スカラ座 - みる会図書館


検索対象: 蒼海 2018年
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1. 蒼海 2018年

蒼海 2018 年 た際には毎回窓からその看板を見上げてはどんな映画 いる間は静かにしている私の態度に安楽さを見出した のか時々映画館に連れて行ってくれた。見た内容は正直をやっているかを確認していたものである。また、この そこまで覚えていない。テレビで見ていたドラマやアニリアルさが全く写真と見比べてもそん色のないほどの メの劇場版や特撮映画が中心だったように思う。どちら精度であったため、よく母親とこれが写真かそれとも手 かといえば、映画を見る直前のワクワク感や館内の風景描きかで話をしたものである。 とはいえ、そうした映画館も今では全て姿を消してし の方が色濃く記憶にこびりついている節があるかもし まった。建物だけが居抜きで残っていることがあるが、 れない。当時の映画館のスクリーンには幕がかかってい た。上映直前になるとその幕がするすると上やら横からそうした建物がアパレルショップなどになっている光 に姿を消し、真っ白なスクリーンが観客と対峙する。こ景を目にするとどこか滑稽な、悲しいような形容しがた い心情にふと気が付く。盛況な様子なのだから ' そちら の時の興奮は今でもよくよく覚えている。それに赤色の リノリウム廊下。映画館内のこの廊下が何とはなしに高の方が結構なはずだがこうした感情を覚えるのは老害 以外の何者でもないな、と変な自嘲癖になる。 級感や非日常感を演出してくれていた。 そしてもう一つは題名にもなった映画館の表に飾ら先に話していた京都宝図歌劇場やスカラ座があった れた手描き看板である。特に河原町三条を下がったあた場所は今では大型のショッピングビルに様変わりし、そ りに当時開館していた京都宝塚劇場か京都スカラ座のの場を往来する客層も大きく変わった。街とは生き物の 手描き看板がとても大きく、リアリティというか迫力がようなものであり、絶えず流浪転生を繰り返していくも のとはうまくいったものである。ただ、やはり私はこの 凄かった・。ヾ / スで自宅から京都駅に向かうことがあっ