けでもいただこうと、 ( 「打ち越し」ということは ) 連歌では嫌とうつくし」三歳ぐらいである幼児が、寝ほけてちょっ 姿で、くつろきなさっているのを。 とせきをしたのも、たいそうかわいらしい さ・す・〉〔「うち」うけれども、酒宴では好んで。 うちーきら・す【打ち霧らす】 ( 他サ四 ) 宀すせ・せ ロものがたりモノれイ【作品名】鎌倉初期の は接頭語〕空一面を ( 霧がかかったようにして ) 曇らせる。うち・ささ・ぐ【打ち捧ぐ】 ( 他ガ下一 I){> 驀げよ〉〔「う宇治拾遺物語 一一行幸「ー・し⑩朝曇りせしみゆきにはさやかに空のち」は接頭語〕ちょっとあおむける二轢一一七五「まばゆから説話集。編者未詳。本朝 (= 日本 ) ・天竺 (= インド ) ・ 光やは見し」函空一面を霧がかかったようにして朝曇りず顔ー・け⑩てうち笑ひ」 ( 酒を飲んだ女は ) 恥すかし震旦↑中国 ) の説話百九十七編からなり、「今昔物 語」とは約八十話が共通する。仏教的色彩が濃いが、 していた ( 昨日の ) 雪空の行幸では、はっきりと空の光 ( 日けもなく顔をちょっとあおむけて笑って。 かきく・〉民話的要素や滑稽談の要素も濃い。 冷泉帝の顔 ) を見ただろうか ( いや、見ることはできなかつうちーささめ・く【打ちささめく】 ( 自力四ニく〕ナけ 「うち」は接頭語〕ひそひそと話す。小声で話す。一源氏一うち・す【打ち為】「うち」は接頭語〕 ( 自サ変 ) たのだ ) 。 ( 「みゆき」は「み雪」と「行幸」との掛詞 ) す【せよ〉雨などがさっと降る。麝齣中「風いとさむく、 〉〔「うち」は野分「いと、こまやかに、ー・き⑩、語らひ聞こえ給ふに」 うち・く・す【打ち屈す】 ( 自サ変 ) 籵せよ 接頭語。「くす」は「屈く。す」の促音「つ」の表記されない訳 ( 光源氏は玉鬘らと ) たいそう、思いを深くこめたようしぐれー・し⑩つつ」訳風がとても寒く、しぐれがくり返 しさっと降って。 すで、ひそひそと話し、語り合い申しあげなさる間に。 形〕「うちくっす」に同じ。 ( 他サ変 ) 〈せ・しす する・すれ・せよ 〉ちょっとする。一一帚木「をり うち・ぐ・す【打ち具す】〔「うち」は接頭語〕目 ( 自サ変 ) うち・しき【打ち敷き】 ( 名 ) ①器物などをのせるために 敷く装飾用の布。些宿木「沈ぢんの折敷き四つ、紫ふしのいらへ、心えて、ー・し⑩などばかりは、随分によろし すいトせよ〉そろう。十分にそなわる。一一桐壷「親ー し⑩、さしあたりて世の思おぼえ花やかなる御方々繖にも檀の高坏誌、藤ふぢの村濃らのーに、折り枝縫ひたり」きも多かり」その時々の ( 手紙の ) 返事を、心得があっ て、ちょっとしたりなどするぐらい ( のこと ) は、身分に応じて 劣らす」訳両親がそろっていて、当面世間の評判がきわ沈香木の折敷四つと、紫檀の高坏 ( に食物を載せ ) 、 ( その下に敷く ) 藤色のところどころ濃く薄く染めた打ち敷悪くはない ( 程度にできる ) 者も多い だってよい御方々 ( Ⅱ女御・更衣たち ) にもひけをとらすに。 ぐる・ぐれ・ぎよ 〉〔「うち」 目 ( 他サ変 ) 籵せし伴う。ひき連れる。氏一須磨きに ( は ) 、 ( 藤の ) 折った枝が刺繍してある。②寺院の高うち・す・ぐ【打ち過ぐ】 ( 自ガ上一一 ) ・ぎぐ は接頭語〕① ( 時間的、空間的に ) 過ぎる。経過する。 「ー・ , ) ⑩ては、つきなからむさまを思ひかへし給ふ」 ( も座や仏前の卓上をおおう布。多く、死者の衣服で作り、 桐壷「夜なか、ー・ぐる⑩ほどになむ、絶えはて給ひ しも紫の上をこの須磨に ) ひき連れ ( て来 ) たとしたら、似っ供養とした。 かわしくないようなありさまをお思いかえしになる。 うちーしき・る【打ち頻る】 ( 自ラ四ニ ・〉〔「うち」はぬる」 ( ま ) 夜中を、過ぎるころに、 ( 桐壷の更衣は ) まっ うち・くっ・す【打ち屈す】 ( 自サ変 ) 籵せし〔「う接頭語〕たび重なる。続けざまである。氏一桐壷「まうのたく息が絶えなさった。②基準を超える。まさる。氤氏一 ち」は接頭語〕「うちくす」「うちくんず」とも。ひどく気落ちほり給ふにも、あまりー・折々は・ : まさなきことどもあ朝顔「山里の人こそは、身のほどには、ややー・ぎ⑩、もの する。ふさぎ込む。〔十六夜日記〕「あながちにー・し⑩たり」 ( 桐壷の更衣が桐壷帝の御前に ) 参上なさる場の心など得つべけれど」函 ( 大井の ) 山里に住んでいる人 るさま、いと心ぐるしければ」 ( 子供たちの ) 度を越して合でも、はなはだしくたび重なる時々には・ : 不都合なこと ( Ⅱ明石の君 ) は、 ( 低い ) 身分の程度からは、いくらかまさり、 もいろいろとある。 物事の道理などをきっとわか ( ってい ) るに違いないけれど ひどく気落ちしたようすが、たいそう心苦しいので。 るる・るれ・れよ うち・くら【内蔵・内庫】 ( 名 ) ①上代、朝廷の官物をうち・しぐ・る【打ち時雨る】 ( 自ラ下一 D 宀れれる つる・つれ・てよ 〉「うち」 納めた蔵。②「うちぐら」とも。近世、母屋 % の軒続きに 「うち」は接頭語〕①さっとしぐれが降る。一源氏タ顔 * うち・す・つ【打ち捨っ】 ( 他タ下一 l) ( て・ 建てた蔵。家の中にいて出入りができ、金銀や貴重な家「今日ぞ、冬立つ日なりけるもしるく、ー・れ⑩て、空の気は接頭語〕①捨てておく。そのままほうっておく。〔〔凵 財などを入れる。〔浮・日本永代蔵〕「この商人、ーに色 3 き、いとあはれなり」函今日がちょうど、立冬の日であ一六 0 「とみにも乗らで待たするも、いと心もとなく、ー・て⑩ は常灯のひかり」訳この商人は、内蔵には常夜灯が輝ったと目に立つように、さっとしぐれが降って、空のようすても往」ぬべき心地ぞする」 ( 車で迎えに行ったとき ) す き。 は、たいそうしみじみと寂しいのである。②涙ぐむ。涙にぬぐにも乗らないで待たせるのも、たいそうじれったく、そのま うち・こし【打ち越し】 ( 名 ) ①連歌・俳諧で、付け句のれる。一一若菜上「まみのあたりー・れ⑩て、ひそみ居ゐたまほうっておいてでも行きたい気持ちがするものだ。② ( 死 前々句。付け句が打ち越しと同じ趣向に陥ることを「打り」 ( 明石の尼君は ) 目もとのあたりが涙にぬれて、泣きや離別で相手を ) あとに残す。置き去りにする。一一葵 「いくばくも侍るまじき老おいの末に、ー・て①られたるが、つ ち越しを嫌う」といって禁じた。②「打ち越し酒」の略。顔をしていた。 席順などによらず名指しで自由に杯をさして飲む酒。〔仮うち・しはふ・く引ル【打ち咳く】 ( 自力四 ) けけ く・〉らうも侍るかな」 ( 余命が ) いくらもありませんような老 名・東海道名所記〕「せめてーなりとも賜黔らんと、連歌「うち」は接頭語〕せきばらいをする。せきをする。「一後に、 ( 娘葵 2 おの上の死で ) あとに残されたのが、なんともっ うちきーうちす
うちはーうちゅ くほどに見える。 て、海に投げ入れたので。②閉じ込める。〔落窪〕「落窪歌に詠んでよいとも思われないことであるよ。 の君とつけられて、中の劣りにてー・め①られてありけるうち・ニ打ち撒き】 ( 名 ) ①魔よけの祓はらいに米をまうち・も・ね・な・なむ引【打ちも寝ななむ】眠ってしま ものを」落窪の君と ( 名前を ) つけられて、 ( 姫君たちの ) くこと。また、その米。散米。〔紫式部日記〕「いただきに ってくれよ。一古囹恋三「人知れぬわが通ひ路の関守は 中で劣った者として閉じ込りりれていたのに。 は、ーの雪のやうに降りかかり」頭の上には、 ( 安産をよひょひ【」とにー」↓ひとしれぬ・ : 毯 うち・はら・ふ引 1 ウ【打ち払ふ】 ( 他ハ四 ) 窈 ・〉「う祈ってまく ) 米が雪のように降りかかって。②神前に供え鬮接頭語「うち」十係助詞「も」 + 下二段動詞 ち」は接頭語〕① ( ちりなどを ) 振ったりして除く。一新古一冬る米。第一公「和僧 : うがかく参る、いとほしければ、御幣「寝ぬ」の連用形「ね」十完了の助動詞「ぬ」の未然形 「駒こまとめて袖そでー : 交かけもなし佐野のわたりの雪の紙にい・ーの米ほどの物、たしかにとらせん」おまえがこ「な」十あつらえの終助詞「なむ」 夕暮れ」↓こまとめて・ : 一和毯。② ( 草などを ) 刈り除のように ( 百日も ) 参籠しているのが、ふびんであるので、うち・もの【打ち物】 ( 名 ) ①鉄を打って鍛えた武器。 く。一宿木「いと繁しげう侍りし道の草も、すこしー・は御幣紙と打ち撒きの米ぐらいの物を、間違いなく与えよ刀・薙刀など。盟一九・知章最期「ー抜いて戦ひける ④せ侍らむかし」たいそう繁っていました ( 宇治への ) 道う。