オランダ - みる会図書館


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1. フラワービジネス

わが国においても、こうしたオランダの取り組みに学んだり、より合理的な環境複合抑制装置の開 発、またロックウール栽培など新しい栽培方法の開発や ( 鮮度保持剤 ) など環境にやさしい新薬 の開発、そのための研究も今後必要であろう。 ともかく、美しい花を年中みるために、膨大なエネルギーとコストをかけ、そのエネルギーによっ て生じる負の産物をなくすために、再び膨大なエネルギーとコストを要するという矛盾に陥っている かにみえる。この循環を断ち切る必要があるかないかは、地球環境と私達の身の周りの環境に対する 価値、また花の美しさの価値をどこに見定めるかにかかっているようだ。 二五〇〇円あっても一万円あっても花を買う ( 1 ) オランダと比較してわかる花消費拡大のポイント わが国で「五〇〇円あっても一万円あっても花を買う」時代、つまりオランダのように誰もが身近 に花を置くようになるのはいつのことであろうか。花先進国オランダと比較して、わが国との違いを 明らかにすることによって、わが国が学ぶべき点をいくつか指摘しよう。 流通上からいえば、オランダは一五〇〇人に一軒の割合で生花店があるのに対し、日本は五〇〇〇 165 第 6 章フラワービジネスの将来

2. フラワービジネス

一問題点は克服できるか ( 1 ) 花は高くてもいいか わが国は栽培面積、生産量、消費量の総量ではアメリカ、オランダとならぶ花大国ではあっても、 国民一人当たりの水準では花大国とま、 たとえば、一人当たりの花消費量ではオランダの三割にも満たない。年間一人当たりの消費本数将 C ハラ、カーネーション、キクの計 ) の世界順位は、オランダ一四五本でトップ、次いで西ドイツ六六ス 本、イギリス四一本、そして日本四〇本となっている。しかも、この消費の中心は家庭用ではなく業ジ 務用である。 ワ また一人当たりの消費金額では、日本は六五六〇円で第一位、次いでスイス六〇〇〇円、オランダラ フ 五七六〇円、イタリア五五二〇円、西ドイツ五〇四〇円となっている。一本当たりの花の値段の高い 章 ことが、消費金額を押し上げる原因になっている。花一本の値段を単純に計算すれば、日本は一六四 第 円で、オランダの四・一倍、イギリスの二・四倍、西ドイツの二・二倍である。だから、花がもっと 安ければ、家庭での日常的消費ももっと増えるというのが大方の見方である。

3. フラワービジネス

人に一軒の割合と購入機会が少なく、そのためかオランダの生花店が仕入値の二倍弱で売るのに対し、 日本の生花店は約三倍で売る。また、オランダは九市場で大規模な流通が行われるのに対し、日本は 三四〇もの小市場で小規模流通である。 ーマーケットで 販売の方法でも、第三章でふれたように、オランダではガソリンスタンドやスー の販売が重要な役割を果たしているのに対し、日本は「花は花屋さんで買うもの」というのが一般的 であり、花屋さんが扱う花もギフト用が中心である。こうした流通面ばかりでなく、生産面でもオラ ンダは大規模生産であり、産地も形成され、生産者組織もしつかりしている。 これらの違いのほかに、わが国の花消費とオランダのそれを比較して最も興味深い点は、オランダ は日本の三・六倍に当たる一人年間花消費本数一四五本の五五 % が家庭用であり、花需要増大の主役 であるという点である。わが国の場合、たしかに消費構造は大きく変わりつつあるが、花消費の中心 は贈答用やイベント用で、それがこれまで続いた需要増大の主役でもあり、また一般家庭で気安く買 える価格にもなっていない このような違いの最大の原因は、「ゆとり」「うるおい」「やすらぎ」の享受の度合い、生活パターン の違いなのではないだろうか。第一章でも述べた「ゆとり」とか「うるおい」とかは、わが国ではそ しいがたいのである。花は贈ってもらうにはう れを求める状況ではあっても、定着している状況とま、 れしいが、自分で買い求めるほどの商品にまだなっていないのが現実である。こんなアンケート結果 166

