ロ形容詞活用表 尾 活 形 種類例語幹語 語未然形連用形終止形連体形己然形命令形 ロ品詞分類表 ク活用よしょ シク活用美しうつく 主な用法 活用形の 見分け方 単語 付属語宀 自立語 活用しない語 ・ : 動詞〔書くあり死ぬ受く : ・〕 言い切りの語尾がウ段で終わる語 : ( ただし、ラ変動詞はイ段 ) ・ : 形容詞〔おもしろしゆかしいみじ・ : 〕 活用する語ーー述語となる語ー用言言い切りの語尾が「し」で終わる語・ 言い切りの語尾が「なり」「たり」で終わる語・ : 形容動詞〔おろかなり朦朧たり・ : 〕 主語となる語ー体言・ : ・ : 名詞〔江戸花二月をりわれ・ : 〕 用言を修飾する語 : 詞〔いといかでたびたび・ : 〕 修飾語となる語ーー宀 体言を修飾する語 : ・ : 連体詞〔ある ( 夜 ) あらゆる ( 国 ) : ・〕 主語とならない語 接続する語・ ・ : 接続詞〔またなほしかもされど : ・〕 修飾語とならない語宀 接続しない語・ : ・ : 感動詞〔あはれあないざいで : ・〕 活用する語 : ・ ・ : 助動詞〔 ( 男あり ) けり ( 知ら ) す : ・〕 活用しない語 : ・ ・ : 助詞〔三つ ) の ( 戸 ) を ( 人 ) も・ : 〕 ーしくーし ーしからーしかり ズに連 . ル冖」連 なる なる ロ形容動詞活用表 尾 形 活 種類例語幹語 語未然形連用形終止形連体形己然形命令形 ーき ーけれ ナリ活用静かなりしづかーなら ーかる ーかれ ーしきーしけれ タリ活用堂々たりだうだうーたら ーしかる ーしかれ キ・ナ トキ・ 命令の意 主な用法 ズに連 味で言い 。ル〔」連 活用形の なる 連なる なる 連なる 切る 見分け方 ◎主要助動詞活用表 ( 意味・用法つき ) については付録九五八ページ参照のこと。 ◎主要助飼一覧 ( 意味・用法つき ) については付録九六四。ヘージ参照のこと。 ◎各活用形の用法については付録「文法要語解説」〈一、活用形の用法〉 ( 九六八ページ ) を参照のこと。 言い切 る 用 ーなり ーたり ーと 言い切 る ーなりーなるーなれーなれ ーたりーたるーたれーたれ 命令の意 味で言い 切る 用 トキ・ 連なる に . モ一に 連なる
( 2 ) この辞典のきまりと使い方 この辞典は、高校における古典学習、大学入試準備に役立つよ うに、数々の特色を盛り込んで編集されたものである。また、こ れから古典に親しもうとする一般社会人にも利用しやすいように 多くの考慮が払われている。 収録語 本書に収録した語は、約一五一〇〇語である。上代から近世 までのわが国の主要な古典から、使用頻度の高い語を中心に 選んで収録した。さらに、古典の学習に欠かせない、複合語・ 連語・慣用句・古典によくみられる特有の言い回しも収録した。 古典の読解や文学史の理解のために必要な、人名・地名・作 品名などの固有名詞、枕詞・文芸用語などを、約一一一三〇語収 録した。 ③教科書にのっている作品などを中心に、著名な和歌 ( 百人一 首はすべて ) ・歌謡三二六首、俳句・川柳一四四句を収録し、 巻末付録にその索引 ( 分類別・五十音順 ) を収載した。 見出しの立て方と表記 見出し語は、歴史的かなづかいにより、太字のひらがなで表 記した。ただし、人名・地名・作品名は漢字表記によって見出 しを示した。 ⑦見出し語には、学習上の重要度を、大活字の使用と印およ び * 印により、三つの段階に分けて示した。 約八一一〇語 最重要語三行どり印 ) 重要語 ( 一行どり * 印 ) 約二〇八〇語 一般語 ( 一行どり無印 ) 約一一三〇〇語 ③二通りのかなづかいのあるものは、両方を見出しとして掲 げ、より一般的なもののほうに語釈を付けた。 いはけ・な・しケ【稚けなし】 ( 形ク )• : いわけ・な・し【稚けなし】 ( 形ク ) ↓いはけなし 歴史的かなづかいと現代かなづかいとが相違する語のうち、 重要な語には現代かなづかいによる見出しをも掲げて、検索の 便をはかった。 あわし〔淡し〕↓あはしおとこ【男】↓をとこ なお、字音のかなづかいについては、該当箇所の欄外に次の ように掲げて示した。 カ↓クワ ( 火・花・和・果・過 ) ⑤①見出し語を構成する要素を、「ー」でくぎって示した。ただ し、枕詞・漢字表記による見出し語などには示さなかった。 あがた・めし【県召し】 べく・も・あら・ず ②接頭語はその後に、接尾語はその前に「ー」を付けて示した。 さらに、重要なものには【例語】欄を設けて列挙した。 うち・【打ち】 ( 接頭 ) ーそ・む【初む】 ( 接尾マ下二型 ) ( 動詞の連用形に付いて ) 【例語】相見初む・言ひ初む・生ひ初む・ : ③重要な敬語動詞・補助動詞を次のような形で立項し、かっ、 その【例語】をも列挙し、語構成の観点から語彙力が豊かに身
