「え ? あ : : 、たぶんそ、つ・ : ・ : 」 しようじよ しようねん む 少女は、コーラスグループの少年たちに向かって、さけんだ。 し 「ねえ、チビマック ! ディッヾ ノーカ、いまどこにいるか、知ってる ? 」 よ しようねん チビマックと呼ばれてふり返った少年は、チビどころか、子どもたちのなか でいちばんの大柄だった。 かおあせ チビマックが、顔の汗をぬぐいながら、こたえた。 「ディッヾ ノ 1 だって ? ああ、さっき〈リヾ ・カフェ〉にいたけどな」 かおむ 「だってさ ! 」少女がアニーに顔を向けて言う。 「その〈リ ・カフェ〉って、どこ ? 」と、アニー どお 「デイケ 1 ター通りだよ」 しようじよ さき ひろば とお ゅび 少女が、広場の先の通りを指さした。 どお かどみぎある 「あれがデイケータ 1 通りだから、あの角を右へ歩いていけば、見つかるよ」 しようドレよ ま、んば、つし 少女はそう一一一一口うと、アニ 1 の前に帽子をさし出した。 おおがら しようじよ かえ 0
おおがらしようねん 言ったのは、いちばん大柄な少年、チビマックだ わる むり 「悪いな、チビマック。おれは無理だ」 こえ 「おいでよ、ディッパ ー」も、つひとりの少年か、消え入りそ、つな声で言う しごと 「いや、仕事があるんだよ 、ハッピ 1 」 「そうだけどさ、ああ、ディッパ しようねんかな かお ハッピ 1 少年は悲しそうに顔をしかめた。まったくハッピーそうに見えない しようねん ー」と、三人めの少年も言、つ。 「おいでよ、ディッパ 「だめだったら、だめなんだよ、デカッ鼻シドニー ! しようねんかお ジャックは、デカッ鼻と呼ばれた少年の顔をちらっと見た。だが、鼻はぜん せん大きくない。 かな : 」ハッピーか、また、悲しそ、つに一言、つ 「ああ、ディッパ たの ぶん 「だいじようぶだ ! おまえたちだけでうまくやれるさ。おれの分まで楽しん できてくれよ ! 」 おお さんにん しようねん
しんぶんう しようねんはし ジャックとアニーは、新聞売りの少年に走りよった。 いちぶ 「一部ください ! 」 しようねん しんぶん 少年は、かかえた新聞のたばから、一部をさっと引きぬいて、さし出した。 「はい、一セントー から ジャックとアニ 1 は、ズボンのポケットをさぐったが、ポケットは空だった。 かねも : ごめん。お金、持ってなかった」 「あっそう。それじゃ、またこんど ! 」 ある しようねん くるりと向きを変えて歩きだそうとする少年を、ジャックが呼びとめた。 を」よ、つ なんがつなんにち おし 「ちょっと待って ! 今日は何月何日か、教えてくれる ? 」 ひょうじよう しんぶんう しようねん 新聞売りの少年は、けげんな表情でこたえた。 、よ、つ せいじやひ がっ 「今日は〈聖者の日〉のイプだから、十月三十一日に決まってるだろ」 なんねん がっ 「何年の十月三十一日 ? 」と、アニ 1 がたずねる しようねん かお 少年は、むっと顔をしかめた。 いちぶ
) アイッパー せきたん ふと見ると、ロバをつないだ、そまつな荷車が止まっていた。石炭を積んで こくじんしようねん いる。幗子をかぶった十四、五歳の黒人の少年が、バケッとシャベルを、荷台 くろ せきたんこな にのせようとしている。手も足も、石炭の粉でまっ黒だ。 しようねんはな おも 思いきって少年に話しかけた。 ジャックはためらっていたが、 「あ、あの、ーー」 わら かお み シャックを見ると、人なつつこい顔でにつこりと笑った。 少年がふり返った。 げんき まるおお ノ、つつ↓ま・こ 黒い肌にまっ白な歯。まん丸の大きな目が、「よお ! 元気かい ? 」と言って しるよ、つだ。 「ええと、ばくたち、ルイ・アームストロングとい、つ人をさがしているんだけ し なかま ーって呼ばれてて : : : 」 」、知りません、か ? ・仲間には、ディッパ 「ルイ・ア 1 ムストロングは、おれだけど、何か用かい ? 」 しようねん かえ しろ てあし め ひと にぐるま よ、つ A 」 ひと っ ・・・・嵐の夜の幽霊海賊
とうじようじんぶつ おもな登場人物 ジャック しゅう す アメリカ・ペンシルべニア州に住む 10 歳の男の子。 ほんよ み 本を読むのが大好きで、見たことや調べたことを、 すぐにノートに書くくせがある。 アニ ほうけんだいす げんき ジャックの妹。空想や冒険が大好きで、いつも元気 どうふつ なか な 9 歳の女の子。どんな動物ともすぐイ中よしにな り、勝手に名まえをつけてしまう。 モーガン・ルー・フェイ おう あねまほう プリテンの王・アーサーの姉。魔法をあやつり、世 ほんあっ 界じゅうのすぐれた本を集めるために、マジック・ たび ツリーハウスで旅をしている。 マーリン よげんしゃ せかいさいこう 偉大な予言者にして、世界最高の魔法使い。アーサ てたす ー王が国をおさめるのを手助けしている。とんが り帽子がトレードマーク。 テディ としよかんじよしゅ モーガンの図書館で助手をしながら、魔法を学ぶ しようねん へんしんしつばい 少年。かって、変身に失敗して子大になってしまい、 ジャックとアニーに助けられた。 キャスリーン にんげんうみ 陸上にいるときは人間、海にはいるとアザラシに ようせい しようじよせいけん 変身する妖精セルキーの少女。聖剣ェクスカリバ だいかつやく ー発見のときに大活躍した。 だいす か くうそう いもうと さい おんな かって な 力、し、 まほうつか まな まほう いぬ りくじよう へんしん はつけん