① ( 女房詞 ) 米。〔伽・一寸法師〕「姫君の、わらはが が」②打って鳴らす楽器。鉦よ・鼓など。一著一言一「『さ の草も、 ( 中の君のお出かけまでには ) 少し刈り除かせましょこのほど取り集めて置き候ふーを、取らせ給ひ御参り候らばーをもこそっかまつらめ」とて、しひて乗りてけり」 うね。 ふ」姫君は、私 ( Ⅱ一寸法師 ) が近ころ集めておきます ( 篳篥の名人が篳篥を吹いては支障があると言われ ) * うちひさす【うち日さす )(( 枕詞》「宮」「都」にかかる。精米を、取り ( あげ ) なさり召し上がります。 「それならば打ち物でもいたそう」と言って、無理やり ( 宴遊 局・〉「うち」はの舟に ) 乗ってしまった。①砧で打ってつやを出した絹 一万葉一四・吾三「ー宮に行く児を」。一一三・四六 0 「ー京うちーまも・る【打ち守る】 ( 他ラ四ニ しみみに ( 日都いつばいに ) 」 接頭語〕じっと見つめる。〔一若紫「幼心地にも、さす布。打ち衣ぎぬ。〔紫式部日記〕「ーどもは、濃き薄き紅 - っちーひそ・む【打ち顰む】 ( 自マ四 ) ( む ま . ・〉「うち」は がにーら⑩て、伏し目になりてうつぶしたるに」 ( 若紫葉をこきませたるやうにて」打ち衣などは、 ( 色の ) 濃い 接頭語〕顔をしかめて泣きだしそうになる。べそをかく。 は ) 子供心にも、やはり ( 平気ではおられす、祖母の顔を ) じのや薄いのや紅葉をとりまぜたようであって。 氏一薄雲「見めぐらして、母君の見えぬを求めて、らうたっと見つめて、 ( やがて ) 目を伏せてうつむいたところ。 ま・〉〔「うち」は うちーやす・む【打ち休む】 ( 自マ四ニむ 勗・〉〔「う接頭語〕休息する。気持ちが休まる。また、寝る。盥一 けにー・み⑩給へば」 ( 明石の姫君は、周囲を ) 見まわうち・みや・る【打ち見遣る】 ( 他ラ四ニ して、母君 ( Ⅱ明石の君 ) の ( 姿が ) 見えないのを探して、かわち」は接頭語〕自然に目を向ける。少し離れた所を見る。 一六〈「しばしと思ひてー・み ( ⑩けるほどに、寝ね過ぎにたるに いらしいようすでべそをか当なさるので。 一一末摘花「珍しきさまのしたれば、さすがに、ー・ら一困れなむありける」函ほんのしばらくと思って休息した間に、 うち・ふ・す【打ち伏す・打ち臥す】 ( 自サ四 ) れ〉給ふ」 ( 末摘花が ) 珍しいようすをしているので、 ( 光源寝過こしてしまったのであった。 「うち」は接頭語〕ちょっと横になる。寝る。氏一若菜氏は ) やはり、自然に目をそそがすにはいらっしゃれない。 ら局〉「うち」は接 うちーや・る【打ち遣る】 ( 他ラ四 ) 〈る . み・み・みる・ みる・みれ・みよ 〉〔「うち」頭語〕 ( からだから遠ざかるように ) 向こうにやる。投けやる。 下「昼の御座にー・レ⑩給ひて、御物語など聞こえ給うち・みる【打ち見る】 ( 他マ上一 ) ( ふほどに、暮れにけり」日中の御座所で ( 光源氏と女は接頭語〕ちらっと見る。目にとめる。氏一須磨「ー・み一総角「白き御衣ぞに、髪はけづることもし給はでほと 三の宮は ) ちょっと横になりなさって、 ( あれこれの ) お話なとス ) より、珍しううれしきにも、ひとっ涙ぞこぼれける」医経、ぬれど、まよふ筋なくー・ら①れて」訳 ( 大君黜いは ) 申し上げなさる間に、 ( 日は ) 暮れてしまった。 ( 三位の中将は光源氏を ) ちらっと見るやいなや、 ( 一年ぶ白いお着物を着て、髪は ( 病気のため ) 櫛くしでとくこともし するすれ【せし〔「うりの再会が ) 珍しくうれしいにつけても、 ( 喜びにも悲しみになさらないで時が過ぎたけれども、乱れている毛筋もなく向 うち・まか・す【打ち任す】 ( 他サ下一 l) 〈せ・す こうに投げやられていて。 ち」は接頭語〕①まかせる。一任する。〔愚管抄〕「天下も ) 同じ涙がこほれたことだ。 の政り良相梵にー・廾⑩てありけるに」訳 ( 藤原良房うち・む・る【打ち群る】 ( 自ラ下一一 ) 〈れ るい . れよ〉「うち」う・ちゅうじゃう引【右中将】 ( 名 ) 「右近衛中将 ちう」の略。右近衛府の次官。左中将 は ) 一国の政治弟である右大臣藤原 ) 良相に一任しては接頭語〕大せい集まる。むらがる。〔〔一 = 天「ー・れ⑩ あったけれリ。②ありふれている。ふつうである。一第一六 0 てだにあらば、すこし隠れどころもやあらむ」訳 ( 女房たちう・ちゅうべん【右中弁】 ( 名 ) 太政官の判官よ 「この病 : まのありさま、ー・廾⑩たることにあらず」このが ) せめて大せい集まってでもいるならば、少しは隠れ場所の一つで、右弁官局の次官。右大弁の次に位する。 もあるだろうに。 ( 僧の ) 病気のようすは、ありふれていることではない。 左中弁。↓中弁 うちまかせ・て【打ち任せて】 ( 副 ) ふつうに。一般に。うち・め【打ち目】 ( 名 ) 光沢を出すために砧で絹布をうち・ゆが・む【打ち歪む】 ( 自マ四 ) 宀む・め・め ま・み・む・〉〔「うち」は 〔無名抄〕「『あながちドといふ詞、ー歌によむべしとも打って、できた模様。〔〔国〕〈三「くれなゐの色、ーなど、輝接頭語〕 ( 行為や状態が ) 正しくなくなる。ゆがむ。 おほえぬことぞかし」「あながちに」という詞は、ふつうに くばかりぞ見ゆる」紅色や打ち出した模様などが、輝東屋「年経 ~ ければにや、声など、ほとほとー・み⑩ぬべく」 〔一三四〕
イズ【打ち出づ】目 ( 自ダ下二 ) 掌に無造作に入れて家へ持って来た。②勢いよく馬「内劣りの外めでた」で慣用句として用いられ、見か を乗り入れる。一一九・宇治川先陣「その間まに佐々木けだおしの意味。 っち・、づ韓。」〔「うち」は接頭語〕 か・き・く・〉「一つ 出る。現れる。方葉一一一一・三天「田子の浦ゅー・で⑩て見れはっと馳はせ抜いて、河へざっとぞー・れ⑩たる」 ( 梶原うち・おどろ・く【打ち驚く】 ( 自力四 ) 0 ば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける」↓た【」のが馬の腹帯を直している ) その間に佐々木はすっと馬を走ち」は接頭語〕①ふと目がさめる。はっと気がつく。「〕 らせて ( 梶原より ) 前に出て、宇治川へさっと勢いよく馬をはいすみ「男、ー・き⑩て見れば、月もやうやう山の端は近 うらゆ・ : 一和毯 ②でしやはる。徒然一五六「あまたの中にー・で⑩て、見るこ乗り入れた。 3 ばくちに金品をつきこむ。入れあける。くなりにたり」男は、ふと目がさめて ( あたりを ) 見ると、 とのやうに語りなせば」 ( よからぬ人は ) 大せいの中にで徒一 = 六「ばくちの負けきはまりて、残りなくー・れ④んと月もだんだんと山の稜線澀うに近く (= 沈みそうに ) なってし せんに会ひては、打つべからず」賭事爵の負けが極限まっている。② ( 意外なことに ) はっと驚く。飯氏一幻「久し しやばって、見ていることのようにこしらえて語るので。 ①出発する。出陣する。平家一九・小宰相身投「明日に達して、 ( 最後の勝負に残「た金を ) す「かりつきこもうとう、さしものそき給はぬに、おほえなき折なれば、ー・か①る れど」長い間、そんなに顔出しもなさらないのに、 ( 明石 ・で④んとての夜」 ( 通盛が ) あす出陣しようと思っするような者に向かっては、賭事をしてはならない。 うち・うち【内内】 0 ( 名 ) ①家の中。家庭の内部。の君にとって光源氏の訪れは ) 思いがけないときなので、は ているときの夜。 っと驚かすにはいられないけれども。 ( 音や火を ) 打って出す。徒然一 = 一五「なえたる直垂、ーのままにてまかりたりしに」 目 ( 他ダ下二 ) 韓でよ く云「うち」は接頭語〕 氏一篝火「拍子ー・で⑩てしのびやかに謡うたふこゑ、鈴 ( 着古して ) よれよれになった直垂で、家の中 ( にいるの ) とうち・おほめ・く ( 自力四 ) けナ 虫にまがひたり」 ( 弁の少将が笏や ) 拍子を打ってひっ同じようすで ( 日普段着で ) 参ったところ。②個人的であるほかしてあいまいにする。はっきり知らないふりをする。 こと。うちわ。非公式。一一若菜上「おほやけとなりて、一徒然一七三「げにげにしく所々ー・き⑩、よく知らぬよしして」 そりと歌う声は、鈴虫 ( 日今の松虫 ) の ( 美 ) 声とまちがえた。 ②〔「うち」は接頭語〕ちょっと出す。特に、出」だし衣ぎぬ事限りありければ、ーの心寄せは、変はらすながら」訳天いかにももっともらしく ( 話の ) 所々をほかしてあいまいに をする。〔栄花〕歌合「女房えもいはす装束きてー・で皇となって、物事に掟 3 き ( Ⅱ天皇としての格式 ) があったのし、よく知らないふりをして ( 語る嘘うそは ) 。 ⑩たり」女房たちはこの上なく ( 美しく ) 装「て出だしで、 ( あなた。光源氏に対する ) 個人的な好意は、変わらなうち・か・く【打ち掛く・打ち懸く】〔「うち」は接頭語〕 0 ( 他カ下二 ) っ くくけよ〉ちょっと掛ける。ひっかける。 いものの。 衣をしている。 、おは、 ( 副 ) ないないで。ひそかに。徒一五 0 「ーよく習ひ得籐帚木「なえたる衣きぬともの、厚肥えたる大 3 〔「うち」は接頭語〕口に出す。言い出す。届四五 「ー・で⑩むことかたくやありけむ」 ( 娘の方から ) 口にてさし出」でたらんこそ、いと心にくからめ」 ( 技能を身なる籠 = にー・け⑩て」医 ( 着慣れて ) やわらかくな 0 た何 につけようとする人は ) ひそかに十分習い会得してから人枚かの着物で、 ( 綿が入って ) 厚ほったくなっているのを、大 出すことがむすかしかったのだろうか。法「うちいでむ」の きな伏せ籠ごにちょっと掛けて。 前に出たとしたならば、それはたいそう奥ゆかしいだろう。 「む」は、仮定・婉曲最くの助動詞。 くる・くれ・けよ 〉 ( 水などが ) さっとかかる。強く ( 自力下一 l) っ か・き・く・〉〔「うち」は接 〈・〉〔「うち」はうち・お・く【打ち置く】 ( 他カ四 ) 〈く . うち・い・ふ引【打ち言ふ】 ( 他ハ四 ) 窈ひふ 接頭語〕ちょっと口に出す。何気なく言う。氏一タ顔頭語〕① ( ちょっと ) 置く。須磨「ものを、あはれと思かかる二一竜の頸の玉「浪なみは舟にー・け⑩つつ捲ま おぼしけるままに、ー・き⑩ー・き⑩書き給へる、白き唐からき入れ」波は舟にさっとかかり、さっとかかりして ( 舟を 「ものー・ひ⑩たるけはひ、あな、心苦しと、ただいとらうたく 見ゅ」函 ( タ顔が ) 何かちょっと口に出したもの一」しは、あの紙四五枚ばかりを」 ( 光源氏の須磨退去という ) こ海中に ) 巻き入れ ( るように激しく荒れ ) 。 あ、 ( しゃべらせるのは ) 痛々しいと、ひたすらたいそう可憐でとを、しみじみと感慨深くお思いになった心にまかせて、 ( 筆うち・かけ ( 名 ) を ) ちょっと置きちょっと置き ( 六条御息所が ) 書きなさ【裲襠・打ち掛 あると ( 光源氏には ) 見える。 ① うち・い・る【打ち入る】〔「うち」は接頭語〕目 ( 自ラ四 ) った、白い中国渡来の紙四、五枚ほどを。②そのままにしけ】①「打ち掛け らりる・〉〔「討ち入る」とも書く〕攻め入る。襲いかかる。ておく。ほうっておく。徒然一一三七「棺をひさくもの、作り鎧」の略。朝 」カ ち 平家一四・信連「出羽判官光長は、馬むまに乗りながてー・く⑩ほどなし」 ( 死ぬ者は日々多いので ) 棺桶廷の儀式に、武 官が装束の上に ら門のうちにー・り⑩」訳出羽判官光長は、馬に乗っを売る者は、作ってそのままにしておく間がない。 うち・おとり【内劣り】 ( 名 ) 外見はりつばだが内容が貧着た服。胸と背 たままで門の中に攻め入り。 るる・るれ・れよ ( 他ラ下一 D 宀れ・れる 〉①ひょいと入れる。無造作弱なこと。一大鏡一伊尹「その帝擎をば、『ーの外とめでた』との部分だけあって に入れる。一竹取一かぐや姫の生ひ立ち「手にー・れ⑩て家ぞ、世の人申しし」訳その帝 ( Ⅱ花山天皇 ) のことを、「見袖そでがない。②「打ち掛け小袖で」の略。近世、上層婦 人の礼服。帯をしめた上着の上に掛けて着る長小袖。 へ持ちて来ぬ」函 ( 翁鰭は竹の中から見つけた女の子を ) かけだおしだ」と、世間の人は申し上げた。 〔一二九〕 うちいーうちか ) ① ①
- っちすーうちな ろうこざいますなあ。 【打ち付け】 ( 形動ナリ ) ①突然だ。だする姿は。 ( 「神風や」は「伊勢」にかかる枕詞 ) うち・つけ うち・ずみ【内裏住み・内住み】 ( 名 ) 宮中で暮らすこと。 しぬけだ。用佐一「ー・に⑩、海は鏡の * うち・と・く【打ち解く】〔「うち」は接頭語〕目 ( 自力下 くる・くれ・けよ ) ① ( 氷やつららなどが ) 溶ける。平函灌 また、宮中で仕えること。一公季「昔は、みこたちも幼面 3 もの一」となりぬれば」 ( 荒れ狂う海に鏡を投げ込む一 l) 宀け・けく 頂・大原御幸「峯みねの白雪消えやらで、谷のつららもー・ くおはしますほどは、ーせさせ給ふことはなかりけるに」訳と ) たちまちのうちに、海は鏡の面のようになったので。 昔は、皇子・皇女たちでも幼くていらっしやる間は、宮中 ②軽率だ。深い考えがない。氏一椎本「いとー・なる⑩け①す」医山のいただきの白雪はまだ消えていなくて、谷 に住むこと 0 せなさることはなかったのに。①里住み の氷もとけていない。 ②くつろぐ。安心する。〔和泉式部 心かな」訳まったくいきあたりばったりの心だなあ。 うち・ずん・ず【打ち誦んず】 ( 他サ変 ) 衾ぎよ〉〔「う 3 ふしつけだ。露骨だ。〔増鏡〕さしぐし「ー・に⑩ひがひが日記〕「人はみなー・け⑩寝たるに、 : ・つくづくと目をのみ ち」は接頭語〕「うちすす」とも。漢詩や和歌を軽く口すさしう言ひなす人も侍りける」訳露骨にひがみつほく言い覚まして」人はみな安心して寝ているのに、・ : ( 自分だ む。経文などをよみあげる。須磨「御返りともなく、立てる人も【」ざいました。 けは ) しみじみと ( 物思いにふけり ) 目を覚ましているばかり で。 3 ( 男女が ) なれ親しむ。隔てがなくなる。届男一一三「は ー・⑩給ひて」訳お返しの歌というのでもなく、軽く口 〔学習〕「うちつけ」 すさみしなさって。 ぶつつける意の動詞「うちつく」 ( カ下一 l) に対応するじめこそ心にくもっくりけれ、今はー・け⑩て」 ( 女は男 形容動詞。経過を考えるゆとりのない突然なさま、直と ) なれそめたころは奥ゆかしくとりつくろっていたが、今はな うちーそ・ふ引【打ち添ふ】〔「うち」は接頭語〕 0 ( 自ハ 四 ) ひふ 〈・〉①加わる。平家一灌頂・女院出家「つきせ接であるさまを表す。現代語で「ぶつつけ本番」などとれ親しんで。「心にく」は、形容詞「心にくし」の語 ぬ御物思ひに、秋のあはれさヘー・ひ⑩て、しのびがたくぞ いう「ぶつつけ」に近い感じの語で、その対象への非難の幹。④油断する。心がゆるむ。〔〔〔れ〔〕〈「ここにても、人は おばしめされける」訳果てることのない御物思いに、秋の気持ちが含まれる。 見るまじうやは。なとかはさしもー・け⑩つる」ここで しみじみとした寂しさまでが加わって、 ( 女院はその悲しみ も、 ( だれか ) 人が見るはすがないだろうか ( いや、そうとは限ら るい . れし「うち」ない ) 。 ( なのに ) いったいっしてそんなにも油断してしまった を ) こらえにくく思われなさった。②付き添う。連れだっ。うち・つ・る【打ち連る】 ( 自ラ下一 l) 宀れ 一更毯夫の死「こぞの秋、いみじくしたて、かしづかれて、 は接頭語〕連れだっ。「な〕一一天「殿上人、四位・五位このか。支法「やは」は、反語の係助詞。 ( 他カ四 ) : 〉ひもの結び目などを解く。「社〕 ひ⑩て下りしを見やりしを」去年の秋は、 ( 息子が ) とちたくー・れ⑩、御供にさぶらひて並みゐたり」訳殿上 てもりつばに飾りたてられ、 ( 供の者に ) 大事に世話をされ人や、四位・五位の者がこと【」としく連れだち、 ( 関白の ) お一四六「紐ひもー・き⑩、ないがしろなるけしきに拾ひ置くに」 て、 ( 亡夫と ) 連れだって ( 亡夫の任国へ ) 下ったのを遠く ( ま供に伺候して並んで座っている。 訳 ( 直衣いおの ) 紐を解き、くつろいだようすで ( 碁石を ) 拾 で ) 見送ったのに。 うち・てつ・ず引打ち調す】 ( 他サ変 ) ゼよ〉打い置くが。 ( 他ハ下一 l) ふを ( 、よ〉つけ加える。一一明石「声ちこらしめる。〔屬凵れ「この翁丸なー・じ⑩て、犬島へつうちとけーこと【打ち解け言】 ( 名 ) うちとけた話。つつ よき人に謡うたはせて、我も時々拍子裙とりて、声ー・ヘかはせ。ただいま」この翁丸 (= 犬の名 ) を打ちこらしめみかくしのない話。「〔一突「客人などに会ひてもの言 ⑩給ふを」声がよい人に歌わせて、自分 (= 光源氏 ) もて、犬島へ追放せよ。すぐに。 ふに、奥の方にーなど言ふを、えは制せで聞く心地」訳 ときどき笏や拍子をとって、声をつけ加えなさるのを。 打出の浜 ( び『地名三義一今の滋賀県大津市の琵客などに会って何か話しているときに、奥の方でつつみかく かきく・〉「うち」は琶びわ湖の湖岸。「うちいでのはま」とも。 しのない話などをするのを、とめることができないで聞いてい - っち・そむ・く【打ち背く】 ( 自力四 ) けけ 接頭語〕背を向ける。他を向く。