「さきざきも申さむと思ひしかども、かなら げなさることができないのであった ) 。 「いかやうにかある。」と ( 中宮定子が中納言▽ ず心惑まどひし給はむものぞと思ひて、いまま 〈冨桐壷〉隆家に ) 問ひきこえさせ給へば、「すべてい 右の例、「思ひきこえ給ひて」の部分は、謙譲みじう侍り。「さらにまだ見ぬ骨のさまなで過ごし侍りつるなり ( 人申しあげずに〉過ご 語「きこえ」で、「思ふ」という動作を受ける若宮り。』となむ人々申す。まことにかばかりのしていたのでございます ) 。さのみやはとて、 は見えざりつ。」と、言こと高くのたまへば : うちいで侍りぬるぞ (= そのように黙ってばか に対する作者からの敬意が、尊敬語「給ひ」で、 〈回一 0 = 〉りいられようか、そうはいかないと思って、ロ 「思ふ」という動作をする母君に対する作者から に出してしまうのでございますよ ) 。」 の敬意が表されている。また、「え参らせ奉り右の「申す」は、話し手であり話題の人物で 〈かぐや姫の昇天〉 給はぬ」の部分は、謙譲語「奉り」で、「参らす」もある隆家に話題の人物である人々が「言ふ」 という動作を受ける若宮に対する作者からの敬という文脈で用いられている。謙譲語であるな右の例、「過ごし侍りつるなり」は直訳する 意が、尊敬語「給は」で、「参らす」という動作をら、「人々が隆家に申しあげる」の意で、話しと、「過ごしましたのだ」になる。このままで する母君に対する作者からの敬意が表されてい手隆家から話題の人物の隆家に対する敬意を表は現代語としては不自然なので、丁寧表現「ま るのである。なお、「え参らせ」の「参ら」は謙譲す自敬敬語になってしまう。この「申す」はふし」を「だ」の部分に移動し、丁寧な断定の表 語で、この動作を受ける帝に対する作者からのつうの謙譲語ではなく、「人々が言います / 申現である「です / であります / でございます」 敬意が表されているのである。また、「見奉らします」といった現代語にあたり、聞き手であに改めるのである。同じように、「うちいで侍 で」の部分が「見奉り給はで」になっていないのる中宮定子を意識したかしこまりの表現ー丁重りぬるぞ」も直訳すると、「ロに出しましてし まうのだよ」になるが、「まし」を「だ」の部 は、文末が連用形になり、地の文と融合していな言葉づかいであると見られる。 マ王とおばしき人、家に、「造まろ、まうで分に移動して、自然な現代語にするのである。 るが、引用符をつけて書き換えると、 中世には、新しい尊敬表現 「・ : 見奉らでしばしもあらむは、いと後ろめ来こ。」と言ふに、猛たけく思ひつる造まろも : 丁寧語の融合 〈一かぐや姫の昇天〉 御ーあり」が広く用いられる たし」と思ひきこえ給ひて : とすることのできるもので、母君の心の中で思謙譲語「まうでく」は、「参上する」の意でようになる。さらに、この「あり」の部分が丁寧 う内容を引用した部分にあるため、母君に対す用いられるが、右の「まうで来」は「参上せ語「候ふ」になる「御ー候ふ」の敬語形式も生まれ る敬意を表す「給は」を用いていないのである。よ」の意ではなく、「出てきませ」の意にあたた。「お : ・になります / お : ・なさいます」の意に したがって、「見奉らで」の謙譲語「奉ら」は、母るかしこまりの表現ー威厳のある重々しい言葉あたる「尊敬 + 丁寧」の融合形である。 マ上皇 3 大きに驚きおばしめし、忠盛を召 君が「見る」という動作を受ける若宮に対する母づかいであると見られる。 現代語では丁寧な断定の表現して御尋ねあり (= お尋ねになる ) 。 君からの敬意を表すものと考えられる。心の中 丁寧語の位置 として「でございます・であ 〈一・殿上闇討〉 で思う内容の引用部分 ( 心的表現・心内語など 「あれに見え候ふ、粟津の松原と申す (= あ ともいわれる ) での敬語は、会話文の話し手とります・です」などが用いられる。