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII 9 7 8 4 8 4 01 5 4 1 1 8 旧 BN978-4-8401-3411-8 C8097 ¥ 780E 定価 : 本体 780 円 ( 税別 ) メティアファクトリー 1 9 2 8 0 9 7 0 0 7 8 0 5 マジック + ツリ、ウス 28 おんがくはっしようち ジャックとア一一ーは、ジャズ音楽発祥の地ニューオーリ しめい おんがく ンズにやってきた。こんどの使命は、音楽をあきらめよ てんさい しようねん うとしている天才トランペッター、ルイ少年を、ふたた おんがくみち び音楽の道に引きもどすことだった。ところが、その日 いちねん ゅうれい はコ年でいちばん幽か出る日」といわれていて : ・ リサイクル資料 ( 再活用図書 ) 除籍済
を歌い、お金をかせぐこともあった。 「子どものころは、歌を歌っていたんだわ」 ルイ・ア 1 ムストロングは、少年ばかりのプラスパンドで、コルネットと かんがっき えんそうおそ いうトランペットに似た管楽器の演奏を教わったところ、めきめき上達し、 ひょうばん 十四歳のころには、ニュ 1 オ】リンズじゅうで評判になった。 「やつばり、天才だったのね ! 」 その後、ルイ・ア 1 ムストロングは、おとなといっしょにダンスホ 1 ルな えんそう じようきせん どで演奏するようになった。そして、ミシシッピ川を行き来する蒸気船に いちいん えんそう 乗るバンドに、一員としてむかえられた。この船上パ 1 ティ 1 で演奏する さい てんさい かね しようねん せんじよう がわ じようたっ
夢をあきらめないで ! ジャックは、『ニューオーリンスで生まれた音楽』の本を取りだした。 「なんだい、それは ? 」と、ディッパー れきし ほん 「ニューオ 1 リンズの歴史の本だよ」と、ジャック 「テディとキャスリ 1 ンから、あずかったの」と、アニ 1 しんゅう わら 「ああ。おれの親友のテディとキャスリーンだね」ディッヾ ノ 1 が笑って一一一口、つ ジャックは、さっきアニ 1 と読んだ〈ルイ・アームストロング〉のペ 1 ジを ひら こ、んよ 「読むから、聞いて」ジャックが、大きな声で読みはじめた。 しようねん ルイ・ア 1 ムストロングは、少年ばかりのプラスパンドで、コルネットと かんがっき えんそうおそ いうトランペットに似た管楽器の演奏を教わったところ、めきめき上達し、 ゅめ おお 、つ おんがく ほんと じようたっ 1 38
あたま ひでえ仕事だ石炭配達 おれの頭はゴッチャゴチャ いまにもおかしくなりそうだ : しようたい ジャックは驚いた。これはいまのジャックの状態だ。ディッパ 1 はまったく、 頭がゴチャゴチャしているふうでも、おかしくなりそうでもないのに : こ、ん ディッパ 1 の声は、すこしかすれていたが、ふしぎなあたたかみがあった。 おーい、ディッパ 「ディッパ とっぜん名まえを呼ばれて、ディッパ 1 は歌うのをやめた。 ひろば しようねんさんにん 少年か三人、こちらに向かって走ってくる。ジャクソン広場で歌っていた、 さんにんぐみ コ 1 ラスグル 1 プの三人組だ。 一よ、つ しごとはやき 、今日、仕事を早く切りあげられないか ? おれたち、パレード 「ディッパ 1 も来てくれよ ! 」 一アイッパ で歌うことになったんだ。。 おどろ あたま しごと せきたんはいたっ
「一九一五年だよ ! おまえら外国人か ? どっから来たんだ ? 」 ジャックかこた、んにつまっていると、アニ 1 か、とっさにトランペットをか かげて、言った。 「わたしたち、ペンシルべニア州のフロッグクリ 1 クから来たの。はるばる、 えんそう ジャズを演奏しに来たのよ」 じん 「なんだ、おなじアメリカ人じゃないかあ、そうかー 北部のペンシルべニ ア州にや、カレンダーかないのか知らなかったなあ ! ははははっ ! 」 しようねん じぶん おおわら ある 少年は、自分のじようだんに大笑いしながら、歩いていってしまった。 「ん、もう ! 」アニ 1 が、ふくれつ面をする にがわら ジャックか苦笑いしながら、一一一口った。 なんねん 「とにかく、いまか何年かわかって、よかったじゃないかえーと、ルイ・ ア 1 ムストロングは一九〇一年生まれだから、一九一五年のいまは : : : 」 「十四歳よ」と、アニー しゅう ねん ねんう しゅう 力いこくじん つら ねん ほくぶ ・・・・・嵐の夜の幽霊海賊