ので、全国の、・文庫連 " で活動する人の参考 ており、子ども文化の創造と伝達の当事者で あった。本書はその立場から論考する奥行の になるだろう。 深いサブカルチャー論ともなっている。怪獣 子ども文庫白書や、文庫を知ってもらうた 事典などを通じて文化を生み出すオタクが誕 めのリーフレット作りの他、赤ちゃん絵本の 読書会から生まれた「赤ちゃんに絵本を読む 生したことなど興味深い。子ども文化の受け ということ』 ( 連合出版 ) や、戦争と平和を 手が作り手に変容し、子ども文化力ともいえ 考えるブックリスト『きみには関係ないこと る力が連綿と続き、世界に発信・拡大してい か』 ( かもがわ出版 ) など京子連からの出版 ることが頼もしい。 物も多い。 ( 大塚佳苗 ) ー子ども文化の現代史 遊び・メディア・サプカルチャーの奔流」 ランルテ ( 横内弥生 ) ー 42 ー

8. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

事務局より 第期第 1 回理事会を 7 月 3 日リサイクルセンターにて開 催。出席名。 会長より〕 Z 「おはようニッポン」でバリアフリーか学 校図書館についてとりあげたいとの相談あり。 事務局より〕総会報告をまとめたので「本棚」 9 月号に同封。 【報告事項】 〇全国大会【次年度以降他団体と重ならないように留意。要 項の広告掲載はかなり集まった。 〇機関誌〕 9 月号特集は「各地からの発信」。川月号、Ⅱ月 号は全国大会報告。宣伝チラシをカラーで作ったので活用 してほしい。 〇出版〕本棚の新刊紹介・書評からセレクトしたブックリス トを計画。見積もりをとって検討。 〇みなと校〕行事と重ならないようにプログラムを組みたい。 〇会員研修【学校司書を対象に企画を考えたい。 ◇ 2016 年全国大会会場について検討。 ◇ 2017 年以降の全国大会について、開催地、周年事業 との兼ね合いや総会での意見も考慮して検討。 ◇選定リスト作業について協議。 〈入会〉河北美和子河北千尋 ご逝去大分で長年活動されていた辛島泉さんが 7 月に亡く なられました。ご冥福をお祈り致します。 【協議事項】 鬼ヶ島文庫と紙芝居道場のくらし 千竈八重子 山の中に子どもの本の文庫「鬼ヶ島」がうまれて幻年、紙芝居 道場が併設されて年になっていました。平成年 3 月、火災に よって全焼。全てが灰になりました。又 % 年 7 月に文庫のみ 6000 冊で再建しました。七坪の小さな小屋に元気な子どもの 本が並びました。多くの仲間たちから送られた絵本やよみものが 再びエネルギー源になってくれました。購入可能な資料求めてい ます。 今年年 5 月、「紙芝居道場」もうぶ声をあげてくれました。 紙芝居は 400 冊。購入出来るものは購入し、古い廃棄された作 品もこの中に含まれ、多くの人々から可愛がられています。 地元の人々も、紙芝居を演じる人や観客になって楽しんでくれ ています。幼稚園児 9 名、小学校生徒は四名の地域ですが、他所一 からの来客も歓迎していますので、誰でも利用可能です ( 貸出ノ ートに記入で ) 。不便な地域なので、利用者優先、休みなし、交 通のバスはなし。週二回 ( 火、金 ) 一便のコミュニティバス ( 高 齢者の病院行きのため ) はあり野生動物の鹿、猪その他朝夕出 没、野鳥は多々。農家多し、 冬一月 5 三月は積雪が深く、 道路は凍結多々 このような地で火災後、 また懲りもせす本を集め、 普及活動に日々を過ごして いる自分に気づき、文庫の 再建を試み続けています。

9. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

した研究会のメンバーは実に個性豊かで、その個性を尊重し、務委託等行政との事業を受託運営している。繁多川図書館の 見事なまで伸ばしてくれたのはスタッフのチームワークの良運営受託は、当初、反対の意見もあったが「本研の専門性を さなのだろう。沖縄県子どもの本研究会があるかぎり、沖縄活かし、子どもの本研究会ならではの運営を心がける」とし の読書環境は決して悪くならないと信じている』発足当時かて応募、受託して 5 年目を迎えた。読み聞かせコ 1 ナ 1 の設 らの中心メンバーである会員の思いが今日まで会を継続する置、ブックスタートとの関連事業として定例の「びよびよお 大きな原動力になったのではないだろうか研究会での学びはなし会」や小中学校への出前読み聞かせやブックトーク等、 が会員の力となり、それぞれの活動の場で子どもたちに届け子どもの本研究会の運営する繁多川図書館として認知される られ、子どもたちと共に楽しみ、感動体験を広げている。会ようになった。 の活動は「子どもの本の学校ー「児童文化講座」を柱に活動 してきたが、 受講者の減少で「本の学校」を継続していける 近年保育士、読書ボランティア、司書などの受講者が増え のかと議論したこともあった。そのたびに講座の継続を求めたこともあり、これまで講話形式が主だった「子どもの本の る声がでて、今日に至る。危機を乗り越え、長く頑張ってき学校」の第 1 講に翌年の干支をテーマにしたブックトークの たからこそ、得たものも大きいと思う 実演と小物作りを取り入れるようになった。 年余の活動の中で多くの人材が育ち、どの事業にも対応 % 年度は「来年はひつじ年 5 ブックト 1 クと読み聞かせ・ できる研究会として読書活動に携わる人々に周知され、県や人形作り 市町村行事への協力、「子どもの本や読み聞かせ」「ブックス 講師沖縄県子どもの本研究会島尻千賀子・仲宗根祥子 タート事業の学習会」「昔話・語り」の講師依頼も多くなった。 「しなやかな心を育む読書教育ー 5 読み聞かせ活動を中 博物館美術館や新聞社のイベントへの読み聞かせの依頼等も 心として 増えている。長年の活動が認められ、 2004 年に那覇市プ 読書教育を学級作りの基本に置いた小学校教諭の島尻千賀 ックスタートの事業の運営、那覇市認可外保育園への絵本支子さんの実践と元保育士で布絵本の製作・指導等で活動して 給事業の受託、 2011 年には、那覇市立繁多川図書館の業 いる仲宗根祥子さん考案のひつじバッジ作りの講座を行っ 0

10. 子どもの本棚―月刊書評誌 2015年9月号

子ども本幗 2015 年 9 月 1 日毎月 1 回 1 日発行 第 44 巻第 9 号 通巻浦 3 号 昭和 47 年 7 月 14 日 第三種郵便物許可 ISSN0385-0528 No. 563 2015 一ョ 0 リサイクル資料 ( 再活用図書 ) 除籍済 特集 各地からの発信 今月の書評 『プロード街の 12 日間 食べているのは生きものだ 複眼書評 『ほろイスのボス 新刊紹介 2015 年 7 月選定図書 日本子ともの本研究会◆編集 子どもの本棚社