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検索対象: 音楽と人 2016年6月号
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1. 音楽と人 2016年6月号

最悪って ( 笑 ) 。でも、依与吏くんはそれぐらい 2 人に依存実感が得られないというか いないのはなんなんだろう ? 〉って。自分に空いたこの穴は、ど してるってことでもあるし。 「ほんとそうだと思います」 うしたらいいの ? みたいな」 でも、その誰かがいなくなったり離れたりし、ひとりに 「そうですね。依与吏のイは依存のイなんで ( 笑 ) 」 だったらもう人間関係がこれ以上増えないようなミニマム なって思い知ることもあって。 もういい ( 笑 ) 。でもそれを本人たちに直接言ったりしない な活動をしていくしかないんじゃないの ? 「そこで初めて自分を知ることになりますからね。イヤな場面 のが意地悪なところだよね。 「それはダメなんですよ。やつばり人と何かやるのが好きなん に出くわしたときに」 「いやいや、でもそれはアイツらもわかってると思いますよ。 で。矛盾してるんですけど、そこは小さく出来ない。だからもう だから・ハンドをやってるんだろうね、あなたは ・ : 昨日かな ? 3 人だけで一日スタジオ入ったんですよ。で、 そこは考えたくもないです。フーって頑張って、少しずつ積み 、こんげん〉なん 「そうですね。例えばカップリングの〈ひとくしー 上げて、運良くいろんなことが上手くいってるわけじゃないで休憩挟みつついろいろ話しながらやったら楽しくて。だから 2 すか。でも、いっか自分たちが頭打ちになったらとう思うのか人には〈今俺ってこういう状況で〉っていうのを報告したんでて、ほんとならわざわざ唄うことでもないという。でもこう いうことを唄うのは、たふん自分が殻にこもらな、タイプだっ なあ ? って。そんなこと今から考えてもしようがないし、明るすけど、そういうことを話す時間はとても重要だなって改めて い未来だけ見てればいいんですけど。でもその時はすごくしん思いました。最近そういうことをあんまりやってなかったんでてことだと思うんですよ。普通だったらこういう物分を見て欲 すよ。とうしても曲のことはプロデューサーとやり取りが多い しくないから殻にこもるわけじゃないですかで僕は〈こう どいだろうなって思います」 いう自分は見て欲しくないけど、それを曲にするで聴いて欲 し、スタジオに 3 人でいても、曲を噛み砕くことで一生懸命だっ そこまで不安定な気持ちがこの曲に入っているとは想像し なかった。 しい〉って思っちゃうほうなんで」 たり。けど昨日はなんか : : : 奇跡的にそういう時間が生まれて。 露悪的とでも言いますか 「でもそういうこともたふん経験したほうがいいんでしようね。久しふりだったな」 い時間でしたか ? 「だから殻にこもるにしても、たふん 3 人でこもんじゃない 大きな挫折を味わうかもしれないけど、どこで自分が何を出来 ですかね ( 笑 ) 。山に合宿とかでこもって曲書いて、 3 人でまた 「うん。それこそ群馬の伊勢崎にあるスタジオに 3 人で入って るかっていうのが大事だし、そこに真の価値があると思うんで」 たときから変わってない感覚がそこにあって。それがあるか戻ってくるみたいな」 , ・・ーー真の価値って ? ひとりじゃなくて ら今でも俺は大丈夫なのかなって。むしろそういう時間がなく 「たふん全否定される日が来るのを待ってるんですよ、自分が。 ーししことですよ、変わらな 「そこはすっと変わらすに。それよ、、 とりあえすそこまでは行ってみようって。で、そこで挫折を経なったらキッいっていうか、だから誰もいなくなったとしても、 いことっていうのは。〈変わらぬクオリティでお届します〉み 験して初めて真の価値が見える。新しい刺激、というのはあま最悪メン・ハーだけでもいてくれれば、曲は出来るのかなって。 たいな ( 笑 ) 」 りにも薄っぺらいけど、とにかくストレスが自分にかかるわけひとりでやるのはあんまり好きじゃないから。今まで「自分が わかりました。まだ俺、今回のツアー観てないだけと、こ 聴きたいものを作りたい」とか言ってきたし、これからもそう じゃないですか。自分が望んでない方向に行くってことは」 のシングル聴いてすごい観たくなりました。 そうですね。 いうふうにやっていくつもりですけど、やつば人に聴かせるた 「お客さんとすごく距離が近いですよ。ホールツーやってア めの音楽なんで」 「自分の思い通りにならないからこそ曲が出来るというか : リーナツアーやって、っていう・ハンドなのにググイお客さ その一番身近な存在があの 2 人っていう。 だからさっき「もう人とは出会 いたくない』って言ったけど、た んが寄って来る、みたいな ( 笑 ) 。〈まったく距離じてないっ ふんすっげえ出会いたいんですよね。すごく出会いたいし、出「そうですね」 しょ ? 〉みたいな ( 笑 ) 。でも一応、俺のことをすごと思ってく ーー自分はあの 2 人に依存してると思う ? 会うことが好きだし、人と一緒にいるのがすごい好きだから : 「と、思いますよ。すごく依存してると思 , フ。マジでふん殴ってれてるなあ、みたいな。だからすごい心地良いです。すっと俺、 : やつばり出会いたくないし、みたいな」 こうなりたい自分っていうのがあって」 人のことを嫌いになっちゃうかもしれないと思うことはあやろうかなって思うときもありますよ。でもそれはたふん 2 ーー憧れ ? . り . 土 6 亠 9. ? ・ 人も俺をそう思ったことあるだろうし。でもここまでやってき 「うん。基本的にはヘラへラしてるんだけど、やるきはやるぜ ちゃったんで。それに誰かが抜けてまで続けるような・ハンドで 「それはないですね。すごく疲れててちょっとひとりになりた もないですしね、こんなもん。「こんなもん』って言ったら・ハン的な存在 ? そういうふうに今はなれてるのかなって。具体的 いって思うことはあったとしても、そうなると自分の価値が 羽リョウな に言うと「 OZg.a 」のルフイだったり ドに失礼ですけど ( 笑 ) 、でも 3 人の・ハランスで出来てるバンド あっという間に見い出せなくなるんで」 んですけと」 うん。だからさっき自分で言ったけど、音楽が人と人の間なので」 で鳴ってるんだね。 そのへん彼らがどう思ってるかは、この後のインタビュー 『シティーハンター』か ( 笑 ) 。 「ああいう感じに憧れたんですけと、そういう感・でここまで 「うん : : : そう言われてみると、ほんとにそうですね。いろんなで問い詰めてみますんで。 来れたことは、自分にとって一番お祝いしなきやけないこと 「助かります ( 笑 ) 」 人が自分の周りからいなくなっても、最悪メン・ハーだけでもい だろうなって」 とにかく、依与吏くんは誰かがそばにいないと、生きてる いからいてくれれば」 6

