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検索対象: ハワイ、伝説の大津波
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1. ハワイ、伝説の大津波

えがおす ジャックは、カマのおおらかな笑顔と澄んだ目を見ていたら、なにもかも、 かくさすに、話してみたくなった。 「ばくたちが住んでいるところは、ほんと、つは、フロッグクリ 1 クってい、つん とお だ。海の、ずっとずっとむこうなんだよすごく遠いんだ」 きようみ 「じゃあ、どうやって、ここへ来たの ? 」カマが、興味しんしんにたすねた。 圭 6 、つ 「 : : : じつは、ばくたち : : : 、魔法の小屋に乗って、ここまで来たんだ」 ひろ まんめん すると、カマとボカの目がまん丸になり、つづいて、満面に笑みが広がった。 たの 士につ こや 「魔法の小屋 ? それは、すごく楽しそう ! 」と、カマ 「ばくたちも、乗ってみたいなあ ! と、ボカ ジャックは、カマとホ力が、マジック・ツリ 1 ハウスのことを、なんのうた だいす しん かいもなく信じてくれたことにおどろき、ふたりのことが大好きになった。 カマが立ちあがって、さっきの女の人のところへ行き、なにか話していたが、 さんにんほ、つこく すぐにもどってきて、三人に報告した。 うみ まる おんなひと こや ・・・・ハワイ、伝説の大津波 103

2. ハワイ、伝説の大津波

「いいから、ばくのことは、ほっといてくれ ! 」 ジャックは、ふきげんに言って、リュックのところへ行き、本を取りだした。 「お兄ちゃん、なにをおこってるの ? も、つ一回、やりましようよ。こんどは、 腹ばいのままで、やってみれば ? 」 しかし、ジャックの気もちは、変わらなかった。 ほんとうは、ばくは、本でもっとよく調べて 「行かないったら、行かないー から、やりたかったんだ ! 」 「お兄ちゃん ! サ 1 フィンは、やりながらおばえるものよ。本で調べたって、 うまくならないわ。さあ、本なんか、しまって ! 」 ほんと アニーは、ジャックの手から、本を取りあげた。すぐにジャックが取りかえ すなうえ したが、 そのとき、足がすべって、砂の上にしりもちをついてしまった。 おおわら そのようすを見て、カマとボカが、また大笑いした。 あたま ンヤックは、、 しよいよ唄に」た。 あし ほん いつ、刀い ほん ほんと ほんしら しら 124

3. ハワイ、伝説の大津波

「それでは、ウナギとを、できるだけたくさん、と 0 てきてちょうだい」 それからプリシラは、女の子が持っていたかごをアニ 1 にわたすと、 やさい 「では、おねかいね ! メアリ 1 とわたしは、野菜をとりに行きましよう」 ある と言って、畑のほうへ歩いていってしまった。 ウナギをつかまえろ ! ジャックは、とほ、つにくれた。 いまのうちに逃げだそう。これ以上、おしばいをするのは、むりだ。 おも ばくたちは、なにも手つだえないし、スクワントかほんと、つのことを思いだし し て、ぼくたちなんか知らないって言いだしたら、ど、つする ? 」 しんばい 「お兄ちゃん、心配しすぎよ ! それに、たのまれたことをほうっては行けな て か おんな じよう 8

