思っ - みる会図書館


検索対象: ダレン・シャン 6
191件見つかりました。

1. ダレン・シャン 6

。しよけ . い じんもん カーダの処刑には、立ちあわなかった。バンパニーズたちの尋問も見ず、ばくは自分の部屋にもどっ そ、つしき よくばん て、翌晩おそくに葬式が始まるまでこもっていた。エラやガブナーや、バンパイア・マウンテンを守る ために死んでいったバンパイアたちの葬式だ。。、 カフナーのなきがらは、戦のあと発見された。かくし場 そうさくたい 所をカーダが衛兵につげ、すぐに捜索隊が見つけだしたのだ。そのかくし場所とは、山のはるか下のほ うにある、深いさけめだった。 ストリークたちは、ゝ しつのまにかいなくなっていた。バンパニーズとの戦が終わってすぐに、死んだ む 一匹を残して、そっと群れにもどっていったらしい。別れをつげたり、お礼を言ったりするひまもなか げんすい ストリークの群れに、また会えるだろうか ? たとえ元帥たちがばくの命を助けてくれたとしても、 そうかい 会えない気がする。総会は、もうすぐ終わりだ。そうすれば、オオカミたちも群れをはなれて、もとの すみかへもどっていく。ストリ 1 クやルディたちと会うことは、もうないだろう。 そうぎ 第ニ十一章 ~ 葬儀 っ ? 」 0 えいへい

2. ダレン・シャン 6

に飛びかかる。そして、槍がばくにつきささる前に、槍をとりあげ、地面におさえつけた。 ーの部下から、かなりはなれていた しかし、ナイフを持ったバンパイアは止められなかった。シ 1 しさつぐん からだ。そのバンハイアは、列をなす将軍たちをかきわけて、クレプスリーをおしのけ、ばくをめがけ とっしん て突進してきた。ナイフを一本投げつけてきたが、これはやすやすとかわせた。さらにもう一本、ばく に投げつけたり、体につきたてたりするよゅうはなかった。そうはさせじと、二匹の若いオオカミかバ ンパイアに飛びかかったのだ。二匹は敵を地面におしたおし、こうふんといかりをあらわにほえまくり、 はでにかみつき、つめを立てた。バンパイアが悲鳴をあげ、オオカミたちをはらいのけようとしたが、 オオカミたちの力が強くてどけられない いきね やがてかたほうのオオカミが、バンパイアののどにがぶりとかみつき、自 5 の根を止めた。目をおおい こうけい 、ゝい。なんの罪もないバンパイアは、せったい傷つけてはならない。しかし、 たくなる光景だが、これでし さっき はんのう すばやい反応やすさまじい殺気からすると、こいつはまちがいなくカーダの手下だ しさっげき いあわせたバンパイアたちは、衝撃のあまり、全員ばう立ちになった。あのクレプスリーでさえ立ち式 叙 すくみ、目を見ひらいてとほうにくれ、息をあらげている。 章 第 しオいなに」とたフ・ いったいどうやって : : : 」 「ダ、ダレンフ 「あとだ ! やり ひきてき つみ

3. ダレン・シャン 6

げんすい ミッカー元帥もいやいやながら、うなずく。 ここでクレプスリ 1 が、声をあげた。 「わなにはめれば、よいのではありませんか ? 水を流しこんだり、けむりでいぶしだせはよいので は ? 」 それはおれも考えた、とバネズが答えた。 「だが、敵を苦しめられるほど大量の水を、流しこめるとは思えん。けむりを使えたらいいのだが、あ てんじさフ つうき 天井が高く、かべには小さなひびやあながたくさんある。第一、敵が逃げだ のほらあなは通気がいい すほどのけむりをおこすには、ほらあなの中で盛大に火をたくしかない」 こわだか こう、げき パリス元帥が声高に言いきった。 ではど一つど一つと攻轂手しょ一つと、 とつにゆう やりめいしゅ そうすれば、多大 「まずは槍の名手を送りこみ、敵をあらかたたおしてから、みなで突人すればよい。 ぎせい なる犠牲をはらわずにすむ」 「いや、それでも、かなりの犠牲はかくごしなければなりますま 回せない。入り口の見はり番は殺せるでしようが、そのあとは : : : 」 「では、どうしろというのだ、バネズ ? 」 アロー元帥が、バネズにかみついた。 てき せいだい い。なにせせまくて、そうは槍をふり 114