2. 音楽と人 2016年6月号

いな人にお願いするわけじゃないですか。したらムの話みたい てつきり和也くんが「ここは俺に弾かせろ」って言ったの焦って聞くと、『ここはね、ウオオウオンウオン ! って言ってる にギリギリになって「これ、書きなおして」とか言、ないと思う かと思ってました。 感じ』って言われて『なんだそれ ? 』みたいな」 あはははは ! そこで彼にキレたりしないの ? 「逆ですよ。しかもあの曲って最初にあったフレーズを「やつば 「あー、なるほど」 「キレてる場合じゃないですよ ( 笑 ) 。〈あと 3 時間しかない ! りあそこ変えてくれない ? 」って依与吏が言い出したんですよ。 それは和也くんだから言えることだと思う。ので、 2 人 しかもレコーディングの数日前に」 とうにかしないと ! 〉っていう」 わりと簡単に言うんだね。 に甘えてるなって。 そういうやり取りがあって曲が出来あがると。面倒くさい 「そうそう、けっこう簡単に言うんですよ。でもこっちとして 「だったら : : : それは面白いですけど」 バンドだね ( 笑 ) 。 でもそれって、すごく・ハンドらしい関係だなって思います。 〈えっ ! 〉って感じじゃないですか。〈なんでもっと前にそれを「でもその結果、自分でもいいなって思える作品が出来てるか 言わないんだ〉って思いつつ ( 笑 ) 、もう一回フレーズを全部作らいいんですけどね」 「あの、よくあることだけど、・ハンドの方向性とかで辞めちゃう そうだよね。 人っているじゃないですか。・ハンドの音楽性がずと同じだと りなおして。そしたら何も言ってこないんで〈あ、オッケーなの 飽きちゃうとかでも、この・ハンドに飽きは来ない思います かな〉と」 「もしこれが間に合わなかったり、出来なかったりしたらどう もう年近くやってるけと、ずっと同じだったこってないん レスがないと。やつばりジャイアンだ ( 笑 ) 。 するんだ 2: っていうのはありますけど」 「こっちとしてはオッケー待ちだったんですけど、大丈夫みた そこで彼に対してネガテイプな感情を持っことはないですで。いつも何か起こるし、変わってくし。だから面白い・ハンドだ と思います」 いなだな、と。でもそれで油断してるとレコーディングの前日 依与吏くんに対してはどうですか ? 愛想が、きるような とかに「やつばりこうしてくれ』とか言い出すことがありまし「いろいろあるけと、〈ふざけんな〉とか〈嫌いだ〉とかは思わな 一」 ) しかは。 たからね。そこのバランスが難しい」 いですね。だって依与吏はそういう人間だし、俺とも寿とも違 効率悪いけど、そのやりとりってすごくンドっぽいですう。全員・ハラ・ハラと言えばそうだし、でも・ハンドってそういう「愛想が尽きるもなにも、もともとアイツとは同・クラスにい よね。 ものじゃないですか」 ても仲良くならないタイプだと思うんですよ。ク一スでも中心 そうですね。 になるような人じゃないですか、依与吏って。俺てそういう 「確かに・ハンドっぽくはありますよね。ただ、〈もっと前に言え たよね〉っていうのはありますけど ( 笑 ) 。でも : : : 依与吏は俺「例えば俺はツアーに行くとなったら前の日から荷造りするタ人とあんまり仲良くなれないんで。むしろクラス端っこのほ うにいるタイプだから。同じクラスにいてもあんり話とかし イプなんですよ。準備するのが好き。でもそれがペースのフレー の性格をわかってて、わざとそうしてるのかなって思いますけ ないだろうなって」 ズに良くないところもある。だから依与吏がそこを突いてくる とうしてわざだと ? 逆に和也くんと合うタイプってとんな人です ? んだろうし、俺もそうされることで出てくるものがあるってい 「合うのは : ・・ : 無言のまま、時が過ぎるような人 「ちゃんと準備したいし、考えたいタイプなんですね。ペースの す′ ) く フレーズを作るにしてもそ , フ。けどと , フやら考え過ぎちゃ , フら し関係だと思わない ? なんだそれ ( 笑 ) 。 しく、その場の勢いとかで弾いたフレーズのほラが素直でいし 「まあ・ハンドっぽくはありますよね」 みたいらしくて。だからギリギリになって言ってくるのかなっ 僕からすると、依与吏くんは和也くんと寿くんの存在にす「たふんひとりでいるのが好きなんですよ。誰かこ気を遣うの も苦手だし、ツアー中でもオフの時間はひとりで、ごすことが ごく依存してるというか、甘えてるように見えますけど。 多いので」 それだけ彼は和也くんのことをわかってるってことなん「そうなんですか ? 」 じゃないですかね。 でも・ハンドって真逆じゃないですか だって彼がジャイアンでいられる相手つて、他にあんまり 「そうなんですよ。でもライヴは楽しいし、みんな曲作ったり いないでしょ ? だから 2 人が絶対に必要っていうか、ソロで 「まあ、それでいいんですけどね。やつばり俺はちゃんと準備を するのも楽しいし。だからって華やかな生活をし、いとは思っ は出来ないと思います。 したいほうなんで ( 笑 ) 」 たことがないので : : : どうなんですかね ? そのんのことが 「そうなんですかね。ソロをやったらどういうふラになるんだ けっこう細かい性格 ? ろう ? とは思ったりしますけどね。別にやって欲しいわけじや最近、自分でもわかんなくなってきてて。自分にわないから 「細かいですね。だって俺、全部の曲で譜面書いてるんですよ」 マジで やらないとか緊張するから人前に出ないとか、そは簡単なこ ないし、今のところ本人もソロをやる気がないみたいだし そうみたいですね。 とで。でも、簡単じゃないことだからこそ楽しい思えるのか 「全部譜面を書いてって、それをスタジオに置いてみんなで確 なって。だから、〈なんで俺、・ハンドやりたいんだフ ? 〉ってい 認できるようにしておくんですけど、だいふ時間が経ってから「でも自分ひとりでアレンジも全部やろうと思えば出来るわけ うのはちょっと思ったりしますけど、単純に好きんでしよう で、そうなったらどういう音楽になるんだろう ? とは思います」 急に「やつばここ、こうしよう』とか依与吏が言い出して、「え、 ね、・ハンドっていうのものが」 あと 3 時間しかないじゃん ! とうここを変えるの ? 』って 例えばソロでやるとしたら、スタジオミュージシャンみた しいですね 0 1 3

3. 音楽と人 2016年6月号

光村龍哉 目 C-D ーーー今ツアー中ですがどんな手応えか教えて下さい 「まあ 3 人は、僕にも理解出来ないくらい〈どうあるべきか〉と作ったし、今ツアーを廻ってるんです」 「ここ 2 本くらいで、すごい良くなった感じがする。始まった頃 か〈どういうふうにしたら正しいのか、間違ってるのか〉ってーーー光村くん自身は楽しめてますか ? 「だいぶ変わったと思いますよ。ライヴの見せ方にしてもお客 は正直いろいろ間に合ってなかったんですよ。〈ストラト〉のレ ことを気にするんで」 さんとの向き合い方にしても、自分の歌心が変わったと思う」 コーディングもあったし。でも、いろいろあれやこれや飾り付 それは君がそうさせてきたんじゃないのか ( 笑 ) 。 どう変わったのか、具体的に知りたいですね。 「そんなことはないと思う : ・ : けどな ( 笑 ) 。まあ僕を含めて、 けをせず、純粋に楽しさを追求するツアーにしたかったから。 そうした時に、たぶん、今回のアルバムの裏に残したコンセプ元々めちゃくちや自信がある人たちじゃないから。常にコンプ「素直になってます。唄いたいことというか、自分が思ったこと レックスを抱えているんですよ。だからいろんな引き出しを開をまっすぐに出せてる。それがどう取られるかとか、ひねった トみたいなものが、お客さんにも見えてくるんじゃないかな、 ほうがいいんじゃないかとか、そういうことをあんまり考えて けて曲を作ってるわけで」 と思ってたから。勇気だとか愛だとかを全面に押し出さずに、 ない。そうしたら客席から、まっすぐな反応が返って来てる」 そうですね。今まで、これもこれもこれも、いろいろ引き どんだけ自分を生々しくさらけ出して見せれるかどうか、が大 事だった。この 2 本くらいで、ようやくちょっとさらけ : : : ぐ出しをあけてやってみた結果、自分がやりたかったのはどの引ーー、今までの自分はどうだったと思いますか ? き出しだったつけ ? みたいになってる。 「音楽である以前に、光村龍哉っていうキャラクターを知って らいまではきてるかな ( 笑 ) 」 「だからもう、その選択が正しいとか正しくないじゃなくて、寝もらうことに必死だったのかな。ようやく、自分の存在が音楽 ーーー自分たちがどれだけ楽しくやれるかどうか、ですよね。 になったような気がするというか」 ても起きてもこうなんだから、その中で自分が楽しめるかど 「そういうの、初めて追求してる気がするんですよ」 つまり、素の光村龍哉と音楽がイコールになってきたって うか、が大きなポイントなんじゃないかって話してアルバムを バンドはそういうところから始まるもんだが 文 = 金光裕史 撮影 = 笹原清明 伝えたいから、わかりやすい曲を書こうとしてたけど 自分たちが背伸びしないで向き合えるかどうか、なんですよね 0 7 4

