日国■■一■田田国 カ変 動詞の活用には 活用語尾の母音が変わる母音変化式 ( 四段 四段 ・ラ変 ) 、 母音変化のない語尾に、ル ( 終止形・連体 形 ) ・レ ( 已然形 ) ・ヨ ( 命令形 ) が添加す上一段 る添加式 ( 上一段・下一段 ) 、 母音変化とル・レ・ヨ添加両方が起こる混 上二段 合式 ( 上一一段・下二段・ナ変・カ変・サ変 ) がある。 「上一段」「下一一段」などの名称は、添加さ下一段 れるル・レ・ヨを除いた活用語尾の母音が、 アイウェオのどの段にわたるかで命名され 下二段 たものである。 段 下 出づ 飢う 経ふ 得ぅ うふいうう ゑへでけえ こ きゑへでけえ うふづくう うふづくう るるるるる る うふづくう ゑへでけえ よよよよよ よ ー 1 re YO -i (yo) ウェ 上二段 * 上一段のうち「恨む」は五段へ。 下一一段ー↓下一段 カ変ー↓カ変 サ変ー↓サ変 * 五段や上一段になったものもある。 活用の種類の見分け方 所属語の少ない「ナ変・ラ変・下一段・上一段・カ変・サ変」 は覚えてしまう。後は、打ち消しの助動詞「ず」を付けて みて ( つまり、未然形を作ってみて ) 、その活用語尾が ア段の音であればー - ↓ 四段 イ段の音であればー・↓上二段 工段の音であればー↓下二段 ( 例「寄す」に「ず」を付けてみると、「寄せず」となり 「せ」がエ段の音となるから、「寄す」は下二段動詞。 ) アイウェオ アイウェの四 唯一オ段にわたる 段にわたってカ変 / ー、・、 0 変格活用。 活用する。 イ段の一段の イウェ三段にわた み。 サ変 る変格活用。 イウの二段に 動詞の中で最も活 わたる。 用語尾の変化が多 、六活用形全て 形が違う。 工段の一段の アイウェの四段に わたるのは四段活 用と同じだが、終 0 ウェの一一段にラ変 止形がイ段をとる わたる。 ところが異なる。 上一段 SI se (yo)
自発 受身 吏ル又 主要助動詞一覧表 種類語未然形連用形終止形連体形己然形命令形 の型 四段・ナ変 る る れ れ るるるれれよ下ニ型・ラ変の未 右以外の 未然形 四段・ナ変 ー自発 栗 ( こ食 ( は ) めばまして偲 ( 巴はゆ ゅゆるゆれ 0 下ニ型・ラ変の未 ( 万葉 ) 2 受身 汝 ( な ) は我に欺かえっ ( 古事記 ) 3 可能 ( デキル ) 妹 ( じを思ひ眠 ( この寝・つえぬに ( 万 右以外の 「らゆ」は可能の用例だけ葉 ) が存在する。 未然形 汝が巻かせて持たせたる旗、揚げさ 四段・ナ変ー使役 ( セル・サセル ) すするすれせよ下ニ型・ラ変の未 せよ ( 平家 ) 2 尊敬 ( ナサル ) 山人の我に得しめし山づどぞこれ ( 「しむ」は上代から用い、平 ( 万葉 ) 安ては主に漢文脈に用い 御覧じて、いみじう驚かせ給ふ ( 枕 右以外の 「す」「さす」は平安以夐 . イの和草子 ) 未然形 文に用いる 天地四方を射させらる ( 平家 ) ) ・尊敬の場合は、他の尊敬語山﨑にて出家せしめ給ひてけり ( 大 どど↓ 0 に用・ 単独ては用 す ( 上代語 ) き ( せ ) ゅ ( 上代語 ) ( 上代語 ) す しむしめしめしむしむるしむれ さすさせさせさすさするさすれさせよ下ニ型 らるられられらるらるるらるれられよ下ニ型 らえ 0 せ え 0 せ え す 0 す 0 しか 0 特殊型 0 せ しめよ せ四段型 ( しめ ) 0 下ニ型 下ニ型未然形 四段・サ変 の未然形 連用形 カ変・ サ変に は特殊 接続主な意味・用法 ー自発 ( 自然ト・ : レル ) 2 受身 ( レル・ラレル ) 3 可能 ( デキル ) 4 尊敬 ( ナサル ) ・自発・可能の場合、命令形 尊敬・親愛 ( ナサル ) 経験的過去 ( タ一 ・未然形「せ」はせば・ : まし」 の形にのみ用い、サ変説も ある。 この岡に茱摘ます児 ( ・ - ) ( 万葉 ) 鬼のやうなるもの出で来て、殺さむ どしき ( 竹取 ) 世の中に絶えて桜のなかりせば ( 古今 ) 人知れずうち泣かれぬ ( 史級 ) 知らぬ国に吹き寄せられて ( 竹取 ) 抜かんどするに、大方抜かれず ( 徒然 ) いづれの船にか柬らるべき ( 大鏡 ) 九一四
しき糸のーー・りたる、合はせ繰 ( ぐ ) りたる」〈枕草子・心ゅ 【懇】 ( 「ねもころ」の変化した形。平安時例「これほどの剛 ( の者をーー・・う失はんこと情けなかるべ ねんごろ ろくもの〉訳 ( 気がせいせいするもの ) きちんとした糸の柔らかく 代には「ねむ一」ろ」とも ) 〔形動ナリ〕①真し」〈保元・中・ = 〉訳これほどの勇猛な武士を考えもなしに ねしたのを、より合わせて引き出したの。 心をこめるようす。また、心をこまかく遣うようす。熱心であ殺すことは残念なことであろう。 ②こねて粘らせる。こねまぜる。例「泥にーー・られたる魚のる。ていねいである。例「狩 ( はーー・にもせで、酒をのみ②残念である。くやしい。例「これを射も殺し、斬 ( き ) りも ことくにて」〈太平記・一〈・三〉訳 ( 五尺ほど積もった雪に足飲みつつ、やまと歌にかかれりけり」〈伊勢・〈一一〉訳鷹 2 狩り殺したらんは、無下 ( 恥 ) にーー・かるべし。生け捕りにせん」 をとられて ) 泥にこねませられた魚のようであって。 の方は熱心にはしないで、酒ばかり飲みながら、和歌を詠む〈平家・六・祇園女御〉訳 ( 狸か狐騁であろう ) この化け ねーろ【嶺ろ】〔名〕 ( 上代東国方言。「ろ」は接尾語 ) 峰。ことにとりかかっていた。 物を射殺したり、斬り殺したりするのは、大変に悔やまれる 山の頂上。例「筑波嶺 ( ) のーーに霞 ( ) ゐ過ぎかてに②親切なようす。