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検索対象: UNIX MAGAZINE 2001年11月号
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1. UNIX MAGAZINE 2001年11月号

組み込まれた。 もう 1 つの重要な役割は、アプリケーションを作るた めの工竟を提供したことである。当時、ネットワークを用 いた通信をプログラムのなかでどのように実現するかは大 間題であった。 4.2BSD UNIX では、ソケット・イン ターフェイスが定義され、 UNIX の考え方と整合生のよ い API として実装された。これによって、誰でもほんの すこし学習するだけでネットワークを用いたプログラムが 作れるようになり、数多くのネットワーク・アプリケー ションか誕生することになった。さらに、ソケット・イ ンターフェイスはその他の UNIX や DOS などでも使わ れるようになり、ネットワーク・アプリケーションの開発 プラットホームの不鶤頁を大きく増やす彳難リも果たした。 この 2 つの歴史的マイルストーンがあるからこそ、 「 UNIX で利用するネットワークといえは、もちろんイン ターネット」なのである。事実、匆期のインターネットに 接続されていたシステムの大半は UNIX マシンて構成さ れていた。 インターネットの機能 インターネットは 1990 年代半はから急速に拡大し、い まや重要な社会基盤として認められるまでになった。イン ターネットでは多彩なサービスカ甘是供されている。とはい っても、研究開発のためにインターネットを利用する以 E 、 おもに次のような機能を使うことが多くなるだろう。 ・日常的な通信 いまでは、誰もが電子メールを気怪に利用するように なった。街を歩いていても、「しや、その件はメール で・・、・・・」などという言葉が当り前のように聞こえてく る。インターネットに接続されているデスクトップ PC を使う人もいれば、ラップトップ PC を持ち歩き、出 先でも電子メールを読み書きする人もいる。国内でも、 巷のラウンジなどでラップトップ PC を開き、 Web プラウサやメールリーダーを利用している人の姿も珍し くはない。名刺にメールアドレスか印刷されているのは 当り前であり、山も匠はメールアドレスをもっていない人 のほうか珍しくなった。 さらに、 i モードに代表される携帯電話のネットワーク 機能か充実し、インターネットとのあいだで電子メール の交換が可能になると、急漣に電子メールの利用者カ蒴 UNIX MAGAZINE 2001.11 写真 1 シンガポールのチャンギ空港にて チャンギ巷では、泉ネットワーク ( IEEE802.11b ) が導入され、空 港内の多くの場所でインターネットにトでオ売できる。ラップトップ PC の利用者のために椅子と広い机 ( 写真右十 ) も用意されている。 えた。街角や駅のプラットホームなど、いたるところで 携帯電話に送られてきた電子メールを読み、電話のキー をカチカチと叩いて返事を書いている人が目につく。も ちろん、プラウザホン (Browser-phone) 1 の容量など の制約から、サイズの大きなメールは送れなかったり、 添付ファイルが扱えないといった間題は残っている。し かし、電子メール機能付き帯電話の登場によって電 子メールを使い始めた人もたくさんいる。 結果として、電子メールは電話や FAX に匹 - るはど の通信手段となった。したがって、研究開発の現場で も、電子メールの活用は基本的素養という面で重要な意 味をもっている。 ・共同イ / ド業工竟 現在では、各ューサーが 1 台のシステムを占有利用する のが当り前になっている。多くの企業では各社員の机の 上に PC が置かれているし、大学でも、研究室に所属す る学生に 1 台すっシステムを割り当てるのが普通になっ た。私の研究室を例にとると、学生たちは日常生活のた めのシステムと開発・実験のためのシステムを使い、さ らにノート PC を持ち歩いている。 こうなると、ネットワーク環境を前提として仕事を進 めることか増えてくる。たとえば、何人かが共同でレ ポートを作成する状況を考えてみよう。最初に分担を決 め、レポートを書き始めるのは、どんな場合でも同しで 1 インターネット対ル牆電話。 NTT ドコモであれは・ 503iS シリーズ など。 93

