説明 - みる会図書館


検索対象: ピーターパンの島
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1. ピーターパンの島

、カオし ひょうばん 「あの、評判を耳にしてやってきたわけです。じつは、わたし、工場の事故 それに対し、院長である医者が言った。 せつめい えいカ 「ご安心下さい。なおりますよ。くわしい説明は、この映画で : : : 」 えだ スクリーンにそれがうっされた。地面にさした木の枝から根が発生すると 治療後の経過 とくしゅげかせんもん かんじゃ ここは特殊外科専門とでも称すべき、ある病院。患者がやってきた。片腕 ちりようご 。し・カ しよう かたうで

2. ピーターパンの島

「しかし、品物を持ち出して行くって、なんのために持ち出すのだろう」 せつめい 「連中はこともなげに、こう説明してくれた。わかりきったことじゃないか、 自分であくせく働いて品物を買うより、ひとのものをそっと持ってこられるさ かんたん なら、その方がずっと簡単じゃないか、とね」 ぐんしゅう 群衆は、一瞬しずまりかえった。その意味を考えていたのだ。しかし、し 「あまりふしぎなので、われわれもいろいろと聞いてみた。そして、ひとが そうぞう 入ってきて勝手に品物を持ち出して行くのを防ぐためらしい。と想像がつい 「これを家のドアにつけると、自分にはあけられるが、ほかの者にはあけら れなくなるというしかけなのだ」 へん 「まったく変なものだな。やつらはなんのために、そんな物を作ったのだろ れんちゅう いっしゅん はたら ふせ

3. ピーターパンの島

は ら、刃のほうが欠けてしまった。 「なんだ、これは」 せつめいしょ もっとも、これ 説明書も入っていないし、書かれている文字も読めない。 、もし、つ いんしよう は模様なのかもしれないが、意味を持っているような印象を受ける。古代の 文字を天才的なデザイナ 1 が近代化したら、こうもなろうか。 考えても、わかるわけがない。やはりクレジットカ 1 ドの一種だろう。青 年は外出し、大きなホテルへ行き、フロントでそれを見せて聞いた。 「このカードが通用しますか」 か 係はそれを見て、口調を変えた。 さいこ、つ 「これはこれは。よくぞ、おいで下さいました。最高の部屋へ、ご案内いた します。お食事は、館内のレストランでしたら、どこでもお好きなものを てき か かんない いっしゅ す あんない 4

4. ピーターパンの島

ふかんしよう 「じゃあ、お子さんは、毎日あんな目に会っているのですか。おばけ不感症 なんですか」 ひつようひん ふかんしよう 「不感症とはちがいます。むすこにとって、あれは必要品なんです」 、じじよう 「まさか。どういう事情なんです」 せつめい 男はふしぎがり、主人は説明した。 けんや ぞんじ いゼん 「じつは、わたしたち、ご存知のように、以前は都会の一軒家に住んでいた。 かいぞう ものお むす , 、が生まれ、物置きだったと , 、ろを改造し、その部屋にした。そこが、 のろわれた部屋だったわけです。わたしと家内は気がっかなかったが、むす ふつう まいばんかい こは毎晩、怪異とともにすごしていた。なれてしまい、それが普通だと感じ ながら育ったというわけです」 「なるほど」 いったい 「そのうち、その一帯がとりこわされ、大きなマンションが建った。その一 た 23 子供の部屋

5. ピーターパンの島

用された木材で作られ、背の上部には動物の頭の骨がとりつけられている。 ′、つ、つ ふきっ まさに不吉であり、悪であり、死と苦痛を感じさせる。 部長が進行のぐあいを見にきた。 ひょうばん 「だいぶできてきたな。ぶきみなものだ。悪くない。評判になるぞ」 「部屋のなかを暗くしまして、ロウソクをつけ、呪文のテープを流せば、い かんせい ちおう完成です。やってみましよう」 せつめい そう青年は説明し、テ 1 プのスイッチを入れた。うめくような重々しい声 が流れた。 : エリオナ・オネラ・エラシン : あやしげなるムードが盛りあがった。青年は顔をあげ、椅子に目をやって 叫んだ。 「あっ・ 、も′、ヾさい ほね じゅもん

