家庭の 法と裁判 トい Y ( : 0 しヨー」 0 し、ー 物法と裁判第 4 号 【最新号のご案内】 座談会「家事事件手続法施行後 3 年の現状と今後の展望」を収録 ! 「家事事件」 「少年事件」の 最新裁判例を発信 ! 2016 年 1 月刊 B5 判本体 1 旧 OO 円 + 税 代表安倍嘉人 / 副代表山﨑恒・西岡清一郎 / 顧問若林昌子 家庭の法と裁判研究会編 FAMILY COURT JOURNAL ー最高裁判所事務総局家庭局長村田斉志 家事事件手続法の現状と課題 座談会「家事事件手続法施行後 3 年の現状と今後の展望」 山本和彦 ( 司会 ) 小田正ニ大島眞ー片山登志子大森啓子七尾聡椎野肇山本英明浅岡富美 家事調停に深くかかわる、裁判官、家事調停委員、代理人弁護士、裁判所書記官、家 庭裁判所調査官による、定型書式や双方立会手続説明、情報共有の在り方など、家事 事件手続法施行後 3 年における調停運営の姿と合意形成に向けた現状を紹介。 法改正の経緯とその後の家事調停における問題提起など、当事者のための調停に関す る必読の内容。 家事事件手続法施行後満 3 年を迎えて法務省大臣官房審議官金子修 ー幼少期に叔父から性的虐待行為を受けたことにより精神障害を発症したことを理由とする損害 賠償請求権について民法 724 条後段所定の除斥期間が経過していないとした原審の判断が是 認された事例 ( 最ニ小決平成 27 年 7 月 8 日損害賠償請求事件 ) ほか 1 件の裁判例を掲載。 ー申立人 ( 外国籍 ) が未成年者の養育費の支払を求め、国際裁判管轄や準拠法について簡潔に判 断された事例 ( 大阪家審平成 26 年 9 月 1 9 日子の監護に関する処分 ( 養育費請求 ) 申立事件 ) ほか 5 件の裁判例を掲載。 ー窃盗、道路交通法違反、ぐ犯保護事件により少年を中等少年院に送致した決定に対し、一部の ぐ犯事実に関する事実誤認及び処分不当を理由に申し立てられた抗告を棄却した上で、一般短 期処遇相当の処遇意見を付した事例 ( 東京高決平成 27 年 1 月 1 3 日窃盗、道路交通法違反、ぐ犯 保護事件の保護処分決定に対する抗告事件 ) ほか 2 件の裁判例を掲載。 ー最高裁第一小法廷平成 27 年 4 月 9 日損害賠償請求事件判決弁護士大塚正之 一家事事件申立てのプロセスと Q & A ~ 調停・審判の入り口 ~ 第 4 回養育費調停の申立て編集部 初任者のための遺産分割講座 第 3 回相続人の範囲・相続分・遺産の範囲の確定横浜家庭裁判所判事片岡武 少年友の会の現場から東京 / 大阪 / 札幌 / 香川 ー非行を生まない家庭のあり方 ~ 少年の立ち直り支援関係団体シンポジウムから 日本子どもソーシャルワーク協会理事長寺出壽美子 / 東京保護観察所長荒木龍彦 〒 171 -8516 東京都豊島区南長崎 3 丁目 16 番 6 号 http://www.kajo.co.jp/ 第日爪加除出版 TEL ( 03 ) 3953-5642 FAX ( 03 ) 3953-2061 ( 営業部 )
、、第特集引共空間を者え名 ~ 技術者と法を語る 035 の首都大学東京もそうですが、みんな卒業して何年 もたち、また帰ってきたら今日のシンポジウムを思 い出すかもしれない。私はここで木村先生の授業を 聞いたんだよ、ということを思い出すことができる でしよう。建築はそういう役割を持っています。建 築も都市も、人間が生まれる前からそこにあり、そ れぞれの人が死んだ後もそれは残っている。それぞ れの人の記憶は多くの人の記憶と共に、そして都市 や建築と共にそこに残っていると、最初に都市国家 をつくったギリシャ人は考えたのです。私の存在は 記憶してくれるはすだ。そういう信頼が都市や建築 に対してあったわけです。こうした都市や建築に対 する信頼があって初めて人間は多くの人たちと一緒 に住むことができたのです。 でも、国立競技場は壊されてしまう。東京オリン ピックは 1964 年です。多くの日本人がよく記憶して いますが、それはとても感動的でした。国立競技場 がなくなるのは、そのまま記憶がなくなっていくこ とだと思います。あのオリンピックスタジアムには、 いろいろな物語があると思います。それを全部壊し 事扁メ - モ 裁判官になってからよく人に聞かれる質問の一つに なぜ裁判官になったかというものがある。 公務員という安定した職業に就きたかったからとか、 最初は刑法の教授になりたかったものの、興味を持った のが罪数論で、当時所属していたゼミの先生に相談した ところ、罪数論は裁判官が詳しいよと言われ、それなら ば裁判官になってみるかと思ったからとか、理由はいく つかある。ただ、 1 番大きな理由は、事件処理における 風通しの良さである。 私は、高校時代、非常に厳しい部則を有する部活に所 こには書けないものも少なくないが、例 属していた。 