マルチキャスト - みる会図書館


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1. UNIX MAGAZINE 2003年1月号

第 - ー 6 マルチキャスト配像 応するために各地にキャッシュ・サーバーを設置するので は、巨額の柑殳資が必要になり、サーバーの数か増えれ ばそれだけ運用コストも増大します。これでは、ビジネス として成り立ちません。ライフ酒己信があまり成功していな い理由の 1 つでしよう。 一方、ライプ配信ではなく、アーカイプされたコンテ ンツの配信に関しては、 CDN (Content Delivery Net- work) と呼はれる技術によって問題か解決されようとして います。 CDN では、キャッシュ・サーバーや糸各制御な ど、さまざまな技術を組み合わせて効率的に広帯域の配信 ができるようにネットワークを言します。多くの企業が CDN の実現に取り組んでおり、技術の組合迂方は各社各 様です。 それでは、ライプ中継には CDN のような革辛廂勺な仕 組みはないのでしようか ? ライプ中継では、同しデータを大阯のユーサーに同時に 配信します。このような目的には、 IP ュニキャストより も IP マルチキャストが適しています。 IP マルチキャストを使えば、 9 , 000 人のユーサーにテ レビ施並みといわれる 8Mbps のビットレートの映像を 邱赭己信しても、配信サーバー側に 8Mbps の回線を用意 するだけですみます。また、 9 , 000 人を対象とした場合の 配信サーバー側の負荷は、 1 人に配信する場合とまったく 変わりません。 IP マルチキャストでは、サーバーから送 信したデータが途中経路のルータで適切にコピーされ、受 信者のいるネットワークに自動的に転送されていくため、 配信サーバー自体への負荷は低くなります。 IP マルチキャストによるライプ配信であ川ま、理論 - ヒ は 1 台の配信サーバーで無限大のユーサーに配信できま す。まさにライフ配信にうってつけの技術ですが、 1 つ落 し穴があります。 IP マルチキャストて配信するには、配信 サーバーと受信者端末のあいだのルータが IP マルチキャ ストに対応している必要があるのです。 IPv4 ()P version 4 ) の世界では、 IP マルチキャスト の仕オゞ IPv4 の仕様よりもあとで決まったことや、マル チキャスト糸響各制御ワ。ロトコルか研究段階だったことなど が景グし、一部の積極的なべンダーしか対応していないの カ躾情です。 「なあーんだ。 IP マルチキャストは、絵に描いた餅か」 と落胆することはありません。 IPv6 ()P version 6 ) で UNIX MAGAZINE 2003.1 は、 IP マルチキャスト ( 以下、、、 IPv6 マルチキャスト " と表記します ) カ材票準の仕様として採り入れられる方向に あります。 大手のべンダーは IPv6 マルチキャストへの対応を表明 していますし、すでに対応製品を出荷しているべンダーも あります。 ただし、べンダーの対応をしっと待っているだけでは IPv6 マルチキャストの普及は望めません。コンテンツ提 供者、 ISP 、ユーサー用端末のべンダーが、足並みを揃え て IPv6 マルチキャストの利用をイ眉止していく必要があり ます。 以下に紹介する朝日放送の IPv6 マルチキャスト配信 実験では、 IPv6 マルチキャストに積杣勺なべンダーの協 力を得て、ライフ紀信サーバーから一殳ューサーの端末ま で IPv6 マルチキャストを用いてライフ、映像を妾配信し ました。コンテンツ提供者から端末べンダーまで、すべて がマルチキャストに対応することで、従来の技術では困難 だった広帯域ライフ配信を面に実現できました。 今回の実証実験では、 2002 年 8 月におこなわれた第 84 回全国咼校野球選手権大会を IPv6 マルチキャストを用い て中継しました。私たちは、この実験の目的として以下の 2 点を考えました。 ・実験ネットワークではなく、商用ネットワークの設備 を使って IPv6 マルチキャスト配信ができることを実 証する。 朱な受信工竟を構すに、一勺なユーサー宅のネ ットワークへマルチキャスト配信する。 IP マルチキャスト技術に関する研究は IPv4 の時代か ら続けられており、もちろん、過去にもマルチキャスト配 送実験が実施されています。それらと今回の実験の違いが 上記の 2 点です。 過去の多くの実験では、マルチキャストの醋医に実験専 用のバックポーンを利用しています。これに対し、今回は 実際に顧客のトラフィックが充れている商用ネットワーク を使いました。マルチキャストによる配信サービスといっ ても、事業化を考えるならは、実験ネットワークではなく 4 P 6 マルチキャスト配信実験の目 181

