「お兄ちゃん。なぞなぞのこたえは、もしかすると、イルカじゃない ? 灰色 かたち で、かんたんな形をしていて、心のなかに美しいものをもっている : 「石のようにかたく、っていうのは、どうなるんだい ? イルカのからだは、 なめらかだし、そんなにかたそうじゃないよ」 「そういえばそうねえ」 とお そのうちに、イルカは、からだをひるがえして、遠ざかっていった。 「待って ! 行かないで、スーキー ! 」 アニ 1 が呼んだが、イルカたちはもどってこなかった。 カえ 「ばくたちも、そろそろ帰ろう」 こころ うつく ししろ
と ジャックは、息が止まりそ、つになった。 お そのなにかが、海の中からからだを押しあげてくる 大きな、ツルツルした生き物だ : お ( ああ、とうとうサメに追いっかれた ) め うんめい ジャックは目を閉じて、運命のしゅんかんを待った。 しかし、なにもおこらない。 め あ ジャックはおそるおそる目を開けた。 めまえ ひか いろあたま イルカだー 目の前。 」こ、ツルツル光る灰色の頭があった はなさを一 お イルカが、鼻先で、ジャックのからだを押しあげてくれていたのだ。 こ、ん イルカが、キーキ 1 と、うれしそうな声をあげた。 「わあい ! 」アニーがさけんだ。 っレ」、つ み せ 見ると、アニ 1 は、もう一頭のイルカの背ビレにつかまっていた。 およ 、刀い、カん アニーのイルカが、海岸をめざして泳ぎはじめた。 おお うみなか もの 0 亠ま 0 ・・・・ SOS ! 海底探険
けんだ。 「あっ ! イルカだわ ! 」 め に A ) 、つ せんすいてい ジャックが目をあげると、二頭のイルカが、潜水艇の窓に鼻をつけて、中を めわら のぞいている。なんだか目が笑っているようだ。 おも わら ジャックも、思わず笑いだしてしまった。 「ばくたちのほうが、イルカに見物されてるみたいだよ」 「きっと兄妹よ。あっちが妹のスーキ 1 、こっちがお兄さんのサムよ」 「ほら、またはじまった ! 」 どうぶつ アニ 1 は、気に入った動物に、 かってに名まえをつけてしまうくせがある 「スーキ 1 、仲よしになりましよう ! 」 む じぶんはなお アニ 1 は、ガラスの向こうのイルカの鼻先に、自分の鼻を押しあてた。 「やれやれ」 くちあ くびじようげ イルカが、ロを開けて、首を上下にふっている。よろこんでいるみたいだ。 きようだい 」もうと けんぶつ はなさき ま ど は な なか 0 ・・・・ S 〇 S ! 海底探険
「でも、そうしたら、あんなおもしろい冒険はできなかったわ」 ば、つ、け・ん 「おもしろい冒険 ? タコにつかまったり、サメに追いかけられたのが、おも しろかった、って一一一口うのかい ? 」 「お兄ちゃん、イルカたちのことをわすれてない ? 」 「そうだな。あれはおもしろかった」 おも えカお ジャックは、思わず笑顔になった。 おもで たの イルカたちのおかげで、すべてが楽しい思い出になったような気がする おも しんじゅ かち 「あのイルカたちは、真珠よりもずっと価値があると思うわ」 : サムは、いまごろ、ど、つしてるかな」 「そうだね。 「あら、いま『サム』って言ったわね。お兄ちゃんたら ! 」 「ちょっと言ってみただけじゃないか。 アニ 1 にからかわれて、ジャックは、すこし赤くなった。 ば、つ。け・ん あ