2. UNIX MAGAZINE 2001年11月号

便箋に数枚 ~ - - ト数枚程度であろう。その意床では、論文などの 場合とは異なる、限られた枚数で意を尽くす文冓成能力を磨 くための訓糸勅ゞ必要なのかもしれない。 一方、電子メールだからこその、、下手な使い方 " もあ る。たとえは、電子メールには Bcc (Blind Carbon Copy) という機能がある。メールの本来の受信者には分 からないかたちで、ほかの人にそのコピーを送るというも のだ。メールの送イ寺に、 To: taro@isp ・ ne ・ JP Cc : hanako@isp.ne ・ jp, manabu@isp.ne ・ JP Bcc: keiko@isp ・ ne ・ JP といったふうに指定した場合、本来の受信者は taro で、 hanako と manabu は Cc (Carbon Copy : 控え ) を受 け取る。この 3 人には、 To と Cc の情報はそのまま通知 される。 Bcc に指定された keik 。にもこのメールのコピー が送られるが、そのことは taro 、 hanako 、 manabu の 3 人には知らされない。 Bcc は、上手に使うとたいへんイリな機能である。たと えば、数人でグループを作り、ある人となんらかの交渉を 進めているとしよう。その人宛のメールを Bcc でグルー プのメンバーにも送り、状況の刻ヒを伝えるような場合に 適している。グループのメンバーは交渉の背景などを知っ ているので、メールのコピーがいきなり送られてきても、 容易に内容を理解できる。 しかし、前後関係を知らない人に Bcc でメールを送っ ても、相手を混乱させるだけである。これは、 Bcc の機能 を憶えたばかりのユーザーによくみられる。しかも、 Bcc で送る側は有益なことをしたと固く信していたり、「わざ わざそっと教えてあげたのに」という気持ちになっている から、下手に対処すると感清的にこしれて収孑劼ゞつかなく なってしまう。 Bcc でメールを受け取った人力瓜につまま れたような感しを抱く場合には、この機能はうまく働かな い。しかも、これは電子メールューサーの、、常識 " になっ ていないため、奇妙な使い方をする人も多い。 私自身、 Bcc に関連してびつくりした経験がある。そ れは、いろいろな大学や企業からメンバーが集まって作ら れた委員会でのことだった。その委員会にはメーリングリ ストがあり、あるとき事務局から委員全員にメールが送ら れてきた。事務局では、各委員のメールアドレスを To フ ィールドに言己し、 1 回のメール送信で全メンバーにメー UNIX MAG AZIN E 2001.11 ルを送った。ところが、このメールの出し方をめぐって、 ある先生か事務局に噛みついたのである。 「同時に複数の先生方にメールを送る場合は、受信者名は Bcc フィールドに列挙し、 To フィールドには自分自身 ( 送信者 ) のアドレスを書くのが、プライバシーを考慮し た去も丘のやり方ではないか」 というのである。つまり、 From: myself@isp ・ ne ・ JP To: myself@isp ・ ne ・ JP Bcc : taro , hanako , manabu, keiko というふうに書くのが正しいと主張されたのである。たし かに、このようにすれは各委員のメールアドレスがほかの メンバーに知られることはないだろう。しかし、どこかお かしいのではないだろうか。 電子メールによるダイレクトメーノレのように、受信者が 相互にまったく面識のない人の集合である場合、自分のメ ールアドレスが、全然知らない第三者に漏れるのはあまり 嬉しくないのは事実である。しかし、メンバーカ墹定され ている委員会内部での電子メールのやりとりにおいて、メ ールアドレスがほかの委員に対してイすべきプライバシ ー情報とは思えない。 そんなことがあってからしはらくのあいだ、毎日受け取 る電子メールのヘッタ情報を注意架く見ていた。すると、 これまた奇妙な、、イ信去 " に出合ったのである。メーリング リストでも複数の受信者がいるわけでもない、私宛の私信 であっても、 Bcc を使ってヘッダに受信者のメールアドレ スが見えないようにしてあるメールが数多くあったのだ。 たとえば、 From: myself@isp.ne ・ JP To: myself@isp.ne ・ JP Bcc : suguru というふうに書かれたとおばしきメールが送られてくるの である。これにはイ月仄してしまった。もしかすると、新た な常私にとっては疑間符がたくさんつく、、常識 " か浸 透し始めているのだろうか。 どんどん進化する囃竟 このような使い方の上手下手は、電子メールに限った話 ではなく、インターネット里のさまざまなツールに共通 してみられる現象のようだ。なぜなのだろうか。 95

3. UNIX MAGAZINE 2001年11月号

UNIX Communication 高性能サーバーを目指して 山口英 N0tes 高性能サーバーの必要性 コアシステムを形成するコンポーネントとしては、この ールは日常業務に不可欠な、、コアシステム " となる。 タを使える環境も整備されつつある。こうなると、電子メ さらに、ほとんどすべての社員 / 学生がつねにコンピュー 発行して、電子メールの交換ができる体制を整えてきた。 ネットワークを構築し、すべてのユーサーにアカウントを を作らなけれはならない。そこで、企業や大学では組内 には、当然のことながら、誰もか電子メールを使える竟 本的な情報ん凾にも使われている。 1 辭充通の基盤とする たとえば、電子メールは組織間のみならす、系哉内の基 る機能を提供している。 現在の系目大青報基盤環竟は、さまざまな業務に直結す コアシステム 業務の情報化か進められている。 は大学や情報系企業に限った話ではなく、あらゆる分野で ワークやコンピュータに依存するようになってきた。これ このように、私たちの日常的な仕事は、どんどんネット 送られてくるのも、ごく凾のことになった。 に、 Word などで作ったファイルを添付した電子メールが でよけれは、正式な見積書を発行します」と書かれた本文 とえは、物品購入に先立って見積りを依頼すると、「これ 算ソフトウェアで請求書や予算書などを作成している。た ルと WWW を使い、ワードプロセッサで文書を、表計 用する通信基盤となった。オフィスでは、誰もが電子メー インターネットは、いまや国民の 3 割以 - ヒが日常的に利 UNIX MAGAZINE 2001.11 ほかに次のようなものが考えられる。 電子メールサーバー 電子メールの転送処理をおこなう MTA (MaiI Trans- fer Agent) と、受信した電子メールをユーサーに提供 する POP や IMAP などのサ→ヾーが含まれる。 ・ WWW (World-Wide Web) サー 、業務に関する 1 辭にを蓄積するデータベース・サー 蜷匠は、多くのデータベース・サーバーが WWW サー バーのバックエンド・システムとして使われている。 名前サーバー、ディレクトリ・サーバー、アカウント管 理サーバーなど 環竟内のシステムとユーサーの名前、およびその管理を 司るサーバー群である。これらのサーバーは、すべての システムから参照される。とくに最近は、ディレクト リ・サーバーを各ューサーのプロファイルを蓄積するた めに利用し、アクセス制御などを一元的に管理する傾向 がある。このような環境では、すべてのネットワーク・ サーバーからディレクトリ・サーバーか参照されるため、 ディレクトリ・サーバーの性能が大きな間題となる。 日骸リサーバー (NTP サーバー ) サービスを提供するシステムか精緻になれはなるはど、 ネットワークに接続されたこれらのシステムでの時刻の 正確さカ球められるようになる。 高性能システムが必須 コアシステムカ甘是供するサービスの性質上、その運用に は高い性能と信頼生カ球められる。これは、次のような理 由からである。 1. サービスが止まったら仕事にならない システムカ平害を起こさないように、耐拠尉生能を考慮 51

