連載 UNIX Communication Notes—@ 使えるようになっている。 UNIX 系の OS である Linux などでも、 OS そのものをユーザーの目から隠してしまい、 システムをたんなるアプリケーション・プラットホームと して使うといった方向も追求されている。 ネットワーク窈吏われ方の変化 これまでのネットワークは、 Ethernet を中心とした有 線によるシステムとして構築されるのか普通であった。ど のシステムにおいても、手近にあるレイヤ 2 スイッチに 接続し、ネットワークにアクセスするというガ去か浦耐是と されていたのである。これらのネットワークでは、各シス テムに固定的に IP アドレスを割り当て、どのネットワー クに接続されているかカ立一意に決まるような構造になって いる。 こへきて、この状況が大きく変化しようと ところが、 している。その要因の 1 つが、無線 Ethernet (IEEE802. 11 ) の登場である。現在の主流は 2.4GHz 帯を用いた IEEE802.11b システムで、最大で 11Mbps の帯域があ る。数年前に登場したときは、無線基地局もアクセスする ための NIC もきわめて高価だった。しかし、いまでは安 いものなら無泉基地局が 2 万円くらいから、 NIC は 1 万 円以下で市販されており、 IEEE802.11b のインターフェ イスを内蔵したラップトップ PC も数多く販売されると いった状況になってきた。無線ネットワークはもちろん便 利なシステムだが、これか多用されるようになると、従来 にはみられなかったさまざまな間題が発生する。 1 つが、 IP アドレスの割当ての間題である。無線ネッ トワークの本質的な利点は、モビリティ (mobility : 移動 性 ) か得られるところにある。つまり、アクセスするノー ドは移重 ) けることが前提になっている。したがって、 IP ア ドレスの割当てについても、要求を受けて重加勺に割り当て るような管瑚杉態が必要になる。これを角夬するために考 案されたのが DHCP システムである。 DHCP サーバー は、 DHCP クライアントから要求を受け取ると、フ。ール (pool) と呼ばれる複数の IP アドレスのなかから適当に 割当てをおこない、クライアントに対して一定時間の利用 を許可する。現在の無線ネットワークにおいては、この DHCP の仕組みを利用するのが普通である。このため、 ネットワークを管理する側からいえは、たんに IP アドレ スだけをみても、どのホストがその IP アドレスを使って 64 いるかを特定するのはひどく難しくなっている。 もう 1 つの間題は、無泉ネットワークであるがゆえのセ キュリティである。有線ネットワークを構成するシステム にはケープルカ材く可欠であり、接続先のレイヤ 2 スイッチ に物理的にアクセスできなければ接続は不可能であった。 管理者にしてみれは、ネットワークへの接続を物理的に規 制するのは容易だったのである。ところが、無線ネット ワークは、基地局とノードとのあいだに物理的な伝送媒体 を必要としない。つまり、手許にケーカレやスイッチがな くてもネットワークにアクセスできることになる。このよ うな状況にあっては、適切な対策を講しておかなけれは、 見知らぬ人間が無線基地局にアクセスしてネットワークを 無析で使用するといった事態か容易に起こりうる。これと は逆に利用者カ鏃続しようとした無泉ネットワークとは 別の無泉ネットワークにつながってしまう危険性もある。 無線ネットワークは利用者側からみればたしかにイリな システムだが、管理者の側からみると、有線ネットワーク ではますありえない間題が発生する可能性がある。これら に対して適切な刈策を講し安全に使えるネットワーク構 造を作らねばならない。 単一のポリシーによる褌里 従来のネットワーク環境においては、、単一のポリシ " を設定し、それをもとに管理することを前提としてい た。この考え方は ( おそらく ) 現在でも正しいし、これ自 体を変える必要はないであろう。しかしながら、ポリシー については、さまざまな要素を加味して再検言寸しなければ ならなくなってきている。 これは、ここ数年のあいだに、システムやネットワーク といったことを綿密に検詞する必要が出てきた。 ・そ窈当危囲はどこまでか 何か ・セキュリティ面から考えたときに提供すべきサーピスは ・どのサービスを優う Efi 勺に提供するか ・どのネットワークをもっとも厳しく管理するか ともない、ネットワークを運用するうえで、 の利用形態が大きく変わったことに起因している。それに 代表的な検詞項目の 1 つに、電子メールの扱いがある。 すなわち、 UNIX MAGAZINE 2002.9