2. UNIX MAGAZINE 2003年1月号

置 -4 6 マルチキャストを価 運用に使っているネットワーク上で酒己信できなければ未 がありません。これまで、マルチキャスト配信というと、 しよせんは箱庭のなかでの実験ではと思っていた方も多い でしよう。この実証実験の結果をご覧になることで、マル チキャスト酉占医か次の段階へ進んでいることを実感してい ただければさいわいです。 もう 1 つは、、、ラストワンマイル間題 " への 1 つの解答 です。過去の多くの実験では、マルチキャストの配信先を 特設展示場や研究室のネットワークに限定していました。 一般家庭へは、マルチキャストによる情報の送信か不可能 だったからです。しかし、いまではいわゆるプロードバン ド・ルータを使って家庭内にネットワークを構築している ューサーもいます。 通常、 IPv4 の安価な契約では IP アドレスを 1 つしか もらえません。そのため、多くのユーサーは家庭内ネット ワークを構築する際に NAT (Network Address Trans- lator) を使います。そもそも、 IP マルチキャストは NAT を越えて利用できません。 NAT 竟で IP マルチキャス トを実現するには、マルチキャストの制徊臑号を転送した り、グローバル・ネットワークとプライベート・ネット ワークとのあいだで、マルチキャスト・バケットのヘッ タ変換をおこないつつ中幻するといった、通常とは異なる IP マルチキャスト処理か必要になります。ところが、す くなくとも私たちの知るかぎりでは、そのような機能を実 装しているプロードバンド・ルータはありません。その結 果、マルチキャストを利用するサービスは登場す、サー ピスがないためにルータベンダーも採用しないという悪循 環になっています。 一方、 IPv6 ではアドレス数に事実上制限がないため、 家庭内でもグローバル・ネットワークを構築することが ー勺な利用形態になると考えられます。家庭がグローバ ル・インターネットの一部となった場合、そこからマルチ キャストを用いた送受信をしたいという要望が当然のよう に出てくるでしよう。現在、 IPv6 に対応したプロードハ ンド・ルータがいくつか登場していますが、残念ながらマ ルチキャストをサポートした製品はほとんどありません。 しかし、 IPv6 では NAT か不要になるため、一殳のルー タと同しく叫屯にマルチキャスト機能を実装するだけでよ く、 IPv4 のように特別なことをする必要はありません。 プロードバンド・ルータは、家庭とインターネットをつな 182 表 1 糸懿胸プロトコルと引ヒ方式 NTSC / コンポジット入力 ( 朝日放送 ) 映像 / 音声 マルチキャスト PIM-SM 経路制御 映像符号イヒ方式 MPEG 4 standard profile 映像 1Mbps 2Mbps ( 期間限定 ) 音声 128Kbps 表 2 剣こ使用した機材など バックポーン IIJ バックポーン (IIJ) バックポーン・ルータ IX5005 (NEC) 工ッジノレータ . 工 . ンコーーダ、 マルチキャスト ピューア IX1010 (NEC) SEIL (IIJ) KAME OKI Media Encoder ( 沖電 0 OKI Media Server ( 沖電安 0 OKI Media Player ( 沖電気 ) ぐ要です。ここでマルチキャストが分断されてしまうと、 IPv4 のときと同しように、マルチキャストを置き去りに したまま IPv6 のみか及するといったことになりかねま せん。今回の実証実験では、マルチキャストの受信に対応 したプロードバンド・ルータや、 ( 万人向けといえるほど 安くはありませんか ) 安価なルータを使い、ラストワンマ イルのマルチキャスト化を実現しました。 実験に用いた糸響各制御プロトコルと映像 / 音声の符号化 方式を表 1 に、利用した機材を表 2 に示します。 実験では、マルチキャストの経路制御として PIM-SM (Protocol lndependent MuIticast-Sparse Mode) を 用いました。 