られすに WWW や FTP などのアプリケーションが商 に使えないという状況もよくある。このように、インター ネットにおける性能言叫面では、 IP 層レベルでのバケット 損失率も注意すべき孑票である。 スルーブットやの岳らぎ ネットワークでの性能の揺らぎにも注目する必要があ る。揺らぎは、 WWW 、 FTP 、 Telnet 、電子メールと いった時間制係生のないデータ通信ではとくに問題になら ないが、ピテオ伝送やインターネット電話などの寒間マ ルチメディア情報の伝送では大きな問題となる。 たとえば、ネットワークを用いてピデオ伝送をする場合 を考えてみよう。ここでは、伝送するピデオば石宿されて いないものとする。ーヨ殳に、ビデオは毎秒 30 フレームか ら構成されている ( 1 / 30 秒ごとに静止画を表示する樹冓 と言い換えてもよい ) 。これをネットワークを介して送る 場合、次のような条件を満たさねばならない。 ・あるフレームについて、データを受信して表小する処理 を 1 / 30 秒以下でおこなう。 ・フレームどうしの間隔は 1 / 30 移未満にとどめる。 ネットワークの遅延に揺らぎがあると、 2 番目の条件を 満たせない可能性があり、結果として表小するビデオの生 能が劣化する。圧縮したビデオを伝送する場合はもうすこ し複雑な処理をおこなうが、それでも遅延の揺らぎによっ てピテオの性能は劣化する。 ビデオや音声を実日判りてイ云送するときは、伝選星延の揺 らぎが情報の再生に景グを - 与える。山も匠は、インターネッ トでも、マルチメディア・システムを利用して重丿像を提 供する ReaISystem や、音声を伝送するインターネット 電話などのサービスがおこなわれるようになった。このよ うな用途を考えると、ネットワークにおける遅延などの生 能の揺らぎについても注意を怠ってはならない。 使用或 ネットワークカ甘是供する帯域のうち、どの程度か実際に 利用されているかを知ることも重要である。 「通イ各性育幻の項でも述べたが、スルーブットや遅延 バケット損失率は、ネットワークの利用頻度と相関関係が ある。ー殳に、混雑したネットワークでは良好な生能力碍 られない。このため、管理対象のネットワークを常時監視 連載 /UNIX Communication Notes—O 18 図 4 MRTG を利用した長見測 w ・併叩 h M “ Av 鷦・ ) ー 63.0 k 12 ド「、 MaxIn m75 第 k Ⅳ 30 % ) A' 讐 a 3 刀 8k を ( 0.4 % ) C ー e 誠 9 ーⅣー ( 0 ん ) M 0 ヨ 48 & 8k s ( % ) A マ 0 0 : 700 3 / 5 ( 0. アん ) C 記は 0 就 : 380 ーな ( 0.4 % ) 'Monthly' Graph 。 Av ・ ) ー 4&.0 k 0 、 0 k ・ k OS を k M ヨ 07S.2k Ⅳゞ 0.1 % ) A a 352.8k ー ( 0 ぐ / 。 ) C 山化 4 .3k Ⅳー ( 0 、ぐる ) M 駅 0 応 92.9k ツ 30 4 % ) A 師 a 0 : 0.8kbI Ⅱ 0.5 % ) C 代就広 5 0 ミ ( 0.5 % ) Yearly' 併叩 ( 10 A er 鷦・ ) 36 .0 k 一方、個別のアプリケーションの生能を言れ則したり、パ おこなうことができる ( 図 4 ) 。 Grapher) では、 SNMP を用いてマクロな観測を簡便に にひろく使われている MRTG (Multi Router Traffic 求されるかもしれない。たとえば、インターネットの管理 週、月、年といった長期間のレベルでの継続的な監視も要 用帯域の経時変化をマクロに捉える必要がある。さらに、 を石忍するといったイ 1 璞になる。このような場合には、使 用状況とその変化をみて、利用率か飽和しているかどうか ワーク・インターフェイスを 5 分ごとに観測し、 1 日の利 測を始める。具ー勺には、回線の両端のルータでのネット らわれる。このような症状カ斗長告されたら、使用帯域の観 から東京への電子メールの酉当医カ嗹れるといった症状があ サーバーにアクセスしたときに長日判待たされたり、大阪 始めると、ユーザーレベルでは、東京から邸反の WWW 互接続しているケースを考えてみよう。この回線が昆雑し 1.5Mbps のデジタル専用回線を用いてネットワークを相 築を検詞するような場合である。たとえば、東京・大阪間で マクロにみなけオ L ばならないのは、ネットワークの再構 口にみなければならない場合がある。 視については、マクロにみなければならない場合と、ミク ゆる使用帯域を把屋することか重要である。使用帯域の監 し、ネットワークの帯域がどオレごけ使われているか、いわ M 観北 : 033k Ⅳ 3 ( 3.4 % ) Av “ a 0 此 6 師 9 な ( 0 ず % ) C 以就 735.5 た⑩ア % ) M ロ 599k Ⅳ 30 % ) Av 0 地 : 359 ヨ k Ⅳ 5 ( 0. 。 ) 虹 0 3 ろ ( 0. も ) ドの′↓一 Sep 一を N ・ J ′・ F を 0 UNIX MAGAZINE 1998.4
