競争力 - みる会図書館


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1. 週間東洋経済 2017年8月26月号

中国競馬の実像 で族げえ馬覇 代 ( 、年 ) に、「走出去、走上た先行投資としてスポンサ 1 とな 馬古上超愛制 ( 要競蒙りにはを去」 ( 海外に進出して上を目指せ ) る競走が激増しているのだ。 念盛優氏ス 記、をを林一 と官民企業の海外進出が奨励され 年から中国では初の「常規賽 年 2 馬人郎レ 周 - 〕競万る大 0 事ノ ていた。これに乗り、莱徳馬業は ( 定期開催競馬 ) 」を科右中旗で始 、 3 あの 立れれ員で球 馬産が経済の大きな柱であるニュめた莱徳馬業は、年からその舞 1 ジ 1 ランドで現地法人を設立。 台を 2000 キロ麕以上南の雲南省 走が収風 , こ競楽 ニュ 1 ジ 1 ランドで購入した馬の昆明市に移している。同市では年 幃 1 頭、モンゴリアンカ 1 ン ( 中国間回と通年で競売の開催が可能 手り競競馬 騎乗徳国丿賽 名】蒙古可汗 ) が年のニュージだからだ。 こ国曲莱中陸 ( 外の生ン ( 1 ランド・ダ 1 ビ 1 、そしてオー 莱徳馬業の目は海外に向き始め 月 は独たるのしストラリア・ダ 1 ビ 1 を連覇。した。国際騎手招待竸走の翌々日に かもモンゴリアンカ 1 ンは、開かれた「馬産業論壇」には雲南 馬好きが高じて同省長春市郊外で農牧民に貸し出す。 253 年の肥年と 2 年連続でニュ 1 ジ 1 ランド省政府関係者だけでなく、隣接す 馬術クラブを経営中に、科右中旗育の後に農牧民は馬を売却し、政年度代表馬に輝いた。 るラオスからも地方政府幹部が出 政府から馬による地方振興を持ち府に馬の代金を返還するというの この活躍ぶりに、中国富豪が目席した。「内モンゴルから雲南、 かけられ創業した。以降、競馬に がビジネスモデルで、草竸馬を編をつけた。中国国内では馬券発売 ラオス、タイまで一帯一路を馬で 加え在来馬との種付けを含む馬生成したのはこのモデルの拡大再生が許されす高額賞金を望めないこ結ぶ」。 産と育成、飼料生産販売などを中産を図るためだった。 とに不満を募らす馬好きの富豪の 中国・ラオス国境に観光特区と 心とする一大企業を築いた。 しかも、このモデルは国策であ多くが海外での竸走馬購入に殺到。して一大リゾ 1 トを開発し、その 「この地を選んだのは蒙古族のる「扶貧 ( 貧困解決 ) 」に見事にしかし、モンゴリアンカーンをし中心に競馬を据える 郎氏や 比率が % と高く最も貧しかった合致、国営企業幹部であった郎氏・のぐ成績を残した馬はまだ出てい ラオスの地方政府関係者、タイ最 から」。自身も少数民族の満洲族の状況判断が確かなことがわかる。ない 大の華僑系財閥、そして中国政府 である郎氏は言う。国際騎手招待国策との合致は、「民退国進 ( 国莱徳馬業はこの 4 年間で、 10 系金融機関代表が論壇でその計画 競走の後には在来の蒙古馬とサラ 営企業の強大化 ) 」が進められて 00 頭以上のサラブレッドをニュを語った。言葉には出なかったも プレッド混血の半血馬の競走が現 いる中国で民間企業が生き残る唯 1 ジ 1 ランドから輸入。今回の国のの、目下最大の国策である一帯 っム 地農牧民によって行われた。これ一の道でもある。 際騎手招待競走にはサラブレッド路が国境を越えた向こう側には、 7 が馬券のない竸馬を下支えしてい 商社のニュ 1 ジ 1 ランド・プラッ中国国内では許されていない馬券 「走出去、走上去」の るのだ。莱徳馬業は自ら競走馬を ドストックなど、海外企業がスポ発売の解禁の夢がしつかりと描か済 成功モデルの一つ 生産、地元農牧民が所有する蒙古 ンサーとなっている。現在の中国れていた。 洋 東 馬にも種付けして、この地では年莱徳馬業は海外でも成功を収め、竸馬は登録料を馬主が取り合う原 間 3000 頭のサラブレッドと半これが競馬好きの中国富豪の目を始的な形態が原則だが、海外から 週 たかはし・まさはる・ 1960 年生まれ。 早稲田大学在学中に中国留学。東京新聞か 血馬を生産している。そのほとん海外に向けさせた。 のサラブレッド輸入が急増し、外 らテレビ朝日で台北支局長、サンデープロ どを地方政府が一括買い上げして 胡錦濤国家主席・温家宝首相時国の競り会社などは将来を見越し ジェクト・チーフディレクターなどを経る。 9