また、親密なようす。好意を持っている。であうつ。生け捕りにしよう。 息づく君を率 ( る ) 寝てやらさね」〈万葉・一四・三三〈◇訳筑親しい。例「ーー・に相 ( じ語らひける友だちのもとに」〈伊 3 思いがけない。意外である。例「 , ー・う早かった」〈狂 波山の峰に霞がかかって動かないように、 ( あなたの側を ) 勢・一六〉訳親しく交際していた友人のところに。 言・末広がり〉訳 ( 来るのが ) 意外に早かった。 通り過ぎかねて嘆くあのお方を、一緒に寝て帰しておやりな 3 信じきっているようす。心の底からいちすである。例「世ねんーぶつ【念仏】〔名・自サ変〕 ( 仏教語 ) 心に仏の相好 俗の虚言 ( ) をーー・に信じたるもをこがましく」〈徒然草・ (= 顔カタチ ) や功徳を思い描いたり、仏の名を唱えたり ねん【念】〔名〕①考え。思慮。例「死におもむかざる程は、セ三〉訳世間の人の言ううそを心からいちすに信じているのもして、仏を念ずること。また、特に「南無阿弥陀仏み」の 常住平生のー、に習ひて」〈徒然草・ = 四一〉訳死に直面しばからしく。 六字の名号うを唱えること。例「法師ばらの一一、三人 ないうちは、いつまでも変わらす生きてゆけるという考えに慣日〔名・自サ変〕 ( 近世の用法 ) 男女が親しくすること。特 ( じ、物語しつつ、わざとの声立てぬーーぞする」〈源氏・ れ切って ( 結局は仏道修行をせすに生涯を終わるものだ ) 。 に、肉体関係があること。例「これの小万がーー・する馬方タ顔〉訳法師達が一一、三人で、話などをしながら、ことさ ②念を入れること。注意すること。 の与作めは、博奕 (äく ) 打ちの大将ちゃ」〈近松・丹波与らには声をたてない念仏をしている。 ① ( 仏教語 ) 一瞬間。例「何 9 ぞ、ただ今の一ー・にお作待夜の小室節・中〉訳こちらの小万が新しくなじんでい いて、ただちにすることのはなはだ難 ( 2 ) き」〈徒然草・九 = 〉る馬方の与作というやつは、博奕打ちの親方だ。 る・ 2 ・ ) 心をこめ 訳どうして、この現在の一瞬において、すぐ実行することがねんじーい・る【念じ入る】〔自ラ四〕 ~ ら ( こんなに ) ひどく困難なのか。 て祈る。一心に祈願する。例「額 ( ) に手を当ててーー ねんーき【年季・年期】〔名〕①奉公する約束の年限。契りてをり」〈源氏・玉鬘〉訳額に手を当てて心をこめて祈り 約によって定めた奉公の期間。例「まだーーをも長いとやながら座っている。 ら、よい客見立て」〈歌舞伎・小袖曽我薊色縫・一・四〉訳ねんーじゅ【念誦】〔名・自サ変〕 ( 仏教語。「ねんす」とも ) まだ ( 遊女奉公の ) 年季も長く残っているようだから、よい 心に仏を念じ、ロに経文・仏名を唱えること。例「住み荒 客を見つけて ( 身請けされて、親孝行しなさい ) 。 らしたる僧坊に、 , ーの声しけり」〈平家・一 0 ・横笛〉訳 ② ( 「年季奉公 ( ) 」の略 ) 一定の期間奉公すること。普 ( 手入れをしないので ) 住むままに荒れはてた僧坊に、念誦を 通、十年とされる。例「あれは久しくーーに置きましたが、する声が聞こえた。 相応な縁がございましたから」〈浮世風呂・三・上〉訳あのねんーず【念誦】〔名・自サ変〕↓ねんじゅ ・ ) ①心の中で祈る。 娘は長いこと年季奉公に出していましたが、よい【」縁がこざねん・す【念ず】〔他サ変〕 ~ にー いましたので ( 嫁にやりました ) 。 祈念する。例「心のうちに仏を , ー・じ給ひて」〈源氏・タ ねんーぐ【年貢】〔名〕農民が国衙 (= 国庁 ) や領主に毎顔〉訳心中で仏に祈願なさって。 年納める税。多く米を納める。例「おほやけの御調物 ( ②我慢する。こらえる。例「行く先長く見えむと思はば、 っ の ) をも奉らず。私のーーも上らねば」〈平家・〈・法住寺合っらきことありとも、 ・じてなのめに思ひなりて」〈源氏・ ん戦〉訳 ( 戦乱のため ) 朝廷への貢ぎ物も送「てこない。 ( ま帚木〉訳将来も長く私と連れ添うつもりなら、つらいこと ねた貴族の受け取る ) 私的な年貢も上納されないので ( 都のがあっても、我慢していい加減にあきらめて。 人々は餓死寸前の有様であった ) 。 ねんーな・し【念無し】〔形ク〕①考えがない。考慮しない。 念 し
・してむ。子どもの心見るに、はらから思ひせず、女どち 響とする。一四二一年 ( 応永一一十八 ) 5 一五〇一一年 ( 文ー・する程の山風の、響きおもしろく」〈源氏・少女〉訳 じ亀一 l) 。宗砌、心敬らに連歌を、一条兼良に古楽の船どもが池を漕ぎめぐり、調子などを演奏するちょうどの中にもうとうとしくあめれば」〈落窪・四〉訳 ( 私が ) 生きて いる時に遺産の分配をしてしまおう。子供達の性質をみる う典を学び、飛鳥井雅親蠶に和歌を学ぶ。全国を行脚その時吹きおろす山風が、響きもおもしろく。匿「調子」ハ のに、兄弟仲よくなくて、姉妹同士でも疎遠にしているっ して各地に連歌を広め、関白一条冬良の命により連歌舞楽ャ管弦ノ最初一一奏スル一種ノ曲。 集「新撰菟玖波集』を選進した。連歌集『竹林抄』、連要京①は「言ふ」の謙譲語。同種の語に「啓す」があるが、だから ( 恨み合うことにもなるだろう ) 。 これは相手が皇后・中宮あるいは春宮 (= 皇太子 ) に限そうばう【僧坊・僧房】〔名〕↓そうばう 歌論『吾妻問答』などがある。新撰菟玖波集 ( 教っ ) 定される。 そうーもん【総門・惣門】〔名〕①邸宅などの外郭にある最 そうじ【障子・精進】〔名〕↓さうじ も大がかりな正面の門。総構えの大門。「大門 ( ) 」と そうす【僧都】〔名〕そうづ ぞうしき【雑色】〔名〕↓ざふしき も。 そうじーて【総じて・惣じて】〔副〕①すべて。