習政権の思惑透ける 南シナ海の行動規範承認 国力 k 中国と <(DW<Z は南シナ海問題の紛争防止へ「行動規範」の枠組みを 承認した。たた、中国側の譲歩には内政重視のしたたかな思惑が透ける 行動規範の承認を受け、 ASEAN 地域フォーラム閣僚会議で記者団 の取材に応じる中国の王毅外相 8 断を下した直後である。同月日、 0 「行動規範」の策定を片年上半期 までに完了するという目標を、中済 経 国からに提案した。 洋 東 中国は、国際社会の中で悪者に 刊 されるくらいであれば、中国と週 を「 ( 南シナ海 ) 周辺国 , 7 として、米国を含まない小さな単 0 位に関係者を限定したほうかよい と判断したのだ。早急に領土紛争 などの当事者の合意を取り付け、 米国の影響を排除する狙いである。 日本や米国、さらには英国など の欧州諸国が認識するように、中 ( ー製原国の南シナ海における人工島建設 小卸特やその軍事拠点化を、地域の問題 制防北海 ではなく国際社会の問題として位 置づけると、中国が「国際秩序へ 月 6 日、中国との挑戦者」にされてしまう。 そして、国際社会の問題になれ ( 東南アジア諸国連合 ) は、 マ一一ラで外相会議を開き、南シナば、米国などが問題解決のプロセ 海の紛争防止を目的とする「行動スに加わってくる。中国としては 最も避けたい事態だ。それゆえ、 規範」の枠組みを承認した。 しかし、元来、中国は多国間枠中国は、南シナ海問題を矮小化し 組みである「行動規範」の策定にて「地域の領土紛争」にしておき たいのである。 は消極的であった。領土問題は、 中国が、「非周辺国」や「域外 一一国間で解決すべきだと主張して いたのである。 国」といった表現を用いて、日本 その中国が「行動規範」の策定や米国の関与を非難するのは、中 に積極的な姿勢を示したのは、 2 国の意図を示すものなのだ。 しかし、枠組みが承認された 016 年 7 月肥日に国際仲裁裁判 所が、南シナ海における中国の権「行動規範」は、法的な拘東カを 利をほば全面的に否定する司法判持たない可能性がある。拘東カが
フォーカス政治 在任中に実現した。振り返ると、 第三の「後継候補」では、佐藤を備えているかどうかである 前外相、留任の麻生財務相、新入 3 首相とも「民意との結託」を目氏は田中氏と福田赳夫氏 ( 後に首 閣の野田聖子総務相や河野太郎外 改憲計画は民意と乖離 指し、多くの国民の隠れた支持を相 ) 、中曽根氏は安倍晋太郎元外 相らを統御・操縦して求心力を発 取り付けて現状維持派や「抵抗勢相、竹下登氏、宮沢喜一氏 ( とも 第一の「達成目標」は、言うま揮できるかどうかが課題だ。 力」と戦う道を選択した。 に後に首相 ) を競わせた。小泉氏でもなく悲願の憲法改正の実現だ ここまでの 4 年半と違って、群 第二の窮地脱出の「復元力」でも麻生太郎氏、福田康夫氏 ( ともろう。今年 8 月 3 日の改造後の記 雄割拠の後継候補が、安倍首相へ は、佐藤氏は就任 2 年後の「黒い に後に首相 ) 、谷垣禎一氏 ( 後に者会見で「スケジュ 1 ルありきでの忠誠心よりも、「ポスト安倍」 霧事件」を 1966 年暮れの衆議自民党総裁 ) らを要職に起用してはない」と語り、方針撤回、路線にらみで独自の動きを強めれば、 院解散で乗り切る。中曽根氏も田競争させたが、最後に安倍現首相転換をにおわせたが、「改憲断念」遠心力が加速し、安倍時代の終わ 中角栄元首相のロッキ 1 ド事件第を後継に指名した。 を明言したわけではない。短期決りが現実となる可能性る。 審有罪判決後、年肥月の総選第四の「解散・総選挙」は、自戦から「急がば回れ」の長期戦略求心力喪失によるレ 1 ムダック 挙と新自由クラブとの連立政権樹民党結党後、在任中に 2 回実施しに転じたのかもしれないが、「好化の危険が消えなければ、政権維 立で生き延びた。小泉氏は年Ⅱ たのは、内閣不信任案可決の大平機再来なら改憲挑戦」の構えは崩持の最後の切り札は、第四の「 2 月の総選挙で議席減、 g 年の年金正芳首相を除けば、長期政権の佐していないとみる。 回目の解散・総選挙」しかない。 未納問題噴出、 7 月の参院選不振藤、中曽根、小泉の 3 氏だけだ。 