サイバー関西プロジェクト 旧 v6 ネットワークの導入 CKP ネットワークの歩み ( 2 ) 岡本裕子、沖本忠久 はじめに 前回は、サイノー関西プロジェクト (CKP) の、、縁の ける、、 IPv6 ネットワークの導入 " についてお話しします。 今月は、 CKP のフェーズⅡ I ( 2000 ~ 2001 年度 ) にお 感させられました。 も多くの来場者でにぎわい、 IPv6 への関心の高まりを実 カ甘是供されました。会場内の IPv6 Show Case のプース IPv4/IPv6 デュアルスタックで構成されたネットワーク の構築・運用に携わりました。今年の ShowNet では、 lnterop 2002 T0ky01 の・会場ネットワーク (ShowNet) 私たちも、 7 月に慕張メッセで開催された NetWorld 十 けた検言寸も始めました。 も、当初は IPv4 のみでしたが、やがて IPv6 の導入に向 net) へと徐々に移行しつつあります。プロトコルの面で いましたが、技術の進歩とともに GbE (Gigabit Ether- や祺月の CKP のネットワークは ATM をベースとして 組みについて紹介しました 構築・運用を担当 ) の活動のうち、フェーズ I ~ Ⅱでの取 下のカ持ち " ともいうべきインフラ WG ( ネットワークの UNIX MAGAZINE 2002.9 1 http://www.interop ・ jp/ ンドユーサーを対象とした工竟が未整備だった ) ・各種 OS における IPv6 サポートか不十分 ( とくに、 本格的な IPv6 ルータ製品がなかった 年頃から本寸されていました。しかし、当時は、 CKP ネットワークへの IPv6 の導入については、 導入の検討 、工 1998 といった兄だったので、本格的な導入にはなかなか踏み 切れませんでした。ところが、 2000 年頃から商用ルータ などの IPv6 への対応が進み、各種 OS においてもエン ドユーサーが気軽に IPv6 を利用できる工竟か整ってきた ため、 CKP ネットワークでも IPv6 の導入に踏み切りま 、一 0 導入へのステッフ IPv6 の導入に際しては、以下の 3 つのステップを踏ん で取り組んでいくことにしました。 ・ステップ 1 : IPv6 ネットワーク構築に向けた準備と ・ステップ 2 : マルチベンダー環境における相互接続生 (inter-operability) の本言正・本懾築 ・ステップ 3 : 外部ネットワークとの接続 今回は、ステップ 1 ~ 2 について説明します。 ステップ 1 ネットワーク・トボロジー 前回も紹介したように、 CKP ネットワークのトボロジ ーは大阪・堂島と、、けいはんな " を中心としたスター型に なっています ( 図 1 ) 。そこで、全拠点へ一気に IPv6 を 導入するのではなく、ます CKP ネットワークの中核であ る堂島 NOC (Network Operation Center) と、 IPv6 ネットワークを - 早急に必要としていた CKP メンバーの拠 点を中心に導入していく方針をとりました。 IPv6 対応の機器については、 CKP の参加企業の協力 を得て・ - ド記の機材を使用することにしました。 171
伝えるアスキーの本 http://www.asci i-store.com/ で OK ! ! 0 - ネットワーク Windows Professional Library イみノ第わ ネットワークガイト 仕組みがわかる Windows XP ホ - ムネットワ - ク徹底活用ガイド 贏 - u ネトワ -0 ネットワーク構築ガイド —ADSL 、プロードバンド対応ー 徹底活用ガイド fo 「 Windows XP / 2000 榊正憲著 第ても 大月宇美著 B5 変型判 / 352 ページ - 第く・置に 、ネットつ一つを・ B5 変型判 / 232 ページ 本体価格 2 , 800 円 本体価格 1 , 890 円 ネットワークを構築してみよう ! 誰でも・素早く・確実に 本書は、各種ネットワーク方式やプロトコルの解 ホームネットワークを構築できる 説からワークグループ、ドメインなどのさまざまな を 形態の Windows ネットワークについて、構築・ ネットワークを組みたいけれど、詳しくないしセキュ リテイも心配 ! ? 本書は XP の基本から解説するの 第 運用していくために必要な基礎知識を網羅した で初心者のあなたも本書があれば安心です。 