E ・ F ・シューマッ はかせ ハ博士が、 ] 966 年 ちゅうかんぎ せつりつ に設立した「中間技 じゅっかいはつ 術開発グループ」 (ITDG) では、発 ひとびと かいぜん てんとじようこく せいかっ 展途上国の貧しい人々の生活を改善 みず りよう するには、水の利用がポイントになる、 と考えています。 みず けいかく りよう ちゅうしん 水の利用を中心とした計画の一つと して、げ DG は、ケニアのムプイル村 きようきゅう えんじよ の IOOO 人に電力を供給する援助を ねん まず かんが ひと でんりよく すいりよくはつでんしぎよう このムプイル村のマイクロ水力発電事業では、 じぞくかのうしようきほ ぎじゅっ かね お金がかからす、持続可能な小規模の技術を かわみず むらなかなが りよう でん 利用することで、村の中を流れる川の水から電 せつびけんせつ りよくて じぶん 力を手に人れています。自分たちで設催の建設 むらひとびと さんか と維持に参加することで、村の人々は、利益を 手に入れることができました。 しようきほ すいりよくはつ しました。小規模なマイクロ水力発 なが ちか かわ 電システムによって、近くを流れる川 なが げん の流れを、エネルギー源として利用し たのです。ダムはつくる必要がありま ひとびと せんでした。村の人々は、川に小さな みず みず せき 堰をつくって水をため、バイプで水を みちび はつでんき まわ 導いて、発電機を回したのです。 むら りえき りよう ひつよう むら かわ
気候変動 せんもんか あたた ちきゅう おお 多くの専門家が、地球は温かくなりつつある、と考えています。これ 政府のような立場からだけでなく、個人の立場からも、温暖化のスピー ちきゅうおんだんか かん へんか かんが が地球温暖化で、世界の気候を変化させ、干ばつや洪水をおこします。 たちば ちから ドをおさえる力になることができます。 たちば おんだんか 0 温室効果ガス おんだんか ちきゅう 温暖化によって、地球の気候が、変化 おんしつこうか しつつあります。これは、温室効果ガス おんしつこうか へんか げんいん が原因であり、このガスの大部分は、石 小ゐ、ん せき りよう はっせい てんねん 量にとける恐れがあり、地域によっては ちいき おそ がこのまま続けば、氷河などの氷が大 こおり つづ ひょうが を燃やすときに発生します。地球温暖化 ちきゅうおんだんか 炭や石油そして天然ガスなどの化石燃料 かせきねんりよう せきゅ こうずいさいがい しんばい 洪水災害がひどくなることが心配されて べつ あめ います。また、別の地域では、雨や雪が さばくか 降らなくなり、砂漠化するところも出て きます。こうした事態をさけるために げんいん おんだんか ひと 温暖化の原因の一つである自動車の新し どうりよくげん けんきゅう い動力源や、新しい発電の方法が研究 されています。 0 自然エネルギーの活用 みず すいりよくはつでん ちから 水力発電は、水の力を利用して、 おせん 汚染の少ないクリーンな電気を生産し ちいき あたら はつでん あたら しぜん かつよう りよう でんき せいさん はつでん りよく でん りよう かてい だんぼう かいがんぷ 力に変換することができます。海や うみ へんかん ま利用できるほか、地熱発電所で電 ちねつはつでんしょ 蒸気は、家庭の暖房や給湯にそのま きゅうとう じようき から手に入れることができる温水や おんすい 温泉や間欠泉といった天然の温水源 てんねん かんけっせん おんせん おんすいげん おこってきています ( 26 ページ参日召 ) さんしよう ていますが、環境問題や社会問題も しやかいもんだい かんきようもんだい りよう りよう 電力を生産しています。 でんりよくせいさん ところで生しる熱水と水蒸気を利用して、 ねっすいすいじようき しよう ニュージーランドの地熱発電所。地下深い ちかふか ちねつはつでんしよ 利用しているところもあります。 海岸部では、波のエネ丿レギーを発電に