4. ハワイ、伝説の大津波

お話のふろく ハワイ、伝説の大津波 しよと、つ ・ハワイ諸島のなりたちと歴史 ノワイ諸島があります 太平洋の地図を見ると、そのほば真ん中あたりに、、 かざん しまも噴火をつづけるキラウェア火山があ いちばん南東にあるハワイ島には、、 A 」、つ 1 ) よ、つ じよう げんざい ります。百以上あるハワイ諸島の島は、どれも、もとは現在のハワイ島のあた ふんかあたら りにありました。海底からの噴火で新しい島ができては、すこしずつ北西の方 かたち 角へ移動する、ということをくりかえして、いまの形になったのです。 でんせっしん そせん せんじゅうみん いっせんねんいじよう ハワイの先住民は、一千年以上ものあいだ、古代の伝説を信じ、祖先からの 亠ま、も ちいき むら 言いったえを守って、暮らしていました。地域ごとに小さな村をつくり、畑で み 、つみさかな せいかっしなじな つく 作るタロイモを主食に、山で植物の実を、海で魚をとって食べ、生活の品々も、 みすしよくぶつひつよういじよう しぜん つく すべて自然のものから作っていました。また、水や植物を必要以上にとること きん しぜんかえ は禁じられ、使ったものは、また自然に返しました。たとえば、レイの花は、 うみなが やま 枯れると山へもどしに行き、水も、汚れをとってから海に流していたのです。 はなし 1 ) よと、つ A 」、つ ひやく なんとう つか しゅしよく 、力いてい れきし やま しよくぶつ と、つ でんせつ みす よご おおつなみ なか ふんか 、」十にし 0 156

5. ハワイ、伝説の大津波

くろ ぐっをはき、頭には、黒っほい、つばっきのばうしをかぶっている。背おって かわふくろ いたリュックは、革の袋に変わっていた。 がっこ、つ 「ねえ、お兄ちゃん。このあいだ、学校で劇をやったの。ョ 1 ロッパからアメ はなし リカ大陸へ、はじめて移住した人たちのお話だったんだけど : ものがたり きよねん 「ピルグリム・ファーザーズの物語だね ? ばくたちも去年、その劇をやった 「この服、そのときの衣装とそっくりよ ! 」 きっと、ばくたちは、ピルグ み、、つかー 「、つ 1 ん、そ、ついえばそ、つだな : じだい リム・ファーザーズの時代についたんだよ ! 」 まえ よんひやくねん ピルグリム・ファ 1 サ 1 ズとは、、 しまから四百年ほど前、イギリスから北ア とち はくじんむら ひがしかいカん メリカにわたり、東海岸のプリマスという土地に、はじめて白人の村をつくっ ひと / 、ろ、つ かれ しぜん 皮らは、きびしい自然とたたかいながら、苦労をかさねて、 た人たちのことだ。彳 カっしゅうこくど・こ、 いまのアメリカ合衆国の土台をつくった、といわれている ふく あたま しよう じゅう ひと 0 0 せ きた

6. ハワイ、伝説の大津波

なみ せんしん ボ 1 ドを投げては、波にもぐり、ジャックは、なんとか前進していった。 むね みずふか 気がつくと、水の深さは、胸ぐらいになっていた こ、んしじ ポカが、大きな声で指示を出した。 さ去一 「ここから先は、ポ 1 ドに乗って、手でこいでいくんだ ! 」 おき りようてこ、つごみす ボカとカマが、ボ 1 ドに腹ばいになり、両手で交互に水をかきなから、沖へ すす 進みはじめた。アニ 1 も、おなじようにして、ふたりのあとを追う。 ジャックもまねをしてみたが、これは、意外とうまくいった。 ちょうし ( うん。この調子なら、ばくでも、あんがい、うまくいくかもしれないぞ : : : ) おも そう思ったときだった。 こ、んき うねりのむこうから、カマの声が聞こえた。 あいず なみく おお ! 』って合図をしたら、ボ 1 ドの向き 「大きな波が来るわ ! わたしが『ゴー はまべ を変えて、浜辺に向かって、すばやく水をかくのよ。いい ? しの ? 」と、アニーか聞いている 「いつ、ボ 1 ドの上に、立ちあがればい、 おお 、つえ はら みす し、力し ・・・ハワイ、伝説の大津波 1 1 9

