当該契約を締結する必要性があると誤解ある。」と言われ、ウイルスを駆除するては不利益が生じるおそれ ( 蓋然性 ) を し、本来は必要のない契約を締結してしソフトを購入した事例や、真実に反して想定している ) 。「損害又は危険」には、 まったという消費者被害が生じていた。 「このままだと 2 、 3 年後には必ず肌が消費者が既に保有している利益を失うこ このような被害は、救済する必要があるボロポロになる。」と言われ、化粧品をと ( いわゆる積極的損害 ) のみならず、 ろ 一方で、「消費者契約の目的となるもの」購入した事例等が考えられる。 消費者が利益を得られないこと ( いわゆひ 律 ( 前記被害事例では「新しいタイヤ」が 「重要な利益」とは、法益としての重る消極的損害 ) も含まれる。 法 該当する。 ) に関しない事由についての要性 ( 価値 ) が、一般的・平均的な消費例えば、売却が困難な山林の所有者 不実告知であり、改正前の法の下では「重者を基準として、例示として挙げられてが、測量会社から真実に反して「山林の 要事項」には該当せず取り消すことがでいる「生命、身体、財産」と同程度に認近くに道路ができている。家も建ち始め きないと考えられる。 められるものである。具体的には、名誉・ている。」と告げられた結果、当該山林 そこで、改正法では、不実告知に限りプライバシーの利益等が考えられるとこを売却することができると考え、勧めら 「重要事項」の概念を拡張することとしろであり、生活上の利益についても、電れるまま測量契約と広告掲載契約を締結 ( 法 4 条 5 項柱書きの括弧書により、不話を使用して通話をする等の日常生活にしたという事例では、一般的に山林を売 利益事実の不告知については、同項 3 号おいて欠かせないものであれば、「重要却するためには測量や広告が必要である の適用が排除されている ) 、「重要事項」な利益」に該当すると考えられる。例え ことから、当該山林の売却による利益を の列挙事由として、新たに「当該消費者ば、真実に反して「今使っている黒電話得られないという「損害又は危険」を回 契約の目的となるものが当該消費者の生は使えなくなる。」と言われ、新しい電避するために、測量及び広告掲載が通常 命、身体、財産その他の重要な利益につ話機を購入する旨の契約を締結した事例必要であると判断される。したがって、 いての損害又は危険を回避するために通では、消費者は新しい電話機を購入する「消費者契約の目的となるものが・ : 通常 常必要であると判断される事情」を定め意思表示を取り消すことができると考え必要であると判断される事情」の不実告 られる。 る ( 3 号 ) 等の改正を行っている ( 注 3 ) 。 知に該当するので、消費者は測量契約及 法 4 条 5 項 3 号が定める事情の不実告 また、「生命、身体、財産その他の重び広告掲載契約を締結する意思表示を取 知により意思表示の取消しが認められる要な利益についての『損害又は危険』」り消すことができると考えられる。 事例としては、前述の新しいタイヤを購とは、生命、身体、財産その他の重要な 入させた事例のほか、真実に反して「パ利益が侵害されることによって消費者に ソコンがウイルスに感染しており、情報生じる不利益を意味する ( 「損害」とし がインタ 1 ネット上に流出するおそれがては現に生じる不利益を、「危険とし