4. UNIX MAGAZINE 2001年11月号

特集ネットワークの基礎知識① の活用法 WWW については、それが何であるかを説明する必要 はもはやないでしよう。誰もが、おそらく毎日のように 使っているインターネットのアプリケーションです。新 聞社やテレビ局のサイトにアクセスしてニュース記事を読 んだり、コンピュータ・メーカーのサイトにアクセスして 製品情報をヾたり、あるいはサポート・ソフトウェアを ダウンロードしたり、といった経験のない人はまずいない のではないでしようか。 最初に、 WWW システムの仕組みを簡単に復習してお きましよう。 HTTP は型付きデータ転送 現在では、 WWW はひどく複雑なソフトウェアになっ てしまいましたが、その根底にあるアイデアは屯です。 WWW は、サーバー・クライアント方式にもとづい て作られています。情報を提供する WWW サーバーと、 提供される情報を表示するための WWW クライアント ( またはプラウサ (browser)) から構成されます。 WWW サーバーと WWW クライアントのあいだでは、 HTTP (HyperText Transfer Protocol) と呼ばれるプロトコル を用いて通信をおこないます。 HTTP は、単純なプロトコルです。クライアントがサ ーに対して「〇〇を送ってほしい」と要求すると、サ ーバーは該当するデータを探してします。要求された データがなけれはエラーを返します。サーバーからクライ アントにデータを送るとき、 HTTP では次の 2 つの処理 がおこなわれます。 1 つは、サーバーがクライアントに送るデータの、、型 ( 種別 ) " の指定です。これには、電子メールでも利用され ている MIME 符号化 (MIME encoding) が使われます。 もともと、 MIME 符号化は、電子メールの本文にさまざ まな情報を添付して送る構造を定義するために考案された ものです。電子メールの本文に各種の情報が頂番をもって 埋め込まれることを想定していたため、複数の情報の構造 MIME ではさまざまな型のデータか扱える柔軟性に富む 構造をもつようになったのです。 電子メールにおける酉当逶処理とは異なり、 HTTP でサ ーバーからクライアントに送られる情報は、基本的に 1 回 のアクセスで 1 つだけです。このため、 HTTP では本来 の MIME がもっていた情報の構造を表す機能は使わす、 いろいろな形式の 1 帯にを符号化する樹冓のみを利用してい ます。 HTTP では、送るデータに Content-Type タグを付 け、それによって送る情報の型を指定しています。たと えば、 Content—Type : text/html; charset=iso—2022—jp という記述は、サーノヾーからクライアントに送られる情報 ・ HTML で言当されたテキスト形式 使用している文字コードは ISO-2022-JP JIS コード ) であることを示しています。 ( いわゆる と各情報の符号化方式が定められました。 100 このとき以来、 HTTP では、転送するデータの型を明示的に指定でき るからこそ、プラウサ側では送られてきたデータの型に応 じた処理が可能になったわけです。たとえは、サーバー から PDF のデータが送られてくれば、クライアント側 では Acrobat Reader などを起動して、その情報を表示 します。あるいは、 MP3 形式のデータが送られてきた場 合には、音楽データである MP3 を再生するアプリケー ションを起動すればよいことになります。 WWW では、 このような、、型情報付きデータ転送プロトコル " を利用し ているため、さまざまな情報を統合して扱うことができる のです。 HTTP では、転送するデータの形式 (Transfer En- coding) も指定します。これによって、転送時のデータ の扱い方を指定することができます。この機能を使って、 データを gzip で宿して転送し、使用するネットワーク 帯域を節約するといったことも可能になっています。 UNIX MAGAZINE 2001.11

