左 ロロロロ囲ロロロ国ロロロ国ロロロ。 , 院 院 泉 条 令 木工ー一一条大宮第 条院第 条 国囲圄鬮圜囹圈神泉苑 四後四 陽 寮官省省 陰 大学寮弘院 大率蔵寮 部部 内裏 礼務省太民式 南 蔵殿 大長 ル試 蔵寮采女町 中和院ロ朝堂院殀 内内膳司 立ロ 一口ロロ 松 蔵蔵歌斤の 老豊楽院楽正 大大大戸 宴 府 ~ 團圈匪圓圈囲ロロロロロロ圄 内匠寮左馬寮右馬寮 町 右近衛府 ー検非違 か高 台 穀倉 朱雀院 堀川 ( 小路 ) 猪隈小路 大宮大路 櫛笥小路 壬生大路 朱雀大路 西坊城小路 皇嘉門大路 西櫛笥小路 西大宮大路 九一一五
八五六 「ーーに浮かぶうたかたは、かっ消えかっ結びて」〈方丈記・ゅ②男女間の交わりに慣れる。男女の情愛を解する。例世之介 ( 喆 ) 【人名〕井原西鶴の浮世草子『好色一代男』 むく河〉訳 ( 川の ) 流れの滞「た所に浮かぶ水の泡は、一方卩ー・れたる人こそ、あながちに人の心をも疑ふなれ」〈源の主人公。『源氏物語』の主人公光源氏と『伊勢物語』 では消え一方ではできて。 氏・梅枝〉訳男女間の交わりに慣れている女こそ、むやみの主人公在原業平のを当世風に形象化させた人物。 よ に男の心を疑うものだ。 富豪と名高い遊女との間に生まれ、七歳から六十歳に至 め・ ) ①水が流れない よど・む【淀む・澱む】〔自マ四〕奩・みむ でたまる。流れが滞る。例「ささなみの志賀の大わだーー・むよ・に【世に】〔副〕①実に。非常に。例「・ : ・ : と言ひ、心る五十四年間に、全国各地の様々な女性三千数百人と とも昔の人にまたも逢 ( あ ) はめやも」〈万葉・一・一一一一〉訳楽浪にも思へること、常のことなれど、ーーわろく覚ゆるなり」〈徒交渉を持ち、その果てに七人の友と「好色丸い」という船 (= 琵琶湖西南ノ沿岸一帯 ) の地の志賀の大わだ然草・一套〉訳 ( 専門外の話に傍観せざるを得ない人が、に乗って女護ヶ島聽に旅立っていく。その人物像には、 (= 湖・川ナドノ大キク湾曲シタ所 ) は流れが滞っているが、私の専門の話だったらこんな事はないのに ) と口に出しても近世の町人の現実と理想が託されて、生き生きと表現さ そうとしても昔の人に再び逢うことがあうつか。囲荒廃シタ言い、 ( また ) 心にも思っていることは、よくあることだが、実れている。 【世の中】〔名〕①この世。 ( 前世や来 近江京ノ旧都ヲ訪レテ、柿本人麻呂ノ詠ンダ歌。「大によろしくないように思われる。 わだ」ノ流レト時ノ流レトヲ対比シテ、近江朝ヲシノンディ ② ( 下に打消しの表現を伴「て ) 少しも。決して。例「我よ・の , なか世に対して ) 現世。例「ー・のとどまり レ 0 が妻はいたく恋ひらし飲む水に影 ($) さへ見えてーー忘られ難きを哀 (S) しぶる歌」〈万葉・五・〈 0 四題詞〉訳この世の 事が順調に進行しない。停滞する。例「玉藻刈る井手す」〈万葉・ = 0 ・四三 = = 〉訳私の妻はひどく恋しく思っている住みにくいことを悲しむ歌。 ( ごのしがらみ薄みかも恋のーー・める我が心かも」〈万葉・らしい。飲む水に妻の面影まで映って、少しも忘れられな②天皇の治世。御代例「・ー・代はりて後、よろづ物憂 一一・毛 = 一〉訳恋が進行しないのは、あなたが薄情だからだろい。囲防人ノ歌。「恋ひらし」「影ハ「恋ふらし」「かく思 ( 凸され」〈源氏・葵〉訳 ( 桐壺帝から朱雀讐帝へと ) ご治世が代わって後は、 ( 光源氏は ) 何かにつけて憂鬱翳な げ」ノ上代東国方言。 うか、それとも私の心のせいだうつか。 気分におなりになって。 よな〔間投助〕 ( 間投助詞「よ」に間投助詞「な」が付いて一 3 世間。社会。人の世。例「ー・いとわづらはしく、は 要点「世の中に」の意の「世に ( 名詞 + 格助詞 ) 」と 語化したもの ) 櫁続文中・文末の種々の語に付く。 したなきことのみまされば」〈源氏・須磨〉訳世間が非常に ①【詠嘆】感動・詠嘆の意を表す。 : ・なあ。 : ・よ。例「木区別がっきにくい場合もある。例「梨 C) の花、 すさまじきものにして、近うもてなさず」〈枕草子・木の わずらわしく、不都合なことばかりふえてくるので。 立 ( ) とこそ言へ、木立 ( 顰 ) と言ふらむよな」〈今昔・ 0 世間で普通であること。世間一般。世の常。 = 〈・◇訳 ( 世間では ) 木立と言っているのに、 ( 奈良の花は〉訳梨の花は、世間ではおもしろみのないものとし 3 法師達は ) 木立と言っているらしいなあ。 て、身近で鑑賞したりもせず。囲「よに」ヲ副詞トシテ 男女の仲。夫婦仲。例「夢よりもはかなきーーを、嘆き 「実におもしろみのない」ト解釈スルコトモデキル。 わびつつ明かし暮らすほどに」〈和泉式部日記〉 ( はかな 【確認】相手に念を押し、確かめる意を表す。 : ・だな。 い ) 夢よりももっとあっけなく終わったあの人との仲を、嘆き : ・だね。例「四部の弟子はよな、比丘 t) よりは比丘尼 ( 響 ) は劣り」〈徒然草・一 0 六〉訳四部の弟子はだね、僧よょに・も【世にも】〔副〕 ( 「よに」を強めた語 ) ①しかにも。さ悲しみながら毎日を過こしている間に。囲作品冒頭ノ部 りは尼が劣り。囲「四部の弟子」トハ、仏ノ四種ノ弟子も。例「宰相 ( し ) ー、心苦しげにて」〈平家・ = ・少将乞分。急死シタ為尊親王トノハカナイ恋ヲ嘆イティル。 0 外界。自然環境。周囲の状況。特に、天候・気象条 テ、比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷ノ四種ヲイウ。請〉訳宰相はいかにも困ってつらそうな様子で。 よーなが【夜長】〔名〕秋の夜が長く感じられること。また、 ② ( 下に打消しの表現を伴って ) 決して。どんなことがあって件。例「秋待ちつけて、ー・少し涼しくなりては、御心地 長く感じられる秋の夜。 ( 季・秋 ) 例「山鳥の枝踏み変ゅも。例「筑波嶺 ( 齪 ) の岩もとどろに落つる水ーーたゆらにもいささかさはやぐゃうなれど」〈源氏・御法〉訳待っていた る , ーかな」〈蕪村〉訳秋の夜があまりにも長いので、枝に我 ( わ ) が思はなくに」〈万葉・一四・三三九 = 〉訳筑波山の岩も秋を迎えて、気候も少し涼しくなってからは、 ( 病床の紫の とまっている山鳥も ( 足がだるくなって ) 枝を踏みかえること鳴り響くほどに落ちる水の ( 滝つほで揺れる ) ように ( 一一人の上は ) ご気分も少しさわやかになるようではあるが。 ①世間の評判。世評。人気。 だ。「あしひきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとり仲について ) は決して不安には私は思っていないのに。 かも寝む」ノ歌ヲ踏マエタ句。 よね【米】〔名〕①米例「ある人、鮮 @ らかなる物持て①身の上。境遇。運命。例卩ーは、今はなっと見えて候 カよーな・る【世慣る・世馴る】〔自ラ下一 l) 矗・ る・ ) 来たり。ーーして返り事 (Y) す」〈土佐・一一月八日〉訳あるふ」〈平家・一一・先帝身投〉訳運命は、今はこう ( 当レテ ①世間のことに通じる。世情をよく知る。例卩ー・れず良人が、鮮魚を持って来た。 ( そこで ) 米でもって返礼をする。最後 ) と思われます。囲壇ノ浦ノ合戦テ、覚悟ヲ決メタ の からぬ人の、必すあることなり」〈徒然草・七◇訳世間を知② ( 「米」の字を分解すると「八十八」になることから ) 八十平知盛ノ言葉。 よ 八歳。米寿。 らず教養のない人が、必ずすることだ。 ーーに」の形で ) この上ない。全く。例「 , ーの ② ② ⑨