鬼の執念で政権維持を図るため 「在任中の改憲」を企図する安 と続いたが、持論の郵政民営化へ 問題は安倍首相が現在、長期政の構想力、意志、政権欲とも健在倍改憲カレンダ 1 では、当初、「現 の挑戦で息を吹き返した。 権維持の 4 鉄則をクリアする条件のようだが、問題は「安倍流改憲有の衆参の議席で改憲案発議・国 計画」が幅広い国民の隠れた支持民投票」というシナリオに基づき、 を獲得できるかどうかだ。憲法問 「絽年の通常国会で発議、夏から 題で大多数の国民が何を望んでい 秋の国民投票」というスケジュ 1 るのか、正確に把握した上で「民ルを想定していたと思われる。次 意との結託」を図らなければ、目期総選挙と国民投票との同日選も 標達成はおばっかないが、民意と視野にあったに違いない。 で 造 の乖離は大きい だが、「スケジュ 1 ルありきで 閣 直 内 第二の「復元力」は、首相自身はない」の発言で、このカレンダ ち の 1 は消滅したとの見方が有力だ。 & 日の判断や言動も含め、「 1 強」の 月増長、慢心、弛緩を克服できるかであれば、起死回生を狙った今年 た率 れ持 どうかだ。構造的な問題は根が深Ⅱ月の解散と、「常勝神話」が消済 さ支 一筋縄ではいきそうにない。 えていない肥月総選挙を、安倍首経 との 事 第三の「後継候補」対策では、相が選択する確率は高い。解散・煉 し晋閣外にいて虎視眈眈の石破茂元幹総選挙を仕掛けるだけの体力と腕週 直 安事長、政調会長に転じた岸田文雄力が残っていればの話だが。飛 5 0 0 1
戦争の大問題 グローバル・アイ 家 野元中国大使、元伊藤忠商事社長が魂を込めた で最初で最後の戦争論敗者の歴史を学べー 争科 「ほかに適当な代わりがいない」 4 人に 1 人は来年 4 月に予定され というのが、安倍首相がこれまでる年金カットの影響を受ける。そ 安倍政権の支持率低下 高い支持率を得てきた最大の理由して四年に予定されるのが消費税 だった。政権交代をなしうる野党率の川 % への引き上げだ。 カ計問題より深刻な経済失政 もなければ、与党自民党内にも強経済運営の失敗に国民は何年も リチャード・カツツ本誌特約記者 ( 在ニューヨーク ) 力な対抗馬が存在しなかった。 耐えてきたが、加計問題でそれも 一ナな派 アベノミクスに対する高い期待我慢の限界に達したようだ。安倍 ュイズ日 N 0 。ズイる。 感も、支持率を押し上げた。だが、首相については、公約を実現でき Ⅱ計学園をめぐるスキャンダ o 長ムタす ス 集イ・稿 カルが安倍内閣の支持率を急 自ら掲げた大げさな公約を達成でない無能ぶりに加え、傲慢で腐敗 引編タル寄ガ 猷グャも一 落させたことは間違いない。だが、 きない安倍首相に国民は何度も失しているとの見方が広まっている。 0 ョンどジ 加計問題は支持率低下の真因だっ 望させられ、アベノミクスへの希経済が好調なら、不祥事の影響は たのだろうか。仮にそうなら、報 望は幻減へと変わった。 はるかに小さかっただろう。 道が沈静化するに従い、内閣支持安倍晋一一一首相の支持率は回復せず、何より国民にとって重大なのは、 政治スキャンダルが経済停滞に 率が持ち直す可能性は大いにある。彼の政治力は弱体化し続けよう。生活水準が下がり続けていること重なったのは、今回が初めてでは 集団的自衛権の行使を可能にした政治アナリストたちは、安倍首相かもしれない。企業に賃上げを行ない 。 ~ っ 0 年」」は、バ ' フル ~ 朋 2015 年の安全保障関連法案のの支持率が、彼の具体的な政策にわせるという公約にもかかわらず、壊とそれに続く一連の汚職によっ ときか、そ、つだったよ、つに。 対する支持率を大幅に上回ってい 第 253 次安倍政権下で 1 人当たて自民党政権が崩壊した。混乱す 一方で、もし加計問題が有権者るのはなぜかと、長らく首をかしり実質賃金は 6 % 下落した。正社る今の日本政治にとって最大の欠 の不満を爆発させる単なる引き金げてきた。その矛盾がいま解消し員の基本給 ( 名目値 ) は年から 陥は、政権交代を果たせる野党が でしかなかったとしたら、どうか。つつあるのかもしれない。 上がっておらず、歳以上人口の存在しないことだ。 を知らないあなたに、君たちに読んでほしい。 本体 1500 円 + 税 978 ー 4 ー 492 ー 21234 ー 9 それても 戦争を選ぶのか。 丹羽宇一郎 東洋経済新報社 「東洋経済オンライン」では、 弊社刊行物の情報がご覧になれます。 0103-8345 東京都中央区日本橋本石町 1 -2-1 003 ( 5605 ) 7021 わ p : 〃 yo e 耘 a え net/ 103 週刊東洋経済 20 レ .8.26