PIM-SM はネットワーク上の 1 つのルー タをランデブー・ポイントに設定し、ノードからの参加 要求をいったんここで受理します。この方式にはマルチ キャスト糸青報の構築が簡単になるという利点がありま すが、ランテプー・ポイントに負荷か集中してしまいます。 この欠点を克服した PIM-SSM (Source Specific ⅲー ticast) と呼ばれる経路制御肢術もあり、こちらはランデ プー・ポイントを設ける必要がありません。ただし、末端 のノードが PIM-SSM に必要な情報を提供する必要があ ります。技勺には、 PIM-SM よりもルータに負荷のか からない PIM-SSM を使ったほうがよいのですが、実験 の時点では末端ノードで PIM-SSM に対応できる製品が 験の概 UNIX MAGAZINE 2003.1

3. UNIX MAGAZINE 2003年1月号

- : 6 マルチキャスト配像 なく、参加したユーザーが十数名程度ということもあり、 PIM-SM でも -- ト分と判断しました。 映像 / 音声の符号化には MPEG 4 を利用しました。 プロードバンド化が進み、一般ューザー向けの広帯域回 線が安価になったとはいえ、高品質の映像 / 音声を生のま ま流せるほど広くはありません。ストリーミングに対応 した、高圧縮の符号化をおこなう必要があります。 Win- dows Media や RealVideo 、 QuickTime などの方式も 検討しましたが、実験の時点では残念ながらどれも IPv6 に対応していませんでした。今回は、 IPv6 マルチキャス トへの対応を積極的に進めている沖電気から、開発中の IPv6 マルチキャスト対応コードが組み込まれた MPEG 4 配信ソフトウェアとビューアを借用することにしました。 配信帯域は、 1Mbps の映像に 128Kbps の音声です。 最近でこそ 1Mbps のストリーミング・コンテンツも目 にするようになりましたが、ほんの数年前までの感覚で は考えられないほどの広帯域です。もっとも、現在でも ハ lbps のストリームをユニキャストでライプ中継しよう とすると、回糸 ) 費用だけで巨額になります。まして、数 百人が同時に視聴することを考えると、サーバーの負荷は 計り知れません。しかし、今回はマルチキャストによる配 信なので、 1Mbps のストリームであってもネットワーク 本で 1Mbps の帯域しか消費しません。なお、試験的に 2Mbps の映像も配信しましたが、こちらは鄲点の機器 橢及では問題が多く、期間を限定した配信としました。 実験では、全国に散在するユーサーにマルチキャストで 配信するために IIJ の IPv6 バックポーンを利用しました ( 現在、 IIJ の IPv6 ノヾックポーンは IPv6 マルチキャス トの運用をしていません ) 。今回は、 NEC の IX5005 を 全国に配置し、そのあいだで IPv6 over IPv4 を用いて 孑鬮以的に IPv6 マルチキャスト・バックポーンを構築して います。 工ッジルータは、以下の 3 不鶤頁を利用しました。 1 つ目は NEC の IX1010 です。 IX1010 はマルチキャ スト経路制御に対応していませんが、 MLD (MuIticast Listener Discovery) を中継することで擬似的にユーザ ・ネットワークにマルチキャスト受信竟を提供しま す。今回の実験のように、ストリーム配信の受信に限定し た用途であれは有効なガ去てす。 2 つ目は IIJ の SEIL です。製品版の SEIL はマルチ UNIX MAGAZINE 2003 ユ キャスト経路制御をサポートしていませんが、今回は実験 用に PIM-SM の糸響各制徊職能を組み込んだものを利用し ています。 3 つ目は KAME です。いわゆる PC ルータとして、 PIM-SM による経路制御をおこないます。 SEIL と KAME はマルチキャスト経路制御に対応して いるので、ユーザー・ネットワーク側からインターネット に向けてマルチキャストによる配信も可能です。ただし、 今回は受信のみに利用しました。 図 1 か実験ネットワークの構成です。中央に位置する 4 台の IX5005 で IPv6 マルチキャスト・ノヾックポーンを 構成しています。各 IX5005 のあいだは、実際には IPv6 。 