・インターネットの利用とイ且み ( 吉村伸 ) ( 45 ) ネットワークのトラブル・シューティング ( 4 ) ・・ ( 46 ) ネットワークのトラブル・シューティング ( 5 ) ・・ ・インターフェイスの街角 ( 増井俊之 ) ・ 1997 年 4 月 ~ 1998 年 3 月 04 26 05 58 ・・ 1997 / ・ 1997 / ( 26 ) ハードウェア去斤情報・・ Column ・・ 1997 / 07 118 ( 1 ) 携帯情幸末 Pilot のプログラム開発・・・・・・ 1997 / 12 109 ( 2 ) 重加勺曖床検索・・・・・・ 1998 / 01 65 ( 3 ) 重加勺第未検索プログラムの作成・・・・・・ 1998 / 02 76 ( 4 ) 予測インターフェイス・・・・・・ 1998 / 03 120 ・倉敷楙斗学大学のネットワーク構築 ( 小本林ロ真 ) ( 13 ) お買物リスト・ ・・ 1997 / 04 38 ( 14 ) ネットワークー画・・・・・・ 1997 / 05 52 ( 15 ) ダイヤルアップ・サーバー ・・ 1997 / 06 59 (16)DHCP ・・・・・・ 1997 / 07 72 ( 17 ) ネットワークカ ) ・・・・ 1997 / 08 62 ( 18 ) インターネットを利した試験・・・・・・ 1997 / 09 95 ( 19 ) ホリシ ー・シェーピング・・・・・・ 1997 / 11 63 (20)MRTG ・・・・・・ 1997 / 12 38 ( 21 ) 岡山情報ハイウェイ・・ ・・ 1998 / 01 41 ( 22 ) 岡山情報ハイウェイ ( 2 ) ・・ ・・ 1998 / 02 57 ( 23 ) お買物リスト ' 98 ・ ・・ 1998 / 03 43 ・ファイアウォールの作り方 ( 白崎博生 ) (I)OS とソフトウェアのインストール・・・・ 1997 / 11 123 (2)FWTK の入手とコンパイル・・・・ 1997 / 12 96 ( 3 ) OS のド及とカスタマイズ・・・・・・ 1998 / 01 86 ( 4 ) セキュリティ・ポリシーの作成・・・・・・ 1998 / 02 45 ( 5 ) セキュリティ・プランの作成・・・・・・ 1998 / 03 17 ・プログラマー入門 (27)JavaScript ( 6 ) ・・ (28)JavaScript ( 7 ) ・・ (29)JavaScript ( 8 ) ・ (30)JavaScript ( 9 ) ・・ (31)JavaScript ( 10 ) ・・ ( 荒井美千子 ) 1997 / 04 93 ・・ 1997 / 05 107 ・・ 1997 / 06 90 ・・ 1997 / 07 108 1997 / 08 127 (32)Microsoft の Web 技術・・・・・・ 1997 / 09 122 (33)Microsoft の Web 技術 ( 2 ) ・・ (34)Microsoft の Web 技術 ( 3 ) ・・ (35)Microsoft の Web 技術 ( 4 ) ・・ (36)Microsoft の Web 技術 ( 5 ) ・・ (37)Microsoft の Web 技術 ( 6 ) ・・ (38)Microsoft の Web 技術 ( 7 ) ・・ ・プログラミング・テクニック ・・ 1997 / 10 136 ・ 1997 / 11 157 ・・ 1997 / 12 116 ・・ 1998 / 01 136 ・・ 1998 / 02 113 ・・ 1998 / 03 128 ( 多治見寿和 ) ( 1 ) ソースコードから学ぶ・・・・・・ 1997 / 11 95 ( 2 ) データ構造・・・・・・ 1997 / 12 128 ( 3 ) 2 重リンクリスト・・ 1998 / 01 108 ( 4 ) : 木構造・・・・・・ 1998 / 02 70 ( 5 ) : 料冓造の作成と探索・・・・・・ 1998 / 03 111 ・ワークステーションの基礎矢 ( 齊藤己 ) (23)CPU ・・・・・・ 1997 / 04 45 (24)CPU ( 2 ) ・・ ・・ 1997 / 05 101 (25)CPU ( 3 ) ・・ ・・ 1997 / 06 116 UNIX MAGAZINE 1998.4 ・ AUTONOMOUS ZONE ( 粉川哲夫 ) (1)VirtuaI Reality Universe ' 97 ・・ ・ 1997 / 08 139 (2)One to One Communication ・・ ・ 1997 / 09 130 (3)VRN'1L ー 記号から射景彡へ・・・・・・ 1997 / 10 147 ( 4 ) 02 と外付け Ultra Wide SCSI ・ ・・ 1997 / 11 116 ( 5 ) コンピュータにとっての委に / : ・・・・・・ 1997 / 12 156 ( 6 ) 情報マシンの宿命・ 1998 / 01 152 ( 7 ) ネットワークと動可央像・・・・・・ 1998 / 02 149 ( 8 ) 個族の日に・・・・・・ 1998 / 03 103 ・ Book Review 『 UNIX lnternals: The New Frontiers 』西本亨・ 1997 / 05 134 CFTP サー , 寸冓築ガイド』十」京哲①に・・・・・・ 1997 / 06 135 ・ Coffee Break ハッカーと食生活、ホーム・ディレクトリ itojun@itojun ・ org/ yuo@h.nui.org ・・・・ 1997 / 12 107 コンピュータの買い方、 PC UNIX 者のノート PC 選び izawa @anatano.koi.bi.to/itojun@itojun.org ・ ・ 1998 / 03 67 、 146 ・ NetNews 便り ( みるく ) fj の手引きを才齬高するニュースグループ・・・・・・ 1997 / 04 120 INN のセキュリティ・ホール、 Microsoft lnternet News の 間題・・・・・・ 1997 / 05 128 セキュリティ・ホールのいろいろ・・・・・・ 1997 / 06 137 フリー・ソフトウェア配布と NetNews ・・ 1997 / 07 132 新 . archives. * に才齬哥される文書・・・・・・ 1997 / 08 90 お知らせ / 募集用ニュースグループ・・・・・・ 1997 / 09 107 URL Map about fj. * ・・ 1997 / 10 119 メール感染型偽ウイルス情報・・・・・・ 1997 / 11 110 fj の著竹権ガイド・・ ・・ 1997 / 12 147 fj Words World ・・ ・・ 1998 / 01 122 NetNews 用語・・ ・・ 1998 / 02 130 Wizard って何 ? ・・・・・・ 1998 / 03 148 ・ワークステーションのおと ( 坂下秀 ) (IOI)DiskSuite 4.0 ( 6 ) ・・・・ 1997 / 04 74 (102)DHCP を使おう・ ・ 1997 / 05 72 ( 103 ) ファイルサーバーか壊れた ! ! ・・ ・・ 1997 / 06 80 ( 104 ) 続・ファイルサーバーカれた ! ! ・・ ・ 1997 / 07 88 (105)DHCP サーバーあれこれ・・・・・・ 1997 / 08 121 ( 106 ) 電話システムの入替え・・・・・・ 1997 / 09 103 ( 107 ) 電話システムの入替え ( 2 ) ・・ ・・ 1997 / 10 98 ( 108 ) オフィスの引越し・・ ・ 1997 / 11 71 ( 109 ) オフィスの引越し ( 2 ) ・・ ・・ 1997 / 12 81 ( 110 ) オフィスの引越し ( 3 ) ・・・・ 1998 / 01 77 ( 111 ) 実家でも電子メール・・ 1998 / 02 98 (112)Deskpro 4000S ・・ 1998 / 03 98 167
連載 UNIX Communication Notes 図 3 RTT (Round Trip Time) 素 送信ホスト 処理開始 図 2 とネットワーク負荷の系 受信ホスト 遅延 0 ネットワークの負荷 途中にあるルータなどの通信機器におけるバケット処理遅 延もあるだろう。 遅延とネットワーク利用頻度のあいだにも相関関係があ る。ネットワークがあまり使われていないと遅延は低く抑 えられるが、ネットワークの利用頻度か高くなって混雑し てくると遅々寺間は大きくなる ( 図 2 ) 。伝送方式によって は、ネットワークの利用頻度が高くなると遅延が無限大、 つまり、いつになってもデータカイ云送されない状態になる こともありうる。たとえば、 Ethernet ではネットワーク の利用頻度か高くなりすぎると、いつまでたってもデータ 伝送カそきず、結果として遅々当間が無艮大になってしま うことがこれまでの研究で明らかになっている。 ネットワークの遅延を考える場合、、、高速ネットワー ク " という言葉には注意しなければならない。私たちはよ く高速ネットワークという言葉を口にするが、たいていは 広帯域ネットワークを指す。しかし、この言葉の用法が 混同されているため、、、広帯域ネットワーク = 高速ネット ワーク " と信しているユーザーは多い。このため、たとえ ば「 OC -12 の ATM ネットワークを使うと、伝送遅延 はほとんど 0 になる」といったようなことを言う人もい る。たしかに、現在利用しているネットワークより広或 なネットワークを使うことで、ネットワークの利用頻度が 相対的に低くなり、結果として遅延日判肋ゞ小さくなるのは 事実である。その未で、高速ネットワークということも できる。しかし、より広帯域なネットワークを使っても、 伝各における伝送遅延は絶対に 0 になることはなく、 定の伝送遅延がかならすある。したがって、伝各が長く なれば、たとえ OC-12 の ATM ネットワークを使った としてもある程度のイ云送遅延が生じるのである。 遅延については、 RTT (Round Trip Time) に注意し 処理終了 時刻 なければならない。 RTT とは、その名が示すように、送 信先にデータを送り、そ窈区答をもらうまでの往復の時間 である。ー殳に、通信システムでは RTT が小さな状態の はうが TCP などのプロトコルでの応答生か高くなる。逆 に RTT の大きなネットワークでは、 TCP のフロー ントロールなどをうまく機能させるのか難しくなり、性能 が劣化する。したがって、 RTT が小さくなるようにネッ トワークを構築したり、あるいは RTT が大きな状態を解 消するようにネットワークを運用することカましい。図 3 でいえば、 RTT は、 RTT = tl 十 t2 十 t3 十 t4 十 t5 となる。ここで、 tl と t5 はそれぞれ送信側でのデータの 送受信処理、 t2 と t4 はそれぞれネットワークでの伝送時 間、 t3 が受信イ則でのバケット処理の時間である。 RTT に は、もちろんネットワークでの伝選屋延が含まれるが、そ れ以外に送信先ホストで窈区送処理にかかる時間も含まれ る。したがって、 RTT を言れ則したとしても、それは通信 路での伝選屋延を正確に表すわけではない。 バケット率 バケット損失率とは、ネットワーク内の 2 点間で通信 をおこなった場合のバケット損失の発生率を表す。バケッ ト損失は、データリンク・レベルでは次のような原因で発 生する。 ・通信路のノイズによるデータ工ラー ・データをバースト的に送信した場合のネットワーク・イ ンターフェイスへのノヾッフア・オー ノヾーー ' フローー 16 UNIX MAGAZINE 1998.4
れる。 配送に使われるシステムを所有する ISP に直接分配され るわけではない。したがって、そのコストをどこかに転嫁 仮に目標値を設定したとしても、ネットワーク環竟本 の性能は、利用するデータリンク技術の能力だけを担纒こ しなけれはならなくなる。 決められるものではない。使用するワークステーションな インターネットにおける広告は、提供する側からは上交 どのユーザー側の機器の設定や性能、ネットワーク・サー 的対象を絞りやすいという利点もあるようだ。 Web 広告 ピスを提供するサーバー群の設定や性能にも大きく左右さ のマーケットは念敷に拡大しつつあるが、今後もさらに伸 れる。ところが、ネットワーク導 . 邸学の性能評価では、た びると予測されている。そのなかで、酉占医コスト負担の間 んなる通イ各の匪能測定にとどまるケースか大半である。 題がどのように扱われるかはたいへんに興架い。 ネットワークが運用段階に入っても、ネットワーク竟 性能管理の現状 の性能調面を定常的かっ十分に実施しているところは少な いようだ。去も匠は、 SNMP を用いたネットワーク管理シ ネットワーク管理のさまざまなイ業のなかで、もっとも ステムによってルータでのバケット処理の測定が可能に 厄介なのが生能管理である。