「 ( れからの出来事 ・」うりしゅぎしゃ 合理主義者 むじゅうりよくはんざい 無重力犯罪 ゅう 力 誘拐Ⅲ じぞう お地蔵さまのくれたクマ ピーターパンの島 もたらされた文明 サーカスの旅 帰路 い 3
「そんなことないわ。頭はずっといいのよ」 ひょうじよう けいべっ 話が一致しないまま、弟はしだいに軽蔑したような表情になり、両親は悲 かぎ しそうな顔つきになる。ウエンディに限らず、どの両親の場合も、最後には 「いるわよ」 と、彼女は言いかえす。 ゝ ) 0 ヾ 「じゃあ、見たことあるの力し くらやみ 「暗闇のなかにいるのよ」 くらやみ 「暗闇のなかじゃあ、見えないじゃないか」 「それが見えるのよ」 と、話は合わない。 ようせい 「妖精がいたとしても、そんな小さいのなら、頭なんかもさぞ悪いだろう かのじよ とこにいるんだい」 ロ 7 ピーターパンの島
ねが どうしても、こうなってしまうのだ。この願いは手紙に書かれ、先生に渡 された。 こ一、も その手紙を読んだ先生は、子供たちが去ってから、電話をかけ、顔をゆが めながら、告げた。 「ああ、また例のように、お願いしなければなりませんな」 雪が降り、積もり、クリスマス・イプになった。雪の上にソリを走らせ、 こども やくそく 約束どおり、サンタクロースがお城に来た。ソリは子供たちが作っておいた、 ようせい 妖精やお化けの雪だるまのそばでとまった。 「ねえ、いっ連れてってくれるの」 かんせい と、みなは歓声をあげながら、口々に聞き、サンタクロースは、 むか 「あした迎えにきてくれるように、たのんであるよ」 と、やさしい声で答えた。その夜、城のなかは、ろうそくの灯と歌声で、 ねが しろ しろ あかり わた 181 ピーターパンの島
咸完れ る よ か く 夜 ま 時 を も 子 じ い 子こ そ き 供ぎ カゞ う っ く が た ど も の な お ば 執を夜 き あ っ あ た と 日 さ て け え ち カゝ つ に ノし、ん つ な 白 ば あ に た た ゆ た の の る 話 と 聞 の 航 く く り る し ) 海 気 潮船 も 島 海 3 、 と し し い き 風 た だ が 円 す は の つ い 子こ鳥 の 帆ほ を ぐ っ の オこ む よ た 供が く 船 聞 な を わ ち 0 た 船 と 長 き か ふ か 月い ーナ で く カよ ち の の つ ・イっ 海望 上 は ら が た 迷 オよ 賊を 迷え子こ に 船 を ま ら く 子こ 鏡 } 供せ に 供ぎ の 員 飛と は 船 ん 歌 を 小 た に は て が 借ゕ 長 ひ 他 ち さ で お 過すムがり は 南 人 話 と な は 島 ぎ 甲 唱 ; て の を り に ロ 板第進 グロく も せ さ か 足 / げ ず しゝ 相き が れ も を カゞ と み び 見 な を ん オこ っ カゝ つ い 破はだ 魚 つ洋 え と け な 壊ぃ か 0 が も ま け く た す 海み波 ら わ て 坊 る し . そ の つ しゝ 主ず上 の 島 と 平 に 幽 は 糸泉 か マ し 匕じ ず 上 ; 船芫 を ス て に む ト む の つ に 暖 快まだ け け た あたた ピーターパンの島 183
パンの第 星新一 ショートショート セレクション 和田誠絵 論 理