「です」は一 同じで、いわば思い手から話題の人物に対する語の助動詞であるが、「でございます・でありまそこに見えます、あれが粟津の松原というので 敬意が表されたものなのである。 す」は、断定の助動詞「だ」の連用形「で」に、「あございます ) 。あの松の中で御自害候へ (= ご 自害なさいませ ) 。」 〈九・木曾最期〉 ふつう謙譲語と見られるる」の丁寧語「ございます・あります」の付い かしこまりの表現 。たものである。すなわち「断定十丁寧」の表現なお、右の「松原と申す」の「申す」は「申 「申す・まうでく」などこ 見られる、聞き手を意識した表現をいう。丁寧になっている。古文では、これが逆の順の「丁しあげる」の意の謙譲語ではなく、「言いま 寧十断定」の形になる。 す・申します」の意の丁寧語である。 語に近い用法になる。荘重う語ともいう。 文法要語解説 マ 〔九七七〕
話し手 ( 書き手 ) が話題の人物のうち、 話し手 ( 書き手 ) が話題の人物のうち、 マ「命長さのいとつらう思ひ給へ知らるるに 尊敬語 謙譲語 動作をする人を敬うため、その人物に 動作を受ける人を敬うため、動作をす (= 長生きがたいそうつらいことだと思い知られ 関して特別の表現をする言い方。為手して尊敬・る人物に関して特別の表現をする言い方。受手まにつけて ) 、松の思はむことだに恥づか 動作主尊敬・上位主体語ともいう。 つけ尊敬・対象尊敬・下位主体語ともいう。 しう思ひ給へ侍れば (= 存いますので ) ・ : 」 ①尊敬の意の接辞を用いる。 ①謙譲の意の接辞を用いる。 〈冨桐壷〉 ①接頭語おほん・おん・お・ご・み : ・ ①接頭語拝見・掛者 : ・ ていねい話し手 ( 書き手 ) が聞き手 ( 読み手 ) を敬 丁寧語 ②接尾語たち・殿 : ・ ②接尾語ら ( 憶良響か〈三・ = 亳〉 ) うため、自分の言葉づかいを丁寧に表 尊敬の意の語を用いる。 ⑦謙譲の意の語を用いる。 現する言い方。対者敬語ともいう。「侍り」「候 ①名詞上・君・宮・おこと : ・ ①名詞戯奴わけ・奴 3 っ : ふ」の二語が動詞および補助動詞として用いら ②代名詞みまし・貴殿・ : ②代名詞おれ・おのれ・まろ・わらは : ・ れる。どちらも謙譲語から転じたものであり、 ③動詞あそばす↑なさる ) ・います・ます・③動詞きこゅ・啓す・奏す・申す (= 申しあ識別に注意する必要がある。 まします・おはす・おはします (= いらっし げる ) ・承る (= うかがう ) ・奉る (= 差し上げ マ「はやう、まだ下﨟に侍りし時 (= 低い身分 やる ) ・大殿ごもる (= お寝やすみになる ) ・の る ) ・賜る (= いただく ) ・まかづ・まかる (= でございました時 ) 、あはれと思ふ人侍りき たまふ・のたまはす (= おっしやる ) ・おぼ 退出する ) ・参る・まうづ (= 参上する・うか (= いとしいと思う女性がおりました ) 。」 す・おぼしめす (= お思いになる ) ・きこす・ がう ) ・参らす (= 差し上げる ) ・候ふ・侍 〈冨帚木〉 きこしめす (= お聞きになる・召し上がる ) ・御 り (= おそばに控える・伺候する ) ・ 「からい目を見さぶらひて (= ひどい目にあい 覧ず (= ごらんになる ) ・しろす・しろしめす④補助動詞きこゅ・奉る・申す・給ふ ( 下まいて ) 。誰にかはうれへ申し侍らむ (= どな (= お知りになる・お治めになる ) ・たぶ・たま 二段活用 ) ・まつる・参らす : ・ たにこのつらい悲しい思いをお訴え申しあげら ふ (= お与えになる・くださる ) やや久しく候ひて (= おそばにお仕えして ) 、 れましようか ) 。」 〈回三一四〉 ④補助動詞おはす・おはします・たまふ ( 四 いにしへのことなど思ひ出いで聞こえけり (= 補助動詞とは、動詞本来の 本動詞・補助動詞 思い出してお話し申しあげた ) 。 段活用 ) ・たぶ・たうぶ : 〈〈三〉 意味が薄れ、他の語に補助 ⑤助動詞す ( 上代語、四段活用 ) ・る・らる・ マ「わが丈たけ立ち並ぶまで養ひたてまつりたるの関係で付いて意味を添える動詞をいう。