7. ハワイ、伝説の大津波

サーフィンに挑戦 「サ 1 フボ 1 ドは、どこにあるの ? と、アニ 1 。すでに、やる気まんまんだ。 がけしたゆび カマが、崖の下を指さして言った。 こみち 「この下よ。あの小道をくだったところに、おいてあるの」 さかみち すなはま 見ると、崖にへばりつくように、ほそい坂道が、砂浜までつづいている 「それじゃあ、行きましよう ! 」 せんとう がけさかみち アニ 1 が先頭に立って、崖の坂道をおりはじめた。ポカ、カマがつづき、そ のあとから、ジャックかついていく さかみち とお さくて 坂道は、人ひとりがやっと通れるほどで、柵も手すりもない ) 、 したみ なるべく下を見ないようにして、こわごわとおりていった。 すなはま しろすな ようやく砂浜におり立ち、はだしになると、白い砂はあたたかく、サラサラ していて、気もちがよかった。 み した と ちょうせん 0 ノヤックは、 0 1 14

8. ハワイ、伝説の大津波

「わたしは、木の実をとりに行ってくるわ。アニ 1 、そのあいだに、そこのニ ンジンとカプを、火のそばへ持っていっておいて。それから、シ 1 フ 1 ド・シ 1 プを入れるのも、おねがいしていいかしら」 チュ 1 の香りつけに、、 「ええ、わかったわ」 へや プリシラか部屋を出ていくと、アニ 1 は、ニンジンとカプを、暖炉のそばへ 運んだ。それから、ジャックにたすねた。 ープって、どれのこと ? 」 「ねえ、お兄ちゃん。 ジャックは、プディングをかきまぜなから、一一一口った。 じぶんほんしら 「ばくは、いま、手がはなせないから、自分で本を調べてよ」 ほんひ かわぶくろ アニ 1 は、革袋から本を引っぱりだし、「ハ 1 プ」について書かれたページ ひら せつめい を開いて、説明を読みあげた。 ピルグリムの人びとは、葉を食べる野菜のことを、「ハープ」と呼んでい かお ひと やさい だんろ ・・はしめての感謝祭

9. ハワイ、伝説の大津波

うつく ことししゅうかくゆめ しようけんめい働いたのよ。だから、今年の収穫は夢のよう : だんろ あ 、カ十に よこがおみ 暖炉の明かりをほおに受け、そう語るプリシラの横顔を見て、ジャックは、 ひと おも ゅ・、つ」 美しい人だ、と思った。きれいで、やさしくて、勇気がある人だと なみだ プリシラが、涙をふいて言った。 とくべっ 「そうだわ。いまから、特別なもよおしがあるの。ちょっと見に行かない ? 」 「もちろ : ・・ : じゃなくて、 いいわ ! 」 ジャックとアニーは、プリシラについて、外に出た。 七面鳥の丸焼き プリシラは、ジャックとアニ 1 を、村のはずれの野原へ連れていった。すで おお くひと に、大ぜいのピルグリムやワンパノアグ族の人たちが、集まっている しちめんちょ、つ はたら まるや むら そとで のはらっ あっ ひと 0 0 ・・・はしめての感謝祭

10. ハワイ、伝説の大津波

なみ すなはま 波が、砂浜をすべるようにおしよせては、足首にからみつく。ジャックは、 なみ 医ば、つ このぐらいの波なら、なんとかなりそうだと、すこし希望をもった。 まえすす みず ふか あしおも しかし、前へ進むにつれて、水はだんだん深くなり、足が重くなってきた。 なみく 波が来るたびに、かかえているボ 1 ドといっしょに、浜のほうへ押しもどされ てしま、つ。 気がつくと、ほかの三人は、もうずっと先へ行っていた。 なみ なみうえ じぶんなみした ポカは、大きな波が来ると、ボ 1 ドを波の上にほうり投げ、自分は波の下に なみとお もぐりこんでいる。波が通りすぎると、浮かんでいるボ 1 ドをつかんで、また ある おき 沖へと歩いていく。 なみく ジャックは、つぎの波が来ると、ホ 1 ドをほうり投げ、めがねをおさえて、 なみした かいすい 波の下にもぐりこんだ。鼻の中に海水がはいって、ツーンといたかった。 すいてき めまえ 立ちあがって、めがねについた水滴をはらうと、目の前にボードが浮かんで いた。ジャックは、あわててそれをつかんだ。 おお さんにん なか さ」 あしくび 1 18