GOBALEYE 保護主義で雇用は守れるか ? 国境なき世界経済の現実 ード大学教授 2 0 済 - , もメキシの雇用と同じくらい犠洋 東 牲にをる可能性がある。高関税に バ教権調 よるコスト増はもちろん、値上げ週 日ハ学野ま - 。 済一により消費者にツケが回される。 「四学際 1 済長一貿易がナ 1 ビス分野にも浸透し 四大国経局 ケネス・ロフ米ハー ていくことは間違いない。たとえ ば米アマゾンが運営するメカニカ ルターク ( 人間が中に隠れていた コ 1 ルセンタ 1 業務の相当部分は 0 人超の雇用、あるいは米国が 用の劣化を心配する米欧の 政治家は、アジアの途上国すでに自動応答システムに置き換必要する 200 万人の雇用に比 絽世紀のチ = ス対戦ロポットにち , たら、焼け石に水である なんだ名称 ) は、プログラミング が直面する、より大きな問題に目わっており、単純なプログラミン など人力で行う細かな作業を、途 を向けたほうがいい。世界の賃金グ業務でのインドの竸争力は失わ 中国による鉄鋼の不当廉売に対上国並みの低賃金で発注可能にし を押し下げる巨大な圧力となりかれつつある。 ねないからである。インドの 1 人 中国はインドに比べれば、はるし、米欧が対抗措置を取ることはた新たなプラットフォ 1 ムだ。 配車サ 1 ピスの米ウ 1 バ 1 か明 当たり賃金は米国の約川分の 1 だ かに都市化が進んでいるとはいえ、十分正当化できる。だが、歴史が らかにしたよ、つに、この種のオン いまだに毎年 1000 万人が都市証明するように、保護主義がピン が、そこでは年間 1000 万人以 ラインサ 1 ビスには規制が必要だ。 へと流入を続けている。自動化でポイントの政策に限定されること 上が農村から都市へと押し寄せ、 路肩でチャイを売る仕事を見つけ雇用が失われ、低賃金の仕事がべは、まずない。多くの場合、恩恵だが、インドや中国が抱える雇用 ることすらおばっかない。コンピトナムやスリランカといった競合を受けるのは政治に近い一部であ問題は巨大であり、サ 1 ビスの輸 ュータブログラマ 1 となれば、な国に流出する中、雇用問題への対り、ツケを支払うのは消費者だ。出を先進国が取り締まれると思っ 国際競争からの遮断が行きすぎれたら、勘違いも甚だしい。 おさらだ。アジアの雇用不安は、処は一段と難しくなっている では、この問題にどう対処すべ ば、その国は競争力を失い、雇用 問題をいっそう複雑にしたのが、 米欧の比ではない。 きか。人々が頻繁に、時として劇 インドは、日本が先鞭をつけた最近の保護主義の高まりだ。これや経済成長も打撃を受ける。 西側経済はグローバルなサプラ的に職を変える世の中においては、 輸出主導型の経済を目指すべきなを象徴するのが、米アップル製品 主にオンライン学習を通じた社会 の製造を請け負う台湾フォックスイチェ 1 ンに深く組み込まれてい のか。自動化で製造業の職が減っ ていくとしたら、その結末はどうコンが行った、総投資額 100 億る。米トランプ政権ですら、北米人教育の抜本改革が欠かせない なるのだろう。 ドル ( 約 1 兆円 ) の米ウイスコンシ自由貿易協定 (Z<*<) から所得再分配の強化も必要だ。トラ ンプ大統領が信奉するような、人 もちろん、先進国では人口の 8 ン州での新エ場建設という決断だ。の脱退計画を見直さねばならなか った。メキシコからの輸入品の中気取りの伝統的保護政策は、これ これによって米国にもたらされる 割がサービス業で働いているし、 サ 1 ビス部門の業務受託でインド雇用は 1 ・ 3 万人。インドや中国身は相当部分が米国製であり、高までも有効ではなく、今後さらに 国際的なが毎年創出せねばならない 200 い関税障壁を築けば、米国の雇用ひどい結果をもたらしそうだ。 は世界トップだ。だが、 1
