馬 - みる会図書館


検索対象: ドラゴンと魔法の水
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1. ドラゴンと魔法の水

わたしたちがダンスの魔法にかかっているあいだに、馬がどこかへ行ってしま ったのだ」 わら それを聞いて、ジャックとアニ 1 は顔を見あわせ、につこり笑った。 ばくそうち くろ、つま 「黒い馬と、茶色い馬と、灰色の馬なら、三頭とも、丘のむこうの牧草地にい ましたよ」 亠ま / 、さ 「おいしい草をたくさん食べて、待ってるわ」 ばくそ、っち さいしょ み の ふたりは、最初に見た牧草地へ、騎士たちを案内した。 法 しんく そのとちゅう、ジャックは、真紅のマントを見つけ、きちんとたたんで小脇と ン ゴ にかかえた。 / 、さ さんと、つ ばくそ、っち 牧草地で草を食べていた三頭の馬は、騎士たちの姿を見ると、大よろこびで 走ってきた。 きようちゃいろ、つま / 、ろ、つ亠ま ランスロット卿は、黒い馬の手綱をつかみ、ガラハッド卿は茶色の馬、 たづなひ シハル卿は、灰色の馬の手綱を引いた きよう ちゃいろうま ( ししろ、つ亠ま きよう は し、 ろ つ たづな かおみ さんと、つ あんない み すがたみ おか おお こわき 125

2. ドラゴンと魔法の水

ノ、ろ、つま 黒馬のたてがみを、いとしそうになでなから、ランスロット卿が言った。 「わたしたちの馬を見つけてくれて、ほんとうにありがとう。この馬がいちば おく んはやいから、わたしが、そなたたちを、キャメロットまで送ろう」 「はいつ、おねがいします」 むす あか ジャックは、赤いマントをはおり、えりもとのひもを結んだ。 じぶん ランスロット卿は、ジャックとアニーを抱きあげて馬に乗せ、自分はふたり まえ の前にまたがった。 ひたりうで アニーは、右手でカップを持ち、左腕をランスロット卿のからだにまわした。 「アニ 1 、ばくがカップを持と、つか ? 」 こ、ん しんばい いちばん、つしろから、ジャックか、心配そ、つに亠をかけた。 「だいじようぶよ、お兄ちゃん」と、アニー もんむ ある しゅんび さんと、つ しゆっぱっ てつごうし 出発の準備がととのうと、三頭の馬は、鉄格子の門に向かって歩きだした。 みすき 馬がゆれるたびに、ジャックは、カップの水が気になってしかたがない。 みぎて 、つまみ 、つ士の きよう きよう 126

3. ドラゴンと魔法の水

くろ、つませんと、つ いちれつなら 、つますす ランスロット卿の黒馬を先頭に、騎士たちは一列に並んで、馬を進めた。 どうどう たいどあっとう ふたりの衛兵は、騎士たちの堂々とした態度に圧倒されて、ただ立ちつくし 、つま さんと、つ もんとお ている。三頭の馬は、なにごともなく門を通りぬけた。 よ さむ もんそと 門の外は、霧につつまれた、暗くて寒い、この世の世界だった。 つめたい風にあおられ、ジャックが着たマントのすそが、バ タバタとひるが べっせかい える。ジャックは、門の中の〈別世界〉とのちかいに、あらためておどろいた。 さんと、つ つばし 三頭の馬が、無事に吊り橋をわたりきったときだった。 とっぜん、馬たちが足をハタつかせ、ヒヒ 1 ン、ヒヒーンと、 めた。 め やみなかみ みんなは、目をこらして、闇の中を見つめた。 すると、霧の中に、白いものが、ばうっとうかびあがった。 「あっ、あれは : アニ 1 が、さけんだ。 かぜ なか きよう もんなか あし しろ せかい いななきはじ ・・ドラゴンと魔法の水 129