管理者必読の 1 冊です。 - ネネットワーク・テクノロジー ADSL と VPN でつなぐ 実用サーバ構築ガイド fo 「 Windows XP Professional. Windows 2000 Server 播ロ陽ー著 A5 判 / 448 ペーシ 田口景介著 シ 本体価格 3 , 500 円 B5 変型判 / 232 ページ 本体価格 2 , 200 円 技術の“心“がわかる、ネットワーク 技術者必携の書 ! セキュリティと柔軟性の高いサ - バを公開する 本書は単なるハウッ一本ではなく、インターネットの セキュリティの面の不安からサーバの公開を躊 基盤技術である Etharnet 、経路検索、 ATM 、 xDSL 、 躇していた方も、本書を使用すれば、 ADSL など NAT などの技術的な原理から実装例までを数多く の安価なプロードバンドサービスを利用して、安 の図版を用い、詳細に解説します。 全に情報を外部に向けて公開することができます。 ゼロからはじめる スイッチ & ルータ W.ndowsXP を ADS し / コロ - ドハンド対応 大物事第・ Windows Professional Lib 「 a 「 y 実用サーハ元カイド ア U N Ⅸ M A G A 刀 N E 凵 B R A 日 Y インターネットを支、みる技蓄・ロ陽一 T 、、℃を KIEC' 美 ( : ℃圧 S ′ 0 ′ W ”“、イ P ′′ 0 ー 0 、 0 “ー滝 do ~ ー 2000 、“ v ′′ ゼロからはじめるネットワーク ネットワーク技術者必 インターネットをする日、町第ー ATV. 汨し、 NAT などの技術について、その ゼロがらはじめる スイッチで学ぶ ネットワークマガジン編集部編 ネットワーク A4 変型判 / 208 ページ レイヤ 3 スイッチー、 E 市 n 破 本体価格 1 , 480 円 なるほど 現在主流のネットワー の Q&A ク規格日 herne 軸 にネットワークを根幹 から支えるスイッチとル ータを徹底解説。基礎 から実践まで完全網 羅します。 完全合格 オラクルマスタ - Silver 模擬問題集 〈 0 「 acIe9i 対応版〉 日本オラクル株式会社監修 株式会社 CSK 教育サービス事業部編 A5 判 / 288 ページ 本体価格 2 , 300 円 合格への近道は多くの問 題をこなすことからという 考えから、オラクル認定講 師の資格を持つ執筆陣 による選りすぐった問題を 260 問収録。これ 1 冊で、 直前対策は万全です。 。 , ネットワーク ′ゼロからはじめるネットワーク 使って学ぶ旧 6 砂原秀樹監修 増田康人、長橋賢吾、 有賀征爾著 A5 判 / 256 ページ 本体価格 1 , 900 円 注目のネットワーク技術 旧 v6 の特徴と基礎知識 をわかりやすく解説し、 Free BSD を使用して実 際に身近なネットワーク環 境を作成します。応用とし て、旧 sec を利用した実際 的な設定事例を紹介。 実習 C 言語 新装版 田口景介著 B5 変型版 / 2 ペーシ 本体価格 1 , 800 円 数値データの扱い / 型変換 / 配列 / メモリ管理 / 関数 / 複数ファイルのコン パイルなど、 C 言語で プログラミングを行う 際に必須の知識を 詳しく解説。最新の C 標準にも対応。 ゼロからはじめる セキュリティ対策 I v6 ネットワークマガジン編集部編 A4 変型判 / 208 ページ 本体価格 1 , 480 円 ウイルス、クラッキング、 重要データの漏洩など、 インターネットには危険 があふれています。本 書では責重なデータや マシンを守るための「セ キュリティ」の基礎から 実践手法までをわかり やすく解説します。 入門 C 言語 新装版 田口景介著 B5 変型版 / 304 ページ 本体価格 1 , 600 円 コンバイラ付属で手軽 ! C 言語とは何か / 変 数 / 制御構造 / 条 件分岐 / 文字と文 字列 / 関数 / ポイ ンタ / 構造体など、 C 言語にプログラミ ングの基礎知識を詳 細に解説。 セロからはしめるネットワーク ゼロからはじめる たキュリティ対策 : じートバント第代 , ; の増 0 ) : せキょリデ 1 、 ! の第と第ノハつを セキュリティ対策、 はじめの一歩 現場に役立つ セキュリティ実践カイド クラッキンクの手口と対策 フ 0- トバンド ファイアウ一ルの基礎と用 ADSL 十 VPN て W 用線境を作ろう ! アスキー・ラーニングシステム アスキー・ラーニングシステム オラクル試験対策 オラクル認対第テキスト , イきアスす一・ラ - ・ニンツシステム ′ツアス↑ - ・ろーこングシスチム オラクルマスター 模擬問題集 5 化に R SQL ・ ( ) 聞 cl ( 、入門 実習 C 言語 五ロ 新装 新装 山対応版ー 日本オつクル物式社を第 物式・ 0 & 、第サービス事第第・ 田 0 ・介・ ÄSCII ASCII ASCII 株式会社アスキー 〒 151-8024 東京都渋谷区代々木 4-33-10 電話 ( 03 ) 5351-8194 http://www.ascii. CO. jp/