判特例法の趣旨、内容に従って適正に運ことが重要であるが、実際に適格消費者費者団体、弁護士等の様々な義務違反が川 問題になり、消費者等の苦情、紛議の申 用されることが必要であり、重要であ団体が差止請求訴訟を提起し、敗訴した る。暫くの間は手探りの問題も少なくな事例も少なくないのが実情であることの出、訴訟の提起等が発生することが予想 5 いものと予想され、特定適格消費者団経験をも踏まえた判断も必要である。特される ( 消費者等の苦情であっても、そ 体、裁判所、事業者、消費者等において定適格消費者団体が消費者団体訴訟を提の対応を誤ると、重大な紛議等に発展す 適正な実務の運営に関する慣行が形成さ起する場合には、公益性を標榜する訴訟る可能性が相当にあることは、弁護士の れることが望まれる。 を提起するものであり、訴訟の相手方で受任事件の実情に照らしても予想され 消費者団体訴訟制度は、特定適格消費ある事業者の信用毀損、風評損害が生じる。 ) 。特定適格消費者団体、事件を受任 者団体による適正な運営と監督庁である得ることは容易に予想でき、特定適格消した弁護士等が依頼者である個々の消費 消費者庁による適正な監督が必要であ費者団体が敗訴判決を受け、確定した場者に対して必要な事項を適切に説明し、 り、これによって制度の本来の目的が適合には、特定適格消費者団体による不当必要な事項を適時、適切に報告すること 正に実現されるかどうかを監視し、検証な訴訟提起に係る不法行為責任が問題にが重要であることはいうまでもないが することが、現在、まず重要な課題にな なり得る。一般の私人が訴訟を提起する ( その注意義務の水準は、善管注意義務 場合にも同様な問題が生じ得るが、特定であるだけでなく、高度な注意義務とい また、消費者団体訴訟制度は、一般の適格消費者団体による訴訟提起の場合に うべきである。 ) 、本人確認、本人の意思 消費者にとって容易に理解することが困は、一般の私人の場合と比べ、訴訟提起確認、事務処理を適正、的確に行うこと 難な内容であり、消費者裁判特例法の関に当たってより高度な注意義務を負うと が必要であるし、費用の徴収、費用の精 係条文も多数である上、その内容に照ら いうべきである 算、報酬の決定・合意・精算等を消費者 し、特殊詐欺が横行する現代社会におい 共通義務確認訴訟を経て、対象債権のが納得し、適正に行うことが必要であ てその手段として利用されやすいおそれ確定手続を進める場合には、特定適格消る。 があるから、制度の周知を徹底して行、つ費者団体、事件を受任した弁護士と個々特に費用の徴収、費用の精算、報酬の ことが重要である。 の消費者との間で、消費者に対する説決定・合意・精算等の消費者との関係 さらに、実際に特定適格消費者団体が明、書面の交付・作成、本人の確認、本は、特定適格消費者団体、弁護士等と消 消費者団体訴訟制度を利用し、共通義務人の意思の確認、報告、金銭の授受、事費者との利害が直接かっ現実に対立する 確認訴訟を提起する場合には、事前に事務処理等にわたる注意義務を負うとこ場面であり、費用の内容・額、報酬額に 実関係、法律関係を十分に調査し、勝訴ろ、訴訟事件の依頼者と受任弁護士とのつき見解が対立する可能性が高く、紛争 判決が得られる相当の蓋然性を判断する間の紛争の実情に照らせば、特定適格消が発生する可能性が相当にある。弁護士
特集消費者団体訴訟制度のこれから 消費者契約法改正の概要 例では、仮に事業者による勧誘がなされ状況のほか、たまたま友人や親戚が家にでは過量なものであったとしても、事業 た事例であったとしても、そのを発遊びに来るとか、お世話になった近所の者がそれを知りながら勧誘をしたわけで 売したアイドルのファンである消費者が知人にお礼の品を配る目的がある等の一はないから、取消しは認められないと考 えられる。 購入するような場合には、握手券が付い時的な生活の状況も含まれる。 ているという商品の内容や、そのアイド④消費者の認識は、例えば、普段は一 ルのファンであるという消費者の生活の人暮らしで他人が家に来ることはない消 2 不実告知における「重要事項」 状況を考慮すれば、過量な内容の消費者費者が、翌日友人が川人自宅に遊びに来 ( 法 4 条 5 項 ) 契約には当たらないと判断されることもる予定があるという認識の下で、それに 多いと考えられる。 