verIPv4 によるトンネルリンクて接続されています。 各 IX5005 の下には、ユーザー・ネットワークが収 容されます。ューサー・ネットワークの工ッジルータは、 IX1010 、 SEIL 、 KAME のいすれかを利用します。ユー ザーの接続竟は、帯域がもっとも狭いところで ADSL による 1.5Mbps 接続、もっとも広いところで光ファイ ーによる 1()OMbps 接続です。 ューサー・ネットワークには OKI Media Player を インストールした PC が設置され、朝日旒からマルチ キャストで配信される中糸央像を受信・表示します。 OKI Media PIayer は Windows 2000 上てカく MPEG 4 ビ ューアで、 IPv4 ユニキャストおよび IPv4 マルチキャス トに対応しています。今回の実験では、開発中の IPv6 マ ルチキャスト対応版をインストールしました。ューサー ネットワークの環境に応して、それぞれのネットワークで 1 ~ 3 台の OKI Media PIayer か下力しています。 図 1 の左 - ヒが、映像配信元となる朝日施の譓蒲です。 朝日放送から NTSC 形式て提供される映像を OKI Me- dia Encoder に入力し、 MPEG 4 に変換します。変換 された配信データは OKI Media Server に渡さオ L 、そ こからマルチキャスト・アドレス宛に中幻されます (OKI Media Encoder と OKI Media Server は、どちらも Windows 2000 上でカきます ) 。 OKI Media Server か ら送信されたマルチキャスト・バケットは、各 IX5005 の マルチキャスト経路情報に従ってユーサー・ネットワー 183

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- : 6 マルチキャスト配像 Ⅸ 1010 Ⅸ 5005 Ⅸ 1010 Ⅸ 5005 Ⅸ 5005 ( 福岡 ) ( 札幌 ) 旧旧 v6 マルチキャスト・ / ヾックポーン クにされます。 中張り付けて監視すればよいのですが、現実の運用を考え PIM-SM のランテフ。ー・ポイントは、大阪 IX5005 に るとなんらかの監視システムによる自動監視の仕組みが必 設定しました。配信サー ーと大反 IX5005 か直結されて 要になります。今回は、実運用につなげるために、簡単な いるため、ここをランテフ。ー・ポイントに選ぶのがもっと 自動濫視システムを構築しました。 も効率的です。各 IX5005 、 SEIL 、 KAME で、 PIM- 今回の自動監視システムは、マルチキャスト配信か継続 SM によるマルチキャスト糸各制御をおこないました。 しているかどうかを、配信サーバーを設置したネットワー 図 1 では、工ッジルータとして IX1010 が多く使わ クでモニターする仕組みになっています。配信先のマルチ れています。 IX1010 は、 PIM-SM による糸響各制御はサ キャスト・アドレスは事前に分かっているので、ネットワ ポートしていません。その代わり、 MLD プロキシーの機 ークを流れるバケットを孑柑足し、配信アドレス宛のバケッ 能を備えており、ユーザー・ネットワークに設置してあ トの有無を調べれは、すくなくとも配信サーバーが通切な る OKI Media PIayer が送信する MLD ノヾケットを、 アドレスにデータを送信しているかどうかは分かります。 ー E 流ルータとなる IX5005 に中継します。つまり、 OKI 図 2 は、朝日放送に設置した配信サーバーのネットワー Media Player が MLD を用いて配信先となるマルチキャ ク構成を示したものです。配信に利用する OKI Media スト・アドレス宛に参加メッセージを送信すると、 IX1010 Encoder と OKI Media Server は、 Cisco の CataIyst が IX5005 に参加メッセージを送ります。これを受け取っ 3548 を経由して大阪 IX5005 に接続されています。なお、 た IX5005 からは、 IX1010 がマルチキャストを受信して 1Mbps 用の配信機材が 1 台なのに対し、 2Mbps 用の配 いる IPv6 ノードにみえるため、 IX1010 に対して必要な 信機材が Encoder と Server の 2 台に分かれているのは マルチキャスト・バケットを転送します。