七一四 ふりーふぶ・く【降りふぶく】〔自力四〕 当〉雨や雪コト。ソノ女性ガ結婚適齢期ニナッタコトヲ示ス。アナタ以かす。例「大和国三笠山にーー・り奉りて、春日明神と が降り、激しい風が吹く。雨まじりや雪まじりの風が吹きま外ニ私ノ夫トナル人ハイマセンヨ、ノ意。 名づけ奉りて」〈大鏡・道長・上〉訳大和国の三笠山に ぶ くる。例「雨風いみじ 5 ー・く」〈蜻蛉・中・天禄二年〉布留 ( い ) 【地名〕奈良県天理市布留町の布留川流域の神霊をお移し申し上けて、春日明神と名づけ申し上げ。 地。古代は天理市旧市街とその東方一帯を石上靆のとい 訳雨風がひどく降ったり吹いたりする。 ・ ( 特に男女関係において ) 相手にしない。捨てる。例「こ 、布留はその一部だったので、『万葉集では石上・布留の男きらうてーー・るにはあらず」〈西鶴・好色一代女・一・四〉 ふふりふ・もんじ【不立文字】窈 = 〔名〕 ( 仏教語。禅宗の 教義 ) 悟りの境地は、文字や言葉では表現できないもので、と続けて表され、「降る」「古」の意を掛けることが多い。「布訳この男をきらって相手にしないのではありません。 心から心へ直接伝えられるものであるということ。 留の社」は、現在の石上神宮。 ふ・る【触る】〔自ラ四〕 2 ) ( 上代語 ) さわる。ふれ るれ・りよ ふりーまさ・る【古りまさる・旧り増さる】〔自ラ四〕ふ・る【旧る・古る】〔自ラ上二〕 ~ ? る・ ) ①古くなる。例「大君の命 ( いこ ) 恐 ( 3 し ) み磯にーー・り海原 〕 2 ・〉ますます古くなる。ますます老いる。例「あらたまる。年を経る。古びる。例「垣などもみなーー・りて苔 ( し ( ) 渡る父母を置きて」〈万葉・ = 0 ・四一一三◇訳天皇のご の年の終はりになるごとに雪もわが身もーー・りつつ」〈古今・生ひてなむ」〈枕草子・かへる年の一一月二十日よ日〉訳垣命令を謹んで承り、 ( 防人として ) 磯に触れて (= 海岸ニ 冬・三一一九〉一年の終わりになるたびごとに雪もいよいよ激などもみな古びて苔が生えていましてね。例「現っ ) にも夢沿ッテ ) 、海原を渡る。父母を故郷に残して。 しく降るし、我が身もますます老いて行くことだよ。囲「ふのにも我は思はずきーー・りたる君にここに逢 ( あ ) はむとは」 〔自ラ下一一〕矗 る・ ) ①さわる。ふれる。例「久し りまさる」ハ、「降りまさる」ノ意ヲ掛ケル。正月テ一ッ年ヲ〈万葉・一一・実 0 一〉訳現実にも夢にも私は思いもしませんでう手・ー・・れ給はぬ琴朝を、袋より取り出で給ひて」〈源 トルノデアル。 した。昔なじみのあなたにここでお逢いしようとは。 氏・明石〉訳長い間手をお触れにならなかった七弦琴を、 年をとる。老いる。例「ーー・りにし嫗 ( ) にしてやかく袋から取り出されて。 ふーりよ【不慮】〔名・形動ナリ〕思いがけないこと。意外。 例「ー・・に伽藍 ( ) 滅亡に及び候ひしこと、カ及ばぬ次ばかり恋に沈まむ手童 ( ) の【」と」〈万葉・ = ・一 = 九〉訳年② ( 多く「肌ふる」の形で ) 男女が馴なれ親しむ。契る。例 第なり」〈平家・一 0 ・千手前〉訳思いがけす寺院が焼け滅をとったお婆さんでありながら、これほど恋しさに苦しむもの「馬柵ま ) 【」し麦食 ( は ) む駒 (?) のはつはつに新膚 ( ) びることになってしまいましたことは、どうしようもなかったことでしようか、まるで子供のように。 ・れし子ろし愛 ( しも」〈万葉・一四・三五三七或本歌〉訳 です。 ふ・る【降る】〔自ラ四〕〕 2 ) ( 雨・雪などが ) 降る。例馬柵越しに麦を食べる馬のように、ほんのわすかに馴れ親 ふりーわけ【振り分け】〔名〕①二方に分けること。また、「心から信濃な ) の雪にー・・られけり」〈一茶〉訳 ( はるばしんだあの子がいとしいなあ。 そのもの。例「ここは江戸へも六十里、京都へも六十里にるやって来た生まれ故郷であるが、家人や村人達に冷たく①関係する。出会う。例「この御事にーー・れたることを て「ーの所なれば」〈東海道中膝栗毛・三・下〉訳ここはあしらわれ、寂しくとほとばと江戸への路をたどる。 ) 折からば、道理をも失はせ給ひ」〈源氏・桐壺〉この事 (= 桐壺 江戸へも六十里、京都へも六十里で、両方に分かれる ( ち降りしきる信濃の雪に、私は心底敲まで、冷たくさせられて更衣翳ノ事 ) に関係したこととなると、 ( 帝は ) 物の道理 ようど中間の ) 所なので。 しまった。囲遺産問題テ、故郷ノ信州柏原へ帰ッタ時ノをも無視なさり。 ②「ふりわけがみ」の略。 作。 目〔他ラ下二〕 ( れ・ るれ・・るる・ ) 広く告げる。言いふらす。例 ふりわけーがみ【振り分け髪】〔名〕子供の髪型の一つ。ふ・る【振る】〔他ラ四〕 ~ ら る〕 2 ・ ) ①振り動かす。振る。例「侍 ( ) どもに、その用意せよとーー・るべし」〈平家・ = ・教 頭の中央から左右へ髪を分 「あかねさす紫野 ( 齲さ ) 行き標野兊め ) 行き野守 ( % ) は見訓伏〉訳侍どもに、その用意をしろと広く告げよ。 けて垂らし、肩のあたりで先を すや君が袖 3 ーー・る」〈万葉・一・ = 0 〉訳ムラサキ草の生ふ・る【震る】〔自ラ四〕 ~ ら る〕響 2 ・ ) 大地が震動する。揺れ動 切りそろえたもの。男女とも えている野を、御料地の野を、あちらへ行きこちらへ行き、く。例「かくおびたたしくーー・ることは、しばしにて止 ( 。 ) み 八歳頃までした髪型。例 野の番人が見るではありませんか、あなたが ( 私に向か 0 て ) にしかども」〈方丈記・大地震〉訳このように ( 大地が ) もの 「比べ来 ( こ ) しーーも肩過ぎぬ わ袖を振るのを。囲額田王嬲ノ作。 す一 J く震動することは、しばらくして止まったけれども。 君ならずして誰 ({) か上ぐべ ②向きを変える。 ( 顔を ) そむける。例「おもても , ー・らす、ふるーごたち【古御達】〔名〕年をとったご婦人がた。特に、 ふ き」〈伊勢・ = 三〉訳 ( あなたの 命も惜します、ここを最後と攻め戦ふ」〈平家・〈・室山〉年をとった「女房 ( う ) 」達。↓こたち 髪と ) 比べ合ってきた ( 私の ) 訳顔をそむけず、命も惜しまずに、ここが自分の最期だとふるーこと【古言】〔名〕 ( 「ふること」とも ) 古い言い伝え。 こ 振り分け髪も、肩を過ぎてしまうほど長くなりました。あなた ( 覚悟して ) 攻め戦う。囲合戦ノ激シサヲ表ス慣用的表昔の文章・詩歌。昔話。例「かやうなる女・翁 ( 鰭 ) なんど のーーするは、いとうるさく聞かまうきゃうにこそ覚ゆるに」 ふのためでなくていったい誰のために髪上げをするでしようか。現。 囲「髪上ゲ」ハ、女子ノ成人ノシルシトシテ髪ヲ結イ上ゲル①神体・神霊を他の場所へ移す。また、神輿せをかっき動〈大鏡・道長・下〉訳このような女や老人などが昔話をする ② 日 0