5. UNIX MAGAZINE 2001年11月号

特集ネットワークの基礎知識 0 ある。しかし、共同執筆の場合には、ほかのメンバーが 94 インで提供する標準化機関も増えてきている。 つつある。さらに、開発に不可欠な規格書などをオンラ たことではなく、その他の研究分野にも急漣にひろがり おこなえるようになりつつある。これは情報工学に限っ 論文の検索やコピーの入手は、ほとんどがオンラインで て検索機能付きのサービスを提供している。このため、 議などで発表された論文をオンライン化し、会員に対し や ACM などが、学会誌や論文学会主催の国際会 えてきた。たとえば、情報工学関連の学会では IEEE これと並行して、論文をオンラインで公開する学会も増 的な活用が目立つ。 の発表といった従来のガ去だけでなく、 WWW の積極 として、論文誌などへのキ高や国際会言研究会などで 近の研究開発分野では、活動成果を外部に公表する手段 と、これらをいかに活用するかか重要になってくる。最 (WorId-Wide Web) による情幸財是供が一 - ー・般的になる 日常的にインターネットを利用し、さらに WWW 辭に収集 べき点は多いだろう。 も、ネットワークを用いた共同イ / ド竟の構築から学ぶ 竟を整備すべきである。したがって、個人のレベルで 複数のコンピュータをうまく組み合わせて統 - ー・のとれた のような場合には、個人のためのシステムであっても、 たユーザーはかなり増えているのではないだろうか。こ プ PC を使い、外出時にはノート PC を持ち歩くといっ ている。すくなくとも、ふだんオフィスではデスクトッ さきほど述べたように、個人が使うシステムも多様化し は一 - ト分に考える必要がある。 えでのさまざまな条件は、とりわけネットワーク環境で 率カ吐がるからである。このような叫司作業を進めるう において共同筆するような場合に使いやすく、作業効 よる文書作成から離れられないのは、ネットワーク環竟 する人か増えたが、それでもなかなか 1bX/I*TEX に Word で作成されたファイルを電子メールでやりとり た工夫をするとイ叫リである。山も丘は、私の周囲でも MS 孑当屋したり、統一したい用語はマクロを用意するといっ 稿を作成するのなら、 CVS を用いて各人の執筆伏況を いったような間題が当然生まれる。 IEX/L\TEX で原 どのように書いているか、用語の統一はどうするのかと 図 1 IEEE Xplore 第一査みヨ第は 0 を を羂れ ! ! 尊当 豊豊盞一望上を ! 山第物 、懸 55 録 5 ( 第ッ IEEE の会員になると、学会が発行している論文誌などの記事のオンライン 検索、 PDF 形式での入手が可能になる。情報工学う予の研究者にはたいへ んイ甦リなサイトである。 各種のドキュメントを WWW を利用して検索、ダウ ンロードし、必要に応してプリントアウトして熟読する といった行為か研究開発に欠かせない竹業になってきた のである。 このような竟では、 WWW をいかに使いこなすか、 すなわち、、クリックカ " か重要な意味をもってくる。 ノウハウはいろいろ こまでに述べたように、インターネットは研究開発 のさまざまな場面て利用される。しかし、いろいろなユー サーがインターネットを使っているのをみると、やはり上 手下手があるよう 磁皀をよく知る たとえは、電子メールを考えてみよう。電子メールは、 いわはオンライン版の手紙であり、その意味では通常の手 紙といに文章の工出といった問題もある。しかし、文章 の質はユーサーの文才や、従来の意味での素養に大きく左 右される。これは、各人か努力するしかない。 私は、電子メールは大量にやりとりするが、筆精なうえ に手書きをしなけれはというプレッシャー ( 私の書く字はひど く汚い ) もあって、手紙はまったくといってよいはど書かなく なった。書店の実用書のコーナーに行くと、『手紙の書き方』の ような本がたくさん置いてある。その大半は、季節のま囎箋や手 紙独特のスタイルの習得、敬語の正しい使い方といったことを くどくどと述べているばかりで、私のような人間にとってはあ まり役立ちそうにない。私信であれば、手紙の分量はせいぜい UNIX MAGAZINE 2001.11