4. フラワービジネス

ン、リュウカデンドロン、アメリカからアンスリウム、デージーなどである。 次に金額ベ 1 スでみると ( 八九年 ) 、全体で前年比八・一 % 増の一億一〇三〇万ドル ( 一五二億四二八 五万円 ) に達し、八五年比では四・九倍の伸びであった。なかでもオランダの増大は顕著で、二三・七 倍増となった。オランダにおいて数量以上に金額の伸びが顕著なのは、トン当たり単価が一万七八二 〇ドルと相対的に高いためである。また、オランダ、タイ、台湾の三か国で金額全体の七四 % ( 八九 年 ) と輸入先が特定国に集中し、なかでもオランダは全体の三七 % を占めている。 このように切り花の貿易が盛んになった理由は次の点にある。第一に、輸人花きの需要増大のなか で円高が急速に進んだこと、第二に、途上国にみられるように恵まれた気候と安い労賃に支えられた情 数少ない外貨獲得の手段になっていること、第三に、剤など鮮度保持技術や。ハイテクなど大量花 生産技術が向上したこと、第四に、植物検疫制度による規制が緩和されたことなどである。 そして、わが国に輸入されている花は、次の四種類だとされている。第一に、タイのランや台湾の華 の キク、グラジオラスなどのように、国内産との価格差が大きいために大衆花として利用されるもの、界 第二に、 ニュージーランドやオーストラリアのように季節差を利用して国内産の端境期に輸入される 章 もの、第三に、オランダの球根切り花やオーストラリアのワックスフラワ 1 のように、国内で生産が 第 少ないかあるいは生産されていないために輸入され、ギフト用などに利用されるもの、第四に、「母の 日」のカーネーションのように特定日あるいは一時期に大量の需要に対応して輸入されるもの、以上

5. フラワービジネス

求められるし、花先進国から多くを学ぶ必要もあろう。そこで、次に世界最大の花先進国であるオラ ンダおよびその他諸国の花事情をみることにしよう。 二オランダの花事情 ( 1 ) . 花のお客は世界の人々 オランダはわが国の九州ぐらいの大きさで、農業人口は総人口の四・〇 % 、農業生産額は Z の 七・三 % で ( ともに八八年 ) 、このなかにある花き産業のウェイトは高い。オランダの農業生産額は三 二六億二〇〇万ギルダー ( 一ギルダーⅡ七〇 5 八〇円 ) で、このうち花きは四五億八五〇〇万ギルダ 1 一四・一 % を占め、球根・植木を含めれば全体の一八・四 % を占めている。そして、生産される切り 花と鉢物の八割、球根の七割が輸出に向けられる。このように、オランダの花き産業は世界の人々を 相手にしており、まさに″世界の花工場〃といった位置にある。 表Ⅲー 5 はどんな国に花を輸出しているかを示したものである。八五年から八九年の四年間に金額 で二八・一 % の増加、また前年比でも八九年は八・二 % も伸びている。輸出の中心は近隣の諸国 で、輸出全体の約八割を占め、なかでも西ドイツがダントツのシェアで約五割を占めている。次いで

6. フラワービジネス

一花開くわが国の花き貿易 ( 1 ) 国内消費量の七 % に達した切り花輸入 わが国の花は、第一章でもみたように、消費、生産ともに急成長している。また、輸入の面でも、 円高を背景に急増している。花き類全体の輸入額は、一九八五年に八五億一三六八万円だったのが、 八九年には二・七倍の二三二億四五九三万円に急増し、また輸出額は反対に一一六億七二八八万円から情 事 一二億九二五九万円に半減した。以下にわが国の花き貿易の状況を概観してみよう。 花 八九年のわが国の切り花の輸入量は、表Ⅲー 1 のとおり、前年比一三・〇 % 増の一万三三六九トン 、刀 に達し、史上最高を記録した。これは国内切り花消費量の約七 % に相当するものである。八五年以降華 の伸び率を八九年と比較してみると、全体で三・四倍の増大、なかでもオランダからの輸入が顕著で、界 世 一六・三倍にも激増している。オランダのほかに輸人量の多いタイ、台湾を合わせると、輸入全体の 章 約八割をこの三か国で占める。 第 国別の輸入切り花の主な種類は、タイおよびシンガポールからラン、オランダからフリージア、ネ リネ、ユリ、チューリップ等の球根切り花、台湾からキク、グラジオラス、ニュージーランドからラ

