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検索対象: [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊
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1. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

にぎやかに過ごす。 ゅうれい せいじやひ 〈聖者の日〉のイプには、死者の魂がよみかえるといわれているので、幽霊 であ と出会うには、この日にニューオ 1 リンズを訪れるといい せいじゃ 「〈聖者の日〉のイプって、ハロウィ 1 ンとそっくりね。そういえば、ハロウィ ーンも十月三十一日だから、日にちもおなじよ」と、アニ 1 であ ゅうれい 「そうだね。それにしても、『幽霊と出会うには、この日にニューオ 1 リンズ を訪れるといい』って、どうしてわざわざ、そんなことをすすめるんだろう」 あたま せつめい ジャックは、頭をひねりなから、説明のつづきを読みあげた。 ゅうれい おおまち ニュ 1 オ 1 リンズは、アメリカでいちばん幽霊が多い町だといわれている ばしょ ゅうれい とくに幽霊かよく出るといわれる場所は、フレンチ・クオ 1 タ 1 など古い ちく 地区にある。たとえば、 おとず がっ ししやたましい おとす ふる ・・・・・嵐の夜の幽霊海賊

2. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

幽霊、幽霊、おどかすのはやめてくれー 変な声を出すなー たのむから静かに消えてくれー おも おも なんてつまらない歌だ、と思ったが、これしかことばか思い浮かばない。だ が、歌いつづけないと、魔法が切れてしまうのだー おも そのとき、ジャックはふと、ディッヾ ノーが一一一口ったことばを思いだした。 おも ただし、気 しいことばか思い浮かばないときは、好きなよ、つに歌、んはいい った もちをこめて。気もちがこもっていれば、伝わるんだよ ! 』 ゅうれい ジャックは歌いつづけた。ただひたすら、「幽霊よ、消えてくれ ! 」という気 もちをこめて スキッタッデイタッター ゅうれい へんこえ ゅうれい 、つ しす 1 1 3

3. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

「まぬけなガキどもめ ! おれさまから逃げられると思うのかあ ! 」 あたま ゅうれい におうた ラフィットの幽霊は、部屋のまん中で仁王立ちすると、腰に手をあて、頭を おおわら 0 のけぞらせて大笑いする ここから出ようったって、そうはさせねえ。 「ハッ、、ツ、、ア っしようだ 一生出してやるもんかー ゅうれい しかも、幽霊は、ジャン・ラフィットひとりではなかった。 ゅうれい ゃねうら 手下たちの幽霊が、屋根裏からつぎつぎにおりてきたのだ。 ものかためがんたい あたま 頭にバンダナを巻いた者、ピストルを持った者、片目に眼帯をした者、 ものはなした サ 1 ベルをさげた者、もじゃもじゃのひげをたくわえた者、鼻の下に細いひげ ものぎそく ものふくろ を生やした者、袋をかついだ者、しまのシャツを着た者、義足をつけた者 ゅうれい ろくにん 六人は、ジャン・ラフィットと手下たちの幽霊にとりかこまれた。 こ、ん ろくにんみ ふるえている六人を見て、ラフィットが、またとどろくような声をあげた。 かいぞくだん 「おれたちゃ、カリプの海で名をはせた、ラフィット海賊団だあ " てした もの へや うみ もの もの な てした なか で こして おも ほそ もの もの 0 120

4. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

ックの歌もアニーのトランペットも、すごくハ 亠ま、つ 魔法をかけられたみたいに引きこまれたよ」 むね ( ディッ。、 ノーにほめられるなんて : : : ) シャックは、胸かつまりそうになった。 「ところでーーー」ディッヾ ノ 1 か、チビマックにつめよった。「白状してもらおう かおまえたち、何をたくらんでたんだ ? 」 おも ノーたちを、ちょっとおどかしてやろうと思ったんだ : 「ディッ。、 こ、んた 、つらハ、ち ゅうれい ゃねうら 裏口からはいって、屋根裏にあがって、幽霊の声を出したのさ : : : 」 ゅうれい 「あなたたち、幽霊がこわくて、出ていったんじゃなかったの ? と、アニ 1 「まっさか ! 」と、チビマック ゅうれい 、、ツヒ 「幽霊なんか、こわかないよー 「これつほっちも、なっ ! 」と、デカッ鼻シドニ 1 そのときだった。ヒュウウウ と、なまあたたかい風が吹きこんできた おも かと思、つと、カンテラの火がジジジッとゆらいで、消、んてしまった。 1 トかこもってた : かせふ はノ \ じよう それで、 。おれ、 1 1 6

5. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

海賊ジャン・ラフィット かいだん ろくにんまえた 男は、ゆらゆらとゆれながら階段をおり、六人の前に立ちはだかった。 ゅうれい 「も、もしかして : : : ジャン・ラフィットの幽霊 : : : 」アニ 1 かつぶやいた。 ゅうれい みぎて ほね ゅび む ジャン・ラフィットの幽霊は、右手をあげ、骨ばった指をハッピ 1 に向ける かみなり おおごえ と、雷がとどろくような大声でどなった。 こぞう ゅうれい 「おい小僧ー 『幽霊なんかこわかない』だとお」 あたま っ 「ひええええ ハッピ 1 か、頭をかかえた。 ゅび つぎに、デカッ鼻シドニ 1 を指さして一一一口、つ 「『これつほちも』だああ」 「たっ、たっ、たっ、助けて ろノ、にん とぐちとびら ろくにんちからあ 六人は、ころかるように逃げだすと、戸口の扉にかけよった。六人で力を合 あ とびら わせて開けようとするが、扉はびくともしない おとこ , かい第、 / \ たす 0 1 1 8

6. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

かじゃ せいきしよと、つ ーポン通りのラフィットの鍛冶屋ー・・ーー十九世紀初頭、カリブ海やメキシ いちみゆうれい しゆっぱっ コ湾で活躍した大海賊、ジャン・ラフィットとその一味の幽霊が出没する。 じんしんぶゅうれいあらわ ジャクソン広場前のセント・ルイス大聖堂ーースペイン人神父の幽霊が現 れる。 ゅうれい なんぐんへいし チャーターズ通りのホテルーー南北戦争で敗れた南軍の兵士たちの幽霊 み が見られる かおみあ ジャックとアニ 1 は、顔を見合わせた。 きみわる ゅうれい で 「ほんとうに幽霊が出るのかしら。気味が悪いわ」アニ 1 が身ぶるいする ほんと ンヤックは、、 しそいで本を閉じた。 ゅうれい 「ま、まあ、幽霊のことはわすれよう。ばくたちがニュ 1 オーリンズに来たの お、つさま ゅ、つれい は、幽霊に会うためじゃない。〈ジャズの王様〉ルイ・アームストロングをさが しに来たんだから」 わんかつやく どお 0 ひろばまえ どお ュ / し、刀い第、ノ、 なんばくせんそうやぶ だいせいどう み 、力し 0 3

7. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

ゅうれい えんそう 幽霊たちがいなくなって、ディッパ 1 は、ようやく演奏をやめた。チビマッ おけ クたちも歌、つのをやめ、ジャックとアニーも、桶をたたく手を止めた。 しず あたりは、しんと静まり返っている ろくにん そとで 六人は、おそるおそる外に出てみた。 あめあ いつの間にか、嵐はおさまっていた。雨上がりの空気は、さわやかで気もち そら 1 刀しし 空には星がきらめいている ゅうれい すがた 幽霊たちの姿は、どこにもない 「 : : : なあ、いまのは、なんだったんだ ? 」チビマックがつぶやいた ゅめ : 夢、じゃあないよな ? 」デカッ鼻シドニ 1 も一一一口う じしん 「 : : : よくわかんないけど、これだけは自信をもって一一一口える , と、ディッパ 1 「 : : : おれは、こんなとこ二度と来ないぞ ! 」 決心は変わらない けっしん あらし かえ 129 ・・・・・嵐の夜の幽霊海賊

8. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

やす やす この時代は、なんでも安かったんだなあ。ばくたちには、 「うわあ、安いー こ、つ力い亠つまい 一〇セント硬貨一枚もないけど : : : 」 そのとき、アニ 1 か急に立ち止まった。 「アニー、ど、つした ? 「ねえ、見てー しろだいせいどう さんばんとう ゅび アニーが指さした先に、三本の塔がそびえる白い大聖堂がある ゅうれい じんしんぶ だいせいどう 「大聖堂よ。あそこに、スペイン人神父さんの幽霊が出るんだわ」 ジャックはぎよっとした。 ゅ、つれい す 「アニー、どうしてそんなに幽霊が好きなんだ ? 」 す 「好きなわけじゃないわ」と、アニ 1 ゅうれい 「だけど、さっきから、幽霊の話ばっかりしてるじゃないか」 ほんか 「わたしは、本に書いてあった場所がここだ、って言ってるだけよ」 ジャックは、ふう 1 っとため息をついた。 ( できればニューオーリンズには、 み さき きゅう じだい はなし い」 0 で 0 3 ・・・・嵐の夜の幽霊海賊

9. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

一アイツヾ ノ 1 たちは、あっけにとられてジャックを見ている こ、ん いったいどうしたっていうんだ ? 」チビマックか声をかける 「おい : かいぞくゆうれい どお 「『バ 1 ポン通りの〈ラフィットの鍛冶屋〉に、海賊の幽霊が出る』って、本に せつめい , ーし 書いてあったの。それでお兄ちゃんは : : : 」と、アニーが説明する しん ゅうれい 「おまえ、もしかして、幽霊が出るって信じてるのかに」と、チビマック ゅうれい 「あ、わかった。幽霊がこわいんだ」と、デカッ鼻シドニーも一一一一口う そういうわけじゃないけど : : : 」 、し . し りようてひろ ノーが、両手を広げて言っ ジャックが、しどろもどろでこたえると、ディッヾ 「いいじゃないか。だれにだって、こわいものはあるよおれにだってある、 らいめい いなすまひか そのとき、また稲妻が光り、ガラガラガラッと雷鳴がひびきわたった。 ゃね つよ 風がますます強くなり、むかいの家のトタン屋根が、はがれて飛んできた。 ノ 1 かさけんだ。「やつばり、中にはいれ ! 」 「ジャック、あぶない ! 」ディッ。、 かぜ かじゃ なか ほん 103 ・・・・・嵐の夜の幽霊海賊

10. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

とぐちとびら とっぜん、さっきはびくともしなかった戸口の扉が、バー、 「ゴー、ママ ! ゴー ノノ どお ジャン・ラフィットか、歌い、踊りながら、 ーポン通りへ出ていくと、そ てした で のあとから、手下たちも、つぎつぎと出ていった。 えんそう さんにん でも、また、、 ティッパ 1 は演奏をつづけ、三人のコ 1 ラスグループは歌いっ きおけ づけ、ジャックとアニ 1 は、木の桶をたたきつづけた。 ゅうれい とお かえ ラフィットの幽霊が、通りのまん中で、くるりとふり返ってさけんだ。 たの ルさ 「おまえたち、楽しかったぞ ! 来年もぜひ来てくれ ! 待ってるぞお ! 」 、つで十′、カ子′、カ そして、腕を高々とあげてさけんだ。 やろ、つ 「さあ行くぞ、野郎ども ! ゾゾゾのタンスだ ! 」 かいぞくだんゅうれい ジャン・ラフィット海賊団の幽霊たちは、ゾゾゾのタンスを踊りながら、 よるやみ ニュ 1 オーリンズの夜の闇へと消えていった。 らいねん おど なか ノと開いた。 で おど ひら 128