一一澪標「我はわれ * うちーと【内外】 ( 名 ) ① ( 家の ) 内と外。毆一宮仕へる気持ち ( は、その場にいたたまれないほどのものだ ) 。 むる・むれ・めよ と、ー・⑩ながめて」訳私紫の上 ) は私 ( である ) と、 ( 光「今日はかくておはすれば、ー人多く、こよなくにきははしくうち・なが・む【打ち眺む】 ( 他マ下一 l) 宀め・ 源氏に ) 背を向けほんやりと物思いに沈んで。 もなりたるかな」今日はこうして ( あなたが ) おいでになるち」は接頭語〕物思いにふけりながらほんやりと見やる。 宇治大納言 ( ) 【人名】↓源隆国の ので、家の内と外に人が多く、この上なくにぎやかになった氤些賢木「霧いたう降りて、ただならぬ朝ほらけに、ー・め うち・たえ【打ち絶え】 ( 副 ) ① ( 下に打消の語を伴って ) ことだな。② ( 仏教の立場から ) 内教 ( Ⅱ仏教 ) と外教疆 (= ⑩て、ひとりごちおはす」霧がひどく降って、いつもと違 まったく。〔平治物語〕「ー頼むべき者なければ、思ひ煩仏教以外の教え ) 。〔夫木〕雑一四「何としてーのふみをまなう ( 風情の ) 夜明け方に、 ( 光源氏は、伊勢のほうを ) 物思い にふけりながらほんやりと見やって、ひとりことを言っていら ひてためらひ居ゐたり」まったく頼りにできる者がいない びけむ」調どのようにして内教と外教の経典を学んだの っしやる。 ので、思案にくれて ( 攻撃を ) 躊躇うしていた。②ひたすだろう。①「内外髷の宮みや」の略。伊勢神宮の内宮 ら。一平家一一一・文之沙汰「女房なんどのー嘆くことをば」と外宮 3 う。〔謡・野宮〕「神風や伊勢のーの鳥居に出いでうちーなが・む【打ち詠む】 ( 他マ下一一 ) 奩蹠めし 訳高貴な女性などがひたすら嘆願することをば。 入る姿は」調伊勢神宮の内宮と外宮の鳥居を出入りち」は接頭語〕声をあげて詩歌を吟する。盟一六・小督
て騒ぐ。がやがやと騒ぐ。ざわざわと音をたてる。平家一四・つ」にかかる。方葉一一七・ = 一究三「ー立ちても居ゐても」 ( 「ささなみの」は「志賀」にかかる枕詞 ) * さしー【差し】 ( 接頭 ) ( 動詞に付いて ) 語勢を強めたり語 当「辛崎」の「さき」に「幸く」の意をこめている。「近江宮御最期「しばしあって兵物どもの四五百騎、 の荒れたる都を過ぐる時」作「た長歌の反歌二首のうイ音便 ) てうち帰りける中に」しばらくして兵たちが調をととのえたりする。「ー仰あ、ぐ」「ー受く」「ーくもる」 * さ・し【狭し】 ( 形ク ) せまい。一一五・〈九 = 「天地は広し 四、五百騎、がやがやと騒いで帰って来た中に。 ちの一首。 ささなみや【細波や】 ( 枕詞 ) 「さざなみや」とも。「ささなささめ・こと【私語】 ( 名 ) 「さざめ【」と」とも。「ささめきといへど吾あがためはー・く⑩ゃなりぬる」訳↓かせまじり ごと」に同じ。 みの」に同じ。〔千載〕春上「ー志賀の都は荒れにしを」 ささのはは・ : 毯【小竹の葉はみ山。まもさやにささ・やか【細やか】 ( 形動ナリ ) 〔「やか」は接尾語〕小さ・ざし ( 接尾 ) ( 名詞に付いて ) その物の状態・姿の意を表 別わかれ来きぬなさま。細かいさま。こちんまりしているさま。徒一三九す。「枝ー」「面おもー」 さやげども我われは妹レも思おも、い ぐる・ぐれ・げよ ) 〔「さし」 れば】〈万葉・ = ・一 = 三・柿本人麻呂〉訳笹の葉は山全「つた・くず・朝顔、いづれもいと高からす、ー・なる⑩墻かきさし・あ・ぐ【差し上ぐ】 ( 他ガ下一 l) っ・げぐ 体にざわざわと鳴っているけれども、 ( それに心を乱されるこに繁からぬ、よし」訳った・くす・朝顔、どれもあまり ( 丈が ) は接頭語〕①上へ高く上げる。〔平中物語〕「蔀札となど ・げ⑩て、女ども、あまた集まりをり」訳蔀戸を上へ上 となく ) 私は ( ひたすら ) 妻を思っている。今別れてきたばかり高くなく、小さな垣にやたらに生い繁っていないのが、よい。 ささら【簓・編竹・編木】 ( 名 ) ①田楽などで用いるげて、乙女たちが、数多く集まっている。②声を高く出 なので。 当石見 ~ わの国 ( 島根県 ) から妻と別れて上京した時の楽器の一種。竹を細かく割「てたばねたもの。これで細いす。靏一一 = 「ほそく、らうたげなる声をー・け⑩て」訳 長歌の反歌二首のうちの一首。第二句、第三句を山の棒にきざみ目をつけた「ささらこ」をこすって音を出す。〔栄 ( 女は ) 細く、かわいらしい感じの声を局く出して。 3 「与え すがすがしいさまを描写したものと解する説もあるが、古代花〕御裳ぎ「また田楽といひて、・ : 笛吹き、ーといふもの突る」の謙譲語。献上する。〔太平記〕 = 「鬢びんの髪と消息 とをー・げ⑩て声も惜します泣きければ」訳鬢の毛と 人の心性にとって、笹の葉すれの音は、畏怖いふの気持ちき」訳また田楽田植の舞 ) といって、・ : 笛を吹き、ささ を呼びおこすものであったと解したい。しかし、そうした目にらというものをこすって。②「編木子ら」の略。田楽法手紙とを献上して声の限りに泣いたので。 見えない神秘的なカへの恐れよりも、この場合は妻への師などの用いる楽器の一種。薄い小さな板を数十枚重さしあたり・て【差し当たりて】 ( 副 ) 当面。現在のとこ ねて一端を糸でとじ、両手でひつばって板が打ち合って鳴ろ。更毯初瀬「ー嘆なげかしなどおばゆることどもないまま 思いのほうが強い に」訳当面嘆かわしいなどと思われることもないので。 ふる・ふれ・ヘよ 〉①支える。るようにしたもの。 ささ・ふウ【支ふ】 ( 他ハ下一 l) もちこたえる。一徒然一三〈「身の後のちには、金をして北斗ささら・ぐ ( 自ガ四 ) 〉水がさらさらと澄んだ音をさし・あた・る【差し当たる】 ( 自ラ四 ) 勗〉① ( 光 をー・ふ⑩とも、人のためにぞわづらはるべき」自分のたてて流れる。一一東山なる所「心ちょげにー・き⑩流などが ) 直接当たる。「〕能因本・七「日のー・り⑩たる 死後には、金を積み重ねて北斗星を支えても、 ( それは ) 残れし水も、木の葉に埋もれて、あとばかり見ゅ」訳気持ちに、うちねぶりて居ゐたるを」訳日がさし当た「ているとこ った人のためには迷惑なものとされるだろう。②防ぎとめよさそうにさらさらと音を立てて流れていた水も、 ( 今は ) 木ろに、 ( 猫が ) よく眠っているのを。②〔「さし」は接頭語〕そ の時・その場合に直面する。当面する。源氏一若菜上 る。はばむ。平家毛・火打合戦「城の内の兵髴とも、しの葉に埋もれて、 ( 水路の ) あとばかりが見える。 「ー・り⑩たるただ今のことよりも、後の世のためしともなる んばしー・ヘ⑩て防きけれども」訳城の中の兵どもは、しさされ・【細れ】 ( 接頭 ) 細かい、小さいなどの意を表す。 べきことなるを」訳 ( 内親王の婿選びは ) 直面している現 「ー石」「ー波」 ばらくはばんで防いだけれ。 ささめき・こと【私語】 ( 名 ) ひそひそ話。内緒話。「ささざれ・いし【細れ石】 ( 名 ) 〔「さざれ」は接頭語〕小在の問題であるよりも、後世の先例とも当然なるはすのこ さめこと」とも。氏一若菜上「怪しく、うちうちにのたまは石。細かい石。一賀「わが君は千代ちょに八千代にとであるから。 つる・つれ・てよ 〉「さし」 ーの巌顰となりて苔こけのむすまで」訳↓わがきみは : ・さし・あ・つ【差し当っ】 ( 他タ下一一ニて する御ーどもの、おのづから、事広ごりて」不思議に、 は接頭語〕①押し当てる。直接に当てる。一タ顔 こっそりとおっしやる ( 朱雀讐帝と女三の宮の乳母 2 のと一 * さざれ・なみ【細れ波】 ( 名 ) 〔「さざれ」は接頭語〕さざ「虫の声々 : ・御耳に、ー・て⑩たるやうに、鳴き乱るるを」 の ) 御内緒話などが、自然に、流布して。 ささ・め・く ( 自力四 ) 〉ささやく。声をひそめて話波。一一「ーよする文あやをば青柳の影の糸して織るかと訳虫の声々が・ : ( 光源氏の ) お耳に、じかに押しつけたよ ぞ見る」訳さざ波が寄せて水面に描く緯糸の模様うに、しきりに鳴きたてるのを。② ( 命じて ) 事にあたらせる。 す。毛五「どの中将に扇の絵のこと言 0 とー け 0 ば」訳「この中将源成信 ) に扇の絵のことを言え」を、青柳の影が経糸一【とな「て織り出しているかのように一浮舟「宿直に、ー・て⑩などしつつ」訳宿直の 役に、あたらせたりしては。 3 ねらいを定める。それと目指 見えることよ。 ( 「文」「糸」は「織る」の縁語 ) 生 0 さやくと。 3 ) 「さざめく」とも。声をたてさされなみ【細れ波】 ( 枕詞 ) さざ波が立っことから、「立して決める。一一一七・岩「弓を取りて箭やを番。がひて強 ささーめ・く ( 自力四ニ 〔三七七〕 ささなーさしあ