前回も説明したように、性能 なり、ネットワークのおおまかな負荷を知ることができる 管理では、言 1 時に掲げた達成目標を構築したネットワー ようになってきた。しかし数分あるいは委齟間といった クで実現できたかどうかを調べ、状況に応して適切に対応 ま麒月間のネットワーク利用状態を寸・分に角財斤できる竟を しなければならない。具イ勺には、ネットワークの導入時 用意しているところはあまりない。多くの場合、尉見対象 に性能を測定し、意図どおりに構築されているかを石忍す はネットワークだけであり、たとえばネットワーク・サー る作業や、運用状態に入ったネットワークを調べ問題を ビスを提供するサーバーの運用状態や負荷などもあわせて 発見する作業が含まれる。 評価するような仕組みを総合的に構築している竟は伏 ところが、現在のネットワーク構築においては、言段 では稀であろう。運用中のネットワークでは、いすオ L 必要 階で、 となるネットワーグ叫冓築の準備としての長期的観測も重 要である。さらに、ネットワークが急激に遅くなるといっ ・ユーサーにとってどの程度のネットワーク帯域が必要か た障害に対応するためには、去麒月間の精密な則技術も不 ・どの程度のバックポーン帯域が必喫か 可欠である。 このように、運用状態にあるネットワーク竟に対する といった点を利的に決定するプロセスが欠けているよう 性能管理では、いろいろな側面からの則が必要になる。 だ。たとえば、運用中のネットワークでの利用状況を定期 そのため、これらのニーズにつねに応えられるような調則 的に測定して予測に役立てたり、あるいはシミュレーショ 竟の整備は、コスト的にも運用的にもかなりの負担にな ンをするといったことはあまりない。実伏はといえは、「ネ る。すべてのネットワーク・セグメントにトラフィック言れ則 ットワークが昆雑して遅くなってきたのかな」と感してか 機器を常日喆妾続しておくといった対策も考えられるが、大 らネットワークのトラフィックをすこしばかり測定し、自 莫なネットワークでは莫大なコストがかかるため、けっ 分の感触か事実であることを石忍してから、より帯域の広 きよくは運用上重要なセグメントに絞って監視するといっ いデータリンク技術を使おうとネットワーク言 t を始める た決析を下すことも多いようだ。 ことが多いのではないだろうか。これは、ネットワーク の状態を定常的に観測する仕組みか整っていなかったり、 今回は、性能評価を中心として、工知点で利用できる手 利用予測やシミュレーションをおこなう環境がなかった 法について解説する。 り、あるいは、ネットワーク機器の償却期間か决められ ていて、問題が発見されてもすぐに対応できないといった 性能管理の目標 要因があるからであろう。このような理由から、性能管理 において重要な位置を占める性能の目標値を設定しないま まネットワークの構築に着手することがかなり多いと思わ 連載 UNIX Communication Notes— さきはども述べたように、性能管理の目標は、ネットワ ークが意図どおりの性能を提供しているかどうかを調べ、 14 UNIX MAGAZINE 1998.4
増えるネットワークプリンタの利用 かってネットワークプリンタといえば、社内ネットワークの整 備された大企業で使われるもの、というイメージが強かった。 しかし最近では、小規模オフィスにおいてもコンピュータのネッ トワーク化によるリソースの共有が進み、たとえば SOHO 的 な規模のオフィスでもネットワークプリンタの導入はめずらし いことではなくなっている。 たしかに、小規模なネットワークであっても、サーノヾーなし でネットワークに接続できるネットワークプリンタ導入のメリット は大きい。リソースの共有という観点からも、スペースの節約、 コストの削減、といったメリットを直接感じられるのがネットワー クプリンタであろう。 以下、ネットワークプリンタを選ぶポイントをいくつかあげて みる。 オフィスに必要なプリンタの基本機能 ネットワークプリンタとはいっても、やはりプリンタ自体の機 能がまず重要であることはもちろんである。 ネットワークプリンタはほとんどがレーザープリンタであり、 いまや印刷解像度は 600dpi がスタンダードだ。スムージング 機能によって擬似的に 2400dpix600dpi といった高解像度 を実現している機種もある。 ネットワークに 対応する ソリューション 最近、企業内だけでなく小規模オフィスでの利用も増え ているネットワークプリンタ。 進化するネットワーク環境に対応して、ネットワークプ リンタもますます高機能化している 印字スピードでは、 A4 6 枚 / 分、といったところを標準とし て、 A4 20 枚以上 / 分といった高速プリントを実現する高機 能な機種も登場している。ネットワークプリンタにとって、この 印字スピードは意外に重要なファクターである。ネットワーク 全体の出力枚数に対応できないプリンタでは、ネットワーク化 したことで逆にプリント待ち時間が増えてしまう、といった事 態も発生しかねない。将来的なネットワークの規模、出力枚 数を計算にいれて、ある程度余裕ある機種を選択したほう がいいだろう。また最近では、いったんプリントした書類のイメー ジをプリンタのメモリ上に保持し、複数部数の出力時にはメ モリからの高速プリントを可能にしたプリンタも登場している。 プリント後にコピーする手間が省け、きれいな出力を手にで きるわけだ。 印字スピードと同様、対応する用紙サイズと給紙容量も重 要なポイントである。最近のプリンタでは A3 ~ A4 の用紙サイ ズに対応したものが多くなっている。オフィス内での用紙サ イズごとの出力枚数を見極めて、必要な給紙容量を持った プリンタを選ぶべきである。たとえば、 B4 と A4 をほば半々に 出力するならば、最低 2 段の給紙カセットが必要となる。手差 しの印刷が頻繁に発生するようでは、ネットワークプリンタの 価値は半減してしまう。オプショントレイカセットの増設などに よって、最大何枚までの給紙容量が確保できるのか、チェッ クしておくべきだろう。 キヤノン販売 レーザーショット LBP-750 レーザーショットのスタンダード 〇プリント解像度 : 2400dPi 相当 x 600dpi 〇プリント速度 . A4 8 枚 / 分 〇給紙容量 : 250 枚 ( 最大 850 枚 / 3 カセット ) 〇用紙サイズ : A3 / B4 / A4 / B5 / A5 〇内蔵メモリ : 4MB ( 最 大 36MB ) 〇対応プロトコル : TCP / IP ・ EtherTaIk ・ NetWare ( 別売カード 要 ) 〇 NetSpot によるネットワーク プリンタ管理が可能〇標準価格 158 , 80 円
