道路 - みる会図書館


検索対象: MAMOR 2016年7月号
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1. MAMOR 2016年7月号

採取 掘削によって削り取った地面を再度土砂で埋める ため、油圧ショベルなどを使って別の場所にある 質の良い砂利を採取する。採取する場所は通常、 道路補修の計画が立った時点で決められている。 補修作業を行っている現場と距離が離れている場 合には、何度も往復して砂利を運ぶことになる。 現地の道路整備に使う砂利を大型 のダンプに積載して、片道約 20 キロメートルの未舗装の道路を 1 日 3 往復しました。雨が降った後 は、道路に大きな水たまりができ たりするので、運転には細心の注 意が必要でした。 砂利入れ 整地 採取した砂利を、掘削した箇所に入れていく。土木業界では道路 を表面からの深さにより階層で分けていて、上から順に、「表層」、 「路盤」、「路床」、「路体」に分かれる。掘削する際は「路床」ま で掘り起こすため、砂利を入れる階層は「路床」に当たる。また 砂利の粒子は、厳密には数値に十り細かく分かれており、砂利入 れでは 2 ミリメートル以上の「礫」や 2 ミリメートル以下から 02 ミリメートルまでの「砂」などを入れていく。 砂利入れをしたところで、バケットローダによる整地作業を行う。 砂利を均等に広げていく作業だが、自衛隊の特徴として、先の砂 利入れから整地までの工程を 2 回以上行うことがある。具体的に は、「路床」に礫を入れて整地を行い、 1 つ上の階層である「路盤」 には砂を入れて、再度整地を行う。こうすることで上下の階層の 砂利がうまい具合に混ざり合い、排水のよい頑丈な道路になる。 の補修などで使う器材 を整備しました。気温か高 く土質も硬いなど、器材に 大きな負担が掛かります。 音儡交換などの修理が . しないよう、日本にいると き以上に念入りに日々の整 備を行いました。 石リは瑯也から納入されるこ ともありますが、予定してい た採取土が届いておらず、い きなり作業か遅れるという状 況に昌したことがありまし た。海外で任務に就いている ことを実感しましたね。 猛暑やのスコール、設 備の整っていない交通兄 などに悩まされることがあ りましたが、「自衛隊が来 てくれてよかった ! 」と思 っていただけるよう尽力し ました。 転圧 こうして、材冰に留意した強度の高い地盤の ) 各がで きあがる。自衛隊カ各を判卦け爲師各に恒久性があ るとされるのは、全ての工程において、手間を惜しま ない作業を行うからだ 整地をして砂利を均一にしたあと、仕上げとして行うのが、ロー ドローラで地盤を固める転圧。グレーダが圧力を掛けずに表面を 整えていくのに対し、ロードローラではしつかりと踏み固め、固 い地盤の道路を完成させていく。雨水が流れるよう路面に多少の 勾配がついているか、側溝は機能しているかなどをチェックして、 道路補修の工程は終了となる。

2. MAMOR 2016年7月号

UN 世界が称賛 ! = 故土寸 物の 1 2 示 年指 次に藤川氏は、年に東ティモールの 現地住民の生活が改善し、 に参加した。 喜ばれたことも多かった 東ティモ 1 ルでは、雨季になると道が 自衛隊初の 0 ( 国連平和維持活動 ) 使えなくなることもしばしば。流出した 参加となった、 1992 年のカンポジア土に埋もれてボコボコになり、とても自 派遣。藤川氏はこのとき、熱望して派遣動車では通れない状況になるのだとか。 「街中にある生活道路を復旧させるため、 隊員に加わった。 「一を見たいという思いもありました土の除去と道路の補修をしたのですが、 が、それ以上に新しい挑戦として、自分そのときには、道を実際にっ現地の女 の腕を試したいという気持ちが強かった 性や子どもたちがやってきて、お礼の言 葉をかけられました。とてもつれしかっ ですね」 当時のカンポジアは、破壊された戦車たですね」 の残骸がそこら中にあるような、内戦の現地では、警戒心もあるのか男性はあ 傷跡が色濃く残る状況。その中で自衛隊まり前面に出て来ず、村の代表者が出て の施設部隊は、道路や橋の修理などを行きて話をする程度。ところが、女性や子 った。 どもは別だったようで、皆気軽に寄って きては口々に礼を言ってきたのだとか。 現地の人々は自衛隊に対しても非常に 友好的だったそうで、藤川氏によれば、 何かと「困ったことはないか ? 」と声を ー術掛けられたといい、喉の乾きを潤すため ー技のヤシの実をもらったり、パンクしたタ イヤの交換を手伝ってくれたりというこ ともあったそうだ。 ー道「現地の方は、日本から持って来た機材 ンを見て『すごい機材だね ! こんなのは ホ見たことがない』とよく言っていました。 ーニ皆さんびつくりされていたようです」 自衛隊の施設部隊による道路補修活動は、 0 派遣先でも高く評価されている。 過去 4 回に参加している陸自藤川秀之氏に、 現地での道路補修の状況や人々の反応、派遣先で体験したエピソードについて聞いた。 自衛隊施設部隊に捧げられる 現地の感謝の声、驚嘆 2 = 三 = = 三三 = 三三三 三 = 三三 90-4003 初めて見