連載 UNIX Communication Notes— ・各ューサーの電子メールの利用範用 ・交換される電子メールの言当求のイ尉寺ガ去 UNIX MAGAZINE 2002.9 理・運用は利用者にイモ迂、管理者は、ネットワーク竟全 げる結果を招きかねない。このため、個々のシステムの管 あるいは全体の管理者が介入すると、利用者の生産生を下 完全に依存する。したがって、これを無理に統一したり、 合には、その中身や設定は各利用者の用途や管理の技量に ステムを対象とした管理である。このようなシステムの場 もう 1 つは、各利用者が自分自身で 100 % 制御できるシ なけれはならない。 したサポート、とくに OS についてのサービスを充実させ グループがおこなわざるをえない。また、利用者を対象と られる。したがって、プラットホーム自体の管理は管理者 もつばらアプリケーションを使って仕事をしていると考え プラットホームとしての OS に関する知識はあまりなく、 ク機能などが必要になる。このような竟では、利用者は ジョンアップ、利用者へのサポートをおこなうへルプデス ムにおけるアプリケーションの構成、ソフトウェアのバー のための稾竟の管理である。この場合には、個々のシステ 1 つは、アプリケーションの利用を中心としたユーサー これは、明らかに 2 つのタイプに分かれる。 1. 個々のシステムの管王里 ットワークを対象とした管理のあるべき姿をまとめてみよ こまでに述べてきたことを前提として、システムやネ 管王里モテ、ノレ ならないのである。 まなサーピスの 1 つ 1 つについて、考えていかなければ これは、電子メーノレに限定された問題ではない。さまざ かも判断する必要が出てきている。 ューサーの電子メールの利用にかかわる行為が適切かどう に即して適切な範用を定めなければならない。さらに、各 か。もちろん、業種や職種によって異なるだろうが、実態 なる。それでは、どこからどこまでが、、業務 " なのだろう のネットワークにおいては業務のために使うことか前提に だ。いまでは電子メールは誰でも利用しているが、企業内 では、この間題は真剣に考えざるをえない状況にあるよう を系目織としてどう考えるかということである。とくに企業 体として実施してもらわなけれは困ること、たとえは、ウ イルス刈策やセキュリティ関連のパッチの適用などを確実 におこなってもらえるような体制の整備に力を注いだはう がよい。また、各利用者の操作がネットワークを経由して はかのシステムやネットワーク、あるいは外部の組織に影 響を与えないように適切な防笹財昔置を考え、実現していく ことも重要である。つまり、管理者は個々のシステムに直 接手を下すのではなく、各利用者のシステムには何か起こ るか分からないという甘是に立ち、環竟全体を対象とした システム管理のルールやネットワーク構成を考えるべきな のである。 2. ネットワーク・サービス 前項で述べたシステム管理の基本的な考え方からすれ ば、アプリケーション・ユーザーを中心とした環境では、 特定のアプリケーションの能力を 100 % 引き出すための ネットワーク・サービス以外は停止してもかまわないこと になる。また、そこでのネットワーク・サーピスの制御 の手順や考え方は、システムの構成を完全に掌握している 管理者側て決めればよい。ただし、アプリケーションの利 用を阻害しないかたちでの言をつねに頁におく必要が ある。 一方、利用者がシステムの管理をおこなうような竟で は、ネットワーク・サービスを共する体制を細じ、の注意 を払って整えるべきである。 NFS サービスを例にとると、 サーバーで使用している利用者の UID と GID の組が、 かならすしもユーザー側で一意であるとはかぎらない。さ らに、同じ UID と GID をもっューサー・アカウントが 作成されないとい引焉正もない。したがって、利用者カ硬 用しているシステムは、悪意をもつ攻撃者の制御ードにある と仮定するくらいの前提を立て、そのうえで提供するネッ トワーク・サーピスを規定する必喫があるだろう。 これは、ネットワーク環境に新たな技術的要件をもた らすことになる。すなわち、管理対象のネットワーク環 境におけるユーザーの認証 (authentication) と権限管理 (authorization) を、特定のシステムまたはシステムの構 造 (NFS の例でいえば、 UID と GID の組 ) に依存せ ずにおこなえる機構を実現する必要があるということだ。 ネットワーク・サービスは、この認証と権限管理の樹冓に もとづいて構成しなければならない。 65
