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検索対象: UNIX MAGAZINE 1998年2月号
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1. UNIX MAGAZINE 1998年2月号

連載 /UNIX Communication Notes—O 現などがあるだろう。企業であれば、 ; 旁での利用を前提 とした実際的な竟の構築を求められることが多い。 システム構築にあたっては、具イ勺な目的がはっきりと 示されることもあれば、抽象的な目的しか与えられす、具 イ勺な目標にプレークダウンしなければならない場合もあ ろう。しかしながら、どんな組織であっても目的もなくシ ステムを構築することはありえない。 SI をおこなうとき は、システム構築の目的を白寉に孑当屋し、それに対して適 用する手法が妥当かどうかを調面すべきであろう。その手 法やアイデアでは目的の実現か難しいのであれは、それは 妥当なガ去ではない。逆に、低コストで実現できる去が みつかれは、それは SI として素晴らしい仕事をしたこと になる。 2 は、 SI の際におこなうべき作業である。ます、目的 を実現するためにはどのようなパーツか利用できるかを考 えるところから始める。そのうえで、複数のパーツを組み 合わせて何かできるのかを町寉にする。さらに、その結果 として完成したシステムの運用・「力の力法を示さねはな らない。このようなパーツ窈尺と組合迂、運用・ド力と いうステップをすべて実施し、さきはど述べたシステム構 築の目的を実現できるのであれば、それこそ完璧な SI と いえよう。 冫も畆 1 上記のように、 SI ではかならずしも答は 1 つではなく、 むしろ何通りもの答があるのが普通である。 SI に携わる人は、 このことを忘れてはならない。 SI を実施するためには 次は、 SI を実施するために必要な作業についてみてい 1. 目的の王蠏 系区しになるが、 SI の初期段階ではシステム構築の目的 を正しくかっ明確に理解することが肝要である。さらに、 なぜシステム構築が必要になったのか、現在のシステムに はどういう問題があるのか、ユーサーはどんな不岡を抱い ているか、ユーザーはどのような文イ tl 圏に属しているかと いった、バックグラウンドに関する情報の収集も怠っては ならない。 たとえば、大学において学生用の実寅習室を作るとい う目的か設定されたとしよう。このとき、現在おこなわれ 34 ている実験や演習の内容、新たな実寅習室を利用すると 思われる授業の内容、そして、いま利用されているシステ ムなどに関する情報がなければシステムを設計することは できないはすである。企業であれは、業務形態はもちろん のこと、システムの運用に対する要求 ( たとえは、 24 時 間完全稼動など ) 、既存のシステムで提供されているサー ビスといった情報が必頭である。場合によっては、フロー 角財斤のような手法を用いて業務形態を角斤し、コンピュー タ・システムの利 , 竟を検詞することも必要になるかも しれない。既存の環境にシステムを統合するときは、現伏 に関する・情報収集が必須である。 意 2 目的を理解するためには、さまざまな情報の収集が必要に なるが、たいていはユーザーが協力してくれるはすである。と くに現在のシステムに不満をもっているユーサーは、役立つ協 力者になることが多い。 2. 使う技術定 システム構築の目的が日Ⅲ寉になり、導入する竟につい ての理解が架まったら、次はシステム構築に利用する技術 を選定しなけれはならない。この段階では、さまざまな技 術を上気寸する必要がある。このとき、 SI に携わる人の 実力か試されるといってもよい。ところが、多くの人か誤 りを犯すのもこの段階なのである。よくみかけるのは、次 のようなケースである。 ・文イ tl 圏を無視したシステムを使おうとする たとえは、おもに UNIX システムを使っているところ で、プリンタだけを AppleTalk て接続しなけれはなら ないとしたらどうだろうか。このような組合をは、あま り勧められない。たしかに CAP などのパッケージを 使えば、このようなシステム構友も可能ではある。しか し、 BSD UNIX システムでは一殳に lpd でプリンタ を管理する。したがって、 lpd による運用に適した技術 のほうがよ弱尺肢といえる。 無理に自社製品を加える メーカー系の SI の人たちに多いのだが、スペックや運 ) 月環境を無視して自社製品をむりやりシステムに加える ことがある。売上げを重視する姿勢は分からなくはない が、 SI として誠実な態度とはいえない。 ・最新技術を積極的に採用する 生まれたはかりの技術を積極的に導入しようとする姿勢 UNIX MAGAZINE 1998.2