えば、 1 年生は 3 年生に話し掛けてはいけないなどとい ったものがあり、とにかく上級生が言ったことは絶対で、 上級生に対して意見を言うことなど到底考えられない環 境であった ( なお、法律家の観点からは大変喜ばしいこ とに、現在その部活では、そのような部則はほとんどな くなったと聞いている ) 。 そのような経験があったこともあり、修習生となって てしまうわけです。建築を壊すということは、記憶 を壊すことです。ですから、今の国立競技場が役に 立つか、立たないかではなく、都市に今あり、使わ れているものをどうやって残していき、未来の人た ちに伝達させていくのかは建築家の重要な仕事で す。ですから、行政の都合、お金がもうかるか、便 利かどうかだけではなく、建築があることにより私 たちの記憶は残っていくのだということはぜひ考え てもらいたい。 建築家の役割・責任は未来へ伝達するもの、未来 の住民たちに渡すものをつくっていくことです。過 去から引き継いで、未来の人たちに我々の時代の思 想はこういう思想です、ということを渡していくこ とが建築家の責任ではないかと私は思っています。 そういうこともあり、今回の国立競技場の設計プ ロセスには反対なのです。ザハの提案の中心的な考 え方は、実は結構良かったと思っているのです。ど うもありがとうございました。 ( 拍手 ) 裁判官になった理由 経験したのが裁判修習であったため、私の中では強く印 官の世界でもあると聞いているが、修習生として最初に 幾度か目撃した ( なお、同じようなことは弁護士や検察 見を堂々と言い、さらにはその意見が採用される場面を の裁判官が、裁判官歴 30 年を超える裁判長とは異なる意 裁判官になってから数年、場合によってはわずか数か月 から裁判修習を経験したときには驚くことが多かった。 方に基づいていると考えており、この伝統が今後も続く 験が浅い者の意見も十分考慮する必要があるという考え 角度から事件を検討し、より良い結論を導くために、経 私は、裁判所にこのような伝統があるのは、あらゆる くださった。 に付き合ってくださり、ときには私の意見を取り入れて 輩の裁判官は嫌な顔ーっ見せず、私が納得するまで議論 の裁判官とは異なる意見を言ったとしても、裁判長や先 象に残っている ) 。私が裁判官になってからも、私が他 ことを願っている。 ( H )
法学セミナー 2016 / 02 : 法学者 の 司ー越 阯トぐ ntg れ” ( el M ・イェシュテットほか ( 鈴木秀美ほか訳 ) 越境する司法 ドイツ連邦憲法裁判所の光と影 風行社 2014 年 / A 5 判 / 380 頁 ワールドクラスの憲法学のスピード感 大阪大学名誉教授 棟居快行 ( 憲法 ) 学者のくせに不勉強な筆者が「出会い」を感じ る一冊といえば、その翻訳を分担して地獄の行軍 を味わった表題の訳書ということになる。売れな い本の宣伝と思うなかれ。ドイツで 2011 年に出版 された新書サイズの原書は、連邦憲法裁判所とい う憲法保障機関の歴史や今日の姿を 4 人のバリバ リの憲法学者が批判的に扱い、地味なテーマにも かかわらず本国では異例の売り上げがあったとい う。とにかく凄い本である。国家としてのドイツ の強さと技が、そのままワールドカップ・ドイツ 代表なみの国家的工リートである筆者らの個別の 論稿に凝縮されている。その論理展開は、まさに ドリブルの突破力であり創造性に富んだヘディン グであり、と翻訳しながら高揚と絶望をはげしく 行き来する忙しさなのだ。 同じみじめな敗戦を味わった日独両国だが、そ の後の再出発はずいぶんと違った。日本は 9 条で 自らの侵略国家としての攻撃能力ばかりか軍事力 いっさいを処断することで、なんとか国家として の生き残りを図ったわけだが、 ( 西 ) ドイツはナ チスを呼び込んだ大衆民主主義の危うさを封印す るために憲法裁判所をあえて導入し、法が政治に 優位する ( というより両者の相互準拠なのだが ) という立憲主義の理念を憲法裁判制度によって額 面どおりに実行した。 9 条と憲法裁判所は、敗戦 国の自己否定・自己改造の仕掛けとして、いわば 見合っている。その結果、日本では 9 条が蹂躙さ れることへの危機感が大きな政治運動を生み、ド イツでは憲法裁判所が憲法解釈に名を借りて構築 してきた議会制のいろんな工夫が その一つと して政府がユーロ救済のために新たな債務引き受 けをするのに議会の個別の承認が必要だという 「議会留保」の制度があるが、これは憲法裁判所 が「憲法解釈」として捻り出した代物なのである ギリシャ危機に対応する強気のドイツ政府の 後ろ盾となり安全装置ともなっている。こちらで は国民の汗と涙が憲法を守るために流されるの に、あちらでは憲法裁判所や憲法学者の構想力や 突破力が憲法を国家の原動力にしている。サッカ ーと同じくらい格差のある風景が、彼我に見られ るのである。最高裁や政治家を非難しても、それ だけではなにも変わらないだろう。走るだけとか 仲間うちのパス回しとかの「日本サッカー」は、 良くも悪くもわれわれ自身である。 本書は、判例理論の集積を駆使して下される華 麗な違憲判決ーー - 政府に対する議会の関与の有り 方から、税法の制度設計としての一貫性に至るま で、ことごとく憲法問題とされ憲法裁判所が差配 するという日本では考えられない風景がそこには ある - ーーを、「ゆきすぎ」として批判的に論じて いる。超積極主義のドイツ憲法判例に学者がブレ ーキをかけようとしている点で、こちらから見れ ば何もかもが逆さまなのだが、現実をしばし忘れ て憲法学と立憲主義の極限を味わうのも一興であ ろう。