補助 す・さす・しむ (= 育ててさしあげた ) わが子を、何人か迎へ動詞に対して、その動詞本来の意味・用法のも 皇子みこ、「いと忍びて。」とのたまはせて、人きこえむ (= お迎え申しあげられようか ) 。」 のを、とくに、本動詞ということがある。次の もあまた率ゐておはしまさず (= 連れていらっし 〈かぐや姫の昇天〉例は、実線による傍線の語が本動詞、点線によ やらない ) 。 〈區蓬莱の玉の枝〉なお、下二段活用「給ふ」は、「思ふ・見る・る傍線の語が補助動詞で、順に、尊敬・謙譲・ マ「壷なる御薬奉れ (= お飲みくださいー一説聞く・覚ゅ」などの限られた動詞に接続し、会丁寧の意を添えている。 に、この会話文がある天人から別の天人に対す話文・手紙文、勅撰集の詞書ばだけに用いらマ内裏うちの帝擎、御衣ぞ脱ぎて賜たまふ (= お与え るものと見て、謙譲語「差し上げよ」とする ) 。れる。話し手または話し手側の行為を表す動詞になる ) 。太政大臣強おりて舞踏し給ふ (= きたなき所の物きこしめしたれば (= 召し上に付き、ロ語の「ます」の意にあたることか拝舞しなさる ) 。 〈藤裏葉〉 がったので ) 、御心地 (= ご気分が ) 悪あしからむら、この謙譲語の「給ふ」を丁寧語と見る説もマこの西面もにしも、持仏すゑ奉りて行ふ、尼 ものぞいだろうに ) 。」 ある。本書では、「給ふ」にさらに丁寧語「侍なりけり。簾垂財れすこしあげて、花奉るめり 〈かぐや姫の昇天〉り」を伴う用例もあるので、謙譲語と見る。 (= 花をお供えしているようだ ) 。〈若紫〉 文法要語解説 〔九七五〕 マ ▽
⑧ ( 7 ) ( 6 ) この辞典のきまりと使い方 ④必要な語については、解説にさきだって、その語についての 語源・原義・転化・なりたちの形などを〔〕で、位相を《 ) で 囲んで示した。なお、語の転化の形についての説明に用いた、 約・転・略の用語は、次のような基準によった。 約Ⅱ一連音中の、相接する一一音節が一音節につづまる現象。 あらいそ (araiso) ↓ありそ (ariso) 略Ⅱ語中の、ある音節が省略される現象。 あさあけ↓あさけ 転Ⅱ「約」「略」以外の形で音韻変化したもの。または、 それらが複合した形で音韻変化を起こしたもの。 あきびと↓あきうど ( 説明または補足的なものは、 ( ) につつんで示した。 ( 下に打消の語を伴って ) : ( ・ : の意から ) : ( 問いかける気持ちで ) : 係助詞・おもな副詞では、係り結びの関係・呼応の関係が明 確に理解できるように、その典型的な形を図で示した。 係り結び 副詞の呼応 〈強意〉 ( 已然形 ) 花こそ咲きたれ。 いまだ花咲かす 7 花が咲いている ) (= まだ花が咲かない ) 解説文中、難解な語句には、↑ ) で注を施した。 対義語がある場合は、↑の記号を付けて示した。語義の全体 に共通する対義語は、その見出し語の項末に ( ↑ ) の形で示した。 語義の一部に該当する対義語は、その語義の用例・訳のあとに 示した。 省略記述として、次のような記号を用いた。 ↓・ : 他の見出し語の語釈やその語に関する事項などを参照 させる場合。 ↓ : ・現代かなづかいによる見出しから歴史的かなづかいの 見出しへ指示する場合。また、〔学習〕や付録の該当事 項を参照させる場合。 見出しとした和歌・歌謡・俳句・川柳には、通釈を施した。 なお、歌中・句中に含まれる枕詞・序詞・掛詞・縁語などの修 辞は、通釈のあとに ( ) で囲んで指摘・説明した。 また、出典によって表記の異なるもの、作品の成立事情、解 釈に諸説のあるもの、本歌どりの歌の場合はその本歌を、その 他学習上特記すべき事柄などについては、欄で解説した。 なりたち〕 連語・慣用句・古文特有の言い回しなどについては、組成・ 語形の変化など、その構成を明らかにした。 ▽接続新 助詞・助動詞について、その語が文法上どのような語、また、 どのような活用形につくかを説明した。 主要な助詞・助動詞には、その文法的機能・意味用法などに ついて、詳細な解説を施した。 また、最重要語・重要語の用例と見出し和歌・俳句を中心 に、訳出するうえでポイントとなる文法事項を指摘した。 語法 ! 見出し語の実際の用いられ方、用法などについて特に注意を 要する点などについて指摘した。 文法 .
