ノンキャリア - みる会図書館


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1. 崩壊!ニッポン警察

「不祥事隠蔽マニュアル」には「証拠隠滅 , 対策も謳われているのか ? 検察と警察の戦いで「犠牲」になるノンキャリアたち なぜ漏れはじめた警察の内部情報 裁判で浮上した公安警察の秘密組織『サクラ』 盗聴事件で名前の挙がったキャリアたちが謎の人事異動 警察とはまともに戦えない″検察の事情〃 いつの間にやら「復権 , していた疑惑キャリアたち 検察にもぶつけられた ? ノンキャリアたちの不満 キャリアが捜査指揮を執った大事件は未解決のまま & 〃キャリアサークル〃に抗議の自殺をしたノンキャリア本部長の無念 わずか 0 ・ニバーセントのキャリアが牛耳る、警察という組織 同じ部長でもキャリアはセンチュリーでノンキャリアはクラウン キャリアはたった十四年で警察署長 ノンキャリアは定年までに警察署長になれれば万々歳 % 増える大卒ノンキャリアとキャリアの間にある″深いミゾ〃 キャリアを無傷で本庁に返すことが習性になるノンキャリア

2. 崩壊!ニッポン警察

検察は公訴権を持っているが、捜査力は明らかに警察の方が上だ。だから検察も、警察には そっぱを向かれたくないという事情がある」 ( 大手新聞社の社会部記者 ) たしかに検察と警察という区分けで見れば、このとおりだろう。 しかし、警察組織は、大きくキャリア組とノンキャリア組の二重構造になっている。基本 的に、キャリアとは国家公務員—種 ( 上級職 ) 試験に合格し、警察庁に採用された者。それ 以外の地元県警採用者が、ノンキャリアである。キャリア組は、警察職員約二十五万人 ( う ち事務吏員が約二万人 ) 中のわずか約五百一一十人 ( 約〇・二 % ) にすぎないが、あっという 間のスピードで昇進・昇格していく。つまり人数的にはノンキャリア組が、九九パ 1 セント 以上を占め、前線で一般市民の生活を守っている ( はず ) 。 警 しかるに緒方宅電話盜聴事件の検察の処理を、警察ノンキャリアの目から見たらどうなる 県 剽か。〈検察は、ノンキャリア ( 盗聴実行者 ) だけに責任を負わせて、警察キャリアの責任を 神 問わなかった。現場で実際に捜査をやっているのは、オレたちではないか〉。こんな気持ち 発にノンキャリア組がなっても不思議ではない。 ノンキャリアの気持ちは、しかし、先の唐突なキャリアの人事異動で批判対象を失い 不 ったんはおさまっていたのだろう。そして十数年が過ぎた。 〃九九年八月十一一日には、警察の電話盗聴・通信傍受を合法化する盗聴法 ( 犯罪捜査のため

3. 崩壊!ニッポン警察

識が強い。とくに警部補あたりが分かれ目になるが、四十歳くらいで警部補になったノンキ ャリアは、警視以上に昇格できる目もあるということで、ほとんどがキャリア寄りになって 。不祥事の揉み消し役も引き受けるとか、キャリアを庇う傾向が強くなる」 ( 警察担当 記者 ) ノンキャリアの眼前。。 リこよ「出世」というエサが、キャリアによって無数にぶら下げられて いるのである。昇格と昇給がリンクしている現状では、ノンキャリアのこの″変身〃を責め るのは酷だろう。人事で「アカ x 、をつけられたら、警部以上には上がれない。だからノン キャリアの不満、憤懣は、本格的な「反乱 . には発展しない。内部告発くらいが、精一杯の 抵抗なのである。 警 県 いまひとっ閉鎖的な情実社会となっていて、試験制度が公平に機能せず、推薦制度も歪み 奈がちだと指摘されるところもあり、汗水たらして事件・事故などと向き合っているノンキャ リアは救われない。 続約二十三万人のノンキャリアのうち警視にまで昇格できる者は、一〇 5 二〇パ 1 セントだ 祥と推測されている。キャリアのほば全員が、自動的に県警本部長 ( 警視長、警視監 ) クラス 以上になれるのに比べて、ノンキャリアの方はきわめて狭く険しい道であり、かっ天井も非 常に低いのである。