7. フラワービジネス

ダ—' 一三・〇 % 、カーネーション二億五八九七万ギルダ—' 八・四 % 、ユリ七・五 % 、チ = ーリッ プ七・二 % 、ガーベラ四・七 % の順になっている ( 八九年 ) 。 わが国の輸入花きで最近注目される。ハラのほとんどは、このオランダ産である ( 二位はドイツからの 輸入 ) 。オランダからの輸入量と輸入額を示しておけば、八八年四一万本 ( 全体の五五・四 % ) 、一九五八 万円 ( 全体の四四・六 % ) 、八九年四五万本 ( 五五・八 % ) 、三四七六万円 ( 五二・八 % ) 、そして九〇年に は七六万本 ( 六六・二 % ) 、九二八九万円 ( 七〇・三 % ) と増大している。オランダの。ハラは品種改良が 進み、花持ちがいいばかりか、そのための処理も徹底しており、わが国の需要に十分応えられ、わが 国の。ハラ生産者にとっては強 LO 【 0 ワ」ワ」 -0- 4 っ 0 「 / 4 っ 0 1 1 1 冖 / に 敵である。 っ 0 1 「エ 花ダシ ところで、″世界の花工場〃 【 0 8 -0 一つ 0 、 1 LO 【っ 0 1 っ -4 ワ」 9 、 ~ 化 / -0- 「 / 4 LO 9 、 8 ワ」 8 8 門 / ワ」 -0- 9 、 とはいっても、輸入が全くなの 00 -0- ・ 4 1 4 「 / っ 0 っ 0 冖 / 9 、ワ」 4 ・ 4 4 ・の ダ年位客 8 4 -0- っ 0 1 -0- -0- っ 0 8 尸 0 -0 L-•O -4 ・「 / 0 -0- いわけではない。表Ⅲー 6 の ワ LO ワ」 1 1 8 ( 0 ワ 3 ワ」 1 1 ノ金 / 0 とおり、輸出額の一一・ 計ンツアスス他計ルカアカエ力アイ他 とわすかではあるが、スペイ リ・リ・ン フォの の O ラ ンなどの O 域内やイスラエ い「タ至ーラ スンアチ 合ス西イイフそィアケコジ南エタそ ル、アメリカ、途上国などか

8. フラワービジネス

ちに飛行機に積み込まれ、日本市場でセリを終え、三日後には店頭に並べられる。 ここで、オランダの花き流通を支える各分野の概況を紹介しておこう。まずセリ市場である。オラ ンダは現在九つの花市場があり、四二億一五六〇万ギルダーの取扱高をあげている ( 八九年 ) 。最大の 市場は取扱高全体の四三・九 % を占めるア 1 ルスメア市場、次いで三四・〇 % を占めるウエストラン ド市場、フロ 1 ラ市場 ( 一〇・四 % ) 、ベルケル市場 ( 五・五 % ) と続く。 アールスメア市場は、世界最大のフラワーオークション市場で、総面積七七ヘクタ 1 ル、建物三三 〈クタールの広さをもつ。八九年の取扱高は一八億四九〇〇万ギルダーで、うち切り花が一一億五六 五〇万ギルダ六二・五 % 、ほかに花壇苗・鉢物六億三七九〇万ギルダー、三四・五 % となってい る。この市場は生産者による組合方式の運営で、四八〇〇人ほどが組合に参加し、。 ( イヤーが三二〇 〇人、うち輸出会社が三〇〇入っている。場所的には、オランダの玄関口であるスキボ 1 ル空港に近 く、輸出上の条件がよく、オークションの八〇 % は輸出される。 オランダ第二のウエストランド市場は、八九年の取扱高が一四億三三六〇万ギルダー、うち切り花 が一〇億五九七〇万ギルダ七三・九 % となっている。この市場も生産者による組合方式で二六〇 〇人ほどが参加している。 さて、セリ市場でセリ落とされた花きは、卸・輸出業者によって小売・輸出に向けられる。卸・輸 出業者は全部で五四三六業者あり ( 八九年の内訳は、球根一〇八一、花き二九五一、植木一四〇四 ) 、このう