み 水の問題をいっしょに考えよう みなまたびよう すいぼっ なが を妊婦が食べると、胎児が水俣病にかかる、 い土地を水没させてしまうだけでなく、流れ じようりゆうがわかわぞこ こうせいろうどうしよう ねん てきた土砂をせきとめ、上流側の川底を高く というのです。厚生労働省は、 2004 年には、 かりゆうがわかわぞこ ようちゅうい ひく 「メカジキ、キンメダイも要注意」、と警告し する一方で、下流側の川底を低くしてしまい かわじようげ うみ ていました。「海をきれいにする」ことは自 ます。また、川を上下する魚の移動をさまた 分の命と健康をまもるためにも、さけてれ みず ぶんいのちけんこう げ、水をくさらせることもあります。このた ねんだいいこう おおがた め、アメリカでは、 ] 990 年代以降、大型ダ ない、さしせまった課題になっています。 ムをとりこわすようになりました。そのよう かんが ひろ ロ「森林と湿地」 な「脱ダム」の考えは、日本でも広がってい あまみず しようきほ しんりん ます。その一方で、「ダムによらない小規模 森林は、雨水をしつかりと受けとめて、地 かっこく かすい すいりよくはつでん せかい ちちゅう 水力発電」への期待が、世界の各国で高まっ 下水として地中にたくわえたあと、ゆっくり かわ なが しんりん と川に流してくれます。このため、森林は、 ています。 みどり しんりん こっ 「緑のダム」ともよばれています。森林は、洪 すいしげん 0 「未来へ向けた解決法」 水を防いでくれているだけでなく、水資源を にんげん かがくぎじゅっ こくりつりんぎようしけん どうぶっちが ほか 人間は、他の動物と違って、「科学技術」 たくわえてくれているのです。国立林業試験 かがくぎじゅっ しんば じようせんもんか しんりんぜんこく をもっています。その科学技術をもっと進歩 場の専門家は、「森林は全国のダムの約 ] 9 倍 あんぜんみず ぜんこく ちょすいりよく させて、きれいで安全な水を、世界のみんな の貯水力をもっている」といっており、全国 もと て しんりん が手に入れるようにすることができないだろ の森林をまもることを求めています。入り江 ねが せいいく しよくぶつ せかい ぬまち しっち うか。そのような願いを受けて、世界では、 や沼地などの湿地は、そこに生育する植物が けんきゅうすす ふえし、 えいようぶんきゅうしゅう さまざまな研究が進められてきました。そし よけいな栄養分を吸収してくれるため、富栄 じつようだんかい みず かいすいたんすいか しんりん ようか おせん ふせ 「海水の淡水化」が、実用段階を 養化による水の汚染を防いでくれます。「森林 て、ついに、 あんぜんみず たんすいか むか かいすい しっち 迎えるまでになりました。海水の淡水化には、 と湿地」は、きれいで安全な水をまもるため かいすいねっ すいじようき ひ 「海水を熱して水蒸気をつくり、それを冷や にも、欠かすことができないのです。 じゅしまく たんすい して、淡水をつくる方法」のほかに、「樹脂膜 でんりよく たんすい ほうほう かいすい で海水から淡水をしまりだす方法」がありま じゅしまくほう みず 高い土地にある水は、「位置のエネルギー」 す。このところ、「樹脂膜法」がものすこく進 でんき ひょうやす たんすいか をもっています。そのエネルギーを、電気の 歩して、淡水化の費用も安くなりました。こ げすい すいどうすい すい すいりよくはつでん ほうほう の方法だと、下水も浄化して、水道水として エネルギーに変えるのが、水力発電です。水 ほうしゃのう にさんかたんそ りよくはつでん つか 使うことができるようになります。そのよう 力発電は、二酸化炭素や放射能を出さないの くにぐにきようりよく みらい な未来に向けて、世界の国々の協力をさらに で、「クリーンエネルギー」の一つとして、こ せかいみずかいぎ せつ つよ かいはつ 強めるため、 ] 996 年に「世界水会議」が設 れからの開発が期待されています。しかし、 おおがた すいりよくはつでん けんせつ 水力発電のために建設される大型ダムは、広 立されました。 たいじ た にんぷ いつばう く けし、こ さかな じ お しっち しんりん にほん だっ いっぽう ち つ かいけつほう む みらい せかい か ほ みず ロ「水と電力」 じようか か だ せかい ねん ひと ひろ
