ロボット - みる会図書館


検索対象: クリスマスイブの出来事
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1. クリスマスイブの出来事

「べつな箱をあけてみよう」 そばの箱をあけると、こんどは女のロボットが出てきて言った。 「ああら、坊やたち。遊び相手がなくて、つまんなかったでしよう。あたし ゞお相手してあげるわよ。かくれんばしましようか。それとも、なぞなぞご っこかいし・ しょち これもおかしかった。しかし、ふしぎがってもいられない。植物への処置 を急がねばならないのだ。それにしても、どうしてこんなことになったのだ ろうか。こんなロポットばかりなのだろうか さいしょ 二人は今あけた箱をよく調べた。ふたに文字が書いてあった。最初のには こう記してあった。 〈 3 級ロポット。レジャー用。生産や実務には適せず〉 女ロボットのはこうだった。 せいさんじつむ てき 208

2. クリスマスイブの出来事

うちゅうせんと 星々のきらめく広い空間を、一台の宇宙船が飛びつづけていた。かなりの うちゅうせん かもっゅそう おおがた 大型だが、乗っているのは二人だけだった。これは貨物輸送用の宇宙船だっ いみん たのだ。地球から移民した人びとの住む星から星へと、いろいろな品物を運 ぶのが役目だった。 きけん へんか かもっせん みち たんけん 「未知の星への探検旅行とくらべ、貨物船の仕事は危険がないかわり、変化 がなくて退屈だな」 にんむ 「任務には、さまざまな分野があるものさ。重要さでは、どちらが上とはい ねほけロボット たいくっ じゅうよう 203 ねぼけロボット

3. クリスマスイブの出来事

207 ねぼけロボット

4. クリスマスイブの出来事

「キ 6 ) 0 そうおっしやるところをみると、わたしがねばけていたのですね。 その場合は、人間に対するのと同様になさればいいのです。つまり、ほっぺ たをひつばたいて下されば : 「そうだったのか : ほんのう 人間の本能にあわせて、わたしが作られているのです。統計による と、ねばけた相手に対して、人間はたいていそうするそうです : : : 」 しょちてきちゅう 思いがけなく、処置が的中したわけだった。ロポットは植物に近より、そ かた なえつけの薬品を使って、手ぎわよく片づけてくれた。 こうろ うちゅうせん かくして、宇宙船はふたたびぶじに航路をたどりつづけた。 と、つけ・い 213 ねぼけロボット

5. クリスマスイブの出来事

星新一 ショートショート セレクション 和田誠絵 星新いー〈・ レクションの 短い物語の中に、現代 と未来のいくつもの顔 を鮮やかにとらえる (-n 童話。ショートショ ートの名手が明日の子 どもに示す新しい世界。 日頭の大きなロボット圓ピーターバンの島 田ねらわれた星 盗賊会社 未来人の家 2 宇宙のネロ 磴クリスマスイプの出来事 3 ねむりウサギ日夜の山道で Ⅱホタン星からの贈り物 9 さもないと 3 奇妙な旅行 宇宙の男たち e 重要な任務 日番号をどうそ

6. クリスマスイブの出来事

「坊やたち、鬼ごっこがいいわね。ぐるぐる回りながらだと、つかまえにく いわよ」 しゅうしゅう たいへん 大変なさわぎで、収拾がっかなくなった。植物への対策が進まないばかり うちゅうせん へん か、変なロポットばかりがつぎつぎあらわれる。この宇宙船がどうなるのか、 見当もっかなくなってきた。 「ひどいことになった。あんなロポットなど、起こさないほうがよかった。 なにか注意書きはついてないか」 しへん 箱のなかをのぞくと、紙片があった。 せいこ、つ スイッチを入れてしばらくは人間 〈これは精巧なロポットで、人間に近い。 の場合と同じく、ねばけることがある : : : 〉 じじよう 事情はわかった。しかし、その場合はどうしたらいいのかという部分は、 紙がちぎれてなくなっていた。ロボットが起きあがる時に破けたらしい ぼう おに たいさく ゃぶ 211 ねぼけロホット

7. クリスマスイブの出来事

スイッチを入れる前によく読めばよかったのだが、あわてていたので、こ んなことになってしまった。い まさら後海しても、まにあわない。 そうじゅうしつ 操縦室のロポットはあたりをいじりまわし、ほっといたらドアをあけるポ めいあん タンを押しかねなし ) 。はらはらする思いだか、名案もすぐには浮かばない。 一人はがまんができなくなり、前後も考えずにそばにあったハンマ 1 を手 にし、ロポットをなぐりつけた。 「こいつ。しつかりしろ。目をさませ」 ハンマ 1 はロボットの顔に当った。だが、ロポットはこわれもせず、さら きようぼ、つ に狂暴にもならず、ふいにおとなしくなって答えた。 「はい。なにをいたしましようか」 ′、ちょう めいれい ′、ちょう はっきりした口調で、命令を待っ口調だ。 「もう大丈夫なんだろうな」 だいじようぶ お こうかい 212

8. クリスマスイブの出来事

〈 3 級ロポット。子守用。それ以外の役には適せず〉 かれ 理由はわかった。これではどうしようもなかったわけだ。彼らは、もう少 しましなのはないかと、つぎつぎと箱を調べていった。 ばんのう さいこ、つ 〈最高級ロポット。高度の仕事むき。万能。人間に近い機能〉 ついに見つけた。 「これだ。これだ。さあ、早く使おう」 ひょうじよう せいこ、つ 箱をあけ、スイッチを入れる。いかにも精巧そうな表情のロポットが立ち めいれい かれ あがった。彼らは急いで命令した。 ひつよう 「あの植物をしまっしてくれ。必要な道具や薬品はいちおうそろっている。 なんでも使っていい」 ロポットはゆっくりと答えた。 、なにか、ど一つ、しにと、 いうのですか」 し力し てき きのう 209 ねほけロボット

9. クリスマスイブの出来事

こくあらそじたい 「そんなに、のんびりしていては困るのだ。一刻を争う事態なのだ。早くや れ。おまえにはできるはずだ」 しかし、ロポットは植物などには見むきもせず、操縦室のほうへ歩いてい そうち った。そして、そのへんの装置をいじりはじめた。 ゅ ふきそく そのため、船体は揺れたり、不規則な回転をした。二人はあちこちにぶつ えきち きんぞく かる。植物もころがり、金属をとかす液が散り、危くてしようがない。 「おゝ、 やめろ」 と大声で命じても、ききめはない。 つばう、レジャ 1 ・ロボットは面白そうな声を出している。 だんなかわ ゅ 「これは旦那。変った趣向ですな。こんなに揺らせながら酒を飲むなんて。 よ 早く酔おうというわけですか : 子守口ポットはこんなことを言う。 しゅこ、つ こま あぶな そうじゅうしつ 210