伊藤穰ー Z 会特別講座抄録 特集 / 教養としてのテクノロジー 中高生に教える 現代の学び が物理に夢中になったのは、中学生の 頃に物理学者に会って何でも質問でき る機会があったから。勉強は本当に苦手で、 実は大学も出ていない。でも知らない先生に 手紙を送って質問するなど、何でも人に聞い て、それから自分で作ったり試したりした。 こうしていろんなことを学んできた。 教科書を使った勉強は、脳の発育に必要な 面もある。でも本当に自分に合った学び方は、 ほかにあるかもしれない。 MIT メティアラボ では、学ぶときに 4 つの P を重視している。 仲間 ( ピア ) と教え合いつつ、強い熱意 ( パ ッション ) を持ってプロジェクトに取り組む。 最後は遊び心だ ( プレー ) 。ご褒美や心理的 な圧力は簡単な作業の効率を高めるけれど、 創造的なことは楽しんでやるほうが、成果が 出る。そのことは研究で明らかなんだ。 「違う経験」が答えにつながる もう 1 つわかってきたのが、問題解決には 人の多様性が重要だということ。現代の問題 はとても複雑で、優秀でも似たような考えの 人ばかりでは解決しない。そんなに優秀でな くても、周りとは違う経験をしている人のほ うが答えを見つけられる。これも科学的に証 明されているんだ。 今の教育システムは、大量生産のために人 間か機械のように働く時代にできた。でもこ れからは、 AI やロポットが多くの作業をや ってくれる。そこで大事になるのは、ユニ クで創造的であることなんだよ。 講座には中学 1 年 ~ 高校 2 年の約 20 人が参加した 35 週刊東洋経済 2017.8.26 ー それじやダメ。きちんとコントロ いる。日本ではよく、打ち合わせ企業の草創期にはそういう人がた 指摘しています。この原則を実践 くさんいたんだと思う。車が大好 1 ルされた長期間の実験を設計ししている人や組織はありますか のための事前打ち合わせのさらに きで、エンジン音を一生懸命聴い シリコンバレ 1 はもちろん当て事前打ち合わせみたいなのをやり て、その結果を分析しないと。と にかくデ 1 タを集めただけじゃ何 はまる。中国・深訓のモノづくりますよね。地図ばかり作って、歩て、そうしたら何が壊れているの きだしていない感じがする。昨晩かわかるようになったとか。僕か のコミュニテイもこ、つい、つ行動か の役にも立たないと僕は思う。 深蜩で会うのは、そういうやつら ( 会の講座、左コラム ) みたい コンピュータは相関関係の分できていて、結果としてすごくい ばっかり・。 いエコシステムが形成されている。に若い子たちと話すと、彼らはと 析が得意だけれど、因果関係はま テックでも何でも、学びたいこ あとはトランプ米大統領。彼はすっても魅力的で、日本も変われる た別の問題 、、つい、つこと ごく上手。物事にすごく機敏に反予感がするんだけれどね。 とがあれば、材料と手段はネット 応するし、プランがない。興味深 今までは、就職するために大学にたくさんある。問題は、そうい 好きなことをやる、 いのは、この行動原則に沿ってい か必要で、大学に入るために勉強うものが存在しても興味がなけれ そのために学ぶ る人が必すしも善意の存在というするというプロセスが有効だった。ば見ないということ。サラリ 1 マ テックによって激変する時代わけではないということ。 でも今は、好きなことをやる、そンで自分の仕事がつまらないなら、 日本はどうですか のビジネスモデルを作る、そのた趣味でもいいから何か学習したい には、「ブッシュよりプル」「強さ まだフォ 1 マルすぎる。とんがめに学ぶというプロセスに切り替ことを見つける。シンプルだけれ より回復力」「能力より多様性」 。トヨタ自動車やどそれか重要だね。 といった原リゞ、 っている人がいても、組織のありえたほうかいし , 貝が要だと近著『 9 ( 聞き手・本誌【杉本り、つこ ) プリンシプルズ』 ( 7 月発売 ) で方が結品みたいにカチッとなってソニーなど、戦後日本を牽引した