ゆうきのうほう 有機農法 化学肥料や農薬を使わずに、自然の恵みのみでおこ かがくひりようのうやくつか しぜん にんげん のうぎよう ぎよう じよそう どうぶつ なわれる農業。動物の糞のたい肥化や、人間の手作 のうさくもつ てんてき 業による除草、農作物の天敵による除虫などを組み じよちゅう しゆさい せかいかっこく せかいみずかいぎ かいごう こくさいけんきゅうきかん すいしげん せかいみず 「世界水会議」が主催する会合。世界各国でおこるさ 水資源の国際研究機関として 1996 年に設立された ねんせつりつ 世界水フォーラム あわせておこなわれます。 まざまな水資源問題を話しあうために、 3 年に一度 すいしげんもんだい いちど ねん くさいてき かんきようほ だんたいほんぶ おおさかひら だいかいたいかい 国際的な環境保護団体。本部のオランダ、アムステ グリーンビース 賀・大阪で開かれました。 おこなわれており、第 3 回大会は日本の京都・滋 にほんきようと かがくてきけんしよう きょてん せかいかくち ルダムを拠点に、世界各地で活動を進めています。 こうぎかつどうつう どくじ かんが ったえかけています。 た抗議活動を通じ、マスコミなどへ独自の考えをう 科学的検証をふまえたうえ、ビラ巻きやデモといっ せかいしっち 世界湿地デー 1971 年、重要な湿地を国際的にまもるために「ラ ねん ムサール条約」が締結されましたが、 1 996 年に開 じようやくちょういんび かれた同条約の常任委員会で、条約の調印日である 2 月 2 日を世界湿地デーと定め、毎年この日を、湿地 の大切さを再認識する日とすることを決めました。 再生可能なエネルギー 石油や石炭などの化石燃料のように、いずれは枯渇 してなくなってしまうような資源を利用してつくら すいりよくたいようこう れたエネルギーに対し、水力や太陽光、風力など、 しぜんかんきよう 自然環境のなかから、限りなくつくりだすことがで きるエネルギーをさします。 中間技術開発グループ (ITDG) DG は世界の中間技術による開発を援助する目的で つくられた団体で、イギリスに本部があります。環 境を破壊するような大規模な開発を否定し、地域ご とにできる適性規模の「中間技術」による開発、つま りは「持続可能な開発」の必要性をうったえています。 こくさいてき ねんじゅうよう しっち じようやく ていけつ じようにんいいんかい どうじようやく まいとし せかいしっち がつか さいにんしき たいせつ さいせいかのう かせきねんりよう せきたん こかっ せきゅ しげん ふうりよく かぎ ちゅうかんぎじゅっかいはつ せかいちゅうかんぎしゆっ もくてき かいはつえんじよ ほんぶ だんたい だいきほ かいはつ はかい きよう ちゅうかんぎじゅっ かいはつ てきせいきほ ひつようせい じぞくかのうかいはつ
よ か いせーっ - 三 0 五ロ たいすいそう じゅうぶんちゅうい かいはつじぎよう 帯水層 十分な注意をはらいながら、開発事業をおこなう ねん あな 地下の多孔性の岩石 ( 多くの穴があいている岩石 ) という意味の言葉。 1987 年にまとめられた、国連 かんきようかいはつ ほうこくしょ の「環境と開発に関する世界委員会」の報告書のな などに水がたくわえられているところ。 かで、この必要性がうったえられました。 化石燃料 水循環 石油、天然ガス、石炭などの燃料のことで、動植物 地球上の水が液体から気体へ、そしてまた気体から の死骸から数百万年以上もかけてできる燃料。化 せきねんりよう も おんしつこうか 石燃料を燃やすと温室効果ガスのニ酸化炭素を放出 夜体へと、循環する過程のこと。 します。 掘りぬき井戸 淡水化 水を通さない層を堀りぬき、その下の帯水層から水 かいすい たいすいそう たんすい を組みあげている井戸。帯水層がななめにかたむい 海水から塩分を取りのぞき、淡水をつくること。 たんすい みす ている場合、水が噴出するような場合もあります。 淡水とは塩分が O. 2 % より少ない水のことをいいます。 地球温暖化 Friends of the Earth インターナショナル へいきんきおんじようしよう 1971 年にアメリカで誕生した国際環境保護ネット 地球の平均気温が上昇すること。