連載 /UNIX Communication Notes が強くなるのではないだろうか。だからこそ、多くの人が XOOPS を利用していけばいくほど、そういった気持ち 分の意図するポータルサイトを構築していくのは難しい。 基本モジュールで構成された XOOPS だけでは、自 XOOPS の拡張に向けて 行動に目を配りながらサイトを言していく必要がある。 だけでは不十分であり、登録ューザーやゲストユーザーの この種の XOOPS サイトでは、情報の流れをみている ける。 ・効率の改善 : 作業効率の改善に役立つモジュールをみつ ュールをみきわめる。 ・モジュール利用の可否 : ゲストユーザーに開放するモジ ( 開発者 ) 限定の情報をみきわめる。 ・情報の公開の可否 : 公開してよい情報と、登録ユーザー 点に注意しながらサイトを構築していく必要がある。 このような形態で運用する場合、サイト管理者は以下の ものをゲストユーザーがダウンロードしていく。 が、サイト内のツールを使って開発を進め、リリースした ェクトのポータルの大半はこの形態だろう。登録ユーザー きるというものだ。たとえば、オープンソース開発プロジ ろな作業をおこない、ゲストユーザーがその成果を参照で なアプローチである。複数の登録ユーザーが共同でいろい もう 1 つは、グループウェアとステージングの中間的 流行りのポータル 2 段構えのシステムとして使うわけである。 ベルに達した段階でゲストユーザー領域に開放するという ーザーの領域でコンテンツを用意し、それが公開可能なレ おこなうと捉えると分かりやすいだろう。つまり、登録ユ ザーがアクセスできる領域とで、いわゆるステージングを 強い。そして、登録ユーザーカ胙業する領域とゲストユー ment System) として XOOPS を使うという意味合いが いうより、どちらかといえば CMS (Content Manage- このアプローチでは、ポータルサイトを実現するためと るかどうかを決めるディレクター的な役割を担う。 ・システム管理者 : 作成されたコンテンツを外部に公開す ったりする。 ビスを提供するためにモジュールを開発する技術者であ 66 モジュールを開発しているのであろう。したがって、使い やすく強力な XOOPS サイトを作るには、目的に合った モジュールの発見カ坏可欠の作業になる。いずれは、新た なモジュールが必要になる場面も出てくるはずである。そ のようなときは、ぜひともモジュールの開発に挑戦してほ しい。 それでも、 XOOPS だけでは機能不足といったことが あるかもしれない。その場合は、 XOOPS 以外のツールを 併用してサイトを構築していくアプローチも考えるべきで ある。特性の異なるものを組み合わせると、それぞれを単 独で利用するよりも多彩なニーズに応えられるようになる。 XOOPS の例でいえば、 Wiki との組合せはかなり相性が よいようだ。 ☆ 今回は、コミュニティ内における情報共有に役立つモジ ュールの利用法について説明した。 XOOPS はたいへん楽しいツールでありながら、うまく 使えは大きな威力を軍する。皆さんも、積極的に導入し、 新たなモジュールを作って魅力的なポータルサイトを構築 していただきたい。なお、モジュールの書き方については、 機会をあらためて説明する予定である。 ( やまぐち・すぐる奈良先端利・学オ支術大学院大学 ) [ 1 ] Frank Dawson and Derik Stenerson, ん tet 、れ Cal- 礰ツれ 9 0 れ d Sc ん e 市れ 9 C07 ℃ 0 の ec カ S ec 第 ca 0 れ を C e れ d の、丿 , RFC2445 , November 1998 [ 文献 ] UNIX MAGAZ 工 NE 2004.8