連載 UNIX Communication Notes— 0 図 1 スルーブットとネットワーク負荷の系 問題がある場合には適切に対処することにある。 この目標をいくっかの技勺な項目に分け、各項目ごと に考えてみよう。 通信路性能 性能管理の重要な柱は、通信路の性能測定と詔面であ る。これは、構築したネットワークを構成する通信路カ硼 待どおりの性能を発揮しているかを測定することである。 ー殳に、通信路の性能測定では以下の点カ甘票となる。 荷 " とは、ネットワークに接続されている端末がおこなう ・スルーブット (throughput) 通信の頻度を表していると考えてよい。 ・遅延 ・バケット損失率 実際にスルーブットを測定すると、ネットワークをあ ・スルーブットや遅延の揺らぎ まり使用していない場合は利用状況に応した値か得られる が、ネットワークの利用頻度が高まってくると、ある時 スルーブット 点から制御のためのオーバーヘッドか増大し、スルーフッ スルーブットは、通信路が単位時間あたりに伝達でき トが劣化する ( 使用しているデータリンク技術の種別や、 る情報量を表す。たとえば、私たちはしはしばネットワ ルータやハプ、スイッチといった通信機器の性能によって ークの性能を示す指標として「最大 12Mbps のスルー 劣化の特生は変わる ) 。つまり、スルーブットとはネット ブットが得られている」といった表現をする。 ワークの利用状況に応じて変化するものなのである。ネッ の、、 12Mbps" は、通信路が毎秒 12 , 000 , 000 ビットを伝 トワークを過度に利用している場合、スルーブットは劣化 送していることを表す。スルーブットを考える場合、いく すると憶えておいたほうがよい。 っかの点に注意しなければならない。 1 つは、通信路カ甘是供するバンド幅 (bandwidth) ある 遅延は、ネットワークにデータを流したときに、伝播に いは帯域と、通信路のスルーブットとは違うという事実で かかる時間を表す。ネットワークの遅延は、さまざまな要 ある。たとえば、 Ethernet は IOMbps の帯域を提供す 因に左右される。 るが、スルーブットは 2Mbps といった場合もある。ーヨ殳 その 1 つは、媒体における伝幻屋延である。たとえば、 に、帯域はデータリンク技術を言したときの理言制直で定 義されるのに対し、スルーブットは実際に測定した生能を 光ファイバーを用いた伝各の場合、伝選屋延は光ファイ バー内での光の伝播速度とファイバーの長さによって決ま 示す。したがって、ネットワークの実装にともなうオー バーヘッドや測定に使用するソフトウェアなど、さまざ る。したがって、距讎勺に長いファイバーを利用すれは、 まな要因に景を受ける。さらに、性能を測定して最大ス もちろん伝選星延が大きくなる。 ルーブットを則したとしても、理言制直としての性能であ 遅延は、伝各に送り出す手順によっても生しる。たと る帯域と同じ値か彳昇られることはほとんどない。このよう えば、毎秒 10 回 ( 0.1 秒 ) 間隔で伝叝各にバケットを送 なことから、ネットワークの帯域はあくまでも 1 つ窈票 出するデータリンク技術では、その送出手順によって遅延 として捉え、現実のスルーブットとは異なると考えるべき が生しる。 こでの送出手順を、一ヨ殳にメディアアクセス である。 制御 (MAC: Media Access Control) と呼ぶ。 もう 1 つは、スルーブットとネットワークに対する負 さらに、 TCP/IP 層でのバケットの処理やバッファリ 荷との相関関係である。図 1 は、横軸にネットワークの ングなどでも遅延が生しるし、アプリケーション・レベル 負荷、縦軸にスルーブットをとり、多くの通信システムが での遅延では、各種の情報処理のオーバーヘッドもカ刪未さ こで、、ネットワークの負 もっ特性を示したものである。 れる。 LAN 相圧接続工竟やインターネットでは、経路の スルーブット - 最大スルーブット 0 0.5 ネットワークの負荷 15 UNIX MAGAZINE 1998.4
また最近では、企画書などの書類にデジタル写真等のイメー ジ要素が多く取り入れられ、ドキュメントのカラー化も進んで いる。プレゼンテーション用のカラー書類を多く作成する企画、 デザイン、広報などの部門では、カラーネットワークプリントが 必要となる場合も多いだろう。 た。たとえば、 W ⅲ dows では縮小印刷がサポートされている OS によって異なり、プリンタの機能が活用できない場合も多かっ スされることが多いようだ。以前はドライバーソフトの機能が 最近では Windows95 や NT 用のドライバーソフトからリリー は、当然ながら各 OS に対応するプリンタドライバが必要となる。 また、クライアントマシンが多種類の OS で構成される場合 UNIX マシンなど、複数のクライアントマシンに対応可能だ。 Windows95 や WindowsNT 、 NetWare 、 Macintosh 、 ンの場合もあるが、これらのプロトコルをサポートしていれば、 いる製品が多い。ネットワークカードは標準の場合もオプショ ( IPX / SPX ) 、 EtherTalk の 3 つのプロトコルをサポートして 最近のネットワークプリンタでは、 TCP/IP 、 NetWare きるか、が重要になる。 