日本子どもの本研究会編 新朝どの本よもうかな ? 中学生 中学生、読書指導の先生、 司書教諭、学校司書、司書、 保護者の方々に役立つ 読みたい本、読ませたい本がすぐ見つかる ブックガイドの決定版 ! ・中学生が読みたい本を探すときのブックガイド。あらすじ、テーマ、作 口をむときのポイントを各作品 1 ページでわかりやすく解説。 ロロロノし 0 巻末には 2 巻共通の全巻索引を掲載。「書名索引」「著者名索引」、テー マから本を探すことができる「事項索引」の 3 種類 ! 0 「本の各部の名前」「図書館活用術」「製本の種類」など、本に関するコ ラムも充実。両編合わせて 14 のコラムを収録しました。 『新・どの本よもうかな ? 中学生版日本編 物語 / 詩歌 / 伝記 / 科学・ノンフィクション / 絵本 / 調べ学習シリーズ 定価 ( 本体 2 , 500 円十税 ) 旧 BN978-4-323 ー 01597-2 『新・どの本よもうかな ? 中学生版海外編 物語 / ノンフィクション / 絵本 定価 ( 本体 2 , 500 円十税 ) 旧 BN978-4-323-01598-9 〒 111 ー 0056 東京都台東区小島 1 ー 4 ー 3 電話 : 03 ー 3861 ー 1861 FAX : 03 ー 3861 - 1507 http://www.kinnohoshi.co.jp 海外編第 新・どの本 ようかな 新・どの本 よもうかな ? 昭和四十七年七月十四日第三種郵便物認可 全 2 巻 、日本子どもの本望会・第 A 5 判 / 各 254 ページ / 上製本 揃定価 ( 揃本体 5 , 000 円 + 税 ) 旧 BN978-4-323-9521 1 -6 海外編 日本編 ー」掲載図書 186 点 」掲載図書 183 点
子どもの本棚 2015 年 10 月号 「無関心」が戦争を招く / 三浦精子 新刊紹介 も く 1 2 9 10 14 18 1 9 21 41 44 45 46 47 48 27 33 ここにとりあげている図書は、いずれもく日本子どもの本研究会選定図書〉に選ばれたも のです。但し、図書内容の評価については、それぞれの執筆者の責任において執筆されて いることをおことわりしておきます。なお※印は、ノンフィクションの本です。 選定付記 / 小澤恭子 選定リスト 2015 年 8 月選定図書 / 選定委員会 今月の書評 1 「声の出ないぼくとマリさんの一週間』 / 山村真由美 今月の書評 2 『天井からジネズミ』 / 宮澤朝子 特集第 47 回日本子ともの本研究会全国大会報告 ( 1 ) 基調報告「子どもの本と読書スタイルのダイバーシティ」 / 野口武悟 はじまりの会実践講座①子どもと紙芝居②物語の森を仲間と歩けば ③リレー講演障害と読書 読書会 & 創作講座①絵本②幼年文学③児童文学④科学 ⑤那須正幹作品⑥創作講座 夜のつどい①読みきかせ②語り③科学あそび④平和⑤ブックトーク 資料案内『発信する学校図書館ディスプレイ使われる図書館の実践事例集』 / 森充代 複眼書評『さくらいろの季節』 / 白根恵子・新開由美 ⑥紙芝居⑦会の歴史⑧東京の夜景を楽しむ 『古田足日さんからの八トン』 / 須長和子 情報コーナー 追悼辛島泉さん / 千竃八重子 スケジュール / 今月の研究会 編集後記 表紙絵 降矢ななイラスト : 福本舂子
が紹介されており、参加者は終始大変興味深そうに見入った 物語の森を仲間と歩けば り聞き入ったりしていた 5 まなび・わくわく・アニマシオン 5 それらすべてに学びながら、オリジナルの ( 日本の場合に 講師読書のア一一マシオン研究会 石辺泰吏ベストな ) アニマシオンを探索し続けていることも伝えられ ( ア一一マシオンクラブ ) 代表 た。ご自分が学校現場で、また色々な機会に出会った子ども たちと取り組んだり、今現在温めているアニマシオンについ ても触れた。 ( 注〕しかし、まだまだ岩辺さんが語り尽くせ 「アニマシオンと読書」と題して、《アニマシオン》につい ないものを是非知りたいという声がアンケートには多く寄せ て、前半は主に講義、後半はワ 1 クショップという流れでの られた。 ) 展開だった。参加者百三十名。 