全部で。そうぞうし〔形シク〕↓さうざうし ②江戸時代、特に江戸の遊里、根津遊廓の入り口の 例「妹の祇女 ( 璧 ) をも相具しけり。そのほか白拍子範 ) そうぞく【装束】〔名〕↓さうぞく う。例「ー・の内で羽のきく杢 @ のかみ」〈川柳・柳多 一一人に ) 、ーー四人に ) 、一つ車に取り乗って」〈平家・そうぞく【装束く】〔動〕↓さうぞく 一・祇王〉訳 ( 祇王は ) 妹の祇女をも連れていった。そのほかぞうーちゃう【増長】受〔名・自サ変〕 ( 仏教語 ) 増大留・五〉訳根津遊廓の大門の中では羽ぶりがきくのは、大 成長すること。広がり栄えること。はなはだしくなること。例工の棟梁りである。根津遊廓ハ大工ャ職人ノ客ガ 白拍子一一人、合計四人、一つの車に乗り込んで。 ②一般に。大体。およそ。例「ー・主兊ゅ ) といふものは、「才能は煩悩 ( 既 ) のー・・せるなり」〈徒然草・三◇訳才多カッタ。 そうーもん【奏聞】〔名・自サ変〕天皇・上皇に申し上げる 機嫌のよい時もあり、また悪 ( あ ) しい時もあるものちゃ」〈狂能というものは人間の迷いが増大成長したものである。 ・せらるべ 言・末広がり〉訳だいたい主人というものは、気分のよい時日〔名〕 ( 仏教語。「増長天 ( 」の略 ) 四天王の一人。須こと。奏上。例「御気色 ( ) をうかがひ、 し」〈保元・上・七〉訳 ( 崇徳けと上皇の ) 【」機嫌をうかがっ 弥山みの中腹に住み、南方を守護する神。 もあるし、また悪い時もあるものだ。 そうーづ【僧都〔名〕「僧綱 ( 翳 ) 」の一つ。朝廷から任命て、 ( この事を ) 是非申し上げて下さい。 そうじみ【正身】〔名〕さうじみ そうーじゃう【僧正】〔名〕「僧綱 ( ) 」の一つ。朝廷かされる僧官で、僧正に次ぐもの。また、その人。後世では、そうーらん【奏覧】〔名・他サ変〕上奏して【」覧に入れるこ ら任命される僧官の最高位。また、その人。推古天皇一一一単に各宗派で僧階を示す称号となった。例「これなむ、なと。天皇にお見せすること。 十二年 ( 六 = 四 ) に初めて置かれた時は一人であったが、後ににが -)- ーの、この一一年 ( ) 籠 ( しり侍るかたに侍りける」そうーりゃう【総領・惣領】 , リ目〔名〕①上代の地方官 は大僧正・正僧正・権に僧正の三階級に分かれ、員数〈源氏・若紫〉訳ここが、あの何々の僧都が、この一一年の名。地方行政上重要な地域に置かれ、数か国の行政を 管轄する職。筑紫買・吉備周防叮・伊予どに置かれ も十余人にふえた。後世では、単に各宗派で僧階を示す間こもっております所で【」ざいますよ。 そうーっいぶし【総追捕使・惣追捕使】〔名〕 ( 古くは「そた。 称号となった。 【人名〕平安前期の歌人。六うづいぶし」「そうづいふし」とも ) ①平安時代、一国または②鎌倉時代の「総領地頭 ( ) 」の略。数郡ないしは数 僧正遍昭 ( う ) 2 数国の治安維持・警護のために、朝廷が任命した役人。か国の地域内の小地頭を統轄する職名。「総地頭 歌仙の一人。桓武天皇の孫。俗名は良岑宗貞の ( ぢ ) 」とも。 紀貫之わが「歌のさまは得たれどもまこと少なし」〈古今・「追捕使 ( ) 」が常置されるようになってからの称。 ①家の所領を受けて名跡うを継ぐ者。嗣子い。嫡子 ②源頼朝が文治元年 ( 一一会 ) 十一月に奏上して、諸国・ 仮名序〉と評する【」とく、その歌は軽妙さに特徴がある。 ちゃ 0 くし 『古今和歌集』以下の勅撰集に入集。家集に『遍昭集」郡なとの治安維持・警備・守護のために置いた職。後に 0 長男または長女の称。一番上の子供。例「されば今ま 「守護」と改称。また、その任命権者・統率者。 がある。 3 中世初期、伊勢神宮・鹿島神宮など社寺の領地・荘ではーーどのに隠居し給へども、二男 ( ) の家を持たれけれ そうじん【精進】〔名〕さうじん ば、また気を替 ( か ) へてそこへの隠居の望み」〈西鶴・世間 ・〉① ( 天皇また園で、警察・軍事をつかさどった職。 【奏す】〔他サ変〕 ~ ル・する そう・す・ は上皇に対して ) 申し上ける。例「あはれなりそうーばう【僧坊・僧房】 % 〔名〕僧や尼が日常生活をす胸算用・四・一〉訳だから ( 旦那様は ) 今までは長男様の所 に隠居しておられたが、【」次男が分家されたので、また気持 やつること、忍びやかにー : す」〈源氏・桐壺〉訳 ( 亡き桐壺る寺院付属の建物。 ちが変わってそこへ隠居したいとの望み。 更衣の里から帰った命婦は、桐壺帝に対して ) しみそうび【薔薇】〔名〕さうび そうーぶん【処分】〔名・自サ変〕 ( 「そぶん」とも ) 遺産を分日〔名・他サ変〕全部を受け継いで領有すること。例「さて そじみとした感じだったことを、ひそやかに申し上げる。 ②演奏する。例「楽 @ の舟ども漕 ( こ ) ぎまひて、調子どけあたえること。また、その遺産。分配。例「生ける時鎌倉は将軍が跡をば母堂の一一位 (ä) の尼 , ー・して」