そして、 IX1010 負荷を分散させるためで、技行勺には 1 台の場合と同様で がⅨ 5005 から送られてきたバケットをユーサー・ネッ す。今回の実験では、この構成に SEIL を追加し、監視 トワークに転送することで、 OKI Media Player に配信 用の小型 PC として利用しました。 SEIL の基本システ バケットが届きます。 ムは NetBSD で、数は少ないもののネットワーク里の コマンドがインストールされています。今回は、 SEIL に ログインして tcpdump を用いて配信用マルチキャスト・ アドレス宛のバケットか流れているかを調べる Ruby ス クリプトを作成し、これを定期的に実行することて配信が 図 1 ネットワークの冓成 中継映像 朝日放送 OKI Media Encoder OKI Media Server 〇 OKI Media Player Ⅸ 1010 Ⅸ 1010 ・Ⅸ 1010 Ⅸ 1010 、Ⅸ 5005 ( 大阪 ) Ⅸ 1010 Ⅸ 1010 SEIL Ⅸ 1010 = = = = 運用監視体 時間やお金がふんだんに使えるのであれば、人間を 1 日 184 UNIX MAGAZINE 2003.1

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- 6 マルチキャスト配価 映像を配信したところ、 2Mbps の映像は 1Mbps のもの これらのトラフィックの合計は、理論上 2.156Mbps より明らかにプロックノイズカ斗釜減されていました。マル ( = 1 十 0.128 十 0.9 十 0.128 ) で、実際の結果とほば一致し チキャストの場合、配信データの帯域を広くとったときの ます。なお、 0.9Mbps のストリームは実験ューザーに配 サーバーや回線への負荷は、ユニキャストのときよりも小 信するためのものではなく、テスト用のストリームです。 さくてすみます。ですから、ノイズの間題は帯域を大きく catalyst から出力されるトラフィックの糸を収集する することで鮹夬できると考えられます。 際、ストリームごとに集計すれはよかったのですが、出力 ライフ紀信の品質を評価する場合には、配信遅延の間題 されるバケット本て計算してしまったため、グラフ表示 は見過ごせません。今回の配イ訓央像は、 MPEG 4 を用い かやや分かりにくくなってしまいました。 て符号化しています。遅延を測定するために、通常のテレ 2Mbps による配信開始後は、次の 2 つのストリームが ピ施逶の映像と MPEG 4 によるインターネット配信の映 流れることになります。 像を並べて視聴してみたところ、 1 移程度の遅延しか発生 映像 1Mbps/ 音声 128Kbps していませんでした。この程度であれは、ライフ信にも 映像 2Mbps/ 音声 128Kbps ート分対応できます。 こちらのトラフィックは、理論上 3.256Mbps ( = 1 十 総・箚勺によい結果が出ましたが、間題もいくつカって 0.128 十 2 十 0.128 ) で、こちらも実測値とはは致します。 います。 上下のグラフを上交してもらえば分かるように、参カ睹 最初の間題は、マノレチキャストをネ期できるユーサーの 範囲か狭かったことです。今回はユーサー宅まてマルチキ 数とトラフィックには相関関係がありません。これはマル ャストを直接酉当しましたが、残念ながら IIJ の顧客に限 チキャストで配信しているためです。これをユニキャスト て酒己信しようとすると、今回の場合には、 定されています。展昜や実験工竟などの箱庭的な環境か らは一歩踏み出したとはいえ、最大規模といわれる 2 万数 1Mbpsx 1Mbps ストリームの受信者数 千人以上のライフ信か実現できなけれは、本当にマルチ 十 2Mbpsx 2Mbps ストリームの受信者数 キャストがユニキャストの代わりになるとはいえません。 の帯域が必要になったはすです。しかし、図 3 下に示し もう 1 つは著イ料の間題です。著イ料をイ描矍する方法 たとおり、帯域の合計が平均 3Mbps 後半を超えること として DRM (DigitaI Rights Management) カ甘是唱さ はありませんでした。今回は参加者の合言カ十数名と少な 0 000 すたとえ参加者増えも果 0 = 同 = な れていますか : マルチキャストでの実装は難しく、今回は 利用していません。