6. UNIX MAGAZINE 2001年11月号

特集ネットワークの基礎知識 0 写真 2 IPv6 文寸応ラ昱度センサー Hotnode 98 なかでもすぐにでも登場しそうなのが、 'I 辭家電製品と うなシステムが数多く登場すると予測されている。 ンヒュータの形をしているわけではない。今後は、このよ ち、ネットワークに接続されたノードであるが、通常のコ ンターネットでいえば、温度センサーは IP アドレスをも データを温度情轆反集サーバーに送る処理をおこなう。イ れた。この温度センサーは、インターネット技術を用いて に設置さ会場内の温度を常時監視するデモがおこなわ WorId 十 lnterop 2001 Tokyo で展示会場のそこかしこ の温度センサーである。 2001 年 6 月に開催された Net- 真 2 は、インターネットノードが開発した IPv6 対応 ムでのインターネット技術の利用である。たとえは、写 1 つが、いわゆるコンピュータの形をしていないシステ ーネット十で実現されると思われる技術もたくさんある。 すでに実現されているサービスだけでなく、インタ 新たな地平線 だけでなく、ユーサーからの苦清が耒齲リする ) 。 ービスカ醍供できなくなると、業務に大きな景グを与える ( メールサーバーや WWW サ→ヾーに障害が発生し、サ が発生しないようにヨー分注意して運用しなければならない はもっとも重要なサービスであるから、万が一 - ーにも障害 耳重もある。このような工羅竟では、電子メールと WWW ほとんどが電子メールと WWW なくしては成り立たない 社会にひろく普及したという意味である。現実に事の とは、情幸財支術にかかわる分野の人びとだけでなく、一殳 こでいつ冫匿 は日常生活の隅々まて査している。 繰り返し述べているように、現在ではこれらのサービス れるトラフィックの 90 % 程度を占める状兄になっている。 ール (SMTP) を加えると、はとんどのサイトで、交換さ (HTTP) がもっとも多いのか普通であり、それに電子メ トワークのトラフィックをモニタリングすると WWW 糸谺尓される商品群である。国内の家電メーカーの多くが、 現在の家電製品ラインナップからネットワーク化によって 付加価値を付けられそうなものを探しだし、そのための機 能を組み込もうとしている。いわば、インターネット技術 を用いたホーム・ネットワーキングである。たとえは、テ レビやビデオ、ステレオコンポなどは、ネットワーク化に よって大きなメリットが生しると思われる。 ソニーや松下電器などの AV 系家電メーカーでは、すで に IEEE1394 ( 通称 iLink) などを利用したネットワーク 化を実現しつつある。このようなネットワークに、さらに インターネット技術を導入すると、どういったことが可能 になるかという検討も始まっているようだ。家電メーカー 各社は、 AV 系家電にとどまらす、冫伽畿庫や幾、クー ラーなどの空調製品、電子レンジなどもネ予に入れている らしい。たとえば、シャープが、、インターネットでちん ! " というキャッチフレーズて大々的に宣伝していた電子レン ジ製品なども、情報技彳粮こよって家電製品に付加価値を与 える試みの 1 っといってもよいだろう。インターネット て培われた技術が、これらの家電製品に違和感なく組み込 まれる日も意外に近いのかもしれない。 次世代の携帯電話では、インターネット技術をベース とした製品群か登場するのではないかといわれている。事 実、国内外の携帯電話里の企業は、インターネット技術 を利用した携帯電話ネットワークの実現を目標として、積 杓甬勺に研究開発をおこなっている。このため、 MobiIeIP や VOIP を応用したシステム、あるいはインターネット 竟における課金管理システムなどの開発が、従来にもま して活発化している。インターネット技術の標準化活動 をおこなっている IETF (lnternet Engineering Task Force) でも、携帯電話関連の企業か新たなプロトコルの 標準化に意谷知勺に取り組んでいる。このような動きをみる と、数年後に登場するであろう携帯電話は、インターネッ ト技術をふんだんに採り入れたものになるのではないかと 思われる。 もう 1 つ、ごく近い将来に広まると思われるのが IPv6 技術である。研究開発の現場では、 IPv6 はすでにほは実 用化の域に達しており、一部では運用も始められている。 私の戸丿する奈良先端大でも、キャンパス・ネットワーク において IPv6 のサポートを始めており、徐々にではある がユーサーも着実に増えている。 UNIX MAGAZINE 2001.11