LAW JOURNAL ロー・ジャーナル 問題の核心Ⅱ . 民主主義の破壊 009 ①国会が国権の最高機関なのは、 国民の民意を反映しているからの はずなのに 選挙による代表 議員の表決権に 国民主権が結実 ポイント ②民意を無視し、適切なプロセスを 無視し、野党議員の表決権を奪っ て法案成立を強行しても是正手段 カゞ : い ? これでは政府主権 ? 実効性ある法案審議をどうやって確保するか を国権の最高機関でも国民を無視する自律権は無い ・多数派の暴走を止めるための具体的制度が必要 ロセスが多数派の判断で省略されてしまう問題」、 「それが議会内で適切に是正されない問題」につい て、立法を通じた制度的な整備が必要となる。 じゅうりん 多数派が立憲主義を蹂躙し、民主主義を無視した 議会運営を強行した場合、それが明確に違法となる 制度をあらかじめ準備しておかなければ、「良識無 き多数派」に対して無防備な統治機構となってしま う以上、一定の法的措置が必要不可欠である。 [ 4 ] 立憲民主主義促進法案として検討している主 な内容 ( i ) 立法段階で適切な憲法判断を受けることができ る仕組み 立憲主義の観点からは、国会が実際の立法作業を 行うに際して、国会の諮問に応じる形で、政府から は独立した機関が当該法律案の憲法適合性を評価し それを国会に告知する制度が必要となる。すなわち、 従来において内閣法制局が事実上行っていた機能 を、明確に独立機関による告知制度として位置づけ るということである。 その独立機関の担い手としては、 A 最高裁判所を 中心とする裁判所とする考え方と、 B 立法府に対し て憲法適合性の答申を行う独立機関を新たに設置す るという考え方がある。いずれの方法をとる場合に も立法による手当が必要となる。 ① A 案 : 憲法判断告知制度 A 案は裁判所による憲法判断告知制度と称するこ とができる制度であり、国会内の憲法審査会や、 定数以上の議員の提起があった場合に、裁判所が一 定期間内に文書で法律の憲法適合性に対する判断を 告知する仕組みである。 この仕組みを裁判所が行うものとして導入する場 合には、この機能が司法権の一部であるのか、ある いは司法権とは別の機能であるのかについて議論が ありうる。 すなわち、これが司法権の一部であると考えれば、 具体的な事件の無い状態で憲法判断を行うことにな ることから、抽象的違憲審査を認めることになるの ではないかという問題がある。憲法上、抽象的違憲 審査権の行使が絶対的に禁止されていると読むこと は必ずしも合理的ではないから、適切な制度を法定 することによって抽象的違憲審査に途を開くこと自 体も検討できよう。 一方、司法権とは異なる機能であるとすると、立 法権行使に対して答申を行うという整理となるが、 立法によってこのような司法権以外の新たな権能を 裁判所に与えることができるかが論点となる。裁判 所が憲法に適合しないという判断を示すような場合 には立法が強行されても事後的に違憲無効となる可 能性が相当に高いため、当該立法自体が断念される 可能性が高い。そうなると、裁判所が実質的に国会 を支援するにとどまらず立法権の一部を行使してい ると評価できないかが問題である。 このように、裁判所を主体とする憲法判断告知制 度は、極めて独立性と専門性が高い司法府による憲 法適合性の判断を立法段階で及ばすことができる点 で強力な制度であるが、強力であるがゆえに、司法 権の範囲の議論、抽象的違憲審査権の行使の議論、 国会中心立法の原則の議論など、それ自体が複数の 特に裁判所による憲法判断告知制度が、憲法上の ② B 案 : 新たな諮問機関の設置 憲法上の論点を抱えている。
