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検索対象: [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊
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1. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

、つ かね ノ 1 がぜんぶ受けとって」 「わたしたち、ほんとうにお金はいらないの。ディッヾ 「、つん、せひそうしてほしいんだ」と、ジャックも一一一一口う。 「おねがいだから ! 」と、アニ 1 わら ノーが、こまったよ、つに笑って一一一口った。 、なんのつもりだ ? これ、なんの遊びなんだ ? 」 「おいおい ほんき 、。ばくたち本気だよ」と、ジャック。 「遊びじゃなし 「わたしたち、じゃがいも頭だから」と、アニ 1 も一一一口う かお ディッパ 1 はしばらく考えこんでいたが、顔をあげてこう言った。 「 : : : わかった。そのかわり、お礼をさせてもらうよ。ちょっとそこまで、い っしょに来てくれるか ? 」 こえ かおみあ ジャックとアニーは、顔を見合わせてにつこり笑うと、声をそろえて言った。 「もちろん ! 」 あそ かんが あたま わら あそ 8 ・・・・・嵐の夜の幽霊海賊

2. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

ふいをつかれて、ジャックはことばにつまってしまった。ルイ・ア 1 ムスト ロングに会ったらなんと一一一一口うか、まったく考えていなかったのだ。 まえ すると、アニーが前に出て言った。 「あなたがディッヾ ノーなのね ! はじめまして。わたしはアニー こっちは兄 のジャックよ。わたしたち、ペンシルべニア州のフロッグクリ 1 クから来たの A ャも 友だちから、ニュ 1 オ 1 リンズに行ったら、ルイ・ア 1 ムストロングに会うよ 、つに、って言われてきたのよ」 えがお 「へえ。友だちって ? と、ディッヾ ノーが笑顔でたすねる。 「テディとキャスリーンよ」 かお ディッパーは首をかしげ、知らないなあ、という顔をした。そのとき、アニ ーか持っているトランペットに気づいた。 しいラッパだ。聴いてみたいな ! 」 「ああ、これは : いまはだめなの」と、アニ 1 とも くび かんカ しゅう あに

3. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

せんしつね 「そりゃあよかった。ばくもョットの船室で寝てたとこ : ジャックは、グーグーといひきをかくふりをした。 、も . り・ 「お兄ちゃんったらー いいわよ。わたし、ひとりで森へ行くわ ! わたしひ ほ、つ、け・ん とりで、すご 1 い冒険をしてきてもいいのね ? 」 「いいよ、行ってらっしゃいむにやむにや : 「それじゃ、行ってきます ! 」 へや あめおと アニーか、部屋を出ていく気配がした。、、 シャックは、しばらく雨の音を聞き め あ なから横になっていたが、 とっぜん、はっと目を開けた。 ね ばあい ( テディとキャスリーンか来てるって ? ・ : 寝ている場合じゃないぞ ! ) お で ふく リュック ジャックは、あわてて起きあがった。。 ヘッドから出て服を着かえ、 しず かいだん げんかん をつかんで、静かに階段をおりる。玄関のクローゼットからレインコ 1 トを出 あ して着ると、プーツをはき、ドアを開けた。 アニ 1 が、ポ 1 チで待っていた。 よこ で

4. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

ひろ みせそと あげたてのド 1 ナツのいいにおいか、店の外まで広がっている 、おいしそうだな」 「ああ、ド 1 ナッ : ジャックは、ますますおなかかすいてきた。 くび みせおんがく へん 「でも、変よ」アニ 1 が首をかしげた。「このお店、音楽が聞こえないわ」 こ、ん 、つ、ん、カ 4 ん みせなか 店の中へはいり、テープルの上を片づけているウェイターに声をかけた。 「すみません。ここに、ルイ・アームストロングーー・ーっまり、ディッパー かお 言いおわらないうちに、ウェイタ 1 がけわしい顔つきでふり返った。 「おまえたち、客じゃないだろう ? 」 「あ : 「それなら、さっさと出ていけ ! 物ごいはおことわりだ ! 」 「わたしたち、物ごいじゃありません ! わたしたちはただ : : : 」 「ほくたち、ルイ・ア 1 ムストロングを : : : 」 ひっしせつめい ふたりは必死に説明しようとしたが、ウェイターはとりあわない きやく もの もの か、ん

5. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

うつ おと うしろで、よろい戸か、かくべつ大きな音をたてた。 フウウウウ かべ カンテラを持っジャックの手が、プルプルとふるえた。それにつれて、壁に さんにんか 映った三人の影も、ゆらゆらとゆれる。 フウウウウ ついにかまんができなくなって、ジャックかさけんだ。 魔法のトランペットだー いまこそ、それを吹くときだ ! 」 かん 「わたしも、そう感じる ! お兄ちゃん、歌って ! 」 おも アニーは、トランペットをかまえると、ほおをふくらませて、思いきり息を 吹きこんだ。 ねいろ す トランペットの、澄んだ美しい音色が、高らかにひびきわたった。 あ そのメロディ 1 に合わせて、ジャックか歌いだした。 ふ うつく て おお 1 1 2

6. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

だれかいる , まど ど 窓のよろい戸が、レンガの外壁にバタン、バタン、とぶつかっている。扉の ま かん すき間から風が吹きこみ、雨にぬれたからだが、よけいつめたく感じられる さむ くらやみなか ほそこえた 「ねえ : : 」暗闇の中で、アニ 1 がか細い声を出した。「わたし、ちょっと寒く なってきたわ」 「ばくも、ゾクゾクする : : : 」と、ジャックもつぶやいた。 けっしん すると、ディッ。、 ノ 1 か決心したよ、つに一言った。 あまやど 「よし ! おれたちもここを出よう。さっきのレストランで、雨宿りさせても らおう」 さんせい 「賛成 ! 」と、アニー だいさんせい 「大賛成 ! 」と、ジャック。 と とびら おと 「アツ。、 ノ 1 が、扉の取っ手をガチャガチャと動かす音がした。だが かぜふ 0 あめ て 】かいへを」 で 、つご とびら 0 1 06

7. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

「ディッパ 1 、待って ! 」 ふたりは、走って、ディッパーを追いかけた。 追いついたところで、ジャックが言った。 えかえまえ 、あの : 」こ、も、っちょっとだけ話を・ 家に帰る印。 「ディッパ かえ 。「バナナ運びだ」 「帰るんじゃないつぎの仕事に行くんだよ」と、ディッパ 1 しごと おどろ ぬのぶくろお 「えつ、まだ仕事するの ? 」ジャックは驚いて、布袋を落としそうになった。 アニ 1 が、息をととのえながら、申し出た。 しごとてつだ 、その仕事も手伝いたいわ」 「わたしたち : かお ディッパ 1 は、ふたりの顔をまじまじと見つめた 「おまえたち、医者にみてもらったほうかいいんじゃないか ? なんでそんな に働きたいんだ ? ほかに、楽しいことかいつばいあるだろうに」 はたら こんどはバナナ運び しゃ しごと 、も、つで はこ はなし はこ ・・・・・嵐の夜の幽霊海賊

8. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

みちゅひとびとあし 道行く人々が足を止め、リズムをとりながら聴いていた。 かねあっ けんぶつきやく 小さい子がふたり、見物客のあいだをまわり、お金を集めている。客は、子 かね どもが持った帽子に、お金を入れていく。 しやしん しないみたいだ 「ルイ・アームストロングはどこかしら。写真のよ、つな人は、、 けど : : : 」 しやしん 「あの写真は、おとなになってからのルイ・アームストロングだからね。ばく たちがさかしているのは、十四歳のルイ・ア 1 ムストロングだから : : : 」 「わたし、聞いてくるわ ! 」 アニーが、帽子を持ってまわっている少女のところへ、近づいていった。 おとこ 「ちょっと聞きたいんだけど、ここに、ルイ・アームストロングっていう男の 子はいる ? 」 しようじよ すると、少女はすこし考えてからこたえた。 「ルイ・ア 1 ムストロング : : : ? もしかして、ディッパ かんが しようじよ ひと ちか ーのこと ? 」 きやく

9. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

おも 思、つ ! 」 まえ 「ばくもだよ。百年ぐらい前のアメリカには、そういう決まりかあったんだね」 「それからね : : : 」 「まだあるの ? すおも 「〈ラフィットの鍛冶屋〉のクモの巣を思いだして、ゾゾゾッてしてる ! 」 おも かいぞくゆ、つれい ばくは、海賊の幽霊たちを思いだして、ゾゾゾッてなった ! 」 「ああ : おも あ ノ 1 に会えないと思うと、さひしいわ」 「それから : ・・ : も、つディッヾ おんがく 。でも、ディッパ 1 の音楽なら、きっといつでも聴けるよ。家 「そうだね : かえ 、とママに聞いて に帰って、ルイ・ア 1 ムストロングの OQ かあるかど、つか、ノノ みよう」 おも おと 「わたし、いろんな音を聞くたびに、ディッパ 1 のことを思いだすわ。たとえ あめおと ば、ほら、この雨の音も : ・・ : 」 ヾラ、ヾ一フツ、ヾ一フッパ一フッパ・ ひやくねん かじゃ 154

10. [拡大写本]嵐の夜の幽霊海賊 第1分冊

さいの、つ おも 「わたしもそう思う 1 ・ディッパ 1 なら、その才能で、世界じゅうの人を幸せ にできるわ ! 」 ディッパ 1 は、やれやれというように首をふった。 あたま そこぬ 「おまえたち、底抜けのじゃがいも頭だな。さ、行くぞ、レディ ! 」 たづな ディッパーは、手綱をひとふりして、荷車を出した。 みち 「おれにはおれの道があるーーーだよなっ ? レディ ! 」 そのことばを聞いて、ジャックは心のなかでさけんだ。 みち みちおんがくみち きみの道は音楽の道、〈ジャズの王様〉への・道なんだ。 ( そうだよ、ディッパ はや ああ、早くそのことに気づいてよ ! ) すす がわかわぞ ノーかまた歌いだした。 ミシシッピ川の川沿いを進みなから、ディッ。、 スキッタッディータータドウター タッデイタッタータータドウター 0 こころ くび にぐるま せかい お、つさま ひとしあわ