後半は、全員参加のアニマ シオンワ 1 クショップ「なぞ 〈前半〉 ( パワーポイントを投影しながら ) 告 報 ①読書の今日的な意義について〕読書は「私」と他者の世界ときブックトーク」である 大との間に橋を架ける行為であり、私たちの仕事は、閉ざされ目的は、「図書館という広い 全た世界にこもりがちな子どもたちの心に本を届け、いくつも世界の発見 ( 出会い ) である 会 本日は、 6 人のグループ 究の架け橋を設けるように誘うことである ( 約幻チ 1 ム ) を編成↓アニ 本②「読書のアニマシオン」に取り組んできた十五年を踏まえ、 も「本の世界へ誘うアニマシオン」、「読む喜びを分かちあうアメータ 1 ( 岩辺さん ) が発す " 一一 0 ど る ( 名・迷 ) 質問に該当する 子ニマシオン」、「新しい世界の発見へ誘うアニマシオン」の 3 図書 ( & 図書資料 ) 5 会場の 日つのレベルに整理して提案した。 7 そこには、岩辺さん自身が、スペインのモンセラット・サ 3 エリアに、冊 ( 種類 ) 展 第 ルトさんと直接交わしたアニマシオンについての交流や、 4 示 5 から一点を推理 ( グルー 特回にわたるフランスでのアニマシオン研修で見聞した実践例プで考え合う ) ↓回答カード ②
考える場所」として大切にしていきたいと、話をまとめた 〇会の歴史 参加者 6 名 その後、参加者 6 名で現在、直面している課題について自 由に話し合った。 本研の創立以来関わっておられる黒澤浩副会長より以下の 子どもの本をめぐる運動へのアクションをどうするのか ? 報告があった。 とりわけ今日的な課題である学校司書について、認識を深め、 日本子どもの本研究会は、 1967 年 6 月増村王子、代田仕事の内容を確定するなど職種として確立させる必要があ 昇、黒澤浩 3 名の発案のもと、顧問に坪田譲治らを迎え、鳥る、という意見が出された。 それぞれの学校図書館や公共図書館、地域文庫など子ども 越信を会長に燔名で結成した。その後、会員の研究成果を機 関誌「子どもの本棚ーなどの出版活動や文化講座や全国研究 に本を手渡す仕事をしている者がネットワークを組み、連携 集会で発表してきた。 するとともに、実践を積み重ねていくことが大切である。今 1993 年 3 月、全国学校図書館協議会などの読書運動推回は 6 人だが、次回はもっと多くの会員が参加するように会 告 報進団体と「子どもと本の出会いの会」を結成した。学校図書 の歴史を知ろうという意識を高め、今日の課題をより深く洞 会 大館の充実と機能の発揮、予算の増額、司書教諭・学校司書の察する力を持っていきたいなどの意見も出された。 全配置、国立子ども図書館の設置などを目的に活動を始めた。 会 究日本子どもの本研究会は、国立子ども図書館のプラン作りに 本貢献するなど主体的に活動した。運動の成果として、 も 2000 年には国立国際子ども図書館が開館し、 1997 年 子「学校図書館法」の改正が実現し 2003 年から学級以上 日の学校に司書教諭が発令されることとなった。 回 7 今後の展望として、「学ぶーよろこびを生かす子どもの本 4 第 の研究と学校図書館法の全面的改定を挙げた。その上で、会 特員各自が研究の実績を積み重ねて行くこと、本研を「理論を ( 司会・野口武悟記録・渡部康夫 )
伺えた。なぜ今また、紙芝居なのか はじまりの会実践講座 子どもたちの周辺にタブレット・デジ読などの普及が進ん 8 月 2 日愴時 8 分 5 時 8 だ。それは、様々な発達の度合いに応えられる読書環境が整 って、有り難いことだ。このような進歩の一方でアナログな ①子どもと紙芝居 紙芝居に寄せる期待が大きくなってきた。また、読書推進法 ー紙芝居を使わないなんてもったいないー の整備に伴い地域の読書ボランティアなども、学校の読書活 宮﨑一一美枝 動に参画するようになり、紙芝居の利用要求が高まった。 東村山市立図書館主催の紙芝居講座から誕生した読み聞か 【なぜ今紙芝居かを検証した】 せサークル「原つば」 ( 詳細はプログで ) は、小中高校生に「い 紙芝居は、読み聞かせ同様、普通教室程度の広さに、多く て 100 人程の人が寄り集まって楽しむものだ。今回は、後のち・こころ・生きる・平和」の紙芝居を使った授業をはじ で使われる全体会場を割り当てられた。