4. 音楽と人 2016年6月号

成長してるのかもしれない。昔に戻ってるように見えるかもしれないけど 逆にそれも許容できるように成長した、ってことかもしれない まリない人というイメージがあったのて。 高め合う気持ち、みたいな。 は一回区切りをつけて、スイッチ切リ替えて、けっこうまっさ 「ああ : : : たぶん、あまリない人だと思いますよ ( 笑 ) 。ても別 「ね。そこらへん、意外と融通が利かないタイプかもわかんな らにしてスタートしてるんて」 にそれを拒否する気はないんてす。ひとリの作業もすごく好 。譲れない ・ : 高め合えないみたいな ( 笑 ) 」 バンドに見切リをつけた、というと言葉が悪いてすが きだけど、そうやってワイワイやんのも楽しい。そこはバラン はははは ! たとえばてすけど、いちべーシストとして 「うん。そんな感じてすね。もうそこは楽しんだから。逆にそっ スてすかね。自分ひとりてやれるものがないと楽しめないと新しいバンドを組めるとします。誰てもいいてすよ ? ち ( バンド側 ) に行っちゃうと、自分自身がプレちゃうような は思うけど、ても逆に < " かあるから、そこに誰かがゲスト 「えー ? 」 気がする。そういう意味て << は音楽に集中するって決め て入ってくる時はみんなてワチャワチャしたいっていう」 もう故人も可。外国人ても。そうなったら誰とならやりた てるからいいのかもしれな い。いわゆるバンド然とした人た バンドっていいな、みたいなことを考えますか いてすか ちとは全然違う、ひとリてラップトップを前に作ってるテク 「や、バンドはいいてすよ。やつば」 : わっかんないな : いちべースだけて ? あー ノアーティスト、みたいな感覚に近いのかもしれない」 即答てしたね、今。 それこそドラムとべースだけ、とか、ドラムとべースとシンセ そうやって続けてきて、今バンド特有の偶発性というか 「うん。なんだろ ? 自分は基本的に音楽を : : : 特に << に ・こけ、とか。なんかちょっと変則なことやリたい。歌はなくて人と人とのぶつかリ合いみたいなものか " に出てきたの なってからは音楽を追求してくのが一番の目的としてるんだ いいかな。わかんない、今すごい適当に言ってるけど ( 笑 ) 。てか面白いてす。剛士さん自身が「バンド・モードもまた良しか けど。バンドってまたそことは違うべクトルがあって。音楽以 もそういうほうか面白い気がする。いわゆる普通のロックバ な」みたいな気持ちになっているのかな、と。 外の、もっと仲間意識だったりチーム感だったリ、そういうの ンドっていうのは : : : あんまリ、興味がないかな」 「どうたろう ? うーん・・・・ : そこも OY になった、っていう感 か極端に味わえるものて。もうほんと運命共同体だし、そうい 剛士さんらしい意見だと思います。みんなてゼロ じかな。ても吐日のようになリたいとは思ってない。っていうか う関係って他てはあんまりないと思う。だから 2 人のワチャ から作る喜びとか、他人かいかに自分に影響を与えるのかと昔のようになれるとも思ってない」 ワチャ感を見ると〈あ、わかるわかる〉とか思ったリしますよ。 かそういうところに興味かないように見えますし。 昔の感じも許容てきる、みたいな言葉てすか 若いって無駄にテンション高いし。唄って、戻ってきてお茶飲「ああ : : : なるほど。そうてすよね。ても、やってて楽しいん「うん。そういう意味ては、やつば成長してんのかもしれない んてるだけて楽しそう ( 笑 ) 。良かったてすよ、すごく」 てすよ、それはそれて。やつばリ今回〈この相手じゃないとこ 昔に戻ってるように見えるかもしんないけど、逆に許容てき とはいえ、現状、 << ての曲作リは剛士さんがほぼ全部 の曲はてきなかった〉っていうのがそれぞれのコラボだった るように成長したっていうことかもしれないてす」 ひとリてやっちゃうんてすよね。 し、そこにストレスもないんてすね。逆になるべく彼らに寄せ 素敵な変化だと思います。 「そうてすね。ていうか基本的に僕、初めて曲作りをした時 たいと思うし、彼らのイメージを元に曲にしたし。ても : ・・ : 最「たぶん、同じことをやろうとしてる自分もいると思うし、 からそうなんて。ひとリて作る方法以外、ほとんどしたこと終的に自分て処理てきると思ってるからかもしれない」 つも同じモチーフを書き直してるところもあると思う。ても ないっていう。だから普通のバンドの : : : 作曲者って言って 処理てきなかったらやリませんか そこに何かを足さないと、たぶんつまらない。それは変化とい もコード進行だけがあって『こんなメロディて』『こんなコー 「たぶんやリません ( 笑 ) 。最終判断の部分て違うところに移っ えば変化だし、自分の変わらないところだと言えば変わらな ト進行て』とか言いながらみんなて作っていくって話を聞く ちゃうものは、基本無理なんて。それは年齢もあるかもしれな いところて。自分の音はある程度もう決まってますけど、そこ じゃないてすか。ちょっと : : どういうやリ方なのかわかん 若い時だったら全然 0 だったけど、今自分がこっからや に何か足して、壊れて、ちょっとイヒッになる。そういうとこ るとしたら、単純に 0 と 0 •- か持ってるようろが今ても自分が一番楽しいところなのかな」 わかんないてすか ( 笑 ) 。 なテンションには絶対ならないってことが自分てわかってる ちなみに「俺もコラボしたいぜ」「私も < < の音て唄い 「自分がそれてやったら『こう叩いて』『ちょっとこう弾い んて。だとしたら違うところて繋がれるもの。そうなると音的たい」っていうヴォーカリストはもっといるはずて。 て』って言ってしまうから。設計図を作るときは基本、自分ひ な部分になってくる。音て面白いもの、が重要かな。ライヴが 「ああ、ウエルカムてすね」 とリのほうが楽なんてす。だからバンドって凄いなと思いま終わった後の打ち上げて面白いもの、てはなくて」 いよいよスカバラのシリーズみたいになっていく。 すよ、その作リ方。どうやるんだろう ? コミュニケーション ふふふ。もうそっちはいいてす、と 「はははは ! あー、あれはまた大変そうだけどね。ても、 カてすかね ? 」 「 - つん。そっちょ、、、 , しし力な。ずっと同じバンドを続けていたら 。そうてすね。 ひょっとしたら近いのかな、感覚として。ふふふ それもあるみたいてす ( 笑 ) 。あとは、譲リ合いながらも そういうアレだったかもしんないてすけど。まあ自分の場合何かいい人がいたら提案してください ( 笑 ) 」 0 7 0