一条大路 ( 旧北辺大路 ) 大 正親町小路 内 土御門大路 ロロロロロロ諸 ( 旧一条大路 ) 鷹司小路 極門 お よ 近衛大路 び 周 勘解由小路 中御門大路 ロロロロロロロロ の 左 春日小路 ロロロロ圖ロロロ 大炊御門大路 ロ囲ロロロロロ 図 冷泉小路 ロロロロロロロロ 二条大路 ロロ団ロロロ 殿ロロロロロロ ロロロロロロロロ ロロロロロロロロ ロロロロロロロロ。 ル 藤原 山 修理職 人家は、図のように左京の四条より北に集中した。ニ条大路より北が 上辺わ (= 上京ぎ ) 、南が下辺わ (= 下京れ讐 ) とされた。 路 路 路 路 大 大 坊 条 条角条 四 押小路 三条坊門小路 姉小路 行成 東京極大路 富小路 万里小路 高倉小路 東洞院大路 烏丸小路 室町小路 町尻小路 西洞院大路 九一一四
ね カ へ」ともいい、ほかに、「円 ( 凸がなへ」「平がなへ」がある。 〈万葉・一 0 ・一九五一〉腹立たしい、ばかなホトトギスよ、今た。例「一町ー : ねてあたりに人もかけらず」〈大鏡・師 りかな・まり【金椀・鋺】〔名〕金属で作ったわん。例「削こそ声がかれるほどに、来て大きな声で鳴くがいいのに。囲輔〉訳一町にわたって付近に人ひとり走って通らない。囲 「一町」ハ平安京ノ街路ノ一区画。 り氷 ( ひ ) に甘葛 ( ) 入れて、新しきーーに入れたる」恋人力知人ガ来タ時ノ作。例「秋田刈る仮庵硲り ) もい な 〈枕草子・あてなるもの〉訳 ( 上品なもの、それは ) 削った氷まだ壊 (%) たねば雁 ( 2 ) が音 ( ね ) 寒し霜も置きぬかに」〈万か・ぬ〔接尾ナ下一一型〕 ( 動詞の連用形に付く ) 思いどおりに カ おにアマズラかた甘い汁をかけて、それを新しい金物葉人・一五五六〉訳秋の田を刈る ( ために作った ) 仮小屋もま実現できない意を表す。 : ・しかねる。 : ・しにくい。例「世の のわんに入れたもの。 だ取りこわさないのに、雁の鳴き声が寒々しく聞こえる、霜中を憂しとやさしと思へども飛び立ちーー・ねっ鳥にしあらね かなーやま【金山・銀山】〔名〕鉱山。金山にも、銀山にもでも置きそうなほどに。 ば」〈万葉・五・兊三〉訳この世の中を、つらく身も細るばか いう。例「多田の・・ー出盛 ( ) りし有様書かせける」〈西者上代に、多く「ぬ + がに」の形で用いられ、平安時代りだと思うけれど、 ( どこかへ ) 飛んで行ってしまうこともでき 鶴・日本永代蔵・ = ・一〉訳 ( 娘の婚礼屏風にも ) 多田の以降は和歌にだけ用いられた。「がに」には、同じ形で動詞かねる。鳥ではないのだから。 銀山の最盛期だった頃の光景を描かせた。 の連体形に付く終助詞がある。 〔名〕【金】①金属の総称。例「・ーを隔てて、 かならす【必ず】〔副〕①きまって。きっと。確かに。例「えがに〔終助〕 ( 上代語 ) 接動詞の連体形に付く。 カね首もちきるばかり引きたるに」〈徒然草・ = = 〉 ( わ ならぬ匂ひには・ー・心どきめきするものなり」〈徒然草・◇「がね」に同じ。例「おもしろき野をばな焼きそ古草に新草らしべを首の回りにさしこんで ) 金物を離れさせて、首もちぎ 何とも言えないよい匂いにはきまって心がときめくものだ。 ( ) まじり生 ( お ) ひは生ふるがに」〈万葉・一四・三四五 = 〉訳れるほどに強く ( 足鼎がを ) 引っぱったところが。「足 ② ( 打消し・反語の表現を伴って ) 絶対に : ・ ( というわけで景色のすばらしい野を焼かないでくれ。古草にまじって新し鼎」トイウ、今テイウ釜ヲ頭ニカブッタトコロ、ソレガ抜ケナ クナッテシマッタ仁和寺秀ノ法師ノ話。 はない ) 。必ずしも。「車の五つ緒 ( を ) は、 , ー人によらい草が生い育つものなら生い育っことだろうから。 ず」〈徒然草・六四〉訳牛車で五つ緒の簾を付けるの考終助詞「がね」の上代東国方言と考えられるが、平②貨幣。おかね。また、資本。江戸時代、大坂では銀貨 は、必すしも乗る人の身分によるというわけではなく。囲安時代以降は和歌に用いられ、また東国地方以外の地が主に使われたので「銀」とも表記する。例「おのづとーー 「五つ緒」ハ、牛車ノ簾ニ五筋ノ細長イ布ヲ垂ラシタ物。方でも用いられた。 が、かねまうけして、その名を世上にふれける」〈西鶴・日本 かにーかくに【斯に斯くに】〔副〕あれこれと。いろいろに。永代蔵・六・四〉訳 ( 個人の才能や努力によってではなく ) 金 参考現代語では、「必す」は肯定文、次項「必すし何かにつけて。「ーー思ひわづらひ音 ( ね ) のみし泣かゆ」銭 ( の資本 ) が自然と、利益をもたらし、世間に有名になっ も」は否定文に限って用いられるが、古語では「必す」 〈万葉・五・〈九七長歌〉訳あれこれと思い悩んで、ただただ泣た。 「必すしも」ともに肯定文・否定文両方に用いられる。 日【矩】①曲尺じ。直角の基準となるものさし。 けてしまうばかりだ。囲「泣かゆ」ノ「ゆ」ハ自発ノ意。 ② かにもーかくにも【斯にも斯くにも】〔副〕ともかくも。 ある物に対して直角なこと。例卩ーに渡いて押し落と かならすしも【必ずしも】〔副〕 ( 副詞「かならす」 + 副何はともあれ。「何すとか使ひの来つる君をこそーー待ちさるな」〈平家・四・橋合戦〉訳 ( 川を ) 流れに直角に渡うつ 助詞「しも」 ) ①きっと。確かに。例「いと重き御心なれはがてにすれ」〈万葉・四・さ一九〉訳なんだって使いの者なんか来として ( 水流に ) 押し流されるな。 ーーうち解け世がたりにても、人の忍びて啓しけむことを漏らるのだ、ともかくもあなたご自身 ( がおいでになるの ) を待ちか 目【鉦】「たたきがね」の総 称。金属製で、下に置いた させ給はじ」〈源氏・手習〉訳 ( 明石の姫君は ) たいそう慎ねているのに。 ね・ね・地・ぬる・ ) ( 「兼 ( か ) ぬ」と同り、手にさけて持ったりして、 重な性質だからきっとうちとけた世間話でも、人がこっそりか・ぬ【予ぬ】〔他ナ下一一〕 ~ ぬ と申し上げたようなことをお漏らしになることはあるまい 源 ) 将来のことをあらかじめ考えておく。予期する。予測す木の棒の類でたたいて鳴らす ね 。カ ② ( 下に打消し・反語を伴って ) 必す・ : とは限らない。例る。例「八百万 ( よ ) 千年 ( ) をーー・ねて定めけむ平城もの。仏具や打楽器として 「ーーわが思ふにかなはねど」〈源氏・帚木〉必すしも自の都は」〈万葉・六・一 0 四七長歌 ) 訳すっと先、千年も先用いる。例「近所の衆を頼 分の望むようにはかなわなくても。 を予測して定めたのであろう平城京は。 み、太鼓 ()% い ) ーーをたたきたづね」〈西鶴・世間胸算用・五・ がに〔接助〕 ( 上代語 ) 腰動詞や完了の助動詞「ぬ」のか・ぬ ( 兼ぬ】〔他ナ下一一〕竈 % ・ぬる・ ) ( 「予 ( か ) ぬ」と同三〉近所の人々に頼んで、 ( 迷子を捜すように ) 太鼓やか 終止形に付く。 源 ) 一一つあるいは一一つ以上の事物を併せ持つ。兼ねる。併ねをたたきながら捜しまわり。 ぎをんし ゃうじゃ ) のーーの声、 程度や状態の意を表して、下の用言を修飾する。 : ・するせ含む。「やがて除目 (E も ) 行はれて、信頼 ( 揺 ) は・ : 画【鐘】①つりがね。例「祇園精舎 ( ( してしまう ) ほどに。・ : し ( してしまい ) そうに。「うれたき大臣の大将をーー・ねたりき」〈平治・上・四〉訳やがて官職諸行無常の響きあり」〈平家・一・祇園精舎〉訳祇園精 や醜 (,d) ほととぎす今こそは声のかるがに来鳴きとよめめ」の任命式が行われて、信頼は : : : 大臣で大将を兼職し舎の鐘の音には、諸行無常の響きがある。圜有名ナ『平