093 事実の概要 定」という ) を定めており、それによると、諸般の 事情により加重・軽減の余地はあるものの、生徒と 公立高校の教員である X は、担任するクラスの生 の性的な身体的接触は免職、わいせつな内容のメー 徒である A に対し、性的な身体的接触を望んだりそ ルの送信は停職、性的な冗談等は減給・戒告となっ のような接触が現にあったかのような内容のメール ている。本件処分の理由はメールの送信等であり、 を送信する等の行為 ( 以下「本件非違行為」という ) 性的な身体的接触ではない。 X は、本件処分の取消 をしたことを理由に、地方公共団体 Y の教育委員会 訴訟を提起した ( 損害賠償請求もしているが、これ から懲戒免職処分 ( 以下「本件処分」という ) を受 は省略する ) 。 けた。同教育委員会は、教員に対する懲戒処分につ き、その標準を定める処分量定 ( 以下「本件処分量 [ 東京地判平成 27 ・ 10 ・ 26 LEX / DB 文献番号 25541447 ] 公務員に対する懲戒免職処分の違法性判断 最新判例演習室ーーー行政法 容の処分をする場合には、それを相当とする特段 の事情がない限り裁量権の逸脱・濫用に当たるも 公務員に対する懲戒免職処分が裁量権を逸脱・ のとされる。同判決は、その理由として、①裁量 濫用したか否かの判断の仕方。 権の行使における公正かっ平等な取扱いの要請、 ②基準の内容に係る相手方の信頼の保護等を挙げ a 「懲戒権者が裁量権の行使としてした懲戒処 ている。そして、その究極的根拠は、「不利益処 分は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量 分に係る判断過程の公正と透明性を確保し、その 権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものと認 相手方の権利利益の保護に資するために定められ められる場合に、違法となるものと解される。」 公にされる」という行政手続法の目的に求められ b 「本件処分量定が非違行為の類型ごとに標準的 ている。本判決も、懲戒権者が本件処分量定に基 な処分量定を示しているのは、懲戒権者の判断が 本的に拘束されると解しているようであるが、そ 恣意に流れることのないように判断の基準を示し の理由は「判断が恣意に流れない」ために本件処 ているものと解され、特に重い処分である免職が 分量定が判断基準を示していることに求められて 選択された場合、職員に与える不利益は著しいも いる ( [ 裁判所の判断 ] b)o 公務員に対する処分 のがあるから、それが本件処分量定と異なる処分 には行政手続法の適用が除外されているので、 [ 行 であるときは、あえて免職を選択した客観的・合 政庁が裁量基準を定めていても、当該基準は行政 理的な根拠の有無について慎重に吟味する必要が 庁の処分の妥当性を確保するためのものだから、 あるというべきである。」 c 「 [ 本件非違行為等は ] 処分が準則に違背したとしても、原則として当不 その結果や影響が必ずしも重大なものとまではい 当の問題を生ずるにとどまり、当然に違法となる えず、本件処分量定に照らしても、本件非違行為 ものではない。 ] という最判昭和 53 ・ 10 ・ 4 民集 はいずれも『停職』とするのが相当な事案と考え 32 巻 7 号 1223 頁と同様の判断をすることもありえ られる一方、本件処分量定を離れて特に重い処分 たが、本判決はそうしなかった。本判決が本件処 である「免職」をすべき事情も見当たらないこと 分量定に対する懲戒権者の自己拘東性の究極的根 からすれば、本件免職処分は、社会観念上著しく 拠を何に求めているのかは不明であるが、平等原 妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを 則とか信頼保護といった法の一般原則だろうか。 濫用したものとして、違法であるというべきであ 免職処分であることにも本判決は言及している。 なお、処分の基準から離れて重い処分をする事 情に関する評価が、処分庁と裁判所とで異なって 公務員に対する懲戒処分が裁量行為であり、社 いるようである ( [ 裁判所の判断 ] c ) 。また、原 会観念上著しく妥当性を欠いて裁量権の逸脱また 告は比例原則違反を主張していたが、本判決は処 は濫用に当たる場合に初めて違法とされること 分量定からの乖離を正当化する特段の事情がない は、最高裁の判例である ( 最三小判昭 52 ・ 12 ・ 20 とし、比例原則との関係での判断はしていない ( 処 民集 31 巻 7 号 1101 頁等 ) 。 [ 裁判所の判断 ] a はこ 分量定通りの処分がされた場合は、比例原則との れと同旨である。 関係が正面から問題となる可能性がある。最判平 もっとも、最判平成 27 ・ 3 ・ 3 民集 69 巻 2 号 成 24 ・ 1 ・ 16 判時 2147 号 127 頁参照 ) 。 143 頁によれば、行政手続法に基づく処分基準に、 法学セミナー ( くわはら・ゆうしん ) 2016 / 02 / no. 733 行政庁は基本的に拘東され、当該基準と異なる内 裁判所の判断 上智大学教授桑原勇進