まちに前世からの報いを打ち消して必す富を得るであろう。 日〔名〕鎌倉・室町幕府の職名。国ごとに配置され、治安た。 ・ ) 修める。身につけ よしゆくーしょ【宿所】〔名〕①宿泊する所。例「あれはたが維持に当たる。守護職。例「諸国に・ーを置き、庄園にしゅ・す【修す】〔他サ変〕 ~ に・する し家ぞ、これは何者がーーぞ」〈平家・〈・鼓判官〉訳あれは地頭と ) を補 (*) せらる」〈平家・一 = ・吉田大納言沙汰〉る。行う。例「『称名瓮 ) を追福 ( ) にーー・して巨益 誰の家か、これは何者の宿泊所か。 訳 ( 頼朝は ) 諸国に ( 幕府の役人の ) 守護を置き、 ( 私有 ()! や ) あるべし」と説ける経文」〈徒然草・ = 一三〉訳「念仏を ゅ 追善供養のために行って大きな御利益新がきっとあるはす ②住居。住まい。例「俊成卿 ( い ) のーーにおはして見地の ) 庄園には ( 同じく ) 地頭を任命なさる。 だ」と説く経文。 給へば、門戸を閉ちて開かす」〈平家・七・忠度都落〉訳 ( 平忠度が ) 俊成卿の住居にいらっしやってこ覧になる参考ニは、源頼朝が、文治元年 ( 一一会 ) に「地頭」じゅーず【数珠】〔名〕 ( 「ずず」とも ) 仏を拝んだり、念仏や陀 と、門戸を閉じて開けない。囲忠度ガ歌ノ大家ノ藤原俊とともに置いたのに始まり、初め、「総追捕使 ( じ」羅尼を唱える時に持っ仏具で、玉を糸で通して輪にした もの。数をかぞえる時に用いることもある。玉は、ムクロジの と呼ばれた。南北朝時代以後は守護大名と呼ばれ、 成ニ、自分ノ歌集ヲ託シニ来タ場面。 種・さんこ・水晶などで作り、その数は、本来は煩悩の数を しゅーげん【修験】〔名〕 ( 「修」は身につける、「験」は祈った数国を領有するものも現れた。 表す百八個であるが、宗派により異なる。 ききめの意 ) ①山野で修行して、祈疇健とのききめを現す法 力を身につけること。例「ーーを好みて、もろもろの山を廻しゅーしゃう【主上】〔名〕 ( 近世からは「しゅじゃう」とじゅーすい【入水】〔名・自サ変〕死ぬために水中に入るこ ( 2 ) り海を渡りて、難行苦行す」〈今昔・一七・一◇訳 ( 阿も ) その時の天皇をいう語。おかみ。今上じ。「うへ」とも。と。身投げ。例「那智 ) の奥 ( 2 ) にてーー・す」〈平家・ 清煢という僧は ) 霊験を現す修行を好み、多くの山や海を例「神璽 ( いん ) を脇 ) にはさみ、宝剣を腰に差し、ー・を一 0 ・維盛入水〉訳 ( 平維盛は ) 那智 (= 和歌山県東牟 回って、身を苦しめる修行をした。 抱 ) き奉 ( 警 ) って」〈平家・一一・先帝身投〉訳 ( 平清盛婁シ郡那智勝浦町 ) の沖で水に入って死ぬ。 の妻の一一位の尼は三種の神器の一つである ) 曲玉を脇にじゅーぜん【受禅】〔名・自サ変〕 ( 「禅」は、天子が位を譲 ②「修験道 ) 」の略。 ①修験者 ) 」の略。 はさみ、宝剣を腰に差し、 ( 安徳 ) 天皇をお抱き申し上げること ) 譲られて、天皇の位につくこと。例「にはかに親王 例「僧坊棟を並べ、 磁いんて。注源氏 = 追ィッメラレ、一一位ノ尼ガ幼イ安徳天皇トの宣旨 ( ) 下されて、やがてその夜 , ーありしかば」〈平家・ 一・額打論〉訳三条天皇の病気が重くなり、わずか一一歳 げ共ニ海ニ身ヲ投ゲル場面。 ーー行法 ( う ) を励まし」 〈奥の細道・出羽三山〉 ゅしゅーじゃう【衆生】〔名〕 ( 仏教語。「すじゃう」とも ) すの皇子に ) 急に親王とする仰せが下されて、すぐにその夜譲 べての生き物。特に、すべての人間。例「三世のん ) の諸位を受け天皇の位につかれたので。 訳 ( 羽黒山では ) 僧の住、 む建物が棟を並べ、山伏 仏は、一切 (Æ) ーーを一子 ( いっ ) のことくに思 @ し召しじゅーだい【入内】〔名・自サ変〕 ( 内裏に入る意 ) 皇后・ 達が仏法の修行に励み。 て」〈平家・一 0 ・維盛入水〉訳過去・現在・未来の三世の中宮・女御などに決まった女性が、正式の儀式によって しゅげんーじゃ【修験者】〔名〕「修験道 ( れ ) 」を修行す諸仏は、あらゆる生き物を我が子のようにお思いになって。宮中に入ること。例「御ーーの後は、麗景殿藩 ) にぞま る者。長髪に、兜巾垰をかぶり、篠懸を着て、脛巾しゅーしよう【殊勝】〔名・形動ナリ〕①特にすぐれているよしましける」〈平家・一・一一代后〉訳皇后として宮中に入ら をはき、笈を背負い、金剛杖に・法螺貝鶸などを持つ。うす。例「元良 ( ) 親王、元日 ( ん ) の奏賀の声、はなれてからは、麗景殿にお住まいになられた。 はだーー 山野で修行するので山伏ともいう。 ・にして」〈徒然草・一一 = = 〉訳元良親王は、元日のしゆっーぎよ【出御】〔名〕 ( 「御」は天子に関することを しゅげんーだう【修験道】ウド〔名〕山野での苦行により、お祝いを奏上する声が、大層立派で。匯元良親王ノ声表す接尾語 ) 天皇・皇后などがお出ましになること。↓じゅ ぎよ例「夜は南殿 ( ) にー・なって、月の光を御覧じて 加持・祈で霊験を現す法力を身につけようとする、ガ、遠クマデ通ッタコトヲイウ。 仏教の一派。密教に山岳信仰を加えたもので、奈良時代② ( すぐれていて ) 神秘的なようす。こうこうしいようす。例ぞ慰ませ給ひける」〈平家・六・小督〉 ( 高倉天皇は ) 夜 の役小角駸 : を開祖と称する。天台宗寺門派の聖護院「いかに殿ばら、ーーのことは御覧じとがめすや」〈徒然草・は紫宸殿んにお出ましになって、月の光を【」覧になって心 しにを中心とする本山派は和歌山県熊野三山を修行の地 = 三六〉訳なんと皆さん、 ( 背中合わせの狛犬の ) ありがたを慰めていらっしやった。 わとし、真言宗醍醐寺の三宝院を中心とする当山派はい姿にお目がとまりませんか。 しゆっーくわい【述懐】イカ〔名・自サ変〕 ( 近世からは「じゅ 奈良県大峰山で修行する。 感心なようす。けなげなようす。例「さすがに辺土の遺風つくわい」 ) ①心中の思いを述べること。例「ーーの和歌一 ・に覚えらる」〈奥の細道・末の松首詠うでこそ、昇殿をば許されけれ」〈平家・四・鵁〉訳 ( 源 っしゅ・ご【守護】〔名・他サ変〕守ること。警護。例「近忘れざるものから、 しう候ひてーーっかまつれ」〈平家人・法住寺合戦〉訳近く山〉訳 ( 奥浄瑠璃は、やかましいが ) やはり片田舎に頼政は ) 思いを述べた和歌一首を詠んで、清涼殿へ上 にいて ( 我々を ) 護衛いたせ。 残る伝統を忘れすに伝えているので、感心なものに思われることを許された (= 殿上人 2 ョニナッタ ) 。 四一五
