特集出入国管理・外国人との共生 水際テロ対策とインテリジェンス の規定は、外国入国管理当局との間でのの多くは個人情報であるため、関係機関とするものとされていたが、地方自治法の一部を改正 情報の交換を可能とする規定である。 との間で実際に情報の共有を行おうとすする法律 ( 平成年法律第号 ) による入管法の改正 により、特別区を含み、指定都市にあっては区又は総 る場合には、個人情報保護法制による制 合区とするものとされた。 約という問題が生じる。しかも、外国の 3 出入国管理インテリジェンス・ ( 3 ) 実際に、アルカイダの関係者が、平成Ⅱ年から同 関係機関との情報の共有を考えた場合、 センター 年までの間に、偽造旅券を使って繰り返し我が国に 我が国の個人情報保護法制のみならず、 法務省は、水際対策の強化等のため、外国の個人情報保護法制との関係をも考入国していたことが判明している。この事件について は、平成年 3 月日の衆議院法務委員会における杉 出入国管理インテリジェンス・センター慮することが必要となる。 浦法務大臣の答弁 ( 第 16 4 回国会衆議院法務委員会 を設置し、情報の収集・分析や鑑識の業当然のことながら、個人情報の保護は 議録第川号 1 頁 ) を参照。 務を行っている。そして、国内外関係機重要であり、みだりに個人情報がそれを 関との情報共有の枠組みを構築し、情報保有する機関から他の機関に提供される ( 4 ) 口頭審理が行われるのは、入国審査官が個人識別 情報の提供を要しない者に該当しないと認める外国人 ことがあってはならないことはいうまで 収集を推進するとしている が個人識別情報を提供しない場合と、入国審査官が上 もない。しかし、差し迫ったテロの脅威 陸審査の結果上陸のための条件に適合していると認定 に対処するなどのためには、ある程度の 七今後の課題 しなかった場合である。 例外を許容することが必要ではないだろ ( 5 ) 上陸の審査手続の中での本人の申し立てや行動が、 テロを未然に防止するためには、関係うか 機関の連携・協力が必要不可欠であり、 テロ対策の実施は、国際的にも、国内慎重な審査を行い、上陸の規制を行う端緒となること はあるが、それだけを端緒として慎重な審査を行うの 情報に関する連携・協力も必要である。 的にも緊急の重要課題であり、早急に、 前述したように、入国管理行政における個人情報保護法制との関係を検討・整理では、我が国においてテロを行おうとするテロリスト などの入国や上陸を防止する上で不十分である。な 水際テロ対策に関して、関係機関との間し、テロの未然防止のための外国の機関 で情報に関する連携・協力が行われていを含めた関係機関間における情報の共有お、上陸の審査において上陸の申請を行った外国人が 退去強制事由に該当することが判明し、退去強制手続 るが、現状は、必ずしも十分であるとまに関する仕組みを確立することが必要と が行われることもある ではいえないように田 5 われる。 思われる ( 6 ) 法務省入国管理局編「平成年版出入国管理」 テロ組織が国境を越えて活動している 現状においては、外国政府の機関を含め ( 注 ) ( 1 ) 出入国管理法令研究会編「平成年版出入国管理 たより広い範囲の関係機関との間におい ( たかや・しげる ) 実務六法』 ( 日本加除出版、 2 。 15 年 ) 頁。 て、より緊密な連携・協力が行われるこ ( 2 ) 「市町村」は、東京都の特別区の存する区域及び地 とが必要である 頁 17 ・法律のひろば 2016.6