2. 週間東洋経済 2017年8月26月号

ds: E 6 2017 ニッポン 農業改革元年 朝かる ! / 特別広告企画 「農業競争力強化支援法」成立 「農業競争力強化支援法」が 5 月に成立した。肥料や農薬など の資材調達や流通といった聖域にも言及し、大胆に改革を促す。 就農者の減少と高齢化、一方で増える耕作放棄地など、閉塞 感が漂う日本の農業に風穴を開けることができるか衆目が集ま る。敏感に反応しているのが℃ T ( 情報通信技術 ) や AI ( 人 工知能 ) 、新しい栽培技術で参入する企業だ。テクノロジーが " 儲 からない " といわれ続けた農業を 180 度転換しようとしている。 制作 MGT

3. 週間東洋経済 2017年8月26月号

「農業競争力強化支援法」成立 2017 ニッポン 農業改革元年 特別広告企画 りま 造になっていたわけで 農業競争力強化支援法は、 農業資材の価格の引き下げや販路・土地・人材が 農産物流通の合理化などに 農業参入企業の壁 よっ農傷を安く作って高 く売れる環境を整 & 農業を 日本の農業の新たな担い 競争力のある産業にすること手といえる民間企業の参入 、を狙いとしていま 状況はどうですか。 ただし、すでに農産物の流三輪日本では、すでに 20 通については、法律の後押し 00 社以上の企業が農業に参 を待たす新しい動きが活発入していま成功している企 儲かりにくい構造をになりつつありま農業に業は、垂直統合型と地場密着 参入した民間企業や創意工夫型の大きく一一つのタイプに分け 根本から変える に富む農業法人が、卸売市場られま ここ数年、国は農業のを介さずに小売業や外食垂直統合型とは、大手 構造改革を進めています。チェーンと取り引きしたり、 ( 総合スーパ↓や外食産業 5 月にはいよいよ、農業競ネット通販や宅配で直接消費といった農作物の需要家自身 争力強化支援法が成立し者に商品を販売したりといつが農業に参入するタイプで亥 ました。 たものがそれに当たりま農作物の生産、加工、流通、 三輪日本の農業は生産資材こうし又従来の卸売市場販売というバリューチェーンを の調達費が高く、また流通経を軸とした流通システムは、自社で担い、消費者に対して 路にさまざまな中間業者が介徐々に時代にそぐわないもの自社農場で栽培した安心安全 在するため、高コスト体質が続になりつつありまこれは世な農傷を提供できま亥 いてきましま農業従界的な傾向でオランダで一方、近年増えてきているの 事者が生産した作物を、農協は ( 情報通信技術 ) をが、鉄道会社やガス会社など などが一括で集荷して卸売市活用した生産者と需要者の直の地場密着型の企業による農 場に出荷する共選の仕組みで接取り引きが主流となり、多業参入でこうした企業は、 農業を守ってきました。一方でくの品目で卸売市場が不要にもともと消費者と接点があ 農業従響にとっては、攘のなりました。日本でも既存のり、直販ビジネスを行いやすい ある作物で個性を発揮するこ仕組みが変化し、企業が農業強みを持っていままた地元 とが難しく、高いコストと安いに参入しても、きちんと利益のスーパーや食品加工会社と 売値によって利益が出にくい構を上げられる環境が整いつつあパートナーシップを結び、あら 守りから攻めへ。 今こそ農業を儲かる産業に 4 大胆な変革で 日本の農業を競争力のある産業にするため、いま政府による農業改革が進められている。 この 5 月には「農業競争力強化支援法」が国会で成立、日本の農業はいよいよ守りから攻めへと転じる。 これから日本が進むべき農業の方向性、そして農業ビジネスの可能性について、 日本総研で農業ビジネス戦略の策定に携わる三輪泰史氏が展望する。