ー 0 連載 /UNIX Communication Notes 要がある。ファイル自体は、下記のようにモジュールのた 英語版の XOOPS の公式サイト 5 でも、数多くのモジ めのディレクトリに置かれている ( 誌面の都合上、で折 ュールカ開されている。このサイトと日本語公式サイト り返しています。以下同様 ) 。 の両方を起点にして、目的とするものをクリックカで捜し あてるのも楽しいだろう。目指す機能を実現するモジュー /usr/pkg/share/httpd/xoops/modules/=> ルがみつからなければ、自分でモジュールを書き始める絶 filemanagerl . O/yourfi1e. txt 好の機会である。 この例であれば、 モシュールを用いた↑共有 http: //your. server/xoops/modules/* filemanagerl .0/yourfi1e . txt XOOPS とそのモジュールを利用して、自分の属するコ という URL になる。 ミュニティで情報共有を他隹する方法を考えてみよう。 注意 3 XOOPS は、いわゆるポータルサイトを作成するための QTOFiIeManager には、セキュリティ面で 2 つの問題が ツールである。ポータルサイトの実現には、何通りかのア ある。 1 つは、モジュール自体が XOOPS のフレームワークに 従っていないため、正カ材く十分な点である。これについては、今 プローチがある。 後の改善に期待したい。もう 1 つは、本文にも書いたとおり、モ グループウェア ジュールが置かれているディレクトリにファイルをアップロード する点である。このため、モジュールカ坏リ用する index. php な その 1 つは、特定のユーザーによるコミュニティを形成 どのファイルはモードを変更し、削除や変更ができないようにして し、 WWW サイトを中心として仕事をするという形態で おく必要がある。これらの問題があるので、このモジュールを利 用するのは管理者、および構造を正しく理解している登録ューザー ある。この場合、メンバー全員が XOOPS の登録ユーザー に限定すべきであろう。 となり、内部のコンテンツに積極的にアクセスし、さらに 注意 4 サイト内の構造を徐々に使いやすいものにしていくという このモジュールは PHP で言当されているが、 HTTP の スタイルになる。 POST などを用いており、その変数の受度しに PHP のた或変 このアプローチでは、以下の点に注意する必要がある。 数を使っている。しかし、最近の PHP4 では、この或変数の利 用を制限するように定するのカ通であり、その結果、このモジ ・サイト管理者は情報の蓄え方や流れ方を考え、登録ユー ュールがうまく動かない場合がある。そのようなときは、 php. ini ザーの積極的な参加を促してサイトを改善していく。 の register-globals 変数の値をと指定する必要がある。 ただし、 PHP4 ではこの言は勧められていないので、セキュリ の場合には、フォーラムやニュースの構造、ファイルな ティ管理を彳底している竟では、このモジュールのソースコード どの管理方法をうまく言妬 t する必要がある。 を書き換えたほうがよいだろう。書換え方は、 php. ini のコメン 業務に直結するポータルとなるため、データのバックア トに記されている。たとえば、 $login は、 $-POST["login"] ップやシステムの可用性管理に十分注意して運用する。 のように変更する。詳しくは、コメントまたは PHP4 のマニュ アルを参照してほしい。 見方を変えると、 XOOPS を用いてグループウェアと同 その他のモジュール 様な環境を構築するアプローチといえる。 今回紹介したもの以外にも、たくさんのモジュールがあ ステーシンク る。 XOOPS 日本語公式サイトに登録されているもののう もう 1 つ、おもにゲストユーザーに対してサービスを提 ち、 XOOPS 2. x 用のモジュールは約 70 である。これら 供する形態も考えられる。この場合には、それぞれの彳難リ のモジュールの機能は、アドレス帳やチャットなどじつに を次のように明確に定めるのカましい。 多彩である。 ・ゲストユーザー : おもな利用者。 日本語化については、なんの問題もないものもあれば、表 登録ユーザー : コンテンツの開発を担当する。たとえば、 示カ話しれたりするものもある。現時点では、モジュールを デザイナーや記事を書くライター、あるいは、独自のサー インストールしてみて、うまく使えるかどうかを確認して いくしかないだろう。 5 http://www.xoops ・ org/ 65 UNIX MAGAZINE 2004.8