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に問われる可能性が十分にあると同法律見解に依拠し又は少なくともそれを参考合があるとする見解を後に公表した ( 三井秀範・土本 郎編「詳説公開買付制度・大量保有報告制度 & 6 事務所が指摘した事実、及びらがその にしたと ( 事実に反して ) 受けとられる ( 0 0 136 頁以下を参照 ) 。 ような記載がある法律意見書の正本の受ものになっている点をもってらの情報 ( 商事法務、 2 。 11 年 ) 、ま 領を拒否した事実を記載しなかったこと開示義務違反を認定した。控訴審の本判 ( 2 ) * による < 社に対する文書提出命令の申立ても一 ろ ひ 部認容された ( 神戸地決平成年 5 月 8 日金判 139 決は、それらの事実を記載しなかったこ は、「一般株主の < 社の株式価格につい の 律 5 号頁、大阪高決平成年月 7 日未公刊、最三小 法 ての判断を誤らせるものとはいえず」、 とは「一般株主の < 社の株式価格につい 決平成年 4 月日未公刊 ) 。また、本件の公 それらの事実は「公表すべき重要な事ての判断を誤らせるものとはいえず」と 表後に < 社の株式を購入した株主らがら及び < 社に 判示するにとどめて、 ( 「記載全体」から 項」または「誤解を生じさせないために 損害賠償を請求し、棄却された ( 東京地判平成年 7 必要な事項」にはあたらないとしてらどのように受けとられるのかについて 号頁、東京高判平成年肥月幻 の情報開示義務違反を認めなかった。 の ) 後者②の判断を ( 少なくとも明示的月 7 日金判 1373 日判タ 1372 号 198 頁 ) しかし、第一審判決は、① < 社の賛同には ) していない点に問題がある ( 3 ) 原判決について、志谷匡史・商事 2061 号 ( 2 意見表明においてそれらの事実が記載さ れなかったことそれ自体をもって情報開 ( 注 ) 015 年 ) 4 頁以下、石山卓磨・ Month1y Report ( 税 ワ 3 0- 1 一 -0 年 ) 頁以下、今 経システム研究所 ) 号 ( 示義務違反を認定したのではなく、② < ( 1 ) 本件の公開買付けは、創業家一族が保有する株式 川嘉文「企業法の現代的課題 ( 正井章筰先生古稀祝 に加えて、一般株主が保有する株式の過半数の応募が 社の賛同意見表明における「 ( < 社取締 なければ公開買付けが成立しない水準に買付予定数の 賀 ) 」 ( 成文堂、 2015 年 ) 1 頁以下、村上康司・愛 役会は ) 本公開買付の諸条件は妥当であ 知学院大学論叢法学研究巻 3 ・ 4 号 ( 2015 年 ) 下限が設定されており ( マジョリティ・オプ・マイノ り、当社の株主の皆様に対して、公正、 191 頁以下、飯田秀総・ピジネス法務巻 7 号 ( 2 リティ条件とされた ) 、そのために創業家一族が応募 かっ、妥当な価格により当社の株式の売 しない場合にも公開買付けは成立しなかった。そし 015 年 ) 頁以下、白井正和・金判 1471 号 ( 2 却機会を提供するものであると判断し、 て、本件の基本契約には、公開買付期間満了日 015 年 ) 1 頁、玉井利幸・南山法学巻 1 号 ( 20 ・ : 本公開買付けに賛同する旨の決議をい までに < 社の取締役会が本件のへの賛同意見を 15 年 ) 頁以下、玉井利幸・新・判例解説 watch たしました」とする記載に、 ( それらの 12 7 頁以下、川島いづみ・判評 表明しない場合又は賛同意見を変更した場合には、買 号 ( 2 015 年 ) 事実を記載せずに ) 「なお、当社取締役 6 81 号 ( 2 015 年 ) 幻頁以下、得津晶・法教 4 2 ムムは、平成年 6 月より、本取引に法的付者は創業家一族に公開買付けへの応募を解除するよ うに請求できるとする条項があり、その条項にもとづ 6 号 ( 2016 年 ) 別冊附録頁、和田宗久・金判 1 論点に関する説明を弁護士法人大江橋法 4 8 5 号 ( 2 016 年 ) 2 頁以下。 く買付者からの請求により創業家一族は応募を撤回し 律事務所から受けております」という付 た。そうした条項は公開買付けの撤回事由 ( 金商法 ( 4 ) 本判決について、金澤大祐・新・判例解説 watch 記記載をしたことにより、賛同意見表明 条のⅡ第 1 項、金商令条 ) を任意に増やすのと同じ 商法 ( 2 016 年 ) 、阿南剛・商事 2 0 9 5 号 ( 2 が「記載全体」として、 < 社取締役会は 016 年 ) 頁以下。 同法律事務所のアドバイス若しくは法的効果があり、金融庁はそうした条項は認められない場 0