しかし、これはライフ配信を有料で実 ります。 施する場合には避けて通れない譏題です。今後は、 DRM のイ督はみをもっ IPv6 マルチキャストて大規模な有科ライ フ紀信かて、きるイ督はみを考える必要があるでしよう。 最後になりましたが、今回の実験にご協力いただいた 今回の実験のポイントは、システムの負荷と配信データ 方々および参加者の皆さんに感謝いたします。この記事 の品質です。 が、大規模ライフ酒己信実現のための一助となればさいわい 今回、配信サーバーの処理負荷は測定していませんが、 です。 トラフィック・グラフから分かるように、視聴者か増えて ( かたおか・くにお、しま・けいいち IIJ) も回線に負荷をかけすに配信することかできました。 映像の品質については、動きカしい場面で MPEG 特 有のプロックノイズか若下・ E しましたが、それ以外の場 面では、テレピ放送の画面と並べないかぎり、インターネ ット配イ訓央像だとは気づかない稠隻の高い品質て配信でき ました。プロックノイズは帯域を大きくすることで軽減さ れます。今回、短時間ですが 1Mbps と 2Mbps で同し こ = = 二まとめと今後の課題 = 二 = 187 UNIX MAGAZINE 2003.1

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3 マルチキャスト眠価 図 3 言者数とトラフィックのキ物多 1 Mbps マルチキャスト参加者数 ( 200208 / 19 14 : 00 ~ 200208 / 21 15 : 00 ) 14 12 10 8 6 4 2 0 朝日放送から大阪Ⅸ 5005 へのトラフィック ( 2002 / 08 / 19 14 : 00 ~ 2002 / 08 / 21 15 : 00 ) 12 10 凖決勝凖決勝 第 1 試合第 2 試合 準々決勝 決勝 8 休止時間 休止時間 ( の dq > ) 4K 、ハ 4 工 2Mbps での配信開始 4 2 0 08 / 19 18 : 00 08 / 21 12 : 00 08 / 21 00 : 00 08 / 20 18 : 00 08 / 20 12 : 00 08 / 20 06 : 00 08 / 20 00 : 00 08 / 21 06 : 00 時刻 lyst 3548 から大阪 IX5005 ー充れたトラフィックです 2Mbps を混在させた配信を開始しています。 2Mbps での配信を始めるまでは、次の 2 つのストリー ( 単位は Mbps)0 さきほども述べたように、今回の実験で は映像を 1Mbps と 2Mbps の 2 不頁の帯域で配信しま ムを配信していました。 した。ただし、 2Mbps での配信は安定しなかったため、 映像 1Mbps/ 音声 128Kbps 期間を限定した配信となっています。図 3 下の中央に書 映像 0.9Mbps / 音声 128Kbps いたように、 8 月 20 日の準決勝第 2 試合から 1Mbps/ 186 UNIX MAGAZINE 2003.1

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図 2 酣言サーバー ( 朝日方 ) のネットワーク 1 Mbps 用配信機材 OKI Media Encoder OKI Media Server 2Mbps 用配信機材 OKI Media Encoder OKI Media Server 大阪Ⅸ 5005 へ SEIL 中継映像 CataIyst 3548 トラフィック・モニター 継続しているかどうかを石忍しました。配信カ亭止してい たら、運用担当者 ( 実験をおこなった私たち自身です ) に メールが送信されるイ督はみになっています。 この監視システムを運用することで、すくなくともサー バー側の配信システム障害は自重加勺に検出できるようにな りました。しかし、実際に運用してみると、サーバー側の 障害だけ検出しても、完全には配信を保証できないことが 分かりました。インターネットは、密につながった一枚岩 のネットワークではなく、お互いか緩やかに接続されてい ます。このようなシステムの場合、いったん配信サー から送出されたバケットか無事に目白也に到達するかどう かは、状兄により刻々と刻ヒします。ですから、たとえ配 信サーバー側に間題がなくても、ビューアに映しだされた 映像を見ると品質が劣化していたり、映っていないことも ありえます。 