4. 週間東洋経済 2017年8月26月号

深層リボート 中国競馬の実像 この日、「 " 一帯一路。国際騎手 招待競走」と銘打った 5 レ 1 スが 、冫行われ、オ 1 ストラリアやニュ 1 済 ジーランド、南アフリカ、日本か洋 東 ら騎手 7 人が遠征して出場。競走 は莱徳竸馬場所属の地元騎手と騎週 乗馬とで行われたが、日本代表の 7 千田洋 ( 東京大井竸馬 ) 、藤井勘 0 郎 ( フリ 1 ) 、オ 1 ストラリア とニュ 1 ジ 1 ランド代表がそれぞ れ 1 勝。地元騎手との技量の差を 際立たせた。「馬は調教によって まだまだよくなると思、つ。しかし レベルは考えていたより上だっ 市 た」「競馬場、スタンド、観客の 多さは想像をはるかに超えてい . 券発売が禁じられる中国のた」。中国競馬は初体験の日本代 第競馬が、いま変貌を遂げよ表騎手 3 人はロをそろえた。 うとしている。その主役を担、つの 国策「扶貧の一環 は、中国国内の富豪たちだ。彼ら 民間企業唯一の生存法 はサラブレッドを大量に輸入して 今回の「国際竸馬文化観光週 自ら競馬を開催。「反腐敗」で引 き締め一方の習近平体制の下で、間」は、内モンゴル自治区成立 周年を記念して共産党地方委員会 中国独自の競馬を模索している 「吹呀、五星紅旗呀 5 ! 」 ( ああ、と地方政府が主催した。だが、竸 中国国旗だ ) 。 3 万人以上の観客馬開催の一切を取り仕切るなど、 から驚きと喜びの声が上がった。実質的な主催者は、 2006 年に 創立され、竸馬場の別称ともなっ ジンギスカン廟がある内モンゴル ウランホト 自治区烏蘭浩特から高速道路で約ている「莱徳馬業集団 (Rider ホルチン 2 時間、科爾沁右翼中旗 ( 科右中 Horse Group) 」。その総帥が郎林 旗 ) の莱徳竸馬場で 7 月 6 日から氏 ( ) だ 郎氏は吉林省の国営企業幹部か 4 日間開催された「国際競馬文化 ら独立して始めた飲食業が成功 観光週間」の初日のことである ア 5 ホルチン 右翼中旗 内モンゴル自治区 フフホト市 「資本主義の尾」として断罪され姿を 消した中国競馬が馬券のないまま復活 しようとしている。内モンゴル自治区 から中国競馬の行方を見た。 著述家・高橋政陽

5. 週間東洋経済 2017年8月26月号

GOBALEYE 保護主義で雇用は守れるか ? 国境なき世界経済の現実 ード大学教授 2 0 済 - , もメキシの雇用と同じくらい犠洋 東 牲にをる可能性がある。高関税に バ教権調 よるコスト増はもちろん、値上げ週 日ハ学野ま - 。 済一により消費者にツケが回される。 「四学際 1 済長一貿易がナ 1 ビス分野にも浸透し 四大国経局 ケネス・ロフ米ハー ていくことは間違いない。たとえ ば米アマゾンが運営するメカニカ ルターク ( 人間が中に隠れていた コ 1 ルセンタ 1 業務の相当部分は 0 人超の雇用、あるいは米国が 用の劣化を心配する米欧の 政治家は、アジアの途上国すでに自動応答システムに置き換必要する 200 万人の雇用に比 絽世紀のチ = ス対戦ロポットにち , たら、焼け石に水である なんだ名称 ) は、プログラミング が直面する、より大きな問題に目わっており、単純なプログラミン など人力で行う細かな作業を、途 を向けたほうがいい。世界の賃金グ業務でのインドの竸争力は失わ 中国による鉄鋼の不当廉売に対上国並みの低賃金で発注可能にし を押し下げる巨大な圧力となりかれつつある。 ねないからである。インドの 1 人 中国はインドに比べれば、はるし、米欧が対抗措置を取ることはた新たなプラットフォ 1 ムだ。 配車サ 1 ピスの米ウ 1 バ 1 か明 当たり賃金は米国の約川分の 1 だ かに都市化が進んでいるとはいえ、十分正当化できる。だが、歴史が らかにしたよ、つに、この種のオン いまだに毎年 1000 万人が都市証明するように、保護主義がピン が、そこでは年間 1000 万人以 ラインサ 1 ビスには規制が必要だ。 へと流入を続けている。自動化でポイントの政策に限定されること 上が農村から都市へと押し寄せ、 路肩でチャイを売る仕事を見つけ雇用が失われ、低賃金の仕事がべは、まずない。多くの場合、恩恵だが、インドや中国が抱える雇用 ることすらおばっかない。コンピトナムやスリランカといった競合を受けるのは政治に近い一部であ問題は巨大であり、サ 1 ビスの輸 ュータブログラマ 1 となれば、な国に流出する中、雇用問題への対り、ツケを支払うのは消費者だ。出を先進国が取り締まれると思っ 国際競争からの遮断が行きすぎれたら、勘違いも甚だしい。 おさらだ。アジアの雇用不安は、処は一段と難しくなっている では、この問題にどう対処すべ ば、その国は競争力を失い、雇用 問題をいっそう複雑にしたのが、 米欧の比ではない。 きか。人々が頻繁に、時として劇 インドは、日本が先鞭をつけた最近の保護主義の高まりだ。これや経済成長も打撃を受ける。 西側経済はグローバルなサプラ的に職を変える世の中においては、 輸出主導型の経済を目指すべきなを象徴するのが、米アップル製品 主にオンライン学習を通じた社会 の製造を請け負う台湾フォックスイチェ 1 ンに深く組み込まれてい のか。自動化で製造業の職が減っ ていくとしたら、その結末はどうコンが行った、総投資額 100 億る。米トランプ政権ですら、北米人教育の抜本改革が欠かせない なるのだろう。 ドル ( 約 1 兆円 ) の米ウイスコンシ自由貿易協定 (Z<*<) から所得再分配の強化も必要だ。トラ ンプ大統領が信奉するような、人 もちろん、先進国では人口の 8 ン州での新エ場建設という決断だ。の脱退計画を見直さねばならなか った。メキシコからの輸入品の中気取りの伝統的保護政策は、これ これによって米国にもたらされる 割がサービス業で働いているし、 サ 1 ビス部門の業務受託でインド雇用は 1 ・ 3 万人。インドや中国身は相当部分が米国製であり、高までも有効ではなく、今後さらに 国際的なが毎年創出せねばならない 200 い関税障壁を築けば、米国の雇用ひどい結果をもたらしそうだ。 は世界トップだ。だが、 1