円超の普通法人に係る所得割の税税 ) の税率を引き上げ、地方交付 广率を引き下げるとともに、外形標税の原資化としている。原則平成 準課税 ( 付加価値割・資本割 ) を 四年 4 月 1 日施行。 8 分の 5 に拡大する ( 平成年度②の④は、地方法人特別税・譲 ろ は 8 分の 2 、平成年度は 8 分の与税を廃止し、全額を法人事業税の 3 ) ものである。これにより、国・ に復元するとともに、法人事業税法 地方を通じた法人実効税率は、平額の一部を都道府県が市町村に交 成年度において四・ % となる付する法人事業税交付金を創設す に向けて、⑦税源の偏在性を是正 ( 平成年度は ・ 2 % 、平成 るものである ( 交付額は法人事業 ◆地方税法等の一部を改正する等 するための法人住民税の法人税割年度は・ 1 。。 1 グ ) ただし、外形税額の 5 ・ 4 % 、交付基準は従業 の法律 の税率の引下げ及び④地方法人特標準課税の拡大により負担増とな者数 ) 。 ( 平成年法律第号 ) 別税等に関する暫定措置法の廃止る法人のうち、事業規模が一定以②の◎は、いわゆる地方創生応 〔平成年 3 月田日公布・ 等並びに◎認定地方公共団体の寄下の法人について、 3 年間、負担援税制 ( 企業版ふるさと納税 ) の 原則平成年 4 月 1 日施行〕 【法人税改革、地方法人課税の偏附活用事業に関連する寄附をした増を軽減する ( 平成年度は 4 分創設であり、地方公共団体が行 う、地方創生を推進する上で効果 在是正、自動車取得税の廃止及び場合の法人住民税の法人税割及びの 3 軽減、平成四年度は 4 分の 2 環境性能割の創設等、遊休農地等法人事業税の税額控除制度の創設軽減、平成年度は 4 分の 1 軽の高い一定の事業に対して法人が に係る課税の強化・軽減、企業版を行うとともに、③自動車取得税減 ) 。 行った寄附について、改正前の寄 ふるさと納税の創設、固定資産税の廃止並びに自動車税及び軽自動②の⑦は、平成四年度から、消附金の損金算入措置に加え、法人 等の特例措置の創設等、個人住民車税における環境性能割の導入等費税率川 % 段階において、地域間事業税及び法人住民税から税額控 税の徴収引継特例の対象拡大等】並びに④遊休農地等に係る固定資の税源の偏在性を是正し、財政カ除するものである。地域再生法の 産税及び都市計画税の価格の特例較差の縮小を図るため、法人住民改正法の施行の日 ( 平成年 4 月 及び課税標準の特例の創設等を行税法人税割の税率を引き下げるも 日 ) から施行。 本法は、現下の経済情勢等を踏うほか、⑤個人住民税に係る徴収のである ( 道府県民税は 3 ・ 2 % ③は、平成四年 4 月の消費税率 まえ、①経済の好循環を確実なも及び滞納処分の特例の拡充等の納から 1 ・ 0 % ( 制限税率は 2 ・ 0 川 % 段階において、自動車取得税 のとする観点から、法人税改革の税環境の整備、⑥税負担軽減措置 % ) に、市町村民税は 9 ・ 7 % かを廃止し、自動車税及び軽自動車 一環として法人事業税の所得割の等の整理合理化等を行うものであら 6 ・ 0 % ( 制限税率は 8 ・ 4 税にそれぞれ環境性能割を創設す 税率の引下げ及び外形標準課税のる。 % ) に引き下げ ) 。その引下げ分るものである。環境性能割の税率 拡大等を行い、 ②地方創生の推進①は、具体的には、資本金 1 億相当については、地方法人税 ( 国は、燃費基準値達成度等に応じて ひろば法律速報 ( 第 190 回国会成立法律より )