トワークカードによってどんなネットワークプロトコルに対応で ネットワークプリンタを選ぶ場合には、そのプリンタがネッ マルチプロトコル対応とドライバーソフト 〇標準価格 : 1 , 380 , 000 円 ・ NetWare ( オプションカード要 ) 応プロトコル : TCP / 旧・ EtherTalk / A3 / A4 〇内蔵メモリ : 48MB 〇対 カセット ) 〇用紙サイズ : A3 ワイド 〇給紙容量 : 250 枚 ( 最大 500 枚 / 2 し 8900-40 A4 1 6 枚 / 分 ( カラー A4 4 枚 / 分 ) REALBEAMS dpi 相当 X600dpi) 〇プリント速度 カラーレーザープリンタ dpi ( スムージンク機能使用時 1200 〇プリント解像度 : 600dPiX600 三菱電機高性能ビジネスカラープリンタ ある。使用する各 OS 用のドライバーソフトの有無はもちろん、 念のため、その性能を確認してみたほうがよいだろう。 ネットワークプリンタ管理ユーティリティ ネットワークプリンタで重要となるのが、その設定を管理す るソフトである。ネットワークプリンタは席から離れたところに 設置されるものだから、プリンタの現在のステータスの表示、 あるいは設定の変更といった操作をクライアントマシンで出 来たほうが便利である。 最近では、ネットワーク管理の標準プロトコル、 S 、狸 (Simple Network Management protocol) に対応したプリンタも増 えてきた。また、プリンタ管理に必要な MIB (Management lnformation Base ) の情報を、インターネットのプラウザによっ て表示させることも可能になってきている。これを利用すれば、 プラウザが動作すれば、 OS を問わずどんなクライアントマシ ンであってもリモートでのプリンタの管理が可能になる。たと えば、キヤノンの NetSpot ( ネットワークプリンタ管理ソフト ) で は、 SNMP 、 MIB への対応によって、クライアントマシンからの プリンタ管理を可能にしている。 日立工機 タイフーン 24 (LB024AHK) 〇プリント解像度 : 600dpix600dpi 〇プ丿ント速度 : A4 2 / 分 (MOP 機能により多部数時にはメモリから の出力が可能 ) 〇給紙容量 : 1100 枚 ( 最大 3100 枚 / 3 カセット十ペーバ ーデッキ ) 〇用紙サイズ : A3 / B4 / A4 / レター / リーガル / B5 / A5 〇内 蔵メモリ : 24MB ( 最大 72MB ) 〇対 応プロトコル . TCP / IP ・ EtherTalk ・ NetWare ( ネットワークモデル・バ ワーモデルで標準 ) 〇 VPT アーキテ クチャにより最大 64 通りの仮想プリ ンタ登録が可能〇標準価格 878 , 000 円 ( 2 書体ネットワークモ デル )
FreeBSD を使った OCN 工コノミー接続環境 2 ン個別の設定などが困難なユーザーがいたため、 NAT で 切り抜けることにしました。 ほかにも安全性を高める工夫をしています。外部からの 侵入の危険に茁妾さらされるサーバーを守るため、外部セ グメントへの入口となるプライマリ・サーバーに、 ipfw に よるフィルタリングとロギングをおこない、 IP のレベル で防御しています。さらに、両サーバーに TCP wrapper を使って TCP のレベルでガードをかけています。 図 2 に、当サイトのネットワークを示します。 2 台のサ ーバーはグローバル IP アドレスをもつネットワーク似 - 下、グローバル側ネットワーク ) とプライベート IP アド レスをもつネットワーク ( ローカル側ネットワーク ) の双 方にインターフェイスをもっています。プライマリ・サー バーは OCN ェコノミーへのインターフェイスももってい ますが、これは Point-to-Point 接続なので、インターフ ェイス自体には IP アドレスを割り当てていません (OCN 側のルータの IP アドレスをもつインターフェイスである かのようにみえます ) 。当サイトでは、グローバル側ネッ トワークには OCN から割り当てられた 210.145.161.16 ~ 31 の 16 個のアドレスからなる 28 ピットのネットワー ク、ローカ / 則ネットワークには RFC1918 に示されて いるプライベート IP アドレス空間のうちでもっとも憶え やすい 10.0.0.0 / 8 のネットワークを使っています。 図でも分かるとおり、外部とのデータのやりとりはすべ てプライマリ・サーバーを介することになります。外部と プライマリ・サ→ヾーとの通信はプライマリ・サーバーが 妾おこない、外部とセカンダリ・サーバーとの通信はプ ライマリ・サ→ヾーを経由してグロ→ヾル側のネットワー クを通っておこなわれます。ローカル側ネットワークに接 続されたクライアント・マシンからの通信もプライマリ・ サ→ヾーを通ることになりますが、このときプライベート IP アドレスとグローバル IP アドレスの変換がおこなわ れます。このイ督みについては彳あします。 なお、図 2 ではグローバル用とローカル用に 2 系毓の LAN か張ってあるかのように描いていますが、実際には この 2 系統の LAN は前述のとおり 1 つの 10B e2 / T べースのネットワークで代用されています。 2 台のサーバ ーには NE2000 互換の NIC がそれぞれ 1 枚ささって いるだけですが、 1 つの NIC に複数の IP アドレスを割 り当てることができるのを利用して、物理的な 1 つのネッ UNIX MAGAZINE 1998.4 トワークに論理的に 2 つのネットワークを割り当てていま す。ほんとうは、物理的にも 2 つの LAN に分けたはう カ吶部のネットワーク障害がインターネットと妾続に影 響をおよばす可能カ觝くなり、 ipfw の設定も楽になる はすです。しかし、私たちはできるだけ財布からお金が出 ていかないようなガ去をとりました。 FreeBSD のインストール システムの構築で初に必要なのはもちろん、 Free- BSD のインストールです。といっても、実際のインスト ールについては、解言己事や本が多く出ていますからこ では省略します。 