5. 音楽と人 2016年6月号

いつだったかに指摘されたんですよ、『お前はそううところが 場で座りつばなしで、両親が出かけたら家に戻ってギターを弾 今のところ、音楽で全部つけることにしてるんですけど」 ある』って。それからですね、考えられるようになったのは。も 「 0 」の根底にある〈自分はここにいてい くっていうのが僕の生活のサイクルだったんですよね」 のすごく衝撃的でした。〈こういう届き方しちゃったのか〉っ お父さんやお母さんは何か言わなかった ? いんだろうか〉みたいな疎外感や違和感は、その高校時代のも のがけっこうあるんじゃないですか ? 「最初のほうは、あんまり気づかれてなくて。僕自身も誰とも関て。そこから改めてますね。〈これ言うとどう思わるだろうか〉 とか考えられるようになって」 「ああ、その頃が影響してるかもしれないですね。だから〈クラわり持とうとしてなかったんで。その当時は完全に閉鎖してた 気遣いができるようになったわけですね。話を聞くに、そ スの人気者は、何で人気者になりえるのか ? 〉とか考えてましんですよね。もう鎖国してたんです」 ・ハンドでは の天真爛漫で字宙人みこ オいたった松本くんがこ ーー鎖国 ( 笑 ) 。 たどういう生き方をすれば、誰にも怪訝な顔をされることな 蘇っていて、さらに今は気遣いもできるようになているわけ 、みんなの相談に乗ったりムードメーカーになったりできる「はい。ひとりがイヤで、自分の存在意義がわかんないくせに、 ひとりになろうとしてたところはあって。その瞬間瞬間の優先で、それだけ成長しているのかなという気がしますけど。 んだろうな、と。引きこもりながら考えてましたね」 なるほど : 〉〈俺「 ( 笑 ) そうですね、猫かふらなくなったんで。だから : : : 過去の : その時、自分という人間をだいふ省みたん順位で動いてた感じはします。〈俺は今ひとりになりたい じゃないですか ? 〈俺ってどんな奴なんだろう ? 〉とか は今寂しいから友達と遊びに行きたい〉。ストレートな気持ち純粋な自分自身を取り戻しつつ : : : 気遣いできてるかはわかん ないですけと、考えることはできてるんで。どっちも揃えたら、 「うーん、だから・ : ・ : 存在意義を証明できるものが、僕には音楽のみで生きてましたね、高校時代は。ちょっと名残はまだ残っ すごくいい感じになりそうですね。人間としてはだからすご こも迷惑をかけがちなんですけど」 しかなかったんですよね。その頃。〈ここに自分がたしかに存在てて、たびたびメン・ハーー く極端なんです、僕は」 ( 笑 ) その話も時々聞きますけどね。じゃあ、「・ 1 0 してる〉ってことを。誰かと関わろうとすればするほどへンな でもアーティストは何かとアン・ハランスな人多いですか 」の大事な矛先としてある〈自分の意志で選んでいる〉と 感じになっちゃうし、うまく受け入れてもらえないし。だから らね。そう思うと、松本くんは : いう思いは、その時期のあなたにもありました ? : 言葉にする場所が歌の中にしか置けなくて」 「まっとうですかね ? ( 笑 ) 」 でも当時、普通のバンド活動はしてないですよね ? みん「そうですね。運命という言葉が存在している限りは、たふんど そうそう ( 笑 ) 。メン・ハーやスタッフの迷惑をみす言うと、 こをどう選んでも運命の上なんですよね。それでも自分の意志 なの前で、思いのたけを詰めた曲を唄ってるわけではなく。 いい曲が生まれるのなら、もっと乱れてもいし 「してないですね。家でキターで弾き語りするだけです」 で選んでるのは確かなんで、そうは考えていました」 そ , フですか : : : しかしそんな引きこもり少年がよくぞこ , フ 「最近よく『丸くなった』って言われます。だとした、過去の自 その時間はどうだったの ? せつかくの青春時代なのに。 分がどれほどダメだったんだろうと思うけと ( 笑。『お前はペ 「だからあまり思い出がないです。そのへんの記憶を消してし して東京に来て、・ハンドでを出すまでになりましたよね。 つにトガっててもいいんだけどね』って話もされたりします まってる自分がいます。ネタだなと思っているのが : : : 修学旅「良かったです、本当に。僕が変われたのは、紛れもなくメン・ハー のおかげでもあると思います。すごい支えてくれるメン・ハーで、基本的に許容範囲がものすごく広くなったので、から〈まあ 行でシンガポールとマレーシアに行ったんですけど、僕一緒に 行動する人がいなくて、ポン・ジョヴィの『サークル』でしたっ僕はたくさんあいつらに気付かされたところがあって、改心し考え方によってはこうだな〉と思うと、腹は立たないし」 ーーー開国したんだね。 てきた部分もあったりして」 け ? そのアル・ハムだけ買って帰ってきたっていう ( 笑 ) 」 「おそらく : : : そうであればいいんですけどね」 うーん、じゃあ立ち入った話ですけど、その引きこもってーーーとういラところですか ? る間は、ギリギリのところまで行ったんですか。だって、ほんと「うーん、たふん鎖国期間が長かったからなんですけど、上京しーーー今はどんな曲を作りたいと思ってるんですか 「あまり感情的なものにしばられずに、広い範囲音楽を鳴ら たての頃は、相手に対してフィルターが存在しなくて、〈自分の に思い詰めたら「俺って生きてる意味あるのかな」みたいなと いストレー 思いだけ届けばいいや〉と思ってるようなタイプだったんですしてみたいなと思ってますね。ロック・・ハンドっ ころまで考えたりすると思うんですけど。 トな曲を書いてきたんですけど、そこから幅を広たい感じが よ。〈相手のことが大事〉という思いはあるのに、ポールを投げ 「はい、そうですね。うーん : : : すごく誰かに心配されたがって あって・ : ・ : それを両立することができたら、もっすごい作品 いたような気がします。その頃の自分は。だから : : : 信用でき る時に相手のことを意識できないような感じだったんですよ。 こま、新し 作れるんじゃないかって。今までを大切にするたー ~ 元はポジティヴで、友達作るの得意だったはずなのに」 る友達というか、存在が、高校 1500 人のうちに 2 、 3 人いて。 い扉を開かなきゃいけないと思うんです。で、〈こ気持ちを鳴 代の期間で、頑ななところが大きくなったのかな。 その人たちとは定期的にやり取りはしてたので、自分の居場所 らすためにはこういうメロディがいいな〉と考えよラになっ がなかったわけではないんですけど。まあ、ひとりになること「そうですね : : : 」 てますね。そうなると自分が成長しなきゃいけなんですよ」 そこから徐々に相手の気持ちをくみ取ってコミュニケー カ多かったし : ・・ : 何よりも、たふん、ひとりになろうとしてた ションできるようになってきたんですか ? それは相手というか、聴く人を意識してますね 自分のほうが大きいんですよね」 あえて、ということですか 「そうですね。から幻ぐらいの間に、大喜とずっと波長が合わ「ああ、そうですね。はい。それはものすごくありす」 うん、わかりました。どんどん開国していってださい 「完全につまらなくなってたんです。そういう生活がだから高なくて、思いっきり言い合いになったことがあって。大喜はずつ 「はい ! 頑張ります ! 」 校も「行ってきます』って出てって、 2 時間ぐらい無人の工事現と我慢してくれてたと思うんです。僕まったく気づかなくて、 0 9 3