4. 崩壊!ニッポン警察

増える大卒ノンキャリアとキャリアの間にある″深いミゾ〃 ノンキャリアの出世は警視から先は試験でなく「選考ーにより警視正、そしてごくまれに 警視長へと進む。これを「推薦制度」と言っているようだが、要するにキャリアのおメガネ にかなうようなノンキャリアを、警察庁に移籍させたうえで、都道府県警察本部の部課長や 本部長に就けるのである。それでも国家公務員試験—種の資格はないので、キャリア組の名 簿には掲載されない。仮に県警本部長になっても、そういった差別的な扱いは最後までつい て回るのである。 先に触れたグリコ・森永事件の時に滋賀県警本部長だった山本昌二本部長は、公邸の庭で 焼身自殺を遂げたが、このコースで警視長 ( 県警本部長 ) にまで昇進した。しかし、山本氏 のように県警本部長になるのは、申し訳程度の可能性しかない。現在、四十七都道府県警の 本部長は、キャリアが四十都道府県あまりを占めている。また、府県警本部長の一つ上のポ ストで七つある管区警察局のトップ ( 局長 ) のイスには、すべてキャリアが座っている。ノ ンキャリアは、そのすき間にお義理程度に入れてもらっているだけだ。 以上のような差別的な昇進・昇格・処遇制度がもたらす弊害は、大学出のノンキャリア組

5. 崩壊!ニッポン警察

も滑稽だ」 ( 地方新聞社の社会部記者 ) キャリアを引き受け、無傷で本庁に送り返すことは、なかなか大変だ。若いキャリアは、 と、テレビ 女性と親密になることもあるが、後始末は次席の役目。「なかったことに : 局などを回って頭を下げた次席もいるという。 これは個人差はあるにしても、キャリアの最大の仕事だとされる「組織管理」を学べるよ うな風景ではない。神輿の乗り方に抵がれ方、ゴマのすられ方に接待のされ方を覚えるだけ 三十歳そこそこで百五十 5 二百人規模の警察署の署長になるキャリアもいる。これも「若 けれ。はい ) というものではないらしい。こんな声も聞こえてくるのである。 「地方の警察署長は、名士扱いを受ける。それで公式行事や式典などに招かれ、五十歳、六 十歳の消防署長や教育長などと上座に並ぶことになるが、並んで座っているのを見ると親子 のようで頼りない」 なんと言われようと、「キャリア」という看板は、警察内では万能だ。ノンキャリアに対 して、水戸黄門の印籠並みの効果を発揮する。ノンキャリアも、内心はともかく、表面的に はキャリアに忠実だ。 「ノンキャリアの心中は複雑だ。キャリアに反発しながら、一方では『警察一家』という意

6. 崩壊!ニッポン警察

キャリア組「連チャンで県警本部長をやれば家が建つ」 一体キャリアⅡノンキャリア制度の効用は、どこにあるのだろうか。 警察は、次のように話す。 「都道府県警 ( ノンキャリア ) だけで管理・運営していくと、地元に密着しているので、捜 査に手心を加えたり、悪くすると癒着するおそれがある。キャリアは、全国規模で異動して いるし、着任期間も短いので、それを防止することができる」 たしかに一般市民との関係ということでは、当たっているだろう。 しかし、いま警察が抱えている深刻な問題は、警察内部における不正・腐敗の多発である。 それは神奈川県警で続発した不祥事で明確になったように、キャリアⅡノンキャリア制度の 歪みによるところが大きい。模範を示すべきキャリアごと堕落しているのである。 キャリアを含めたモラルダウンの象徴が、常軌を逸した「餞別」の横行だといわれる。 「人にもよろうが、『連チャンで県警本部長をやれば家が建つ』と言われるほど、警察幹部 の異動などでは高額な餞別が集まるようだ。本部長が異動になれば、三千万円あまり集まる とも聞いた。上が上なら部長、課長から警察署長まで、異動ごとに餞別がついて回る。昇進

7. 崩壊!ニッポン警察

が増大するにしたがって拡大しているものと思われる。かっては高卒者が大半だったノンキ ャリアだが、今では新規採用者の七〇パ 1 セント近くが大卒者で、全体の四〇パ 1 セント以 上を占めるまでになっているのだ。 「県警採用者が、高卒者中心だった時代は、形式的にしてもスタ 1 ト時点では階級がそろう かたちだった。高卒の十八歳で入って、四年後の二十二歳で警部補になれれば、警察庁の大 卒採用の二十二歳が、すぐに警部補に就いても、一時的にでも同年代同階級だった。ところ が大卒となれば同じ二十二歳でありながら、入ったその日からノンキャリアは巡査、キャリ アは警部補という差がつけられる。これではノンキャリアは、スタ 1 トから働く意欲をそが れてしまう」 ( 社会部記者 ) もともと警察の昇進・昇格制度は、キャリアとノンキャリアの顕著な二重構造になってい て、高卒と大卒の一種の学歴差別という問題を内包している。しかも大卒者のノンキャリア の増大が、地方公務員と国家公務員との処遇格差という問題を、新たに生み出していると言 っていいだろう。なぜなら同じ大卒二十一一歳の者が、最初から巡査 ( 地方公務員 ) と警部補 ( 国家公務員 ) ほどの階級差をつけられる理由は、なんら見当たらないからだ。言うまでも なく、「—種合格」という免状が、仕事をするわけではない。また、キャリアの「組織管理 , という仕事が、ノンキャリアの「警察実務」より二階級も上等だということもない。