2. UNIX MAGAZINE 1998年2月号

連載 UNIX Communication Notes—O ルは、システム導入に必要な工事は誰かが手配してくれる と思い込み、土壇場になって手配かできていないことに気 づいて愕然とするといったものである。どんな小さなこと でも石忍を怠ってはならない。 5. 運用計画の 運用引は、導入引画と並行して立てる必要がある。多 くの場合、運用に携わる保守要員はシステム運用だけに責 任をもっ技術者で、関連するさまざまな頁の決君はも っていない。このため、運用引画はできるかぎりルーチン ワーク化し、その手順書 ( マニュアル ) も用意すべきであ る。システムを導入する側では、手順書を主する段階で、 それまて気つ、かなかったシステム運用上の問題点を発見す ることがよくある。したがって、マニュアルの作成は不可 欠である。 場合によっては、ユーサー喇呆守要員の教育も必要にな る。マニュアルを用意しても、ユーザーや保守要員がそれ を読ますにシステムを使おうとすること ( おしくない。適 切なトレーニングを実施すれは、新しいシステムへの移行 もスムーズに進むであろう。したがって、 SI をおこなう 側では定期的な教育 ( トレーニング ) の実施も考慮してお く必喫がある。 6. 保守・サポート SI をおこなう側は、保守・サポート体制の言 t について も十二分に考えるべきである。システムの本格運用では、 24 時間 365 日、つねにシステムトラブルに対応できる保 剞稀リが必要とされる組織もある。逆に、システムか古郞章 で 1 週間停止しても、とくに間題のない環境もあるかもし れない。さらに、オンサイト保守が必須の竟もあれば、 占章機器を j 医して保守してもかまわないといったことも ある。このように、保守・サポート体制の言 t にあたって は、導入したシステムを利用する業務の形態と、要求され 求められる知識 る保守レベルとを考慮しなけれはならない。 36 法 " のようなものがあるのなら、 SI をおこなう側はその常 とえば、 Windows NT の環境を運用する際の常識と、、作 1 つは、文化圏に対する理解と知識が必要であろう。た のであろうか。 SI に携わる技術者に求められる知識とはどのようなも 識を理解し、去を尊重したシステムを構築すれば、ユー サーにも受け入れられやすい。 現状でネットワーク環境を構築する場合、サーバーは UNIX でクライアントは Windows 95 というように、異 なる文イ tl 圏に属するパーツを組み合わせてシステムを作る ことも多い。そのため、異なる文イ tl 圏を相磨妾続する技術 についても深い理解が必要となろう。 2 つ目は、ネットワークに対する知識である。現在窈青 報処理分野では、ネットワークのない環上冓築は考えられ ない。したがって、 SI に携わる技術者はネットワーク言 t について学習し、知識を得るべきである。たとえは、ネッ トワーク・プロトコルとは何か、基本的なネットワーク 構築ガ去にはどのようなものがあるか、システムがネット ワークに与える景こはどのようなものがあるか、といっ た視点からの理解があるとたいへんよい。 3 つ目は、電源エ事やケープル敷設工事、システム導 入の竹業といった、いわゆる現場のイ喋に対する知識であ る。建物の電源酉泉図か読めるとか、建屋平面図などから 機器設置プランを作るといった、建物やその内部のインフ ラストラクチャに関する理解と知識は、 SI 技術者にとっ てかなり重要なポイントである。 4 つ目は、システムの運用に関する知識である。とく に、異なる文化圏をつなぐソフトウェアやシステムの運用 については、一勺な運用技術を習得している技術者も少 なく、運用引画の立案がきわめて難しいのカ躾状である。 異なる文イを柤磨妾続する技術に関する知識を身につけ れば、 SI において幅のあるシステムを考える際に大きなカ となる。 ☆ 今回は、 UNIX とネットワークに関連する技術の紹介 からやや離れて、システム・インテグレーションについて の私の考え ( 希を述べた。 官公庁や大学、企業では、まもなく来年度の機器調達が 始まる。この記事が、システムの言 t 、発注、受注に携わ る技術者の方々のヒントになれはさいわいである。 ( やまぐち・すぐる奈良科物支術大凝完大学 ) UNIX MAGAZINE 1998.2