連載 /Cyber Kansai Project—O 図 3 CKP ネットワークへの IPv6 の導入 をを第第第第ー第を鋼を物 朝日放送 旧 v6 毎日放送 京都大学 奈良先端科学 大阪・堂島 けいはんな 技術大学院大学 大阪大学 BBCC JGN アドレス言 f 堂島 NOC とけいはんな NOC だけではなく、 CKP メン ーの拠点との接続についても考慮する必要があります。 こまでで、ネットワーク・トボロジーを決め、アド CKP のメンバー各社のなかで、 CKP ネットワークへ レスも取得できたことになります。事前の作業として残っ の IPv6 導入を切望していたのは朝日放送と毎日放送でし ているのはアドレスの言妬 - です。 IPv4 については経験が た。両社とも、恒例の春・夏の高校野球中継をはしめ、通 あっても、 IPv6 については初めてという人もいるのでは 信と放送の融合を目指した各種実証実験に意谷知勺に取り組 ないでしようか。しかし、基本的には IPv6 アドレス特有 んでおり、もちろん IPv6 の導入についても検討を始めて の、、経路情報の集約が可能 " という点を考慮に入れて設引・ いました。とはいえ、どうしても本業のかたわらというこ すれば、それほど戸惑うことはないと思います。 とにならざるをえないので、大学などと上師交するとネット ます、 NOC とバックポーンでのアドレスを決定し、フ ワークの増設や更新にかける費用や人員、スピードは若干 ロジェクトに参加するメンバーには大きめの空間を割り当 劣ります。しかし CKP のネットワークを存分に活用す てて、そのなかでやりくりする方針にしました。 れは、各種の実験でも放送局カ庄となる部分に焦点を絞っ ステップ 2 て進めていくことかできます。 そこで、朝日旄医およひ毎日放送のそれぞれの拠点に対 堂島 NOC における相互接続性については、ルーティ ング・プロトコルは RIPng と iBGP に焦点を絞り、前 し、 IPv6 によるネットワーク接続を提供することにしま した ( 図 3 ) 。方式は、ルータ接続とプリッジ接続の 2 つ 己の 3 不頁の機器を利用し、外部ネットワークとのあいだ のパターンです。この 2 つの方式について、それそ、れ簡単 で経路情報が正確に交換できるかを検証しました。これら に説明します。 の機器には、 IPv6 対応の経路制御の機能かま装されてお り、 CLI (Command Line lnterface) で設定できます。 ルータ接続 CLI は Cisco Like lnterface の略だと思い込んでいる 朝日放送には、堂島 NOC と同しく GR2000 ー 10 か準 人も多いようですが、残念ながら Cisco のコマンド体系 備されていました。この GR2000 ー 10 のインターフェイ にかならすしも一致するものではなく、機器ごとに設定方 スは、 GbE と Fast Ethernet の 2 不鶤頁です。それぞれ、 法などが異なります。ただし、も匠のネットワーク機器の CLI は、べンダーの努力 ( ューザーの要望に押されただけ ・ GbE : 堂島との接続インターフェイス かもしれませんか ) により、理解しやすいインターフェイ ・ Fast Ethernet : 実証実験ごとに別セグメントを形成 スになってきています。 という構成にしました。そのうえで、朝日放送に対して プロジェクト・メンパー点との接続 新たに / 48 のネットワークを割り当て、堂島 NOC の インフラ WG では、個々の CKP メンバーの拠点も含 GR2000 ー 10 ー絲斈路広告させて実証実験に幅をもたせるよ めて、℃ KP ネットワーク " と呼んでいます。したがって、 うにしました。 1 三ロ 174 UNIX MAGAZINE 2002.9