一見出し語の立て方 見出し語の表記は歴史的仮名づかいによった。和語 ( 日 本固有の語 ) ・漢語 ( 中国から伝わった語 ) ・梵語 ( 古代 インドの仏教語 ) は平仮名、西欧からの外来語は片仮名 ( 「メリャス」の一語のみ ) で示した。 〈例〉きぎし【雉子】 きーしん【寄進】 メリャス【莫大小】 地名・人名・書名などの固有名詞は漢字で示した。 〈例〉象潟 ( ) 【地名〕 紀貫之芻 ) 【人名〕 去来抄曾〔書名〕 子見出しは、親見出しのあとに、漢字平仮名まじり、 一字下げで、かかげた。 方 〈例〉君が代 ( よ ) : : : きみ【君】の子見出し の 2 語の基本構成 ( 語構成 ) については、その最終構成段階 典 を「ー」で区切って示した。 辞 の 〈例〉しーうん【紫雲】 こ この辞典の使い方 二配列のし方 見出し語は、仮名見出しの五十音順に配列した。 濁音・半濁音は清音の後に、拗音・促音は直音の後に、 配列した。 3 仮名見出しが同じ場合には、次の品詞の順に配列した。 名詞・代名詞・動詞・形容詞・形容動詞・ 副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助動詞・ 助詞・接頭語・接尾語・連語・枕詞 4 仮名見出しも品詞も同じ場合には、漢字表記の画数の少 すみーぞめ【墨染め】 3 動詞・形容詞は原則として終止形をあげ、語幹と語尾と の間を、「・」で区切った。 〈例〉かか・ふ【抱ふ】 けしきーだ・つ【気色立っ】 しげ・し【繁し】 語構成の区切りと語幹と語尾の区切りとが一致する場 ・」だけで示した。 合には、その区切りは「 〈例〉ねん・ず【念ず】 形容動詞・サ変の漢語動詞は、語幹だけを示した。 〈例〉きょーら【清ら】〔形動ナリ〕 きーえ【帰依】〔名・自サ変〕 五
「ざんけ」 ) ① ( 仏教語 ) 過去に犯した罪を仏の前などで告うを指すことが多いが、本来は高僧を敬っていう普通名両所権現、那智勝浦町の飛滝権現の三社。 さんす〔助動サ変型〕 ( 近世上方の女性語。「しゃんす」 ん白し、悔い改めること。例「速やかにその所に参り給ひて、詞。 その罪をー・・し給へ」〈今昔・一一一・ = 七〉訳すぐにその場所に三冊子 ( 被ぎ ) ウ〔書名〕江戸中期の俳論書。三冊。服の変化した形 ) 腰動詞の未然形 ( カ変動詞は連用 ん 部土芳著。一七〇二年 ( 元禄十五 ) に成立。芭蕉の談形 ) に付く。 お行きになって、その罪を告白し悔い改めなさい。 ② ( 転じて ) 心の中を打ち明けること。包み隠さすに話すこ話を俳論的に系統立てたもの。第一部「白双紙」は俳諧 2 【尊敬丁寧】「しゃんす」に同じ。例「くくみ水でなと洗う てあげさんせ」〈東海道中膝栗毛人・中〉訳 ( こほれたお と。例「おのれおのれが心に望むことをー : せよ」〈咄本・ 2 史・概論を述べる。第二部「赤双紙」は不易流行・ 風雅の誠・軽みを論じる。第三部「忘水響れ (= 黒双紙 ) 」酒を ) 含み水 (= ロニ含ンダ水ヲ霧ノョウニ吹キカケル ) でな 醒睡笑・七〉訳各自が心に望んでいることを打ち明けよ。 は作句作法・修養について記している。↓服部土芳りと洗ってあげなさいませ。 ざんーげん【讒言】〔名・他サ変〕人をおとしいれるために、 はっとり 考もとは遊女の用いた遊里語であったが、元禄年間頃 事実を偽り、悪く告げること。中傷。告けロ。 だいじよう だいじん ・左大臣・右大さんーざうら・ふ【さん候ふ】。【連語〕 ( 副詞「さ」にからは一般の女性も使うようになった。 さんーこう【三公】〔名〕太政大臣 ゼ・じず冫る・ ) ( 「行く」の謙譲 「なり」の連用形「に」が付き、「あり」の丁寧語「候ふ」の付さん・す【参ず】〔自サ変〕 ~ ー義よ 臣の総称。のちには、左大臣・右大臣・内大臣。 さんーこう【参候】〔名・自サ変〕身分の高い人のもとに参いた「さに候ふ」の変化した形 ) かしこまって肯定の答えをす語 ) 参上する。参る。例「ーー・せむとするを、今日明日の 上して、控えていること。例「忠盛に知られすして、ひそかる時に用いる語。さようでこざいます。例「『汝ん ) は花方御物忌みにてなむ」〈枕草子・故殿の御服のころ〉訳内裏 に , ーの条」〈平家・一・殿上闇討〉訳 ( 家来の者が ) 忠盛か』ー・ふ』」〈平家・一 0 ・請文〉訳「お前は花方 (= 人に参上いたそうと思うのですが、今日明日は ( 帝の ) 物忌み でありますので。 (= コノ私 ) に知らせないようにして、こっそり参上しておりま名 ) か」「さようで【」ざいます」 ・ ) 〔自サ変〕①四方に散り した点は。 さんーざん【三山】〔名〕① ( 「大和いま三山」の意 ) 香具さん・す【散ず】 ~ にー 失うせる。なくなる。例「これによって宮の御憤 ( 疆 ) りも さんーごく【三国】〔名〕日本・唐日中国 ) ・天竺 (= イ山・畝傍 % 山・耳成山。 ・じけるにや」〈太平記・一 = ・一〉訳この事によって宮 ンド ) の三か国。 ② ( 「熊野三山」の意 ) 熊野本宮・熊野新宮・熊野那智 (= 大塔宮 ) のお怒りもなくなったのだろうか。 要点昔の人にとって、三国が空間意識の広がりを示し、の三つの大社。 逃げ失うせる。退散する。例「尻切 ( ) も履 ( は ) きあへ 全世界という意識で用いられた。世界一、天下第一の意 3 ( 「出羽一山」の意 ) 月山・湯殿 : ど山・羽黒山。 味で「三国一」という。 さんーざん【散散】〔形動ナリ〕・ちりちりのようす。ばらばらず、逃けて車に乗りて , ー・じて」〈今昔・ = 四・六〉訳かかとの さん・ごふ【三業】 % 〔名〕 ( 仏教語 ) 身・ロく・意の働き。