3. UNIX MAGAZINE 1998年2月号

0 図 2 文囎舌式インストール システムはアップグし一ド可能なため , 新「熔のインストルには 2 つのオプション があります。 アップグし一ドオプションは、新ⅱ s の 1 のパージョンラなったをできるだけ 多く保存しながら、システム上でⅵ s を新しいリリースにアップグし一ドします。 アップグし一ドオプションを使用する前にシステムをバックアップしてください。 ネ屑月オプションはシステムのディスクを新「熔の新しいバージョンで上書きします。 ネ羶月オプションを霹ま台する前に、釦「 is のパージョンラなったすべての 変更をパックアップすることをお勧めします。ネ月オプションは既存のすべてのファイル システムについても保存するようにします。 オプションを尺して、続くイを完了すると、只の一カ示されます。 法を使うと、 OS を新しくしてから実際に運用するまでの さまざまな定を省くことカきる。 アップグレード・プログラムは、そのディスクのファ 1. アップグレードの対象とするディスク ( システムディス アップグレード・インストールでは次のような処理がお ク ) を孑ぐ こなわれる。 12 ファイルの一を削除した、糸寸パスのシンポリック・リ ール後にファイルシステムの構成を入れ替えた、システム システムに対する変更が大きい場合、たとえばインスト 場合で 90 う呈度はかかる。 テムの構成にもよるが、、、本 " をインストールしている 理に新規インストールよりもよけいに時間がかかる。シス の変更の有無をチェックしたり、内容を糸財寺するための処 ただし、アップグレード・インストールではファイル 10. ログファイル名などの表示 プトの作成 9. /var/sadm/install-data/upgrade-cleanup スクリ 8. 保存しておいた内容を新しいシステムにマージ 7. 新規のパッケージのインストールの続き 6. デバイスノードの再作成 5. 新規のパッケージのインストール クアッフ。装置が必要。 場合によっては、一イ判勺 ( ンヾックアップするためのバッ 4. 必要であればディスク或の再配置 3. 既存のパッチの削除 2. 既存のパッケージの削除 する。 イルシステムにある既存システムの各種設疋情報を保存 ンクに変更したという場合は、正しくアップグレードでき ないこともある。すくなくともアップグレード・プログラ ムが参照する以下のファイルは、システムの状態を正しく 斑央していなければならない。 /var/sadm/softinfor/INST_RELEASE /var/sadm/install/contents /var/sadm/install—data. clustertoc /var/sadm/instaII—data/CLUSTER システムに対し、 /etc ディレクトリのファイルの変更 などより時鬲なカスタマイズをおこなっている場合は、 ックアップをとって新規インストールをおこない、その 後必要なファイルだけリストアするガ去が安全て確実で ある。 アップグレード・インストールを実行した際に、シス テムに対して施された内容は /var/sadm/system/logs/ upgrade 」 og ファイルて市寉認できる。 文囎舌式のネットワーク・インストール CD-ROM ドライプをもたないシステムでも、対話式 のインストール・プログラムを使ってネットワーク経由 で OS をインストールできる。この場合、 CD-ROM ド ライプがあるマシン、あるいは SoIaris 2. x の CD-ROM の内容をハードディスクにコピーしたマシンをインストー ル・サ→ヾーとして設定する必要がある。 インストール・サーバーが別のサプネットにある場合は、 同しサプネット上にあるマシンをプートサーバーとして設 定する。インストール対象のシステムはネットワーク経由 でインストール・プログラムをロードし、インストール・ サーバーがもつ OS のソフトウェアをローカルのディス クにインストールする。 カスタム JumpStart これは、多数のマシンて繰り返してインストールまたは アップグレードする場合に有効な去である。たとえば、 100 台のワークステーションを導入したような場合、すべ てのマシンで OS を対言乱勺にインストールすると時間がか かりすぎる。カスタム JumpStart では、次のような環 境を用意して OS のインストールを自重川ヒする。ますネッ トワーク上に OS のメディアの内容をコピーしたインス トール・サーバーを用意する。また、インストール対象の マシンがインストール竟をネットワーク経由でロードで UNIX MAGAZIN E 1998.2