図 2 各グループへのユーザー〕ロ・肖畭 グルーフ。メンバーの勛 0 / 削除 連載 /UNIX Communication Notes 194 非メンバー メンノ、一 ←自鯑 ーザーがコンテンツを増やしていくことに重点を置いた 各モジュールカ甘是供する情報やコメントの追加など、ユ ・モジュール・アクセス権限の有無 任せるような場合には、管理権限を与える必要がある。 し、あるモジュールの管理を特定のユーザーグループに 通常はシステム管理者だけに権限を与えればよい。ただ れぞれのモジュールの機能をよく調べてから設疋する。 理者カ報える機能は各モジュールごとに異なるので、そ おこなう権限を与えるかどうかを決める。モジュール管 ・プロックアクセス権限の有無 機能へのアクセスの有無を設定する。 UNIX MAGAZ 工 NE 2004.8 ーザーを新たなグループに所属させたほうが混乱が少な フォルトの設定のままで運用し、本当に権限が必要なユ 登録ユーザー数が増えてきたときなどは、原則としてデ である。 変更せざるをえない場合は、十分に注意して作業すべき できるかぎり変更しないようにする。なんらかの事情で ・デフォルトの、、登録ユーザ " グループの権限については、 限を明示的に指定する。 は、新たにグループを作成し、そこでユーザーのもつ権 ・特定のユーザーに対してなんらかの権限を与える場合 なうことである。 におけるユーザーグループと同じ考え方にもとづいておこ グループ管理に関するコツは、以下に示すように、 UNIX に表示される図 2 のパネルを利用する。 メンバーの登録・削除をおこなう場合は、図 1 と同じ画面 新たなグループを作成したり、既存のグループについて できない表示プロックが対象となる。 可するかどうかを決める。一般に、ユーザーカ値接変更 各モジュールが提供する、、プロック " へのアクセスを許 おもしろいモジュール XOOPS では、基本モジュールだけでもかなりの機能を もっポータルサイトが構築できる。しかし、 XOOPS 用に 提供されているさまざまなモジュールを利用すれば、もっ とおもしろいことができる。 XOOPS の日本語公式サイト 3 にアクセスし、左側のメ ニューから、、モジュール / ハック " を選ぶと、標準のダウン ロード・モジュールを使ったページが表示される。 は、いろいろな人が開発した多種多様なモジュールの解説 と、それぞれのダウンロード・ページへのリンクがある。 執筆時点では、登録されているモジュールは 91 個である (XOOPS 1. x 用と 2. x 用の合計 ) 。これらのモジュール を 1 つ 1 つみていくだけでもたいへんおもしろい。 利用できるモジュールは、インストールする XOOPS のバージョンによってすこし異なる。今回はバージョン 2.0.6 をベースに解説しているので、以下では 2. x 用のモ ・さきほど述べたプロックアクセス権限とは、簡単にいえ ば、各モジュールによって作成されるプロックを表示す るか否かということである。デフォルトでは、ごく少数 の例外を除き、ゲストにはプロックアクセス権限は与え られていないので、そのサイトのコンテンツにほとんど アクセスできなした態になる。つまり、プロックアクセ ス権限の変更とは、ゲストにアクセスを許可するプロッ クを決める作業といってもよい。 ・グループはむやみに作らない。グループの新設は、本当 に必要とされるときだけに限定する。 注意 1 当然のことながら、 WWW サイトは基本的に寺定多数か らアクセスされる。したがって、 XOOPS でユーザー登録の手 順を簡略化しているような場合は、登録ユーザーに与える権限につ いてよくよく考えるべきである。 XOOPS を利用するときには、 、ユーザーとは何か " を明確に意識する必要がある。デフォルトの 構造は、そのあたりにかなり配慮したものになっている。くどい ようだが、インストール後に権限を変更するときは、本当にその変 更が必要かどうかを十二分ロ寸すべきであろう。 3 http://jp.xoops ・ org/ piCal は XOOPS 用のカレンダー・モジュールで、執 piCal ジュールをいくつカ齠介する。 61