7. UNIX MAGAZINE 2001年11月号

図 5 サイドバーに表示されるアクセス履歴 凵 0 し第上′をン 1 0 ↓ 0 を一よ・物ー」、 嚼“・朝物宀明イ、懿社′、 - 、な諸 ~ 。 4 第 40 当いイ、当い噌日、 0 懋ーこホートア 0 FAQ Server< br>lnstallation Cyrus IMAP 、、一に気ををよ製 イれ : 0 : ー刻 0 こ 4 p 、 : ま・、・ト F 、 0 ト Ⅱ材ぬ h ! 第 4 二新 0 マ川“、スツい贏市 FAQ 二。”要 m 亂」翳こ : : ! を、を ! : 当芝望を ・三みまをド、当 Con 、 け製、ヨれ上キ K ′ ) を一 - : 、マ「′れい第 - 、背 ( ごげ応 ) 新アに「′新、コ , 第第新 -0 ド当作 0- ・ 0- : 直、ド、、 0 す 15 Bugfixß& わ h この機能を利用すると、過去数日間にアクセスした URL に簡単に再アクセ スできる。 のアクセスかを表示しているウインドウがあります。 をクリックすると、過去にアクセスしたページにジャンプ することかできます。この履歴を言当求する機能は、なかな カイ叫リです。 WWW の利用パターンは、サイトによって 2 通りある ように思います。ます、去麒月間に何回も訪れ、その中身を 徹底して眺めて、それカ鮗るとアクセスしなくなるケース です。もう 1 つは、特定のサイトを定期的に訪れるケース です。後者の場合にはブックマークカ硬利ですが、前者の ようなサイトはわざわざブックマークに登録するよりも、 この履歴の機能を利用したほうがかえって使いやすくなる のではないでしようか。 ノート 6 MoziIIa や Netscape 6 のサイドバーの機能はよくで きていて、 WWW を利用するときにはなかなか便利です。 History の機能だけではなく、現在表示しているべージから キーワードを抽出し、検索エンジンに与えて得られた結果を 表示する、 What's Related" の機能や、ブックマークを表示 するサイドバーなど、快適に使うための機能力っています。 Netscape の WWW ページを見ると、サイドバーは情報を表 示するためのもので、最大の特徴は動酌に中身を構成すること だと書かれています。 ブックマークは一一一見便利そうですが、刊箋紙のような気分 でどんどん追加していくと、けっきよくは使わない、あるいは なんのために登録したのかさえ憶えていないようなものて溢れ てしまうことがあります。これを防ぐには、ありきたりかもし れませんが、ブックマークを定期的に整理する習慣をつけるの UNIX MAGAZINE 2001.11 カ立一番でしよう。 wget の利用 WWW サイトへのアクセスには、たいていの場合は WWW プラウサ、つまり Netscape Navigator や Mo- zilla を使っていると思います。しかし、これらのプラウ サは X ウインドウ・システム上でしか使えす、シェル・ プログラムのなかでうまく利用できるようなものでもあり ません。もちろん、プラウザとして起動したり、あるいは 特定のファイルを表示させることは可能ですが、もともと インタラクテイプに利用するツールとして作られているの で、コマンド行でのバッチ的な処理には不向きです。 そんなときに重宝するのが、 wget というツールです。 引数に URL を指定して wget コマンドを実行すると、そ のサイトに HTTP でアクセスし、必要なデータをダウン ロードしてくれます。 wget が便利なのは、たとえは WWW サイトに置いて ある大量のファイルをダウンロードするような場合です。 もちろん、プラウサで 1 っ 1 っクリックする方式でもか まいませんが、ファイルが多いとかなりの時間がかかり、 しかもそのあいだはすっとプラウザとにらめっこしていな け川まなりません。 % wget http : //www. isp ・ ne ・ jp/foo/bar/xx. html とすると、 xx. html というファイルをカレント・ディレ クトリにダウンロードすることができます。 ファイルを友人に渡す場合、よく使われるのはやはり 電子メールでしよう。しかし、数百 KB 程度ならまだし も、数 MB 、数 - ト MB のファイルを電子メールで送るの は得策ではありません。まず、配当響各にあるサイトで電 子メールのサイズを制限している場合は、相手に届きませ ん。そして、送れたとしても、中継サイトのスフ。ール領域 を消費することになってしまいます。 そこで、ファイルを WWW サーバーに置き、相手に 直接ダウンロードしてもらうガ去をとることが多くなって きました。この場合には、電子メールで URL だけを送れ はよいことになります。このような、 WWW サーバーを 用いたファイルの受け渡しも一ヨ勺になってきています。 こんなときにも、 wget コマンドを使うと目的とするファ イルを簡単に入手できます。 105

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特集ネットワークの基礎知識 0 に転送できたかどうかが分からない状況になることも少なくあ メールを送らないサイトか増えてきています。そのため、本当 がサイズ制限によってメールを捨てた場合も、送信者にエラー も効果があります。・職丘は、 MTA (Mail Transfer Agent) 況を考えてみてください。メール爆撃は手間カ功、からず、しか るメーリングリストに対し、 IOMB のメールを何回も送る状 簡単に溢れてしまうからです。組織内のユーサーから構成され を受けたときに、メールスプールのあるシステムのディスクが これは、制限しないとメール爆撃 (E-mail bombardment) ます。とはいえ、そういったサイトがないわけではありません。 電子メールのサイズ制限を実施しているサイトは減りつつあり ディスクの低価格化とネットワークの広帯域化にともない、 wget の入手方法 りません。 106 再帰的にアクセスするレベルを制限できます。 す。そのようなときは、以下のオプションを追加すると、 膨大な量のデータをダウンロードすることになったりしま ンクか張られていたり、再帰的にアクセスすると結果的に とします。しかし、指定した URL とは異なるサイトにリ % wget —-recursive U ん す。それには、 wget には、これをすべてダウンロードする機能がありま て、そこからのリンクによって : 料冓造ができあがります。 ので、ある URL で示される HTML ファイルを項点とし HTML て表現されているデータはハイバーテキストな ドするガ去を紹介します。 データからリンクされているすべてのデータをダウンロー な機能があります。そのなかから、ある URL て指定した wget には、 こまでに紹介したもの以外にもいろいろ ある URL 以下のダウンロード WWW サイトを調べてみるとよいでしよう。 バイナリ版が用意されていることもあるので、関連する 軽にインストールできます。プラットホームによっては Linux であれば、提供されているパッケージを用いて手 ンストールも簡単なはすです。 FreeBSD や NetBSD 、 に対応しているため、ソースコードからのコンパイル、イ からダウンロードできます。ほとんどの UNIX システム ・ http://www.gnu.org/software/wget/wget.html wget は GNU ソフトウェアに含まれていて、 ー level = れ社 7 れ 直接アクセスする部分はレベル 1 です。 num に 0 ま たは inf と指定すると無制限になり、 wget はすべてのリ ンクをたどり終えるまて再帰的にアクセスします。 recur- sive と level の 2 つのオプションをうまく指定すれは、あ る URL 以下のファイルがすべて得られます。 HTML で は、同しサイト内の資源を相対パスで表現する去力ヨ殳 的なので、このガ去でファイルをダウンロードすれば、そ の WWW サイトのファイル構造を再現できることにな ります。 UNIX MAGAZINE 2001.11 Lynx による WWW アクセスは日本語入力との整合性も サも本虫い人気をもっています。その 1 つが Lynx です。 くありません。そのためか、文字べースの WWW プラウ Emacs などのエデイタを用いた文字べースの仕事も少な まだたくさんあります。 UNIX 上で作業する場合には、 が多いのは事実ですが、文字情報を中心としたサイトも 最近は、画像を多用するきらびやかな WWW サイト Ly nx の利用 ション ( ー。 の URL から一気にデータを入手したいときにイ叫リなオプ は、 1 行に 1 っすっ URL を記述しておきます ) 。大量 れた URL からデータのダウンロードを試みます ( 川 e に -input-file=file オプションを使うと、 file に言当さ とよいでしよう。 まく使って HTTP で送られてくるサイズ情報を無視する このような事態を避けたいときには、このオプションをう が原因で、うまくダウンロードできないこともあります。 tent-Length の値を送るところも少なくありません。これ ションです。 WWW サイトのなかには、間違った Con- で送られてくるデータのサイズを表す値 ) を無視するオプ —ignore-length は、 Content-Length のイ直 (HTTP ファイルの再ダウンロードを防げます。 いる場合、このオプションを指定すると、すでに取得した し、関連するファイルをすべてダウンロードしようとして ができます。あるいは、同一の URL に何回もアクセス 既存のファイルに上書きしてしまうトラブルを避けること -nc ( または一 -no-clobber) オプションを指定すると、 その他の便利なオプション