商事法判例研究 よる原告元株主の損害は認められないとる「のに対するメール送信指示行拠はなく、の善管注意義務違反と本件 した ) 、シャルレ事件でも 2 の②にみる為」の内容にほば一致することから、の頓挫との間に因果関係を認める ことはできないとした。それゆえ、ら ように、 < 社による賛同意見表明におけらが手続的公正性配慮義務に違反しなけ るらの情報開示義務違反を裁判所は問 れば < 社は不賛同表明をせずに本件公開が賠償の責めに任ずるのは、「 ( の ) 利 題にした。の場面では取締役は、 買付けは成立した蓋然性が高かったと益相反行為によって、本件の公正 株主に比べて会社の情報について優位なし、本件の関連費用のうち「本件が疑われたことにより、 < 社がその検 立場にあるだけでなく、情報の公表を操äpao の頓挫に至る過程において、それ証、調査のために支出を余儀なくされた 作できる立場にある。そのために、に関連して支出を余儀なくされた費用で費用に限られる」として、第一審判決が O の場面では取締役の情報開示義務が問 あるとの評価が成り立つもの」にらの賠償を命じた損害額のうち③は 2600 題になる ( 取締役と株主との利益相反を手続的公正性配慮義務違反との相当因果万円、⑤は 4500 万円の範囲でらの 回避する措置の開示もの場面では関係を認めた。そして、①大江橋法律事賠償責任を認め、合計 1 億 2006 万 9 421 円の < 社の損害の賠償を及び 求められる〔金商法条の川第 1 項、公務所に対する弁護士費用 140 万円、② に命じた。 開買付府令条 2 項、第四号様式記載上本件に関するメディア対応費用 1 の注意〕 ) 。 169 万 6395 円、③三井法律事務所②情報開示義務違反の有無 シャルレ事件の第一審判決は、 < 社が に対する弁護士費用 7000 万円、④第 ス中に、「な 三者委員会及び検証委員会に関する費用賛同意見表明のプレスリリー 2 本件における取締役の責任 3597 万 3026 円、⑤コーポレートお、当社取締役会は、平成年 6 月より、 シャルレ事件の控訴審の本判決は第一 パートナーに対して支払った株価再算定本取引に法的論点に関する説明を弁護士 審判決と同様に ( 注リ、「本件は、 費用 7800 万円の合計 1 億 9706 万法人大江橋法律事務所から受けておりま < 社の企業価値の向上に資するものと評 9421 円の < 社の損害の賠償を及びす」という付記記載をした点について 価することができる」と判断したうえに命じた。 らの情報開示義務違反を認定した ( ただ で、の買付価格の算定へのの介それに対して控訴審の本判決は、 < 社し、その義務違反による < 社の損害は認 入について及びの義務違反を認定しによる不賛同表明に先立っ平成年Ⅱ月められないとした ) 。しかし、控訴審の た ( 注当。 四日に銀行が本件公開買付けにかかる決本判決は、 < 社による利益計画の変更は ①頓挫の原因 済資金の融資を中止したことを主要な要利益相反行為にはあたらず、らが同法ろ シャルレ事件の第一審判決は、 < 社の因として本件が頓挫した蓋然性が律事務所の意見を受け入れなかったことの には相応の理由があるとして、利益計画法 不賛同表明の理由にされた根拠事実が高いとし、の善管注意義務違反と銀行 らの手続的公正性配慮義務違反を構成すの融資中止との関連を認めるに足りる証の変更についてらが善管注意義務違反