である。例「しばし支へて防ぎけれども、東国の大勢皆渡都分のない草履も履かずに、逃けるように車に乗って退散 いて攻めければ、 ーー・に駆けなされ」〈平家・九・宇治川先して。 身体の動作、ロで言うこと、心で思うことで、後の報いの 因となる人間のすべての行為をいう。例「ーーを調へて、六陣〉訳 ( 木曽方の軍勢は ) しばらくは持ちこたえて防いだ日〔他サ変〕散り散りにさせる。散らす。なくす。例「偏 、 ) に、同心 ( 翳 ) の行者 ( う ) の不審をーー・ぜんがためな 根に犯すところなし」〈今昔・一七・四一〉訳身・ロ・意の働きが、東国の大軍が皆 ( 宇治川を ) 渡って攻めて来たので、 り」〈歎異抄〉訳ただただ、念仏の道に志を同じくする を正しくして、六根すべてにおいて罪を犯すことがない。散り散りに追い散らされて。 「六根」ハ煩悩ノモトトナル目・耳・鼻・舌・身・意ノ六ッノ ②はなはだしいようす。激しい。例「射残したる八筋の矢を方々の疑問をなくそうとするためである。 さしつめ引きつめーー・に射る」〈平家・九・木曽最期〉訳さんーぜ【三世】〔名〕① ( 仏教語 ) 過去・現在・未来。ま 感覚器官。 さんーざう【三蔵】ウゾ〔名〕①上代、朝廷にあった三つの ( 今井四郎は ) 射残してあった八本の矢をつがえては引きった、前世・現世・来世の三つの世。例「悪心を捨てて 善心を発 @ しまさんこと、ーーの諸仏もさだめて随喜し給 がえては引きと激しく射る。 蔵。内蔵・斎蔵・大蔵。 ② ( 仏教語 ) 三種類に分類した仏教の聖典。経蔵 (= 説①見苦しいようす。ひどい。例「袴 ( ) の裏うへを荒らかふべし」〈平家・一 0 ・戒文〉訳悪い心を捨ててよい心をおこ 法集 ) ・律蔵 (= 戒律集 ) ・論蔵 (= 経典ノ解説集 ) の総に取りて、むすむすと引き広けられて、美しき装束ーー・になされることは、過去・現在・末来の仏様もきっとお喜びにな 称。 りにけり」〈古今著聞集・興言利ロ〉訳袴の前後を乱暴るでしよう。 ② ( 親子の縁を一世、夫婦を二世、主従を三世のつなが につかんで、むすむずと引き広けられて、美しい衣装がひどい 3 ②に深く通じている高僧。例「優に情けありけるーふ りとすることから ) 主従の関係。「ーーの縁」 r- ー・の恩」「 , ー・ な」〈徒然草人四〉訳やさしく人間味のある三蔵 (= 法顕さまになってしまった。 碆一蔵ノコト ) だな。 三所権現 ( ) 〔神社名〕和歌山県熊野にまつられる一一一の契り」など。 要点「西遊記あ流布により、三蔵法師と言えば玄奘既か所の権現の総称。本宮町の熊野権現、新宮市のさん・せき【三蹟】〔名〕平安時代中期の三人の書道の達 三七七 さんせき ②
不平・不満を述べること。愚痴。例「事新しき申しも、末法の世で乱れている時代には、南無阿弥陀仏 ② 参考尊敬語を用いて、「みずほふ」「みしほ」ともいう。 状、ーーに似たりといへども」〈平家・一一・腰越〉訳今改めと唱えるのをすぐれた方法としている。 目的により、敵を退ける「降伏法」、病気を治す って申し上げたこのお願いは、愚痴に似ていますが。 しゅーと【衆徒】〔名〕 ( 「しゅうと」とも ) 大きな寺で修行する しゆっーけ【出家】〔名・自サ変〕 ( 仏教語。「すけ」とも ) こ下級の僧。平安時代中期以降は、武芸を身につけ僧兵「息災法」、愛情を得る「敬愛法」などがある。『平家 し の世間での生活を離れて、仏門に入ること。また、その人。となる。「大衆 ( ) 」「堂衆 ( 騎 ) 」とも。特に、興福寺物語』には、建礼門院の出産に際して、あらゆる大 法・秘法を修したとし、孔雀経の法・七仏薬師の しゆっーし【出仕】〔名・自サ変〕①民間から出て、官に仕 (= 奈良市 ) のそれが有名。 えること。仕官。出身。 しゅーび【首尾】〔名〕①始めと終わり、または、始めから終法・金剛童子の法などを例示している。 ②勤めに出ること。出勤。例「官加階 ) したる者の、わりまで。例「太夫 ( ) ただ今のーーを語れば」〈西鶴・好 直垂 ( ) でーー・せんこと、あるべうもなかりけり」〈平家・色一代男・五・一〉訳 ( 吉野 ) 太夫が今の ( 出来事の ) 一部しゆみーせん【須弥山】〔名〕 ( 仏教語。「しゆみ」は梵語の 音写、意訳は「妙高」。「すみせん」とも ) 世界の中央にある 〈・猫間〉訳官位を得た者が、 ( 武士の平服の ) 直垂で始終を語ると。 ②始めからの経過や結果。なりゆき。例「連れ添ふ男憎みという高山。高さは八万由旬 (= 一由旬ハ四十里 ) 、頂 ( 御所にしへ ) 勤めに出ることは、とんでもないことであった。 特定の席に出ること。例「ーー・して饗膳 ( う ) などにつして家出をせし、そのーー悪 ( あ ) しきことあり」〈西鶴・好色上に帝釈天いや、中腹に四天王が住み、日や月はこの中 く時も、皆人の前据 ( す ) ゑわたすを待たす」〈徒然草・六 0 〉一代男・四・一〉訳連れ添っていた夫を嫌って家出をしたが、腹の周囲を回るという。この山を七つの香海と七つの金の 山が取り巻き、この外の海の四方に四大州があり、人間は 訳 ( 盛親う僧都は ) 法事の席などに出てごちそうの膳などその結果がうまくなかった。 につく時も、全員の前に並べるのを待たすに ( 自分だけ食べ①事情。都合。具合。例「内方 ( ) のーーを知らねば、南方の瞻部州 (= 閻浮提プトモ ) に住むとする。 便宜 ) もならす」〈近松・曽根崎心中・上〉訳お宅いのしゅーら【修羅】〔名〕 ( 仏教語 ) 「阿修羅 ( ) 」の略。あ しゆら例「ーーの闘諍 ( じ ) 、帝釈 ( し ) の諍ら ) ひ しゆっーたい【出来】〔名・自サ変〕 ( 「しゆっらい」の変化し事情がわからないので、便りもできない。 