見合った分量の食材を購入したが、実際法は、「重要事項」について不実告知 なお、前記① 5 ④の要素については次に友人が遊びに来るのは 1 か月後であっ ( 法 4 条 1 項 1 号 ) 又は不利益事実の不 のように考えられる。 たという場合、当該消費者には、友人が告知 ( 同条 2 項 ) があった場合には、消 ①消費者契約の目的となるものの内容川人自宅に遊びに来るという一時的な生費者は意思表示を取り消すことができる として、例えば、生鮮食品のようにすぐ活の状況が翌日のものであるという認識旨を定めている。この「重要事項ーの列 に消費しないと無価値になってしま、つも があったのであるから、これを考慮に入挙事由として、改正前の法は、「物品、 の、布団のように一人の消費者が通常必れた上で、当該消費者にとっての通常の権利、役務その他の当該消費者契約の目 的となるもの [ の「質、用途その他の内 要とする量が限られているものである場分量等が判断される 合等には、当該消費者にとっての通常の 当該消費者契約が過量な内容の消費者容」 ( 改正前の法 4 条 4 項 1 号 ) 及び「対 分量等が少なくなるため、結果的に過量契約に該当した場合であっても、事業者価その他の取引条件 , ( 同項 2 号 ) を定 性が認められやすい。 がその勧誘をするに際して、当該消費者めていた。 ところが、真実に反して「溝が大きく ②取引条件として、例えば、通常は、 契約が過量な内容の消費者契約に該当す すり減ってこのまま走ると危ない、タイ 一つ 100 円の物品と比較すれば一つ川 ることを「知っていた」 ( 注 2 ) ことが、 万円の物品の方が、当該消費者にとって本項の規定が適用されるための要件となャ交換が必要である。」と告げて新しい タイヤを購入させたという被害事例のよ の通常の分量等は少なくなり、過量性はる。したがって、例えば、スー 認められやすい。 ケットに来た一人暮らしの消費者が、大うに、事業者が消費者に対して、その消タ ③消費者の生活の状況には、当該消費量の商品を自らレジに持参し、店員とは費者が消費者契約を締結する必要性を基の 者の世帯構成人数、職業、交友関係、趣特に話をすることなくそれらを買って行礎付ける事実について不実を告げた結法 味・嗜好、消費性向等の日常的な生活のった場合には、仮に当該消費者との関係果、当該消費者が当該事実の誤認によりお
特集消費者団体訴訟制度のこれから 消費者団体訴訟制度の導入と課題 し条に関連規定が設けられているとこ団体訴訟制度の運用に利害関係を有する同年 6 月、報告書 ( 消費者団体訴訟制度 ろ、実際に特定適格消費者団体の認定、消費者、事業者にとっても、特定適格消の実効的な運用に資する支援の在り方に あるいは消費者庁による監督が重要であ費者団体による業務の遂行に対する苦情関する検討会報告書 ) をとりまとめ、公 るため、前記の指針等検討会が設置さを提起し、監督権限の行使を求める等す表した。支援検討会は、特定適格消費者 れ、平成年 5 月から平成年 3 月までる際にも重要な意味をもつものである 団体の消費者裁判特例法に基づく活動に 合計回の会議が開催され、検討が行わ認定・監督ガイドラインは、消費者裁判は公益性があることを前提とし、支援の れた。なお、消費者裁判特例法附則 3 条特例法等の法令そのものではないが、特在り方を検討し、同報告書に支援の内容 は、政府は、特定適格消費者団体がその定適格消費者団体に対する監督権限を有を提言したものであるが、支援の内容は 権限を濫用して事業者の事業活動に不当する消費者庁による監督権限の行使に関実際にも特定適格消費者団体の運営、活 な影響を及ばさないようにするための方するガイドラインであること、ガイドラ動に公益性が認められる必要な範囲に限 策について、事業者、消費者その他の関イン違反は、同法所定の監督権限の行使定されるとともに、公的な資金、資源に 係者の意見を踏まえて、速やかに検討をの理由になり得ること、内容が具体的かよる支援を受ける限り、その運営、活動 加え、その結果に基づいて必要な措置をつ詳細であることに照らし、消費者、事に対する必要かっ適正な監督が要請され 講ずるものとすると定めているところで業者にとっても重要な苦情の申出、訴訟る。 