報告者は高い壇上かめて、十年になる。その授業の感想に「人が読むから伝わっ 告 報ら話す・演じるという、紙芝居ならではの臨場感を満たす条てくる。」 ( 中 3 ) 「紙芝居は、人の気持ちが伝わってきて、 会 小 5 ) 「最近指摘されてい 大件からは、ほど遠い会場であった。そこで、ロープで座席をお話の世界に入ってしまった。 ( コミニュケーション能力の向上に関しても、紙 る伝え合い 全仕分けして、出来るだけ前に座ってもらうようにした。 会 芝居の媒体のすばらしさを改めて感じました。デジタル主流 究当会で紙芝居 本の報告をするの 業の世の中ですが、心が置き去りにされることも多く、紙芝居 の存在をとても大きく感じました。ー ( 公立中校長 ) とある。 もは、珍一しいこと ( な ( 義 っ 使 紙芝居という小さな小さな劇場型読書により、子どもたち 子にもかかわら ' 居は、画面が動かないだけに想像力をかき立てられ、演じる人 日ず、多くの参加 芝 紙と見聞きする人とが作り出す臨場感に浸り、楽しさも倍加し、 者が集った。紙 第 芝居に寄せられ 学ある時は人の息使いも含めて臨場感を得、心に浸みるものに なるのだろう。新鮮にも感じられるのだろう 特る関心の高さが 図書委員会による紙芝居の読み 聞かせ け、じめ 第
公開講座多摩校第 34 期生募集要項 子どもたちにとってよりよい読書環境をつくりたい。そんな 願いを込め、今年も「第 34 期子どもの本の学校」を開催い たします。充実した講師陣や楽しいワークショップを用意し て、お待ち申し上げております。 期間 : 平成 27 年 10 月 17 日出 ~ 平成 28 年 2 月 20 日出 14 時 ~ 16 時 会場 : 多摩市立関戸図書館活動室京王線聖蹟桜ヶ丘駅西口徒歩 2 分・スクエア 2 階 受講費 : 全 8 回 ( 全講 ) 758 円 / 1 回ごとの受講 ( 単講 ) 1000 円 修了生・会員・多摩市民は 58 円 * 全講で申し込み後の取り消しは返金不可。 申し込み : 日本子どもの本研究会内「多摩校運営委員会」にご連絡ください。 ( 各回とも当日受付可能ですが、できるだけ事前申し込みをお願いします。 ) 講義およびワークショップテーマ 日時 新刊紹介等 14 : 開 ~ 14 : 30 「ことばであそぽ ~ 絵本のはなし ~ 」 開校式 1 0 ・ 1 7 出 ひろかわさえこ ( 絵本作家 ) 児童文学高学年 「中学校図書館の実践 ~ 生徒がとらえていくもの ~ 」 絵本初級 高橋今日子 ( 横浜市立中学校学校司書 ) 「やってみましよう ! ブックトーク」 ( ワークショップ ) 1 1 ・ 21 廣畑環 ( 元公立中学校司書教諭 ) 田邊妙子 ( 公立小学校教諭 ) 他 「未来を拓く力を育てる図書館活用教育 ~ 21 世紀型能力に注目して ~ 」 ノンフィクション 鎌田和宏 ( 帝京大学教授 ) 「やってみよう ! 読書会」 ( ワークショップ ) 児童文学中学年 山本さゆり ( 元小学司書教諭 ) 「科学で遊ぼう」 科学の本 瀬間幸子 ( 日本イ・ 「ビブリオバトルに 児童文学低学年 前田由紀 ( 私 「翻訳者の頭のなカ 2 ・ 20 絵本中上級 前沢明枝 ( 翻訳 問い合わせ先 : 日本子どもの本研究会 TEL03-39s お名前 勤務先 住所〒 子どもの本の学校 主催 日本子どもの本研究会 後援 多摩市教育委員会 14 : 30 ~ 16 : 開 1 0 ・ 31 12 ・ 5 1 ・ 16 1 ・ 30 研究会会員 ) 科学 = ・ ノブ」 蠕一弋一 、 i 大学講師 ) ? 2 ー 0362 参加日ロ 8 回通し ( 各回とも当日受付可能ですが、できるだけ事前申し込みをお願いします。 ) ロ 10 / 17 ロ 10 / 31 ロ 1 1 / 21 ロ 12 / 5 ロ 1 / 16 ロ 1 / 30 ロ 2 / 6 ロ 2 / 20