8. 崩壊!ニッポン警察

の前任の神奈川県警警備部長だった松崎彬彦氏も、財団法人日本道路交通情報センター理事 を務めている。 いずれも盗聴関与を否定している。とはいえ、損害賠償請求の民事裁判もあり、積極的に 反証・反論する機会も与えられたが、説得力ある「潔白証明」がされたわけでもない。まし てや盗聴事件の「事後処理」が、神奈川県警腐敗の大きな要因になっているとすれば、少な くともキャリア組の管理責任に時効はない。等々思うに、自殺者まで出たノンキャリアの盗 聴実行ポリスの実状と比べ、文字通り天国と地獄の格差が生じているというしかない。真相 を知っているであろう神奈川県警のノンキャリア組が、隠された情報の「公開」という反乱 を起こしたとしても少しもおかしくはない。 県ちなみに九六年の覚醒剤事件揉み消し事件に関与したり、少なくとも管理責任を負ってい たキャリア組も、事件発覚直前まで素知らぬ顔で、昇進あるいは天下りをしていた。 神 ただし、この揉み消し事件では、関与したノンキャリア組も昇進している。したがってこ 発の事件の処遇では、ノンキャリアに対する処遇も盗聴事件の時のような不満を残さない配慮 事 ( ? ) がされたのかもしれない。 不

9. 崩壊!ニッポン警察

前後 ) と上がっていく。 「上司などから見込まれると、機動隊とか警備部門などの比較的暇な部署に配属され、試験 勉強の時間が与えられる。そうやって試験をパスし、昇進しながら管内の警察署を異動して く」 ( 警察事情に詳しい記者 ) それなりにノンキャリアの中では優遇されながら出世頭的に昇進してても、警視になれる のは四十歳を超えてしまうのだ。すなわちノンキャリア組は、キャリア組が入庁四年目の二 十六歳で自動的になれる「警視にたどり着くのに、最短でも二十年あまりの時間と四度の 試験を、実質的に義務づけられているのである。この点、キャリア組と全く対照的だ。 「捜査に没頭していて試験勉強ができなかったり、盆暮れの付け届けなど上司とのつき合い 県方が下手だったりすれば、なかなか昇進はできないー ( 警察 on) 剽多くのノンキャリアは、出世より警察という仕事に職人的なこだわりを見せ、一般市民の 神 生活を守っているのである。 発 だから四十歳代の巡査部長や警部補で定年を迎えるノンキャリアも多い。五十歳前後で警 続 事 視になり、そこそこの警察の署長にまでなれれば、よく頑張ったということになる。これは 祥 不 キャリア組との能力・カ量の相違ではなく、差別的な昇進システム自体が作り出している格 差である。

10. 崩壊!ニッポン警察

% という反省がございまして : : : 」 石川官房長は、キャリアは組織管理者のプロだと言いたいのだろう。しかし、警察組織は、 きわめて専門的な知識と経験が要求される「現場、が支えている。単なる事務職の管理とは ワケが違う。ところが現状は、柔道や剣道の経験のない文系のインテリが、その試合の審判 を務めているようなもの。専門的な知識と経験からくる正確な判断 ( 組織管理 ) は、難しい だろう。警察組織のナンバ 15 の官房長が、警察腐敗の原因について、「一部の者の自覚の 欠如ーという程度の問題だとは、本心から考えているわけではあるまい ノンキャリアは定年までに警察署長になれれば万々歳 さて、ノンキャリア組に目を転じる。 ノンキャリア組は、各都道府県で採用される地方公務員。したがってキャリア組とノンキ ャリア組の大きな違いは、前者が国家公務員であるのに対し、後者が地方公務員だという点 くらい。それにもかかわらず、昇格 ( 出世 ) のスピ 1 ドと到達点は雲泥の差がある。 すでに触れたようにノンキャリア組は、階級的に最下段の「巡査 , から始まる。そして試 験を受けながら巡査部長 ( 最短二年 ) 、警部補 ( 最短二年 ) 、警部 ( 四年以上 ) 、警視 ( 十年