燾益は ろ ひ の 律 法 いる。東アジアや東南アジアにおいて、前記海外拠点や現 曹有資格者の活動領域は、近年、着実な広がりがみ 地の法律事務所に出向するなどして活動している日本の弁 、冫られる 国の機関において任期付公務員として勤務する弁護士の護士は、平成年 9 月日現在、判明している限り 164 数は、平成年には川名に過ぎなかったが、平成年 8 月名に及んでいる 法務省においては、平成年 9 月から平成年 6 月にか には、内閣府、公正取引委員会、金融庁、消費者庁、外務 けて「法曹有資格者の活動領域の拡大に関する有識者懇談 省、文部科学省、経済産業省などの省庁において合計 35 7 名が勤務するに至っている。その担当業務も、法令の立会」を設置し、その下に日本弁護士連合会との共催による 見案や検査・審査業務のみならず、政策の企画立案や国際関「国・地方自治体・福祉等」、「企業」及び「海外展開」の 各分科会を設け、試行的な方策の検討を進めてきた。そし 係業務など多岐に渡っている。 地方自治体においても、常勤職員等として勤務する法曹て、「法曹養成制度改革の更なる推進について」 ( 平成 有資格者は、以前はほとんどみられなかったが、平成年年 6 月日法曹養成制度改革推進会議決定 ) においても、 广 1 月には、間の地方自治体において合計 106 名が勤務す前記有識者懇談会及び各分科会における取組による法曹有 るに至っている。その担当業務も訴訟対応等の従来業務の資格者の専門性の活用の機会が増加してきた流れを加速さ 土みならず、政策法務、公金債権管理回収、包括外部監査なせるべく、法曹有資格者の活動領域拡大の取組を継続する ことが必要であるとされ、法務省においては、法曹有資格 △ルど多岐に渡っている。 企業の分野における法曹有資格者の採用は更に大きな広者の専門性の活用の在り方に関する有益な情報が自治体、 動 がりがみられる。企業内弁護士数は、平成年 9 月には 福祉機関、企業等の間で共有され、法曹有資格者の活用に 、、 / 名に過ぎなかったが、 平成年 6 月には 1442 名とな向けた動きが定着するよう、関係機関の協力を得て、その ための環境を整備するものとされた。 り、この年間で約倍に増加した。特に平成年 6 月ま の での 1 年間には 263 名という大幅な増加がみられる。採これを受け、法務省及び文部科学省は、最高裁判所及び 者 日本弁護士連合会の参画を得て開催している「法曹養成制 用企業も従来は外資系金融機関が中心であったが、近時は 国内企業による採用も増えており、東京以外の地域への広度改革連絡協議会」において、法曹有資格者の活動領域の 格 がりもみられる 拡大をテーマとし、関係機関との間で、各分野における活 海外展開の分野においても、日本の企業等による海外取動領域に関する情報共有を行い、今後の取組の方向性につ 論有 いて検討を進めているところである。 引や海外進出が増加し、アジアの新興国を中心に日系企業 ( 司制 ) 曲曰の拠点が増加してることに伴跛日本の法律事務所も、 ろ去これらの国々を中心に多くの海外拠点を設置するに至 0 て
商事法判例研究 冊附録四頁、伊藤吉洋・ジュリ 14 6 6 号 ( 2 014 ( 5 ) レックス事件では原告である元株主は、会社 112 頁以下、大塚和成・西岡裕介・金法 199 法 350 条または民法 709 条に基づき買収会社、な らびに、会社法 429 条 1 項に基づき買収の当事者で 2 号 ( 2014 年 ) 頁以下、篠田四郎・名城ロース クール・レビュー号 ( 2 014 年 ) 14 7 頁以下、 ある取締役以外の取締役及び監査役にも損害賠償を求 川島いづみ・判評 6 6 3 号 ( 2 014 年 ) 頁以下、 めたが、いずれの請求も裁判所は棄却した。 ワ 1 -0 : 1 -4- 年 ) 渡辺伸行・岡部洸志・金法 1994 号 ( ( 6 ) レックス事件の第一審判決につき、弥永真生・ 頁以下、森本滋・リマークス号 ( 2 014 年 ) ジュリ 14 2 2 号 ( 2 011 年 ) 10 2 頁以下、十市 頁以下、戸門大祐・法律論叢翫巻 1 号 ( 2014 年 ) 崇・商事 19 3 7 号 ( 2 011 年 ) 4 頁以下、川島い 271 頁以下、金澤大祐・月刊税務事例貯巻 6 号 ( 2 づみ・ Mon yRe を洋 ( 税経システム研究所 ) 芻号 ( 2 015 年 ) 頁以下、井原宏隆・専修法研論集号 ( 2 011 年 ) 1 頁以下、飯田秀総・ジュリ 1437 号 ( 2 015 年 ) 頁以下。 