6. 音楽と人 2016年6月号

i : 0 謝ママ 3 人だけでいるときぐらい甘えてもいいと思うし 言わずもがなお互いを助け合う。それって部活つほいなって めまぐるしい日々を過ごされてると思いますが 「え、そうですか ? 」 〈言った手前それはやらないと〉みたいな。自分で〈こうしよう〉 「そうですねえ」 「高嶺の花子さん」が出るとき初めて表紙で取材したじゃ と決めたことがあっても、それは人に言わなくてもやり通せば 人生的に今が一番忙しかったりしますか ? ないですか。あの時インタビューで寿くんが言ったことって覚 いいだけで。で、周りから『そういえば最近いいよね』みたいな えてる ? 「今が一番 : ・・ : や、もっと大変な時期がありましたね。それこそ こと言われたら〈よっしゃ ! 〉みたいな」 デビュー前なんて生活もしなきゃいけないから、バイトもやり 「なんて言ったんだろう ? 」 心の中でガッツポーズする、みたいな。 ながらツアーに出てたし。今は・ハンドに集中させてもらえる環 「そういうタイプなのかもしれないです」 「地元の本屋さんに行って、ここに自分たちが表紙の本が 境をいただけてるし、いろんなケアもしてもらえてますんで、置かれるのを想像して盛り上がった」って。 そうやって自分の中に積み重ねて来たものに支えられての スケジュールはハードですけど、昔に比べたらっていう」 ツアーであり、今回のシングルであり。 「そうでしたね ( 笑 ) 。たふんその時はイメージ出来なかったん それにしてもこれだけ多くの人前で、これだけ長いツアー ですよ。〈表紙ってどんな感じなんだろう ? 〉みたいな。でも今 「そうですね」 をやるっていうのは、かなり非日常的な体験をしてると思うん はあの頃より自信もついたし、〈やってやるぞ〉みたいな覚悟も 以前と比べて自分らしさが前に出てる作品だと思いません で、しんどかったりするのかなって。 あって。やつばり生半可な気持ちじやステージには上がれない 「普通のサラリーマンとは違う生活だけど、ツアーもある程度ので。僕らに期待している人たちがライヴを観に来るわけじゃ 「あ、それはすごく思いますね。やつばり今は自我もけっこう サイクルというかルーティンみたいなところがあるんで、近し ないですか。そういう人たちの期待はもちろんだし想像を超え出せるようになってるので。昔だと、例えばプロデューサーさ い部分はあるのかなって。毎週火曜は必ずラジオがあるし」 るものを見せたいし。それでちょっと腹を括れたのかなって思んのディレクションとか意見に忠実にやったり、なんかやるに ステージの上はどうですか ? それこそ超がつくほどの非 います」 してもちょっとだけ遊びを入れこむぐらいだったけど、今回の 日常の空間だと思うけど。 そこはミュージシャンとして大きな成長だったり変化だと曲はメンーとスタジオに入って『ここちょっとこういラこと 「ああ。でも、なんだろう : : : 確かに非日常ではあるんですけ 思うんだけど、自分自身が人として変わったっていう自覚はあやってみていい ? 』みたいな感じで元々あった形を壊してい と、もう夢心地みたいなものではないといラか昔はやつばり ります ? あるいは周りから「変わったね」と言われたり。 ところもあって」 自分が大きいステージに立ってるイメージって想像出来なか ーーー特にカップリングはリズム隊がけっこう暴れてるなって思 「どうだろう・ : ・ : でも、周りから『変わった』とも『変わらない』 いした。 ったんで、いざそこに立った瞬間から非日常が始まるんですけ とも言われないから、たふん変わってないのかもしれない ( 笑 ) 」 ど、今はもう景色が思い描けるというかドラムセットの前に 「あははは , ( 笑 ) 僕もこうやって話してる印象は、初めて会ったときか たふん今の気持ちとかやりたいことをちゃんと 座って、その前に 2 人がいて、さらに向こうにはお客さんがた ら変わってないですね。 表現出来るようになったのかもしれない。ドラムとかべースっ くさんいて。で、〈この曲ではこういう景色が見えるかな〉とか、 「依与吏さんがよく〈言霊〉っていう言葉を使うんですよ。自分て、歌と違って自分の感情とか気持ちって伝わりにくいと思う イメージがあるんです。それがあるから、言うほど非日常ではでなりたいものがあったらそれをどんどん言葉にすることで自んですね。歌はもうそのまま出るし伝わるじゃないですか。楽 ないというかステージ上がって〈うわ、こんなに人いる ! う 分を近づけようとしたり高めていくんですけど、僕はそういう 器だとなかなかそれが難しいんだけど、そ , フい , フことも少しは わ、こんな盛り上がってる ! わー ! 〉っていう感じではない タイプじゃないので。むしろ内に秘めちゃう」 出来るようになったのかなって思います」 ですね」 どうして秘めちゃうんですか ? もっと自分を主張したい ? ええと・・ : ・・寿くん、ものすごく成長しましたね。 「言葉にするとプレッシャーがかかるじゃないですか、自分に。 「すっと出していたいわけじゃなくて〈ここだけ俺にちょうだ 栗原寿