当サイトで使用している FreeBSD のバージョンは 2.2. I-RELEASE で、、各不重のセキュリティ関 ; 里のノヾッチ を当てています。 2.2.1 は、サーバー構築当時の最新ハ ジョンでしたカゞ、その後、 2.2.2-RELEASE と 2.2.5 ー RELEASE が公開されています 5 。 2.2.2 以降は /etc の 設定ファイルの名前が一部変更されていますが、基本的 な設定などははば同しです。説明は 2.2.1 をもとにしま すが、 2.2.2 以降を使っている方は以下の説明中の / etc /sysconfig を /etc/rc. conf に、 /etc/netstart を /etc/ rc. network に読みかえてください。 当サイトでは、プライマリ・サーバー、セカンダリ・サー バーとも通常どおりインストールしました。この際、カー ネルソースもインストールします。あとでカーネルの再構 築が必喫となるからです。それぞれのサーバーの NIC に はとりあえすローカル側ネットワークの IP アドレスを割 り当てました。プライマリ・サ→ヾーが 10.0.1.1 、セカン ダリ・サーバーが 10.0.2.1 です。 各サーバーの NIC に複数の IP アドレスを割り当て る必要があります。当サイトのプライマリ・サーバーの 場合、 NIC のテンヾイスドライバは ed0 なので、これに 10.0.1.1 と 210.145.161.17 の 2 つのアドレスを割り当 てます。また、別の事情で 210.145.161.18 というアド レスも同時に割り当てています。そこで、 /etc/sysconfig 5 1998 年 2 月現似 network_interfaces="edO 100 ” (/etc/rc. conf) のなかで、 121
連載 /UNIX Communication Notes—@ ・ネットワーク制御方式で定義されているバケット破棄 ( たとえば、 ATM スイッチにおけるセル廃棄処理など ) バケット損失率は、ネットワークの状況によっても変化 する。たとえは、ひどく混雑したネットワークでは、デー タの送信・受信処理が追いつかすにバケットをとりこはす ことも多い。 IP レベルでは、 ・大きな IP データグラムの伝送処理で発生したフラグメ ントの破棄 ・ノヾッフア・オ ーーノー - フローー ・ TCP/IP の実装の不具合 といった原因で IP データグラムか破棄されてしまう。 IP レベルでのバケット損失率は、インターネットの性能を考 える場合に重要な孑票である。インターネットのネットワ ーク層プロトコルである IP では、大きな IP データグラ ムを伝送するデータリンクの MTU (Maximum Trans- mission Unit) を単位とするフラグメントに分割する。 のとき、もとの 1 つの IP データグラムを構成する複数の フラグメントのうち、伝送中にどれか 1 つでも失われてし まうと、もとの IP データグラムを復元することができな い。このため、 1 つの IP データグラムを構友するフラグ メントのうち、たった 1 つのフラグメントか損失しても、 正しく受信できたはかのフラグメントを破棄し、 IP デー タグラムの復元をすることはない。したがって、データリ ンク・レベルでのバケット損失率は IP 層レベルの匪能に 大きな景グを与える。 データリンク層でのバケット損失率が IP 層レベル窈生 能に与・える景グについてよく紹介されるのが、 NFS の性 能劣化の間題である。 NFS では、デフォルトで NFS サー バーとの通イ創寺に 8KB のデータブロックを交換する。現 在、 LAN でひろく使われている 10Base T Ethernet で は MTU が 1 , 500 オクテットなので、 NFS のデータを 運 XIP データグラムは通常、 6 つのフラグメントに分割 される。 NFS サーバーとのあいだの通信路でバケット損 失率か高いと、これらのフラグメントか頻繁に失われ、結 果として NFS サーバーを十分に利用できなくなる。この ため、 NFS ではチューニング・パラメータとして、 NFS サーバーとやりとりする際のデータサイズカ甘旨定できる。 去も匠ひろく使われている ATM では、データリンク層 レベルで交換されるバケットは、セル " と呼ばれ、そのサ UNIX MAGAZINE 1998.4 イズはヘッダが 5 バイト、データ領域が 48 バイトしか ない。 ATM では、そ云送方式からネットワーク内でセ ルが廃棄されることがある。仮に、ヘッダを含めて 8KB ( 8 , 192 バイト ) の IP データグラムが、単純にそのまま ATM セルに分割されてイ幻医されると考えると、 171 個の セルに分割される 1 。ある ATM ネットワークでのセル廃 棄率が 0.1 % だったとする 2 。この場合、 IP データグラ ム・レベルでの廃棄率は、 ー ( 1 ー 0 ・ 001 ) 171 = 0.15725 . となり、約 15.7 % の IP データグラムか破棄されてしま う。もちろん、現実の ATM ネットワークでは、セル廃 棄率が 0.1 % というような状況はますありえない。しかし、 ATM ネットワークでは、セル廃棄率とネットワークの負 荷に相関関係があり、負荷か高い状況ではセル廃棄率は上 昇する。したがって、 IP データグラムか破棄される可能 性はセル廃棄率以上に高まる。 IP 層でのバケット損失率が高い場合、さらに上位の TCP 層での生能も念敷に劣化する。 TCP は、コネクショ ン指向型のトランスポート・プロトコルである。 TCP の 通信生能は、 TCP で使われているフロー制彳卸、輻輳制御 によって決められる。 こでは詳細な説明はしないが、現 在の TCP で使用されているウインドウフロー制御では、 順調に通信がおこなわれているときは順次 TCP プロッ クの送出ペースを上げていき、咼いスルーブットを出そ うとする。