6. 週間東洋経済 2017年8月26月号

・。 - わラン、地名はな 0 、。サンフラ シス当 ンシスコを含む一帯か、 、・、 - 産業的な意味でのシリ コンヾレーエリアと見 そ・よい 日本企業が シリコンバレーで 「蚊帳の外」に置かれるワケ 米スタンフォード大学アジア太平洋研究所研究員の櫛田健児 日本企業の経営トップが現地訪問 、′シリコンバレーは、革命 サンノゼ することも珍しくないが、多くは戦 を先導しさまざまな産業を激 略的な目的を持たず、あたかもサフ 変させた企業の集積地だ。日本企業 たのが、スタートアップ企業との協 アリバークを見物するように純粋に も近年、同地で活動を活発化させて 視察だけして去っていく。プレゼン 業や買収を活用して先端技術を短期 いる。新しいテクノロジーとそれを 間で取り入れビジネスモテルを変え 使ったビジネスモデルを学ばうと、 テーションのスタイルも不評だ。日 られる、・オープンイノベーションだ。 業種を問わず駐在員を派遣している。 本人が何十枚ものスライドを 1 時間 もかけて読み上げる姿は、 5 分で自 だがこの動きと裏腹に、「日本企業 一方、日本の製造業は長く競争力 には時間を割く価値がない」と考え を維持したから、そこに強固な文化 社の強みや他社との違い、ビジネス るスタートアップ企業が増えている。 かオ艮付いた。終身雇用と年功序列の にかける情熱を伝え尽くすことで鍛 え上げられたシリコンバレーのスタ 最大の理由は、「ティクばかりでギ 世界で、大企業と系列の中小企業と プがない」ことだ。注目度の高いス ートアップ経営者には理解できない。 の間に上下関係の力学が強く働く。 他社、特に小規模な企業とギブ・ア タートアップには、日本企業からの スタートアップは投資家から得た ンド・ティクする関係はまれだ。 訪問の申し込みが殺到する。スター おカネを燃料にして、一刻千金の思 トアップの経営幹部は当初は「日本 いで成長を模索している。ビジネス 誤解してはならないのは、日本企 の大手企業との取引実績ができる」 につながらない情報交換や表敬訪問 業がすっかり強みを失ったわけでは と期待し、喜んで会う。だが日本人 は、時間の浪費以外の何物でもない。 ないということだ。シリコンバレー 駐在員の目的はあくまで情報収集。 では近年、ハードウェアが再評価さ 日本企業に残る強み どんなに話が弾んでも、取引を始め れている。電気自動車と自動運転で る権限をそもそも持たない。話を聞 世界の自動車業界に急速な激変をも シリコンバレーはもともと、半導 くだけ聞いて、その後のビジネスに 体産業の集積地だった。だが 1980 たらしているテスラが、優れたバッ まったくつながらないことが多い。 年代になると、飛躍的に競争力をつ テリーを造るパナソニックと深い協 けた日本企業が世界の 業関係を結んでいることは好例だ。 スタートアップが求めるのはおカネ 同業を駆逐してしま の投資だけではない。信頼できるサ う。この競争に適応し プライヤーや共同開発のパートナー て打ち勝っすべとして となることも、日本がギブできる要 シリコンバレーの企業 は、フアブレス ( 工場 素だ。まだ残る強みを意識し、日本 を持たず、外部に生産 流の行動様式を改めれば、シリコン を委託する ) メーカー バレーを活用して大きな価値を生む ことは必ずできる。 というヒジネスモテル を作り上げ、ソフトウ 主アで付加価値を生む ことに活路を見いだし た。この過程で根付い 日本企業はだから嫌われる スタートアップ企業に対し メ「これを提供したい」という 視点がない メ 表敬訪問ばかりで、ビジネスに つながる議論をしない 的を射ていないプレゼンで、 相手の時間を浪費する メ 物事の判断に時間がかかる ( 出所 ) 本誌作成 くしだ・けんじ・ 2001 年スタンフォード 大学卒業 ( 経済学および東アジア研究 ) 、 10 年にカリフォルニア大学バークリー校 で政治学博士取得。 201 ス 9 , 、週刊東洋経済 60