7. 音楽と人 2016年6月号

らかの理由があのとき、もたらされたような気がするねえ」 よって、泥棒が身を隠すかもしれない ( 笑ご それがトレーニングになってると。 セイジさんは学生時代、剣道部て。相当強かったとか。 「そうだね。てもあの日以来、もう勉強も剣道も全部辞めて」 「いや、トレーニングっていう言葉じゃない。安全パトロール」 勉強てきたんてすか ? そうてすか : : : ても普通に筋トレしてるとか言われても 「勉強てきたね、けっこう ( 笑 ) 。俺は理数科という特別なクラ困リますしね ( 笑 ) 。アメリカのネクロ・ブッチャーというプロ スて、同級生に東大生が 5 人くらいいて。クラスて大学行って レスラーは、「どんなトレーニングをしているか ? 」と聞かれる ないの俺だけかな ? 周りのみんなにどうしたって聞かれたと、決まって「トレーニングはしない。ビールを呑むことが俺 ー全部バクリ ! それ、言っちゃっていいんてすか ? から、『地球を治す医者になる』って答えてた。『プラック・ のトレーニングだ」って答えててカッコよくて。プロレスラー ジャック』のセリフから適当にとっただけなんだけど ( 笑 ) 。ま、 「ま、言ってみれば、ロックンロール自体がパクリだから。 にとってその答えは 10 0 点てすよね。それはロックンロール チャック・べリーかなんかが、プルースかジャズのフレーズを電撃を受けた以上しようがない。運命だね」 の大正解てあるギターウルフにも言えることじゃないかと。 パクったって指摘されたときも、『そうだ、パクった。天の下に あと「アランドロンの逆襲」。セイジさんは、アラン・ドロ「俺も毎日ビール 3 リットルは欠かさないよ、肝臓を鍛えるた ンの評価が不当に低いんじゃないかって思うわけてすよね ? 新しきものはなしさ』と言った姿を見て、〈ま、そうだな〉と思っ めに。だから、その何とかブッチャーは、間違ってないね」 呑んて鍛える方式て ( 笑 ) 。スタッフに聞いた話だと、ビー たよね。だからロックやってる以上、新しいものはないし、全「そうそう、アラン・ドロンってフランスては全然人気ないん だよ。ジャン = ポール・ベルモンドのほうが遥かに人気があっ ルよりも発泡酒派らしいてすね。 部バクリだと思ってる、大きい意味て言えば」 て。だけど、俺は、アラン・ドロンに不良性の凄みを感じてて。 「最近は発泡酒のほうが好きだね」 その流れて言うと、例えば「チラノザウルス四畳半」のイ もちろん、大スターてあることは間違いないんだけど、フラン ントロは、『人造人間キカイダー』のギルの笛の音てすよね ? それは味が好きて飲んてるんてすか ? 「え、マジ ? そうだったんだああ ! ( 本気て驚く ) 」 スて彼の話をすると評価低いんだよね。この異常な評価のさ「いや、安いから。酔っぱらえればいいから。ある程度呑める味 れなさに対して、この言葉が浮かんだのかもしれない」 え ? 気付かなかったんてすか ? てあれば。とくに中 2 部屋て呑むと美味いよね」 アラン・ドロン本人が逆襲しないなら俺が代わりにやっ いい肴があれば何ても美味いと。 「まあ、自分としては〈チラノザウルス四畳半〉はリトル・リ チャードの〈 0 0 0-0 0 0 ー てやる ! と。こうして話を聞いてると、曲のアイデアはまだま「俺は、なんても安いほうが好きなの。高くて美味くなかった ー〉を ら腹立っというか。それなリに美味さがないと納得しない。て やリたくて作った曲なんだよね。ても頭のフレーズがキカイだ枯渇しなさそうてすね。 「いや、わからない だいたい〈オールナイトてぶっとば も安くて美味いものは喜びがある。高いものはちょっとても ダーだとは : : : 気づかなかった ( 笑 ) 」 せ " " 〉を作った時に、もうダメだと思ったもん」 落ちると、気合い入ってねえな ! って思うし。最近のビールは あのフレーズ考えたのセイジさんてすよね。 そんな時期もあったんてすね。 胡坐をかいてるけれど、発泡酒は気合い入っている。あわよく 「もちろん。だから、自然とパクッてるんだよ。もちろん好きだ ばビールに思わせるようにつてね ( 笑ご よ、『キカイダー』。ジロー ( 註】キカイダーの人間の姿の時の名「うん。もうダメだと思ったら〈ミサイルミー〉が出来て、もう ー〉がてきて、いよいよダメ ビールも発泡酒の気合いを見習え、と。ても、ギターウル 前 ) の服カッコいいんだよね ! 青い O ジャンにオレンジのダメだと思ったら〈環七フィーバ だろうと思ったら〈ジェットジェネレーション〉がてきて。命フもセイジさんも全然変わっていなくて安心しました。この シャッて、一時マネして着てたことあるもん。いやあ、ギルの からがらだね」 アルバム、バカ売れするためにはどうすればいいと思います ? 笛の音だったのかあ。よく気づいてくれたねえ」 ー命からがら。「ソ連のヒロシ」てすね、まさに ( 笑 ) 。 「うーん、みんなの耳が変わってもらうしかないね。自分の中 セイジさんが気づいてないとは思いませんてした ( 笑 ) 。 「あ ! そういえば〈ソ連のヒロシ〉の、〈あいつは命からがらては、これが売れると思って出しているから。俺だったらこれ 「アハハハハ。まあ、この曲は、自分自身のことを唄ってるんだ よね。東京出てきたばっかリの、一番最初に四畳半の部屋に住ソ連に逃げた / ヒロシの馬鹿野郎はー〉ってところのティ買うなって。いつもパ・カ売れすると思って出してるけど、その 試しがないんだもん。前の『野欧バイプレーター』も、『宇宙戦 んて呻いてた自分というかね。あと〈ジェットリーズン〉は高レレーっていうのは、〈ギミチョコ " " 〉からだ ! 」 え、ベビメタが元ネタ気づかなかったのてあとて聴き艦ラブ』もバカ売れすると思った。それが不思議てたまらない。 2 の頃のことだし。当時、高校卒業して大学行くか就職する人 比べてみます ! ちなみにセイジさん、身体つて鍛えてます ? まあ、ここまてなると、売れる売れないは考えていないよね。 生かあ、と漠然と思ってたんだけど、歴史の時間にいきなリ、 「安全パトロールは、毎朝」 ていうか、売れるっていうことを考えること自体が、心の隙だ 身体がプルプルプルってなって、パーンって弾ける音がして。 ( 質問の内容と違った答えが返ってきたことに戸惑って ) ね。その隙がてきたら、ロックを辞めたほうがいい。やつばリ 〈俺は好きなことやって生きてやるー ! 〉って思ったんだよ。 俺は、ギターウルフ至上主義というか、ギターウルフが常に最 そんときのべクトルがそのまま時空を超えて、今の自分にグえ ? それはどういった : : : ? 「町の安全を守るためにね。キカイダーのジローのように ( 笑 ) 。高だと思っているんて。それをさらに確立すべく、これからも ワッて刺さってる。て、高 2 のときの感情を曲にしたのが 〈ジェットリーズン〉。俺にとってロックンロールをやる、なん自主的に早歩きて安全パトロールしてるよ。俺が通ることにやっていくだけだね」 売れるってい、つことを考えること自体が 心の隙だね。その隙ができたら ロックを辞めたほ、つがいし 文 " 掟ポルシェ 写真 " 三島タカユキ 1 2 4

8. 音楽と人 2016年6月号

木下理樹は・・・・・・変な人、っていう言葉が一番しつくり来る。どっかネジが一 った。それはすごいデカかったかな。 個外れてて、本人に自覚ないんですよね。ダメなところは本当にダメなままだ アートスクールにいると、言葉にできない感覚がすごくあるんですよ。もち し、それを修正しようとも思わないで生きてきた感じ。くお前・・・・・・よくその格好 ろん怒るし、哀しくもなるし、優しい気持ちにもなる。でも楽しいっていうのは で来たな ! 〉みたいなことをしょっちゅう思う ( 笑 ) 。たとえですけど、結婚式な そんなにないんです。ただ、そんなにないく楽しい〉瞬間をアートスクールの中 のにパジャマで来ちゃうみたいな、そういう欠落がハンパじゃない。で、もちろ で味わっちゃうと、普通の楽しいことよりも遥かに強烈な記憶になる。なんか、 ん音楽はほんと好きだし研究するけど、練習してるとこあんま見たことないし。 尊く感じる、っていうか。触れただけで何か泣きそうになっちゃう感じ。お客さ 自分に対して甘いのかな ? わかんないけど努力家ではないです。自分とは全 んも同じ感覚なのかな。俺がお客さんの目線になってますよね。入った時より、 然違うタイプですね。 今のほうがその感覚が強いと思う。 くはあ ? 何それ ? 〉っていうこと、もう数え切れないほどありますよ。その 今はお客さんの中でも、俺はアートスクールの良心だから、みたいなことを 繰り返し。彼がダークサイドに入っちゃうとダメなんですよね。深夜みんなに 散々言われてますけど ( 笑 ) ・・・・・・自分でも自覚してますね。良心なんだと思いま メールが届いたりして。くもうやっていけないと思う・・・・・・〉みたいな感じの長文 すよ。俺がちゃんとアートスクールでいないと、バランスが取れない。僕が強く メールが送られてくるんですよ。リズム隊の 2 人はもう大人なのでくああ、また いないと、簡単に崩れちゃうような危うさもあるんで。 言ってる〉って感じで、無視。でも誰かが何か言わないとダメだと思って、仕方 ダメな男を支える彼女みたいですか ( 笑 ) 。そういう感じなのかもしれないで なく俺がくそんなこと言うな、ふざけんな ! 〉みたいなことを言うハメになって。 すよね。否定したいけど・・・・・・でも支えてるのは僕だって自分でも思う。これで でも翌朝コロッと変わるんです。くごめん〉ってメール来るみたいな。勘弁して 本人に否定されたら、俺は本人を殴りますね。でも、たぶん本人も否定しないと 思う。こんなことできるやっ、他にいないだろうし。 くれよって思います。マジで。 でも、やつばりずっと情みたいなものがあって。前のメンバーが辞めた時も、 普段、すごい人だなあってそんなに思わない。大変なことばっかりだし、外か その前のメンバーが辞めた時も、僕も辞めようと思ったんです。だけどやつば らライヴ見ることができないからかもしれない。あ、でも一度だけキリング・ポ ドライになれなかったですね。福岡のインディーズで燻ってた僕を引き抜いて ーイのライヴを観たんですよ。すごくキャッチーなんですよね、彼の書くメロ ディって。それを久々に観た時に、アートスクールに入る前にライヴ観に行っ くれた人でもあるし、あとずっとリスペクトはあったし。で、僕自身も楽曲に思 い入れがあるから。 10 年以上ずっと大変だっただけに。簡単に捨てられるよう てたこととか思い出して・・・・・・もう号泣しちゃって。立てないくらい号泣。もう なものだったら苦労してないですよね。 なんかたまんなくなって、キュンキュンきちゃって。結局、僕が一番のファンな やってきて良かったなって思えるのは、確かに喜んでくれるお客さんがいる のかもしれない。あんま認めたくないけど、尊敬はしてますよ。いろんなこと学 から。別のバンドで地方に行くと「アートスクール大好きなんです。またアート ばせてもらったし、彼がいなかったら今の自分はいないのは間違いないから。 でもダークネスをこじらせた時は、ほんとクソとしか思えない。もう愛憎はハ スクールで来てください」ってたくさん言われます。そうやって、ひとりでもお ンパないですね ( 笑 ) 。こうやって話してると、なんで一緒にやってんのかよく 客さんが求めてくれる、強く求めてくれる感覚は、強まってるかもしれない。今 は時間も流れて、僕らはもう新人バンドでもないし、何もフレッシュなものが わかんなくなりますよ。 ないんだけど、周りを見渡した時に自分たちみたいなバンドはほんとにいなか でもやってきたし、今もやってるし。だから・・・・・・好きなんでしようね。 史木下理樹を語る。 一文 " 石井恵梨子 E JESUS AND Y H 1 1 8