3. MAMOR 2016年7月号

0 90-4003 lJNMISS8515 とって、地上ルートはインフラの要。 それらの国における、道路補修を中、い としたクエ期を守り、手抜きをせす、 やるべきことを、誠意をこめてベスト をつくすク施設部隊のインフラ整備の 活動が認められているのだ。 自衛隊には陸・海・空各自衛隊に 「施設部隊」があるが、海上自衛隊の 「機動施設隊」、航空自衛隊の「航空 施設隊」が国内の基地の維持・補修、 被害復旧などを主任務とするのに対し、 陸上自衛隊の施設科部隊は国際平和協 カ活動など海外での活動に際しては主 カ部隊として派遣される では、肥年のカンボジア派遣に始ま る自衛隊の O 活動は、そもそもど のような流れで施設部隊に任務 ( タス ク ) が付与されるのか《活動は 国連の実施計画に基づき、国連事務総 長などの指図により実施されるます は派遣先国や国連機関などの一一 1 ズを 元に、国連ミッション司令部が道路補 修などの任務 ( タスク ) を抉定。【それ を受け、国連ミッション司令部の旦当 部課から日本の施設部隊に任務がくだ るわけだ。一例として、その指小内容 には、作業場所や作業期間、使用資材 などが含まれる 任務を付与された施設部隊は、現地 の状況を確認し、詳細な作業計画を立 案。現地調査から実際の道路補修作業 へと移っていく。この特集では、その「道 路補修作業への称賛」ど、その「称賛」 が示す意味を、さまざまな角度から紹 介したいと思う。ます、次ペーシでに、 自衛隊の道路補修の工程を紹介する 15 ー

4. MAMOR 2016年7月号

自衛隊の道路補修はこうやって行われる 自衛隊か補修に当た各は、 水がたまって土壌がぬかるん でしまっている場合が多い。 また、舗装されている道路 は少なく、路肩の崩壊などで 荒れた凸凹の、道なき道が多 いのが常だ やるべきことを誠実に遂行する では、実際に、自衛隊施設部隊は、海外の派遣先でどのような方法で道路を補修しているのだろうか ? ここで、その工程を紹介しよう。もちろん派遣先のさまざまな状況によって 違いはあるが、基本的なモデルケースとして読んでいただきたい ( 写真はイメージ ) 。また、各工程に、実際に携わった施設部隊の隊員の声も紹介しよう。 調査 まずは補修に当たる現場の調査か らスタート。地図で地形を読みな がら、ぬかるんでしまった土壌や 排水が能していない箇所、路面 の土質、サイズの大きい岩石など の障害物を調べ、どのような補修 が必要かを 1 つ 1 つ把握していく。 道路の強度と密接な関係があるた め、排水については特に 留意する。 地図乍成・配布、また事前 にルートをチェックした上で、 吾が補修工事を行う際の移 蚤路を決めるなどの業務を 行いました。ラ第先ではルー ルがあいまいな、日本と異な る交通事情に驚かされました。 掘削 量 主にブルドーザで、補修するエリアの荒れた 表土を剥いでいく。スポット的にショベルを 使った手作業でも行われるが、補修の対象工 リアが広域にわたることが多いため、基本的 には重機で行う。地中に大きい岩が埋まって いる場合や、がれきなどの障害物が路面に散 乱している場合も、ブルドーザで取り除く。 また、排水の計画に応じて、必要であれば路 面脇に側溝を造る。 未舎で激しく荒れた遡各を見 たときは不安になりましたが、 少しずつ路面が成形されるにつ れ、現地の . 人 . 々が「 Thank you 」 などと声を掛けてくれるように なり、やりがいを感じました。 調査結果に基づき、測量を行う。測量器具を使って 地表上の形状や面積、高低差などを測定し、補修す る路面の状態を調べる。また測量は補修が進んだあ とも定期的に行い、作業計画とのズレがないかをそ の都度確認する。 UN 国殳内で他国の音の居住用コン テナ窈冓築、各などのさまざま な現場で測量作業に従事していました。 大きな穴か開いていたり、荒れた遡各 での測量はなかなか大変でした。 ニッポンの道路補修技術 撮影 / 宮嶋茂樹 ( 「調査」 ) 写真提供 / 防衛省描ー 16 = 世界が称賛 !