061 新・法令解釈・作成の常識 20 に、第一号法定受託事務については地方自治法別表第 めに必要な資金の確保その他の援助に努めるもの とする。 ーに、第二号法定受託事務については同法別表第二に 確認的に掲げられています。個別法と地方自治法別表 で事務の区分を確認することができるようになってい 0 「施策の実施状況の公表」なと るのです。 表の説明にもあるように、法定受託事務は個別の政 「施策の実施状況」や「法律の施行状況」に関する公 令によっても定めることができ、この場合には個別の 表規定力囃則に置かれることがあります。比較的新し 政令に事務の区分を規定した上で、地方自治法施行令 く導入された制度などの定着や改善のためにデータを 別表にも確認的に掲げられます。第一号法定受託事務 集め、それを公にする意味合いがあります。 については地方自治法施行令別表第一に、第二号法定 受託事務については同令別表第二に掲げられていま 〇行政機関の保有する情報の公開に関する法律 ( 施行の状況の公表 ) す。なお、自治事務は「地方公共団体力拠理する事務 第二十三条総務大臣は、行政機関の長に対し、 のうち、法定受託事務以外のもの」をいいます ( 地方 の法律の施行の状況について報告を求めることが 自治法 2 条 8 項 ) 。 できる。 2 総務大臣は、毎年度、前項の報告を取りまとめ、 〇消費者安全法 その概要を公表するものとする。 ( 事務の区分 ) 第四十七条前条第二項の規定により地方公共団体 〇裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 が処理することとされている事務は、地方自治法 ( 運用状況の公表 ) ( 略 ) 第二条第九項第一号に規定する第一号法定 第百三条最高裁判所は、毎年、対象事件の取扱状 受託事務とする。 況、裁判員及ひ黼充裁判員の選任状況その他この 法律の実施状況に関する資料を公表するものとす る。 ・権限の委任 「権限の委任」に関する規定も雑則に置かれます。 0 事務の区分 権限が委任されたならば、その権限に基づく処分は委 任先の行政機関の名で行われ、委任元の行政機関は権 地方公共団体に関する「事務の区分」の規定も雑則 限を失います。「法律による行政の原理」からの要請 に置かれます。地方公共団体の事務は自治事務と法定 受託事務に分けられます。法定受託事務は図のように、 によるものです。 さらに第一号法定受託事務と第二号法定受託事務に分 かれます ( 地方自治法 2 条 9 項 ) 。 ( 権限の壬 ) 第九十七条この法律に規定する国土交通大臣の権 第二号法定受託事務 第一号法定受託事務 限は、国土交通省令で定めるところにより、その 法律又はこれに基づく政 法律又はこれに基づく政 一部を地方整備局長乂は北海道開発局長に委任す 令により市町村又は特別 令により都道府県、市町 ることができる。 区が処理することとされ 村又は特別区が処理する る事務のうち、都道府県 こととされる事務のう が本来果たすべき役割に ち、国が本来果たすべき 係るものであって、都道 役割に係るものであっ ■下位法令への委任規定 て、国においてその適正 府県においてその適正な 処理を特に確保する必要 な処理を特に確保する必 要があるものとして法律 があるものとして法律乂 行政法の教科書のようになって恐縮ですが、行政立 又はこれに基づく政令に はこれに基づく政令に特 法のうち、国民の権利義務にかかわるものを法規命令 に定めるもの 特に定めるもの といいます。法規命令のうち、国民の権利を制限し、 義務を課す内容にかかわるようなものは、法律の委任 現在、法定受託事務を個別法で定める場合には、そ がないと定めることはできません。普通、こうした法 の事務の区分を明らかにする規定が置かれます。さら
厳学者の本 ] ワールドクラスの憲法学のスピード感 M ・イシュテットほか ( 鈴木秀美ほか訳 ) 『越境する司法ーードイツ連邦憲法裁判所の光と影』 棟居快行 [ ロー・ジャーカレ ] 日本の憲法構造の危機 [ ロー・アング切 第 3 回「守屋賞」・ ReDEMOS からの立法提言 立憲民主主義促進法 辺野古新基地建設問題からみえるもの わたしの仕事、法つながり [ ひろがる法律専門家の仕事編 ] 9 国家公務員として働くということ、その使命、その意義 憲法判例再読ーー他分野との対話 3 ・徳田博人 ・水上貴央 編集部 ・・加納友希子 山本龍彦・出口雄一 001 006 012 014 064 060 050 [ 最新判例演習室 ] 憲法 / 武田芳樹 092 行政法 / 桑原勇進 093 民法 / 松尾弘 094 商法 / 鳥山恭一 095 民事訴訟法 / 川嶋四郎 096 刑法 / 豊田兼彦 097 刑事訴訟法 / 髙倉新喜 098 労働法 / 根本到 099 [ ロー・フォーラム ] 新刊ガイド 101 ライプラリ—] 森林法事件 - ーー憲法の保障する「財産権」とは何か ? 新・法令解釈・作成の常識 20 法令立案についての技術⑤雑則的規定の書き方 開発法学のフロンティアーー政治・経済と法 23 伝統的遊牧社会の変容における開発と法ーーモンゴルにおける経済・政治の変動と法改革 プラスアルフアについて考える基本民法 11 物上代位・その 1 ーーー差押え要件の意義・第三者との関係 応用刑法 I ー総論 5 過失犯論 ( 2 ) ーー予見可能性の認定の仕方を中心に 財産犯バトルロイヤル 14 騙し取ったものを騙し取る一一 - 犯罪取得金の払戻し [ ロー・クラス ] 吉田利宏 ・松尾弘 ・杉本一敏 ・大塚裕史 ・・武川幸嗣 裁判と争点 016 立法の話題 017 最新立法インフォメー [ コラム ] 判事補メモ 035 ション 102 075 085 069 司法書士の生活と意見 049 弁護士事件ファイル 100 「株式会社法の基礎」は休載させていただきます。