4. ドラゴンと魔法の水

したむ モーガンは、だまって下を向いた。そのとき おと とっぜん、ろうかのほうで、大きな音がした。サーツと吹きこんだ風に かべ いまつやろうそくの炎があおられ、壁にうつったかげが、ゆらゆらとゆれた。 、カッ、。、カッ、。、ツ おとちか つづいて、ひづめの音が近づいてきた。 おおひろま い , り・ノ、↓っ しせん みんなの視線が、 大広間の入口にくぎつけになった。 そこへあらわれたのは、馬に乗った、風がわりな騎士だった。 あかひかり しんく 騎士は、赤い光を放つよろいかぶとに身をつつみ、床までとどきそうな真紅 あたま くらした のマントをはおっている。馬はといえば、頭にかぶったマスク、鞍の下からの ぞくマット、からだをおおう布まで、すべてが緑色だ。 おも かんせい アニ 1 が、思わず、歓声をあげた。 あかみどり 「クリスマス・カラ 1 の赤と緑 ! あの人、クリスマスの騎士だわ ! 」 ほのお ぬの おお ひと ふう みどりいろ ゆか かぜ ・・・ドラゴンと魔法の水

5. ドラゴンと魔法の水

さんにん 踊りの輪のむこ、つに、ランスロット卿、ガラハッド卿ハ けんこし み 三人とも、剣を腰におさめ、身なりをととのえている 「騎士さん ! 」 アニ 1 が、呼びかけた。 「わたしたち、やったわ ! 」 さんにんきし ある 三人の騎士が、ジャックとアニ 1 に気づき、よろよろと歩いてきた。やせお かおいろ 、刀いふ / 、 とろえてはいるが、顔色はずいぶん回復している きおくそうぞうみず 「これが〈記憶と想像の水〉よー ぎん かんたんこえ アニーが、銀のカップを持ちあげてみせると、騎士たちは、感嘆の声をあげ っこ′、 「これを、一刻も早く、キャメロットにとどけましよ、つ ! 」と、ジャック。 むねん すると、ランスロット卿か、 ~ 念そ、つに一一一口った。 おく 「ああ、馬がいれば、ふたりをキャメロットへ送ってあげられるのだが : おど 、つま わ よ はや きよう きよう 0 きよう 0 1 シノノ呱力いた きよう 124

6. ドラゴンと魔法の水

「だいじようぶ ? 気をつけて ! 」 0 そのたびに、アニ 1 もこたえる 「わかってる、わかってる ! 」 もんみ てつごうし やがて、あの鉄格子の門が見えてきた〇 きんいろ 門のむこうに、金色のよろいかぶとをつけた衛兵が立っている むね とお おも 則にここを通ったときのことを思いだして、胸がさわいだ ジャックは、 と 事に、力学に、カ さんにんきし もんまえ けんぬ 三人の騎士たちは、門の前で馬を止めると、いっせいに剣を抜いて、高々と 、刀 , 刀しに ランスロット卿か、さけんだ。 「わが名は、キャメロットの騎士、ランスロット ! アーサー王の名において もんあ てつごうし 命じる ! 鉄格子の門を開けよ ! 」 こえ その声は、わすかにかすれてはいたが、低く重く、力強くひびいた。 てつごうし すると、おどろいたことに、鉄格子の扉がゆっくりと開きはじめた。 もん きよう 、つま とびら ひくおも ちからづよ ひら おう 0 ドラゴンと魔法の水 127

7. ドラゴンと魔法の水

三人の騎士は生きていた ! さむ ′、らせかい そこは、さっきまでふたりかいた、寒くて暗い世界とは正反対の、輝くばか うつく りに美しい世界だった。 たいよう ばくそ、っちひろ めまえ 目の前 ( ( リこよ、太陽がふりそそぐ、緑ゆたかな牧草地が広がっている くろちゃいろはいいろうま 0 そこでは、黒、茶色、灰色の馬が、ゆったりと草をはんでいる おか ほ、つ社一 ほくそ、っち 牧草地のむこうのなだらかな丘には、赤やむらさきの花が、宝石をちりばめ さ たように咲いている 「ああ、なんて、きれいなの ! 」と、アニーがため息をついた 「もう、姿をかくす必要はなさそうだね」 ジャックは、フードを取った。 み ふたりの姿がもどったのを見て、ジャックは、心からほっとした。アニーの かおみはなし 顔を見て話ができるのが、なによりもうれしい。 さんにん すがた すがた せかい ひつよう 0 きし みどり あ こころ し、 き せいはんたい かかや 0 ・ドラゴンと魔法の水