かきーかきた が・き【餓鬼】 ( 名 ) ① ( 仏教語 ) 生前の罪悪によって餓かき・おこ・す【掻き起こす】 ( 他サ四 ) 〉抱き起ー・ち⑩て、失うせにしか」訳 ( 私。頭の中将の通うのがと 鬼道に落ちて飢えとかわきに苦しむ亡者。四・こす。引き起こす。一タ顔「この御かたはらの人をー・だえていた間に、女は ) 跡かたもなく、 ( 姿を ) かき消して、いな 六 0 〈「相思はぬ人を思ふは大寺驩のーのしりへに額ぬかっ六のむとすと、見給ふ」訳この光源氏の ) おそばの人↑くなってしまった。 くが【」と」訳↓あひおもはぬ・ : 。② ( 仏教語》「餓タ顔 ) を ( 女の物の怪けが ) 引き起こそうとすると、 ( 光源氏かきーこも・る【掻き籠る】 ( 自ラ四ニる ら勗・〉〔「かき」は 鬼道」の略。〔狂・地蔵舞〕「地蔵の住む所は・ : 地獄・は夢に ) こ覧になる。 接頭語〕引きこもる。閉じこもる。徒然一一七「山寺にー ・畜生・修羅」。①子供をいやしめていう語。 ふる・ふれ・ヘよ かき・かそ・ふ引ウ【掻き数ふ】 ( 他ハ下一 l) 〈・ふ・ 〉り⑩て、仏に仕つかうまつるこそ、つれづれもなく、心の濁に かき・あ・ぐ【掻き上ぐ】 ( 他ガ下一 I)C ヂ げよ〉①上の〔「かき」は接頭語〕数える。一万葉入・一五三セ「秋の野に咲きりも清まる心地すれ」訳山寺に引きこもって、仏にお仕 ほうへ引き上ける。かかげる。〔一三四「御簾みすのすそをすたる花を指叮折りー・ふれ@ば七種綾の花」秋の野え申しあげることは、所在なさもなく、心の汚れもきれいに こしー・げ⑩て」訳 ( 藤原忠家は ) 御簾のすそを少しかかに咲いている花を指折り数えると七種の花だ。 なる気持ちがする。 す航〉「さす」は接 けて。②明るくするために灯心をかきたてる。然一 = = 「いかきかそふウ【掻き数ふ】 ( 枕詞》一つ二つと数えるとかき・さ・す【書きさす】 ( 他サ四ニさ にしへは、『車もたげよ』、「火かかけよ』とこそいひしを、今ころから、数の「一一ふた」にかかる。一一一七・四 00 六「ー二上尾語〕書きかけて中止する。一一柏木「思ふことも、みな 様の人は『もてあげよ『ー・けよ◎』といふ」訳昔は山詩に神かむさびて」 ・し⑩て」訳 ( 柏木は ) 思うことも、すべて書きかけて途 「車もたげよ」、「火かかけよ」と言ったのを、この【」ろの人はかき・くど・く【掻き口説く】 ( 自力四 ) 〈く・ナけ かきく・〉〔「か中でやめて。 「もてあげよ」、「かきあげよ↑灯心をかきたてよ ) 」と言う。 き」は接頭語〕くどくどとくり返して言う。一平家一九・敦盛かきーす・う【舁き据う】 ( 他ワ下一 I){«• うる・うゑよ〉輿 かき・あは・す引 , 【掻き合はす】 ( 他サ下一一 ) 最期「『情けなうも討ち奉るものかな、とー・き⑩、 : ・さめ駕籠かごなどをかついで来てそこに置く。第上「舟に車 する・すれ・せよ 〉①弦楽器を他の管弦楽器と合わせて弾く。ざめとぞ泣きゐたる」 ( 敦盛を討った熊谷次郎は ) ・ゑ⑩て、いきもていけば」訳舟の上に牛車をかつぎ 合奏する。また、弦楽器の弦の調子をととのえ合わす。「無情にもお討ち申しあげたことよ」とくどくどくり返して乗せて、 ( 河を渡り ) だんだんと進んでいくと。 一一帚木「よく鳴る和琴を、調べととのへたりける、う言い、 : ・さめざめと泣いていた。 かき・すさ・ぶ【書き遊ぶ】 ( 他バ四 ) ・〉「かきすさ るはしくー・せ⑩たりしほど、けしうはあらずかし」訳いい かき・くも・る【掻き曇る】 ( 自ラ四ニ 勗・〉〔「かき」はむ」とも。慰みに書く。気のむくままに書く。一は = 九「亡 音ねを出す六弦の琴を、 ( それは前から ) 調子を合わせてあ接頭語〕①雲や霧などにおおわれて、空が急に暗くなる。き人の手ならひ、絵ー・び⑩たる、見出きたるこそ、ただそ ったものだが、 ( 笛と ) きちんと合奏したぐあいは、そう悪くは曇る。〔〔〕 = 九四「今朝はさしも見えさりつる空の、いと暗の折の心地すれ」亡くなった人の習字や、絵を慰みに かいたのを、見つけ出したときは、ただもうそのころの気持ち ないよ。姦「かし」は、強く念をおす意の終助詞。②手うー・り⑩て」今朝はそのようにも見えなかった空が、 で寄せ合わせる。つくろう。九 0 「袖そでー・せ⑩て、・ たいそう暗く急に曇って。②涙で目がうるむ。氏一椎本がしてくるものである。 と答へ申しき」訳両方の袖胸のあたりに ) 寄せ合わせ 「ー・り⑩、物見えぬ心地し給へば」訳 ( 中の君は ) 涙でがき・だう引【餓鬼道】 ( 名 ) ( 仏教語》六道の一つ。現 て、 : ・と返答申しあげた。 目かくもり、ものも見えない気持ちがなさるから。 世の悪業により亡者がここに落ちると、飢えと渇き さ〕し . ・す・〉〔「かき」はに苦しむという。靄灌頂・六道之沙汰「大海慧に浮 かき・あはせ引セ【掻き合はせ】 ( 名 ) 弦楽器の音調をと * かき・くら・す【掻き暗す】 ( 他サ四 ) ( すせせ とのえ、その調子をみるために一曲試みること。また、他楽接頭語〕①雲が空一面を暗くする。雨や雪などがあたりかぶといへども、潮なれば飲むこともなし。これまたーの 器との合奏。一紅葉賀「ーばかり弾きて、さしやり給一面を暗くして降る。〕九〈「五節にち・御仏名うに苦とこそおほえさぶらひしか」大海に浮かんでいるとい へれば、え怨ゑじもはてす、いとうつくしう弾き給ふ」訳調雪降らで、雨のー・し⑩降りたる」五節やお仏名のっても、塩水なので飲むことも ( でき ) ない。これはまた餓鬼 子合わせの一曲だけを弾いて、 ( 紫の上の前に箏そうの琴日に雪が降らないで、雨が空一面を暗くして降ったの ( は道の苦しみと思われました。↓六道 ら・りる・〉〔「かき」は を ) 押しやりなさったところ、 ( 光源氏を ) いつまでも恨んです残念だ ) 。②心を暗くする。悲しみにくれる。〔一桐壷かき・た・る【掻き垂る】受 ( 自ラ四 ) れ ねてもいす、たいそうかわいらしくお弾きになる。 「かかるおほせことにつけても、ー・す⑩みだり心地になむ」接頭語〕垂れる。〔祝詞〕「手肱に水沫ー・り⑩」 かき・い・づ爿【掻き出づ】 ( 他ダ下一 D でよ弓 〉ーっこのような ( 桐壷帝のありがたい ) おことばにつけても、悲ひじに水のあわが ( 付いて ) 垂れ。 ばり出す。まくり出す。かぐや姫の昇天「さが尻しりしみにくれる取り乱した気持ちで ()J ざいます ) 。係助 るれし〔「かき」は接頭語〕雲が低く をー・で⑩て、ここらの公人発に見せて、恥を見せむ」詞「なむ」のあとに結びの語「侍る」が省略されている。 垂れてあたり一面が暗くなる。雨や雪などが激しく降る。 そいつの尻をまくり出して、多くの官人に見せて、恥をかき・け・つ【掻き消っ】 ( 他タ四 ) 今 ・〉〔「かき」は接〔十訓〕セ「雪の夜中ばかりより、ー・れ⑩て降りければ」 かかせてやろう。 訳雪が夜中ごろより、雲が垂れて激しく降ったので。 頭語〕さっと消す。かき消す。帚木「跡なくこそ、ロ
席。盟一・祇王「はるかにさがりたる所にーしつらうてんでくる。 3 わきからロ出しする。入れ知恵する。〔浮・傾郡あたかも日本の半国に及べり」わが国の地図を見 ますと、奥州陸奥の別称 ) の五十四郡はちょうど日 置かれたり」ずっとさがった所に座席を用意して ( 祇城禁短気〕「引き舟・遣やり手にー・み⑩て、詫わび言をい 王を ) 通された。②会席。宴席。または宴会の取り持ちたさすべし」訳 ( 旦那と女郎が喧嘩んしたときは ) 引き本の ( 面積の ) 半分に達している。②命令。指示。〔浮・ のこと。〔浮・好色一代女〕「男ざかりのーへは少しぬる過舟太夫につく女郎 ) ・遣り手婆ばばに注意をして、謝罪好色五人女〕「『ともかくいづれもがーは漏れと」訳 「ともかくも皆さま方の指図にそむかないようにしよう」と。 きて見えける」 ( 少女の芸人は ) 男ざかりの人々の宴をさせるべきである。 むる・むれ・めよ日ー 〉 5 や一尸さし・つかは・す引【差し遣はす】 ( 他サ四 ) れ . ・せ さし・こ・む【鎖し籠む】 ( 他マ下一 l) 宀め・め 席には少々もの足りなく見えた。①客間。 霳古くは床は板張りで、そこに円座・しとね・畳などをなどをかたく閉ざす。門や戸を閉ざして閉じ込める。一〔「さし」は接頭語〕差し向ける。派遣する。盟 = ・蘇 かぐや姫の昇天「かくー・め⑩てありとも、かの国の人来こ武「百万騎をー・す@」 ( 李広 3 うという将軍に命じ 敷いて座ったことからいう。 さし・ぐし【挿し櫛】 ( 名 ) 婦人が、髪飾りとして挿したば、みな開あきなむとす」訳このように ( 私を塗籠の中て ) 百万騎の軍勢を差し向ける。 