7. 週間東洋経済 2017年8月26月号

ドリームチームは ン マ 巨人をどう変える キ の まる。 ヨタ自動車が 2016 年 1 月に米シリコンバレ 1 にル双 ュ トヨタがに力を入れるの 立した研究子会社、トヨタ・リサは、 2020 年代にも本格化するイ 1 チ・インスティテュ 1 ト ()x 自動運転社会を見据えてのことだ。 ン —) は、 <—とロポティクス研究自動車業界は現在、 110 年前の イ のドリ 1 ムチ 1 ムだ。 量産車・型フォ 1 ド誕生以来の ・所長にはギル・プラツ大きなパラダイムシフトを迎えて一 ト氏が就任。以前は米国防総省で いる。内燃機関の能力や走行性能ル ロポティクスを研究していた をめぐる競争から、人の手を離れ外 研究の第一人者だ。そのプラットなどを使い、誰でも快適に移ョ 氏を慕って、世界的な研究者が動できる手段やサービスにできる 続々と集まっており、現在の研究かが問われ始めている。 者数は 200 人に上る。今後さら プレ 1 ャ 1 もグーグルなどの異 に慎重な考えを社内に抱えたまま 先行する同業他社 に 250 人まで増やす計画だ。 業種や米テスラのような新興メ 1 だ。技術担当の伊勢清貴専務役員 アウディはレベル 3 カ 1 が台頭し、従来の戦略は必ず 優秀な研究者をめぐっては、 は「自動運転の定義はメ 1 カ 1 間 世界の企業や研究所間で激しいリしも通用しない。豊田章男社長は ただ、自動運転やの世界でで幅がある。自動運転はドライバ クル 1 ト競争が繰り広げられてお「競争相手とル 1 ルが変わろうと はトヨタの存在感は薄い。独アウ 1 が何もしなくてもいいという誤 り、プラット氏にも米グ 1 グルかしている。建設的破壊が必要だ」ディは 7 月、条件つきながら世界解や過信を招かないよう、注意深 ら誘いかあったよ、つだ。トヨタは と指摘する。テスラとはかって電初となる「レベル 3 」 ( 緊急時を除く扱う必要がある」と話す。先日 「自由にやってほしい」と大きな気自動車を共同開発したが、価値き、運転を車に任せる ) の自動運発表した高級車「レクサス」 権限を付与。投資額も 5 年間で川基準が違うなどの理由で、昨年末転車を発表。欧州の他社も完全自には自動運転技術が一部搭載され 億ドルと巨額を確保した。現場の研までに出資をすべて引き揚げた。動運転車の量産時期を公表してい 、それも高度運転支援技術と 究者にとってはトヨタが持っビッ 一方で画像処理半導体・大る。国内では日産自動車が高速道 いう表現にとどめている。世界か グデータも大きな魅力である。ト手の米エヌビディアと 5 月に提携。路の単一車線での自動運転が可能ら集めた頭脳を、製品と収益に結 ヨタは世界で年間約 1000 万台設立を含め、自前主義が強なミニバンを昨年投入。にび付けられるか。戦略の成否が明 を販売しており、川年かければ約かった従来のやり方を大幅に見直も拡大するなど市販車で先行する。らかになるのはこれからだ。 1 億台から膨大な走行デ 1 タが集しているのは事実だ。 これに対し、トヨタは自動運転 ( 本誌【冨岡耕 ) トヨタ = 自動車 0 TOYOTA Toyota Research lnstitute 1 シェームス・カフナーライアン・ユースティスジョン・レオナルド CTO ( 最高技術責存者 ) 自動運転担当 米カーネキー・ロン大学教マッピング技術の専門家。ロポティクスの専門家。 授 , クー " ルロホティク米ミシガン大学教授 ス事業元担当者 ギル・プラット CEO ・所長 劑研究の世界的第一 人者。米 DARPA で自 動運転の A 陸研究 2017.8.26 週刊東洋経済 58