2 % 物価目標が間違い 日銀は出口戦略示すべき ニュース最前線 月に行われる日本銀こにあるのか 「 2 % 」に固執すると、達 行の金融政策決定会 目標設定の仕方自体が間成のために政策が長期化す 合から、「反対意見」が消違っていた。 る、あるいは政策を拡大さ えることになりそうだ。 金融政策の役割とは、日せることになる。 2 % はあ 民間エコノミスト出身の本銀行法のとおり、「物価くまで中長期の目標にすべ 審議委員、木内登英氏と佐の安定を図ることを通じてきだ、と提案してきた。 藤健裕氏が 7 月に任期満了国民経済の健全な発展に資 もはや金融政策ではない で退任した。両氏は黒田東する」こと。つまり、最終 彦総裁就任後、しばしば総目標は日本経済を安定成長 2 % という数字に市場 裁の提案に反対票を投じた。させ、国民の生活をよくすは懐疑的だ。 2013 年 4 月の「量的・ ることだ。この点が忘れら物価を決める大もとは、 木内登英 質的金融緩和」の決定時かれ、「物価目標至上主義」に期待成長率や生産性上昇率、 ら独自の見解を述べてきた 陥ったことが問題だった。潜在成長率 ( 資本や生産性、 木内氏に、今後の金融政策 年 4 月、量的・質的金労働力により規定される成 のあり方を聞いた。 融緩和という手段には私は長の実力 ) だ。これらの低も将来の需要を前借りしてが、いちばん大きいのはグ 賛成した。当時の日本経済下は生活の質の向上ペ 1 ス需給ギャップを埋めるものロ 1 バルな期待成長率の低 2 年で 2 % の物価上昇は総需要が供給力を下回り、も下げるため、押し上げよ だ。財政政策も同様だ。需下だと私は思っている。 率目標を掲げた「量的・質物価上昇率もマイナスだっ うという政策は正しい 要の前借りを長く続けるべ 551 年先にあまり儲か 的金融緩和」政策を導入し たので、金融政策で正常化 だがこうした構造を変えきではない。 らないとなると、企業は人 てから 4 年が経った。マイを図るのが妥当だった。たるのは、金融政策の領分で 日本だけでなく世界的に手不足であっても、将来の ナス金利などの政策を追加 だ、国債購入は最大年兆 はない。金融政策は、何らインフレ率が下がっている。固定費の増加になる正社員 しても、日銀は目標を達成円で 2 年程度の限定的な手かのショックによる一時的経済のグロ 1 バル化や技術の賃上げはせず、非正社員 できていない。問題点はど段にすべきだと考えていた。 な景気後退時に、あくまで革新などが原因といわれるの雇用や賃上げにとどめる。 日本銀行の金融政策決定で反対意見を述べてきた論客に、問題点を聞く。 本誌【大崎明子 9 日本銀行前審議委員 ( 現・野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト ) きうち・たかひで・野 村総合研究所、野村証 券のエコノミストを経 、て、 2012 年 7 月から 17 。羃第委員会審議委員。 7 埆から現職。 20 レ .8.26 週刊東洋経済 20 撮影 : 尾形文繁
かじめ販路を確保した上で参例が出てきたことから、変化ていくことは現実的に困難で 入する企業も多く見うけられの兆しもありま 今後は、農地を農業参入 ま 農地と並んで課題とされて企業や大規模農業法人に託す 企業が農業参入する際、きたのが人材の確保で農こと次世代にバトンタッチ 障壁になりやすい要素は何業は一人前になるまでに長いしようとする人が増えてくる でしようか。 年月がかかるとされ、それがと予想していま「年を取っ 三輪一つはいま話した販路の新規就農者の出鼻をくじく要てもできる範囲で農業を続け 確保で作っても売り先が因になっていました。しかし、 たい」という方は、自分が土 なければ、事業は成り立ちま—oe や—oe ( モノのイン地を託した企業や農業法人で せん。 ターネット ) の進化によって初 パートタイマーとして働くとい また土地の確保も障壁と心者でも効率的な栽培ができう選択肢もありま なっていま亥実は企業が農地るようになってきていま 一方、今後も農業を続ける を確保するための制度そのも若い人の間で農業に興味を意思がある農家の場合は、ほ のはすでに整備されていま抱く人は確実に増えていま亥かの農家とともに大規模農業 一般企業でもリースによる農地彼らを雇用しながら、「匠の法人を立ち上げたり、農事組 の利用が認められており、貸技」が必要な部分については合法人という形で会計の独立 借期間についてもすでに上限べテランの農業従事者の力を性は保ちながらも、施設や出 が年から年に延長されて借りるようにすれば、人材面荷の共通化によって経営の効 いま の課題も解決できるでしよう。