9. 音楽と人 2016年6月号

虚勢は張らないよね。ライヴだってニコニコでやってるし 培ってきたものを笑顔で必死にやることが良さなのかなって ンやってく感じて ( 笑 ) 。それをやってくうちにだんだんアルバ いて、弾きたいフレーズが弾けている」 の枠にあてはめて〈これはロックだけどこれは違う〉みたいな ムの全体像が見えてって、〈これはいいアルバムだぞ〉と」 日向「メロディとマッチするというか」 感じだったんてすよ。ても今はそういう枠とかどうてもいい 日向「シングル級の曲が集まってるアルバムだぞ、と」 ホリエ「だから〈ひなっちはこう来たのか ! 〉とかじゃなくて。 なって。いい曲を作るバンドとして素晴らしい。さっき 0 」が ナカヤマ「〈シーグラス〉もそうだったよね。これがシングルに 自然にやったものがちゃんとハマってる」 言ったけど、〈いい曲を書いてきちゃう〉っていうのがね。 決まったのも、僕らがシングルとして推したわけじゃなく、ス日向「意外性はいらないよねって」 ホリエ「言ってしまうと、これは日本人に向けて作っているア タッフという名の審査員が『今回のシングルは : : : ジャーンー みんなて自然にやったものが出来たアルバムだと。 ルバムてすね。昔って今よリはっきリ分かれていたじゃないて 〈シーグラス〉てす ! 』っていう」 日向「そうっすね」 すか。ロックバンドはロックバンドらしくあるというか、メ あくまてもアルバムの中の 1 曲だったと。 ヘンな感想を言いますと、ここまて自然にやれるんだった ジャーとインディーの隔たりとか」 ホリエ「〈シーグラス〉はわりと自然体て作った曲て。むしろ〈原ら加年前とかにこういうアルバム出しとけよって思いました。 インディーがカッコ良くてメジャーが売れ線、みたいな ? 色〉のほうがシングルを意識して作ってた曲て」 全員「ははははは ! 」 日向「そういうの、なくなっちゃったもんね」 ホリエ「若いバンドはそこの隔たリなんてなくて。みんな上を 日向「そうだったね」 そしたら当時もっと売れてたのに ( 笑 ) 。 「原色」はかなりエモいからね。 ナカヤマ「ても当時それて売れたリしたら、絶対パンドにひず狙ってるし、フェスに出れば一緒にアイドルも出ているし、リ スナーもそうてすよね。ストレイテナーとてんば組・・ー c u が ホリエ「〈シーグラス〉がテナーっぽくて、むしろ〈原色〉のほうみが出てきて、ここまて続いたのか ? っていう。今だから言え が新しい感じがしたんてすけど、スタッフからは真逆なことを ることだけど」 対パンした時もファンから〈嬉しい ! 〉って声があったリ。そん 言われて。〈シーグラス〉のほうが意表を突いていると」 ホリエ「そもそもあの頃の自分たちには、こういうアルバムは な中て〈ちゃんと洋楽をわかっている人に評価してもらいたい〉 日向「リリック的な面とかね」 作れないてすね。やつばり当時より今は成長したから出来るんとか言っている場合じゃないな、と。だから昔よリターゲット 大山「ても普通は出来ないと思うんてすよ。『こういうアルバムてあって。内面もそうだけどそれ以外の部分ても」 が広がっているんてす。虚勢を張るんじゃなく」 にしたい』ってホリエくんが言って、それをみんなて共有して、 日向「経験しましたよね、いろいろ」 日向「虚勢は張らないよね。ライヴだってニコニコてやってる そこに向かおうとしても、こんなにシングルっぽい曲は出てこ ホリエ「メロディの作リ方から、アレンジ、アンサンプルの作リ じゃないてすか。笑顔を絶やさず、ても全力て臨む。培ってきた ないというか。ても、書いてきちゃうんてすよ、この人は ( 笑 ) 」 方、展開の付け方とか、レコーディングのやり方。そういうすべものが僕らにはたくさんあって、それを笑顔て『よろしく ! 』っ ・ー・書いてきちゃう ( 笑 ) 。 ての経験があって、今こういうアルバムを作ることが出来るん て必死てやることが、今のテナーの良さなのかなって」 だと思います」 思うに、ホリエアッシっていう人柄の良さが真ん中にある 大山「それが凄いなって」 バンドだなって最近の曲を聴くにつけ : : : 恥ずかしいこと言っ 日向「だから今回アレンジ面においては、僕が長年培ってきた 日向「今だから説得力があるっていう」 ホリエ「もし年前に自分がこのアルバムを聴いても、きっと てるんだけど ( 笑 ) 。 プレイヤビリティと作曲家が提示する世界観が完全に一致しま したね。つまり僕のバックポーンが全部出せたアルバム。細か好きになると思うんてすね。てもやろうとはしなかったし、作全員「ははははは ! 」 いアプローチとか音色とか、何から何まて全部。これはもうゴー れなかったと思います」 ホリエ「これ以上言うと、樋口さんのロマンチックが出てきちゃ ル出来たと言ってもいいてしよう、みたいな」 うから ( 笑 ) 」 「 O < >- 0 0 < >- 」の時にも言ったけど、今はホリエく 日向「ロマンチストの部分が加速しちゃう ( 笑 ) 」 それって不思議じゃない ? 普通バンドってメンバー個々 んの根っこにあるものが素直に出てると思うんてすね。それが ハードロマンチッカー ( 笑ご やリたいことと、いい曲を完成させることってイコールになら今のストレイテナー。てもこれまてはそういう部分をここまてホリエ「 なかったリするんだけど。 うるさい ( 笑 ) 。ても昔はそういう自分を出そうとしなかっ 出そうとは思わなかったし、出せなかった。けど今のホリエく たてしょ ? んならそれが自然と出せるし、それを 4 人て共有することも出 日向「そうてすよね。ても僕の場合、逆てした」 やつばリメンバー同士て共有してるものがデカいのかな。 来る。そういうアルバムだなって。 ホリエ「作品に ? 」 そうじゃない自分だったリ、憧れの存在に近づこうとした 日向「凄く細かいところなんてす。なんとなくのニュアンスみ日向「あリがとうございます ! ( 笑 ) 」 たいなものて」 俺の中ては〈ロックバンド〉としてストレイテナーをどう ホリエ「出そうとしなかったというよリ、自分の頭の中てそう ホリエ「うまく言葉て説明出来ないけど、出したい音が出せて捉えるか、みたいなところがモヤモャしてた時期があって。そ 1 5 0