8. 週間東洋経済 2017年8月26月号

SC の憂鬱 ー有力テナント企業のアダストリアが警鐘 セールの乱発がテナントの首を絞める 存のショッピングセンター 巻き込まれず差別化するには、商 メにしたのは SC かもしれない。 (SC) を取り巻く環境は厳 今の売り場数を維持できなくなる 品の企画段階から一貫して手掛け る SPA ( 製造小売業 ) への転換が しい。 SC は今、商業施設として 衣料テナントが今後続出するだろ う。パワーのあるところだけが生 変わらなければいけない瀬戸際に 急務だった。服の素材を見直し、 あると感じている。 独自のスタイリングを提供するた き残っていく。 大型イヒが進み、店を見て回るだ 「Ⅱ & M 」など海外のファスト め、地道な取り組みを続けた。 けで客は疲れてしまう。そこに ネット通販の普及によりリアル ファッションが、 SC への出店を 「タイムセールだ」「夏のクリアラ 店舗がダメになる、という論理は 加速した。彼らがやったことは価 ンスだ」と、セールを乱発してい 格破壊。デベロッパーは彼らを優 必すしも正しいとは言えない。店 る。 SC のデベロッパーには、戦 遇して好立地を用意したケースも 舗を閉めるとその周辺の地域でネ 略としてではなくセールを行うこ ット通販の売り上げも落ちる。衣 あった。そのため、日本の衣料テ と自体が目的になっているようだ。 ナントが低価格競争についていけ 服は、実店舗を知らない人は買わ デベロッパーの経営者の多くは・、 なくなって疲弊した。 ない。 SC の衣料テナントが苦戦 セールをやっても以前ほどの効果 しているのはネット通販の台頭と 商社依存が招いた同質化 がないことをすでに知っている。 は別の理由があることもデベロッ 値引き前の価格を否定することは、 どの SC に行っても似たような パーはよく考えてほしい。 テナントの首を絞める。衣料をダ 商品が並んでいることも問題だ。 米国の SC 業界では淘汰が始ま り、衣料テナントを中心に大量閉 企画の段階から商社の協力を仰ぎ、 商社とつながりのある工場で洋服 店が起きている。程度の差こそあ れ日本でも弱い SC の淘汰が進む を大量生産し、似たような商品を 店頭に並べている。 ことは十分にありえる。 少子高齢化が進み、日本の SC 発注元が違っても、結局同じ工 は地域のコミュニティの場に変わ 場で作っている。その結果、商品 る。そして SC における衣料品の地 の同質化が起きた。差別化できな 位は相対的に低下していくだろう。 くなり、価格の勝負になり、低価 その中でアダストリアは新業態 格競争が激化した。 アダストリア会長兼 CEb を増やし、増床も進める。雑貨や アダストリアが狙っているのは 福田三千 飲食など周辺領域も強化していく ファストファッションより少し高 ことで活路を見いだしていく。 めの中間価格帯だ。低価格競争へ . 大学卒業後、衣料メーカを経て 71 年家業の 福田屋洋服店入社 0 93 年社長。 2015 から現職 よ 飯化をてむ減 けれ干用定当 ほ専 な持で べ 店をも 柱カ 理、 ョせ し、 く っ セ嶋す埋い し初か用 。少ネい続衣 S 舗 直高 は 月 百 る変と ッ る の ロ の商 連貨 ツな ー氏る ッ 。的料だ 撃 い婦 める と ピ C 閉 力、 いて ん っ企ら店品 と 続 S ら 少 に鎖し衣人 ロロ と オこ パ工ルは ト ン と れ今 1 夫に危 C 画宀 女舗も 提ナ と も が 子通 セグを もが 、料衣 の だて で 求がを依機もず後 ~ 衣し多けも で投 高販 イ共 セ危大続 品を協 ン 1 い 、存感出には ム年料て で実製 イ面 の す く の入 め ン惧量く 越 ト の オこ ノレ 、争化台 ら イ本一 0 三割 際吐本各 売す ァせを タす閉事伊不 、ほ ら は は の て の ゴ空 はは頭 ナす募 れと く 。れ 17 差アかは 難疲乱 る店態勢振単 しでれる 1 のを丹は価百と年別 売残よ て な 協 ン にら いも し弊発 の 、た る 1 い ウ の スた 段ゃあ ト集せだ S 色商る っ く しや会は波招な全も貨な 6 化 り ト し、 つ トテ と応る と 客る て ど体粗 つ月 る ろ な 、大の い は カゞ レ C や でに ロロ タナ激な 。進 り商量飯日押て多の利のてま ツで形だ と S っ はな で ウン化く C き め 人 品出嶋本 いく収益 ト売を 。を 力、 し いでし な し進ロ と デる ント の店 薫 シ寄る で益率益る いだら若専想 く て ね た 20 93 週刊東洋経済 20 レ .8.26 一撮影 : : 今祥雄