連載 /UNIX Communication Notes 194 図 3 piCal モジュールの追加 (a) piCal (CALENDAR) モジュールか寸象になる ン イ ュ 051 いツアウトいームへーシ 管メニ急ーー XOOPS 製を p ℃、 このモジュールをインストールするには下のホタンをクリックしてください 筆時の最新バージョンは 0.51 である。 このモジュールを導入すると、 XOOPS 上で登録ユー ザーやゲストに見せるカレンダーが作れる。登録ューザー は、自分のスケジュール管理のために使うこともできる。 なかでも卿未深いのは、 RFC2445 [ 1 ] で標準化された iCaIendar 形式のデータの動的な生成と取込みが可能にな っている点である。最近のスケジュール管理ツールやグル ープウェアでは、 iCalendar 形式に対応したものもある 4 したがって、スケジュールとして登録されたイベントに関 する情報を、ほかのスケジュール管理ツールで読み込むた めに iCalendar 形式のデータとして書き出したり、反対に これらのツールからデータを取り込むこともできる。 piCal のインストールは、次のようにたいへん簡単であ 4 たとえば、 Lotus Notes クライアント 6 では iCaIendar 廾みにのデー タのやりとりが可能だし、 Mac OS X に伺・属の iCal も iCalendar に 対施 : している。 る。 ます、モジュール (piCaI-O. 51. tar. (z) をダウンロード する。 XOOPS をインストールしたディレクトリ ( 以下で は、 /usr/pkg/share/httpd/xoops とする ) にこのファ イルを置き、以下のようにして展開する。 # cd /usr/pkg/share/httpd/xoops # tar zxf piCaI—O . 51. tar ・ gz 上記のディレクトリの下に modules/piCal というディ レクトリカ乍成され、そこに piCal モジュールー式がイン ストールされる。続いて、システム管理モジュールの、、モ ジュール管理 " を開くと、 CALENDAR というモジュー ルが表示されているはすである ( 図 3 ー a ) 。右から 2 つ目の インストール・アイコンをクリックすると、表示か図 3-b のように変わる。こで [ インストール ] ボタンをクリッ あとは通 クすれば、インストールは終了である。これで、 62 UNIX MAGAZ 工 NE 2004.8
連載 /UNIX Communication Notes 194 ・もしかしたら、地震やその他の災害によってデータセン ターも長期間、機能停」 . E 状態に陥るかもしれない。だか ら、いま利用しているデータセンターから 500km ほど 離れた場所に、もう 1 つのバックアップ・システムを用 意しておくことにしよう。 ・もしかしたら、戦争か渤発するかもしれないから、どこ かほかの国にもサーバーを設置してネットワーク経由で ミラーリングし、業務の継続性を保とう。 ・もしかしたら、地球が宇宙人に侵略されるかもしれない。 だから、最近、月にオープンしたデータセンターにシス テムを置き、万一の際には月面で仕事力けられるよう にしよう。 ・もしかしたら・・ 実現できるかどうかはともかく、思いつくままに並べて いっても、これだけの、、対策 " が考えられる。 上記の例ではシステムだけに注目しているが、それ以外 にもネットワーク接続生、システムのオペレータや業務の 継続に必要な人員の確保など、さまざまな面からみた対策 をいくらでも考え続けられるだろう。このような際限のな い対策のうち、どのレベルまで実施するかは、本来はでき るかぎり合理的に判断すべきである。 ところが、現実をみると、最後の瞬間には割切りとか、 直感とか、根性とか、度胸とか、経営判断とか、トップの 意思決定などによって決定されることも多いようだ。これ は、平均的な対策から一歩踏み込むとコストが急激に跳ね 上がり、同時に、その対策の対象となるリスクがかなり小 規模なものにみえてしまうからであろう。しかし、技術者 としてはもうすこし合理的に考えたい。