5. MAMOR 2016年7月号

足各に当たる自衛隊ー ( 写真ー ー / J ℃ A) ー o < アフリカ部アフリカ第一課調査役近藤 g 人 ( 写真右 ) •—0< アフリカ部アフリカ第一課主任調査役大嶋健介 ( 写真左 ) 日本政府による 0 ( 政府開発援助 ) 隊の協力を仰いでいますが、最近の例と 事業を実施している。自衛隊としては年Ⅱ月、ジュバ市ロロゴ地区の 朝ト、第、、協力して国際援助活動に取り組むことも道路路盤補強および橋りよう敷設を、 増えている。 連携して行いました」 ( 近藤氏 ) 「海外で活動する同じ日本からの仲間と から見た自衛隊のすごさは、 の整備が急きょ必要となったことがあり して、お互いに協力。補完できるところ第一に技術的な質の高さだという。 ました。その際、自衛隊にお願いしたと はしていこ、つという話をしていました。 「自衛隊と連携することにより、日本の。ころ、短期間でサッカ 1 と陸上竸技が間 実際に協力が形になった一例が、南スー 高い技術力が総合的に発揮され、的確な。一「題なく実施できるレベルまで、グラウン ダンでの技術協力 ( 現地の人々に技術を。施工が行われるとともに、南ス 1 ダン側ドを整えてくださいました」 ( 近藤氏 ) ま伝授することなどを目的とした事業 ) でヘの技術移転をより効果的に実施するこ 加んて——(-)e< 、自衛隊、、外務省とい す」 ( 大嶋氏 ) とができました。また、正確な工程管理う 3 つの組織がそろって現地での取り組 2011 年からⅡ年にかけて、道路整ーや近隣住民への細やかな気配りといったみをなつ「オ 1 ルジャパン」の態勢も現 , 備などの土木工事の実習を含む技術協力日本の特長についても、南スーダンの技地で高く評価されているという。 を実施し、南ス 1 ダン政府の道路維持管術者の方々に、より効果的に伝えること「自衛隊も含めて活動していることで、 理・修繕技術の強化などが図られた。しができたと認識しています」 ( 近藤氏 ) 『日本が協力してくれている』というこ かし、 4 年間という限られた事業期間の そしてもっ 1 つ、自衛隊は緊急性が求とが現地でもはっきり示せていることは 終了後「移転した技術の定着が課題となめられていることに対してスピ 1 ディ 1 大きいです。日本の国益を考えても非常 った。そこで「フォロ 1 アップ協力」とに対応できる組織であることも、共に活 ) に重要で、自衛隊の存在感によって、日 して 0 技術移転がより一層スムーズに進動していて心強い点だという。 本が真剣に取り組んでいることが現地政 展するように、年に現地で新たに道路「例えば南ス 1 ダンで、今年 1 月、同国府でも評価され、日本と南ス 1 ダンの信 補修の事業が行われた。 初めての全国スポーツ大会を開催するこ第頼関係構築に、大きく貢献していただい 「南スーダンではさまざまな事業で自衛とになったとき、開催直前にグラウンドていると考えます」 ( 大嶋氏 ) 専門家が評価する施設部隊の道路補修 自衛隊施設部隊の道路補修の技術や誠実な活動は、各国で評価を得ているが、それは、日本の国益に対して、どのような意味を持つのか ? 自衛隊にさまざまな立場で関わる方の 話からは、自衛隊が黙々と補修している道路の先には、日本の国際的な価値を高め、それが、わが国の安全保障に結び付くという ( 非常に有効な外交手段という結果が見えてくるようだ。 海外でますます期待される自衛隊の活動 オールジャパンの一翼を担う自衛隊への信頼〈 J ℃ A ( 独立行現去 . 人、・国際協力欟冓 ) は日本政府による ODA ( 政府開発援 助 ) を一元的に行う実施機関として、 開全上国への国際協力を担う 々ー 22