しかし、いったん通信中に IP バケットが失 われると、ネットワークて疆輳が発生しているとみなし、 TCP プロックの送出ペースを一気に下げてしまう。した がって、 IP 層レベルでのバケット損失率か高いと、いつ までたっても TCP の送出ペースカ哇がらす、結果とし て良好な性能か得られない。事実、現在のインターネット ではこの間題が頻発している。使用しているネットワーク の帯域カ分にあっても、バケット損失率の高いルータが ネットワーク内にあり、 TCP レベルでの良好な性能か得 1 実際の ATM ネットワークでは、 ATM サプレイヤ (sub-layer) と して AAL (ATM Adaptation Layer) か完義されている。 IP デー タグラムを ATM ネットワーク元医する場合は、この AAL で定義さ れたフレーム・フォーマットにいった / レ格糸し、それが ATM セルに うリされてイ幻される。このため、 ( 幻の際には AAL て付加されるヘッ ダも含めて、さらに多くの ATM セルカイ更用される。 2 通常、 ATM の言 t においては 10 ー程度のセル廃棄率を目安とする。 17 ただし運月袱態が悪いと 10 ー、すなわち 0.01 % くらいは欠落する可 自旨生がある。
ケット損失率に関連する事象を考えるときは、使用帯域を かって、 10Base5 が全盛だったときに、使用してい ミクロに捉える必要がある。現在のインターネットでは、 る Ethernet でコリジョンが多発する状況に出くわした。 Ethernet を使っていると、ときおりネットワークが詰 WWW はデータをサーバーからもってくるときに上勺 バースト的に通信をおこなう。ー殳に、インターネットを まるような感しで通信か短時間停滞してしまうのである。 含む通信システムはバースト的なデータ伝送の取扱いカ Ethernet モニターでネットワークを調べてみると、かな 手で、しはしばバッフアのオーバーフローを起こす。そ りの頻度でコリジョンが発生している。ところが、その れにともない、バケット損失率ががることがよくある。 Ethernet には少数のシステムしか接続されておらす、コ このような現象を発見し、解析するには、より精密な角財斤 リジョンが発生するような状況とは考えにくかった。そ が可能なネットワーク・モニターを利用して、彳田なトラ こで、システムを 1 台すっ調べたところ、利用していた フィック量を測定したり、アプリケーションが送出するパ Ethernet トランシーノヾの 1 つの糸色糸家か彳敗妙に悪く、ネッ ケット量の糸変化を言欟ルたりしなければならない。 トワーク本に不具合をもたらしていた。 以 - E のように、使用帯域をマクロ的に観測する場合と、 もう 1 つ実例を紹介しよう。インターネットを介したほ ミクロ的に観測する場合とでは異なる技術が必要になる。 かのサーバーへのアクセスが、突然遅くなったことがあっ た。このときもバケットモニターを接続して観測してみる 総合性能測定 と、特定のホストから膨大なトラフィックが送られている。 性能管理においては、システム全体の総合的な性能測定 さっそく調べてみたら、旧いバージョンの DNS (bind) も必要となる。 ー 0 、 authorized secondary カゞ server からひっきりなしにゾーンデータを転送しており、これが たとえば、ユーサーからある WWW サーバーの反応が 原因でネットワークの負荷が急激に上がっていた。 遅いというクレームがきたとしよう。このとき、ユーサー の端末と WWW サーバーとは 10Base T てオ妾続されて これらの例からも分かるように、ネットワークやシステ いるとする。この場合、屯にネットワークが遅いからだ ムの不具合が、ネットワーク性能に顕著な景をおよはす と考えていいのだろうか。問題の WWW サーバーが十分 ことがある。このような事例は、現在も数多く発生してい な性能をもっているのなら、そう考えてもよいだろう。し る。定常的に性能管理をおこなっていま、障害を思こ かし、たとえば、そのサーバーが 486 ー DX 66MHz 、メ 発見する効果も期侍できる。 モリが 8MB の PC 上で UNIX を動かしているような時 最近は、セキュリティ保全の意味でも継続的な性能管 代遅れのシステムだとしたら、サーバーの生能不足をます 理が重要になりつつある。とくに、、嫌な " 攻撃去は、大 第一に疑ってみるべきである。いに、端末の生能力觝け 量のバケットを特定のホストのポートに絶え間なく送り、 れば、それか原因かもしれない。 通イ譴各をそのバケットて理め尽くして利用できないように ネットワーク・システムの性能を考えるうえでは、通信 したり、ターゲットとするホストのサーバープロセスをダ 路、途中の通信機器、サーバー、端末など、ネットワーク・ ウンさせるといったものだ。これらの攻撃では、たいてい システムを構成するすべての要素について検討し、それぞ は IP バケットの送信ホストアドレスを偽造するなどして、 れの生能を十分コ未する必喫がある。そのうえで、どこ どのホストから攻撃しているかを隠すような細工か施され カ墹題の原因となっているかを明らかにする必要がある。 ている。大量のバケットを送りつける、いわゆるサービス つまり、ネットワーク・システムのポトルネックを探すの 不能攻撃 (denial of service attack) を受けた場合、運 である。 が悪ければサーバーがダウンするといった症状によって顕 在化する。しかし、サーバーが大量のバケットを処理する 障害発見 能力をもっていたり、あるいは、途中の通イ各に十分な帯 システムの障害により、対象とするネットワークが性能 域があるような場合には、攻撃による茁妾的なネ皮害が発生 を十分に囎軍しない場合もある。このため、性能管理は障 せす、気づかないおそれがある。このような潜在化した攻 害発見の 1 つの手段としても使われる場合がある。 撃を発見するには、定常的にトラフィックを監視し、どの 連載 /UNIX Communication Notes—O 19 UNIX MAGAZINE 1998.4