すくなくとも、期 彳員失 (expected loss) と対策にかけるコストのバランス を考慮して判断し、同時に複数の期彳員失予測をおこなう ことが重要である。最低限、楽観値と悲観値の算出くらい はしたいものだ。 また、いったん算出した期彳讚員失について継続的に検証 する必要もある。それには、リスク評価を可能なかぎりシ ステム化し、手間を減らす努力を怠ってはならない。よく 、、リスク評価には手間がかかる " といわれるが、リスク評価 に使える基礎的なデータ ( たとえば、毎日の売 . E げやデータ 奐量など ) は、情報処理システムから自動的に集められる はずである。このようなシステム化を進めていけば、リス UNIX MAGAZINE 2004.8 ク評価を短時間かっ低コストで実施できる可能性カ皜くな こういった考え方にもとづい る。可用性管理においては、 てシステムを構築することが重要であろう。 モジュールの利用 さて、今回も XOOPS の特徴的な機能であるモジュー ルについての説明を続ける。 RSS を利用する headline 最初に、前回の説明内容に不正確なところがあったので 補足しておく。 XOOPS に標準で用意されているモジュー ルに headline があるが、前号の表 4 ( 61 ページ ) はやや 説明不足だった。あらためて詳しく紹介しよう。 headline は、ほかの WWW サイトで提供されてい る RSS (RDF Site Summary)/RDF (Resource De- scription Framework) 形式のデータを利用するモジュー ルで、そのサイトの概要 ( ヘッドライン ) を表示し、アクセ スできるようにする機能をもっている。 RSS は XML を 応用したもので、 WWW サイトのいわゆるメタデータを提 供するためのフォーマットである。この、、メタデータ " は、 ページのタイトルや要約、 URL などの情報を XML 形 式で記述したものである。 RSS を提供するかどうかは各 WWW サイトが決める。最近は、一部のニュース配信サ イトや Blog サイトなどカ責極的に利用している。 RSS 形式のデータには、通常の URL でアクセスでき る。 headline モジュールには、 WWW サイトから提供 される RSS を読み込み、その内容を解釈して適切に表示 する機能がある。 XOOPS は RSS に対応しているため、 headline モジュールを導入すると、 XOOPS を利用して いるほかの、Ⅵー W サイトのヘッドラインが見られるよう になる。 headline モジュールで新たなサイトを j 助日する場合は、 サイトのコンテンツにアクセスするための URL ・サイトカ甘是供する RSS にアクセスするための URL ・サイトカ甘是供する RSS のローカルでの保存 ( キャッシ ュ ) 期間 を登録すればよい。 代表的なところでは、ロポットを使ってニュース配信サ イトの更新を監視し、そのヘッドラインを提供する BuIk- 59
2004 年 8 月 1 日発行 ( 毎月 1 回 1 日発行 ) 第 19 巻第 8 号通巻 214 号昭和 63 年 9 月 5 日第三種郵便物認可 0 ・ 200 イ NE ユニックス・マガジン VPN ツールの使い方 —PPTP プログラム、 OpenVPN 大学ネットワ - クのアウトソーシンク イントラネットで使う HTM しチェッカー リ N Ⅸ便利帖 XOOPS のモシュールたち UNIX Communication Notes 乗鞍ロナ観測所の衛星通信再開 国立台のネットワク 動的ホームエージェント探索 6 の実装 ・ 00e れ VPN の活用法 ・ PPTP プログラムの使い方 ・ P00t00 と PPTP CIient 作業環境の整備ーーサーバー構築に向けて SF リの活用 運用・管理の外部委託 安く安全に自宅の Windows マシンにアクセス リモート・デスクトップ接続の活用