八二四 ( 多くの人の求婚を断ってきたのに ) 昨日や今日という最近か用いられない。 祝司ノリ ト特有ノ重ネ詞的ナ表現。 しに天皇が仰せになったことに従うのは、世間の聞こえが恥すやしおおり【八塩折り】〔名〕↓やしほをり やしほーをり【八塩折り】罅オ〔名〕 ( 上代語。「や」は数 かしゅうございます。 の多い意、「しほ」は度数の意 ) ①酒などを何度も繰り返し やしおじ【八潮路】〔名〕やしほち 3 ( 周囲に気を遣って ) つつましい。控え目である。例「繁やしなひ【養ひ】暮〔名〕① ( 子供を ) 育てること。養育。て醸造すること。また、そうして造った酒。例卩ーの酒を 樹 ( れげ ) は百八十に及びてこそさぶ 0 ( らめど、ーー・しく申② ( 「養ひ子 ( ご ) 」の略 ) 養子。もらい子。例「「いもが子は醸 ( か ) み」〈古事記・上・天照大神と須佐之男命〉訳 すなり」〈大鏡・序〉訳 ( 夏山の ) 繁樹は百八十歳に達し這 ( は ) ふほどにこそなりにけれ』と申したりければ、院 : : : 「た ( 大蛇に飲ませるために ) 何度も繰り返して醸造して酒を造 ているでしようが、 ( 年齢はわからないと ) つつましく申したのだもりとりて・ーーにせよ』とぞ付けさせましましける」〈平家・り。 です。 六・祇園女御〉訳 ( 平忠盛が山芋のつるにできるヌカゴを ②刀などを、何度も繰り返して鍛えること。例「ー・の紐 0 しとやかである。優美である。趣深い。例「恐ろしき猪持って ) 「山芋の子 (= ヌカゴ ) はつるが這うほど ( たくさん ) な小刀 ( が ) を作りて」〈古事記・中・垂仁〉訳 ( 天皇暗殺 ( ) も、「臥 ( ふ ) す猪 3 の床 (); ごと言へば、 ・しくなりっています (= 院ョリ賜ッタ妹祇園女御をノ子ハ這イ回のために ) 繰り返し鍛えた紐つきの小刀を作って。 ぬ」〈徒然草・一四〉訳恐ろしい猪も、 ( 和歌で ) 「臥す猪のルホド大キクナリマシタ ) 」と申し上げたとこゑ院は・ : ゃーしま【八州・八洲・八島】〔名〕 ( 「や」は数の多い意。 床」と言えば、風流なものになってしまう。囲「臥す猪の「忠盛がもぎとって養生 ( の食べ物 ) にし 0 い (= 忠盛ガソノ一説に八つの意 ) 日本。日本国。「おほやしま」「やしまの 床」ハ、イノシシガ草ナドヲ倒シテ寝ル場所ノ意カラ、ココハ子ヲ養子ニシナサイ ) 」とお答えになった。女御ノ子国」とも。例「我が大君の天 ) の下 , ーの中 ) に国はし イノシシノ別名ニイウ。 (= 清盛 ) ハ院ノ子。忠盛ト白河院ノ会話ハ連句仕立テデも多 0 にあれども」〈万葉・六・一 0 五 0 長歌〉訳我が天皇の : ただアル。 ⑨けなげである。感心である。例「あなーー・し。 ( お治めになる ) 天下である日本のうちには、国はたくさんあ 一騎残らせ給ひたるこそ優なれ」〈平家・七・実盛〉訳ああやしなひ・ぎみ【養ひ君】ナ〔名〕乳母のや後見人としるけれども。 けなけなことよ。 : ・ ( 斎藤実盛が敵の中に ) たった一騎て守り育てている貴人の若君。例「四の宮は : : : 能円法やーしゃ【夜叉】〔名〕 ( 仏教語 ) インドの鬼神の名。容姿は でお残りになったのは実に感心である。囲「優なり」モ、ココ印 ( ) の・ーにてぞましましける」〈平家人・山門御幸〉訳醜く、性質は荒々しく、人の精気を奪う悪神。後に、仏 テハ「やさし」ト同ジ意味。 四の宮は・ : ・ : 能円法印の養育している皇子でいらっしやっ法に帰依、諸天の守護神となる。八部衆の一つ。 情が深い。心がやさしい。「あらーー・しや、今の物語た。囲「法印」ハ、僧位ノ最高位ノ称。 ゃーじり【鏃・矢尻】〔名〕矢の先端につける小さな刃。ま を聞き候ひて落涙し候 ( 彎 ) ふよ」〈謡曲・隅田川〉訳ああやしな・ふ【養ふ】尹〔他ハ四〕 ~ はふ ふ〈、・ ) ①はぐくみ育た、それを付けた矢の先端の部分。「矢先」とも。 ( この女は ) 心やさしいことよ。今の ( 悲しい ) 話を聞きましててる。養育する。 やしろ【社】〔名〕①神を祭る所。例「祝部 ( ) らが斎 涙を流しております。 ②体力や気力を保持増進させる。養生する。例「身を (å ) ふーあ黄葉 ( ) も標縄 ( 能 ) 越えて散るといふものを」 要点やせる意の動詞「やす」の未然形に「し」が付いて、形 ・ひて何事をか待っ」〈徒然草・七四〉訳体を養生して〈万葉・一 0 ・ = 三究〉訳神官達が神を祭る社の紅葉でさえ 容詞化した形。平安時代には②③④の意味に用い、中一体何を待っというのか ( やがて来るのは老いと死だけではな標縄 (= 神域ヲ区切ル縄 ) を越えて散るというのに。 いか ) 。 世にはが消滅して 8 の用法が多くなる。容易である ②神を祭る建物。神社。神殿。例「ーーは布留 C) の 意の現代語の用法は江戸末期に現れたもので、古くは「ややーしほ【八入】 % 〔名〕 ( 上代語。「や」は数の多い意。「し 。生田 ( 2 く ) のーーズ枕草子・社は〉訳 ( 霊験あらたか すし」で表した。 ほ」は度数の意 ) 何度も布や糸を染め汁に浸して色濃く染な ) 神社は布留の神社 (= 奈良県天理市布留ニアル石上四 やし〔間投助〕 ( 上代語。間投助詞「や」に副助詞「し」が付めること。また、その染めた布や糸。例「紅 ( ) のーーに染 % 神宮 ) 。生田の神社 (= 神戸市ニアル生田神社 ) 。 いて一語化したもの ) 腰続形容詞の連体形・助詞などにめておこせたる衣 ( いろ ) の裾 t) も通りてぬれぬ」〈万葉・一九・要点①は、神を迎えるために清めた土地で、仮の小屋を 付く。 四一五六長歌〉訳 ( 妻が ) 紅色の染め汁に何度も浸してしつか設けたことから「屋代 ( ) 」といい、その小屋が残り、神が 【詠嘆】感動・詠嘆の意を表す。 : ・なあ。・ : よ。例「はしり染めて贈ってくれた着物の裾も、 ( 川の流れに ) 濡ぬれ通っ常住するように考えて、②の建物をいうようになる。 すきやし栄えし君のいましせば昨日 (% の ) も今日 ) も我 ( わ ) てしまった。 やすーい【安寝・安眠】〔名〕 ( 「い」は眠りの意 ) 心安らかに ら を召さましを」〈万葉・三・四五四〉訳なんとまあ悲しいことだ、やーしほち【八潮路】〔名〕 ( 上代語。「や」は数の多い眠ること。安眠。例「眼交 ( ) に」なかかりてーーし寝 カ 栄えた君 (= 大伴旅人 ) がこ存命であったら、昨日象マ日も意 ) たくさんの潮路。はるか遠い海路。「八重 0 ) の潮路」 ( な ) さぬ」〈万葉・五人 0 = 長歌〉訳 ( 子供の姿が ) 目の前に とも。例 r- ー・の潮 @ の八百会 ( ) ひに」〈祝詞・六月しきりにちらついて、私に安眠をさせないことよ。 や私をお呼びになろうに。 要園「よしゑー・」「はしけーー」のような限られた言い方でしの晦の大祓〉訳たくさんの潮流がたくさん集まる所に。囲やすから・ず【安からず】【連語〕①心が穏やかでない。お ①