この辞典のきまりと使い方 につくように配慮した。〈項目一覧は一一ページ参照〉 おほし " 【思し・覚し】 ( 他サ四連用形 ) ( 動詞の上に付いて ) 【例語】髞し置く・思し掟おきっ・思し掛く : : : : : : “あり・く【歩く】 ( 補動力四 ) ・けけ く・〉 ( 動詞の連用形の下に 付いて ) : 【例語】憧れ歩く・歩あゆみ歩く・ : 動詞・形容詞・助動詞・活用のある接尾語は終止形で示し、 助動詞を除き、語幹と活用語尾との区別のあるものには、その 間を「・」で区別した。なお、形容動詞は語幹で示した。 あそ・ふ【遊ぶ】 ( 自バ四 ) いまめか・し【今めかし】 ( 形シク ) らる ( 助動下二型 ) ・が・る ( 接尾ラ四型 ) なのめ【斜め】 ( 形動ナリ ) ⑦主要な助動詞については、終止形以外の各活用形をも見出し 語として掲げた。 し助動詞「き」の連体形。な助動詞「ぬ」の未然形。 ⑧和歌・歌謡・俳句・川柳は、第一句を見出しとして掲げた。 あさほらけ : ・はしけやし・ : しづかさや : ・くじふくは・ : 複合語・連語・慣用句などは、そのままの形を見出しとし、わ かりにくいものにはを付けた。 ⑩人名は原則として姓名で引くようにし、名または号で呼びな らわされているものは、それをも見出しとし、解説は姓名の見 出しのほうで行った。 西鶴 ( ) 〔人名↓井原西鶴鷲く 見出し語の配列 配列は、表記のかなの五十音順とした。また、漢字表記の見出 ( 6 ) 〔四〕 し語は、その読み↑歴史的かなづかい ) の五十音順とした。なお、 五十音順で定まらない語は、次の方針によって配列した。 ①濁音・半濁音は清音のあと、拗音・促音は直音のあと。 ②品詞などの順は、接頭語・接尾語・名詞・代名詞・動詞・形 容詞・形容動詞・連体詞・副詞・接続詞・感動詞・助動詞・ 助詞・連語・慣用句・枕詞・和歌 ( 歌謡 ) ・俳句 ( 川柳 ) の順。 ③和歌・歌謡・俳句・川柳で、第一句が同じ場合には、第二句 以下の表記の五十音順。 見出し漢字と読み方の表示 見出し語のかなに相当する漢字を【】内に示した。二種以上 の漢字表記があるものについては併記し、一般的なものから先 に掲げた。また、送りがななどは、ひらがな・歴史的かなづか いで示した。 ⑦見出し語のかなづかいが現代かなづかいと相違するものには、 見出し語の直下三行どりの最重要語はその右側 ) に、現代かな づかいに準じて小字のカタカナで示した。その際、現代かなづ かいと同じ部分はーで示した。また、慣用的な読み方のあるも のは ( ) を用いて併記した。 アナズラワシ 【侮らはし】 ( 形シク ) ① あなづらは・し いへ・あるじに【家主】 ( 名 ) うかが・ふ【伺ふ】 ( 他ハ四 ) 品詞および活用の表示 ①品詞名は略語によって ( ) で示した。また、動詞には活用の 種類と全活用形を ( 〉で示した。形容詞にはク活用・シク活用
編者のことば わが国には、一千年以上の歳月の風化に耐えて、読み継がれてきた古典があります。追体験とはいえ、自分の 一千年以上もの人生を味わうことができるとしたら、すばらしいことではありませんか。 目で一語一語を追い、 古典の学びはじめは、この一千年以上にも及ぶ人生の扉を開く瞬間だと言えましようか。 こんな切実な声に応じ 古典の学びはじめに、引きやすく、わかりやすく、覚えやすい古語辞典がほしい て、この「旺文社全訳古語辞典」が生まれました。 引きやすさでは、こんな工夫をしました。すなわち、「いのねらえぬに」「にゃあらむ」のような古典によく見 られる言い回しや連語を見出しにして解説し、一な切〕で品詞分解を示したこと、歴史的かなづかいと現代かなづ かいとが異なる語の主要なものは、例えば「をとこ」が「おとこ」でも引けるようにカラ見出しを設けたこと、 主要な助動詞の全活用形を見出しとして掲げたことなどです。 わかりやすさでは、次のような工夫をしました。すなわち、用例のすべてに可能なかぎり逐語訳になるような な・に・ぬ・ ぬる・ぬれ・ね 〉のよう 全文訳をつけ、見出し相当部分を赤色で示したこと、動詞・助動詞の活用のしかたを、けけ に明示したこと、活用語の見出しについては、生きた文脈での活用形の用法がはっきりするように、用例中に用 いられている活用形を①⑩⑩⑩ 0 ◎で示したこと、主要な助詞・助動詞には詳細な文法解説を施したこと、 〔学習〕欄の特設をはじめ、第第第などの欄を設けて説明を補ったことなどです。 覚えやすさでは、以下の工夫をしました。すなわち、最重要語の重要な語義を太字で示したこと、係り結び、 し・」「・めく」 7 わたる」「おばしⅡ」などの主要な接頭語・接尾語、補助動詞ふう 副詞の呼応関係を図示したこと、「、 0