Contents 2004 / 8 [ 特集 ] れのインストールと設定方法の詳細、実際の活用法まで丁寧に解説。 C ⅱ ent の組合せを紹介し、次いで OpenVPN について説明する。それそ 今回は、最初に PPTP に対応したプログラムの例として Poptop と PPTP OpenVPN を使う PPTP プログラムと 36 VPN ツールの使い方・・・・・・白崎博生 連載 58 67 82 87 95 102 108 1 19 133 UNIX Communication Notes ・・・・・山口英 広帯域インターネット時代の情報共有 ( 7 ) XOOPS のモジュール 旧 6 の実装・・・・・・島慶ー 動的ホームエージェントの探索処理 (E) 大学ネットワークのアウトソーシング 山梨県立女子短期大学の場合 八代ー浩、菊池豊 作業環境を整える - ーー bash 、 which 、 ng なと SFU の活用・・・・・荒木宏之 Red Hat Linux 9 への移行 Red Hat し inux のツールたち・・・・・・横垣駿雄 イントラネットで使える HTML チェッカー UN Ⅸ便利帖・・・・・・宮下健輔 ファイルシステム ( 2 ) ーーー NTFS の概要 へテロな環境の基礎知識・・・・・及川卓也 観測所の衛星ネットワーク接続の再開 国立天文台のネットワーク・・・・・・大江将史 inetd. c—libwrap ライブラリ関数 プログラミング・テクニック・・・・・・多治見寿和 COVER, CONTENTS DESIGN ・ MORIYA, KAZUO (AUDREY THE DESIGN) ILLUSTRATION ・ KANOKO
U N ー X Communication Notes 194 山口英 XOOPS ( 3 ) 広帯域インターネット時代の情報共有 ( 7 ) 業務の継生 投資または過 / 忖殳資になる危険をつねにはらんでいる。 とも多い。そのため、対策に偏りが生じ、結果として過大 目標に掲げる企業などでは、、無駄な投資 " とみなされるこ もっとも一般的な手法であり、それゆえに業務改善を第一 また、可用性管理ではバックアップ・システムの用意が てくる。 手法は大きく異なり、対策にかかるコストもかなり変わっ くらいのレベルの可用性を確保するかによって問題解決の 甬である。しかし、一口に可用性管理といっても、どの 際には、リスク評価をおこなってから対策を検討するのが 可用性管理はセキュリティ管理の一環だから、設計する と呼ばれる。 ある。これは、 Availability Management ( 可用性管理 ) 続性を保証することは、セキュリティ管理の重要な課題で がいえる。情報やシステムを突発事故から守り、業務の継 これらは個人の場合の話だが、組織についても同じこと PC を預けて後海することになるのである。 報じられているのだが、ついつい係員に言われるがままに れることもある。この種の盗難はよくあり、新聞などでも のセキュリティ・チェックの際にラップトップ pc を盗ま なりディスクがクラッシュしたりする。あるいは、空港で も、、、まだ大丈夫だろう " と 1 日延ばしにしていると、いき ろバックアップをとらないとまずいかなあ " と思いながら よらないかたちで降りかかってくる。たとえば、、、そろそ るのではないだろうか。ところが、現実には災難は思いも 然とではあるが、自分だけは、、災難 " に遭わないと考えてい 私たちがコンピュータ・システムを扱っているとき、漠 58 こで、 UNIX システムのファイルサーバーを例にとっ て可用性管理についてみていこう。 このサーバーの可用性を確保するために、次のような対 策を考えたとしよう。 ・ディスクがクラッシュする危険性を考慮しなければなら ないので、定期的かっ頻繁にバックアップを作成し、ク ラッシュが起きても短時間でデータの復旧ができるよう にする。 ・バックアップの作成だけではデータが消失するおそれが あるので、 RAID 技術を併用してそのような事態をでき るかぎり防ごうとする。 ・もしかしたら、マザーボードやメモリも故障するかもし れない。これらについても、予備の部品を確保しておく ことにしよう。 ・ハードウェアが故障した場合、故障箇所を特定して部品 を交換するのは手間がかかるので、 IU サーバーをもう 1 台用意しておく。そして、いざというときにはディス クを奐し、すぐに運用できるようにしておく。 ・ディスクの交換には時間がかかるから、完全に同じ構成 のシステムを 2 セット用意し、それぞれをマスターおよ びバックアップとする。マスターから、ネットワーク経 由でディスクのミラーリングを実施する。 ・もしかしたら、サーバーを設置している部屋で電源事故 が発生するかもしれないので、やや大きめの UPS を導 入する。 ・もしかしたら、電源事故は数分で解消するようなもので はなく、復旧に数時間または数日かかるかもしれない。 この種の事故に備えて、自家発電装置が用意されている データセンターにサーバーを設置しよう。 UN 工 X MAGAZINE 2004.8
連載 /UNIX Communication Notes 194 図 4 piCaI モジュールによるカレンダーの表示 則印は 00 印 0km 10 山 、の , = ツ ) 、をを糞 ~ こ喞ノ加 c s 。叩血。 0 仰℃ av dFirefoxHelp こ F 5 リ叩面 CPlug-inFAO 0 し XO ロ PS アカウント情報 アカウント編集 イベント通社能 ログアウト 者メニ亠ー 七クジ 3 ! ン ヘッドライン PopnupBLOG →日 2004 第 6 月 4 2 1 4 2 三 10 " ・一ノ 15 4 3 9 0 25 23 2 30 8 7 サイト 土 3 冊 金 2 9 佑為 7 木 18 お 水 7 個加 火 6 加 0 2 月 5 冊お 日 4 督報お + ~ 18 脩 金 7 お 引木 6 お加れ 年水 5 冊 火 4 お 0 月 3 冊 日 2 , 冊お関 20 当サイーを : る p ℃ a ト 0 51 $PEAK 00m. 下で unzip コマンドを使って展開する。 常のモジュールと同じようにシステム管理モジュールから、 ・ Blog を書くには、モジュールでユーザーを登録する必 piCaI の管理メニューにアクセスできるようになる。この メニューでは、一殳的な言定のほか、登録するカレンダー 要がある。 イベントの承認方法などを指定する。 多くの人は、 BIog を WWW 上で書かれる日記のよう 最後に、各ユーザーグループごとに表示プロックの設疋 なものと捉えているのではないだろうか。事実、日本で公 をすれば、カレンダーが表示できるようになる ( 図 4 ) 。 開されている Blog ページの多くは日記だから、この認識 れは、とくに業務と連携するようなポータルを作る場合に も間違いではない。 は、たいへん便利なツールである。 しかし、 Blog ページを日時に関連づけられた文書と考え れば、日報や進捗管理、レポートといった目的で使っても その他のモジュールのインストール方法も、 piCaI の場合と よいはすである。とくに、グループで共同作業をおこなう 大きく変わることはない。まず、モジュールのパッケージをダウ ような場合には、 BIog は大きな可能性を秘めているといえ ンロードして XOOPS をインストールしたディレクトリで展開 るだろう。 する。そして、システム管理モジュールから操作し、最後に各モ ジュールの管理メニューから設疋をおこなう。 QTOFiIeManager PopnupBlog 複数のユーザーが共同で作業をしていると、情報を共有 PopnupBlog は、このところ大流行の Blog ( または するために相互にファイルをやりとりしたり、メンバー全 WebIog) の機能を提供するときに重宝するモジュールで 員にファイルを配布することがある。その場合には、ロー ある。当初は SimpleBlog という別のパッケージをもと カルのシステムからサーバーにファイルをアップロードし、 に開発されていたようだが、最新版は完全に独立したモジ それをメンバーがダウンロードする機能が必、要になる。 ュールとなっている。 こういった目的に利用できるのが QTOFiIeManager インストールの手川頁は、以下の 2 つの点を除き、 piCal である。これは、ごく簡単な PHP4 で書かれたモジュー とほとんど同じである。 ルである。その他のモジュールと同じく、 modules の下に パッケージを展開し、システム管理モジュールの、、モジュー ・モジュールは ZIP 形式で配布されているので、 piCal の ル管理 " で追加すればよい。 インストール時に作成された modules ディレクトリの ′ 0 、式ミ 0 要、、 00 新毟 00 ′ヤ・、をを 0 ま 00 を 0 63 UNIX MAGAZINE 2004.8