櫛くし。〔れ〕三「かしら一所にゆるきあひて、ーもおち」訳に ) 閉じ込めていても、かの国 (= 月の都 ) の人が来たら、きっさし , つき【差し次ぎ】 ( 名 ) すぐ次。次の地位。氏一 若菜上「かたちも、ーには、いとよしといはれ給ひし人なり ( 車を引きこむはすみに、乗っている人々の ) 頭が一度に鉢とみんな開くことだうつ。 ぐ←ぎし〔「さし」しかば」訳 ( 藤壷の女御は ) 容貌も、 ( 姉宮の薄雲の女 さし・す・ぐ【差し過ぐ】 ( 自ガ上一 I)C 合わせをして、挿し櫛も落ちて。 さしぐみ・に ( 副 ) 「さしくみに」とも。いきなり。前置きは接頭語〕出過ぎる。度を越す。一養一空蝉「いと若き院の ) 次には、たいそう美しいといわれなさ「ていた方であっ 心地に、さこそ、ー・ぎ⑩たるやうなれど」訳 ( 軒端たから。 もなしにふっと。橋姫「ー、古物語にかかづらひて、 夜を明かし果てむも、ことことしかるべければ」 ( 会えば ) の荻の ) まだひどく若い考えには、あれほど、出しやはったよさし・つ・く【差し着く】〔「さし」は接頭語〕 ( 自力四 ) く〉 ( 舟が岸に ) 着く。浮舟「かの岸にー・き⑩ いきなり、昔話にかかわりあって、夜を明かしてしまっても、うではあっても。 す・〉〔「さし」て、おり給ふに」 ( 匂宮皿は ) 向こうの岸に着いて、 ( 舟 さしーすぐ・す【差し過ぐす】 ( 自サ四ニさ ( 人目があって ) おおげさであろうから。 さし・ぐ・む【差し含む】 ( 自マ四 ) 〉「さしくむ」とは接頭語〕出過ぎる。度を越す。氏一若紫「乳母 3 のから ) お降りになるとき。 くる・くれ・けよ ) ( 舟を岸に ) 着ける。澪 ( 他カ下一 D ( け・けく も。 ( 涙が ) わいてくる。〔後撰〕恋四「いにしへの野中の清水の、いとー・ , ⑩たる心ばせのあまり」訳 ( 少納言の ) 乳母 標「岸にー・ミ ( ほど見れば」訳 ( 住吉の ) 岸に舟を着 見るからにー・む⑩ものは涙なりけり」訳昔通った野中の、まったく出過ぎた考えの結果。 の清水はほんの見るだけですぐ手を出して水をくんでしま * さ・し・たる ( 連体 ) 〔副詞「然さ」にサ変動詞「為す」の連けるときふと見ると。 くる・くれ・けよ 〉「さし」 う、そのように ( あなたの手紙を ) ほんの見るだけで、もうにじ用形「し」、完了の助動詞「たり」の連体形「たる」の付いさし・つ・く【差し付く】 ( 他カ下一 l) 〈け・ み出て来るものは涙であるなあ。 ( 「さしぐむ」は「 ( 手で ) 差したもの〕① ( 下に打消の語を伴って ) さほどの。これというほは接頭語〕物に押しつける。押しあてる。「れ〔一一 0 〈「下 どの。腿然一一 ?() 「ーことなくて人のがり行くは、よからぬこ襲ね・うへのきぬなども、人よりよくて着たるを、紙燭れく 汲む」と「 ( 涙 ) さしぐむ」との掛詞 ) ・け⑩焼き」訳下襲や袍ほうなども、人よりよいものを さし・こみ【差し込み】 ( 名 ) ①入れ知恵。さしがね。となり」訳これというほどの用件がないのに他人のもとへ 〔浄・心中重井筒〕「皆おか様のーと思ふも」訳 ( 徳兵行くのは、よくないことである。②特に心に思い決めた。着ていたのを、紙燭を押しつけて焦がし。 衛が来ないのは ) みなおかみさんの入れ知恵のせいだと思う特に指定した。重要な。一一一〈 0 「ーことなん言はんとさし・つど・ふ引ウ【差し集ふ】 ( 自ハ四 ) ( 艸 2. 心ふ・ ) 〔「さ のも。②かんざしの一種。花模様などの飾り物を作りつ思ふ。今の程、時かはさす来こ」訳 ( さしせまった ) だいじなし」は接頭語〕寄り集まる。「挑〔〕一〈四「奥寄りて三四 人ー・仆⑩て絵など見るもあめり」医奥の方で三、四人 けにせす、別にこしらえたのを差し込むようにしたもの。〔浮ことを話そうと思う。たった今、時をつつさすに来い。 ( の女房 ) が寄り集まって絵などを見ている者もいるようだ。 世風呂〕「この頃は括り猿のーが流行はやるさうだなう」さし・ちが・ふコ 3 ウ【刺し違ふ】 ( 自ハ下一一 ) このごろは括り猿布に綿を縫い込み、猿のような形 ~ お ( 、よ ) 相手と刀で刺し合う。平卆生ずきの沙さしつめ・つめ【差し詰め引き詰め】矢をつがえて 汰「ここで佐々木にひっくみー・ヘ⑩、よい侍一一人死んは引き、つがえては引き手早く射るさま。一盟一四・橋合戦 にしたもの ) の差し込みがはやるそうだねえ。 ・〉①〔「さし」はで、兵衛佐殿に損とらせ奉らん」訳ここで佐々木「弓の上手どもが矢さきをそろへて、ーさんざんに射る」 さし・こ・む【差し込む】 ( 自マ四 ) 接頭語〕込み合う。横笛「女房もー・み⑩て臥ふしと取っ組み互いに刺し合って、りつばな武士が一一人死ん弓の名手たちが矢先をそろえて、矢をつがえては引き、 つがえては引きして、激しく射る。 たる、人気豊にぎははしきに」女房良何人かで ) 込みで、兵衛佐殿頼朝 ) に損をおさせ申しあけよう。 合「て寝ているようすは、人けが多くて賑 = ぎやかで。②さし・づ 1 【指図】 ( 名 ) ①図面・絵地図・地図・設計さ・し・て ( 副 ) ①これとは 0 きり指して。殊に。平家一 〔「射し込む」とも書く〕 ( 光や水などが ) さし入る。入り込図など。〔太平記〕き「国のーを見候ふに、奥州五十四一 = ・泊瀬六代「鎌倉殿にー申すべき大事ども候ふ」 〔三七九〕 さしくーさして
〔五〇二〕 そらたーそれそ たいているのであろうか。 やって来たので、たぬき寝入りをしているのに。 く鷹↑母に従おうとする子の心 ) のなんと悲しいことよ。 そらだき・もの【空薫き物】 ( 名 ) 空薫きの練り香。空 * そらみつ《枕詞 ) 「やまと ( 大和・倭 ) 」にかかる。一一一・一 ( 「あま」は「天あま」と「尼」との、「逸る」は「剃そる」との掛 薫きのたき物。聳一四四「夜寒の風に誘はれくるーの「ー大和の国は」 詞 ) 。②心・気持ちなどがほかのほうに向かう。気がそれ 匂にほひも、身にしむ心地す」秋の夜の寒い風に誘わ * そら・め【空目】 ( 名 ) 〔「そら」は接頭語〕①見まちがうこる。〔落窪〕「この頃御心ー・の四段 ) 出いでて、化粧 れて漂ってくる空薫きの香の香りも、身にしみる気持ちがと。見そこない。タ顔「光ありと見しタ顔の上露ばやりたりとは見ゅや」このころはお気持ちがほかのほ する。 はたそがれどきのーなりけり」光り輝いていると見たうにそれて出て、おしゃれに専念していると見えるね。 そら・たのみ【空頼み】 ( 名 ) 〔「そら」は接頭語〕あてになタ顔の上の露は↑あなた光源氏の顔を美しいと見たの 【其れ】 ( 代 ) ①中称の指示代名詞。やや離れた らないことを頼りにすること。〔浄・日本武尊吾妻鑑〕「天は ) 、夕暮れ時の ( 私夕顔の ) 見まちがいであったのだ。 ②老れ 事物・場所・人物などこていう。また、前に述 子を学ぶ身の奢おごり、人もゆるさぬ万乗既うのーこそ危見て見ぬふりをすること。〔浄・曾我会稽山〕「『ーして死べた事物・場所・人物などをさしていう。そのこと。そのも ふけれ」天子のまねをするほどの思い上がり、世間もなせてたも、刃物たもれ』とすがり付き」「見ないふりしの。そこ。その人。「その時の女御、多賀幾子 認めぬ天子になったつもりのあてにならないそら頼みが危うて死なせてください、刃物をください」とすがりつき。 と申すみまそがりけり。ーうせ給ひて」そのときの女御 いのだ。 そり・くつがヘ・る引芻【反り覆る】 ( 自ラ四 ) で、多賀幾子と申し上げる方がおいでになった。その人が * そら・だのめ【空頼め】 ( 名 ) 〔「そら」は接頭語〕あてにな局〉後ろのほうへ反りまがる。そっくりかえる。〔屬凵お亡くなりになって。 らないことを頼りにさせること。第上「さだめなく消えかと「物もまだ言はぬちこの、ー・り⑩、人にもいだかれす泣②不定称。不明の事物や明示したくない事物をさして へりつる露よりもーする我は何なり」はかなく消えてしきたる」まだロもきかない赤ん坊で、そっくりかえり、人・いう。なに。なにがし。ある。「ーの年の十二月れはの まった露より良もっと誠意のないあなたが私に ) あてにならにも抱かれないで泣いているの ( は気がかりだ ) 。 一一十日あまり一日 : との日の戌いぬのときに門出す」 ない期待をさせているこの私はいったい何であろう。 そり・さけ【剃り下け】 ( 名 ) 近世の髪形の一種で、月代ある年の陰暦十一一月の一一十一日の日の戌の刻 ( 日午後 「だのめ」は下一一段動詞「頼たのむ」の連用形が名詞新を広く下まで剃り、両方の鬢びんを糸のように細くした八時ころ ) に出発する。 化したもの。 もの。糸鬢。〔浄・丹波与作待夜小室節〕「十ばかりの 3 対称の人代名詞。