ISP は、自社バックポーンの品質糸財寺を最優先します。 ISP にとっては当然のことですが、アプリケーションをか らませて運用をおこなうと、いかに品質の糸財寺が大変かを 身をもって知ることかて、きます。いったん旅立ったバケッ トの運命は天にまカるしかないという、インターネット では当り前の事実を再認識させられました。 UNIX MAGAZINE 2003.1 14 時から 2002 年 8 月 21 日の 15 時までとなっていま 表したグラフです。横軸はリで、 2002 年 8 月 19 日の 図 3 は、中継終盤の受信者数とトラフィック窈隹移を す。これは、準々 1 刔劵か引刔劵の終了までの期間に相当し 図 3 上のグラフ従軸は受信者数を表します。ただし、 この、、受信者数 " は、各 IX5005 のマルチキャスト経路 表から恥昇したマルチキャスト受信者数の合言 t です。した がって、かならすしも実際の受信者数と一致しているわけ ではなく、以下の点で現実とのすれカ吽します。 ・Ⅸ 5005 自身か受信者として数えられる たとえば、受信者が 1 人もいない状態から、東京 IX 5005 に接続しているユーザーが受信を開始すると、ま す東京Ⅸ 5005 の受信者が 1 人増えます。その後、東 京 IX5005 が躑友Ⅸ 5005 0 ンサット酉当医を依頼する ことで、大阪 IX5005 の受信者として東京 IX5005 が 数えられることになります。本当は 1 人しか増えてい ないにもかかわらす、グラフ上は 2 人増えたようにみ えます。ただし、この状態からさらに東京 IX5005 の 受信者か増えても、東京Ⅸ 5005 の受信者数か増える だけて大阪Ⅸ 5005 での受信者数は変化しません。 末端のユーサー・ネットワークの受信者数が数えられ バケットがマルチキャスト配信されるため、ユーザー ネットワーク上に複数の受信者がいても、そのユーザ ・ネットワークを収容している IX5005 では 1 人と しか数えられません。 図 3 下のグラフの縦軸は、朝日放送に設置した Cata- 185

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連載 /Cyber Kansai Project 写真 4 IPv6 マルチキャスト配信に使用したエンコータ 写真 3 NetCache C2100 duction 、ガンマ補正などの調整かできます。中間ファイ ル ( 非 WÆAVI など ) を生成せすにプリプロセスをおこな い、高画質でエンコードできるのは大きな利点です。ハー ドウェアで de-interlace をおこなうマシンはありますが、 StreamZ * はピクセル単位で動きに j 直しながらリアルタ イムに補正するため、ライフ酒己信などの際にはきわめて有 効なシステムだと思います。 これまでの 64Kbps 程度の中継ではスコアなどの文字 情報はほば判読不可能で、画質を損なわすに中継するこ とは半はあきらめていたのですが、 StreamZ* の導入によ り、低ビットレートでも文字か読み取れるほどきれいに工 大会期間中は、朝日放送にかかわるネットワークか増強 ンコードされました。 されます。そこで、これと並行して重の実証実験をおこ この低ビットレート向けのコンテンツをより多くの人に ないました。 1 直に見てもらうため、 Network Appliance7 からお借 上記の DVTS over IPv6 イ云送実験では、朝日放送から りしたキャッシュ製品 NetCache C2100 ( 写真 3 ) を配 東京・丸の内のショールームまで DV 映像を JGN (Japan 信システムとして利用しました。 C2100 は、 2U サイズで Gigabit Network)9 経由で伝送しました。 GbE クラスのストリーム配信能力をもつアプライアンス IIJ の協力を得て実施した IPv6 マルチキャスト配信実 製品です。 7 台のディスクをよ曜内でき、 2U の本にもか 験では、大阪、東京、オ LJP. 晃、福岡の 4 拠点を中心とした かわらす RAID 4 を実装しています。ディスクの活性保 IPv6 ネットワークを構築し、夫験参加者が IPv6 のトン 守、アクセスログを含むキャッシュデータの一描像ディス ネルを張るというガ去て配信帯域 1Mbps の MPEG 4 ラ クの増設か容易といった、コンテンツを配信する側にはた イフ映像を配信しました。 