た形 ) ①出て来ること。事件が起こること。例「さても不 0 つまく事を運ぶこと。例「せつかく目見 (2) えをしても、も、かくやとこそ覚 (#) えさぶらひしか」〈平家・灌頂・六道 ーーせざれば」〈西鶴・好色一代女・一・三〉訳 ( 奉公人を世之沙汰〉訳 ( 一門の人が鎧 1 ろ・甲を着け、毎日合戦の 思議なることのーー・してあるよな」〈謡曲・親任〉訳それに 話して ) せつかく面接をしても、うまく契約が成立しないと。叫びが続いたさまは ) あの阿修羅王の闘争、 ( それを撃っ ) しても意外なことが起こったものだなあ。 ①よい機会。例「吉三郎殿にあふべきーー今宵ならではと帝釈天の戦いも、こんなかと思われました。 ②できあがること。完成。 じゅっーな・し【術なし】〔形ク〕どうにも方法がなくて困思ふ下心ありて」〈西鶴・好色五人女・四・ = 〉訳 ( お七は ) しゆらーだう【修羅道】ウド〔名〕 ( 仏教語。「阿修羅道 だう ) 」の略 ) 「六道 ( ) 」の一つ。「阿修羅」の住む世界。ね る。どうしようもなくて苦しい。例「われら飢ゑ疲れてーー 吉三郎殿に会うことのできる機会は今晩を逃したら ( もうなゆら たみ、憎しみの心が盛んで、常に帝釈天いやと戦う苦しみ い ) と内心思って。 し。まづ命を助けよ」〈今昔・四・一五〉訳我々は腹がヘり疲れ てどうしようもなくつらい。何はともあれ命を助けてくれ。しゅーひっ【執筆】〔名〕 ( 筆を執とる意 ) 記録する役。書を受ける。 記。「右筆 ( ) 」「物書き」とも。例「平家の思ひ忘れかしゅーり【修理】〔名・他サ変〕 ( 「すり」とも ) 修繕すること。 要園上代から「すべなし」が用いられていたが、平安や、ーーの誤りか」〈平家・三・足摺〉訳 ( 赦文しの中に俊しゅうり。例「物は破れたる所ばかりをーー・して用ゐること 寛の名がないのは ) 平家が忘れたのか、 ( それとも ) 書記の書ぞ」〈徒然草・一〈四〉訳品物は破損した所だけを修理して 時代から「術」の字音による「じゅっなし」が発生した。 用いるものだ。 き誤りか。 ただし、平安時代には、「すちなし」の形が多い。「じゅ つなし」「すちなし」が会話に用いられるのに対して、「すしゅ・ほふ【修法】ウホ〔名〕 ( 仏教語。「すほふ」「すほふ」としゆりーしき【修理職】〔名〕 ( 「すりしき」とも ) 平安時代 ん も ) 密教で、国家や個人のために加持・祈する儀式。以降、木工寮りとともに、内裏や官衙・官寺の修理・ べなし」は文章語として用いる。すべなし要点 で 護摩壇を設け、本尊を安置し、手に印いを結び、真一一 = ロ保繕や造営にあたった役所。長官を大夫という。 よしゆっーり【出離】〔名・自サ変〕 ( 仏教語 ) 迷いの境地をを唱えたりして行う。例「護摩 (\) の煙 ( ) 御所中に満じゅーりゃう【受領】〔名〕↓すりゃう 離れて、悟りの境地に入ること。仏門に入ること。例ち、鈴朝の音雲を響かし、ーーの声身の毛よだって」〈平じゅんーえん【順縁】〔名〕 ( 仏教語。順当な縁の意 ) 善い ん まつぼふぢ よくらん 「ーーの道まちまちなりといへども、末法濁乱 ( ) の機家・三・御産〉訳 ( 建礼門院の安産の祈禳で ) 護摩の煙行いが仏道に入るきっかけになること。↑ぎやくえん ゅ には、称名兊錯 ) をもってすぐれたりとす」〈平家・一 0 ・戒は御所の中に満ち、 ( 高僧が振る ) 鈴の音は宮中に響き、しゅんきようーでん【春興殿】〔名〕 ( 「しゅんこうでん」と し も ) 内裏の建物の一つ。紫宸殿んの東南、宜陽殿 文〉訳迷いの境地を離れる方法はいろいろあるというけれど祈禳の声はぞっとするほどで。 3 四一六
推量 過去 完了 ナ ) 一 た ( んず ) む ( ん ) っ たらたりたりたるたれたれラ変型連用形ー存続 ( ティル・テアル ) 2 完了 ( タ ) 四段の命令 れラ変型形・サ変の 未然形 山はどどぎすいっか来鳴かむ ( 古今 ) 0 四段型未然形ー推量 ( ロウ ) 迎へに人々まうで来むす ( 竹取 ) 男はこの女をこそ得めど思ふ ( 伊努 ) ・ 2 意志 ( ウ・ショウ ) 3 勧誘 ( ナサルョウニ ) どくこそ試みさせ給はめ ( 源氏 ) 〇サ変型未然形 4 仮想・婉曲 ( トシタラ・ヨ心あらむ友もがな ( 徒然 ) ウナ ) ー推量 ( ダロウ ) 2 当然 ( ハズダ・・ヘキダ ) 3 意志 ( ッモリダ ) 終止形 4 勧誘 ( がヨイ ) ラ変型 5 可能 ( デキルダロウ ) には連 体形 ( けら ) 0 けりけるけれ 0 ラ変型連用ャ べ べからべかり ( ま ) 0 0 べらに 0 て 、ら 0 て む む め ( ん ) ( ん ) むずむずるむすれ ( んず ) ( んする ) ( んずれ ) べらなりべらなるべらなれ 0 べしべきペけれ〇ク活用 型 べかる ぬぬるぬれねナ変型連用形 っ ( 勞 ) ー伝聞的過去 ( タトサ ) 昔、男ありけり / 2 詠嘆 ( 気ガックト : ケッタョ ) 花の色は移りにけりな ( 古今 ) ・未然形「けら」は上代にの み用いる。 つるつれてよ下ニ型連用形ー完了 ( テシマウ・タ ) 2 確述・強意 ( キット・ : ス 3 継続 ( : ・タリ : る れ 推量 ( ョウ ) 風の音にぞおどろかれぬる ( 古今 ) 門よくさしてよ。雨もぞ降る ( 徒然 ) 浮きぬ沈みぬ揺られければ ( 平家 ) たち別れなば恋しかる・ヘし ( 古今 ) 御物忌 ( 1 の ) みなるに、籠 ( い ) るべけ れば ( 枕草子 ) 宇治川のまっ先渡し候ふべし ( 平家 ) これより召さむには、 カノ、の ) 」ど / 、 参る・ヘし ( 平家 ) さらに登るべきゃうなし ( 竹取 ) 月のおもしろう出てたるを見て ( 竹 吉野の里に降れる白雪 ( 古今 ) 落人 ( は ) 帰り来たれり ( 平家 ) 同じ深さに流る 三と べらなり ( 土佐 ) 九一五