6. ピーターパンの島

けいかん と、不審に思った警官は、その男にこう呼びかけてみた。しかし、男は笑 いなからこう答えた。 「えつ、わたしですか。いし ) ですとも、行きましよう。しかし、だれもわた しをつかまえることなど、絶対にできませんよ。たとえ、あれに乗っていた たんけんたいいんれんちゅう や 探検隊員の連中が、みな焼け死んだとしても」 「なんだと : けいかん けいさつれんこう ていこ、つ じしん 警官はその男を警察に連行した。男は抵抗もせずについてきた。さも自信 ありげなようすで。 おそ 「なにか恐るべきことをたくらんでいるやつが、つかまったぞ」 けいさっ けいじ 罪 と警察じゅうは色めき、刑事はただちにその男の取調べにとりかかった。 カ せつめい 「ゝっこ ) 、ヾ し / し とんなことをやったのだ。さしつかえなかったら説明してくれ無 ないかね」 ふしん ぜったい わら

7. ピーターパンの島

です」 「そんなこと 、いいではございませんか。太陽が空にある。なぜそうなのか、 せつめい 説明できないのと同じですよ」 「挈、一つい一つ、もの、か、ね」 それ以後、青年は何回か使ってみた。カードの性質を知ろうとして。そし ほうそくせい かんたい てわかったのは、持ち主についての歓待や反抗についての法則性はまったく ぎやく ひこうき むりよう ないということ。うまくいけば飛行機を無料でチャーターできるが、逆に地 下室に閉じこめられ、水と少しのパンで十日間を過ごさせられるかもしれな せま 美女にまとわりつかれるかと思えば、スパイにされて自白を迫られ、眠る ゆる ことを許されないこともある。 じゅうどう たいしょ うまくいくのならいいが、問題はだめな場合への対処だ。青年は柔道を習 はんこ、つ せいしつ じはく ねむ 87 応対

8. ピーターパンの島

わたし まど そこでドアをあけてやると、私たちの犬はぞろぞろと出ていった。窓から 見ていると、犬たちはこの星の原住犬たちと話しあっているようすだったが、 、も′、てき こうしようせいりつ しばらくすると交渉が成立したのか、目的の植物の実を口にくわえて、たく わたし さん運びこんできた。私たちは、ほっとした。 「うまくいったな。どう話したんだい」 わたし 私たちの犬は、答えてくれた。 せつめい 「ありのままに説明しただけですよ。星から星へとサーカスをしてまわって とちゅうレよくりようふそく いるが、途中で食料が不足してこの星におりた。あの植物の実をわけてほし とね」 「それはよかった。だが、お礼は、どうしたらいいたろうか」 「連中は、サーカスというものを見たがっています。見せないわけには、い きませんよ」 れんちゅう 8

9. ピーターパンの島

どういうわけだ。わけがわからん」 つぼ わたしは長いあいだ、その壺のなかに押しこめられていた者です」 つぼ つぼ はかせ と男は壺を指さした。博士は男と壺を見くらべていたが、顔をしかめなが ら、お」そかに一一 = ロった。 じようだん ごうりてきせつめい 「そんな冗談はいかん。もっと合理的な説明をしてくれ」 「そんなことをおっしやっても、わたしは古代アラビアの魔神で、本当にそ つぼお の壺に押しこめられていたのですから仕方ありません」 はかせ にがひょうじよう 博士は、ますます苦い表情になった。 こども 「魔神だと。とんでもない話だ。そんな子供だまし、いや、そんな話は、子 ども 供に対してもしてはいかん。教育上、害があるぞ」 しん つぼ 「信じていただけないのは仕方ないとして、わたしとしては、壺から出して合 のぞ いただいたお礼をしなければ、気がすみません。どんなお望みでも、三つだ まじん まじん こ

10. ピーターパンの島

しろもど 城へ戻る道をたどる。すでに、あたりに生気がみなぎりはじめていた。日 の ざしも強くなり、大地は弾力を回復し、植物の伸びるのも感じられ、葉ずれ まりよく の音さえ楽しげだ。遠くにエゞ 虫カかかっている。のろいの魔力は消えたのだ。 しろもど 青年は城へ戻り、王女に言った。 「うまくいったよ。さあ、ペンダント」 「あたし、急に元気になっちゃった」 陽気な笑い声をあげた。 じゅうみん つぎの日にはもう、住民たちが城へとやってきた。ニワトリが卵をたくさ 工 6 ん生みはじめました。ためしにと掘ったら、こんな大きなニンジンが。たる のなかの酒のにごりが消えて、いい味に。だれもが、なにかを持ってくる。 王女はいちいち説明した。 「みんな、このかたのおかげですよ」 わら だんりよくかいふく にじ しろ たまご 1 1 1 ある古風な物語