6. MAMOR 2016年7月号

「東ティモールでも、現地の方々は私た 日本人気質も影響 ? ちに対して非常に友好的でした。お年寄 自衛隊が評価される理由とは りの中には、日本占領下に日本語を覚え た人もいて、日本語で話しかけられるこ現役時代のことを振り返り、また として外部から見た「施設部隊が評価さ ともありましたよ」 また東ティモール以降は、現地 : れる理由」について、藤川氏は次のよう の人に対する重機の操縦訓練なども自衛に分析する。 隊で実施するようになったことで、より「ます、現場の隊員全員に『安全第一』 の姿勢が徹底していること。自分がけが 現地の発展のために役立てるようになっ をしてしまっては、作業にも影響を及ば た、という印象があるそうだ。 年には、ハイチ地震に伴い現地に派しますから。次に、教育の面。自衛隊で は『技術の継承』にとても力を入れてお 遣された藤川氏。このときの滞在期間は 2 カ月に満たなかったが、宿営地の設営り、一般企業では教えないような細かい コッまで、懇切丁寧に先輩から後輩へ伝 やがれき撤去などに従事していた。 そして、藤川氏にとって最後の 参加となったのが、現在も続くアフリ カ・南ス 1 ダンた。Ⅱ年に現地入りして 南ス 1 ダンでは、」ジュバ市の生活道路 。を補修したことが印象に残っているとい う。同国は、内戦の影響で、首都である ジュバ市でもインフラ整備がほとんど進 んでおらす、水道もなかった。そのため、 住民はもちろん、 A-EO 部隊でも、川か ら水を運搬してきて使っている状態。地 元民が生活用水を運ぶために使っている 道路の補修を施設部隊が担当したのだが、 これは特に喜ばれたという。 「雨季には通行できないよ、つなところで、 普段からトラックなどの大型車は通れな い状況だったんです。そのせいで ( 国連世界食糧計画 ) による食糧援助も スムーズにできていなかったのですが、 私たちが道路を補修したことで、ジュバ 市での食糧援助や、給情が改善され て、大変成館されました」 0 施設部隊に友好的であ ー、うた東ティモールの 女生と子ども 0 一 0 0 をを . カメラを向けるとポー ズを決める南スーダン ー ~. = ・一心・襃マリアナの ) 各補修現場で方齬 5 隊の活動を見続けている地元の人 藤川秀之 ( 陸ト ~ 負。年に入隊後、娩科隊 : 婁ュ員として定年まで勤める。 QY-O にはカンポジア、東 」アイモールゞハイチ、〔南スーダンと、。計 4 回参加。現 。一強 ~ ) 在は一般財団法人防 ~ 済会で施設管理事業に携わる えています。それが人材をつくり上げ、 結果として国外での活動が評価されるこ とにつながっているのだと考えます」 加えて藤川氏は、自衛隊ならではの「強 み」として、組織としての性格も含め、 上から下まで連携・意思疎通がきちんと 取れていることを挙げている。例えば、 作業前後の丁寧なミ 1 ティング。これに より、今何をすべきかについて、末端の 隊員までが把握でき、作業に無駄が出な いのだという 「私たちが現場で語り合っていたのは 蒋来まで残る作業だから、丁寧にやろ う』ということでした。自衛隊のすごさ AJ い、つよりも、何事にも・は密にりんと 氏 取り組む日本人気質が影響しているよう 藤 にも思います。他国の部隊がっ作業よ の り少しでも繊細で丁寧な仕事をし「仮に 自分たちは一度しか通らないような道路典 中 だったとしても、その道路を使われてい 田 る方々がいる以上、ほかの道路と同様に 氏 きれいにしたいと思って取り組んでいま 藤 の した」 夏 納 嘉 樹 茂 嶋 宮 影 理 井 文 2