いかでも 宇治市ニアル ) はどのようにして時雨がかかって、木々が いかめしい。立派である。重々しい。 ② で」〈万葉・一・一セ長歌〉訳奈良の山の山の端はに隠れるま 紅葉し始めたのだろうか。囲「笠取の山」ダカラ雨ガ漏ルワ いかすち【雷】〔名〕↓いかづち いかけ・ち【沃懸地ア〔名〕蒔絵の手法で、漆いる塗りいかだ・し【筏師】〔名〕材木を筏に組み、それに乗って材ケハナイトイウ意ガ、底ニアル。 カ ②反語の意を表す。っして・ : か ( いや、そんなことはない ) 。 の上に金粉や銀粉を流しかけたもの。例「黒き馬の太うた木を川下に運ぶ仕事をする人。筏乗り。 くましきに、ーあ鞍 ( し置いて乗り給へり」〈平家・九・忠いかづち【雷】第〔名〕かみなり。雷鳴。雷神。 ( 季・夏 ) なんで・ : か。例「天竺 ( ) に二つとなき鉢 (ä ) を、百千万 度最期〉訳 ( 平忠度は ) 黒い馬でがっちりして強そうな例「ー・は名のみにもあらす、いみじう恐ろし」〈枕草子・名里の程行きたりとも、ーー取るべき」〈竹取・仏の御石の ものに、沃懸地の鞍を置いてお乗りになっている。 おそろしきもの〉訳雷は名前だけではなく、 ( 実際 ) ひ 7 恐鉢〉訳天竺 (= インド ) にも一一つとない鉢なのだから、たとえ 百千万里の距離を行ったところで、っして手に入れること いかーさま【如何様】〔形動ナリ〕行為や状態に対するろしい。 疑問の意を表す。どのよう。どんなふう。どんな具合。例 【如何で】〔副〕①疑問の意を表す。どうしができようか ( できるわけがない ) 。 いかーで ーー・にか聞こえやらむ」〈源氏・若 て。どういうわけで。なんで。どうやって。例①願望の意を表す。どうにかして。なんとしても。例「ーー 「宮の渡らせ給はむには、 紫〉 ( 幼い若紫を光源氏が連れていってしまったら ) 父「ー・さる事は知りしぞ」〈枕草子・故殿の御服のころ〉と深う覚ゅ」〈源氏・若紫〉つにかして ( 幼い若紫を手 に入れたい ) と ( 光源氏は ) 深く心に思われる。 上の宮様がお越しなさった時には、どんなふうに申し上けたどうしてそのような ( 中国の古い ) 事を知っていたのかな。 いかでかは ( 「は」は係助詞 ) 「いかでか」を強めたもの。 反語の意を表す。どうして・ : か ( いや : ・ない ) 。なんで ( : ・ らいいのでしようか ( 困ります ) 。 ① 強い疑問の意を表す。いったいどうして。まったくどう 〔副〕 ( 「いかさまにも」とも ) ① ( 多く下に推量の表現を伴だろうか ) 。例「「月な見給ひそ : : : 』と言へば、「ーー月を いうわけでか。つやって。例「ーー鳥の鳴くらむ人知れ って ) 確信的な推量の意を表す。どうしても。どう見ても。見ではあらむ』とて」〈竹取・かぐや姫の昇天〉訳 ( 月を眺め ず思ふ心はまだ夜深きに」〈伊勢・五三〉訳いったいどうし きっと。例「ーー、事の出で来たるべきにこそ」〈保元・上・ては思い悩むかぐや姫を見て、竹取の翁が ) 「月をご覧な さるな・ : : ・」と言ったところ、 ( かぐや姫は ) 「どうして月を見て ( 夜明けを告ける ) 鶏が鳴くのだろうか。人に知られ 四〉訳つ見ても、何か事件が起こって来るようだ。 すに ( あなたを ) 思っている心は、まだ夜が深いのに↑思イ ② ( 多く下に意志・希望の表現を伴って ) 強い決意を表ないでいられましようか ( 見すにはおられません ) 」と言って。 ハ尽キナイノ一 l) 。 す。なんとしても。必す。ぜ 9 」も。例「常の衣 (" ろ ) にあら①強い願望の意を表す。せひとも。どうにかして。何として ②強い反語の意を表す。どうして・ : しようか ( いや・ : しな ず、ー・取りて帰り : : : 家の宝となさばや」〈謡曲・羽衣〉も。例「ーー物越しに対面して、おほっかなく思ひつめたる い ) 。例「かやうの御やつれ姿を、ーー御覧じつけむ」〈源 普通の着物ではない、せひとも持って帰り : : : 家の宝とこと、少し晴 ( は ) るかさむ」〈伊勢・九五〉訳どうにかして物 したいものだ。 越し几帳ャ簾ナドデ隔テティルコト ) でもいいから ( あ氏・末摘花〉 ( 帝は日頃まじめすぎる光源氏の ) この 目〔感〕 ( から転じて ) 同意する意を表す。はい。なるほど。なたに ) お会いして、待ち遠しく思いつめていたことを、少しようなお忍び姿を、どうして見つけることがおできになりま いかにも。例「「格別に念を入れてあった壺の ) でおりやる」でも晴らそう。囲「晴るかさむ」ハ、動詞「晴るかす」ノ未然しようか ( いや、できないでしよう ) 。囲女ノモトニ光源氏 ガ通ウノヲ見タ女官ノ言葉。 「ーー、さうであらう。ことのほかよい酒ちゃと〈狂言・樋の形ニ、意志ノ助動詞「む」ノ付イタモノ。 ①強い願望の意を表す。ぜひとも。どうにかして。いかよ 酒〉訳「格別に心をこめて造った ( 酒の入った ) 壺です」「な考副詞「いかに」にサ変動詞「す」の連用形「し」と接続 うにしても。例「いと興ありける事かな。ーー聞くべき」 助詞「て」の付いた「いかにして」が「いかにて」↓「いかんで」と るほど、そうだろう。特別によい酒だ」 〈源氏・明石〉 ( 都から離れた所で正しい琴の奏法を 霳考現代語では、いんちき、にせ物などの意で用いるが、変化した語の撥音「ん」を表記しない形。多く、述部に、 これは「いかさまもの」の略で、「重忠が謀 ( り ) にて百人い①②の場合なら、助動詞「む」「けむ」「べし」「まし」や、助ひそかに伝えているのは ) たいそう興味をひかれる事ですね。 ぜひとも聞きたいものです。 かさまにかかる」〈黄表紙・文武一一道万石通・上〉のよう詞「ぞ」「か」などの疑問・反語にかかわる語が、③の場合な ら、助動詞「む」「まほし」「じ」や、助詞「ばや」「てしがな」ないかでーも【如何でも】【連語〕 ( 副詞「いかで」 + 係助詞 に、江戸時代中期頃から見える。 「も」 ) ①どのようにでも。つなっても。例「わが身のことは どの願望にかかわる語が含まれている。 いか・し【厳し】・〔形ク〕激しい。荒々しい。猛々しい。 ーーありなむ」〈平家・六・小督〉私の身の上はどうなって 例「うつつにも似ず、猛 ( じくーー・きひたぶる心出 ( い ) で来いかでーか【如何でか】〔連語〕 ( 副詞「いかで」 + 係助詞 て」〈源氏・葵〉訳平生の心にも似ず、強く激しいひたむき「か」 ) ①原因・理由などについての疑問の意を表す。どういもかまわない。 な心があらわれて。囲六条御息所ノ生キ霊ノ振ルうわけで・ : か。どうして : ・か。例「雨降れど露ももらじを笠②どのようにしてでも。なんとしてでも。例「ただ、 、御方々に数 ($) まへしろしめされむことをなむ、寝ても 舞イニツイテイウ。 取 ( ) の山はーーもみちそめけむ」〈古今・秋下・実一〉訳 雨が降っても笠は漏るはすはないのに、笠取の山 (= 京都府さめても」〈源氏・常夏〉訳ただもう、どうしても、こうして 日〔形シク〕①勢いが盛んである。繁栄している。 五三 日 ②