おきむ およ んどは、沖へ向かって泳ぎはじめた。 げんき 「スーキ 1 ! サ 1 ム ! 元気でね 1 ! 」アニ 1 が、さけんだ。 たす 「助かったよー。どうもありかと、つ ! 」ジャックも、さけんだ。 みず に A 」、つ く、っちゅうたか 、ヾツンヤ 1 ンー と大きな水し 二頭のイルカは、空中高くジャンプすると およ すいちゅう ぶきをあげて、水中にもぐり、また、ゆうゆうと泳いでいった。 ジャックとアニ 1 は、笑って、拍手をおくった。 およ 「あんなふうに、泳げたらいいのになあ」 ジャックがつぶやいた。 なみ ふたりは、波うちぎわで、どんどん小さくなるイルカたちのすがたを見おく った。 イルカが見えなくなると、アニ 1 がしみじみと言った。 「もっといっしょに、あそびたかったわ」 み わら はノ \ しゅ ちい おお み ・・・ SOSI 海底探険
じぶん ジャックも、自分のイルカ の背ビレにつかまった。 二頭のイルカは、マジッ ク・ツリーハウスのあるサン しようしまむ ゴ礁の島に向かって、力強く すす 進んでいった。 なそなそのこたえ たいよう なんごくあか 海面が、南国の明るい太陽 をあびて、ダイヤモンドのよ うにキラキラ 0 ている かいめん ちからづよ 0 。 0
あさなみ アニ 1 も、浅い波うちぎわで立ちあがった。そして、イルカのからだに両腕 をまわして、ギュッとだきしめた。 「ありがとう、ス 1 キ 1 ! 」 はなさき そう一言うと、イルカの鼻先にキスをした。 な ス 1 キ 1 は、頭をのけそらせると、キーキ 1 と、うれしそうに鳴いこ。 「お兄ちゃんも、サムにお礼のキスをして」 あたま はなさき すると、サムが鼻先でジャックの頭をつつき、両方の腹ビレを、ジャックの 肩にのせてきた。 あたま うで ジャックは、しかたなく、イルカの頭に腕をまわすと、すばやくキスをした。 こ、ん あたま サムも、頭をふりふり、キ 1 キーとうれしそうな声をあげた。 それから、スーキ 1 のほ、つをふりかえり、二頭でことばをかわしていたが、 あたま おも む ジャックとアニーに向かって、おじぎをするよ、つに頭をふったかと思、つと、こ あたま りようは、つ りよう、って
「助かった : ・ あん こころそこ ジャックは、心の底から安 しん 、いした。 あんせん イルカが、ふたりを安全な 場所まではこんでくれる。も しんばい 、つ、い配することはない。 しようちか サンゴ礁に近づくと、イル 力はスピ 1 ドを落とした。 あし ジャックが足をおろすと、 あし ゴッゴッしたサンゴに足がと どいた。 ジャックは、イルカから手 をはなして、水中に立った。 たす すいちゅう
イルカの兄妹 どっちを向いても、魚、魚、魚。 、つ 、刀い、、つ ゆらゆらゆれる海草の上に浮かん しろすな でいるもの、海底の白い砂をつつ いているもの、サンゴのくほみか かおだ ら顔を出しているもの : サンゴにも、いろいろな色かあ かたち り、さまざまな形がある。人間の てかたち おうぎひろ 手の形をしたもの、扇を広げたよ しかつの うなもの、鹿の角、レタスの葉っ ばや、キノコのかさ、立ち木のよ かたち うな形のものもある。 力いてい きようだい さかなさかなさかな 、つ、ん にんげん いろ
マジック・ツリーハウス 5 もくし エス・オー・エス ! かいていたんけん 〔第 1 話〕 (J)O (D ! 海底探険 マスター・ライプラリアン試験 : ・ : : 一つめのなそなそ・ 海底探険・ イルカの兄妹 .3 ふきみな目 4 .8 お化けタコにつかまったー 4 4 潜水艇からの脱出・ 0 追いっかれるー なそなそのこたえ・ ほんとうに価値あるもの : せんすいてい ひと かいていたんけん お きようだい め かち だっしゆっ しけん