消費者団体訴訟制度は、今後実際に運 あり、その検討の一環として、指針等検の提起等の根拠を提供するものである。 討会が設置されたものである。 また、準備すべき事項として、消費者用され、特定適格消費者団体、訴訟代理 指針等検討会は、平成年 4 月、報告裁判特例法附則 4 条が、政府は、特定適人となる弁護士、消費者、事業者等に関 書 ( 特定適格消費者団体の認定、監督に格消費者団体による被害回復関係業務の係する様々な運用上の問題が生じ得ると 関する指針等について ) をとりまとめ、適正な遂行に必要な資金の確保、情報のころであるが、消費者裁判特例法の趣 公表し、これを受けて、消費者庁は、同提供その他の特定適格消費者団体に対す旨、内容に沿って適正に解決される必要 年Ⅱ月、「特定適格消費者団体の認定、 る支援の在り方について、速やかに検討がある 監督等に関するガイドラインー ( 以下「認を加え、その結果に基づいて必要な措置 定・監督ガイドライン」という。 ) を策を講ずるものとすると定めているとこ 五消費者団体訴訟制度の課題 定し、公表している。認定・監督ガイドろ、支援検討会がその一環として設置さ の現状と将来 ラインは、特定適格消費者団体に認定され、会議が開催された。支援検討会は、 れ、活動しようとする消費者団体にとっ平成年川月から平成年 6 月まで合計 消費者団体訴訟制度は、施行されたば律 て重要な意味をもつだけでなく、消費者 8 回の会議が開催され、検討が行われ、 かりであり、ひとまず同制度が消費者裁 9
も第一要件に該当する条項を例示したもうべきとされている論点については、消 のであるから、改正前の法川条と同様費者委員会において更なる検討が行われ ( 3 ) 法が消費者契約全般に適用されるものであること に、第二要件にも該当して初めて当該条るものとされている。また、国会の附帯を踏まえ、規律の内容を具体的かっ明確にすべきであ 項は無効と判断されることとなる。 決議においても、政府に対し、当該論点るという観点から、必要性の具体的な内容として「当ば について、所要の検討を行った上で、そ該消費者の生命、身体、財産その他の重要な利益につひ 律 いての損害又は危険を回避するために通常必要である の結果を踏まえて、改正法の成立後 3 年 法 8 新たな差止請求の対象 ( 法 と判断される事情」と規定している。 以内に必要な措置を講じることが明記さ 条 ) れている 今般の改正法で新たに意思表示の取消今後の検討課題とされた論点について 事由とされた勧誘行為 ( 法 4 条 4 項 ) 、 は、これらの点を踏まえ検討されるもの 無効とされた契約条項 ( 法 8 条の 2 ) に と考えられる。なお、消費者委員会は、 ついても、法に基づく差止請求 ( いわゆ平成年 9 月 7 日に専門調査会の審議を る消費者団体訴訟制度 ) の対象とされ再開しており、消費者庁も、専門調査会 る。 の審議が充実したものとなるように、弓 き続き協力していく。 四おわりに 改正法は、原則として、公布の日 ( 平 ( 1 ) 「同種」か否かは、当該消費者契約の目的となる ものの種類、性質、用途等に照らして、別の種類のも 成年 6 月 3 日 ) から起算して 1 年を経 のとして並行して給付を受けることが通常行われてい 過した日である平成四年 6 月 3 日に施行 るかどうかによって判断されるものと考えられる。 される ( 附則 1 条 ) 。消費者庁では、今 後も改正法の内容を消費者、事業者、消 ( 2 ) 過量であることは一般的・平均的な消費者を基準 とした規範的な評価であるところ、これを「知ってい 費生活相談員等に周知していくことで、 た」というのは、その評価の基礎となる事実の認識が 消費者被害の救済を適切に図ってまいり あったことを指す。したがって、事業者が、基礎とな る事実は全て認識した上でその評価を誤ったとして なお、消費者委員会の答申において、 も、過量であることを知らなかったことにはならな 今後の検討課題として引き続き検討を行 ( 注 )