二九〇 げ・だう【外道】ウド〔名〕① ( 仏教語 ) 仏教徒から他の宗教性の家の垣根をのぞきに行「たら、き「と門の所で追い帰さあまり死んでしま「たら、誰の名誉になるでしようか ( 誰の得 にもならないでしように ) 。囲「人目多み」ノ「み」ハ、接尾 例れてしまうでしようよ。 うやその信者を異端視していう語。異端。異教徒。「即 ・ : ナノデノ意。 だな ) ちー・の見 @ なり。仏法には修証 ( し ) これ一等な⑥やや不確かな気持ちで推量する意を表す。もしかしたら語。・ り」〈正法眼蔵・弁道話〉訳 ( 修行と悟りが別物と思うの ( : ・かもしれない ) 。もしゃ ( ・ : ではないかしら ) 。例「百足 ( いげ・だっ【解脱】〔名・自サ変〕 ( 仏教語 ) 俗世の煩悩をたち きって、悟りの境地に入ること。世俗の迷いを捨て去るこ は ) それは異端者の考え方である。仏道においては修行と悟た ) らす八十隈坂 ( 繍しに手向 (9 けせば過ぎにし人にー・ 会はむかも」〈万葉・三・四毛〉訳曲がりかどの多い坂道で神と。例「我すでに生死 ( ) を離れてーーを得たり」〈今昔・ りはまったく同じ一つのことである。 真理に反する説。また、それを説く人。邪説。邪道。に供え物をして祈 0 たら、ひょ「として死んだ人に会えるかも = ・ = 〉訳私はすでに生死の迷いを捨てて悟りの境地に入り ました。 例「あらぬー・なりとそしる輩 ( ) は、人の面 ( 3 も ) はありなしれない。囲「百足らず」ハ「八十」ノ枕詞。 ② ( 仮定表現の中に用いて ) もし ( : ・なら ) 。仮に。例「わ解脱幢相 ( ) の法衣 ( 彗 ) 袈裟酬の異称。例「三世 がら、獣翁も ) の心なりと言はばいかがはせん」〈根無草・後・ のん ) の諸仏ー・を脱ぎ捨てて、忽ち ) ちに甲胄 ( ) を 跋〉訳あってはならない邪道であると非難する連中は、人が背子 ( 3 ) し , ーまからば白栲 ( ) の袖 ( を振ね見つ よろひ」〈平家・ = ・教訓状〉訳過去・現在・未来の仏 間の外見はありながら、獣の心を持っていると言えばいかがっ偲兊 ) はむ」〈万葉・一五・三セ = 五〉訳私の夫であるあなたが もし都を出て行くのなら白い袖を振ってください。それを見達が解脱のしるしである法衣を脱ぎ捨てて、即座によろ でしよう。 いかぶとに身を固め。 わさわいをもたらす者。悪魔。悪神。例「この姫君に合ながら私はあなたを恋しく思うことにしましよう。 げーち【下知】ジ〔名・自サ変〕①命令。さしす。例「「舟っ はすれば、仏の御前 ( 2 ま ) に悪魔・ーーが居たるに異ならず」 かまつらすは、一々 ( 嬲 ) にしやつばら射殺せ』とーー・せらる」 〈御伽・鉢かづき〉訳 ( 兄嫁三人は ) この姫君と並べて比べ要点上代には「万葉集』など和歌に例が見られるが、 平安時代以降はもつばら漢文訓読において「蓋」の字〈平家・一一・逆櫓〉訳「 ( 水夫達が ) 舟を出さないのなら、 ると、仏様の前に悪魔や外道がひかえているのと変わらない 一人一人そいつらを射殺せ」と ( 源義経は ) 命令なさる。 の訓として用いられた。日はその漢文訓読特有の用 ことだ。 ② ( 「下知状 ( や ) あ略 ) 鎌倉・室町幕府の出した指示・ 人をののしっていう語。畜生。例「あの髪結ひのーーめ法。例も、「源氏物語』ではあるが、古い漢詩の一 命令の文書。例「鎌倉殿、御ーーを添へて遣はさる」〈義 節を唱える場面である。はいわゆる陳述の副詞で、 が」〈滑稽本・七偏人〉訳あの床屋の畜生めが。 け・たか・し【気高し】〔形ク〕 ( 近世以降「けだかし」 ) ①身下の言い方と呼応して推量や仮定の表現を構成する経記・〈・ = 〉訳鎌倉殿 (= 源頼朝 ) は、 ( 法皇からの院宣 もの。①⑤はそうなる可能性が高いと思う気持ち、⑥に ) 幕府の命令書を添えて ( 藤原泰衡宛あてに ) お遣わし 分が高い様子である。例「近く召し使ひ給ふこともなく、 になった。 いとー : くおはする殿なり」〈源氏・蜻蛉〉訳 ( 私、常陸はそういうこともありうると思う気持ちを表すが、区別 けちーえん【結縁】〔名・自サ変〕 ( 仏教語 ) 仏道に縁を結 の微妙な例も多い。 介を ) 側近くお使いになることもなく、 ( 薫は ) たいそ ぶこと。未来に成仏できるような因縁を作ること。例「忌 う高貴でいらっしやる殿様である。 ーーにせむかし」〈源氏・柏木〉 気品がある。上品な様子である。例「これはー・・う恥づけだしく【蓋しく】〔副〕 ( 多く係助詞「も」を伴う ) ①おそ ( ') むこと受け給はむをだに、 かしげに、もてなしなどもよしめき給へり」〈源氏・玉鬘〉訳らく。たぶん。例「吾妹子 ( ) が形見の合歓木 ( 凸は花訳五戒を受けることだけでも、仏縁を得る手がかりとしてし ( 母と違 0 て ) この姫は気品も高く ( きまり悪いほど ) 立派のみに咲きてーー実にならじかも」〈万葉・〈・一哭 = 〉訳愛すっよ。囲天皇ノ言葉ナノデ自己ノ動作ニ「給ふ」ヲ使 ' る人の記念のネムの木は、花だけ咲いて、たぶん実はならなティル。「五戒」トハ、殺生シ・偸盗ウ・邪淫・妄語 で、動作なども奥ゆかしくおいでである。 いのではないでしようか。囲恋ガ成就シソウモナイコトヲ暗ゴ・飲酒ヲ慎ム戒。 けだし【蓋し】〔副〕強調する意を表す。まことに。まさし けちーえん【掲焉】〔形動ナリ〕はっきりと明らかなさま。いち く。確かに。例「「風のカーー少なしとうち誦 ( ず ) し給ひ示シティル。 もしかしたら。ひょっとすると。例「琴取れば嘆き先立つじるしい。例「ーー・にはあらでこそ言ひまぎらはさめ」〈源 ② て」〈源氏・少女〉訳「 ( 木の葉が散るのは時節が来たため ーーも琴の下樋兊た ) に妻やこもれる」〈万葉・七・一一 = 九〉訳氏・胡蝶〉訳 ( この秘密は ) はっきりさせないでこまかしても で ) 風の力はまことにわずかなものだ」と節をつけて口すさまれ 琴を手に取るとます悲しい気持ちになる。もしゃ琴の下側のらいたい。 て。 し 日① ( 文末の推量や疑問の表現と呼応して ) ⑧確信をも空洞に、この琴をひいた妻が隠れているのではなかろうか。け・ちか・し【気近し】〔形ク〕 ( 「け」は接頭語 ) ①場所が 0 て推量する意を表す。おそらく ( : ・にちがいない ) 。たぶん 3 もしも。仮に。例「人目多み直@に会はすしてー・もわ近く感じられる。近い。例「ーー・き草木などは、ことに見 け ( : ・だろう ) 。例「吾妹子 ( ) が宿の籬 ( 〉 " ) を見にゆかばが恋ひ死なば誰 ( 。 ) が名ならむも」〈万葉・一 = ・ = 一〉訳人どころなく、みな秋の野らにて」〈源氏・タ顔〉訳 ( 光源氏 ーー門の ) より帰しなむかも」〈万葉・四・セ〉訳愛する女目が多いか」いって直接会わすにいて、万一私が恋しさのがタ顔と泊まった「なにがしの院」の建物に ) 近い植え込みの ① ④