ケアを受ける権利を享有しつつ、個人の生活においても社会ているのである。 日本では、電子書籍に対しては、まだ否定的ないし拒否的 のなかでの活動においても、可能なかぎり通常の仕方でその 能力を発揮し、それをとおして社会の発展に貢献する道をひな意見も多く聞かれる。それらの意見は、しかし、多くの場 らくーということであり、「障害者が他の市民と対等・平等合、ク食わす嫌いのままに語られることが多い。やはり、 に存在する社会こそノーマルな社会であるという思想」であ子どもの本や読書に関わる私たち自身が電子書籍 ( 例えば、 マルチメディアディジーなど ) を試してみることである。相 る。 1960 年代に北欧で提唱されたノーマライゼーション は、いまや、障害者のみならず、子どもや高齢者、女性、社手をよく知らずして、好きも嫌いもない。これこそが、ダイ 1 シティ推進に向けての第一歩であり、基本姿勢といえる 会的マイノリティの人など、多様な人々すべてが等しく参加 だろ、つ できる社会を実現するためのべ 1 スとなる考え方になってい る。このノーマライゼ 1 ションの実現に向けての実践的な方 シティであり、ほかにはユニバ 1 サル 法論の 1 つがダイバー デザイン (universal design) などがある 社会の一部面である子どもの本や読書スタイルに目を向け てみると、電子書籍の登場などによって、これまで以上の幅 の広がりがでてきている。実際、欧米の図書館などでは、電 子書籍やオーディオブックなども積極的に収集・所蔵し、そ れらで多くの子どもが読書を楽しんでいる。電子書籍によっ て、はじめて 1 人で読書が楽しめるようになった子どもが存 在するのも事実である。例えば、ディスレクシア (dyslexia 〕 読み書き困難 ) のある子どもなどである。紙の本とともに電 子書籍などの多様な選択肢を用意することで、さまざまな子 ーシティを図っ どものニーズに応じた読書スタイルのダイバ 文献 * 「特別支援教育大事典」茂木俊彦編集代表旬報社 2010 年
千電八重子 追悼辛島泉さんをしのんで 昭和片年生まれの辛島さんは薬学部出身の会員でした。自立図書館から委嘱され、会の全員で作成した「科学読物ブッ 宅の辛島病院 ( 大分市 ) を支え、三人のご子息を育て、日本クリストー県立図書館理数系推薦図書リストー」は大きな 子どもの本研究会の会員として、「科学よみもの。の普及活財産になったと会員の安部恭子さんに学びました。安部さん は最初からの会員で、辛島さんを支え、会を牽引されていま 動に専念された一人です。 「児童文学と科学読物の会」の名称で 1991 年に 3 名です。 はじめ、「子どもたちに科学の本の楽しさを、科学する喜 読書会を発足、以後幻年間続いています。会員は幻名 に変化してい ( 2015 年 8 月現在 ) 、会報は 100 名近い人々に送られてびを」だったのが、近頃は「子どもたちと : ます。この変化こそが私たちの会の変移かなと安部さんは語 おり、本会にも届いていると思います。 ってくれました。 大分県立図書館での月 1 回の課題図書を中心とした例会 ずっと昔、辛島さんは子どもさん同伴で夏の全国講座に参 は、当初から変わっていません ( 県立図書館自体は建物も場 加していて、いろいろな所で出会いました。「子ども学園 所も変わりましたが ) 。現在は例会とともに数カ所で子ども たちとの「科学あそび」も併行した活動です。辛島さんの「科で未知の子どもたちに出会いをさせ、ご自分は研究会の講座 学の本っておもしろい , をテーマにした講演は今年 2 月、福へ出席して学びをされていました。当時私は福岡、彼女は大 分が活動の場でありました。 岡県小郡市の小学校が最後でした。 「科学読み物」と言えば辛島さんの顔が浮かびます。後を 幻年の歩みを振り返ると、月例会に加え課題図書の著者は 継いで仲間が今日も小学校やサ ] クルに出向き、アイスを作 じめ絵本作家、画家、科学者、弁護士、ブックトークの専門 ったり廃材から音の出る楽器を造ったりする会員の姿がみら 家、その他多くの方々に講演や科学あそびをしてもらいまし 発行 ) となる会れます。多くの人を育ててくれた一人です。川年間ガンと戦 た。これらは今回で号 ( 2 015 ・ 8 ・ 1 って最後まで現役の方でした。葬儀の折にお子さん、お孫さ 報「科楽知タイム」で、その都度例会報告とともに記載して います。中でも 1996 年に開催した岐阜物理サ 1 クル「のんに家族の知らぬ辛島さんの一面をお伝えできたことは有難 らねこ会」による「親と子のわくわく科学ひろば」は、会のかったです。 その後に大きな影響をもたらしました。また 2010 年に県