7. MAMOR 2016年7月号

施工管理など、覚えることは山積みだ。 「土木一般」や、コンクリ 1 トの製造な御﨑 3 佐。 1989 年入隊。真駒内駐屯地、東午歳駐 市などを経て、年に娩子校へ。で教育カ 一般的な土木建築に加え、 だが、それと同じくらい、基本を徹底しどに関する「土木建築」といった一般的 リキュラムの乍成などに従事した後、年から教官に 陸自ならではの分野も指導 て学ぶことの大切さを、御﨑 3 佐は学生な分野だけでなく、「築城」という陸自 施設学校では、実際にどのよ、つな教育たちに説いている の学校ならではの分野も教育する。 えんたい が行われているのか ? 建設技術教官室「道路を造るうえで基本となり、重要な「航空攻撃などにも耐えられる『掩体 ごう 土木班長の御﨑義信 3 等陸佐に聞いた。 のは、『土』と『水』の管理です。道路壕』の造り方なども学生たちに教えてい 「本校では幹部と陸曹を対象に教育を行の構築において土の強度は非常に重要でます」 っていますが、私が教える幹部課。 呈こは、あり、その成否か命取りになります。こ 作業の理屈を理解して 現場監督となるような隊員を育成する初のため、適切な水の量で土の締め固めが 術 臨機応変に対応 技級課程、土木の専門家を育成する土木課できているか、雨水の浸透を防止するた 修 程、中間管理職となるよ、つな隊員を育成めの排水設備がしつかりできているかを 指導にあたって、御﨑 3 佐が学生たち する上級課程があります。道路の施工要施工の『前・中・後』に点検する必要がに求めていることは何か。 応用が利かなくなるんです。一派遣の 路 道領については主に初級課程、土木課程であります。強度が足りず、排水が悪いと、「実習などでは、教官からいわれたこと活動では、日本の建築基準は通用しませ ン教えています」 その後の道路の維持・補修が大変になりをただやるのではなく、それを行う意味ん。道路を補修するにしても、その国の ポ 学生たちは、地図祝による路線の選ますから」 を理解しながら作業してほしいと思いま自然環境や交通量などの状況に合わせ、 ッ ニ定や測量の方法、重機の操縦作業法、また施設学校では、測量などを教えるす。公式を単に暗記しているだけでは、 臨機応変に対応しなければならないんで す。そのためにも、まずは理屈をたたき す 込んでおく必要があります」 ま その教えには、御﨑 3 佐自身の一舞経 て れ 験が反映している。 「 2014 年に本校でカンボジア軍の施掲 設教官要員の教育を担当しました。また、 カンポジアへ派遣されて教えたこともあ ります。そこで実感したのは、日本とは 説 違う条件下で、いかに施設作業をなっかの とい、つことでした。例えばカンポジアは 用 る 雨が多いので土に石灰を混せて土の強度 て を上げるとともに、土のうを堅固に積み っ 上げるなどの排水対策をとりました。こ のように理屈を理解していると、いろい ろな方策を考えて、その土地に対応でき るわけです」 世界が称賛 ! 測量教育で地形を 読み取る学生 ゞード ~ 建設技術教官に聞く施設学校の土木教育 重りを用いて土質を調べる「土質試験」 ( 写真招共 / , / 防衛省 ) 25 ー