文法要語解説 〔九七四〕 に (= 朝の激しい北風が吹き出さないうちに ) 、 んとなく心細く思われる〈のです〉 ) 。」と言へ ・ : ただ宮にその国を預け奉る。」と仰せられ、 綱手はや引け。」といふ。 〈〉ば、翁、「月な見給ひそ (= 月をごらんになってそのよしの宣旨くだりにければ : 翁、かぐや姫に言ふやう、「わが子の仏、変 くれるくれます〉な ) 。これを見給へば、物とあれば、引用文としての末尾が明確で、引用 化の人と申しながら、ここら (= こんな ) 大思おぼす気色はあるぞ (= 月をごらんになると、符でくくることができる。 きさまで養ひたてまつる志れいろおろかならず。 いつも物思いをなさるようすがある↑あります〉 四、敬語 翁の申さむことは聞き給ひてむや (= きっとおよ ) 。」と言へば、「いかで月を見ではあらむ 聞きくださるだろうか ) 。」と言へば : (= どうして月を見ないではいられようましょ 敬語とは、話し手 ( 書き手 ) が聞 敬語の種類 〈貴公子たちの求婚〉う〉 ) 。」とて、なほ、月出いづれば、出でゐっ き手 ( 読み手 ) や話題の人物に対 この嫁・ : よからぬことを言ひつつ、「もてい っ嘆き思へり。 〈かぐや姫の昇天〉して敬意を表す特別の語や言い方をいう。ふつ まして、深き山に捨てたうびてよ (= 捨ててし 「はかばかしき事は、片端も学び知り侍らう、話し手 ( 書き手 ) が話題の人物に関して敬意 まってください ) 。」とのみ責めければ、 ( 男ねば、尋ね申すまでもなし (= 少しも学び知っを表す尊敬語と謙譲語、話し手 ( 書き手 ) が聞き は ) 責められわびて、さしてむ (= そうしてしまておりませんから、お尋ね申しあげるまでもな手 ( 読み手 ) に対する敬意を表す丁寧語に分け おう ) と思ひなりぬ。月のいとあかき (= 明る い〈のです〉 ) 。何となきそぞろごとの中に、られる。 い ) 夜、「嫗ども、いざたまへ (= いらっしやおばっかなきこと (= たあいのないことの中▽僧の、「もの申しさぶらはん (= お話し申しあ い ) 。寺に尊きわざ (= 法会彎 ) する、見せたてで、よくわからないこと ) をこそ問ひ奉らめげましよう ) 。おどろかせ給へ (= 目をお覚ま まつらむ。」と言ひければ : 〈囹一契〉 (= お尋ね申しあげようましよう〉 ) 。」 しください ) 。」と言ふを : 会話文は、地の文に比べて、 「もの申しさぶらはん。おどろかせ給へ。」の 会話文の特徴 ①文が短く簡潔であり、敬 会話文の中には、その末尾話し手は僧、聞き手は児ちごであり、話題の人物 地の文との融合 語の程度が強く、③省略 ( 言いさし ) が多く、④ が地の文と融合して、引用も僧と児である。話し手の僧が話題の人物の僧 係助詞の終助詞的な用法を含めて、終助詞の使符でくくれないものがある。 の「もの言はん」という動作について、その動作 用が目立っという傾向がある。謙譲語のハ行下帝擎に「かくなむありつる。」と奏しければ、を受ナる話題の人物の児を高めるために謙譲語 二段活用の「給ふ」や丁寧語の「侍り・候ふ」 「いふかひなし。その男を罪しても、今は「もの申す」を用い、聞き手の児に対する敬意を は、原則として、会話文・手紙文だけに用いら この宮をとりかへし、都にかへし奉るべき表すために丁寧語「さぶらふ」を用いて「もの申 れるが、丁寧語の発達がおくれているため、現にもあらず。竹芝の男 3 のに、生けらむ世のかしさぶらはん」と表現したのである。また、話 代語では丁寧語「ます・です」を用いた表現になぎり、武蔵の国を預けとらせて、おほやけご題の人物の僧が話題の人物の児に対して「おど るはずのところに丁寧語の用いられていない場と (= 租税や賦役など ) もなさせじ。ただ宮ろけ」と命ずるところを、話し手である僧が「お 合が多い。 にその国を預け奉らせ給ふよしの宣旨くだりどろく」という動作をする話題の人物の児を高 にけ・ . れ、は : かぐや姫のある所に至りて見れば、なほ物思 〈圈竹芝寺〉めるために尊敬の助動詞と補助動詞を用いて へる気色 3 きなり。これを見て、「あが仏、何この例は、竹芝寺伝説を語る長文の「語り」「おどろかせ給へ」と表現したのである。なお、 事思ひ給ふぞ (= お思いになるの〈です〉か ) 。の中に、勅使と帝とのやりとりのようすが会話「もの申しさぶらはん」は、今日の「もしもし」 思おぼすらむこと何事ぞ (= お思いになっている文のような形式で紹介されているものである。にあたる表現で、「もの聞こえ侍らむ」〈冨東 ようなことは何事〈です〉か ) 。」と言へば、「思帝の言として語る部分の末尾が「よし」で受けら屋〉と同じ敬語表現。「もの聞こえむ」〈国◇ ふこともなし。ものなむ心細くおばゆる (= なれ、地の文と融合してしまっている。 は丁寧語のない言い方である。 マ