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IPv6 が、次代インターネット・プロトコル (IPng) と して登場してから、すでに 5 年かを茴した。その間に、基 本的なプロトコルの実装はかなり進み、実際のネットワー クを用いた実証実験も各所でおこなわれるようになった。 ー黯にの ISP では、 IPv6 に対応した商用サーピス窈是供も 開始している。 従来から接続されていたコンピュータ以外の、携帯電話 や家電製品といった機器をも包含する新たなインターネッ ト基盤では、 IPv6 を用いたこれまでにないサーピスがど この特集で扱う内容 んどん登場してくるであろう。 UNIX MAGAZINE 2001 ユ 1 SSH (slogin 、 scp) 、 ftp 、 nslookup 、 telnet などであ 使う基本ツールとでも呼ぶべきものがある。たとえば、 る。それらのなかで、とりわけ研究開発の分野て瀕繁に インターネットでは、多種多様なツールが使われてい ・ネットワーク・コマンド自由自在 べきかを角見する。 報を効率的に探すには、どういった点に注意して作業す のことである。クリックカを高める、すなわち求める情 、、クリックカ " とは、自分か求める情報を収集する能力 し、有効に活用する能力を身につけなければならない。 は、これらのなかから本当に必要とするものを探しだ はいえ、全体としては質も向上してきている。ューサー は、提供される情報は膨大なものとなり、玉石混淆と ざまな情報を収集するための強力なツールである。描丘 を使っている。利用者側からみると、 WWW はさま の情報を検索、利用するために、毎日のように WWW サーがインターネット上に分散して蓄積されている各重 めの基財支彳として開発された。いまでは、多くのユー めに、インターネット上でさまざまな 1 帯長を共有するた サーヒ、スは WWW である。 WWW は、 1990 年代初 現在、インターネットでもっともひろく使われている 「クリックカ」増強法 クをとりあげる予定である。 の基礎知識について角犇見する。具イ勺には、以下のトピッ して、ネットワーク ( インターネット ) を使いこなすため 大学院や企業に入ったはかりの新入生 / 新入社員を対象と 今月から始まる特集の第 2 シリーズでは、情報系分野の る。これらの基本ツールの効果的な使い方を説明する。 ・メッセージング・サービスの活用 インターネットでは、数多くのメッセージング・ツー ルが使われている。そのなかでもっともよく使うツール は、おそらく電子メールであろう。その基本的な使い方 は、すでに理解していると思う。しかし、メールの暙号 化やデジタル署名、 MIME にもとづく各種情報の添付 などの上咬的新しい機能については、正しく理解したう えで利用している人はまだまだ少ないのではないだろう か。そこで、電子メールの基本的な使い方を復習すると ともに、これらの新しい機能もとりあげる。 その他の主要なメッセージング・サービスの例としては、 IRC などに代表されるチャットがある。チャットと聞く と、どちらかといえは個人の趣床、あるいは遊びのため に使うのではないかと考える人も多いかもしれない。し かし、さきはどもちょっと触れたように、チャットを 仕事に活用している人も増えている。そこで、 IRC の 効果的な使い方について説明し、あわせてその他のメッ セージング・ツールも紹介する。 ・ネットワークを用いた共同作業工竟 複数のユーサーがそれぞれのシステムを用いて共同で作 業する場合、ネットワークはきわめて便利な環境であ る。あるいは、個々のユーザーか複数の異なるシステ ムを併用することもある。このような環境では、ネッ トワークを用いた共同作業のための環境整備が不可欠 になる。ここでは、共同イ乍業のための竟を、 NFS や CVS 、 WWW などを利用して上手に構築する方法に ついて説明する。 第 1 シリーズと同様、 UNIX システムを前提として解 説するが、必要に応じて Windows などのほかのプラッ トホームにも言及する。ーロに UNIX といっても、現在 ではフリー、商用を間わす、さまざまなものがあるので、 できるかぎり、それらの違いにとらわれない角見を心がけ るつもりである。 インターネット上では、新たな技術がそこかしこで開 発され、インターネット自身もそれらを採り入れてダイナ ミックに変化していく。したがって、解説にあたっては 最初に基本的なツールをとりあげるが、可能なかぎり新た な技術や粥勺アプリケーションの紹介にも努める。 99