率化を進めたりする戦略 ただし問題は、農地の流動 生き残りを図っていくことにな 性が低く、優良な農地があまニッチ戦法、知財提供るでしょ り市場に出回 0 ていないことで既存農家の選択肢農業参入企業や大規模農業 亥農家が農地バンクに預けよ 法人は、ある程度の生産量を うとせす優良な農地が耕作 一方で長らく日本の農必要とする農産物を安定的に 放棄地になっているといっ現状業を支えてきた家族経営生産し、小規模農家はニッチ があるので亥そこで国も、 を中心とする小規模農家だが特色のある農産物に特化が高まっていくはずで亥たとなっていくわけで 有効に使われていない農地につは、今後どうなっていくのですることで独曻を発揮する。えば農業参入企業が、— o こうして農業分野でさまざ いて課税強化を行うなどの策しようか。 そういう住み分けが進んでい や—。だけでは解決できなまなプレーヤーが、自身の強み を講じること農地の流動日本の農業従事者の平均年と思いま亥 い課題に直面したときには、を発揮して活躍する状況が実 性を高めようとしていま亥齢は現在歳で後継ぎが まこれからはスマート農匠の農家の技の伝授が必要と現すれば、日本の農業は儲か た農地を借りた企業やいない中今の体制のままで業が全盛の時代になるからこなるからでつまり知財ビジる強い産業へと進化することで 大規模農業法人の中に成功事 2 年、年先まで農業を続けそ、逆に「匠の農家」の価値ネスやコンサルティング事業にしよう。 日本総合研究所創発戦略センター シニアスペシャリスト ( 農学 ) 三輪泰史 Yasufumi Miwa 2004 年東京大学大学院農学生命科 学研究科農学国際専攻修士課程修 了、同年日本総合研究所入社。農林 水産省「食料・農業・農村政策審 議会」委員、内閣府「戦略的イノベー ション創造プログラム ( 次世代農林 水産業創造技術 ) 」サププログラム ディレクターなどを歴任。著書に 自 oT が拓く次世代農業ーアグリカル チャー 4.0 の時代』 ( 共著。日刊工 業新聞社刊 ) 、『次世代農業ビジネス 経営』 ( 日刊工業新聞社刊 ) など
経済覓る眼 新産業革命がもたらすもの 三品和広 のところ、や自動運転以下は単なる思考実験にすぎなしている暇があるなら、遠大な未ても、今や半導体なくして半導体 の話題で持ち切りである いか、考えさせられるところは少来に思いを馳せたほうがよさそ、つは造れない。逆に半導体の進歩が われわれはどうやら新たな産業革なくない。織機を駆動していた水である。 半導体のさらなる進歩を生み出す 命の渦中に生きているらしい。だ車を蒸気機関が置き換えていった もちろん、現在進行形の革命がという意味で、この革命にも自己 とすれば、元祖産業革命をレビュのは 1960 年代、機関の小型化元祖産業革命と同じペ 1 スで進む推進力が備わっており、先々が息 1 してみるのも悪くなかろう。うと高圧化が進んで蒸気機関車が商とは限らない。しかしながら、水の長いものになることは間違いな まくすると未来の透視図が見えて業運転を開始したのは 2000 年車を真空管とすれば、蒸気機関は くるかもしれない さて、未来はどうなるのであろ ごろ、電気モ 1 タ 1 が登場するのトランジスタ、そして小型機関は 元祖産業革命の本質は動力革命は浦年 ) 」ろ、石炭べ 1 スの蒸気機集積回路。羊毛をラジオとすれば、 うか。兀祖産業革命では、蒸気機 で、蒸気機関の市販開始によって関を石油べ 1 スの内燃機関が駆逐綿布はテレビ。そして鉄道網は光関が綿布の大量生産を可能にする スタートした現在進行形の産業してしまうのは年以降となる。通信網という具合に、ここまではと、染料の需要がケタ違いに膨ら 革命の本質は制御革命で、起点は とかくわれわれは過去と現在を見事なまでにタイミングが一致すんで、そこで勃興した化学産業が る。 