ニ酸化炭素やフロ ほんぶ たいきちゅうねつ ワーク。本部のオランダ、アムステルダムを中心に ン、メタンといった、大気中に熱をとどめやすい気 きゅうぞう 80 万人以上の支援者がいます。 WWF 、グリーンピ 体が急増したことや、森林伐採によって、木々がニ げんしよう ちからていか ースとともに世界三大環境保護団体の一つといわれ 酸化炭素を減少させる力が低下したことなどが、原 因としてあげられます。 ています。 水質汚濁防止法 温室効果ガス ちきゅうおんだんか ほうりつ 水質汚濁の防止をはかるためつくられた法律。日本 地球の温暖化をうながす気体。ニ酸化炭素のほかに はいすいきせい おんしつこうか では、工場や企業からの排水規制をおもな目的とし メタン、フロンなどがあります。温室効果ガスは、 ねつ て、 1 970 年に制定されました。 太陽熱は通しますが、地表から出る熱をとじこめる ため、地表の温度をじよじょに高くします。 国連環境計画 灌漑 1972 年に開かれた国連人間環境会議で採択された、 にんげんかんきようせんげん さくもっさいばい 「人間環境宣言」と「国連国際行動計画」を推進す 作物を栽培するために必要な水を、水路をひくなど きようきゅう るためにつくられた機関。環境に関する新たな取り して供給すること。 えんじよ もんだい くみを援助したり、さまざまな問題に対する調整役 持続可能な開発 をになっています。 未来の環境や資源を損なうことのないよう、環境に ことば たこうせいがんせき おお こくれん がんせき みず せかいいいんかい ひつようせい かせきねんりよう みずじゅんかん せきゅ てんねん せきたん どうしよくぶつ ねんりよう すうひやくまんねんいじよう ねんりよう ちきゅうじようみずえきたい た き じゅんかん にさんかたんそ ほうしゆっ ほ たんすいか みずとお ほ みず たいすいそう く と えんぶん ばあいみずふんしゆっ ばあい えんふん フレンズオブ ちきゅうおんだんか ス ア ン ねん よ ん ちきゅう くさいかんきようほ にさんかたんそ ちゅうしん き まんにんいじよう しえんしゃ しんりんばっさい だんたいひと せかいさんだいかんきようほ さんかたんそ げん いん すいしつおだくぼうしほう おんしつこうか ぼうし すいしつおだく にほん に さんかたんそ こうじよう もくてき きぎよう たいようねっとお ちひょうおんど ねんせいてい ちひょう で くれんかんきようけいかく かんがい こくれんにんげんかんきようかいぎ ねんひら さいたく こくれんこくさいこうどうけいかく みず ひつよう すいしん すいろ きかん かんきようかん と ちょうせいやく じぞくかのう かいはつ みらい しげんそこ かんきよう かんきよう W34
こうじよう かんきよう 工場が環境にあ えいきよう たえる影響をへら きぎよう している企業もあ かんきよう こつべせいこっ ります。日本の神戸製綱では、環境 みず もんだい ひと 問題への取りくみの一つとして、水 ぼうし ろうひ すいしつ おせん の浪費と水質の汚染を防止する、新 ぎじゅっせいぞうこうてい かいはつ しい技術と製造工程を開発しました。 げすいどう こうじようはいすい こつべせいこう 神戸製綱では、工場廃水を下水道 なが に流すことはしていません。そのか はいすい わり、工場内で廃水を処理し、再び りよう せいぞうこうてい 製造工程で利用しているのです。こ こつべせいこう うして、神戸製綱では、利用してい みず ちか る水の ] O O % 近くをリサイクルし ています。 につぼん あたら ふたた こうじようない こうじようすいしつかんきよう しゃいん △製鉄所で働く神戸製綱の社員も、工場が水質環境に せいてつじよはたらこうべせいこう ほうほう けています。 あたえる影響を少なくする方法について、研修を受 えいきようすく けんしゅう ,. ら↓ゼト霎き。気 : ↓気衣第 しばふ あおあお ロ青々とした芝生 世界には、ゴルフ場のように、 みず スプリンクラーで芝生に水をま いて、みばえをよくしていると すいしつ ころもあります。飲める水質ま みず なが で水をきれいにするには、長い じよう しばふ たいへん 時間と、お金がかかっているの かね じかん こうえん いんりようすい じようみず づかいです。 ですから、これは、大変なむだ しよう きれいにしていません。 処理はしていますが、飲料水になるほどまでは、 しより いんりようすい て、水やりをしているところもあります。浄水 じようすい みず にあるゴルフ場のように、下水をリサイクルし げすい いにする必要はありません。たとえば、ハワイ ひつよう く公園やゴルフ場の水やりなら、飲料水ほどきれ