4. UNIX MAGAZINE 1998年2月号

共立出版 2 月号 ( 発売中 ) A4 変型・刪頁・定価 95 ロ円 ( 税込 ) 強にてこするような構成では、長年にわたる運用に耐え 修をおこなう。このような場合、搦尉生を考慮せす、増 モリやディスクの増設、 OS の入替えといった多少の改 する。しかし、たいていは 2 年くらい釜茴した点でメ いったん導入したシステムは、すくなくとも数年は運用 拡張性を考えない いえるのではないだろうか。 なりいるようだ。運用にも目を配ってこそ、よい SI と 現象で、最新技彳、の利用が SI と勘違いしている人もか まうことがよくある。これは商社系の SI 担当者に多い 定して運用するまでに多くのコストと時間がかかってし に時間がかかったりして、けっきよくはシステムを安 でに膨大な手直しが必要になったり、オペレータの教育 せつかく新しい技術を採用しても、運用・不力させるま 術か確立されていないものもたくさんある。このため、 のなかには運用条件に大きな制約があったり、運用技 は、かならすしも悪いことではない。しかし、職斤技術。 連載 UNIX Communication Notes—O ー : " bit e ー初恋ははかなし・・ Topics ・・香山リカ 特集ネットワーク OS fe 「 no のインバクト村井純他 歌唱トレーニング システム VSG ・・・片寄晴弘・平井重行 キリシャに集った世界最先端 のコンピュータ音楽 ・海外事情ーアジアからモンゴル編 ・ Java 最前線⑧・・ 家電の恵みーフィッツの法則・・ ・さなげ山通信⑧ ノヾソコン事始め・・ ・・・長嶋洋一 ・・高木浩光 ・・・木村泉 ・・・上村明 られるシステムとはいえない。 3. 本且合せ UNIX MAGAZINE 1998.2 めに対応するようにしなけれは・ならない。よくあるトラブ 業については、導入引を立てる段階からできるかぎり早 クの敷設には一殳にかなりの時間がかかる。このような作 立てる。原工事やデジタル専用線の引込み、ネットワー は、停止した際の復旧時間を可能なかぎり矢可宿する引を カ甘是供するサーピスを長日判りにわたって停止できない場合 えで導入引画を立てなけれは・ならない。とくに、システム システムからどのように移行するかを十二分に本寸したう ら、次はシステムの導入である。この段階では、既存の 本の言がまとまり、さらに機器が川朝こ調達できた 4. システム導入の立案 する必要がある。 ど、システムを補強する対策がうまくできているかも本寸 法、ファイルのバックアッブガ去、電源事故への対処な る。このとき、システムやサービスのバックアップの方 に、実際の運用形態を想定してシステム全体の構成を考え 分か、システム全体の運用はうまくできるかといったふう ンスになっていないか、ポトルネックになるのはどの部 る。この段階では、システムやネットワークがアンバラ 選定した技術を組み合わせ、システム本の構成を考え ・情報研究フロンティア⑩・・・ ・・・ひろのかずお ・ Book ガイドーわたしの書棚から⑩・・・奥川山夋史 ・計算の迷宮①・・・ ・・電脳雑技団 ニューラルコンピューティンク の遊び方・・ ・・・武藤佳恭他 ※誌面大型化でピジュアルに刷新 / より見やすく よりわかりやすく , 読みやすくなりました。 Lecture マルチメティアネットワーク技術・・・・太田昌孝 Co 襯れ s 知的所有権 Hot Line/ アレフ・ゼロ /Tips 英語の読み方 , 書き方のツホ / 悪魔の辞典 / 電脳 徒然草 /F 「 equently Asked Questions / ソフトウェア探訪 / Cadenza / ぶつくす 「 bit 」別冊 テジタル放送・インターネット のための情報圧縮技術 K.Rao ・ J. Hwang 著 / 安田浩・藤原洋監訳 イントロダクション / カラーフォーマット / 量子化 / 予測符号化 / 他・・ ・・・ A4 変型・ 45 ロ頁・ 5714 円 ( 価格は税別価格です。お買上けの際には消費税が加算されます ) 共立出版株式会社 Ⅱ 2 東京都文京区小日向 4-6 ー 1 9 / 振替開Ⅱ 0 ー 2 ー 57035 お問合せ・資料請求は容 ( 03 ) 3947 ー 2511 35