8. ドラゴンと魔法の水

「とんでもないー ばくたちは、ふつうの子どもです。でも、スノ 1 はきっと、 士玉ほ、つつか かんけい おも 魔法使いと関係があると思います。だって、キャメロットからここまで、あっ 亠ま とい、つ間だったから : : : 」 ランスロット卿か、、つなずいて一一一口った。 おじか 「そ、つかならば、そなたたちは、牡鹿といっしょに行くほ、つかよいであろ、つ はや わたしたちよりずっと早いにちがいない」 ランスロット卿は、ジャックが馬からおりるあいだ、銀のカップを持ってい いってき てくれた。、、 シャックは、カップを受けとると、中の水を一滴もこばさないよう おじか に注意しながら、牡鹿のところへ行き、アニーのうしろにまたがった。 おじか おも 牡鹿が立ちあがった。。 シャックは、思わす、カップを両手でささえた。 こ、ん ランスロット卿が、馬上から亠をかけた。 しんねんさいしょ まえ 「アーサー王に伝えてくれ。わたしたちは、新年の最初の夜がおとすれる前に、 かえ かならずキャメロットに帰ります、と ! 」 ちゅう おう きよう きよう きよう 、つ十 6 なかみす りよう一、 ぎん よる 0 ドラゴンと魔法の水 131

9. ドラゴンと魔法の水

「行ってみましようよ ! 」 まんいち 「待って ! 万一つていうこともあるから、姿をかくして行こう」 しんばいしよう 「お兄ちゃんって、ほんとに心配性ね」 くさ ジャックがフードを引っぱりあげた。姿が消えると、ふたりは、そろって草 う、んある の上を歩きはじめた。 とお そうして、三頭の馬のそばを通り、花畑の丘をのばり、丘の頂上についた。 「あっ、これは : くさちひろ こ、つけい おかした くさちひろば みどり 丘の下の草地に広がる景に、ふたりは、またしても仰天した。 緑の草地の広場には、大きなダンスの輪ができていた。 わなか カくし ぶえよこぶえたてごと 輪の中では、楽士たちが、たて笛、横笛、竪琴、マンドリン、大太鼓、小太 がっき たの おんがく 鼓と、さまざまな楽器で、楽しげな音楽を奏でている。そのまわりを、おおぜ いの人たちが、手をつなぎ、笑い、うたい、踊りながらまわっている おおがまばんにん 「お兄ちゃん、あれがきっと〈大釜の番人〉たちょ ! 」 ひと さんと、つ 、つま わら はなばたけおか すかた かな すがた おど ぎようてん おカちょうじよう おおだいこ 一」 4 にし ・ドラゴンと魔法の水

10. ドラゴンと魔法の水

まコ とうじようじんぶつ おもな登場人物 ジャック すおとこ しゅう アメリカのペンシルべニア州に住む男の子。 だいす み ほんよ 本を読むのが大好きで、見たことや調べたこ とを、すぐにノートに書くくせがある。 アニ ぼうけんだいす ジャックの妹。空想や冒険が大好きで、いつ なか げんき も元気な女の子。どんな動物ともすぐイ中よし になり、かってに名まえをつけてしまう。 モーガン・ルー・フェイ あねまほう プリテンの王・アーサーの姉。魔法をあやっ ほんあっ せかい り、世界じゅうのすぐれた本を集めるために、 たび マジック・ツリーハウスで旅をしている。 アーサー王 でんせつおうやみ プリテンの伝説の王。闇の魔法使いののろい べっせかい さんにん をとくために、三人の騎士を〈別世界〉に送る が、失敗してしまう。 クリスマスの騎士 真っ赤なマントをひるがえし、緑色の衣しょ うをつけた馬に乗る、風がわりな騎士。ジャ べっせかい ックとアニーをく別世界〉へ行かせる。 ら か くうそう どうぶつ おんな な おう おう まほうつか おく しつばい みどりいろ か うまの