9. 週間東洋経済 2017年8月26月号

フォーカス政治 在任中に実現した。振り返ると、 第三の「後継候補」では、佐藤を備えているかどうかである 前外相、留任の麻生財務相、新入 3 首相とも「民意との結託」を目氏は田中氏と福田赳夫氏 ( 後に首 閣の野田聖子総務相や河野太郎外 改憲計画は民意と乖離 指し、多くの国民の隠れた支持を相 ) 、中曽根氏は安倍晋太郎元外 相らを統御・操縦して求心力を発 取り付けて現状維持派や「抵抗勢相、竹下登氏、宮沢喜一氏 ( とも 第一の「達成目標」は、言うま揮できるかどうかが課題だ。 力」と戦う道を選択した。 に後に首相 ) を競わせた。小泉氏でもなく悲願の憲法改正の実現だ ここまでの 4 年半と違って、群 第二の窮地脱出の「復元力」でも麻生太郎氏、福田康夫氏 ( ともろう。今年 8 月 3 日の改造後の記 雄割拠の後継候補が、安倍首相へ は、佐藤氏は就任 2 年後の「黒い に後に首相 ) 、谷垣禎一氏 ( 後に者会見で「スケジュ 1 ルありきでの忠誠心よりも、「ポスト安倍」 霧事件」を 1966 年暮れの衆議自民党総裁 ) らを要職に起用してはない」と語り、方針撤回、路線にらみで独自の動きを強めれば、 院解散で乗り切る。中曽根氏も田競争させたが、最後に安倍現首相転換をにおわせたが、「改憲断念」遠心力が加速し、安倍時代の終わ 中角栄元首相のロッキ 1 ド事件第を後継に指名した。 を明言したわけではない。短期決りが現実となる可能性る。 審有罪判決後、年肥月の総選第四の「解散・総選挙」は、自戦から「急がば回れ」の長期戦略求心力喪失によるレ 1 ムダック 挙と新自由クラブとの連立政権樹民党結党後、在任中に 2 回実施しに転じたのかもしれないが、「好化の危険が消えなければ、政権維 立で生き延びた。小泉氏は年Ⅱ たのは、内閣不信任案可決の大平機再来なら改憲挑戦」の構えは崩持の最後の切り札は、第四の「 2 月の総選挙で議席減、 g 年の年金正芳首相を除けば、長期政権の佐していないとみる。 回目の解散・総選挙」しかない。 未納問題噴出、 7 月の参院選不振藤、中曽根、小泉の 3 氏だけだ。 鬼の執念で政権維持を図るため 「在任中の改憲」を企図する安 と続いたが、持論の郵政民営化へ 問題は安倍首相が現在、長期政の構想力、意志、政権欲とも健在倍改憲カレンダ 1 では、当初、「現 の挑戦で息を吹き返した。 権維持の 4 鉄則をクリアする条件のようだが、問題は「安倍流改憲有の衆参の議席で改憲案発議・国 計画」が幅広い国民の隠れた支持民投票」というシナリオに基づき、 を獲得できるかどうかだ。憲法問 「絽年の通常国会で発議、夏から 題で大多数の国民が何を望んでい 秋の国民投票」というスケジュ 1 るのか、正確に把握した上で「民ルを想定していたと思われる。次 意との結託」を図らなければ、目期総選挙と国民投票との同日選も 標達成はおばっかないが、民意と視野にあったに違いない。 で 造 の乖離は大きい だが、「スケジュ 1 ルありきで 閣 直 内 第二の「復元力」は、首相自身はない」の発言で、このカレンダ ち の 1 は消滅したとの見方が有力だ。 & 日の判断や言動も含め、「 1 強」の 月増長、慢心、弛緩を克服できるかであれば、起死回生を狙った今年 た率 れ持 どうかだ。構造的な問題は根が深Ⅱ月の解散と、「常勝神話」が消済 さ支 一筋縄ではいきそうにない。 えていない肥月総選挙を、安倍首経 との 事 第三の「後継候補」対策では、相が選択する確率は高い。解散・煉 し晋閣外にいて虎視眈眈の石破茂元幹総選挙を仕掛けるだけの体力と腕週 直 安事長、政調会長に転じた岸田文雄力が残っていればの話だが。飛 5 0 0 1