10. 音楽と人 2016年6月号

ダイちゃんっていつも自分にエクスキューズをつけるんで金澤「それは間違ってないと思います。たから「 5 年目』って言っ 我々がやることは、他のバンドにはできないから すよ。さっき自分で言ったけど〈本気出したらすごい〉みたいなていただけただけでも僕は光栄ですから」 意識せずとも自分たちで強いものができれば のが。例えば「唄ってるのは総くんだから」とか「やつばりそこ山内「よく言って 5 年やから ( 笑 ) 」 それに優るものはないと思います ( 金澤 ) は加藤さんなんで」とか、ほんとは自分がもっと前に出たいの金澤「ということは、先ほども言いましたけど、我々はまたまだ 新人っていうことで。若手ですね」 朝起きたらカチッと歯車が合ったんですよ。音が実際にしたん に、どこかェクスキューズがないとできないというか 3 人のバランスも今までとは変わってくるんじゃない ? じゃないか、くらいに。そこから調子が一気に良くなって。よく 金澤「それはあるかもしれないです」 山内「そうですね。今回に限らずダイちゃんにはもっと自己主 けどシングルの表題ってこともあるんだけど、逃げてない。 考えたら % 年、ずーっと〈なんか違うなあ〉って思ってたのが、 張してやって欲しいですし、加藤さんもそうだしそのほうが しつくり行き始めて。そんな今の僕が最初に作ったのがこの曲「これが僕なんです」と言い切って作った感じ。どう ? もっとバンドが面白くなっていくと思うんで。僕僕で今回の です」 金澤「たしかに今までのものは中途半端で」 ある朝突然っていうのが全然リアリティないんだけど。 カップリングみたいな曲をもっと出せるし。これよんて〈僕は 山内「中途半端じゃないよ」 こう思ったよ〉っていう独り言みたいな曲なんだけど、それに 金澤「この感覚を味わった人が何人いるかわからないけど : : : 」加藤「中途半端ではないですね」 山内「僕を呼びました ? 」 そうだね。この曲のメロディの美しさとか、昔からダイちや対して〈僕はこう思ったんだ〉ってダイちゃんか意見を言っ てもらったような曲もある。つまりメンバーの色たいなもの んの曲にあるものだし。 金澤「味わったの ? じゃあ説明して」 山内「えっとね、小学校の時、ある朝起きたらね : : : 」 が濃くなったシングルだと思ってて」 加藤「自信がついたっていうのが一番大きいかなと思いますね。 そうだね。 金澤「同じじゃん」 責任感であるとか。そういうものが芽生えたんじゃないかなと」 山内「空が高いなって。で、言うんです母親に。『お母さん、サッ そうですね。けど、この曲を聴く前の事前情報として「次の山内「それこそバンドの醍醐味たと思うんですよ」 そこさえ濃くなっていけば、バンドの立ち位とか周りの カーがやりたい』と」 シングルはダイちゃん曲」っていうのを知って、前に総くんが それ前に聞いた。総くんがいきなり活発な少年になったっ 言ったような〈今までの俺らとは違う〉ことの意図が込められ状況なんて気にしないでもやっていけるんではなかと。 ていう話ね。 てるかなって思ったんですね。けど、曲聴いて、そうじゃないみ山内「そうですね。今回のカップリングの話をすアと、これって たいだと。 僕がこの 1 年くらいで祈ることとか願うことをよ考えてたか 金澤「でもほんとに〈あっ、なんかできる〉って突然思っちゃっ ら出来た曲で」 たんですよ。音楽を。それ以外のことにもけっこう興味があって山内「そうなんですよ。『』も『』も実はそう だからそのまま「」って名前で。 わりと多趣味なほうなんですけど、なんかもうその日から〈あ、 じゃない」 俺は音楽だな〉って。今までは音楽やっても集中できなかった でも実験の果てにこのシングルが〈これからは違う〉みた山内「昔は祈るとか願うって大げさな行為のよう ) 感じてたん んです。で、〈なんでこんなに音楽の時は集中力ないんだろう〉っ いなものになるかと最初は思ってて。けどそれは相対的な変化ですけど、この歳になるとそういうことを実際すことが多く て。お墓の前で手を合わせることもあれば、人の ~ 事を案じる て思うくらい。やることはやるんですけどね」 ではなくて、あくまでもバンドの中身の変化であって。 こともあるし。だから独り言みたいになっちゃっこんだと思う どうしてなんだろうね。 山内「新陳代謝をもっとしていこうっていう」 んですよ」 金澤「わからないです」 そこに周りのことを意識してる感じはないよね。 ちゃんと自分の音楽が人生とともにあるって ) とだよね。 じゃあ 2 人に聞きますけど、この曲がダイちゃんから出て山内「周り、意識しなさ過ぎかな ? 」 きてどうでしたか ? 山内「そう。だから『』『』みたな実験をし 加藤「いいと思いますよ」 て新陳代謝をしないと、独り言も言えなくなつやうから。独 山内「ダイちゃんらしい曲だなと思いましたけどね。本人にとっ金澤「たぶん我々がやることは、他のバンドにはできないんで ては何か大きな変化があったとしても、僕にはダイちゃんらしすよ。だから、あえてそこを意識せずとも自分たちですごく強り言も言えないってことは、自分自身のことをわ、ってないの と同じだから、そのまま迷いの森には行けない。、からもっと い曲だと。ただ今までと全然違ってたのは、デモの出来具合で。 いものができれば、それに優るものはないと思います」 、それと一緒 こういう曲で自分の独り言を出していけばいい 今までってだいたい鼻歌とか鍵盤のメロデイだけとかで、それ : 今、カッコいい ことを言おうって意識したでしょ ? そんな感でこれから にバンドが新陳代謝をしていけばいい。 聴いてあんまりイメージ湧かないこともあったんですね。でも金澤「あ、バレました ? ( 笑 ) 」 のフジフアプリックは行ければと いいなと思ってす」 今回はけっこう作り込んたデモを出してきて。ダイちゃんのや そういうのインタビューで意識するの、デビュー 5 年目ぐ ダイちゃんよりカッコいい ことを総くんが最に言っての りたいことがわかりやすく提示されたデモでしたね」 らいまでだから ( 笑 ) 。 これ、すごくダイちゃんの自信を感じる曲ですね。 山内「ダイちゃんにとってはこれがデビュー ・シングルみたい けました ( 笑 ) 。 金澤「やめて ! ( 笑 ) 」 金澤「自信 ? 」 なもんなんですよ」 0 4 9