5. UNIX MAGAZINE 1998年2月号

連載 UNIX Communication Notes— UNIX 文化 この文イでは、次のようなことが常識と考えられてい の文化圏を形成した。 クの拡大は、 UNIX を支えるコミュニティを生み、 1 っ らに加速された。 UNIX ワークステーションとネットワー クステーションの登場と Ethernet 技術の普及により、さ 始めた。この動きは、 1980 年イ鷺変半のイ面格 UNIX ワー LAN 技術を用いてシステムを相互接続するところか増え ムを保有することか珍しくなくなると、 Ethernet などの タ・システムの低価↑剳ゞ進み、 1 つの組織で複数のシステ て爆発的に広まったといってもよい。さらに、コンピュー 実には 1982 年にリリースされた 4.2BSD UNIX によっ うになった。 UNIX は 1969 年に開発された OS だが、現 1980 年代に入り、 UNIX システムがひろく使われるよ 32 でシステムを構築する。ネットワークは、大型汎用機文 ・機能的に同等のシステムを LAN で柤磨妾続するかたち この文イ圏には、次のような特徴がある。 ものであった。 やシステム管理ツールを利用して分散処理竟を作りだす の文化は、クライアント・サーバー型のアプリケーション UNIX 文化はさらに発展し、う攵処理文化を生んだ。 ワークへの接続もおこなわれた。 であったが、 JUNET や lnternet などの広域ネット ・ネットワークは Ethernet による LAN 接続が一ヨ勺 的に公開されていた。 ことが多かったため、システムの構造はユーサーに積極 く、自身もユーザーである管理者がシステムを連用する ていた。 OS のソースコードカ甘是供されていただけでな はシステムをもっともよく使うューサーカ壻理者を務め ・ユーサーと管理者の区分がきわめて曖昧で、多くの場合 サイトてイ吏われるまでに普及した。 トウェアや TVfX は商用の製品ではないが、ほとんどの システムに積極的に導入された。たとえは、 GNU ソフ (PubIic Domain Software) やシェアウェアなどが このため、商用アプリケーションだけでなく、 PDS が公開されているものがよいという価値観が生まれた。 ・システムやアプリケーションについて、ソースコード 化の日罸ににはホストと端末という明らかに異なるパーツ から構成されていたが、分散処理文化に移行すると機能 的に同等のシステムて構成されるようになった。ただ し、 CPU 性能の高い、あるいはメモリやディスク容量 の大きなシステムをサーバーとして利用し、その他のシ ステムはネットワーク経由てサーバーの資源を共有する クライアントとして構成した ( いわゆるクライアント・ サーノヾー型の環よ竟 ) ・システムの多くが UNIX 、とくに UNIX ワークステー ションによって橢友されるようになり、 LAN としては TCP/IP によるネットワークか構築された。さらに、 ディスクをネットワークで共有する NFS や、アカウ ントをネットワーク環境で管理する NIS (YP) がひろ く使われた。 UNIX を中心とする分散処理工竟は、現在もさまざま な糸騰て構築・運用されており、大学の情報工学里の教 育・研究や企業におけるソフトウェア開発などに利用され 続けている。 PC べースの 1990 年代に入ると、パーソナル・コンピュータを用い た情報処理が一殳化してきた。 パーソナル・コンピュータか普及し始めたのは 1980 年 代半ばからであるが、年を追うごとに CPU 性能が急に 矼ヒし、さらにネットワーク機能の充実、業務に利用でき るアプリケーションのひろがりによって、本 f 知勺な情報処 理環竟か構築できるようになった。 当時、ネットワークを組めるパーソナル・コンピュー タとしては、 1980 年代半ばに登場した AppIe の Mac- intosh があった。 Macintosh には、 AppIeTalk ネット ワーク・インターフェイス (LocalTalk インターフェイ ス ) カ咐いており、ケープルて相圧接続するだけでネット ワークを構築できた。 Macintosh 間でファイルを共有す る AppleShare もあり、当時としては充実した環境であ った。このため、 1980 年「鷺麦半になると Macintosh によ る環冓築がかなり普及し、熱じ、なユーサーを数多く生ん で Macintosh 文化圏を形成していった。 Macintosh は、 現在も本則虫い人気がある。 1990 年代に入ると、 MS-DOS をベースとしたネット ワークの構築に NetWare がひろく使われるようになっ UNIX MAGAZINE 1998.2