4. ダレン・シャン 6

しく。その マダム・オクタが小さな白いウェディングドレスを着て、教会の通路をしずしずと進んでゝ マダムを夫にひきわたそうと、クレプスリーが待っているーーーなどというばかけたシーンがうかんでき て、ばくはおかしくなってきた。 「このクモ、マダムのかごに人れてやったほうがいいかな ? 「ううむ、いっそのこと、このまま行かせてやったらどうだ ? そうすればマダムは、このクモととも わはい しぜんかい に生きていける。我が輩はな、ダレン、自然界の生きものは、どうしてもという場合以外は、とらえて はならんと思っとるのだよ」 「じゃあ、自由にしてやれと ? ばくは下くちびるをかんで、じっくりと考えた。 「マダムがだれかを刺したら : 「おそらく、そのおそれはあるまいよ。この山には、横あながいくらでもある。人が来るかもしれん場 所を、すみかにさだめることはなかろう」 「子どもは ? マダムが毒グモをどっさり産んだら、たいへんなことになりますよ」 それもあるまいよ、とシー バ 1 かば 2 、にほほえみかけた。 「万が一、マダムが子どもを産んだとしても、父親であるバ おっと 1 レンのクモとおなじで、たいした毒 160

5. ダレン・シャン 6

「だからおろかたって一一一一口うんだ。殺さすに、追っぱらうことだって、できたのに : めった切りにすることはなかったんだ」 わはい きおく きばっ 「我が輩の記憶ちがいでなければ、今回の戦のかなめである奇抜なクモ作戦を思いついたのは、おまえ のはずだぞ、ダレン」 「わざわざ教えてくださって、ありがとうございます ひ - に′、 ばくは皮肉をあびせ、まただまりこくった。 ふな 「これ、ダレン、そう重く受けとめるでない。戦はわれわれの生きる道、力をためす場なのだ。不慣れ こうい やばん な者には野蛮きわまる行為にしか見えんかもしれんが、正当な理由あってのことだ。バンパニーズは、 ハンパイア一族を滅亡させようとした。たおさなければ、こっちがやられる。そのことは、ダレン、お まえがいちばんわかっていよう。ガブナ 1 が殺されたとき、おまえはその場におったのだからな」 わかってますよ、と、ばくはためいきをついた。 「やられてもしかたがない、 とは思います。でも、そもそもなんで、バンパニーズはここに来たんです か ? なぜ、しのびこむようなまねを ? 」 かた さあな、とシ 1 ハ 1 が肩をすくめる。 「生きのこったうらぎり者たちに理由を問いただせば、すべて明らかになるだろうよ」 めつぼう こんなところで、 154

6. ダレン・シャン 6

なかま それにしても、なぜここまでめんどうをみてくれるのか ? ふつう野生動物は、けがをした仲間がお くれだしたら、さっさとおいていくものだ。バンパイア一族に、よく思われたいのか。なんと言っても あいて そうかい ざんばん バンパイアは、総会の期間中、残飯をたつぶりとめぐんでくれる、ありがたい相手だ。それとも、ばく の体のおくそこに生命力を感じとり、まだ希望があると思っているのか ? ひっし 時間をかけ、必死に歩いてやっと、森の中の空き地についた。オオカミの一団がいる。二十匹か三十 匹は、いるだろう。毛の色も、体つきも、種類もばらばらのオオカミたちが、ねそべったり、食べたり、 たわむれたり、身づくろいをしたりしている。そのせんぶが、なんだこいつは、という目でばくを見た。 黒い毛の太ったオスが近づいてきて、鼻をひくつかせ、おどすようにうなりをあげて、毛をさかだてた。 ちさつはっ この挑発をストリ 1 クが受けて立ち、負けずにうなり返す。二匹ともしばらく歯をむき出してうなった が、やがて黒毛のオスが背を向け、ゆっくりとはなれていった。 そのオスをルディがけたたましくほえながら追いかけたが、ストリークにしかられて、すごすごとも む どってきた。オオカミの群れを前に、きよとんとしているばくを、ストリークかある一匹のメスオオカ さいちゅう 再 ミのほうへおしだした。メスオオカミは三匹の子どもにおつばいを飲ませている最中で、ばくらが近づ 章 けいかい くと子どもたちをだきよせ、警戒してうなった。すかさずストリークがクンクンと鼻を鳴らし、腹ばい第 になって、なにもしないとうったえる。 せ びき ひき やせい びき

7. ダレン・シャン 6

かんねん が見つかったと聞いて、観念したのです。もう、対等な協定を結ぶのはむりだと : : : 」 「残る道はほとんどありませんでしたが、それでもひとつひとっ検討し、わたしは思いきってことをお しはい こすことにしました。成功すれば、この世のバンパイアはひとり残らず、バンパニーズに支配されるこ ませんりさっ げんすい とになる。バンパニーズが元帥の間を占領すれば、血の石を使ってバンパイアのいどころをつきとめ、 じさつけん なかま 仲間をさしむけられる。そうなるとバンパイア一族は、おれの条件をのむしかない、と考えたのです 「その条件とやらは、なんなのだ ? 」 ハリス元帥が、吐きすてるように言った。 「バンパニーズの仲間になる、ということです。できればバンパイアもバンパニーズもゆずりあって、 そしき 対等な組織をつくりたかった。しかし状況が変わった以上、それはむりです。バンパイア一族が、バン ハニーズの生きかたや、やりかたにならうしかない。それでも、一族が滅亡するよりはましです」 とんでもない、 とアロ 1 元帥がどなる。 「そんなことをするくらいなら、死んでやる」 ええ、とカータがうなすく。 「みんな、そう一一一口うでしよう。しかし、最後にはなっとくしてもらえると思った。たとえなっとくして せいこう たいとう けんと、つ めつぼう 185 ー第 20 章裁き