水をきれいにする生活 かわ うみ かがくやくひん ゆうがい 未処理の下水や有害な化学薬品を、海や川にたれながすことによって 生しる水質汚染は、世界中の水を常におひやかしています。新しい法律 ほうりつ あたら みず せかいじゅう すいしつおせん しよう つね か せいかっ しかた きよういく ひとびと せいび と教育を整備して、人々の生活の仕方を変えれば、汚染を大きくへらす おせん おお ドイツのライン川は、かっては、 がわ どりよく りつ くにぐに しよう げんざい おお ひがい ぶつしつ かがくぶっしつ こうぎよう なんびやくまん おせんぼうしほう うに努力しているのです。 た水が、再びきれいになるよ みず 業によって、ひどく汚染され おせん ぎよう 律があります。水質浄化事 すいしつじようかじ ばうし ぎようおせん などのような、川や海の産 かわ 国々に、「水質汚濁防止法」 すいしつおだくばうしほう 生じます。現在では、多くの おお 多くの場合、恐ろしい被害が おそ ばあい ひとたび水道水を汚染すれば、 いています。これらの物質が、 種類もの化学物質が使われて つか しゆるい 工業や農業では、何百万 のうぎよう 0 汚染防止法 ことができます。 野生生物ももどってきました。 やせいせいぶつ もきれいな状態になり、魚などの じようたい さかな 今では、この 1 30 年間で、もっと いま ねんかん っていした浄化事業のおかげで、 じようかじぎよう 汚い川の一つでした。しかし、て きたなかわひと このように、ヨーロッパで一番 いちばん
0 ブルーフラッグを掲げよう にんげん かいちゅう かいがん 海岸がきれいなら、人間だけでなく、海中 うみべ どうしよくぶつ や海辺で生きている動植物も健康になります。 かいがん すいしん きれいな海岸づくりを推進する活動の一つに、 「ブルーフラッグ・キャンペーン」があります。 かいがん かか これは、きれいな海岸にブルーフラッグを掲 うみべ かんきようほ げることで、海辺の環境保護を進めようとい けんこう し、 かつどう ひと うんどう う運動で、 2 0 0 3 年には、ヨーロッパの かいがん かいがん にんてい ねん 2 ] 6 ] か所の海岸が、「きれいな海岸」に認定 △プルーフラッグ・キャンペーンは、 1985 ねん ねん はじ 年に、フランスで始まりました。 2001 年 せかいじゅうおお くにぐに からは、世界中の多くの国々が、この うんどう さんか 運動に参加するようになりました。 され、ブルーフラッグが掲げられました。 行動をおこす いまでも、ときど おすい き、未処理の汚水が うみ なが うみ 沺に流され、海や海 ひとびと けんこう 岸を利用している人々の健康を、お うみ おせん びやかしています。海の汚染に反対 ひとびと あいだ ゆうめい する人々の間で有名なのが、「 SAS おすい はんたい おせん ( 汚水による海の汚染に反対する サーファーたち = Su 「 fe 「 s Against だんたい Sewage) 」という団体です。この ちいききぼ せん 団体は、地域規模や全 りよう はんたい だんたい せかいきぼ おすい 国規模、ときには世界規模で、汚水を もと かいせい こくきほ ほうりつ 、ザ′な ~ な るキャンペーンを、精力的に展開しています。 せいりよくてきてんかい ァーたちは、汚水による水質汚染から海岸をまも かいがん すいしつおせん おすい が大切であると考えています。ですから、サーフ たいせつ かんが 惑星のすべての生物の健康のために、きれいな海 うみ わくせい せいぶつけんこう マ多くのサーファーは、自分たちだけでなく、この じふん おお ます。 ーンを展開していることで知られてい てんかい 処理する法律の改正を求めるキャンペ