6. UNIX MAGAZINE 1998年2月号

連載 UNIX Communication Notes— た。とくに米国の企業では NetWare が積極的に導入さ 業務へのパーソナル・コンピュータの応用と、ネット ワークを介したデータの共有か積極的におこなわれるよう になった。数多くの NetWare サーバーが登場し、クラ イアント・サーバ、 - ・ヨ竟の実現に貢献した。 NetWare は、 おもに企業の業務に活用されてきたため、現在でも企業内 に、、しぶとく " 残っている。しかし、日本では NetWare はそれはど普及しなかった。これは、数多くの企業で使わ れていた NEC の PC9801 の NetWare への対応がかな り遅かったのが一因であろう。 NetWare がさほど普及し なかったのはいいとしても、日本の企業ではネットワーク の導入自体か遅れてしまった。 1990 年代も中盤になると、 Microsoft の Windows 95/NT が爆発的に普及し、 Windows NT Server と Windows NT Workstation あるいは Windows 95 を クライアントとするネットワーク竟が登場した。 Win- dows NT では TCP/IP を基盤とするネットワークが 構築され、ある未では TCP / IP のアプリケーションと みなすこともできる。しかし、、、 NT ドメイン " によるア カウント管理やファイル共有など独自の概念も多い。丘 は、この工竟に対応したアプリケーションも増え、いっそ うのひろがりをみせている。 文化の融合 以 E 、駆け足て概観してきたように、システムとネット ワーク竟の構築では、これまでにさまざまな文化が生ま それぞれに特均な竟とアプリケーションを生みだ してきた。これらの文化圏はそれぞれ独自の世界として発 展してきたため、従来はそれぞれの棲み分けもほは明確で あった。しかし、山も丘はこれら文イ tl 圏の区分か暖昧になり、 文化の融合が始まりつつある。この融合は、新たな技術を 生む原動力にもなっている。 たとえは、 UNIX システムを Windows 工竟のサーバ ーにする際に利用できる samba のようなシステムも現れ た。大型汎用機でも、 TCP/IP によるアクセスが可能で、 しかも UNIX や PC でファイルの共有かて、きるような機 構も開発されている。 このような文化のあいだをつなぐ技術の登場により、文 化の融合が一一段と加速されている。 UNIX MAGAZINE 1998.2 システム・インテクレーション 今回の本題は、システム・インテグレーション (SI:Sys- tem lntegration) である。 以降では、 SI とはどんな仕事 ( であるべき ) か、最低 限どのような知識が必要か、さらにシステム設言にどうい う考え方をもって臨んでほしいかといったことを中心に述 前節に記したような糸韋を経てさまざまな文イ tl 圏か融合 し始めた現在、システムの構築に携わる技術者か理解して おかなければならない技術は膨大になり、 SI の現場では システムの言妬 t がかなり難しくなってきている。したがっ て、 SI の技術者はユーザーといっそう積極的に情報を交 換しながら、よりよいシステムを作るようにじ掛けなけれ ばならないはすである。ところが、工堋大をみるとかならす しもそうはなっていない。特定の技行ごけを用いたシステ ムを構築しようとしたり、あるいは、文化圏を無視したシ ステムを構築するケースが多々見受けられる。そこで、 SI における ( 私なりの ) 基本的な考え方を以下に述べていき 義する。 論点を町寉にするために、 SI とは こでは SI を次のように定 「ある目的を実現するために、さまざまな不頁の機器・ソ 習に使える竟、あるいは画像処理研究のための竟の実 多様である。たとえば大学なら、学生のプログラミング演 ステムを構築する目的は、系目織や業務の形態によって多種 1 は、要するに目的を達成してはしいということだ。シ にまとめ、それらを運用・下力させることである。 2. SI の具イ勺なイ乍業は、多くのパーツを 1 つのシステム けれはならない。 1. システムの構築には目的があり、 SI はそれを実現しな 点であろう。 この定義から敷衍すると、 SI で実現すべきことは次の 2 て運用・下応力させること」 フトウェアを集め、それらを 1 つのシステムとしてまとめ 33

7. UNIX MAGAZINE 1998年2月号

0 表 2 OS のインストールに関する情報 man ペ・一シ - auto—install—sample/ archinfo/ add—install_client* S01aris—2.3/ Patches/ man kdmconfig man SYS- unconfig man sysidconfig man sysidtool man re-preinstall man monitor man boot man install-scripts ポイント OS の CD-ROM に含まれるインストール・スクリプトの解説 プートアップ・シーケンスの角見 PROM モニターからのプートガ去 JumpStart ソフトウェアのロードカ法 システムファイルを工場屮の : 虎態に戻す インストール時に景外些を受けるファイル、必要な情報 インストール時に景を受けるファイル、必喫な情報 X86 版用のシステム定ネ加月化コマンド hsun4c . 0 inst . てて * rm_install_client* setup—install_server* OS インストールに関連する予備情報 OS のインストールに関する情報は AnswerBook や、 そのハードコピーのドキュメントで提供されるが、こオ LJ ユ 外にもインストールの参考になる情報として、表 2 のコマ ンドの man ページがある。 システム構成ファイルやネットワーク・インターフェ イス、およびカーネルに対して適切な情報を設定するため に、内部で sysidtool と呼ばれるプログラムが使用され る。 sysidtool は新しいシステムを構成する際に使用され る次の 5 つのプログラムで、 SUNWadmap ノヾッケージ に含まれる。 ・ /usr/sbin/sysidnet ネットワーク里情報 ( ホスト名、 IP アドレスなど ) ・ usr/sbin/sysidnis NIS 、 NIS 十などのネームサービス関連情報 ( ドメイン ホスト、アーキテクチャ固有の情報 ・ /usr/sbin/sysidsys 名など ) ディスクスライスの構成計画 ディスクスライスの構成については、インストールの過 程で次のどちらかのガ去を尺するように求められる。 ・自重潴己置 システムが自動的にファイルシステムをレイアウトす る。ューサーのカスタマイズも可育 手竹業による配置 すべて手イ乍業でレイアウトをおこなう。 通常は自重潴己置を選択する ( 図 5 ) 。自動配置の場合で も各ファイルシステムのサイズやマウントボイントの変更 は可能である。どのディレクトリを自重加己置するかをファ イルシステム単位で指定することもできる。 各ファイルシステムごとのサイズは、ディスクの容量 に応じてデフォルト値か設定されるがカスタマイズもでき る。とくに OS のファイルシステムを複数のディスクに 分散して配置する場合や、 OS をインストールするディス クにアプリケーションやデータ、ホーム・ディレクトリな どを配置する場合は、事前 0 ンヾーティションの構成を細か く引しておく必要がある ( パーティション構成の引画に ついては彳あ ファイルシステムの配置とサイズカヾ夬定されるとインス トールの過程では次のように石信忍できる ( 自動配置。 So- 0 ・ /usr/sbin/sysidroot root ノヾスワード /usr/sbin/sysidpm 電源管理機能の設疋 これらのプログラムはシステム・インストレ 際に自重加勺に乍する。 16 laris 2.6 、ディスク 4.2GB 、 ーーションの ファイルシステム swap overlap /export/home ディスク c0t5d0s0 c0t5d0s1 c0t 5d0S2 c0t 5d0S6 c0t5d0s7 メモリ 64MB)0 サイズ 118MB 79MB 4 , 119MB 857MB 3 , 064MB UNIX MAGAZINE 1998.2