10. UNIX MAGAZINE 2001年11月号

広ヒ インターネットは時々刻々と変化しているが、とりわ けこの 1 ~ 2 年で目立つのは、広帯域化の急漣な普及であ る。オフィスでは、すでに Ethernet を中心としたネット ワークカヾ匿しているが、描匠はこれに代わって Gigabit Ethernet (IEEE802.3z:IOOOBase SX/LX) がひろく 使われるようになった。これにともない、各ューサーの システムも IOOBase TX (IEEE802.3u) を用いて 100 Mbps で接続されるようになっている。したがって、現 在の糸目織内ネットワークにおいては、帯域の制限のために アプリケーションが利用できないといった事態はほとんど なくなったといってもよい。 アプリケーションの動作にとってのポトルネックは、最 近ではむしろシステム側の制約によるところが大きくなっ ている。 CPU 性能やディスク容量、あるいは物理メモリ 容量などが足を引っ張る場合が多い。見方を変えれば、ユ ーザーが適切な構成のシステムを用意すれば、大部分のア プリケーションは使えるということである。 セキュリティ 2 番目の特徴は、セキュリティ対策か積極的におこなわ れるようになったことだ。いまや、ほとんどの工竟でファ イアウォールが設置され、外部 ( インターネット ) とユー サーが日常的に接している工竟とのあいだの通信は、なん らかのかたちて制限されている場合が多い。ある程度以 - E の莫の企業では、一殳ューザーがなんの制限もなく自由 にインターネットを利用できる環竟はほとんどないであろ う。 FTP や WWW については、プロキシー (proxy) と呼はれる代理サーバーを経由してのアクセスが - ヨ勺で ある。 telnet や rlogin などを用いたリモートアクセスに ついては、原則として禁止しているサイトが多い。その他 のアプリケーションについても、なんらかの制限か設けら れている↓竟が大部分である。 ネットワークの基本的な機構だけでなく、アプリケーシ ョン側でも積構にセキュリティ機能を組み込む動きがみ られる。一例として www サーバーの場合をみると、ユ ーサーに情報を入力してもらう部分では、 SSL/TLS を用 いて通信路を暗号化し、盜聴などの脅威からサービスを保 護する樹冓を利用するのが一勺である。さらに、ユーサ ーに X. 509 デジタル証明書 (Certificate) をもたせ、より UNIX MAGAZINE 2001.11 信頼生の高いアクセス制御を実現しているところも多い。 まだ少数ではあるが、これに加えて IC カードによる本人 叫証をおこなうサイトも徐々に増えている。電子メールの ルい 世界でも、とくに機密性の高いものについては、 PGP や S/MIME などを用いて暗号化するケースも少なくない。 つまり、現在のインターネットを利用する場合には、好 むと好まざるとにかかわらすセキュリティを意識せざるを えない状況になっているのである。 Peer-to-Peer 3 番目の特徴は、従来はなかった考え方にもとづくア プリケーションの登場である。その典型的な例が、 VoIP (Voice over (P) や MS NetMeeting を用いて 2 つの ホスト間を直接結んだ通信サービス、いわゆる Peer-to- Peer (P2P) 型のサービスであろう。 これらのアプリケーションでは、通イ目手の識別名と通 イ滸目手かイ吏用している IP アドレスとを対応付けるオ冓が ある。 VoIP には、 Call Manager と呼ばれる機構があ り、 VoIP 網で使われる電話番号と、その電話番号をもつ 端末が使っている IP アドレスとの対応付けをおこなう。 発呼した側の端末は、取得した IP アドレスをもとに相手 の端末を特定し、妾通信を試みる。 NetMeeting でも、 ディレクトリ・サービスを用いて同様なことをおこなう。 通イ計目手の名前と、そのユーサーが使っているシステムの IP アドレスとを対応付け、その後に発呼側システムから 相手に対して茁妾通信を試みる。 このような設計になっているため、現状の VoIP や・ NetMeeting は、 NAT (Network Address Transla- tor) またはファイアウォールなどの財冓との相生か極端 に悪い。しかし、 P2P 型の通信は、 VoIP や NetMeet- ing などの実時間音声通信のようなマルチメディア・アプ リケーションだけでなく、ほかの領域のアプリケーション でも使われ始めている。このため、従来のサーバー イアント型サービスにもとづいて作られたファイアウォー ルやセキュリティ機能を、 P2P 型アプリケーションに適 合させるための改良が必要になってきている。その実現は 容易ではないが、研究開発か活発に続けられている。 従来型サービスの浸透 新しい技術ではないが、運用という意味でさらに重要 性を増しているのが電子メールと WWW である。ネッ 97