トランジスタの市販開始と見るこ比較して、進歩の速さに驚くが、 電気を呼び込んだ。今はテレビに とができよう。そのトランジスタ現在を未来に照らしてみると、わ それだけではない。兀祖産業革コンテンツを供給するメディア産 の市販開始年に元祖産業革命の起れわれはまだまだ入り口をさまよ命では、鉄や石炭なしでは動かな業が往時の化学産業に相当する可 点を重ね合わせてみると、続くイっているだけで、なんと「大草原い蒸気機関が鉄や石炭の生産を容能性が高い。問題はそれが何を呼 べントは何年ごろに起きたことにの小さな家」より前の時代を生き易にすることで、革命が革命を推び込むかである。 なるのであろうか ている。すでに起きたことに感嘆進した。現在進行形の革命におい まだ見ぬ電気に相当するのは、 論理的に考えれば光である。光と いってもファイバ 1 ではない。制 御において電子が果たしてきた役 割を、光子が担い、熱を出さない 光コンピュ 1 ティングの時代がや ってくるのである。おそらく。 元祖産業革命は英国がリトし 7 ま部科大同助餓 谷たが、電気による第一一幕を先導し 生学究ド。 学よ 済 ' " ←たのは米国で、そこでくしくも両 学 大商一不丿 経 洋 ・橋院国の地位が入れ替わ 0 ている。日 東 本も、光に照準を合わせて、潔く を論半導体は捨てるくらいのことを考週 カ県大 嗇鬱妝 えてよいのではなかろうか。飛 み卒修学大北 【今週の眼】 神戸大学大学院教授
理 の 同僚のいう「面白さ」は、絽世ごくあたりまえの知識である。おもあった。要路が抱いた危機感が、 士ど 紀前半の中国、清朝第五代皇帝・そらく知らない専門家はいない。 以後いまも続く反腐敗キャンペ 1 同僚はもちろん当代一流の知識ンを牽引しているともいえる 4 ッ雍正帝の打ち出した行政改革にあ 廉腐 る。なかんずく「貪官汚吏発生の人、しかしともに歴史を勉強して しかし効果は上がっているのか 学の 国 文 防止策として」、手厚い勤務地手いても、専門は同じではない。 一どうもそんな疑問を払拭できない 中 当を支給し、「『養廉銀』という身歩自分のエリアの外に出ると、知のは、腐敗が生じる制度・システ 大 学し のの司 もフタもない . ネ 1 ミングをしたらないことばかりなのは、筆者もムの問題には手をつけず、汚職の くだりらしい 帝平隆 ) 」く日常的に体験する。そこはお摘発にばかり、心を砕いているか京主 れと 互いさまである。 に見えるからである。 ま国 正近本 汚職腐敗の防止策 回 ただ、同僚が知らないのなら、 往時の「養廉銀」は、汚職の弾鮏 6 雍習岡 第 そのためしばらく経ち、浮かれ世間般はもっと知らないはずで、圧と抱き合わせて、官僚の低俸給 四学 た心も落ち着いてくると、少し考そこに戸惑いを感じた。「養廉銀」・地方財政の貧困など、制度上の・紋 え込んでしまった。手放しで喜んという用語がポピュラ 1 でない、 欠陥を是正したものである。それ 年 3 月下旬の刊行だから、でよいものかどうか あるいはそうネ 1 ミングする事情ほど周到な改革でも、効果は永続と学 も退 かなり前の話になる。「清雍正帝が職務に応じ、「廉潔をが知られないのは、不都合に思うしなかった。いわんや制度改革をか得 お取 朝の興亡」を書き綴った拙著を、養う」ための手当を一律に支給しからである。 ともなわぬ反腐敗では、ただの権 勤め先の同僚に献呈した。さっそたのだから、部下の官僚たちは、 力闘争に堕しかねない。 「反腐敗」を叫ぶが・ : くご高覧いただき、「巻措くあた ほとんどが汚職腐敗していたわけ 第四回党大会を控える中国共産 わざる面白さで、一気に読了しまである。まったく同僚のいうよう現代の中国・習近平政権は発足党。現政権の反腐敗キャンペ 1 ン した」と特に過分のコメントもく に「身もフタもない」言い回し、当初から、反腐敗キャンペ 1 ンをは、そうした時機にあたって何を ださった。 皮肉たつぶりの命名であった。逆励行している。「反腐敗」はいま意味するのか。「養廉銀」とそれ 書き手の冥利に尽きる話で、こ にいえば、「養廉銀」という称呼や、習近平国家主席の代名詞にすにまつわる 300 年近く前の史実 0 う言われると、多分にお世辞とわが、何よりも当時の社会状況をよらなりつつある、といって過言では、いまの中国政治の行く末を占斉 くあらわしている かっていても、つい自慢したくな はない。