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検索対象: [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊
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1. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

フレンチ・クオーター ちく ろめんでんしゃ しばらくすると、路面電車はにぎやかな地区にはいってきた。 「ばうやたち、このあたりがフレンチ・クオーターだよ」 うんてんしゅ こ、ん か、ん 運転手がふり返って、ジャックたちに声をかけた。 ていりゅうじよ どお がわむ 「つぎの停留所でおりて、セント・ピーター通りをミシシッピ川に向かって歩 ひろば けば、じきにジャクソン広場だ」 「わかりました」 おんがく ジャックは、ニュ 1 オーリンズの音楽の本を袋の中にしまい、アニ 1 はトラ でんしゃていりゅうじよ ンペットを手に持って、電車か停留所に着くのを待った。 うんてんしゅ ろめんでんしゃ 路面電車が止まった。ふたりがおりるとき、運転手が、右手をあげて言った。 「嬢ちゃん、トランペットがんばってな ! 」 がんばるわ ! 」と、アニーがこたえた。 「ありかと、つー じよう ほんふくろなか みぎて ・・・・・嵐の夜の幽霊海賊

2. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

をそのそばにおいて、ふたりはバナナを取りにいった。 ふさ ジャックとアニーがなんとかバナナの房を持ちあげたのを見て、ディッパー ある ひと ふさ が歩きだした。そのあとを、ふたりが一つの房をかかえて、よろよろとついて ふね さんばしけんえきじよ けんさかん ふね 船をおり、桟橋の検疫所でバナナを検査官にわたして、また船にもどる。そ なんかい かえ れを何回もくり返した。 ハ \ ら たいようしす ビルのむこうに太陽が沈みはじめ、あたりかうす暗くなってきた。 ある あせめ ジャックは、まともに歩けないほど疲れてきた。汗か目にはいり、しよばし 、つでば、つ よばする。腕は棒のようだ。 おも ( ディッパ 1 は、いつまで運ぶつもりだろう : : : ) と、思っていると、 、さよ、つ 「よし。今日はこれで終わりにしよ、つかーと、ディッヾ ノーが一一一口った。 そのときだった。 ふさ ハナナの房のあいだから、大きなドプネズミか飛びだしてきたー おお つか

3. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

→アイツヾ ノ 1 か、アニ 1 に向かって言った。 しつか聴かせてくれよ。それから、テディとキャスリ 1 ンに、 「そのラッパ、、 おれからよろしく ある ディッパ 1 は、ふたりにウインクをすると、手をあげて歩いていった。 「あっ、待って、ディッパー ジャックが呼びとめると、ディッパーは肩ごしにふり返って言った。 「おれ、いそいでるから。じゃ、またいっか ! 」 ディッパ 1 は、もう一度手をあげると、こんどは走っていってしまった。 かおみあ ジャックとアニ 1 は、顔を見合わせた。 やつばりだめなのかな : : : 」と、ジャック。 「ど、ど、つ 1 ) よ、つ : かお するとアニーか、キッと顔をあげた。 「お兄ちゃん、あきらめちゃだめよ ! 追いかけましよう ! 」 そう一言、つと、アニ 1 は、ディッパ 1 のあとを追って走りだした。 いちどて かえ 8

4. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

ひろ みせそと あげたてのド 1 ナツのいいにおいか、店の外まで広がっている 、おいしそうだな」 「ああ、ド 1 ナッ : ジャックは、ますますおなかかすいてきた。 くび みせおんがく へん 「でも、変よ」アニ 1 が首をかしげた。「このお店、音楽が聞こえないわ」 こ、ん 、つ、ん、カ 4 ん みせなか 店の中へはいり、テープルの上を片づけているウェイターに声をかけた。 「すみません。ここに、ルイ・アームストロングーー・ーっまり、ディッパー かお 言いおわらないうちに、ウェイタ 1 がけわしい顔つきでふり返った。 「おまえたち、客じゃないだろう ? 」 「あ : 「それなら、さっさと出ていけ ! 物ごいはおことわりだ ! 」 「わたしたち、物ごいじゃありません ! わたしたちはただ : : : 」 「ほくたち、ルイ・ア 1 ムストロングを : : : 」 ひっしせつめい ふたりは必死に説明しようとしたが、ウェイターはとりあわない きやく もの もの か、ん

5. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

「ディッパ 1 、待って ! 」 ふたりは、走って、ディッパーを追いかけた。 追いついたところで、ジャックが言った。 えかえまえ 、あの : 」こ、も、っちょっとだけ話を・ 家に帰る印。 「ディッパ かえ 。「バナナ運びだ」 「帰るんじゃないつぎの仕事に行くんだよ」と、ディッパ 1 しごと おどろ ぬのぶくろお 「えつ、まだ仕事するの ? 」ジャックは驚いて、布袋を落としそうになった。 アニ 1 が、息をととのえながら、申し出た。 しごとてつだ 、その仕事も手伝いたいわ」 「わたしたち : かお ディッパ 1 は、ふたりの顔をまじまじと見つめた 「おまえたち、医者にみてもらったほうかいいんじゃないか ? なんでそんな に働きたいんだ ? ほかに、楽しいことかいつばいあるだろうに」 はたら こんどはバナナ運び しゃ しごと 、も、つで はこ はなし はこ ・・・・・嵐の夜の幽霊海賊

6. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

ゆか ジャックは、ゆっくりと目を開けた。 ふくそう ふたりとも、レインコ 1 トにプ 1 ッとい、つ服装にもどっている おんがく ジャックは、『ニューオーリンスで生まれた音楽』の本をリュックから出して、 床の上においた。その横に、アニーが魔法のトランペットをおく。 かえ 「さあ、、っちに帰りましよ、つ」と、アニ 1 、も . り・ 雨がそば降るフロッグクリークの森を、ふたりはだまって歩いていった。 しばらくして、アニ 1 が言った。 「お兄ちゃん、わたし、いま、いろんな気もちよ」 「たとえば、どんな ? 」 おんがくみち 「ディッヾ ノ 1 か、音楽の道にもどってくれて、よかったっていう気もち ! 」 おも 「そうだね。ばくもよかったって思う」 でんしゃ 「それから、黒人と白人が、電車にいっしょにすわれないなんて、おかしいと あめ 、つ、ん こくじんはくじん 士ほ、つ ほん 153 ・・・・嵐の夜の幽霊海賊

7. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

ニューオーリンズ かん しめつほい、むっとするような暑さを感じて、ジャックは目を開けた。 見ると、ジャックは、、つすよごれた白いシャツのそでをまくりあげ、プカプ 力のつりズボンをはいている。リュックは、布袋に変わっていた。 アニーもおなじようなかっこうで、ふたりともはだしだ。 まえほ、つけん おも これなら、思いきり動けるわ ! この前の冒険では、 「わあい、ズホンよー ろ、つ なが 長いドレスで苦労したから : : : 」 ふく 「そうだったね。ばくも、あのきゅうくつな服とかつらには、まいったよ」 「あははは ! でも、おもしろかったわ」 わら ばうけんおも おも ふたりは、ウィ 1 ンでの冒険を思いだして、思わす笑った。 じだい 「ところで、ばくたち、いつの時代のニュ 1 オ 1 リンズに来たんだろう」 こ、んき もの、つ おと まどそと 窓の外から 、パッカバッカという馬のひづめの音や、物売りの声か聞こえる あっ しろ ゞつご ぬのふくろ

8. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

かお まどそと 顔をあげたディッパ 1 は、窓の外にふたりかいるのを見て、照れたように笑 った。 「あはは、見つかっちゃったか : : : 」 かぞく まど 「ディッパ これも家族のための仕事なの ? 」窓ごしにアニ 1 がたすねると、 ゅ、つしよくぶん 「さっきのおれたちの夕食の分だよ」と、ディッヾ ノーかこたえた。 まど おも それを聞いて、ジャックとアニ 1 は、思わず窓ガラスに張りついた てつだ 「だったら、ばくたちも手伝わなくちゃ ! 」 さらあらだいす 「そうよ ! わたしたち、皿洗い大好きなんだから」 かおわら ディッパ 1 は、やれやれという顔で笑って、 あたま いしあたま 「まったく : じやかいも頭 : いや、石頭には勝てないな」と言いながら、 あ なか ドアを開け、ふたりを中に入れてくれた。 キッチンは、むっとする暑さだった。、、 シャックは、袋とトランペットをおき、 しよっき やまづ 山積みの食器の前に立った。 み あっ しごと ふくろ わら

9. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

「ここで待ってて」 ある しじ ディッパ 1 はそう一一一一口うと、荷あげの指示をしている男の人のところへ、歩い ゅび ていった。こちらを指さして、何か話している男の人かうなずいた。ジャッ しごと 医よ、か クたちにも、仕事をする許可が出たのだ。 てまね さんにんふねなか →アイツヾ ノ 1 か、ふたりを手招きし、三人で船の中にはいっていった。 、力学に ふさ せんそう 船倉に着くと、ディッパ 1 は、さっそく大きな房をひょいと持ちあげ、肩に かついた。 ジャックとアニ 1 か、まごまごしていると、 しんばい 「おまえたち、だいじようぶか ? 」と、、い配してくれる。ディッパ 1 はほんと 、つにやさしい。 ジャックは、ひとりでは持てないと判断して、アニ 1 に言った。 「ふたりで一つ持とう」 じぶんふくろ アニーは、大きな木箱のかげにトランペットをかくし、ジャックも自分の袋 ひと おお はんだん おお おとこひと おとこひと ・・・・・嵐の夜の幽霊海賊

10. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

「おはよう、テディ、キャスリーン。やつばり来てたんだね ! ふたりが来て ゅめみ いる夢を見たんだーーーアニ 1 がね ! 」と、ジャックはつけくわえた。 かお テデイもキャスリ 1 ンも、わかってる、という顔でうなずいている ハウスの中にす アニ 1 とジャックは、さっそくなわばしごをのばり、ツリー べりこんだ。 ジャックか、はりきって聞いた。 「ふたりかここへ来たということは、ばくたちに新しい任務かあるんだね ? 」 おば まえ でんごん せんせい 丿ン先生からの伝言を、覚えている ? 」と、テディ 「うん。この前のマ 1 ひとしあわ せかい 「たしか : : : 」ジャックが言った。「世界じゅうの人を幸せにできるほどの天 はっき ひとさいのう 才がいるけど、その人が才能を発揮できなくなっているんでしよう ? 」 じぶんちからはっき てんさい にんむ 「そして、わたしたちの任務は、その天才がちゃんと自分の力を発揮して、世 てつだ 、刀し 界じゅうの人を幸せにできるよう、お手伝いするのよね」と、アニー まえ せいき ノヤックたちは、十八世紀のウィーンに行って、 「そのとおりだよ。この前、 ) 、 ひとしあわ あたら にんむ なか てん ・・・・・嵐の夜の幽霊海賊