に平維盛は ) これといってなし遂げたこともおありでなく。 掛詞などを用いた巧みな言いまわし。気のきいた洒落。大夫ノ歌。例「世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも ーーぞ鳴くなる」〈千載・雑中〉訳世の中というものは、遁 づ 3 やってみせる。例「この頃 (',O の能の稽古 ( 3 い ) 、必す、地ロ・軽ロの類。例「「御坊をば寺法師とこそ申しつれ しその者自然とーー・すことに、得たる風体 ( ) あるべし」ど、寺はなければ、今よりは法師とこそ申さめ』と言はれけ砌れたいと思ってもどこにも道はないことだ。世を背こうと深 〈風姿花伝・一〉訳この頃 (= 七歳 ) の能の稽古は、きっと、り。いみじき、ーなりけり」〈徒然草人六〉訳「あなたを寺法く思いこんで入って来たこの山の奥にも、鹿が悲しげに鳴い その者 (= 本人 ) が自然にやってみせることに、 ( 技を ) 得てい師と呼んでおりましたが、 ( 焼けて ) 寺がなくなったので、今かているようだ。囲『百人一首』所収、藤原俊成ノ作。 らは ( 寺を取って ) 法師と申しましよう」と言われた。うまいしか【然】〔副〕前に述べられた内容を指示する語。そう。そ る (= 堂ニ入ッタ ) スタイルがあるはずである。 でで・づ・づる・ ) ①作り洒落であった。囲延暦寺判ノ僧ヲ山法師ト言ッタノ一一ういうふうに。例「上 ( 2 ) もーーなむ」〈源氏・桐壺〉訳帝 しーい・づ【為出づ】を〔他ダ下二〕 ~ づい・でよ ( のお心 ) もそうでございます。例「ーー言はむ、と思ひける 上げる。作り出す。例「難なくーー・づることなむ、なほまこ対シテ、園城寺哭ⅱ三井寺 ) ノ僧ヲ寺法師ト言ッタ。 心ばせ、さらに人の思ひ寄るべきことにあらず」〈今昔・ = 〈・ 3 すぐれた俳句。 との物の上手はさまことに見え分かれ侍る」〈源氏・帚木〉 訳 ( 調度品の飾りを ) 無難に作り出すことこそ、やはり真のしうとウ 1 〔名〕目【舅】夫の父、または妻の父。↓しうとめ一六〉そういうふうに言おう、と思ったその心くばりは、とて 名人は他と異なっていると見分けがつくものでございます。例「ありがたきもの。ーーにほめらるる婿」〈枕草子・ありがたも普通の人の思いつけることではない。 ②そろえ整える。調達する。例「衣がへの御装束 ( 社い ) 、きもの〉訳めったにないもの。舅にほめられる婿。当時ノ考平安時代以降は、「さ」の方が一般化する。「しか」 は、漢文訓読体や堅苦しい言い方の時に用いられる。 御帳 ( ) の帷子 ( ) など、よしあるさまにー・・づ」〈源結婚ハ男ガ女ノ家ニ通ウノガ一般。 ・じ』と、 氏・明石〉 ( 明石の入道は、光源氏の ) 衣替えのための日【姑】「しうとめ」に同じ。例「私は , ーの面倒は随分見然あら・じそのようであるまい。例「『それ、 お着物、み帳台の ( 四隅に垂らす ) 絹布などを、風情あるよませうけれど」〈浮世風呂・ = ・下〉訳私は ( 結婚したら ) 姑そらにいかがは推しはかり思ひくたさむ」〈源氏・帚木〉訳 「それは、そのようではあるまい」と、 ( 本人を ) 実際に見す の面倒はよく見るつもりですが。 うに調達する。 にどうして当て推量で ( その話を ) 悪く考えられましよう 3 行為としてあらわす。しでかす。例「心強からぬ過 ( ) しうとーめ【姑】ウ〔名〕妻から夫の母、夫から妻の母をい に思はるる ちは , ー・づるなりけり」〈源氏・若菜・下〉訳 ( 女の ) 意志う。↓しっと①例「ありがたきもの。・ が強くない ( がゆえの ) 過失は ( 男が ) しでかすのであったよ。嫁の君」〈枕草子・ありがたきもの〉訳めったにないもの。然あれどそうではあるけれども。そうだけれど。例「この 四家よりあまたのさまざまの国王・大臣・公卿 ( ) 多く ・ : 姑によく思われる嫁君。 しいて【強いて】〔副〕↓しひて 北家の末、今に枝広 しーうん【紫雲】〔名〕紫色の雲。めでたい雲。念仏者の臨出で給ひて栄えおはします。 しう【強う】〔動〕↓しふ しう , いっ【秀逸】〔名・形動ナリ〕 ( 文芸や芸能などに終の際、阿弥陀仏だがそれに乗ってきて、極楽浄土に迎【」り給へり」〈大鏡・道長・上〉訳 ( 藤原氏の ) この四家 関して ) 特にすぐれていること。また、そのもの。例「異なるえるという。例「春は藤波を見る。ーーのことくして、西方から数多くのいろいろな天皇・大臣・公卿 (= 貴族ノ上位 ノ者 ) が多くお出なさってお栄えなさっている。そうではあ ーーならぬは、五七五を読むに七七句は空に推し量らるるに匂 ( 凸ふ」〈方丈記・境涯〉訳春は波のような藤の花を ゃうなり」〈無名抄〉訳特別の秀歌でないものは、上の句見る。紫色の雲のようで、 ( 極楽の方角である ) 西の方に美るけれども、 ( 中でも ) 北家の子孫が、今の世に栄え広が っていらっしやる。囲「四家」トハ、南家・北家・式家・ (= 五七五 ) を読むと下いの句 (= 七七 ) は推量できるようであしく咲く。 京家ヲ言ウ。 る。 しお : ・【塩・ : 了しほ・ : 然はあれどそうではあるが。例「年経 ( ふ ) れば齢 ( ) しうーか【秀歌】〔名〕すぐれた和歌。例「日ころ読みおしお【潮・汐・入】↓しほ は老いー花をし見ればもの思 ( も ) ひもなし」〈古今・春 かれたる歌どもの中に、ーーとおほしきを百余首書き集めらしおり【枝折り・栞】〔名〕↓しをり 上・五 = 〉訳年月がたったので ( 自分は ) 年老いてしまっ れたる巻物を」〈平家・七・忠度都落〉訳日ころ ( 忠度卿しおり【撓り】〔名〕↓しほり た。そうではあるが、 ( みことな桜の ) 花を見ているので何の 芻きが ) 読みためておかれた歌の中で、すぐれた和歌と思われしおる【萎る・枝折る・栞る】〔動〕しをる 心配もない。匯「花」ハ、皇后トナッテ栄エティル自分 るのを百余首書き集められた巻物を。 しか【鹿】〔名〕獣の名。シカ。秋の風物を代表するものの一 しうーく【秀句】〔名〕①すぐれた詩歌。また、その語句。っとして、雄鹿が妻恋いする鳴き声などが和歌にしばしば取ノ娘ヲタトエティル。 例「歌はーーを思ひ得たれど、本末 ( ) 言ひかなふることのり上げられている。例「奥山に紅葉み ) 踏み分け鳴く・ーしか〔助動詞「き」の已然形〕↓き ( 助動 ) 難 ($) きなり」〈無名抄〉訳和歌はうまい語句を思い付いの声聞く時ぞ秋はかなしき」〈古今・秋上・ = 一五〉訳奥山でしか〔終助〕 ( 上代語 ) 接動詞の連用形や完了の助動 カ たとしても、上の句と下の句とがつりあうように表現するのが紅葉を踏み分けながら鳴いている鹿の声を聞く時は、ほんと詞「つ」の連用形「て」に付く。 し : したいものだな うに秋は悲しく感じられる。囲「百人一首」所収ノ、猿丸【願望】自己の願望を表す。 : ・したい。・ 困難なのである。 ②