あなた。一 = 三へ「あなわびし。 そら・なき【空泣き】 ( 名 ) 〔「そら」は接頭語〕泣くまねを ーの、ちつばけな馬方が」十歳ぐらいの剃り下け髪 、もとめておはせよ」ああ困ったことだ。あなた、探し すること。またそのようす。うそ泣き。囹花山院「ただの、小さな馬子まごが。 ていらっしゃい。 いま過ぎば、おのづから障さはりも出いでまうで来きなむとーそりす pp : ・寉包【剃り捨てて黒髪山韜にそれ【夫】 ( 接 ) 文の初めに用いて、改まった感じで新しい し給ひけるは」今の機会をのがしたら、自然とさしさわ衣更へ】〈おくのほそ道・日光・曾良そら〉訳髪を剃り事柄を言い出す語。そもそも。いったい。囮四「ー、三 りも生じて参るだろうとうそ泣去をなさったことだったよ。 捨てて墨染めの衣に着がえて江戸をたち、今この ( 髪にゆ界はただ心ひとつなり」函そもそも、三界 (= 欲界・色 そらにみつ《枕詞 ) 「そらみつ」に同じ。 かりのある ) 黒髪山まできたが、折しもここで衣更えの日を界・無色界。つまり一切の世界 ) はただ自分の心によ * そら・ね【空音】 ( 名 ) 〔「そら」は接頭語〕①偽ってまねる迎えたことだ。表更へ夏 ) って存在するのである。 鳴き声。鳴きまね。〔後拾遺〕雑 = 「夜をこめて鳥のーはは黒髪山は男体山のこと。剃髪と黒髪山、衣更 * それ・がし【某】 ( 代 ) ①不定称。名を知らない人・物 かるともよに逢坂の関はゆるさじ」↓よをこめて : ・ えと墨染めの衣に替えることとを掛けてある。 事、または知っているがはっきりさせる必要もない人・物事 一。②聞きまちがい。そら耳。幻聴。〔五「しのびたそり・はし【反り橋】 ( 名 ) 中央が高く、まるく反っているをほかしてさす語。だれそれ。某ぼう。なに。なにがし。一第 る郭公費との、遠くーかとおばゅばかり、たどたどしきをきき橋。一藤裏葉「道のほど、ー・渡殿驃には、錦を敷中「ただいま、殿より御ふみもて、ーなむ、まゐりたりつる」 つけたらむは、なに心地かせむ」忍び音ねに鳴くほととき」道筋の途中の、反り橋や渡り廊下には、錦の織つい今しがた、お屋敷からお手紙を持って、なにがしが、 ぎすの、遠くそら耳かと思われるくらいに、かすかな鳴き声物を敷いて。 参上し ( まし ) た。②自称の人代名詞。わたくし。男性が を聞きつけたようなときは、どんな気持ちがしようか ( なんと * そ・る【逸る】 ( 自ラ四・下一 l) 勗・エるい . いれ・ . れよ 〉①思用いる。一一六三「—' 多くの丈六うを作り奉れり」 もいえすすばらしいだろう ) 。 わぬ方向へゆく。他のほうにそれてゆく。第中「あらそわたくしは、多くの一丈六尺↑約四・八五ä) の仏像をお そら・ね【空寝】 ( 名 ) 〔「そら」は接頭語〕寝たふりをするヘば思ひにわぶるあまぐもにまづー・る雙四段 ) 鷹たかぞかな作り申しあげた。 こと。たぬき寝入り。〕 = 〈「会はでありなむと思ふ人のしかりける」訳 ( 母と子が ) 言い争いをしたあけく、思案にそれ・それ【其れ其れ】目 ( 代 ) 不定称。その人あの人。 来たるに、ーをしたるを」会わないでいようと思う人があまって尼になう ? 」すると、その天雲のほうにまずそれてゆだれかれ。一実「「誰々か」と問へば、「ー」といふ」
〔八四四〕 もてーもてし にもあるかな。ーえ知らざりつる」訳おもしろいことだな葉・紅梅・桜 : ・などやうの春のーを、わざとは植ゑて」りそへて、ー・で⑩て」訳銚子に素焼きの杯をとりそ あ。少しも知ることができなかったことよ。 ( 六条院の春の町には ) 五葉松や紅梅や桜 : ・などといったろえて、持って出て。②外部に表す。表面に出す。人目 目 ( 形動ナリ ) そのとおりだ。当然だ。〔古活字本保元春の慰めになるものを、特に考えて植えて。 3 おもちゃ。 につくようにする。藤袴「なほ、ー・で①す、しのびや 物語〕「今夜の発向↑出兵 ) ー・なり⑩」 玩具 2 ん。〔浮・好色一代男〕「いかなる太夫も十両十かに、御消息なども聞こえかはし給ひければ」 ( 玉鬘 * もて , ( 接頭 ) ( 動詞に付いて ) 意味を強め、また語調を整五両がーを調へなぐさむことぞかし」訳 ( 正月十六日 らと柏木は ) 今もやはり、三人が姉弟の関係にあるとい える。「ー扱ふ」「ーかしづく」「ー興す」「ー騒ぐ」 には ) どんな太夫も十両や十五両のおもちゃ ( Ⅱ人形 ) をうことを ) 表立って公然とさせす、人目につかないように、お も・て【以て】「もちて」の約〕① ( 体言および活用語の連買って心を楽しませることであるよ。 便りなども差し上けあったりしていらっしやったので。 体形、またはそれに格助詞「を」の付いたものに接続して ) * もて , あそ・ふ【弄ぶ・玩ぶ・翫ぶ】 ( 他バ四 ) {% せ 〉もて・かく・す【もて隠す】 ( 他サ四 ) れ〉〔「もて」は 格助詞のようなはたらきをする。の手段・材料となるもの〔「持て遊ぶ」の意〕①興じ楽しむ。慰みとする。賞翫接頭語〕そっと隠す。隠す。氏一東屋「顔を外ほかざまに を示す。 : ・によって。 : ・で。一一一五・一一一七三 = 一「吾妹子がうする。 ( 慰みとして ) かわいがる。徒然二三七「世を背けるー・ , 只世一」」顔をほかのほうに ( 向けて ) 隠して。 形見の衣いろなかりせば何物ーか命継がまし」もし、あ草の庵ほには、閑しづかに水石をー・び⑩て」俗世 * もて・かしづ・くシズク【もて傅く】 ( 他カ四 ) なたの形見のこの衣がなかったなら、何によって命を保ち間を隠遁した草庵 ( の生活 ) では、閑居して水や石 (= 自〔「もて」は接頭語〕たいせつに世話をする。たいせつに育て 続けたものだろうか。支法「せば・ : まし」は反実仮想で然の風光 ) を慰みとして。②大事にあっかう。然問一一三・ る。一一帚木「人の品しな高く生むまれぬれば、人にー・か 「もし・ : なら・ : だろうに」の意。④動作のきっかけになるも一 = 「その宗の法文を学び、ー・び⑩し間に」 ( 私蓮①れて」訳 ( 女性は ) 身分高く生まれてしまうと、 ( 周囲 のを示す。 : ・から。 : ・がもとで。一一行幸「めでたしと見寂くが法相宗の学者として ) その宗の経論を学び、 ( 日の ) 人にたいせつに世話をされるので。 奉るとも、心ー、宮づかひ思ひたたむこそ、さし過きたる心夜離さす ) 大切にあっかっていたときに。 もて・きよう・ず【もて興す】 ( 自サ変 ) をぜし〔「も ならめ」医 ( 帝を ) すばらしいと見申しあけても、自分の心もてあっかひ・ぐさ【持て扱ひ種】 ( 名 ) とりあって」は接頭語〕おもしろがる。興味をいだく。徒然一一『七 から、 ( 自発的に ) 宮仕えを思い立ったりするのは、出過きかう事柄。うわさの種。話題。一徒然一七七「世の中に、その「片田舎かの人こそ、色こく万はー・すれ@」片 た心であろう。◎特にある一つのことを強調して示す。 比ころ人のーに言ひあへること」訳世の中で、そのころ田舎の人にかぎって、しつこく万事に興味を持つものだ。 をもって。徒 = 「おほやけの奉り物は、おろそかなるをー 人々がうわさの種として言いあっていることを。 もて・く【持て来】 ( 他カ変ニこき くる・くれ・こ ( こよ ) 〉持って来る。 よしとす」訳天皇のお召し物は、質素なものをもってよい * もて・あっか・ふ引【持て扱ふ】 ( 他ハ四 ) はひ〈ふ・〉「酒・よき物どもー・き⑩て、船にいれたり」訳 ( 山 とする。② ( 活用語の連用形に付いて ) 接続助詞のような 〔「もて」は接頭語〕①たいせつにとりあっかう。とりはからロのちみねが ) 酒やうまいものなどを持って来て、船に差し はたらきをする。その動作が継続して行われることを示す。う。世話する。〔〔〔〕一五五「ことなることなき人の、子などあ入れた。 ・ : しつづけて。一源氏須磨「いひー行けば、ただ、身づからまたー・ひ⑩たる」訳これということもない人が、子供なもて・くだ・る【持て下る】 ( 自ラ四 ) ・〉物を持っ の怠りになむ侍る」だんだん話していくと↑せんじつめどをたくさんもって世話を焼いているの ( は見苦しい ) 。②あて都から地方へ行く。一大鏡一時平「御衣賜はり給へり ると、この不運は ) 、ただ、わが身 ( Ⅱ光源氏自身 ) のいたらなっかいに困る。もて余す。〔保元物語〕「ー・ひ⑩ていかがしを、筑紫にー・ら①しめ給へりければ」訳 ( 道真はほ さゆえでごさいます。 せんとぞ思ひける」訳もて余してどうしようかと思った。 うびとして ) 天皇の御衣服をいただきなさったのを、筑紫に も・て【持て】〔「もちて」の促音便「もって」の促音「つ」のもて・あり・く【持て歩く】 ( 他カ四 ) 厖 . 