10. 週間東洋経済 2017年8月26月号

BOOKS&TRENDS ーエリートだから ? 近くが希望の大学に登録できなく 隣国ドイツとは別 ? 子どもにとって親は成長の手本に 確かに彼らはすごく達者だ。日 なり、 2 02 2 年ごろまで受験者 ドイツは出生率が低いまま。フなるが、大人と子どもはしつかり 本と教育制度が違い、受験の一点が増えていく見通し。日本人から ランス女性の場合は働きながら子区別されている。これがフランス に絞って暗記に励むのではなく、 見れば悩ましいとい、つより・も、つら どもを産み育て、それが好循環にの成熟した大人文化を作り出す。 ハカロレアに向けて、そして国立やましい関門だが、合格後に入学なっていて、ずいぶん違う。 カップル単位で楽しむとなれば、 行政学院 (QZ<) などグランゼする大学か少ないので熾烈さが増 同時に、フランス人の生き方文化も経済もかなり違ってくる コ 1 ルの修了までの期間に、それす。さらに上級校での進級がまた としてセンシュアリティ ( 官能志大人感覚による美的価値体系の経 なりのトレ 1 ニングが効いて特権大変で、ス 1 パ 1 エリ】トや大人向 ) を評価されていますね 済形態が官能経済なのだ。 的なキャリアに育っていく。 気の医学部などの試験のあり方に フランスは男女のカップル ( 対愛が人生の中で一番だと、高ら 階級社会であるようですね ついて「ぜいたくな悩み」の論争になる他者 ) の文化を軸に考えるかに唱える。最初にアム 1 ルあり しつかり残っている。平等とは が盛んだ。 国柄。「成熟した大人文化の国」きと。だが、それは必ずしも男女 神の前クにおいてであって、そ であり、子どもに 間の愛でなくても、 しい 2 年近く の橋渡しをするのが学歴との見方 とって大人はあこ 前の同時多発テロ発生時にパリに 官能志向が演出する だ。実態は学歴による「階層社 がれの存在である いたが、メディアも現場も愛を確 会」。実際、一握りのス 1 パ ものの、決して甘かめ合う人々であふれていた。人 成熟した大人文化 リ 1 トか国際的舞台に立って、国 やかしてくれない 生が突発的に終わることの不条理 民を牽引している。この階 に対する思いやり。そこに尽きる 層社会においては、頂点に ようだ。愛を伝え合、つ。フランス いるエリ 1 ト層とそれ以外 人はいつも意識して、ロに出して との間に、持てる富と名誉 表現する と権力について隔絶した差 フランス人の人生観の根底に がある。それはほば学歴に 、センシ、アリティが流れていると。 よって規定される。そして 官能より「感悩」と表現するほ 彼らは国家の手によるス 1 、つかしつくりくる。つねに自他共 ハーエリ 1 ト育成の教育シ に、い地よくなることを心掛ける。 ステムから輩出されている 似た言葉にセクシュアルがあるが、 & のだ。 この場合、男女とも色気が伴う。 0 それだけ競争は熾烈 もっと深く複雑で、それを混ぜた済 ハカロレアは 1 科目点 ような感覚がセンシュアリティ。経 満点で、試験時間は 4 時間 大人の魅力といっていい。センシ凍 飲み物や食べ物の持ち込み ュアリティを日本語文学でいえば、週 は可能だが、音の出るモノ 陰翳礼讃のイメ 1 ジだ。 はダメとか。近年は 8 万人 ( 聞き手・本誌【塚田紀史 ) 0 いんえい