0 ce ・ 9 / 2002 NetWorId 十 lnterop 2002 kyo の会場内ネットワーク り林ロ真 写真 1 メッセ ( 南棟 ) 国内最大のインターネット技術の総合展示会 Net- 、V0r旧十 lnterop 2002 Tokyo ( 以下、 N 十 I) が 7 月 1 日から 5 日間 ( 展示会は 3 日 ~ 5 日の 3 日間 ) 、千葉 県の幕張メッセで開催されました。 国内有数の規模を誇る幕張メッセには、南棟け ル 1 ~ 8 ) と道路を挟んで向かいにある北棟 ( ホール 9 ~ 11 ) があります。今年の N 十 I は昨年よりも堋莫カ 大さ慕張メッセのすべてのホールを使用しました。 不況の景グて情報関連の展示会の来場者か減少イ頃向 にあるなかで、 3 日間の期間中に 15 万人を超える来場 者があり、大盛 : 兄でした。 私は、 1994 年から毎年、 N 十 I の会場ネットワーク構 築・運用を担当する NOC チームの一員として参加して います。今年は、会場ネットワークに関するトラブルを 受け付ける NSC (Network Service Center) の担当 でした。 NSC のスタッフはその他の仕事も兼務するた め、会場内のプースを見て回る余裕ははとんどありませ んでした。そこで、今回はテーマを会場内ネットワーク である ShowNet に絞って紹介します。 ShowNet とは 6 4 ホ た ら カ ス ラ 階 2 3 写真 2 ゴ東 1 写真 4 2 階テラスから見たゴ東 ( ホール 9 ~ 11 ) ShowNet とは、 N 十 I の出展社のプースにインター ネット接続を提供するために構築・運用されるイベント・ ネットワークです。日本で開催される N 十 I では当初は InteropNet と呼はれていましたが、日本て独自にチー ムを組んで運用するようになってからは ShowNet と改 称されています。 ShowNet にネットワーク機器をドネーションしたべン ShowNet の手冓築・運用は、 NOC (Network Oper- ダーか府置されているエンジニアは NOC Specialist と呼は基本的に自社製品に関するオペレーションに ation Center) が中心になっておこなっています ( 写真 5 ) 。つまり、 NOC に所属するメンバー ( 全員がボラン 責任をもちます。 ティアです ) は、ネットワークの基本言や ShowNet インターネットでの公募に応したボランティアから構 全体の運用に責任をもっことになります。 成される STM (ShowNet Team Member) は、専門 ShowNet は、おもに ShowNet スポンサーから提 的な技術を有する STM リーダーと STM メンバー 3 供 ( ドネーション ) された機器を用いて構築されます。 名の合計 4 名を 1 組とするチーム制をとり、 ShowNet UNIX MAGAZINE 2002.9 26
図 1 写真 1 連載 /Cyber Kansai Project—O CKP ネットワークのトボロジー ( フェーズ III) 朝日放送 毎日放送 大阪大学 JGN GR2000-10 大阪・堂島 写真 2 CX5210 けいはんな 写真 3 当ミ 0 IX5010 京都大学 奈良先端科学 技術大学院大学 BBCC 写真 5 Alpine 3808 を 第第をト 写真 4 Juniper A45 ・ GR2000 ー 10 ( 日立製作所、写真 1 ) ・ CX5210 ( 日本電気写真 2 ) ・ IX5010 ( 日本電気写真 3 ) ・ Alpine 3808 (Extreme Networks 、写真 5 ) ・ JuniperM5 ( 日商工レクトロニクス、写真 4 ) 担うべき機能は、大きく分けて次の 2 つでした。 わなけれはならないことです。 け重要なのは、堂処点において NOC としての機能を担 これらをどう組み合わせるかか重要になります。とりわ 172 2 2 http://www.wide.ad.jp/nspixp6/ eXchange P0int 6 ) ・ NSPIXP-6 (Network Service Provider 、外部ネットワーク " については、 ・外部ネットワークとのゲートウェイになれる。 ・ CKP メンノヾーの拠点に対してのハプになれる。 I ⅲ ernet ・ JGNv6 (Japan Gigabit Network IPv6) ・ distIX ( 次世代 IX コンソーシアム ) を予定していました。各ネットワークとの接続について は、それぞれのポリシーにもとづいたルーティング・フ ロトコルを利用するため、ゲートウェイ機能をもつルータ を使うことにしました ( 図 2 ) 。 3 つの外部ネットワークとの接続を前提としていたた め、手持ちの機材をフルに活用すべく、 Juniper M5 、 GR2000 ー 10 、 IX5010 の 3 台を外部接続用に使うこと にしました。また、それらの相互接続には AIpine 3808 ( IX5010 は CX5210 経由 ) を利用する構成としました。 堂島 NOC では接続インターフェイスは GbE をメイ ンとし、外部ネットワークと接続、運用していく方針をと りました。 3 http://www.jgn ・ tao ・ go ・ jp/ 4 http://www.distix.net/ 3 4 UNIX MAGAZINE 2002.9