女の子、いつもは子ども部屋の窓辺に座っている。物語は持 参加者 4 名ち主の女の子に乳母車に乗せられ川で忘れ去られたり、屋根 に放り投げられて誰にも気づかれなかったり、釣り大会につ れられまた川の水底へ、最後は森の奥に置き去りに、という 4 場面で構成されていることなど。 主人公ガルドラはいろんな場所で一人ばっちになっても決 して落ちこまず、不思議なほど元気で自分の置かれた環境を 楽しんでしまう。ぬいぐるみが川に落ちたら体はぐしょぐし よ、さぞ気分も悪かろうに、「星を眺めたり、ふくろうの声 に耳を傾けながらにこにこして、周りで起こっている事全て が、自分に何かを教えてくれているようです。ーとおおらか そのもの。 とりあげる本に魅せられて、読書会の進め方が知りたくて、 ガルドラを取り巻く登場人物が皆優しい。ぬいぐるみを置 本は読んでいないけど、と参加者の動機はさまざまだった。 き去りにしてきた子どもへの母親の接し方にも学ぶことが多 、。いつの時代も子どもは不変だと思うが、親に子育てを楽 司会者から読書会の柱として、①主人公について②あらす じゃお気に入りの場面、挿し絵等に関して③今の課題とこのしむゆとりがなくなっているのが昨今の現状。こういう明る 本とのかかわりを中心に話し合いをすすめることが提示され く活力のある読みものを今こそ子ども達に出会わせたい。大 た。本を読んでいない人のために以下を確認しあった。作者社玲子氏の挿絵が物語を生き生きさせていて好感がもてるこ はインド生まれ、渡英しイギリスで執筆活動をし、この本は とも参加者の共通の感想であった。 英国放送協会 (n;ao) の子ども向けラジオ番組で放送され 少人数ゆえ心おきなく自分の感想や疑問を出し合いク読書 たものがもとで本になったこと。ぬいぐるみ人形ガルドラは会は楽しいクの思いで散会した。 手作りで、褐色の肌をして三つ編みに長いスカートをはいた ( 司会・千田てるみ記録・茅野とめ子 ) んきなめいをる ②幼年文学 モドウイナ・セジウィックさく 多買京子やく 大社玲子え 『げんきなぬいぐるみ人形 ガルドラ モドウイナ・セジウィックさく 多賀京子やく 大社玲子え 福音館書店 / 20 ] 4 年
第 47 回日本子どもの本研究会全国大会報告 ( 1 ) 戦後 R 年の節目の年、今一度「子どもの本」と「平和」を見つめ直したいという思いの もと、全国大会が開催された。全国から延べ COOO 人を超える参加があり、盛会のうちに 終了した。 日本子どもの本研究会では、これまでの「研究集会」と「全国講座」の 2 つの夏の催し を、本年より「全国大会」として一本化し、多彩なプログラムを盛り込んだものとなった。 一日目午前は、はじまりの会として、「子どもと紙芝居」「ア一一マシオン」「障害と読書」 が開かれた。午後の那須正幹さんによる記念講演「戦後 R 年、広島と平和を語る」では、『絵 日合 で読む広島の原爆』をはじめとする作品ができるまでを紹介しながら話され、事実を克明 と一 3 総 に積み上けて著した作品の持っ力を感じた。講演後は、 6 つの会場に分かれた読書会 & 創 作講座が開かれた。那須正幹さんも読書会に参加され、作品がより身近なものになった。 ( 青 創作講座では会員の一色悦子さんをお迎えして、創作の醍醐味を味わった。その後、全国 と ~ 一日 の仲間と交流したタ食会をはさんで、夜のつどいは 8 つの会場で開かれ、交流をふかめた。 月ク つどいの一環として東京の夜景を見る会も実施され、楽しいひとときを過こした。 大会一一日目は、 9 の分科会が開かれ、多岐にわたる話題提供のもと熱心な討論が交わさ れた。今大会で初めて実施された親子ワークショップでは、スギャマカナョさん、ピピオ 5 ン の武本佳奈絵さんと平澤朋子さんをお迎えして、楽しいひとときを過こすことができた。 大会最後の会員作家リレートークでは、 4 人の会員が自身の作品をふりかえり、子どもの 国本に寄せる思いを語った。 また、本大会の初めての試みとして友誼団体や当研究会の部会による展示発表も話題を よんだ。 本誌では、本号 ( 相月号 ) およびⅱ月号にて大会の様子を報告する。那須正幹さんの記 念講演の報告はⅱ月号掲載となる。