8. ダレン・シャン 6

さすがにこの質問は、ストリークにもマグダにも通じなかった。マグダにはわかるところまで案内し てもらい、あとはひとりで進むしかない 「じゃあ、すぐに一打こうか ? ばくは気がせいてならなかった。バンパイア・マウンテンまで、どのくらいかかるのか ? 一秒でも、 むだにしたくない マグダがよろよろと体を起こし、ばくについてこようとした。ところがストリークがばくに歯をむい てうなり、ついてきてくれとマグダに首をふって、群れの中を通りぬけ、マグダに新鮮な肉をあてがっ はん た。マグダに腹ごしらえをさせてから、出発しようというのだ。マグダの体調を思えば、もっともな判 だん 断だった。 こう′」 たびじ かたあし マグダが食べているあいだ、ばくはそわそわと片足ずつ交互にジャンプした。この先、どんな旅路が 待ちうけているのか ? うまくまにあうだろうか ? マグダのおかげでバンパイア・マウンテンの中にダ 入りこめ、バンパニ 1 ズに見つからず、運よく頂上までたどりつけたとしても、どうやって元帥にうつ役 えいへい たえればいゝ し ? 仕事熱心な衛兵やカーダの手先に見つかったら、うったえる前に殺されてしまう。 まんぶく マグダか満腹になってから、ばくらは出発した。ストリークのほかに、二匹の若いオスオオカミもっ第 ぼうけんしん いてきた。冒険心をそそられたらしい。ルデイも群れをはなれ、こうふんしてキャンキャンほえながら はら ひき しんせん

9. ダレン・シャン 6

けん だれも、なにも答えない じょにん ハンパニーズと組んで ! 叙任されたらきっと、バンパ 「カーダは、あなたたちをうらぎったんだ , ま げんすい ニーズを元帥の間によびよせて、血の石を手に人れるつもりだ」 そんな、というおどろきの悲鳴が、あちこちからあがった。 「なぜ、そう言いきれる ? ノンパニーズをにくんでいる。 アロ 1 元帥が、ひときわ大きな声をはりあげた。アロー元帥は人一倍、ヾ だいぶ前になるが、アロー元帥には人間の妻がいた。その妻を、バンパニーズに殺されたからだ。 そうぞう 「血の石については、ただの想像です。でもバンパニーズを、ばくはこの目でたしかに見ました。ガフ ナーも、 いっしょに見た。だからカ 1 ダは、ガブナ 1 を殺したんです。ばくのことは、たぶん助けてく ま とわこうかい れるつもりだったのでしよう。でもばくは自分から、永久の航海の間で水路に飛びこみました。助かる き とは、思っていなかった。でも、運よく生きのび、体力をとりもどして、もどってきた。みなさんに危 険を知らせたくて、もどってきたんです」 「バンパニーズは、何人いた ? 」 も また、アロー元帥だ。目が、いかりに燃えている。 「少なくとも三十人 : : : たぶん、もっといると思います」 つま 91 ー第 13 章告発

10. ダレン・シャン 6

どうよう かそう ブナーをのみこむように計算してある。火葬に立ちあうのは、はじめてだった。思ったほどは、動揺し ほのお てんじさっ ガブナーが炎にかこまれ、けむりが天井のわれめにすいこまれていくようすを見て、なぜか心が ~ 生しい 安らいだ。まるでガブナーの魂が、天にめされていくようだ。 ほね ガブナーの火葬に来て、よかった。灰からガブナーの骨をひろいあげ、あなのまわりにあるつばの中 ですりつぶすときには、広間の外に全員いったん出ることになり、ほっとした。血の番人がすりこぎで ガブナーの骨をすりつぶすさまを、ながめる勇気はない。 そのあと、三人のバンパイアを焼いてから、エラ・セイルズの番となる。火葬の間の外で、クレプス じゅひんちさっ ヾ、 ・ナイルがけがし ーキャットとともに、エラの番が来るのを待っていたら、需品長のシー しり十、 た足をひきずりながら、視力をうしなったバネズ・プレーンをつれてあらわれた。あいさつをして、立 ちりさっ ち話をしたら、ふたりともガブナーの火葬に立ちあえなかったことをわびた。バネズが目の治療を受け、 がんたい 眼帯をとりかえてからでないと来られなかったからだそうだ。 「目のぐあいはどうた、バネズ ? 」 クレプスリーが声をかけた。 ま くらやみ 「だいなしよ。 いまじゃあ、右も左も真っ暗闇さ」 くちさっ・ たいしたことない、 と言わんばかりの明るい口調で、バネズが答える。 202