連載 /Cyber Kansai Project ・一 フリッジ接続 Ethernet の 2 不鶤頁のインターフェイスがあります。そ が準備されていました。この製品にも、 GbE と Fast 毎日放送には、 Extreme Networks の Summit 5i という構成としました。 ・ Fast Ethernet : 用途ごとに VLAN でセグメントを ・ GbE : 堂島との接続インターフェイス れぞ UNIX MAGAZINE 2002.9 13 http://www.nissho-ele.co.jp/ 12 http://www ・ juniper ・ co ・ jp/ ち込まれ、 GR2000 とのあいだでトライアングル型になる 相接続実験では、 Juniper M5 と M10 が 1 台すっ持 するでも絶好の機会でした。 製作所の GR2000 であり、国産製品の本曲 : 接続性を石忍 ネットワークて利用していた " に一の IPv6 対、器が日立 た。そこへ両社から相談を受けたのですが、当時、 CKP ットワーク機器メーカーに奮起してほしいと考えていまし アか圧倒的に高いのですが、 CKP ではかねがね日本のネ 周知のように、ネットワーク業界では海外製品のシェ 、一 0 IPv6 による相互接続実験ができないかとの相談を受けま ーネットワークス 12 と日商工レクトロニクス 13 から、 国産ルータとの相互接続性を石忍したいと考えていたジュ ーズがもにされる前のことです。製品として世に出す前に いまから 1 年ほど前、 IPv6 対応の Juniper M シリ いる Juniper M シリーズとの相力は妾続実験でした。 そのなかで一番の、、目玉 " は、現在も各所て大活躍して うものでした。 トワーク機器を持ち込んで、相互接続匪を検証しようとい は、 CKP 参加企業が中心となり、自社の IPv6 対応ネッ とした、、 IPv6 相互接続実験 WG " を糸目織しました。これ の導入 " の一環として、インフラ WG のメンバーを中心 フェーズ III における "CKP ネットワークへの IPv6 IPv6 相互接続実験 WG を自測性成してプラグ & プレイを : 見しました。 ment) を言殳定することにより、 128bit の IPv6 アドレス 堂島 NOC の GR2000 で RA (Router Advertise- 図 4 相互接市蒲生のネットワーク NTT スマートコネクト ネットワーク PC FreeBSD 十 zebra スイッチング・ハブ M5 GbE Fast Ethernet G R2000-10 ATM OC-3c M10 トボロジー ( 図 4 ) を友し、 RIPng 、 iBGP 、 eBGP の 3 つのプロトコルを用いて相互接続生を石忍しました。と くに、 eBGP においては、 CKP よりも一足先に IPv6 を 導入していた NTT スマートコネクト 14 のネットワーク環 境も使用し、 PC ルータ (FreeBSD 十 zebra) との相互接 続や糸習各情報の交換など、現実の工竟に近いかたちで実験 することができました ( 来日していた米国 Juniper の工 ンジニアも、糸断昇のいくデータがとれて満足そうでした ) 。 この相互接続実験については、 CKP の Web ペー シ 15 でも簡単に紹介されています。 このような町絲はみは CKP の設立趣旨にも合致してお り、今後も機会を捉えて積極的 : コ 0 組んでいこうと考え ています。 CKP ネットワーク ☆ 今回は、 CKP ネットワークへの IPv6 の導入につい て、 CKP メンバーの拠点との IPv6 による接続と、実証 実験で利用可能な IPv6 接続生を提供できる環境の整備に について紹介する予定です。 ついて紹介しました。次回は、外部ネットワークとの接続 14 15 ( おかもと・ゆうこ NTT 西日本、 おきもと・ただひさ NTT スマートコネクト ) http://www.nttsmc.com http://www.ckp.jp/event/v6wg/ 175