8. UNIX MAGAZINE 1998年2月号

UNIX Communication システム・インテグレーション 山口英 Notes 文化の移り変わり UNIX MAGAZINE 1998.2 容量は ( メモリ、ディスクともに ) 限られた資源であっ ・システム管理者やユーザーにとって、システムの記憶 うなことが自明のこととされていた。 システム構築の面から考えると、この文化圏では次のよ た。こオ功ゞ - ド地になって、大型汎用機文イゞ生まれた。 運用には多くの技術者カわり、コミュニティカ形成され システムカ鯛発・運用された。これらのシステムの構築や 背景のもとで、、、大型汎用機 " として分類される数多くの 環竟を提供することが常識と考えられていた。このような 能の豊富なシステムを構築し、多くの人力哄同利用できる 化して構築・運用することはあまりなく、できるかぎり機 も珍しくはなかった。このため、システムをある目的に特 システムはたいへんに高価で、数イ意円から数一日意円の製品 捉えられてきた。たしかに、そのころまでのコンピュータ・ な資源であり、多くのユーサーカ哄同利用するシステムと 1980 年代に入るまでは、コンピュータはきわめて稀少 大型明機文化 を取り巻く文化の発生とキ致を概観してみよう。 こ 20 年のコンピュータとネットワーク 今回はます、 あろう。 ミュニティは、ある種の文化を生み出してきたといえるで な約束事や考え方が常識 " となっていく。このようなコ すると、それを支えるコミュニテイか形成ささまざま る技術には日罸にごとに流行があり、ある技術がひろく普及 をめぐる環竟はつねにめまぐるしく変化してきた。使われ この 20 年ほどのあいだ、コンピュータとネットワーク た。したがって、プログラムを磁気テープからロードし たり、結果をテープに書き出すような使い方がひろくお こなわれていた。ューサーがテープ装置などの外部 I/O 機器を用いるのも日常茶飯であった。逆に、各ューサー に割り当てられたディスク装置に使わないファイルをい つまでも放置するようなことは、、、よいイ去 " ではない との教育がおこなわれた。 大型汎用機を取り巻くネットワークの大部分は、基本的 に端末を収容するためのものであった。このようなネッ トワークでは、端木を RS232C で直孑妾続したり、遠 ド融也の端末についてはモデムて接続するのが一勺であ った。 1980 年代に LAN 技ゞ登場してからは、 LAN 経由での端末の収容も実現されたが、基本的にホストと 端末の関係は変わらなかった。 ・電子メールやファイル中幻医のようなネットワーク・サー ビスは、大型汎用機を相互接続した環竟にもあったが、 これらのサーピスを使うことは稀であった。とくに電子 メールについては、気軽に使うような状況は皆無に等し かった。 ・ユーザーには、システムの構造や運用に関する情報はは とんどといってよいほど公開されていなかった。つま り、ユーサーは管理者の掌の上でしか活動できなかった のである。さらに、管理者とユーザーとの棲み分けが明 確であった。 最近は、大型汎用機が注目を集めることは少なくなっ た。しかし、現在も数多くの大型汎用機か稼動し、さまざ まなサーピスを提供している。とくに、大規模データベー スを構築し、オンライン・トランザクションを扱う金融や 証券などのうアでは、依然として中心的存在である。 31