LAW JOURNALI ロー・ジャーナル 002 争会 8 日以内に審査 係員 方委 国交大臣の執行停止は 地理 違法と申し立て 国処 っ被所 日、か判 9 な事裁 月わ知等 従長高 、が翁岡 に事、福 ら知はて さ長臣め 、翁大求 でも通をた のに交しし たれ土消ま っこ国取し 、の起 ない日認提 わ行片承を 従を月立訟 に示Ⅱ埋訴 れ指、て行 そのめし執 が正たと代 事是た告に 裁判所 代執行訴訟 ( 知事に対する 勧告・指示を経て ) 抗告訴訟 ( 予定 ) 是正の勧告・指示 埋め立て承認取消の 執行停止国土交通大臣 不服審査の裁決 ( 未 ) = 、 [ 2 ] 沖縄県の動き 沖縄県は、 11 月 2 日、国地方係争委員会に対して、 国土交通大臣の執行停止決定を「違法な関与」とし て審査を申し出ました。また、沖縄県は、 10 月 27 日 の国土交通大臣による埋立承認取消しの執行停止に 対して、 2016 年 1 月早々、自治権侵害等を理由に抗 裁決が出るまで取消処分の 告訴訟を提起するようです。 執行停止を申し立て 2 安保体系純粋憲法体系を飲み込んでしまう 不服審査請求 辺野古新基地建設をめぐって、国と沖縄県の争い 平和新聞幻 15 年 12 月 15 日付より が裁判闘争 ( 国による代執行訴訟提起 ) にまで発展し たことで、マスコミ等において今回の裁判 ( 代執行 いう観点から従来の解釈の作法を組みかえること 訴訟 ) と、 20 年前の「代理署名裁判」 ( 最大判平成 8 ・ で、純粋憲法体系に属する規範を安保法体系の規範 として機能的に組み換えるのです。このような主張 8 ・ 28 民集 50 巻 7 号 1952 頁 ) とが比較されますが、対 象となる法律の性格が大きく異なります。 が通れば、この国の法秩序は崩壊し、政府が「日米 「代理署名裁判」では、駐留軍用地特別措置法に 同盟の信頼が損なわれる」と言えば何でもありにな 基づく適法性が争点となりました。この法律は、米 ってしまいます。これまでは「例外」であった安保 軍に基地を提供するためにつくられた法律です。そ 体系が、本体の憲法体系を飲み込んでしまうことに のため、沖縄県知事の代理署名拒否は安全保障上の なります。 公益を害するという国側の主張が通ったのです。 3 私人なりすまし しかし、今回の訴訟で問題になっている公有水面 埋立法や地方自治法は日米同盟とはまったく関係の 日本の国家は、沖縄の米軍基地問題への関わりに ない法律です。地方自治体の長には、その地域の住 おいて、これまで米軍基地に対して裁判管轄権が及 民の安全や暮らし、自然環境を守る責任と権限があ ばず、国も規制権限が及ばないとする「対米国従属 り、それを規定しているのがこれらの法律です。 ( 主権制限 ) 国家としての顔」と使用期限切れの不 日本には「憲法体系」と「安保法体系」の 2 つの 法占拠を法改正により遡及適用し適法とする等の 法体系があると言われていますが、駐留軍用地特別 「強権的法治国家としての顔」を使って、沖縄の基 措置法は後者で、公有水面埋立法や地方自治法は完 地問題に法的に対応してきました。この 2 つの顔に 全に前者です。 加えて、翁長知事による辺野古埋立承認取消凵 . こ対 県側はこれらの法律に基づいて、知事の承認取消 して、国は、「私人」になりすます新たな「顔」を しは適法だと主張しています。一方、国側は、法律 みせています。国が「私人」になりすます背景には、 がそもそも前提としていない「日米同盟の信頼」を 公約を反故にして辺野古埋立を承認した仲井眞県政 掲げて、これこそがすべてに優先される「公益」だ から、沖縄の民意を汲みとった翁長県政への移行が と主張しているのです。国側は、純粋に憲法体系に あります。仲井眞前知事の辺野古埋立承認に対して 住民等による取消訴訟が提起されていますが、その 属する法規範 ( 公有水面埋立法、行政不服審査法 ) を、 憲法に照らした従来の解釈の作法に則して解釈・運 中で、国は、県の答弁書の形 ( 注 : 国から派遣され 用するのではなく、安全保障上の必要性・公益性と て県代理人となった訟務検事が原稿を作成して , 県の 沖縄県知事 埋め立て 承認取消 沖縄防衛局 私人 ?