す け継いで、当時有名になった。 まやかにをかしとはなけれど、なまめきたる様 C) して、貴人 んじんーりん【人倫】〔名〕 ( 「倫」は仲間・ともがらの意 ) 人 ( 費 ) と見えたり」〈源氏・帚木〉訳 ( 小君は ) 洗練され り間。人類。例「すべて、一切 ( ) の有情 ( 芻 ) を見て、慈 て美しいというわけではないが、かわいらしい様子をしていて、 悲の心なからむは、 ーーにあらす」〈徒然草・一一一◇訳大体、 高貴な人のように見えた。例「炬 ( あ ) しろくせよ」〈徒 あらゆる生き物を見て、慈悲の心を持たないような者は、人 然草・ = = 〉訳炬 (= タイマッ ) を明るくしなさい。 間ではない。 す【州・洲】〔名〕海・湖・川などで、土砂が積もって水面上④ ( 形容詞の連用形や助詞「と」「に」に付いて ) そう思って しんーわう【親王】ウノ〔名〕令制で、天皇の兄弟・姉妹・に現れた所。中州擎。 接する。扱う。みなす。例「これは故衛門の督 ( の末の 皇子・皇女などの皇族の称号。また、特に、天皇の姉妹・す【簾・簀】〔名〕竹や葦などを荒く編んだもの。すだれ。ま子にて、いと愛 (S) しくし侍りけるを」〈源氏・帚木〉訳こ 皇女を内親王、皇孫・曽皇孫などを王・女王というのにた、すのこ。例「女のもの柔らかにかき鳴らしてーあ内よりの子 (= 空蝉ノ弟ノ小君 ) は亡き衛門の督の末の子供 対し、兄弟・皇子のみをいう。奈良時代末期以降は、親聞こえたるも」〈源氏・帚木〉訳その女性がゆったりと ( 和で、 ( 衛門の督が ) とてもかわいがっておりましたが。 王宣下婆を必要とした。 琴讐を ) 弾いて ( その音が ) すだれの中から聞こえているのも。参考「愛す」「害す」「啓す」などのように漢語に付いたり、 神皇正統記 ( ) 芻リシ キ〔書名〕南北朝時代の史論要点「すだれ」の意の時は「簾」、「すのこ」の時は「簀」の字「心す」「物す」など和語の名詞に付いたりして、複合動詞 書。北畠親房の著。一三三九年 ( 延元四 ) 成立、一三をあてる。 を作る用法もある。 四三年 ( 興国四 ) 修訂。日本の建国から後村上天皇即 〉〔自サ変〕① ( ある動作・状態 〔助動四型〕 ( 上代語 ) 接統四段・サ変動詞の未 位に至る一一千年の通史によって、南朝が正統であることを 然形に付く。 などが ) ある。 ( ・ : の感じが ) する。例一「昼っ方、犬いみ 主張する。国体論・神道論を展開し、後の皇国史観に大じう鳴く声のすれば」〈枕草子・上にさぶらふ御猫は〉訳未然形連用形終止形連体形已然形命令形 きたばたけ ちかふさ きな影響を及ほした。↓北畠親房 ( 昼頃、犬がひどく鳴く声がするので。例「名を聞くより、や さ し す す せ せ しんーゐん【新院】イ〔名〕上皇が同時に一一人以上いるがて面影 ( % ) は推 ( お ) しはかるる心地するを」〈徒然草・ 時、遅く上皇になった方の称。最初の上皇である「本院七一〉訳名前を聞くやいなや、すぐに ( その人の ) 顔かたちが【尊敬】軽い尊敬の意や親しみの意を表す。お : ・になる。 」に対していう。 想像される気がするのだが。 : なさる。例「この岡に菜摘 ( っ ) ます児 ( こ ) 家聞かな名告 ② ( ある動作・状態などが ) 発生する。起こる。する。例 ( の ) らさね」〈万葉・一・一長歌〉訳この丘で菜をお摘みの娘 「長雨 ( ) 、例の年よりもいたくして」〈源氏・蛍〉訳長さんよ、家を聞きたい、お名前をおっしやってくださいよ。例 雨が、いつもの年よりもひどく降り続いて。例「ある時には、「葛飾 ( 翳 ) の真間 ) の井っ ) を見れば立ちならし水汲 来 ( き ) し方行く末も知らす、海にまぎれむとしき」〈竹取・ ( く ) ましけむ手児奈ご ) し思ほゅ」〈万葉・九・一〈 0 ◇訳 蓬莱の玉の枝〉訳ある時には、やって来た方角も行く先も葛飾の真間 (= 千葉県市川市ニアル ) の井戸を見ると、 分からず、海に入りまじってわからなく (= 行方不明ニ ) なり ( 昔そこを ) やすみなく行き来して ( 道を ) 平らにしてしまうほ そうだった。 ど何度も水を汲んだという、真間の手児奈 (= 伝説上ノ美 日〔他サ変〕①ある行為をする。行う。する。例「月の面少女 ) という少女がしのばれることだ。 白きに、夜ふくるまで遊びをぞし給ふなる」〈源氏・桐壺〉 訳月が美しいので、夜が更けるまで管弦の遊びをなさってい考①「思ふ」「知る」「聞く」などに「す」が付く場合 るようである。注「なる」ハ伝聞・推定ノ助動詞。音楽ガ は、「思はす」「知らす」「聞かす」となるはすだが、変化 聞コエテクルノデアル。 して「思ほす」「知ろす」「聞こす」などとなることがある。 ② ( 動詞の連用形に助動詞や係助詞が接続したものに付「思ほす」は、さらに変化して平安時代には「おばす」と なる。 いて ) 上の動作を行う意を表す。 : ・する。例「問ひけれど も、応へもせず」〈徒然草・四七〉訳尋ねたけれども、 ( そ ⑦「す」は、一般に四段・サ変活用の動詞以外には付 れに ) 答えもしないで。 かないが、「見る」「着る」「寝 ( ぬ ) 」「臥 ( こ ) ゅ」などには 3 ( 状態を表す語に付いて ) ある状態におく。する。例「こ付き、「見 ( め ) す」「着 ( け ) す」「寝 ( な ) す」「臥 ( こ ) やす」 四二七 十一面観音 レ す す