です」 「そんなこと 、いいではございませんか。太陽が空にある。なぜそうなのか、 せつめい 説明できないのと同じですよ」 「挈、一つい一つ、もの、か、ね」 それ以後、青年は何回か使ってみた。カードの性質を知ろうとして。そし ほうそくせい かんたい てわかったのは、持ち主についての歓待や反抗についての法則性はまったく ぎやく ひこうき むりよう ないということ。うまくいけば飛行機を無料でチャーターできるが、逆に地 下室に閉じこめられ、水と少しのパンで十日間を過ごさせられるかもしれな せま 美女にまとわりつかれるかと思えば、スパイにされて自白を迫られ、眠る ゆる ことを許されないこともある。 じゅうどう たいしょ うまくいくのならいいが、問題はだめな場合への対処だ。青年は柔道を習 はんこ、つ せいしつ じはく ねむ 87 応対
しているのだから。 せんばっ 先生は、ねだられるままに、つぎつぎと話して聞かせる。選抜されてここ こ ゆる きんむ とくべつきんだん に勤務している職員は、特別に禁断の本を読むことを許されているので、子 ども 供たちに話してやることができるのだ。そして、話しながら、そっと子供た きろく はんのう ちのようすを観察し、あとでその反応のデータ 1 をくわしく記録する。この ぎもんいだ ような話に疑問を抱きはじめる子があらわれれば、それは報告され、のク しよくいん ラスに移されるのだが、そんな例は、職員の期待に反してごく少ない。 このようにして、クリスマスが近づいた。クリスマスの風習はここだけに 残っている。科学的に意味のない日を祝おうなどと、考える者はほかにいな島 いつばん ごうせいきねんび かせいとうたっきねんび いのだ。火星到達記念日。ヴィールス合成記念日。このような日を、一般の 7 人びとはカラー・スクリ 1 ンの上にひろがるアプストラクトの動きをバックピ きかい に、油のきれた機械のような音楽と、原色のカクテルに興奮しながら、踊り のこ かんさっ しよくいん てき いわ こうふん こども
「あっ、そうか、そういううまい方法もあったんだな」 かんたん 「われわれも、どうかしているな。こんな簡単なことに、どうしてだれも気 がっかずにいたんだろう」 ぐんしゅう ちしき 群衆は口々に叫び、この新しく得た知識に目を輝かせ、顔をほてらせた。 なかには、手をたたきながら飛びはねる者さえあった。 おどろ 「まだ驚くのは早すぎるんだ : と、乗員はポケットのなかにあった、地球で手に入れてきたビールのセン たま ヌキ、ダイス、ピストルの弾丸などを手のひらにそろえて、そのほかのさら ふうしゅう じゅうみん に珍しい風習のかずかずの話にうつりたがった。しかし、ピル星の住民たち ようい のどよめきは、容易にしずまりそうにはなかった。 かんたん かわ だいに意味がわかってくるにつれ、感嘆の声は前にもましたどよめきに変っ ほ、つほ、つ かがや 円 4
かくしゅなん へんか 一方、地上においては、静止などありえない。変化がつづいた。各種の難 かいけっ もん 問も、本気になってとりくめば、少しずつ解決されてゆく。それには、コン せいの、つこうじようふきゅう ピュ 1 タ 1 の性能向上と普及とが、大いに役立った。 よ じようたい りそうてき かんぜん ) いほどの状態がおとずれた。連動 やがて、完全とか理想的とか呼んでもし しているコンピュ 1 ター群が、なにもかもやってくれる。それにまかせてお へいおん きさえすれば、すべてがうまくゆく。平穏な日々が、いつまでもつづくので はないかと思われた。 へいおん たいだ かぎ しかし、ものごと、 しいことずくめとは限らない。平穏は人を怠にし、 こうじようしんうしな 向上心を失わせた。コンピュ 1 ターがなにもかもやってくれ、なんでも教え とりよく ひつよう てくれるのだ。努力とか研究など、なぜやる必要がある。 いっしか、順調そのものだったコンピュ 1 ターに、狂いが生じはじめた。 しゅうり・ こしよう いぜん 以前なら、すぐそれに気づき、故障部分の発見と修理とが、すぐになされた じゅんちょう ぐん くる しよう れんどう