053 憲法判例再読 03 いと考えたのである。しかし、この考えは、森林法 2 項にいう公共の福祉に適合するものとして是認さ の規定によって阻まれる。当時の森林法 186 条は、「森 れるべきものであるかどうかは、規制の目的、必要 林の共有者は、民法・・・・・・第 256 条 1 項 ( 共有の分割請 性、内容、その規制によって制限される財産権の種 求 ) の規定にかかわらず、その共有者に係る森林の 類、性質及び制限の程度等を比較考量して決すべき 分割を請求することができない」圸と規定していた ものであるが、裁判所としては、立法府がした右比 からである。 較考量に基づく判断を尊重すべきものであるから、 そこで弟が、兄に対する共有物分割等請求訴訟に 立法の規制目的が前示のような社会的理由ないし目 おいて、森林法 186 条が「財産権」を保障する憲法 的に出たとはいえないものとして公共の福祉に合致 29 条に違反し、無効であると主張したのが本件であ しないことが明らかであるか、又は規制目的が公共 る。 の福祉に合致するものであっても規制手段が右目的 を達成するための手段として必要性若しくは合理性 に欠けていることが明らかであって、そのため立法 ロ判旨 府の判断が合理的裁量の範囲を超えるものとなる場 ※引用文中の注は筆者らによるものである。 合に限り、当該規制立法が憲法 29 条 2 項に違背する ①憲法 29 条の意義 ものとして、その効力を否定することができる団も 「憲法 29 条は、 ・〔①〕私有財産制度を保障して のと解するのが相当である」。 いるのみでなく、〔②〕社会的経済的活動の基礎を いわゆる積極目的規制について述べている。 3 いわゆる消極目的規制について述べている。本判決は、 なす国民の個々の財産権につきこれを基本的人権と 規制目的 ( のみ ) によって審査の寛厳を変える目的二分 して保障する田とともに、社会全体の利益を考慮し 論を採用していないとみる見解が有力である。 て財産権に対し制約を加える必要性が増大するに至 ( i ) で述べられている財産権の性格とその規制の多様性 から、裁判所は財産権規制立法に対して一般に緩やかな ったため、立法府は公共の福祉に適合する限り財産 審査を行うことを宣言している。しかし、「一般的に」 権について規制を加えることができる、としている 緩やか審査を行うと宣言しているだけで、事情によって のである。」 審査基準が厳格化することを否定していない。本判決は、 田憲法学界の通説は、憲法 29 条 1 項は、①私有財産制と 明示していないものの、以下 3 に述べられる理由ないし いう制度の保障 ( 制度的保障 ) と、②「個人の現に有す 事情から、審査基準を厳格化させたとみる見解が有力で る具体的な財産上の権利」の保障 ( 現存保障 ) を含むと ある。 解してきた。芦部信喜 ( 高橋和之補訂 ) 「憲法〔第 6 版〕」 3 森林法の分割請求権制限は、憲法上の財産権制限 ( 岩波書店、 2015 年 ) 233 頁。一般には判例と通説との 間に差がないと考えられているが、上己②について、両 に当たるか ? 者がまったく同じであるかは議論の余地がある。皆さん ( i ) 共有の場合、「単独所有の場合に比し、物の利用 はどう考えるだろうか。 又は改善等において十分配慮されない状態におかれ ②財産権規制立法に対する裁判所の基本的態度 ることがあり、また、共有者間に共有物の管理、変 ( i ) 財産権の性格と規制の多様性 : 「財産権は、それ 更等をめぐって、意見の対立、紛争が生じやすく、 自体に内在する制約があるほか、右のとおり立法府 いったんかかる意見の対立、紛争が生じたときは、 が社会全体の利益を図るために加える規制により制 共有物の管理、変更等に障害を来し、物の経済的価 約を受けるものであるが、この規制は、財産権の種 値が十分に実現されなくなるという事態となるの 類、性質等が多種多様であり、また、財産権に対し で」、民法 256 条は、「かかる弊害を除去し、共有者 規制を要求する社会的理由ないし目的も、社会公共 に目的物を自由に支配させ、その経済的効用を十分 の便宜の促進、経済的弱者の保護等の社会政策及び ・・・共有者に共有物の分割請求 に発揮させるため、 経済政策上の積極的なもの [ 2 ] から、社会生活におけ 権を保障している上 ] 。 る安全の保障や秩序の維持等の消極的なもの 3 に至 ( ⅱ ) 「このように、共有物分割請求権は、各共有者に るまで多岐にわたるため、種々様々でありうる」。 近代市民社会における原則的所有形態である単独所 ( ⅱ ) 財産権立法に対する裁判所の基本的態度 : 「した 有への移行を可能ならしめ、右のような公益的目的 がって、財産権に対して加えられる規制が憲法 29 条 をも果たすものとして発展した権利同であり、共有 、一三ロ