= 水と電力 みず はつでん 水は、発電にも、利用されていま す。大部分の水力発電は、ダムを使 って川の流れをせきとめ、水をター ビンに導いて発電する仕組みです。 こうした水利用は、とても役に立つ ものですが、問題もあるのです。 0 大きさの問題 すいりよくはつでん かんきようおせん 水力発電は、環境汚染をおこさない、 さいせいかのう 再生可能なエネ丿レギー資源です。しかし、 すいりよくはつでんけいかく 水力発電計画の中には、その規模があま じんぞうこ りに大きすき、巨大なダムが人造湖とな すいばっ はんい って、広い範囲の地域を水没させ、多く うば のうち の人々の農地や家を奪ってしまう場合も あります。 すいりよくはつでん ぶん つか みず なが かわ みちび はつでん みずりよう もんだい おお きば なか きよだい おお ちいき ひろ ひとびと ばあい いん ねんだいかんせい △アメリカのフーバーダムは、 1930 年代に完成 はんたい しました。今日では、多くの人々が、こうし おお ひとびと きよだい けんせつ こんにち し、 じもと かわ ひと でんりよく 手に入れるためなら、地元の川 ーっの集落に必要な電力を ひつよう しゅうらく 0 小さいって、すばらしい りよう じゅうぶん すいりよくはつでん や沢の流水を利用した、小規 りゆうすい しようき うった の建設に拡議し、建設中止を訴えている人々。 けんせっちゅうし けんせつこうぎ ひとびと くインドのナルマダ川沿いに計画された、巨大ダム けいかく がわぞ きょだい のうち 発電はできるのです。 はつでん 湖の底に沈めなくても、水力 すいりよく みずうみそこ ムをつくったり、大切な農地を たいせつ 模の水力発電で十分です。ダ
行動をおこす じようか はら ロアシ原による浄化 みず 汚れた水をきれいにする、安あがりで環境に やさしい方法が、アシ原の利用です。アシは、 みずじようか みず みずべ 浅い水辺に育ち、水をろ過し、水を浄化してく みず れます。アシは、根から汚れた水にふくまれて えいようぶんきゅうしゅう いる栄養分を吸収して、成長するのです。 みずじようか ねんだい く 1960 年代から、汚れた水を浄化するために りよう アシ原が利用されるようになりました。 かんきよう りよう そだ せいちょう スコット ランドの 「フィンド ざいだん ホーン財団」は、環境にや さしい村をつくろうという けいかく けいかく 計画 ( 工コ・ビレッジ計画 ) ねん いちぷ の一部として、 ] 9 9 5 年、 はじ ヨーロッパで初めて、生物 を利用した「リビング・マ シン (Living Machine) 」 げすいしより しせつ という、下水処理施設を ひと これが「リビング・マシン」の一つで、スコットラン はらおなげんり しせつ せっち かんせい ドに設置されたものです。アシ原と同し原理にもとづ 完成させました。この施設は、ずらり めんせき ぎじゅっ はら はや いた技術で、アシ原より処理が早く、小さい面積です やく つか と並んだタンクを使って、約 300 世 おんしっせっち おお むので、大きめの温室に設置できます。 げすい 帯から出る下水を処理しています。 びせいぶつ りよう タンク内では、バクテリアや微生物、 20 か所で利用されています。 かつどう せいぞうはんばい しようひん 植物、カタッムリ、魚などが活動して、 シャンプーなどの商品の製造販売を みずじようか 水を浄化しています。この自然な処理 おこなっている「ザ・ボディショップ かがくやくひん ほうほう つか かいしや 方法なら、化学薬品を使わずに、ヨーロ (THE BODY SHOP) 」という会社で みず すいどうきじゅん じむしょ ッパの水道基準を満たす、きれいな水 も、 2 基を利用して、事務所や工場か げすい になります。「リビング・マシン」は、約 ら出る下水を浄化しています。 かんきよう せいぶつ りよう なら さかな しよくぶつ しぜん うじよう りよう やく