マ注意寰 その見出し語について理解するうえで、また、学習上特に注 意を要する点、誤りやすい点などを指摘した。 ▽参考 見出し語についての理解をいっそう深めるため、語義の補足 説明、時代による語の盛衰・語義の移り変わりなどの語史的 説明、類似語との比較説明、その他古語・古典を理解するう えで参考となる事柄について解説を加えた。 マ学習 ( 学習〕 古語を理解するうえで、まちがえやすい点、わかりにくい点、 また、覚えておくと便利な事柄などを見出し語に関連して囲 み記事とした。特に、「やまのは」と「やまぎは」、「まふ ( 舞 ふ ) 」と「をどる ( 踊る ) 」などの違いを図・絵によって説明・ 解説し、文章による説明では理解しにくい点を具体的・視覚 的に理解できるようにした。〈項目一覧は一〇ページ参照〉 冒頭文 著名な作品は見出しでとりあげ、解説のあとに冒頭の一節と その通釈を収めた。 マ枕詞・歌枕・季語 ①枕詞は次のように示した。 あまのはら【天の原】《枕詞》「富士」にかかる。 ②歌枕は次のように示した。 明石 ( いか ) 一地名』今の兵庫県明石市。 ③見出し語のうち、俳句の季語となるものには、その語釈の あとに、圈圈の記号でその季を示した。また、見出し 語から派生した季語は、次のように ( ) に囲んで一小した。 この辞典のきまりと使い方 ( 2 ) 。 ( 葦茂る鬩葦の花 ) あし【葦・蘆】 ( 名 ) : ▽写真・図版 写真三〇葉、本文・付録とも図版約三一〇点を掲載し、視覚 的理解の一助とした。 用例 語義・用法の理解を助ける適切な用例を、次の基準によって 採録した。 ①著名古典を中心として、さらに教科書・大学入試問題などに よくとりあげられ、親しまれているもの。 ②文脈がわかりやすく、短くくぎれるもの。 表記は、歴史的かなづかいによった。むずかしい漢字には読 みがなを付け、またはかな書きに改め、送りがなや句読点を補 うなどして読みやすくした。 ③用例中の見出し語にあたる部分は「ー」で示し、さらに赤色 で目立たせた。なお、見出し語が動詞・形容詞・形容動詞であ る場合は、その語幹にあたる部分を「ー」で示し、語尾は「・」 でくぎってそのあとに示し、かっその活用形をも⑩などの表示 で示した。連語の類もこれに準じて示した。 ただし、語幹・語尾の区別のない動詞 ( 上一・下一・カ変・サ 変・下二の「得う」 ) 、および助詞・助動詞については、それらが 活用して変化した場合、語形をそのまま太字で示したうえで、 ①などの表示で活用形を示した。 なお、各活用形の表示は次の通りである。 ①↓未然形⑩↓連用形 @↓終止形 ⑩↓連体形 @↓已然形⑩↓命令形 〔七〕
〔三三六〕 ここをーこさめ る。得意になってする。一帚木「我が心得たることばて。②「行く」「来く」の尊敬語。いらっしやる。おいでになしてもつばら書簡文に用いられるようになった。 かりを、おのがじしー・り⑩て、人をば貶おとしめなど、かたはる。〔太平記〕毛「かの雲景に、『御身はいづくへー・る⑩ござ・さうら・ふ引御座候ふ】 ( 補動ハ四 ) 窈ひふ ①「御座あり」の丁寧語。・ : ( で ) いらっしゃいます。〔謡・ らいたきこと多かり」 ( 女というものは ) 自分の会得して人ぞ』と問ひければ」 ( 老山伏が ) その雲景に、「あなた いることばかりを、各自が得意になってして、他の人をさけはどちらへいらっしやる人か」と尋ねたので。 蘆刈〕「これに御座候ふ御事は、頼み奉り候ふ人の若 すんだりなして ) 、見苦しいことが多い。 3 思いをはせる。「御座あり」は鎌倉時代から用いられるようになり、子の御乳の人にてー・ふ⑩」訳ここにいらっしゃい 思いやる。一齏蓬生「されど、行く道にー・り⑩て、いとラ変動詞「あり」の四段活用化に伴い、室町時代にはますお方は、 ( 私が主人と ) 頼りに申しあけます人の若様の 心地よげなり」訳しかし、 ( 栄転して赴任して ) 行く道中「御座ある」 ( ラ四 ) を生じ、これがつづまって「御座る」 ( 一フ御乳母でいらっしゃいます。②「あり」の丁寧語。・ : ( で ) あ に思いをはせて、 ( 末摘花の叔母は ) たいそう満足そう四 ) を生み出していく。こうした過程の中で、「御座ある」ります。 : ・ ( で ) こざいます。〔謡・蘆刈〕「それがしは忠の者 である。 には丁寧語としての用法、すなわち、丁寧の本動詞 ( 「有にてー・ふ@よ」私は忠義の者で【」ざいますなあ。↓ ここ・を・もちて【是を以ちて】こういうわけで。それゆえる」「居ゐる」の丁寧語として「あります」「【」ざいます」の意御座候らふ ( 自ハ四 ) 勘 に。〔記〕上「その過ちし所以ゅゑは、この一一柱らの神のを表す ) 、丁寧の補助動詞 ( 「ある」の丁寧語として「・ : ( で ) ごさ・な・し【御座無し】 ( 形ク ) ①「なし」の尊敬語。