定される以上、、原処分に何らの 範囲内にある上に直接その判断広範な裁量が認められるものと解要である。⑤その候補として本件 される。 新施設等が挙げられるが、他に県 違法がないにもかかわらず、原 の当否を法的・客観的に審査し ても要件を充足していると認め そして、本件承認処分の第 1 号内に移転先は見当たらない。よっ 処分庁において、それらを覆減 させることかできるとい一つ根拠 られる場合でも取り消すことが要件の審査が違法となるのは、そて、⑥普天間飛行場の被害を除去 は見出せない できることになるという不条理の基礎とされた重要な事実に誤認するには本件新施設等を建設する 言い換えると本件 かあること等により、重要な事実以外にはない。 したがって、本件訴訟の審理 を招くことになる。 対象は前知事がした本件承認処 したがって、被告の主張を採の基礎を欠くこととなる場合、又新施設等の建設をやめるには普天 間飛行場による被害を継続するし 用することはできない。 は、事実に対する評価が明らかに 分にその裁量権の範囲を逸脱 かない 合理性を欠くこと、判断の過程に し、又は、濫用した違法がある 以上によれば、本件埋立事業の と認められるかである 2 本件承認処分の第 1 号要件欠おいて考慮すべき事情を考慮しな 如の有無 いこと等によりその内容が社会通必要性 ( 普天間飛行場の危険性の 被告は、本件取消処分におい てした本件承認処分に違法があ 第 1 号要件は、埋立て自体及び念に照らし著しく妥当性を欠くも除去 ) が極めて高く、それに伴う るという判断に要件裁量権があ埋立地の用途が国土利用上の観点のと認められる場合に限り、裁量環境悪化等の不利益を考慮したと ると主張する からして適正かっ合理的なもので権の範囲を逸脱し又はこれを濫用しても第 1 号要件該当性を肯定で きるとする判断が不合理なもので しかし、原処分庁に行政処分あることを要するとする趣旨と解したものとして違法となる の取消しを認めた根拠が違法な され、承認権者がこれに該当する 本件においては、①普天間飛行あると認めることはできない。 か否かを判断するに当たっては、 行政処分を取り消すことによる 場の騒音被害や危険性、これによ 法律による行政の原理の回復に国土利用上の観点からの当該埋立る地域振興の阻害は深刻な状況で 3 第 2 号要件審査に埋立地の竣 あり、普天間飛行場の閉鎖という 功後の利用形態を含むのか及び ある以上、原処分に違法の瑕疵ての必要性及び公共性の高さと、 本件承認処分の第 2 号要件欠如 があることは取消権の発生要件当該埋立て自体及び埋立て後の土方法で改善される必要がある。し の有無 であり、不可欠である 地利用が周囲の自然環境ないし生かし、②海兵隊の航空部隊を地上 第 2 号要件は、埋立地の竣功 にもかかわらず、被告の主張活環境に及ばす影響などと比較考部隊から切り離して県外に移転す 後の利用形態ではなく、埋立行 によれば、後日、処分要件の有慮した上で、地域の実情などを踏ることはできないと認められる。 為そのものに随伴して必要とな 無を要件裁量権の下に再審査まえ、総合的に判断することにな③全在沖縄全海兵隊を県外に移転 る環境保全措置等を審査するも し、要件を欠くと判断すれば、 り、これら様々な一般公益の取捨することができないという国の判 ば ろ のであると解するのが相当であ 原処分に裁量権の逸脱・濫用が選択あるいは軽重の判断は高度の断は戦後 R 年の経過や現在の世 ひ の る。 なく、それ自体は違法ではなく政策的判断に属するとともに、専界、地域情勢から合理性があり尊 律 法 第 2 号要件の審査は、専門技 ても、あるいは原処分がした要 門技術的な判断も含まれるから、 重すべきである。④そうすると県 術的知見を尊重して行う都道府 7 件充足の判断がそもそも裁量の承認権者である都道府県知事には内に普天間飛行場の代替施設が必