012 年 ) 囲頁以下、武田典浩・法学新報 118 巻 167 頁以下、玉井利幸・ジ ( 8 ) 落合誠一「企業法の目的ー株主利益最大化原則の Ⅱ肥号 ( 2 012 年 ) 検討ー」岩村正彦ほか編「岩波講座現代の法 7 企業 ュリ 1440 号 ( 2012 年 ) 囲頁以下、清水建成・ と法」 ( 岩波書店、 1998 年 ) 3 頁以下、頁がそう 当 . タ 13 7 0 ロ写 ( 2 012 年 ) % 頁以下、玉井利幸・ 2012 年 ) 147 頁以下、 した見解を示す。 南山法学肪巻 3 ・ 4 号 ( ワ 3 0 1 亠ワ 3 伊勢田道仁・法と政治巻 3 号 ( 年 ) 頁以 ( 9 ) 弥永・前掲 ( 注 6 ) 103 頁がそうした指摘をす る。弥永・前掲 ( 注 7 ) 3 頁も参照。 下、金澤大祐・日本大学法科大学院法務研究 9 号 ( 2 012 年 ) 141 頁以下、岡本智英子・法学研究巻 ( 四により株主共同の利益 ( 企業価値 ) は毀損 されないことを、清水・前掲 ( 注 6 ) 芻頁が強調する。 肥号 ( 2012 年 ) 頁以下、村上康司・愛知学院大 155 頁行 ) 田中信隆「における取締役の義務と責任」 学論叢法学研究巻 1 ・ 2 号 ( 2013 年 ) 以下。 ビジネス法務 8 巻 4 号 ( 2008 年 ) 頁以下、間頁 以下、白井・前掲 ( 注 7 ) 浦頁注戮白井・前掲 ( 注 3 ) 1 頁にそうした趣旨の指摘がある。レックス 事件の控訴審判決が「株主の共同の利益」をはかる取 締役の義務に基づきにおける取締役の ( 個別の 株主との関係における ) 「公正価値移転義務」を認め たことがその見解により問題にされる。同判決がそれ に続けて「株主間の公正な企業価値の移転」を問題に ( 7 ) レックス事件の控訴審判決につき、弥永真生・ ジュリ 14 5 6 号 ( 2 013 年 ) 2 頁以下、三苫裕・ 金判 14 2 2 号 ( 2 013 年 ) 1 頁、白井正和・ビジ ネス法務巻Ⅱ号 ( 2013 年 ) 頁以下、飯田秀総・ ワ 1 0- ワ 3 ワ 3 商事 号 ( 2 014 年 ) 4 頁以下・ 2 0 2 3 号 頁以下、山本爲三郎・金判 1434 号 ( 2014 年 ) 2 頁以下、齊藤真紀・法教 402 号 ( 2 014 年 ) 別 したことも、「株主間」ではなく「取締役・株主間」 の利益相反にの問題があることに対応しない ( リただし、本件は取締役の会社に対する損害賠償責 任が追及された事案である。それゆえ、株主との関係 における取締役の義務の内容についての本判決の判示 はその意味において「傍論」である。 ( ) シャルレ事件では >CQO の買付価格については、 第一審判決も控訴審の本判決も & らの義務違反を審査 するなかで「それ自体不公正なものであったとはいい 難く」と判示するにすぎず、裁判所のそうした買付価 格についての判断が批判される ( 飯田・前掲 ( 注 3 ) 頁以下、和田・前掲 ( 注 3 ) 6 頁ほか ) 。ただし、 シャルレ事件では会社に対する取締役の損害賠償責任 が追及されており、の買付価格が直接に争われ たわけではない。買付価格が不公正な価格であること をの手続きが不公正なものであることを示す徴 憑 ( 間接事実 ) に用いることは考えられるが、本件で は文書提出命令により提出されたメールの記録により 買付価格の算定への & の介入は直接に立証された。 ( リ控訴審の本判決は第一審判決とは異なり、取締役 の「第三者機関による算定への介入は、相応な根拠に 基づくものである必要があるとともに、その方法も第 三者機関の独立性を害するものであってはならない」 として、一定の条件のもとで第三者機関による算定へ 2 の取締役の介入の余地を認める。ただし、そうした条ろ 件を満たして介入が認められる余地は実際にはきわめの 法 て限られると指摘される ( 阿南・前掲 ( 注 4 ) 頁 ) 。 ( とりやま・きよ、ついち ) い