8. MAMOR 2016年7月号

4 2 典 秀 中 田 影 - 拓 本 を対象に全課程の教育を実施。自衛隊人材を育成するため、カンボジアやモン魚 技能と装備を併せ持ち 唯一の施設学校のため、海上自衛隊と航ゴルを対象に、「能力構築支援」 ( ※ ) を文 海外でも活躍する施設科 空自衛隊の施設職種の隊員も教育してお実施。同国に施設学校の教官などを派遣 茨城県ひたちなか市の陸上自衛隊勝田 り、それらを合わせて年間で約 900 人して教育を行っている。また、それら支 駐屯地にある陸上自衛隊施設学校。 もの隊員を部隊に送り出している。 援対象国の教官要員を、施設学校に招へ 952 年創立の、 8 年以上の歴史を誇る 施設学校は、企画室、総務部、教育部、いしての指導も行っている。こうして、 陸自の施設科隊員を育成する教ム関だ。 研究部から成る。施設科隊員育成を実施蕣的な知識や技能の伝授、向上に努め 施設科とは、主に道路や橋などの破壊、ー する教育部は、教務課や教材課、運用教ているのだ。これらの棗により支援国 構築、修復や陣地の構築、地雷処理など 官室、戦闘・戦技教官室、建設技術教官との関係を強化することで、国際的な安 を実施して、ほかの部隊を支援する職種 室、補給整備教官室、共通教官室で構成全保障環境の改善や、ひいては日本の信 のこと。 されている。 頼性の向上につながることが期待される。 施設科部隊は、多くの技能を有する隊 教育部で教える「建設」の課程は「土 員たちで構成される。隊員たちはそれぞ 木」と「建築」に分かれる。道路補修に れの専門によって、建築士や電気工事士、 関わる「土木」では、「測量」や「土質 上木施工管理技士、ポイラー技士、測量 試験」、「地質調査」などの、「建築」で 士補、ディ 1 ゼル整備士など、施設作業 ンを真 , は「木工作業」などの実習をっ。それ に必要な資格を取得しているのだ。 らの実習教育の集大成といえるのが、勝 多くの建設を保有しているのも施 田駐屯地の敷地内に建設した「戦史教育 設科部隊の特徴。トラックやドーザ、ク ーセント ( 約 5000 人 ) を施設施設」だ。施設員の能力向上のため、 レーン、》汕圧ショベルなど、最新の民生員が占める。施設科部隊はゞ派遣活鉄筋コンクリ 1 ト製の 2 階建ての施設を、 品に加え、陸自の任務を遂行するために、動の主力となっており、その技能は国際のを持った施設員と学生が 独自に開発された装備品も保有している的にも高い評価を受けているのだ。 共同で、ほかの訓練もしながら約 2 年間 、参照 ) 。 かけて完成させた。この建築物を施工モ 施設科隊員のみならず 技能と装備を併せ持っ施設科部隊は、 デルとし、今後、同様の事業を実施する 国外の施設要員も養成 前出の任務のほかに、災害派遣活動や国 工疋だ。 連平和維持活動といった実任務で活躍し海外でも活動する施設科部隊。陸上自 こうした施設員への教育の実施に ている。これら国際的な活動では、陸上衛隊施設学校は、その隊員の養成を主要加え、同校では、他国の人材育成も行っ 自衛隊から海外派遣された全人員の約任務としている。幹部や陸曹 ( ※ ) などている。での道路補修などを担う 陸上自衛隊には施設科隊員を育成する唯一の教育機関がある。それが陸上自衛隊施設学校だ。 国連平和維持活動 ()- 0 ) で道路補修にあたる隊員は、どのような教育を受けているのか ? 同校を訪ね、その教育内容を取材した。 世界での活躍もここから始まる 知識と技術と真心を教える陸上自衛隊施設学校 3 今年の 3 月に完成した戦史教育施設。 正門からほど近し、場所にある

9. MAMOR 2016年7月号

路補修技術 自衛隊施設部隊、真心の成果 国際貢献に寄与する 施設部隊の道路補修 , 陸上物衛隊の施設下 + 職種 ) は諸外国測 ではエ兵にあたり、保有する籍施設 宮 えんたい 器材に第って掩体《川参照 ) などの 影 日取 構や破壊、またで紹介したよう ーこ橋を馳ける な橋車両を用いて河月。 作業などを行い、 ( 闘部隊を支援する 職種のこと。さあに道路や橋などの建 - 設や補修も重要な任務であり、 動ではこれらのインフラ整備を担っ 「ル鉢の物衛隊の施設部隊がなされま した貢嗽とつのは、、一」れは大変立派 なものがあましてい私は敬意阜表し た ; と思います」 これは、 004 年 3 月に冊催れ一 た第 159 回国会の安全保障を員 ~ 一に おいて、参考人として出席した当時の 国連事務総長特別代表シル一マ氏が、 年かあ年にかて行われた 「国連東ティモール支援団 J での自衛隊の活動について 評価した発言であゑまた伺氏ば年 ~ 川月に開催された国連安全保障理事会 , でも施設部隊を高く評価しており、 事立料卩司令部施設課 長を務めた陸上自衛隊萩庭賢了 2 宰陸 佐 ( 当時 ) によると、特別代表が固有 の部隊名を出して評価するというのに 史上初めてのことだらた。 このように、自衛隊の施設部隊は、 に O 活動などを通じて国際的に高い 評価を受けている。航空路、鉄道網、 序海運などが整備されていない国に

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道路障害作業車 トラックの荷台に作業装置を搭載して、舗 装〕各上に敵部隊窈攵を防ぐための障害 を構成することができる作業車両。装置先 端にドリル、クレーン、コンクリートカッ ターなど、重類のアタッチメントを装着 できる。 全長 : 約 7.9 メートル全幅 : 約 2.5 メート ル全高 : 約 3.2 メートル全備重量 : 約 11 トン最高速度・時速 90 キロメートル 製作 : ( 作業部 ) アイチコーポレーション ( トラック部 ) いすゞ自動車※スペック は走行姿勢時 1 1