9. UNIX MAGAZINE 1998年2月号

図 6 クライアント・サービス用ディスクエリア俿档て の割 0 、 いわ西面でま、クライアント用のルート ( / ) のスワップのサイスを指定できます。デフォルトのクライアント数は 5 、デフォルトのルートのサイズはメガバイト、そして、デフォルトのスワップサイズはメガバイトです。 注 : こ面でま、クライアント用にだけ割り当てる値を指定します。クライアントの設を完了させるには、 「熔ソフトウェアのインストール後、釦 t 忙 8 ホストマネージャ用する要があります。 タイプクライアント数 x サービス スワップ 前に戻る 工ンドユーヨガーシステム 各サイズ 全サイズ 180 ・サポートにソフトウェア開 発に必要な環竟を加えたもの。 3. 工ンドユーザーシステム・サポート (End-users) クライアントの台数と、各クライアントに割り当てるル OS サーバーの場合は、サポートするディスクレス・ OS サーパーのディスクスライス構成 百 MB までのサイズで変化する。 定によって、必要となるディスク容量は十数 MB から数 き、それに従うかたちでインストールをおこなう。この設 ファイルシステム構成の計画をあらかしめ用意してお インストールの機能を使うか、その内容をメモしておく。 見積もっておいて、その言 1 どおりに進める場合は、自動 に不要なものを除いていくようにする。事前に必要な量を トウェア・クラス、あるいはソフトウェア・パッケージごと むクラスタを選んでおき、細かな調整が必喫な場合はソフ j 尺していく。手順としては、ます必要な機能をすべて含 インストールの過程で、これをディスク容量を見ながら ソフトウェア管理の最小単位 ソフトウェア・パッケージ パッケージをグルーフ化したもの ある機能を実現するために必要な複数のソフトウェア・ ・ソフトウェア・クラス みを含む。 Solaris 2. x のプートと実行に必要なソフトウェアの 4. コアシステム・サポート (Core) 竟を加えたもの。 コアシステム・サポートに OpenWindows の利用 18 マウントイント /export/root UNIX MAGAZINE 1998.2 一般にはルート・ファイルシステム単独の場合と、 ート・ファイルシステムとスワップエリアを決めておく は、一ヨ勺に次のようなファイルシステムかイ吏われる。 スライス ( = ファイルシステム ) を分ける単位として 数のディスクに分散したほうが生能 - ヒは有効 ・スワップエリアは、 1 つのディスクに集中させるより複 く分ける必要はない に関する物ゞそれほど厳しくなければスライスを細か 大容量のディスクやバックアッフ。装置があるか、性能 すい ステムは別々のスライスに分けておいたほうか管理しや セキュリティあるいは共有のレベルが異なるファイルシ ・ NFS を使ってファイルシステムの共有をおこなう場合、 なる ・スライスは標準のバックアップ・コマンドク巣作単位と イスを複数のディスクに分散させることはできない ・スライスは複数のディスクに設定できるが、 1 つのスラ ェリア用の 2 つのスライスが必要 すくなくとも、ルート・ファイルシステムとスワッフ ・ 1 つのディスクには 8 つまでのスライスか設定可能 ・ 1 つのスライスに 1 つのファイルシステムがイ乍られる する。 ディスクスライスの構成を決める場合は以下の点に留意 スライス構成のパターン ( 図 6 ) 。

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Fibre Chann テ、イスクアレイ・システム 4 Ⅲ川川Ⅲ川ⅢⅧ川川 1 川川Ⅷ 川 .1 」」 lll 胆 1 衄 0 x t 0 r a 9 0 三一三一 Nextorage は ANSI 規格に準拠した Fibre Chann ティスクアレイシステムです。 既存の SC 引ディスクアレイ・システムを凌駕する転送速度 ( 最大 1 OOMB/ 秒 )* と 大容量 ( 36GB ~ 1 . 1 TB ) をローコストで実現します。 画像テータ・ CAD データのストレージシステムとして、圧倒的なパフォーマンスを発揮します : 36GB テュアル・ループ・ティスクアレイユニット : 定価 2 ッ 690 ッ 000 円 72GB デュアル・ループ・ディスクアレイユニット : 定価 3 。 330 。 000 円 ロ・ホットスワップ FC - AL 対応ディスクドライブ ・デュアル・ループ 1 .062Gbps 規格サポート ・ COPPe 「 / 光ファイバケーブル選択可 ロ 0 最大容量 1.1 TB ・強力空冷システム システム構成例 ( デュアルループ時 ) ■システムコンホーネント : ホストアダブタカード ( PC レ SBUS ) / 9 ポート HIJB / COPPe 「または光ファイバケーブル ■ディスクアレイユニット寸法 : H507mmxW284mmxD534mm( タワー型 ) H222mmxW482mmxD534mm ( ラック型 ) ※ワークステーション・ PC への画像入出力装置も扱っております。適宜お問い合わせ下さい。 聞会社計測技術研究所 営業部ヒジュアルウェア課 TEL. 045-474-0701 FAX. 045-474-0691 http://www.keisoku. CO. jp E-mail VWsaIes@hq.keisoku. CO. jp 資料請求 No. 069 理 WS WS ディスクレユニット