特集出入国管理・外国人との共生 在日外国人の法律相談 2 有給休暇の取得などの権利行使 による雇い止め 具体的な相談事例としては、雇い止め に関するものが多い。例えば、年次有給 休暇の取得を申し出たところ、取得自体 は認められたが、 契約更新がされなかっ たり、セクハラ行為に対し苦情申出をし 一はじめに ニ労働問題 たところ契約更新がされなかったという ケースがある 外国人の法律相談には多様なものがあ 1990 年入管法改正 る。法律相談は法的支援の入り口であ 1990 年の入管法改正により、日系 り、相談で接する様々な事案には、在日 3 長時間労働 外国人のおかれた様々な困難が反映され人の子孫を受入れるための「定住者 , の ている。これらの中には、日本人の相談在留資格が新設され、主にプラジル国籍派遣先が派遣労働者に時間外労働や休 者と共通するものもあるが、外国人に特やベルー国籍の日系人が労働者として来日労働を行わせる場合には、派遣元の事 有の問題もある。外国人の法律相談に 日することが容易になった。その多くは業場で締結・届出された三六協定が必要 は、不当な差別的取扱であったり、架 冫刻通訳の必要や労務管理の都合から派遣会であるが、三六協定が締結されていなか ったり、三六協定の範囲を超えて時間外 な人権侵害を伴うものも多い。これらの社を通じて就労しているため、不安定な 問題は、外国人の問題であるとともに、就労、多発する労災事故、社会保険の不労働が行われている場合が散見される。 私たち自身の問題でもある。以下、外国加入など劣悪な条件での就労を余儀なくまた、外国人派遣労働者が極端な長時間 人に対する法的支援の取組の中で接したされている者も多い。違法な権利侵害が労働をさせられているケースがある。 事例を中心に紹介する。 あっても、不安定な就労形態のため、抵 抗できない状況におかれている実情があ 4 不当な搾取 ろ り、派遣契約期間も 2 か月又は 3 か月と ひ 悪質なプローカーや派遣事業者が外国の いった極めて短い契約が増えている。 法 人労働者を搾取しているケ 1 スがある 出身国のプローカーが日本での就労をア 在日外国人の法律相談 弁護士高貝亮
月刊法律のひろば 2016 VOL69 No. 6 」 une ◆特集◆ 出入国管理・外国人との共生 ー多文化共生社会に向けて ー国と地方自治体の取組を中心に / 山脇啓造 4 ー水際テロ対策とインテリジェンス / 髙宅茂 12 一世界の難民の現状と我が国の難民問題 / 滝澤三郎 18 ー出入国管理行政の課題と今後の展望 / 根岸功 28 ー在日外国人の法律相談 / 高貝亮 39 ◆連載◆ バンコクからの法整備支援ー違いを超えて 第 2 回出発、そして最初の数ヶ月 / 柴田紀子 46 商事法判例研究第 4 回一一東京商事法研究会 MBO において取締役が負う義務ーシャルレ事件控訴審判決ー / 鳥山恭一 54 保険判例研究第 35 回一一保険判例研究会 申込内容を変更した場合のクーリングオフの起算日 / 酒巻宏明 62 ひろば時論 2 ■児童虐待事案における関係機関との連携について ■法曹有資格者の活動領域拡大の現状 ・訟務情報 / 75 ・ひろば法律速報 / 78 ・次号予告 / 27 弊社新刊図書・雑誌のご案内・・・・・ h p : ″ gyosei.jp 装丁 /Kaz