習近平政権が発足した中うにも、有効な参照軸となるはず。経 る。うれしさあまっての一文、ま雍正帝の改革、それにまつわる国共産党第絽回党大会のあった 5 それを専門家の独占にしているの煉 たまたお見苦しい次第、どうかご史実関係、あるいは「養廉銀」と年前は、いわゆる「薄煕来事件」は、いささかもったいない、と思週 海容くださりたい。 いう用語は、わが中国史学では、 など、問題が明るみに出た時期でう次第である。 7 震の論 The Logic of History 東アジアと日本の運命
0 0 背′・爺 d 5 『人生に消しゴムを使わない生き方』 を書いた 皮膚科専門医 岩本麻奈氏に聞く のが多いのに対し、フランスは理の答えが返ってくる。自分の人生 0 大医ラ学をの 科学フヰ大ど業 0 医大南 8 な企 において親を選べない。性別も国 系、文系にかかわらず、薄い線が 女皮リ医恠 あったりもしない。小学校のとき籍も選べない。学校の先生の良し済 京応硎容パ防化る 東慶で美。予・め ・。室で得・薬務 から白紙を体験しているから、動あしごときの話ではない。そ、つい洋 な業教院習法製を 東 ま卒学病を療の一 うものなのだとたたき込んでおか じないし、また記述式に強くなっ ・を科学学香州ザ と部膚大医芳欧イ ていく。いわばビジネスでのプレないと、「歪んだ平等感」を持つ。週 も学皮の化で わ医部ス老かびド ゼンテ 1 ションと同じで、場数を幼少時から自然にわからせておく。 い学学ン抗ほ学ア 踏み、失敗してもそれを怖がらなそうすれば本人も打たれ強くなる。 0 ぶ 学 失敗を逆に面白 い気質を培うことにもなる。失敗 ジ がり、また後々 には新たな発見があり、むしろそ ム方社ペ 自ら考えて自立 子コきれを面白がっているようにさえ見 し生聞 える。 していく人にな 教消い新税 のによ済十 るとの考え方だ。 すべてにおいて正解は一つで ン生わ経円 本 万人使日 はなしと ーー新大統領が 態層 体現している印 日本の試験問題はほとんどが正 実階 象です・ : 解は一つ。答えがバラエティに富 マクロン大統 むことはなく、ほかの考え方は認 のる めない これに対してフランス人 スよ領品歳。フラ ンス史上最年少 はいろいろな考えを尊重し、先生 で、れ歳の米国 自身もそれ以外は間違っていると デ歴 トランプ大統領 も試行錯誤の跡がはっきりわかる。言わない。逆に異論を唱えても論 ランス人の「正解のない問 フ フ学 とのやり取りで 題に対応できる力」はどのそのうえフランスでは答案は美し 5 理が通っていれば評価する。新た も負けてはいな ように育まれるのかパリ在住くないと減点される。万年筆によ な発想やクリエ 1 テイプな動きを むしろ彼に 年の皮膚科医が見た「人の育て方」。って美しい書体で書き、その使いたたえる。フランスではむしろバ 込みを通じ美意識がたたき込まれラバラでいい、バラバラが面白い 垣間見える「老獪さ」からは、両 者は対等だという印象を受けた。 フランス人は「人生に消しゴる。ライフスタイルにも大いに関となるほどだ。 哲学的に考える契機になるかフランスの政治家は若い時代にト ムを使わない生き方」なのですね。係してくる。 試験では白紙の答案用紙が配もしれない : ップ養成校のグランゼコ 1 ルなど 実際に「消しゴムを使わない」 られるとか 教育をしていく。万年筆を使い これでは不平等になる、先生にで鍛えられる。虚勢はなく、そう いう局面での立ち居振る舞いを口 鉛筆は使わない。間違ったことを 大学入学の国家資格「バカロレよって教える内容も採点基準も違 なかったことにしないためだ。だア」の試験にしても、基本は白紙うことになる、と不満が出る。こジカルに体得している。今回も自 いたい鉛筆書きではないからきれの答案用紙に書き込む。日本のテれに対しては、世の中において不身の言いたいことを相手にうまく いに消せないし、修正したとしてストは択一問題や空欄を埋めるも条理は付きもの、それが人生だと言わせていた。 ブックス トレンズ フツンのれに一てかネ 人生に消しゴムを 使わない生き方 岩本麻奈