然 ) 持って歩持ってお下りになっていたので。 表記されない形〕持って。〔〔〔」 = 五「「おはしまさざりけり』 く。〔〔〔れ〔〕三「雪降り、いみじうこほりたるに、申し文ぶみー もて・さわ・ぐ【もて騒ぐ】 ( 自ガ四 ) 奛な〉〔「もて」は もしは、『御物忌みとてとりいれす』といひてー帰りたる、い く⑩」 ( 除目くのころには ) 雪が降り、たいそう氷が張接頭語〕もてはやす。大騒きをする。〔一松風「大殿腹 とわびしくすさまじ」訳「 ( 先方は ) おいでにならなかった」ありつめている時に、申し文↑叙位・任官などを申請した文の君を、うつくしげなりと、世の人ー・ぐ⑩は」訳大殿腹 るいは、「御物忌みだと言って受け取らない」といって ( 手書 ) を持って ( あちこち ) 歩き回る。 の君 ( 日夕霧 ) を、かわいらしいようすだと、世間の人がほめそ 紙を ) 持って帰ったのは、ほんとうに情けなく興ざめである。もて・い・く【もて行く】 ( 自力四 ) 奩けナ く〉「もてゆく」にやすのは。 むる・むれ・めよ もて・あそび【弄び・玩び・翫び】 ( 名 ) ①遊び相手。同じ。〔れ」一「昼になりて、ぬるくゆるびー・け@ば」もて・しづ・む引、【もて鎮む】 ( 他マ下一 l) 宀めめむ 一養一幻「この宮ばかりをぞ、ーに、見奉り給ふ」医 ( 光昼になって、 ( 寒気が ) だんだん暖かくゆるんでいくと。 〔「もて」は接頭語〕落ち着かせる。目立たないようにする。 源氏は ) この宮 (= 匂宮皿だけを、遊び相手に、見申しあ * もて , い・づ引【持て出づ】 ( 他ダ下一 l) 〈づいナれでよ で「に ) ①一源氏一匂宮「並びなき御光を、まばゆからすー・め⑩給ひ げなさる。②心を慰めるもの。慰み一」と。源氏一少女「五持って出る。持ち出す。徒然一 = 一五「銚子いうに土器とて」 ( 光源氏は ) 比べるもののない【」威光を、 ( 人に ) まぶ
分に配列されているから、前者とみるべきであろう。 みきようしょ〔御教書〕↓みげうしょ 物などをおとり寄せになって。②「御匣殿①」に仕える上 三河翁は ) 一地名旧国名。東海道十五か国の一つ。み・きり【砌】 ( 名 ) 〔「水限」「水切り」の意〕①軒の﨟女房お称。「御匣殿の別当」とも。一一薄 今の愛知県東部。三州う。 下、または階の下などの石だたみのところ。一三・雲「命婦は、ーのかはりたる所に移りて」命婦 ( 日王 み・かは・す引ス【見交はす】 ( 他サ四 ) れ . 〉互いに見三三 = 四「大殿のーしみみに露負ひてなびける萩はぎを」訳命婦 ) は、御匣殿に仕える女房 ( の一人 ) が他の任務に転 る。見あう。序「翁鰭二人ー・し⑩てあざ笑ふ」大殿の石だたみいつばいに露をうけてなびいている萩を。出したそのあとに移って。 訳老人一一人は顔を見あわせて大声で笑う。 ②庭。〔太平記〕 = 一九「ーをめぐる山川」訳 ( 寺の ) 庭をとみ・くづ引【水屑】 ( 名 ) 水の中の【」み。一大鏡一時平「流れ みかはや・うどヤ【御厠人】 ( 名 ) 〔「みかはやびと」のりまく山や川 3 ところ。場所。製一七・聖主臨幸「后ゆくわれはーとなりはてぬ君しがらみとなりてとどめよ」訳 転〕宮中で便所の清掃に当たった身分の低い女。〔国一妃遊宴のーなり」訳 ( ここは ) 后が遊宴をした場所↓ながれゆく : 亠叝一 九「ーなる者走り来て」 であるが。④時節。おり。機会。平家一一 0 ・高野御幸み・くまり【水分】 ( 名 ) 〔「水配くばり」の意〕山から流れ らりる・〉うしろを振「釈尊説法のーに」訳釈迦やが説法をしたおりに。 み・かへ・る剴ル【見返る】 ( 他ラ四 ) 宀る・れれ る水が分かれる所。水の分岐点。〔祝詞〕「ーに坐ます皇 り向く。一一四一「前なる人ども・ : みなうしろをー・り⑩ みきわ〔汀〕↓みぎは 神等疆の前に白まをさく」水の分岐点においでにな て」 ( 自分の ) 前にいる人々が・ : みんなうしろ (= 自分のみ・くさ【水草】 ( 名 ) 水中または水辺に生える草。みずる神々の前で申し上けることには。 ほう ) を振り向いて。 くさ。「〕一天「池などある所もーゐ」訳池などがある * み・ぐる・し【見苦し】 ( 形シク ) ①見るに忍びない。見る み・が・ほ・し【見が欲し】 ( 形シク ) 見たい。見たいと思所もみすくさが生え。 のがつらい。一一宿木「あな、ー・し@ゃ。ゅゅしう思ひ う。一一六・九一 0 「神柄かー・しから①むみ吉野の滝たぎみ・くさ【御軍・皇軍】 ( 名 ) 〔「み」は接頭語。「みいくさ」出いでらるることも侍るを」訳 ( 中の君が食事をとらない の河内は見れど飽かぬかも」訳神の品格ゆえに、見たの約〕天皇の軍隊の尊称。囮一一 0 ・四三七 0 「皇ーにわのは ) ああ、見るに忍びないよ。不吉なことのように思い出 いと思うのであろうか。 ( この ) み吉野の激流の河内はいくれは来にしを」訳天皇の軍隊として私はやってきてしまされることも【」ざいますので。第「らるる」は、自発の助 ったことよ。 ら見ても見飽きないことよ。 動詞「らる」の連体形。②みにくい。みつともない。〔屬凵 み・か【御薪】 ( 名 ) 〔「み」は接頭語。「御竈かま木」 * み・ぐし ( 名 ) 〔「み」は接頭語〕①【御首・御頭】頭や首四一「鷺さぎは、いとみめもー・し⑩」訳鷺は、たいそう見た の意〕毎年陰暦正月十五日に、百官が宮中に差し上けの敬称。一一 = 「大地震ふりて、東大寺の仏のー落目もみにくい ( 鳥である ) 。 る薪。また、その献上の儀式。 ちなど、いみじきことども侍りけれと」訳大地震が起こつみ・け【御食・御饌】 ( 名 ) 〔「み」は接頭語。「け」は食物 みかわやうど〔御厠人】↓みかはやうど て、東大寺の大仏のお首が落ちるなど、たいへんなことがの意〕神または天皇に差し上ける食糧。お召し上がり み・き【御酒】 ( 名 ) 〔「み」は接頭語。「き」は酒の古名〕 ( いろいろ ) ありましたが。②【御髪】髪の敬称。一源氏一若紫物。方葉二・三〈「逝ゆき副そふ川の神も大おほーに仕へ奉 神聖な酒。また、酒の敬称。〔記〕中「このーは我がーな 「けづることをうるさがり給へど、をかしのーや」訳 ( 女の まつると」 ( 吉野の宮殿に ) 沿って流れる川の神も天皇 子紫の上は ) 櫛ですくのをわすらわしがりなさるが、 ( それに らす」訳この神聖な酒は私が造ったお酒ではない。 が召し上がる物にお仕え申しあげるということで。 みき【右】 ( 名 ) ①右側。右方。徒然一会「文の箱は、多しても ) 美しいおぐしだこと。 み・けうしょ引【御教書】 ( 名 ) 〔「み」は接頭語〕「下 くはーに付く」訳 ( 箱に緒を通すための穴は ) 手紙を入れみぐし・あけ【御髪上け】 ( 名 ) 貴人の髪を結うこと。ま くだし文」の敬称。綸旨いん・院宣、また三位秘ん以上の る箱 ( の場合 ) は、多くは右側につける。②左右ある場合た、それをつとめる人。 公卿から出した公文書、あるいは鎌倉・室町時代に の官職で、右の職。日本では、右は左よりも下位である。みぐし・おろ・す【御髪下ろす】貴人が髪をそって仏門将軍家から出した文書についていう。一ま一一 0 ・藤戸「鎌 一源氏一竹河「左大臣うせ給ひて、ーは左に」左大臣にはいる。一一会「童より仕。かうまつりける君、ー・し倉殿のーにも載せられけり」 ( 佐々木三郎に児島を がお亡くなりになって、右大臣は左大臣に ( おなりになる ) 。⑩給うてけり」 ( 男が ) 子供のときからお仕えしていた与えるということは ) 鎌倉殿↑頼朝 ) が出した将軍家の 主君が、髪をそって仏門にはいってしまわれたそうだ。 こ文書にも記載された。 みき・の・うまづかさ【右の馬寮】 ( 名 ) ↓めれう みき・の・おとど【右の大臣】 ( 名 ) 「うだいじん」に同じ。みくしけ・どの【御匣殿】 ( 名 ) ①宮中の貞観殿鬱んみ・けし【御衣】 ( 名 ) 〔「み」は接頭語。「けし」は「着る」 みき・の・おほいまうちきみ引ニ右の大臣】の中にあって、内蔵寮うで作る以外の装束を裁縫・調の尊敬語「着けす」の連用形の名詞化〕「着物」の敬称。 ( 名 ) 「うだいじん」に同じ。 達した所。また、貴人の家で装束を調達する場所。お召し物。一一四・三三五 0 「筑波嶺の新桑繭の衣 * み・きは引【汀】 ( 名 ) 水ぎわ。徒然一一九「ーの草に紅葉の一源氏一玉鬘「ーなどにも、設まうけの物など召し集めて」訳きぬはあれど君がーしあやに着欲しも」筑波嶺の新し 散りとどまりて」訳水ぎわの草に紅葉が散り残って。 ( 光源氏は六条院の ) 装束調達所などにも、用意してあるい桑の葉で飼った蚕の繭まゆで作った着物はあるけれど、あ みかはーみけし 〔七九九〕