9. フラワービジネス

も台湾からの輸入は半減した。輸入球根の主な種類は、 号卩 8 8 【 0 9 、「 / 一カ額ワ〕 0 / -4 4 00 リ、ヒヤシンス、グラジオラスなどで ップ、ユ チューリ 年 ある。 【 / っ / ワ」 -8 8 っ 0 表 ワ」っ 0 8 「 / 0 一 0 -4 月 オランダの急増の背景には、円高の進行や切り花生産 CO っ 0 0 9 ) ワ」 4 貿 千 用球根の需要増大のほかに、オランダ産球根の輸入後の 入他 3 四 2 LO 4 ワ】 -4 隔離検疫の免除がある。八七年からは特殊容器に封入さ LO 1 1 ワ 3 8 ー立 ワ】 -0 LO っ 0 / し れたヒヤシンスおよびアマリリスが、八八年からはわが 、冫 1 ワ」っ 0 0 っ 0 ワ 3 0- 0 ' 9 ' & ・ 9 ' 「ら LO 1 1 1 1 国植物防疫官による輸出前の栽培地検査など一定の条件情 、カ ワ 3 -4 1 っ / 「 / っ 0 ワ」 ・ 3 0 年を満たしたチューリツ。フ ( 三一品種 ) が、八九年にはさら花 、わ , 4 っ 0 1 0 0- 0- / ワ〕 8 【 0 L.n LO c.O 各 タ 1 1 1 易 に五四品種のチューリップが追加され、九〇年一月にはカ カ浦 7 7 0 貿 4 「 / っー、 -0 「 / 0 8 ュリ一三品種が、九〇年六月からは新たに五五品種の華 物 1 1 の ア 表 界 水チューリツ。フが隔離検疫を免除された。 世 ダ四 6 ワ」 1 -0 -0 9 、つ 0 蓐 8 球根の輸入金額をみてみると、八九年は前年比四八・ 一フ ' 00 8 ' & ・ 5 ' 1 4 ・ 章 二 % 増の二一四八万ドル ( 二九億一九三四万円 ) に増大し、 3 度ル 八五年時に対し六・五倍の伸びを示している。オランダ 資 量金額 は金額でも八三・五 % ( 八九年 ) 、八九・〇 % ( 九〇年 ) を 21 , 476 54 , 334

10. フラワービジネス

ートのフラワーアレンジメントだけでなく、一流ホテルやファションビルなどでの このようなデパ アレンジメントも増え、さらに展示会場、ビルのオープニング、クリスマスの催しなど、幅も広がっ てきている。これら催しの一件当たりの料金は、最低でも一〇万円以上、最高では三〇〇〇万円とい うものもあるといわれている。これらはすべて会社のイメージアツ。フなどの手段として本領を発揮し ている。 こうしたフラワ 1 デザインの急速な利用範囲の拡大に伴って、フラワ 1 デザイナー養成のビジネス 分野も急成長している。フラワースクールに関するものを紹介しよう。 東京・原宿「デ・マスターフラワースクール」【オランダ人の専任講師を迎え、オランダ流の花のアレンジ・ デザインを教授。一クラス一五人制で、三か月の短期集中コ 1 スで本場のテクニック をマスターできる。講師資格を目指す若い女性に人気。【〇三ー三七九七ー のシーズン性をいっそう強調するための手段として導入。 「有楽町西武」】館一階の宝飾品フロアにギフト対応の花売場「花季 ( はなごよみ ) 」を設置。華やかな 潤いのある宝飾売場にするとともに、宝飾だけでなく花を添えた優雅なギフトにする 一石二鳥の考え。