特集消費者団体訴訟制度のこれから 適格消費者団体への期待と課題 少ない場合や、相手方事業者が倒産するの内容にそって必要な予算措置及び立法も、制度の活用をすすめ、その成果をひ など回収が困難な場合には、その費用のが行われるよう、消費者庁には更なる努ろくお知らせすることに努め、そのこと 全額を受け取ることができなくなり、特力をお願いしたい。また、悪質事業者対を通じて、行政との連携強化、支援の実 定適格消費者団体に費用負担が生ずるこ策として仮差押えの対象物の特定を容易現をはかり消費者被害の拡大防止・回復 とになる につなげることが重要と考えている にするために、例えば捜査機関から特定 ( いそべ・こういち ) そのような団体側のリスクを考慮し適格消費者団体に対し情報提供ができる て、公的機関による貸付制度には一定のようにするといったことも検討が必要で 場合の返還猶予もしくは免除の措置が組はないかと考える。 み込まれることが望ましい。 七最後に 仮差押えの立担保 消費者庁では、「消費者団体訴訟制度消費者団体訴訟制度には差止請求制度 の実効的な運用に資する支援の在り方にと被害回復の制度があることをご紹介し 年 ( 平てきた。そして前者は適格消費者団体 関する検討会」を開催し、 2016 成年 ) 6 月にその検討会の報告書がと が、後者は特定適格消費者団体が、それ りまとめられた。この報告書では、特定ぞれ制度運営の担い手である。これらの 適格消費者団体が仮差押えの申立てを行制度の公益性を考え、これまでも様々な う場合に必要となる担保について、公的情報面、財政面での行政による公的支援 機関が第三者として立担保を行えるよ、つが検討、実施されてきたが、特に財政面 にする制度の整備が提言されている。悪の支援については、実現のハードルが高 いというのが実情である。団体として自 質な事業者に対し、仮差押えを行い早期 に資産を確保することは、被害回復のたら財政基盤を確立していく努力は必要で あるが、消費者団体訴訟制度を社会的要 めに重要である。 仮差押えの担保金を特定適格消費者団請に応えるように持続的に発展させてい 体自身が拠出することは、被害額が多額くためには、団体自身の努力では限界が に上る事案では困難な場合があると考えあることも事実である。消費者団体訴訟 られ、立担保の制度は、仮差押えを活用制度の公益性について、ひろく国民の皆 していくために必要である。前記報告書様の理解をいただけるよう、団体として 37 ・法律のひろば 2016.12
改正公選法 ( 18 歳選挙関係 ) ・番号法・行審法などの重要改正の施行に対応 ! 自治六法 平成 29 年版ーーの 地方自治法令研究会【編集】 A5 判・定価 ( 本体 4 , OOO 円十税 ) ◆地方自治法、公職選挙法、地方公務員法及び地方財政法の 主要 4 法には、簡潔な条文解説の他に参照条文・読替条文・ 通知・実例・判例を 2 色刷りで収録。 ◆昨年末に成立した地方自治法施行令改正 ( 随意契約事由の対 象拡大 ) をはじめ、第 190 回国会で成立した行政機関等保 有個人情報保護”正など、重要改正に完全対応。 ◆を 号法、本年 4 月に施行された地方 を改正行政不服審査法など、重要 ミれたことに伴い、内容を刷新。 もとより、新たに行政不服審査法施行令・施行規則や、女性 利用促進法などを追加し、合わせて 759 本を全文収録。 与税法などは、施行日別の条文を掲載。