■ N 十一 2002 Tokyo ShowNet 表 1 ShowNet のスケジュール 2001 年 10 月 9 日 ~ 10 日 前年度反省会 / 第 1 回 NOC ミ ーティング 2002 年 2 月 12 日 第 2 回 NOC ミ ーティング 第 3 回 NOC ミ 3 月 8 ~ 9 日 ーティング 第 4 回 NOC ミーティング 4 月 15 日 第 5 回 NOC ミ 5 月 17 日 ーティング 第 6 回 NOC ミ 6 月 10 日 ーティング ホットステージ 6 月 19 日 ~ 27 日 幕張メッセでの設置竹喋開始 6 月 28 日 ~ 国際聳東セミナー会場ネットワーク運用開始 7 月 1 日 ~ ShowNet 連用開始 7 月 3 日 ~ 会期終了 ( 当日中に撤収作業 ) 7 月 5 日 写真 10 ホットステー て幕張メッセに運び込まれます。そして、会場でのネッ 表 1 に示したとおりです。 トワーク設営が始まることになります。 このうち、 NOC ミーティングでは、 ShowNet の基 本的なネットワーク言 1 ・について義します。会期直前 の NOC ミーティングで最終的なネットワークの構成 カ鴃まり、ホットステージから実質的なネットワークの 構築作業か始まります。ネットワーク機器のラックへの 図 1 は、今回の ShowNet のネットワーク・トボロ 設置や酉当泉、機器の設定といったイ乍業は、このホットス ジーです。 テージでおこなわれます。その際には、相互接続生 ( イ 今年の見どころとしては、以下のようなテクノロジー ンターオペラビリティ ) の本 E がおこなわれ、各装置間 がありました。 での細かなイ土様の斃やデバッグなどを経て、安定した 運用のできるネットワークか構築されていきます ( 写真 ・ 10GbE 10 ) 。 ・ IPv4/IPv6 デュアルスタック・オペレーション イ見点を変えると、ホットステージでの NOC Special- ・ OSPFv3/RIPng/BGP4 十オペレーション ist の対応によって、 ShowNet への各社の態度がはっ ・ FTTx (Fiber To The Booth/Home) きりとみえてきます。積極的に機能を更新し、ホットス バックポーンの技術には、標準イ院了し、主要企業 テージの期間中にファームウェアのリビジョンが 7 っ の製品ラインも揃い始めた 10GbE を利用しました。今 も上がったべンダーもあれは、バグを孑甜商されてもまっ たく対応しないところもあります。検証の対象になるの 年のバックポーンでは、 IPv4/IPv6 のデュアルスタッ ク・オペレーションとし、 IPv4 と IPv6 のトボロジー は、ルータやスイッチなどのネットワーク機器だけでは ありません。ラック、テスター、アナライザ、パッチパ カ院全に一 -- 、致するように構成しました。ルーティング・ ネル、ケープルなど、ほとんどあらゆる製品について、 プロトコルについては、 IPv6 に対応している OSPFv3 と RIPng を組み合わせて運用しています ( 外部との接 NOC メンバーや STM リーダーかイ′ド業中に判明した不 続部分では BGP4 十を利用しています ) 。プースへの接 具合の孑商や、機能・操作生などに関する提案をおこな 続をアクセス網でのラストマイルにみたて、光ファイバ います。 ーでプースを接続する FTTx もかなりの数を使いまし 実際の展示会場とできるだけ同し配置になるように仮 た ( 写真 11 ~ 15 ) 。 組みされたラックは、ホットステージ最終日に梱包され 今年の見どころ 28 UNIX MAGAZINE 2002.9
2002 年 9 月 1 日発行 ( 毎月 1 回 1 日発行 ) 第 17 巻第 9 号通巻 191 号昭和 63 年 9 月 5 日第三種郵便物認可 UNiX ー MAGAZINE 9 鬲 特集 サイバー関西プロジェクトーー - 伊 6 ネットワークへの道 すタグの属性に動的な値を設定する方法 DNS サーバーを適切に運用・管理するためのチェックリスト 利用者 = 管理者時代の新たなネットワーク管理モテル ーーー AWS ねを用いたアクセスログの解析 Web アクセスの傾向を調べる - ーー会場内ネットワークの構築と運用 NetWorId 十 lnterop 2002 す Okyo 圧縮さーネルを展開するルヂ、チン i れ、一トプロセスをみる セッア