・み給ひにけ で、とてもかわいそうに思われた。囲長野県ニアル、姨捨「はらへ」とも ) おはらいをすること。神に祈って、罪やけがれな娠する。身ごもる。例「七月 ( ) より、 み山「伝説ノ話。 どを清め、災いを取り除いてもらうこと。例「七人の陰陽り」〈源氏・竹河〉訳七月から、 ( 大君黜いは ) ご懐妊にな づはら・つづみ【腹鼓】〔名〕満腹にな「て、腹を鼓のように師 ( 被や ) の召されて、千度の御 ( お ) , ーっかまつるに」〈平られた。 打ち鳴らすこと。また、その腹。衣食などが足りて満足して家・一一一・公卿揃〉訳 ( ご出産に際して ) 七人の陰陽師が呼②穂が出そうになってふくらむ。例「屋 ( や ) の軒にあてて植 、ら ゑさせしが、いとをかしうーー・みて」〈蜻蛉・中・天禄元年〉 いること。例「飽き満ちて、船子 (* な ) どもはーーを打ちて、ばれて、千度のおはらいをいたす時に。 海をさへ驚かして」〈土佐・一月七日〉訳腹いつばいになっはら・ふ【払ふ・掃ふ = 鶚〔他ハ四〕 2 ・ ) ①邪魔な訳 ( 早苗を ) 家の軒下にあたるようにして植えておいたもの て、水夫達は腹を打ち鳴らして、海までも驚かして。 ものを取り除く。はらいのける。追いは 0 つ。例「かたみに居が、とても愛らしく ( 穂が ) ふくらんで。 はらーはら〔副〕 ( 多く「と」を伴う ) ( 雨・木の葉などが ) かはりて、羽の上の霜ー・・ふらむほどなど」〈枕草子・鳥は〉はらーわた【腸】〔名〕腸。また、内臓全般。 しきりに落ちるさま。ばらばら。例「にはかに雨ーーと降り来訳 ( 鴛鴦の雌雄が ) 互いに ( 場所を ) かわり合って、羽の腸を切 ( き ) ・るおかしさに耐えられないさまをいう。大笑 いする。「腹筋 ( 噐 ) をよる」とも。例「満座興に入りて て」〈経信卿母集〉訳にわかに雨がばらばらと降って来て。上の霜をはらいのけるということなどは ( しみじみと胸をう ・りけるとぞ」〈古今著聞集・文学〉訳その座の人々 例「突き落とせばーーと落つ」〈堤中納言・虫めづる姫君〉っ ) 。 は全員おもしろがって大笑いしたということだ。 ( 木の枝にかかった毛虫を ) 突き落とせばばらばらと落ち②掃除する。例「宮の東 ( ) の対 (% ) をーー・ひしつらひて る。 わたし奉らむ」〈源氏・真木柱〉訳宮の東の対を掃除して腸を断 ( た ) ・つ①悲しみに耐えられないさまをいう。断腸 の思いである。例「秋思の詩篇、ひとりーー・つ」〈大 ⑥特に、涙を流すさま、泣くさま。ばろばろ。例「大臣整えて ( 北の方を ) 引き取り申しましよう。 のと ) 聞きもあへすーーとぞ泣かれける」〈平家・ = ・教訓状〉 3 討伐する。平定する。例「まつろはぬ国をーー・ヘと皇子鏡・時平〉訳「秋思」という題の詩一編をまた ( 今夜も ) 内大臣殿は皆まで聞かすに涙をはらはらと流してお泣き ( 3 ) ながら任 ( ま ) け給へば」〈万葉・ = ・一究長歌〉訳服従し作って、」り断腸の思いをしている。匯菅原道真 になった。 ない国を平定せよと皇子の意志通り委任なさると。 作ノ漢詩ノ一節。 ②「腸を切る」に同じ。例「裸にて野中の卒塔婆のと ) ②髪がひろがって垂れかか 0 ま。ばらり。例「御髪 ( いぐ ) のはら・ふ【祓ふ】 ( 《〔他ハ下一一〕 ~ ( ~ ふる・ ) 神に祈って 並み寄りて、ーーとこばれかかりたるほど」〈源氏・野分〉訳災い・罪・けがれなどを除き清める。おはらいをする。例のやうにて立ち給へり。さしもあさましき最中に、人々の 髪が片方に並び寄って、ばらっと顔に垂れかかってきた時。卩ー ・ヘけるままに、いとどかなしきこと数まさりて」〈伊勢・皆ーー・つ」〈源平盛衰記・三四・三〉 ( 三位頼輔 は ) 裸で野中の卒都婆のように立っておられた。これほど 3 多数の人が一度に走り出すさま。ばらばら。例「ーーと六五〉訳 ( 恋をもっすまいという ) お祓らをするたびに、 ( 女を 驚くばかりの ( 戦いの ) 最中にあって、人々はおかしさに耐 走り帰りければ」〈今昔・ = 九・ = 0 〉訳 ( 盗人が ) ばらば」走恋しく思う気持ちが ) ただつのるばかりで。 えかねた。 り帰ってきたので。 はらへ【祓へごラ〔名〕 ( 動詞「はらふ」の連用形の名詞化 ) ①感動に耐えきれないさまをいう。感無量である。例 ④連続的に発せられる物音の形容。④物が軽くふれ合っ①神に祈って災い・罪・けがれなどを除き清めること。おはら 「風景に魂 ( ) 奪はれ、懐旧 ( い ) にーー・ちて」〈奥の て出す音。さらさら。とことこ。例「衣の音なひー、としい。例「今日 (ä) は難波 (# に ) に舟さしとめて、ーーをだにせ て」〈源氏・帚木〉訳衣芋れの音がさらさらとして。 む」〈源氏・澪標〉訳今日は難波に舟をとめて、せめてお細道・須賀川〉 ( 白河の関では ) 風景 ( の美しさ ) に 魂を奪われ、昔の事 (= 故事・古歌ナド ) をしのぶ気持ち ⑥物がぶつかったり、壊れたりして出す大きな音。どんどん。祓 2 らでもしましよう。囲難波ハ祓ハエノ名所デアッタ。 で感無量となって。 がたがた。例「あななひを一度にーーとこばたしめつ」〈今 ②刑を科して罪を清めること。例「猿翁 ) をば四つながら、 昔・一 0 ・一一五〉訳足場のやぐらを一度にがらがらと壊させた。 ー・負 ( お ) ほせて追ひ放ちけり」〈今昔・実・◇ ( 悪い ) はりーい・づ【張り出づ】を〔他ダ下一一〕・づる・ ) 押 し出す。また、引き出す。例「落ちぬべきまで簾兪だ ) ④火に焼けてはせる音。ばちばち。例「焚 ( た ) かるる豆殻の猿を四匹とも、罪を清め きでて、押し合ひつつ一事 ( ) も見漏 0 じとまほりて」〈徒 。ーと鳴る音は」〈徒然草・六九〉燃やされる豆殻のばちばるための刑 (= 杖デ二十 ま ちと鳴る音は。 回打ッコト ) を科して追い 然草・一三七〉訳 ( 桟敷から ) 落ちてしまいそうになるまですだ ( 近世以降の用法 ) 成り行きを危ぶんで気をもむさま。や放った。 はれを押し出して、押し合いながら一事も見漏らすまいと見ま 、り もって。囲田舎ノ人ガ賀茂祭ノ行列ヲ見ョウトスル有 きもき。例「手をあててー・する体 (E) 」〈浮世風呂・ = ・はらーまき【腹巻】〔名〕下 下〉訳手をあててはらはらする様子で。囲若イ嫁ハガ年老級武士の用いた略式の鎧。腹に巻き、背中で合わせて様。 しめる。 はりーはら【榛原】〔名〕榛 ?(= ハンノキ ) の茂っている野原。 はイテ盲目ノ姑ウノ手ヲ引イテ浴室ニ入ッテクル場面。 はらひ【祓ひ】〔名〕 ( 動詞「はらふ」の連用形の名詞化。はら・む【孕む】〔自マ四〕奩・ ) ( 「む」は接尾語 ) ①妊例「引馬野 ( ) ににほふーー入り乱れ衣にほはせ旅のしる 六六五