いへん便利な機能を備えています。 また、多地点分散アーカイプ・システムに関する実験の 一環として、ル、ト悼月日放送と協力して JGN 経由での DV この連載でも何回か紹介していますが、 NetCache シ 素材伝送実験をおこないました。これまで、放送局間の素 リーズは ReaIMedia や Windows Media 、 QuickTime をサポートしているため、 1 台で複数のメディアタイフ。や 材交換はマイクロ波を用いておこなわれてきましたが、 IP 網を利用すれば双方向生のあるう靖攵アーカイプ・システム ビットレートのコンテンツ配信がおこなえます。さらに の実現か期待できます。 Microsoft と RealNetworks の両社から Certification ( あかふし・ともひさ朝日放送、 を受けているため、その未でも安じ、して使えます。 おきもと・ただひさ NTT スマートコネクト ) ナローバンドで品質の矼 E 、配信の安定を図る一方で、 新たな町絲目みもおこないました。朝日放送では、 IIJ の協 力を得て MPEG 4 over IPv6 マルチキャスト配信実験 や、 IPv6 普及・高度イ隹進協議会 8 向けの DVTS over 7 http://www.netapp ・ CO ・ jp/ 8 http://www.v6pc.jp/ IPv6 伝送実験など、 IPv6 関係の実証実験に限定したプ ロードバンド配信も実施しました。 実証実験 9 http://www ・ jgn ・ tao ・ go ・ jp/ 193 UNIX MAGAZINE 2003.1

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2003 年 1 月 1 日発行 ( 毎月 1 回 1 日発行 ) 第 18 巻第 1 号通巻 195 号昭和 63 年 9 月 5 日第三種郵便物認可 ・トラブルが発生したら一応急処置 ー・情報の収集と防止策の立て方 ・システムのトラブルとは何か 饕 SO ねⅱ s トラカいシューティング 2002 年夏 : デ子園高校野球中継 サイバー関西プロジェクト - ・ , start kernel() と setup arch() し inux のプートプロセスをみる Apache の導入と便利な使い方 こけつまろびつリ N Ⅸ 簡易データベースの構築 プロクラミング・テクニック X. 509 認証機構証明書の役割と入手方法 UNIX Communication N0tes 実験環境から実用化へ ー大規模 6 マルチキャスト配信 ・探索ーー逐次探索、審兵、ニ分探索ふ内挿探索 ~ ・クラスの定義、メソッド、オプジェクトー一一一一一一一 ・境としての J a プクラミング入門

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188 194 180 サイバー関西プロジェクト・ 甲子園 2002 インターフェイスの街角 WikiHeIp ・・・赤藤倫久、沖本忠久 ・・・増井俊之 大規模旧 v6 マルチキャスト配信の実現に向けて・・・・・片岡邦夫、島慶ー News•• CoIumn 25 女子大生の放課後・・・・・・北川渉、伊藤そよか、笠藤麻里 ワークステーションのおと・・・・・・坂下秀 142 NetNews 便り・・・・・・みるく 156 NEWS from jus Bookshe げ・・・ 読者アンケートのお知らせ・ Linux Update ・ " ・ " 宮地利幸、田淵貴昭 162 164 166 UNIX MAGAZINE vo い 8 # 1 2003 年 1 月号 ( 通巻 195 号 ) 2003 年 1 月 1 日発行 発行所・株式会社アスキー〒 160-8584 東京都新宿区信濃町 34 JR 信濃町ビル出版営業部電話 03-5362-3300 発行人 / 小森哲郎・編集人 / 土屋信明・編集長 / 大久保讓治・ Edito 「・ s Network Address: unixmag@ascii. CO. jp ・編集 / 川崎通紀岸竜次久保田考長谷川光広 ・出版営業担当 / 遠藤剛三井善裕藤本典子佐々木直 ・出版広告担当 / 山本直吉郎桜山ちづる志摩和弘・生産管理担当 / 篠田敦 禁転載◎ 2003 ASCII Corporation 1070301 印刷 / 東京書籍印刷株式会社 Printed in Japan