複雑な未施行を読み 寺点の条文が一目で分かる。 / プする「しおり」により、スヒーディーな条文検索が可能。 ノ / ク機能で一瞬で表示。 0 会きようせい - 」ムロ去 一自六 29 改正地公法 (. 嶂価関・番号法・行書法などの施用 伴い内容を第新。地方自治法施行令や行政第関保有 個人情報保直法などの最新改正に売全対応の 地方自治法や地方公務員法・地方財政法はもちろん、 う実例も見やす 平成 29 年販トビックス 発刊の第要改正については、・料で物道を発行します。 ・・解が ) 、っています . きうせい 版」ダウンロード・サービス付き ! TEL . 0120-953-431 [ 平日 9 ~ 17 時 ] FAX 0120-953-495 [ 24 時間受付 ] http : //shop.gyosei. jp 〒 136 ー 8575 東京都江東区新木場 1 ー 18 ー 11 [ オンライン販売 ] お近くの書店または弊社 までご注文ください。
特集消費者団体訴訟制度のこれから 消費者団体訴訟制度の企業活動への影響と対策 絡を受け、必要に応じてリコールできる法に基づく損害賠償の請求については対 1 日以降に締結した契約等については返 金対応をし、それより前の契約等につい ようにしておくこと ( 消費者の被害を回象外となっている ( 注 7 ) 。 ては返金対応をしないという方針は取り 復し、金銭請求権を消滅させることにな づらい ( 注四。そのため、消費者への返 る。また、あえて訴訟が提起されれば濫 四結びに代えて 金は、集合訴訟が適用される範囲よりも 訴となることになる。 ) が有益である。 今後、事業者は、差止請求制度と集合広く、平成年川月 1 日より前に締結し 訴訟制度の両方を見据えた対応が求めらた契約等についても検討が必要となる場 金融 金融関係企業についても、約款を使用れることになるが、実務への影響は小さ合が想定される このように、集合訴訟制度は、それ自 するなど多数の消費者を契約の相手方とくない。例えば、適格消費者団体であっ する場合は、集合訴訟を提起され得るこて、特定適格消費者団体にもなっている体は裁判手続の特例という位置づけでは 消費者団体から ( 注 8 ) 、事業者が定めるあるものの、差止請求制度と相まって、 とに注意する必要がある。 また、金融関係企業が集合訴訟で受け解約違約金条項が消費者契約法 9 条の裁判外においても、それなりの影響を与 得る請求としては、不実告知 ( 消費者契「平均的な損害」を超えるとして、そのえることが想定される。集合訴訟制度が 約法 4 条 1 項 1 号 ) や断定的判断の提供使用の差止めを求められた場合、事業者開始して暫くは、特定適格消費者団体の ( 同項 2 号 ) に代表されるような詐欺的としては、当該条項の使用を差止めるべ数も限られ、また、訴訟提起に伴う特定 な勧誘行為による損害賠償請求などが考きか否かに加え、当該条項に基づいて過適格消費者団体の負担などから、実際に えられる。もっとも、このような請求に去に消費者から支払を受けた解約違約金集合訴訟まで発展する件数自体はさほど ついては、事業者と消費者との契約締結のうち「平均的な損害」を超える部分の多くはないと予想されるものの、事業者 としては、こうした集合訴訟を背景にし 時の状況など個別の事情を考慮しなけれ返金をすべきか否かも検討することにな ばならず、共通性や支配性の要件を満たる。こうした場合における消費者への返た事実上の影響も見過ごせない。 すかど、つかが問題となる。 