月刊法律のひろば ◆特集◆個人情報の利活用と保護 法律のひろば ■個人情報保護法制の国際的動向ー 2016 年 3 月 ・・・藤原靜雄 ■改正個人情報保護法の概要 ・・・横澤田悠 日個人情報の利活用と保護 ■中小企業における個人情報保護法の改正の影響 改正■人情報保ー法の■要 / 洋田整 中小企業における個人情報保第法の改正の影響 / 水之啓イト小林太印 置名加工情報への期降 / 濱島劣去 従業者等による人情報の出と対策 / 板倉陽一郎 ・・・水之浦啓介・小林慎太郎 消費の視点からみる一←ソナルデータ利活用の問題点前田恵美 ■匿名加工情報への期待 ・・・濱島秀夫 ■従業者等による個人情報の流出と対策 ・・・板倉陽一郎 ■消費者の視点からみるパーソナルデータ利活用の 問題点 ・・前田恵美 バックナンバーのご案内 平成 28 年 5 月号 ー 90R 一い NO 日罅 0 を A 電 y 罰ツ . い′ No 当 物強・報度・保険法物研究ま 26 ■ - ー・ま物鋼第物・を実 物神第実中のとはドめられをいとして保物の第・がめられた事物長・第野第ん 1 きようせい 編帰 集イ記 平成 28 年 4 月号・発達障害支援の取組 宅途中に遭遇した地震。せまい電車 平成 28 年 3 月号・震災から 5 年一現場から問いかける課題と復興・防災・減災への提言 内で一斉に鳴り出す緊急地震速報の 平成 28 年 2 月号・派遣法改正一労働者・企業への影響と今後の展望 アラーム音。東日本大震災のとき頻繁に 聞いたあの音に、久しぶりに強い恐怖を 平成 28 年 1 月号・性犯罪者の実態と再犯防止ー平成 27 年版犯罪白書を読む 感じた◆熊本地震は今も余震が続いてお り、被災住民の方々はどんなに不安で怖 平成 27 年 12 月号・日本の知財戦略ー新しい活用に向けた法整備 い思いをされていることだろう◆どうか 平成 27 年 1 1 月号・刑事司法と国際協力ー第 13 回コングレス・第 24 回コミッションの成果と課題 一日でも早く安全と安心を取り戻せるよ うにと心から願わずにいられない ( ま ) 平成 27 年 10 月号・スポーツ振興の未来ー法的立場からみた課題と紛争解決 者内のデパ地下で外国語が飛び交うの を耳にし、訪日観光客が増えたと実 平成 27 年 9 月号・児童虐待の現状と回復への取組ー防止法施行 15 年を迎えて 感する◆一方、パリ同時テロなどを見る 平成 27 年 8 月号・危険ドラッグの規制と薬物事犯者への処遇 ・支援 と、いつテロリストが入国してもおかし くないことを思い知らされる◆かって江 平成 27 年 7 月号・空き家問題ー対策と活用方法を考える 戸時代に「鎖国」を経験した日本ではあ 平成 27 年 6 月号・法と判例からみる消費者問題のいま るが、外国人との共生は国際社会の一員 として欠かせない は ) 平成 27 年 5 月号・労働審判制度 10 年目の課題と展望 法律のひろば 6 月号 ( 第 69 巻第 6 号 ) 平成 28 年 5 月 25 日印刷 平成 28 年 6 月 1 日発行 編集兼株弌社きようせい 発行所エ 〒 136 ー 8575 東京都江東区新木場 1 ー 18 ー 11 電話販売 03 ー 6892 ー 6666 広告 03 ー 6892 ー 6589 編集 03-6892 ー 6520 フリーコール 0120 ー 953 ー 431 印刷所ぎようせいデジタル株 振替 00190 ー 0 ー 161 ( 02016 printed in Japan 旧 SN0916 ー 9806 バックナンバー・購読のお申込み 本誌のバックナンバーや定期購読のお申込み は、以下で承っております。 フリーコール 012g953 ー 431 Web サイト http : ″ gyosei. jp 毎月 1 日発売 / 定価 ( 本体 800 円 + 税 ) / 送料 78 円 年間購読料 10 , 368 円 ( 8 % 税込、送料込 ) ・当編集部では、誌面に関する皆様からのご意見、ご感想をお待ち しております。下記編集部のアドレスまでお願いいたします。 zasshi@gyosei. CO. jp 法律のひろば 2016.6 ・ 80