い 容姿いとよく相似たり。故かれー過ちき」その間違あります」「・ : ( で ) こざいます」の意を表す ) の用法を生じ、らっしやらない。おいでにならない。おありにならない。〔太 えたわけは、このお一一人の神の容姿がたいそうよく似てい 「御座る」は尊敬語としても丁寧語としても用いられた。 平記〕 = 「両六波羅大きに驚いてまづ内裏へ参じて見奉 る。ゆえにこういうわけで間違えた。 ござ・あ・り【御座あり】 ( 補動ラ変 ) 局罍〉「あり」「居るに、主上はー・く⑩て」訳南北の一一つの六波羅探題 漢文訓読から生じた語。「ここをもって」「ここをもをり」の尊敬語。 : ・ ( で ) いらっしやる。〔太平記〕 = 一「新帝では大変驚いてともかく内裏へ参上して ( 主上を捜し求 て」も同じ。 幼主にてー・る⑩上、君崩じ給ひたる後」訳新帝は幼めて ) 見申しあけると、主上↑後醍醐天皇 ) は ( 内裏に ここ・を・もて【是を以て】「ここをもちて」に同じ。 い帝でいらっしやるうえ、帝が崩御なさった後は。↓御座は ) おいでにならなくて。②「なし」の丁寧語。ありません。 古今著聞集 ( もんよこ『作品名】鎌倉中期の説話ござあり ( 自ラ変勘 【」ざいません。〔仮名・きのふはけふの物語〕「御さかなも 集。橘成季の編。建長六年 ( 一 = 五四 ) 成立。わが国こざ・あ・る【御座ある】 ( 自ラ四 ) 勗婢〉「御座あり ( ラ ー・けれ@ども、せめて御酒なりとも参らせたい」 ( これ 古今の約七百の説話を神祇れん・釈教・政道忠臣・文変 ) 」の四段活用化したもの。↓御座ござあり ( 自ラ変 ) といった ) 酒のおさかなも一」ざいませんが、せめてお酒なりとも 学などの内容によって三十編に分類したもの。 差し上げたい。 こ・ざ【御座】 ( 名 ) ①「座」の尊敬語。貴人の座。おご・さいゑ引 , 【御斎会】 ( 名 ) 宮中の行事の一つ。毎「御座あり」「御座ある」「御座る」の否定形で、「な 席。「おまし」とも。〔宇津保〕蔵開上「皇子みこはをぢ宮た年正月八日から七日間、大極殿にで金光明最勝王し」の活用のしかたが、「ない」に変化するとともに、「御座 ちのーのしもにつき給ひぬ」訳皇子は叔父にあたる宮が経を講じて、国家の安寧既と五穀豊穣躅うを祈る儀ない」に変化した。 たのお席の下座れもに御着席なさった。②貴人の御座所式。後世は清涼殿鰾で行われた。圏 こさ・な・し【御座無し】 ( 補形ク ) ①「なし」の尊敬語。 の畳の上にさらに重ねて敷く畳。「御座畳」「上げ畳」とこさ・さうら・ふ引御座候ふ】 ( 自ハ四 ) 窈 ・ : ( で ) いらっしやらない。〔謡・船弁慶〕「御兄弟の御仲 も。「れ」一一七七「ことさらにーといふ畳のさまにて」訳格①「御座あり」の丁寧語。いらっしゃいます。おいでになりは、ただ日月のことく御座あらうすると存じて候へば、さも 別に ( 高貴な方の御座所に用いる ) 御座という畳のありさます。おありになります。〔太平記〕一 0 「御一門太略く ー・く⑩て」 ( 源頼朝と源義経の ) こ兄弟の御仲は、 、か」い ′のやっ ひたすら ( 共に並んで栄える ) 日と月のようでいらっしやるで まであって。①貴人がいること・行くこと・来ることの尊敬御自害號い候ふなり。大殿ばかりこそ、いまだ葛西合 語。いらっしやること。お出まし。〔太平記〕一一「これにー にー・ヘ@」訳御一族はたいていご自害なさいます。大あろうと存じておりましたところ、 ( 実際は ) そのようでもいら のことは、いかなる人も知り候はじとこそ存じて候ふに」殿だけが、まだ葛西の谷においでになります。②「あり」の っしやらなくて。②「なし」の丁寧語。・ : ( で ) ありません。 訳 ( あなたが ) ここにお出ましのことは、どのような人も知り丁寧語。あります。ございます。〔芭蕉書簡〕「折節は御 : ・ ( で ) こざいません。〔天草本伊曾保〕「これはさらにむつか ますまいと存じておりますのに。 書状もと存じ、心懸けもー・ヘ@ども」折節にはお手しい不審でもー・い⑩ ( ロ語 ) 」これは決して難しい謎 こさ・あ・り【御座あり】 ( 自ラ変 ) 〈 ・〉①「あり」紙もと存じ、 ( 手紙を差し上げる ) 心がけもございますけれど なぞかけでも一 J ざいません。↓御座無等し ( 形ク ) 当 「居をり」の尊敬語。いらっしやる。おいでになる。おありにも。 こさ・なれ〔「ごさんなれ」の撥音「ん」が表記されない形〕 なる。靄三・御産「法皇は・ : 錦帳う近くー・つ⑩促尊敬語「御座あり」の「あり」を「候ふ」に替えて、尊「【」さんなれ」に同じ。 音便 ) て」法皇は・ : 錦の帳麝の近くにいらっしやっ 敬の意にさらに丁寧の意を添えたもの。後には丁寧語とこさーめれ〔「こさんめれ」の撥音「ん」が表記されない形。