金対応は、集合訴訟制度の開始前から検以上のような影響も踏まえると、事業 事業者としては、特定適格消費者団体討すべき論点ではあったものの、平成者においては、今後、消費者契約法をは からの問い合わせや請求の内容を吟味し年間月 1 日以降に締結した契約等に関しじめとする消費者法に違反しない約款等 て検討する必要がある ては特定適格消費者団体が集合訴訟を提の策定がこれまで以上に重要となるし、 なお、不法行為に基づく損害賠償請求起して請求できるようになり、請求金額約款や勧誘マニュアルなどに関連するトろ ラブルが起きた場合の初動対応の重要性の ( 特例法 3 条 1 項 5 号 ) については、民の増加も予想されることから ( 注 9 ) 、よ 法 もより一層高まることになる。 法上のものに限られ、金融商品取引法、り慎重な検討が求められることになる。 さらに、近年は、などを介して 金融商品販売法および保険業法など特別この点、事業者としては、平成年川月
ーになっている。被害回復制度の対象とウエプサイトで公告を行う。しかし自身費者団体の訴訟提起を支援する趣旨で、 なる事案かどうかを判断するためには、 のウエプサイトでの公告だけでは被害者東京都では訴訟に要する費用の貸付制度 消費生活センターが助言・あっせん等をへの周知に限界があるため、公告の段階が検討されている ( 第次東京都消費生 した事案について、被害が回復されたのでの消費者行政機関の支援も重要であ活対策審議会平成 % 年肥月四日答ば ろ ひ かどうかの情報が貴重である。同一事案る。 申 ) 。 の の多くで、被害回復がされているのであ具体的には、特定適格消費者団体が、 被害回復制度は、特定適格消費者団体律 れば、さらに被害回復制度の対象とする共通義務確認訴訟の結果を、国民生活セが被害回復訴訟手続において、簡易確定 必要性は低いであろう。一方、同一事案ンターや被害者が多いと思われる地域の手続に参加する被害者から一定の費用、 の多くで被害回復に至っていないのであ消費生活センターに、丁寧に報告するこ報酬を受けることができる旨定めてい れば、被害回復制度で対応すべき事案でとを前提に、消費生活センターに当該事る。簡易確定手続に参加する際に手続参 ある可能性が高い。よって、æ—0-Z 案の被害者から相談等が入った場合は、 加の費用を受け取り、相手方事業者から 情報から処理結果の概要 ( 被害回復特定適格消費者団体を紹介いただくとい取り戻して被害者に分配する際に、簡易 がされたのか、なされなかったのか程度う連携を目指す必要がある。また、特定確定手続のうち債権届出以降に生ずる費 の情報 ) の提供が得られることが望まし適格消費者団体による共通義務確認訴訟用と、特定適格消費者団体の報酬を受け いが、この点は引き続きの検討課題となの結果の公告について、消費者行政のウ取ることが想定されている。被害回復制 っている。 エプサイトでも紹介いただくということ度は、これらの費用、報酬を受け取るこ も有効であろう。 とで、この制度が持続的に運営されてい くことを企図している。よって、特定適 通知、広告の段階での行政機関 格消費者団体が一時的に立て替えること の支援 4 財政面での支援 となる共通義務確認訴訟に要する費用や 共通義務確認訴訟において、特定適格 訴訟に要する費用等の貸付 通知広告費用等について、公的機関が貸 消費者団体の主張が認められ、相手方事特定適格消費者団体が取り組む被害回付を行うというスキ 1 ムが準備されるこ 業者の法的義務が確認されたのちには、復訴訟の対象は、同一原因で多数に発生とが相応しいと考える。 その共通義務確認訴訟の結果を被害者にしている消費者契約被害であり、被害回 一方、共通義務確認訴訟の費用や通知 伝え、簡易確定手続に参加するよう呼び復をはかることに加え、被害回復の結果公告の費用等の特定適格消費者団体が立 掛ける必要がある。知れたる被害者には同じ被害の拡大を防止できるという高いて替えた費用については、共通義務確認 個別通知を行うが、連絡先等不明の被害公益性がある。 訴訟で勝訴した場合であっても簡易確定 者のために特定適格消費者団体は自身の このような公益性に鑑み、特定適格消手続に参加する消費者が想定したよりも