連載 /UNIX Communication Notes 図 1 各グループごとの言綻 ルーフューザグループク物 名 システム モジュー モジュー ルアクセ プロック アクセス nevvs 「アバター・マネジャー「バナー里 r¯プロック里「コメント r¯ューザ検「グルーフ , 里「イメージ・マネジャー「ユーザ こメール送信「モジュール里「一、支定「顔アイコン設定「テンプレート「ユーザランキンク設定「ユーザ市里 「ニュース「リンク集「セクション「ヘッドライン「パートナーサイト 「ニュース「リンク集「セクションヘッドライン「パートナーサイト ューナメニュー 00 : 1 ) ログイン 00 : 2 ) 索 00 : イ待ちコンテンツ卩 0 : メインメニュー 00 : 5 ) サイト情報 00 : 6 ) F オンライン歌況い 0 : お F 投 fi ( ランキング 00 : 町新しい登録ユーサい 0 : 9 ) 最近のコメント 00 : 期イベント通定 0 : 11 ) F テーマ選択 00 : r¯トップニュースプロ・ , ク 00 : 2 「最新ニュースプロッ ? 00 : 「新着リンク 00 : 初「高評価リンク卩 0 : 24 ) 「パートナーサイト 00 : 中央 反サイト緒介 00 : 1 町 r¯本日のトップニュースプロック 00 : 期 r¯ニューストしックプロック 00 : ヘッドラインプロック 00 : おー ループ 1 を利用すると便利である。また、日経 BP では試験 的に、、注目ニュース " のページの RSS を提供している 2 60 2 http://nikkeibp.jp/jp/tools/rss.html 1 http://bulknews.net/ るが、構造の変更 ( 新たなフォーラムの設定など ) は許 フォルトでは、サイトの内容にアクセスすることはでき ザーがログインすると登録ユーザーとして扱われる。デ 一般の登録ューザー。ューザー名を割り当て、そのユー 登録ユーザー する際に定する。 イト管理者の権限を与えるかどうかは、ユーザーを登録 システム全体へのアクセスと各種設定の変更が可能。サ ・サイト管理者 プは、以下の 3 種類である。 るようになっている。デフォルトで用意されているグルー とができ、そのグループごとにユーザーの権限を設定でき XOOPS では、ユーザーはいろいろなグループに属すこ 紹介しよう。 ついて説明するのを忘れていた。あらためて、この機能を 前回、モジュールやプロックへのアクセス権限の設疋に グループ管理 見られるのは大きなメリットである。 ルは重宝している。とくに ニュース配信サイトの一覧が 私が実丐剱勺に作っているサイトでも、 headline モジュー されていない。つまり、サイト管理者カ甘是供するコンテ ンツを閲覧するだけのユーザーである。 サイトにアクセスしてきた一殳ユーザー。設定にもよる が、最低限のコンテンツにしかアクセスできない。 上記のように、サイトの内容を追加できるのはサイト管 理者だけであり、ゲストはほとんどの情報を見ることさえ できない。 この状態を変更するには、登録ユーザーまたはゲストの グループにより多くの権限を与えるか、新たなグループを 作成し、そこに独自の権限を与えるしかない。 グループの設定変更や作成、削除をおこなうには、シス テム管理モジュールのグループ管理のメニューを選択する。 このメニューを選択すると、既存のグループの一覧と新規 グループ登録のためのパネルか表示される。 図 1 は、既存のグループを編集、もしくは新たなグルー プを作成する場合に表示されるパネルである。このパネル では、以下の情報か轂定できる。 ・グループ名 ・システム管理者権限の有無 そのグループに属するユーザーが、システム管理モジュ ールの機能を使えるかどうかを指定する。 ・モジュール管理者権限の有無 システム管理モジュール以外のモジュールの設定変更を UN 工 X MAGAZ 工 NE 2004.8