LAW JOURNAL ロー・ジャーナル 問題の核心 I . 立憲主義の破壊 007 ポイント 政府内審査 閣議決定 国会審議 成立・施行 内閣法制局による憲法 適合性チェック 人事を盾に無効化 ? 政府が合憲といえば合憲 ? 裁判所による違憲審査 法案そのものの抽象的な 違憲審査に及ばない ? 適切に憲法適合性を判断す る機会カ在しない ? ①憲法裁判所が無い代わりに内閣 法制局がしつかりと憲法適合生を チェックするはずだったが ②人事権を盾に法制局は無効化。 事前にも事後にも憲法適合性 判断ができない ? ・政府から独立した機関による憲法適合性判断を立法段階で得る 制度の構築が急務 裁判所による抽象的違憲審査の可能性についても要検討 なってしまったことで、たとえ違憲な法律であって も政府が合憲であると恣意的に判断してしまった場 合には、現実に立法されてしまい、かっ具体的事件 がない限りは無効とはできなくなってしまうことに なる。 ( ⅱ ) 地方公聴会が無意味なものに 参議院の同法審議の経緯においては、 9 月 16 日に 横浜において地方公聴会が行われた。筆者自身この 地方公聴会には公述人として参加した。本法を審議 する委員会 ( いわゆる安保特委 ) には 45 人の委員が 選出されていたが、地方公聴会にはその約半数の 20 名の委員だけが派遣されていたため、公聴会の後に 安保特委においてその派遣報告を実施、派遣情報を 共有するとともに、その後の審議に活かすことが公 聴会の趣旨から求められる。しかし、安保特委は結 局派遣報告を行うことなく採決を強行し、公聴会を 完全に無意味なものにしてしまった。市民の参加ま でさせて地方公聴会を開催しておいて、それが何の 意味もなかったことになってしまったことで、国会 に対する社会的信頼は大きく失墜した。 ( ⅲ ) 適正な民主主義プロセスを無視した多数派の横 暴 さらに、この安保特委においては、総括質疑も賛 成反対討論も行わない状況で採決が強行され、正常 な議決に向けたプロセスが著しく踏みにじられた。 憲法審査会における憲法学者からの指摘や、その 後の国会審議における野党の質問によって、この法 案に違憲性の問題があることや法の内容的な不備、 政府説明との齟齬が指摘され、この法律には政策的 な価値判断以前に論理的に問題があることは明確に なっていたのであり、この状態で採決を強行するこ とは、単なる多数派の横暴であって民主的な正当性 を欠いている。 (iv) 過去の強行採決とも本質的に異なる「かまくら 採決」 特に、与党の安保特委以外の議員らが突然委員会 室の議長席を取り囲み、野党議員にとって表決を採 る行為の宣言も、その内容も確認できない状況を作 り出したうえで、その間に、与党委員が立ったり座 ったりすることで採決ができたと称する「かまくら 採決」は、過去の強行採決と比べても際立って異常 性が大きい。採決は、速記の止まっている状態で突 然行われ、多数派を握る与党の側によって、野党議 員には採決しようとする内容さえも把握できない状 態で強行された。これにより多くの野党議員は、与 党側の暴挙によって、法案の採決に加わり表決権を 行使するという基本的な権能が全面的に奪われた。 各議員がもっている表決権 ( 委員会や本会議で賛 否を投票すること ) は国民から選挙を通じて付託を 受けた基本的な権能である以上、それを全面的に奪 うような採決の方法は決して許されす、もはや採決 が存在したとすら認められない。 (v) 議事録の捏造 さらに、その後、実際には存在したと認められな い安保特の議決について、委員長職権で一方的に議 事録が作成され、テレヒ、中継もされていた委員会経 緯の実態と異なる議事結果が捏造されてしまった。 存在が認められない議決が議事録の改竄によって認 められてしまうのでは、それは委員会の議決自体を 捏造できることと等しく、これがまかり通るとすれ ざん